説明

リシノール酸からメチル7−オキソヘプタノエートとウンデシレン酸とを同時に製造する方法

【課題】リシノール酸の変換方法。
【解決手段】連続した下記の(a)〜(e)段階から成る:(a) リシノール酸をバクテリア、イーストまたは真菌を用いた発酵で7-ヒドロキシ-9-オクタデセン二酸を作り、(b) 段階(a)で得られた7- ヒドロキシ-9- オクタデセン二酸をエステル化して対応するメチルジエステルを形成し、(c) 段階(b)で得られたせ生成物を高温クラッキングしてメチルウンデシレネートとメチル7- オキソヘプタノエートとの混合物を形成し、(d) 段階(c)で得られたメチルウンデシレネートとメチル7-オキソヘプタノエートとを分離し、(e) 段階(d)で得られたメチルウンデシレネートを加水分解してウンデシレン酸を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リシノール酸の発酵段階を含む、リシノール酸をメチル7-オキソヘプタノエートと10-ウンデシレン酸(ウンデシル-10-エン酸ともよばれる、以下単にウンデシレン酸という)へ変換する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リシノール酸を発酵するとノナデセン二酸になる:

【0003】
通常知られている大部分の不飽和二酸(ジアシッド)またはジエステルは4〜6つの炭素原子を有する鎖から成り、例えばC4酸、マレイン酸およびフマル酸、C5酸、シトラコン酸、メサコン酸およびイタコン酸、C6酸、2−メチレングルタル酸およびムコン酸である。一方、長鎖の二酸で重要なものは一般に不飽和カルボン酸の縮合によって得られるダイマーのみである。これらの二酸の特性、合成方法および用途は非特許文献1に記載されている。
【0004】
飽和二酸は工業的に種々の方法で得られるが、それらの方法には全て何らかの不利な点がある。公知方法の全体は上記非特許文献1の第523〜536頁に記載されている。これらの方法は劣化方法、例えば植物脂肪酸のオゾン分解か、酸化反応かで区別できる。
【0005】

【0006】
オレイン酸、ペトロセリン酸およびエルカ酸をオゾン分解すると、ペトロセリン酸に対する上記反応過程に従ってそれぞれ9つ、6つ、13の炭素原子を有する二酸ができる。
【0007】
他の製造方法の例は180℃以上の温度で水酸化ナトリウムの作用でリシノール酸を開裂する方法である。工業的にはこの方法を使用して10個の炭素原子を有する二酸が作られている。下記のシェーマに示すように、同じ方法をレステロル酸に適用して12個の炭素原子を有する二酸を作ることもできる。この方法は再生可能な材料を使用できるという利点があるが、基本的にC10の二酸に制限され。また、レステロル酸はあまり普及していない原料であり、従って、この方法はあまり使用されていない。
【0008】

【0009】
さらに、モノカルボン酸をN24の作用で酸化分解する方法も挙げることができる。ステアリン酸を酸化反応することでセバシン酸とカプリル酸との混合物を得ることができる。パルミチン酸からコルク酸を得ることができる。
【0010】
また、カルボニル化の変形法を使用して、寸法の小さい分子から二酸を得ることもできる。
【0011】
さらに、パラフィン系炭化水素、飽和または不飽和の脂肪酸またはエステル、酸、アルコールの基材をイースト、真菌またはバクテリアを用いた発酵でこれら基材の化合物を酸化させることもできる。この方法が非特許文献2や特許文献1〜7に記載されている。この方法は各種の長鎖ジアシッドを得ることができる。
【0012】
オレイン酸およびオレイルアルコールの発酵による9-オクタデセン二酸の製造方法は非特許文献3に記載されている。
【0013】
ヒドロキシル化不飽和二酸の製造方法を記載した文献は少ない。非特許文献4にはカンジダトロピカリス(Candida Tropicalis)の突然変異株を用いたオレイン酸の発酵によって3-ヒドロキシ-9-オクタデセン二酸を製造する方法が記載されている。C. tropicalis DSM3152をN-メチル-N-ニトロ-N'-ニトロソグアニジンで突然変異させて作った変異株M25を用いることで母株よりも1.8倍の高い濃度でヒドロキシル化された二酸を得ることができる。
【0014】
特許文献8(米国特許第特許US 6 569 670号明細書)にも発酵で二酸を製造する方法が記載されている。天然脂肪酸を使用する例は第6欄、第25行目に記載されている。リシノール酸、そのエステルおよびリシノール酸の含有量の高いトリグリセライドが記載されているが、実施例はない。
【0015】
材料環境の変化によってエネルギー分野および化学分野では再生可能な資源に由来する天然の材料を使用する必要に迫られている。従って、植物または動物を起源とする再生可能なオイルまたは脂肪から抽出した脂肪酸/エステルが重要な材料になっている。
【0016】
脂肪酸を出発材料として使用する工業的な方法の例はひまし油から抽出したリシノール酸を原料として11-アミノウンデカン酸を製造する方法であり、これはリルサン(Rilsan、登録商標)の合成の基礎である。この方法は非特許文献5に記載されている。
【0017】
11-アミノウンデカン酸は複数の段階で得られる。先ず最初に、ひまし油を塩基性媒体中でメタノリシスしてリシノール酸メチルを作る。それを熱分解するとヘペタンアルデヒドとメチルウンデシレネートとが得られる。後者を加水分解して酸の形に変換する。その後、形成された酸をヒドロ臭素化して臭化ω−酸にし、それをアミノ化して1,1-アミノウンデカン酸に変換する。
【0018】
この方法ではアミノウンデカン酸とヘペタンアルデヒドとが同時にできるので両者を別々に有価物として回収しなければならない。ヘペタンアルデヒドは香水またはファインケミストリーのマーケットの用途があるが、オイル、可塑剤またはペイントの用途用にはヘプタン酸へ酸化する必要があり、また、可塑剤、衛生用品、健康用品の用途のためにはヘプタノールへ変換しなければならない。一方、ヘペタンアルデヒドのマーケットは限られており、主としてヘプタン酸へ変換して有価物にしている。
【0019】
ひまし油は約85%のリシノール酸を含む。l0-ウンデシレン酸を製造する従来方法はひまし油中に存在する他の脂肪酸をクラックしない。これはエステロール(Esterol)とよばれる付加価値の低い化合物から成るカットになる。
【0020】
市況は大きく変動するので、ヘペタンアルデヒドが生産されないプロセスを見出すことが望ましく、それと同時に、例えばポリマー工業や医薬品工業で使用可能な他の化合物が形成できることが望ましい。
【0021】
医薬品工業ではメチル7-オキソヘプタノエートには特定の用途がある。特に、プロスタノイド、例えば2-(6-メトオキシカルボニルヘキシル)シクロペント-2-エン-1-オン(Bosone, Enrico; Synthesis 1983 (11), pp 942-4)やプロスタグランジン、例えばメキシプロスティル(Mexiprostil、登録商標)の合成で使用でき、メチル7-オキソヘプタノエートにする必要がある(KoIb, M., Tetrahedron Letters, 1988, Vol. 29 (51), pp 6769-72)。
【0022】
また、ウンデシレン酸は医薬品工業の分野で有用であり、真菌症の治療用組成物の活性成分として使用できる。
【0023】
従って、メチル7-オキソヘプタノエートおよびウンデシレン酸を得ることができ、しかも、天然起源の再生原料のひまし油を使用できる新しいプロセスを見出すというニーズがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】フランス特許第FR2445 374号公報
【特許文献2】米国特許第US 4474 882号明細書
【特許文献3】米国特許第US 3 823 070号明細書
【特許文献4】米国特許第US 3 912 586号明細書
【特許文献5】米国特許第US 6 660 505号明細書
【特許文献6】米国特許第US 6 569 670号明細書
【特許文献7】米国特許第US 5 254 466号明細書
【特許文献8】米国特許第US 6 569 670号明細書
【非特許文献】
【0025】
【非特許文献1】Kirk-Othmer Encyclopedia, Vol. A8, pages 533-536
【非特許文献2】W. H. Eschenfeldt et al., "Transformation of Fatty Acids Catalyzed by Cytochrome P450 Monooxygenase Enzymes of Candida tropicalis
【非特許文献3】Zu-Hua Yi and Hans-Jurgen Rehm in Appl. Microbiol. Biotechnol., (1989), 30, 327-331
【非特許文献4】D. Fabritius, H.J. Schafer and A. Steinbuchel in AppI. Microbiol. Biotechnol., (1996), 45, 342-348
【非特許文献5】"Les Procedes de Petrochimie" [Petrochemical Processes] by A. Chauvel et al., which appeared in Editions TECHNIP (1986)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明の目的は、ひまし油の新たな変換方法を見出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、連続した下記の(a)〜(e)段階から成るリシノール酸の変換方法を提供する:
(a) リシノール酸をバクテリア、イーストまたは真菌を用いた発酵で7-ヒドロキシ-9-オクタデセン二酸を作り、
(b) 段階(a)で得られた7- ヒドロキシ-9- オクタデセン二酸をエステル化して対応するメチルジエステルを形成し、
(c) 段階(b)で得られた生成物を高温クラッキングしてメチルウンデシレネートとメチル7- オキソヘプタノエートとの混合物を形成し、
(d) 段階(c)で得られたメチルウンデシレネートとメチル7-オキソヘプタノエートとを分離し、
(e) 段階(d)で得られたメチルウンデシレネートを加水分解してウンデシレン酸を形成する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明方法では段階(d)の完了時にメチル7-オキソヘプタノエートが得られ、段階(e)の終了時にウンデシレン酸が得られる。
【0029】
本発明の好ましい実施例では段階(e)で得られるウンデシレン酸を11-アミノウンデカン酸に変換し、段階(d)で得られるメチル7-オキソヘプタノエートを7-アミノヘプタン酸へ変換する。
【0030】
これらのアミノ酸化合物は特に化学工業、特にポリマー工業において例えばポリアミドやエンジニアリングポリマーの生産で使用できる。
【0031】
従って、本発明方法には下記の段階をさらに加えることができる:
(f) 段階(e)で得られたウンデシレン酸とHBrとを反応させて11-ブロムウンデシレン酸を形成し、
(g) 段階(f)で得られた11-ブロムウンデシレン酸をアムモニアと反応させて11-アミノウンデカン酸を形成する。
【0032】
本発明方法はさらに、段階(d)で得られたメチル7-オキソヘプタノエートを還元アミノ化する段階と、それに続く加水分解段階とによって7-アミノヘプタン酸を形成することができる。
【0033】
7-アミノヘプタン酸は重要なモノマーである。すなわち、このモノマーは環化する傾向があり、7-アミノヘプタン酸から得られるポリアミド7はポリアミド6より高い融点を有する。
【0034】
リシノール酸は主としてヒマから抽出した植物油から得られるが、ある種の藻や、一般には亜麻やコルザのような変性または未変性の植物から得るのが好ましい。
【0035】
段階(a)で用いるリシノール酸はひまし油から得ることができる。ひまし油は約85%のリシノール酸を含み、他の脂肪酸を数%含む。上記定義の方法の段階(a)でひまし油を使用すると、この油中に存在するリシノール酸以外の他の脂肪酸は(c)段階の高温クラッキング後にC18、C16およびC20二酸に変換される。これらは工業的にポリマー生産に用途がある。
【0036】
説明を簡単にするために本明細書では酸およびエステルまたはトリグリセライドを表すためにこれらを区別しないで「酸」という用語を用いることにする。すなわち、本発明方法ではリシノール酸はその酸の形でも、エステル形の形でも、トリグリセライドの形でも実施できる。一つの形から他の形への変更はアルコーリシス、エステル化、エステル交換反応または加水分解で行なえる。
【0037】
本発明方法では天然起源すなわち油または脂肪中に含まれるの脂肪酸またはエステルを使用できる。これらの油または脂肪は関連する式の酸またはエステルの混合物の反応に関与するエステルまたは酸で構成される。ひまし油は例えばリシノール酸の他にオレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびアラキジン酸を同時に含む。各製品をクラッキング段階で分離できる限り、これらの飽和酸、モノ不飽和、ジ不飽和またはポリ不飽和の酸が存在しても本発明方法の実行には重大な影響はない。
【0038】
本発明方法の最初の段階(段階(a))は微生物すなわちフィードストックの脂肪酸、トリグリセライドまたはエステルを酸化することができる任意のバクテリア、真菌、イーストの存在下の発酵によって行なわれる。
【0039】
この発酵段階は7-ヒドロキシ-9-オクタデセン二酸を得ることが可能な酵素を含む微生物の存在下で実行できる。
【0040】
脂肪酸、脂肪酸エステルおよびトリグリセライドを区別なく発酵できる。すなわち、微生物はアルコールおよびグリセリンを代謝することができる。
【0041】
本発明方法の段階(b)では段階(a)で得られた7-ヒドロキシ-9-オクタデセン二酸をエステル化して、対応するメチルジエステルを形成する。のエステル化段階は過剰なメタノールと触媒、例えば酸触媒の存在下で行なうのが好ましい。
【0042】
段階(b)で得られた生成物は段階(c)で高温クラッキングされてメチルウンデシレネートとメチル7-オキソヘプタノエートとの混合物が形成される。これは400℃〜600℃の温度で行なうのが好ましい。
【0043】
分離段階(d)は当業者に公知の従来段階であり、ここではその詳細は記載しない。例としては蒸留で分離できる。
【0044】
加水分解段階(e)は室温近くの温度で水酸化ナトリウムの存在下で行なうが好ましく、例えば80℃で加圧下に実行できる。
【0045】
段階(f)のヒドロ臭素化は溶剤、例えばトルエンとフリーラジカル開始剤、例えば過酸化ベンゾイルの存在下で行なうのが好ましい。
【0046】
最後のアミノ化段階(g)はアンモニア水溶液の大過剰下で行なうのが好ましい。
【0047】
7-アミノヘプタン酸を形成するための、段階(c)で得られた7-オキソヘプタン酸の還元アミノ化は種々の方法、触媒または酵素を使用する方法で実行でき、例えば米国特許第US 5 973 208号明細書に記載の方法が使用できる。
【0048】
本発明方法の一つの実施例ではリシノール酸の代わりにレステロル酸を使用する。
【0049】
従って、本発明は下記の連続した段階から成るレステロル酸の変換方法にも関するものである:
(a) レステロル酸をバクテリア、イーストまたは真菌による発酵で7-ヒドロキシ-11-エイコセン二酸を作り、
(b) 段階(a)で得られた7-ヒドロキシ-11-エイコセン二酸をエステル化して、対応するメチルジエステルを形成し、
(c) 段階(b)で得られた生成物を高温クラッキングして、メチル12-トリデセノエートとメチル7-オキソヘプタノエートとの混合物を形成し、
(d) 段階(c)で得られたメチル12- トリデセノエートとメチル7-オキソヘプタノエートとを分離し、
(e) 段階(d)で得られたメチル12-トリデセノエートを加水分解して12- トリデセン酸の形にする。
【0050】
上記方法には段階(d)で得られたメチル7-オキソヘプタノエートを還元アミノ化する段階と、それに続く加水分解して7-アミノヘプタン酸の形にする段階を加えることができる。
以下、リシノール酸を使用した本発明方法の実施例を示すが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0051】
実施例1
段階(a) リシノール酸の発酵
この実施例ではイースト株をリシノール酸を含む媒体中で培養した。その後、混合物を120℃で15分間殺菌した。培養物は30℃に維持した。pHを7〜7.5に維持するために水酸化ナトリウム溶液を連続的に加えた。48時間培養した後にジエチルエーテルで抽出してヒドロキシル化された不飽和二酸を回収した。この手順を使用して7-ヒドロキシ-9-オクタドデセン二酸を得た。
実施例2
段階(b) 7-ヒドロキシ-9-オクタ−ドデセン二酸のエステル化
上記で得られた二酸を酸触媒とメタノールとの存在下でエステル化してメチル・ジエステルにした。ワコーから提供された硫酸ジルコニアの不均質酸触媒の存在下およびメタノールの存在下で1gの二酸を使用した。平衡に達するまで反応液を150℃に加熱し、過剰なメタノールを蒸留分離した。この実験条件で7-ヒドロキシ-9-オクタデセン二酸からメチルジエステルを得ることができた。
実施例3
段階(c) ジエステルの熱クラッキング
上記メチルジエステルの熱分解を管状炉中で500℃で15秒の滞在時間で実行した。260℃でジエステルを揮発させた後に600℃に加熱した水蒸気と混合する。この反応で生じた流れをまず最初に一連の熱交換で凝縮して温度を約150℃に下げる。それから沈澱によって水を分離する。得られた生成物を連続蒸留塔で分別する。上記の実験的条件下でウンデシレン酸のメチルエステル、7-オキソヘプタン酸のエステル、リシノール酸から生じるその他のジエステルの画分を回収できた。未変換物は反応装置の入口で分離した後に再循環できる。
本発明方法の段階(d)、(e)および(f)は当業者の公知の従来段階であるので例示しない。
実施例4
メチル7-オキソヘプタン酸エステルの還元アミノ化
磁気攪拌機を備えたオートクレーブ中に、1gのクロム酸銅触媒と、8gの7-オキソヘプタン酸のメチルエステルと、30gのエタノールと、30gのアムモニアとを導入する。その後、水素を80バールの圧力で導入する。その後、オートクレーブを1時間以上かけて150℃に加熱し、この温度で2時間維持する。濾過して触媒を除去し、溶剤を除去した後に製品を分析した。上記の実験条件で7-アミノヘプタン酸のメチルエステルが得られた。このエステルを加水分解すると7-アミノヘプタン酸が形成できる。加水分解はジャケット付きの反応装置中で25℃で30分の滞在時間で実行した。メタノールは精製後にエステル化段階へ再循環できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続した下記の(a)〜(e)段階から成るリシノール酸の変換方法:
(a) リシノール酸をバクテリア、イーストまたは真菌を用いた発酵で7-ヒドロキシ-9-オクタデセン二酸を作り、
(b) 段階(a)で得られた7- ヒドロキシ-9- オクタデセン二酸をエステル化して対応するメチルジエステルを形成し、
(c) 段階(b)で得られたせ生成物を高温クラッキングしてメチルウンデシレネートとメチル7- オキソヘプタノエートとの混合物を形成し、
(d) 段階(c)で得られたメチルウンデシレネートとメチル7-オキソヘプタノエートとを分離し、
(e) 段階(d)で得られたメチルウンデシレネートを加水分解してウンデシレン酸を形成する。
【請求項2】
下記の(f)と(g)の段階をさらに有する請求項1に記載の方法:
(f) 段階(e)で得られたウンデシレン酸とHBrとを反応させて11-ブロムウンデシレン酸を形成し、
(g) 段階(f)で得られた11-ブロムウンデシレン酸をアムモニアと反応させて11-アミノウンデカン酸を形成する。
【請求項3】
段階(d)で得られたメチル7-オキソヘプタノエートを還元アミノ化する段階と、それに続く加水分解段階とによって7-アミノヘプタン酸を形成する、請求項1または2に記載の方法。

【公表番号】特表2010−539227(P2010−539227A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525403(P2010−525403)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【国際出願番号】PCT/FR2008/051666
【国際公開番号】WO2009/047446
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(505005522)アルケマ フランス (335)
【Fターム(参考)】