説明

リソグラフィ原版の製造方法および集積回路の製造方法

【課題】歩留まりの向上に寄与することのできるリソグラフィ原版の製造方法を提供すること。
【解決手段】実施の形態のリソグラフィ原版の製造方法は、回路パターン3に表れる周期的パターン4を連続させた連続パターンを基板の略全面にわたって形成し、連続パターンの欠陥を検出する欠陥検査を行う。検出された欠陥を避けるように回路パターンの形成領域の配置を決定し、回路パターンの形成領域外に形成された連続パターンを除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態はリソグラフィ原版の製造方法および集積回路の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の高集積化、すなわち半導体素子の微細化への要求に対し、光リソグラフィやナノインプリントリソグラフィ(Nanoimprint Lithography:以下、NILと呼ぶ)が用いられている。光リソグラフィやNILでは、被処理基板上のレジストに、微細なパターンを転写するために、フォトマスクやテンプレートといったリソグラフィ原版が用いられる。リソグラフィ原版には、集積回路製造の歩留まりを向上させるために、高い精度が要求される。リソグラフィ原版の精度の向上を図る上で、リソグラフィ原版の基板(例えば、マスクブランクス)自体の欠陥の影響を抑える必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−33941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リソグラフィ原版の精度の向上を図る上では、基板に形成されたパターンの欠陥の影響を抑える必要もある。
【0005】
本発明の実施の形態は、歩留まりの向上に寄与することのできるリソグラフィ原版の製造方法および集積回路の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施の形態のリソグラフィ原版の製造方法は、回路パターンに表れる周期的パターンを連続させた連続パターンを基板の略全面にわたって形成し、連続パターンの欠陥を検出する欠陥検査を行う。検出された欠陥を避けるように回路パターンの形成領域の配置を決定し、回路パターンの形成領域外に形成された連続パターンを除去する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1−1】図1−1は、第1の実施の形態にかかる集積回路の回路パターンを示す図である。
【図1−2】図1−2は、図1−1に示す回路パターンの周期的パターンと非周期的パターンを示す図である。
【図2】図2は、第1の実施の形態にかかるリソグラフィ原版の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、第1の実施の形態にかかるリソグラフィ原版の製造方法を説明するための図であって、リソグラフィ原版の基板を示す図である。
【図4】図4は、第1の実施の形態にかかるリソグラフィ原版の製造方法を説明するための図であって、リソグラフィ原版の基板を示す図である。
【図5】図5は、第1の実施の形態にかかるリソグラフィ原版の製造方法を説明するための図であって、リソグラフィ原版の基板を示す図である。
【図6】図6は、第1の実施の形態にかかる集積回路の製造方法を示すフローチャートである。
【図7】図7は、第1の実施の形態にかかる集積回路の製造方法を説明するための図であって、被処理基板を示す図である。
【図8−1】図8−1は、トリム工程を詳細に説明するための部分平面図である。
【図8−2】図8−2は、図8−1に示すA−A線に沿った矢視断面図である。
【図8−3】図8−3は、トリム工程を詳細に説明するための部分平面図である。
【図8−4】図8−4は、図8−3に示すA2−A2線に沿った矢視断面図である。
【図9−1】図9−1は、トリム工程を詳細に説明するための部分平面図である。
【図9−2】図9−2は、図9−1に示すB−B線に沿った矢視断面図である。
【図10−1】図10−1は、トリム工程を詳細に説明するための部分平面図である。
【図10−2】図10−2は、図10−1に示すC−C線に沿った矢視断面図である。
【図11】図11は、第1の実施の形態にかかる集積回路の製造方法を説明するための図であって、被処理基板を示す図である。
【図12−1】図12−1は、大パターンを形成する工程を詳細に説明するための部分平面図である。
【図12−2】図12−2は、図12−1に示すD−D線に沿った矢視断面図である。
【図13−1】図13−1は、大パターンを形成する工程を詳細に説明するための部分平面図である。
【図13−2】図13−2は、図13−1に示すE−E線に沿った矢視断面図である。
【図14−1】図14−1は、大パターンを形成する工程を詳細に説明するための部分平面図である。
【図14−2】図14−2は、図14−1に示すF−F線に沿った矢視断面図である。
【図15】図15は、第2の実施の形態にかかるリソグラフィ原版の製造方法を示すフローチャートである。
【図16】図16は、第2の実施の形態にかかるテンプレートを示す図である。
【図17】図17は、第3の実施の形態にかかるリソグラフィ原版の製造方法を示すフローチャートである。
【図18】図18は、第3の実施の形態にかかるテンプレートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、実施の形態にかかるリソグラフィ原版の製造方法および集積回路の製造方法を詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0009】
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態にかかる集積回路の回路パターンについて説明する。
図1−1は、第1の実施の形態にかかる集積回路の回路パターンを示す図である。図1−2は、図1−1に示す回路パターンの周期的パターンと非周期的パターンを示す図である。集積回路1は、シリコンからなる被処理基板2の表面に、微細な凹凸からなる回路パターン3が形成されて構成される。回路パターン3は、集積回路1表面の略全域にわたって周期的に表れる周期的パターン4と、集積回路1表面の一部に表れる非周期的パターン5とを有して構成される。
【0010】
本実施の形態では、周期的パターン4は、ラインアンドスペース状(以下、L/S状と呼ぶ)に形成された凹凸である。周期的パターン4は、L/S状に凹凸が形成された複数の領域として、1つの回路パターン3に繰り返して表れるように形成されている。L/S状に凹凸が形成された周期的パターン4は、メモリセルとして機能する。
【0011】
また、非周期的パターン5は、周期的パターン4の周囲に設けられる。非周期的パターン5は、周辺装置、例えば抵抗などを搭載するために、周期的パターン4よりも大きなパターン(以下、大パターンと呼ぶ)として形成されている。
【0012】
次に、集積回路1に回路パターン3を形成するために用いられるリソグラフィ原版の製造方法について説明する。
図2は、第1の実施の形態にかかるリソグラフィ原版の製造方法を示すフローチャートである。図3〜図5は、第1の実施の形態にかかるリソグラフィ原版の製造方法を説明するための図であって、リソグラフィ原版の基板を示す図である。なお、本実施の形態では、リソグラフィ原版として、NILに用いられるテンプレート15を例示して説明する。
【0013】
まず、電子ビーム描画(EB描画)、NIL、DSA(Directed Self-Assembly)といった手法を用いて、周期的パターン4であるL/S状のパターンを連続させた連続パターン10を、石英などで構成された基板11の一面上の略全域にわたって形成する(ステップS1)(図3)。ここで、基板11の一面上に形成されるL/S状のパターンには、欠陥6が含まれる場合がある。
【0014】
次に、基板11の一面上における欠陥6の位置を検出するために、欠陥検査を行う(ステップS2)。欠陥検査としては、例えば、光学的な欠陥検査や電子ビームを用いた欠陥検査が挙げられる。
【0015】
次に、検出された欠陥6が周期的パターン4と重ならないように、連続パターン10の中で回路パターン3が形成される位置を決定する(ステップS3)(図4)。次に、回路パターン3が形成される領域外の連続パターン10を除去することで(ステップS4)、テンプレート15が製造される(図5)。
【0016】
なお、本実施の形態では、1つの回路パターン3に対応する凹凸だけが形成されたテンプレート15を例示して説明しているが、複数の回路パターン3に対応する凹凸をテンプレート15に形成してもよい。テンプレート15に複数の回路パターン3に対応する凹凸が形成されることで、後述する集積回路の製造工程において、1度に複数の集積回路を製造することができるようになり、生産効率の向上を図ることができる。
【0017】
次に、上述した工程により製造されたテンプレート15を用いた集積回路の製造方法について説明する。
図6は、第1の実施の形態にかかる集積回路の製造方法を示すフローチャートである。図7は、第1の実施の形態にかかる集積回路の製造方法を説明するための図であって、被処理基板を示す図である。図8−1は、トリム工程を詳細に説明するための部分平面図である。図8−2は、図8−1に示すA1−A1線に沿った矢視断面図である。図8−3は、トリム工程を詳細に説明するための部分平面図である。図8−4は、図8−3に示すA2−A2線に沿った矢視断面図である。図9−1は、トリム工程を詳細に説明するための部分平面図である。図9−2は、図9−1に示すB−B線に沿った矢視断面図である。図10−1は、トリム工程を詳細に説明するための部分平面図である。図10−2は、図10−1に示すC−C線に沿った矢視断面図である。図11は、第1の実施の形態にかかる集積回路の製造方法を説明するための図であって、被処理基板を示す図である。図12−1は、大パターンを形成する工程を詳細に説明するための部分平面図である。図12−2は、図12−1に示すD−D線に沿った矢視断面図である。図13−1は、大パターンを形成する工程を詳細に説明するための部分平面図である。図13−2は、図13−1に示すE−E線に沿った矢視断面図である。図14−1は、大パターンを形成する工程を詳細に説明するための部分平面図である。図14−2は、図14−1に示すF−F線に沿った矢視断面図である。
【0018】
まず、一面上にアモルファス・シリコンからなる第1被加工層22が形成された被処理基板2を用意する。なお、被処理基板2の第1被加工層22上には、シリコン酸化膜からなる第2被加工層28が積層されている。そして、第2被加工層28上に光硬化剤23を塗布する(ステップS21)。
【0019】
次に、第2被加工層28上の光硬化剤23に、テンプレート15を用いて回路パターン3を転写する(ステップS22)。より具体的には、回路パターン3に対応する凹凸が形成されたテンプレート15の一面を、光硬化剤23が塗布された被処理基板2の第2被加工層28に押し付ける。テンプレート15が第2被加工層28に押し付けられることで、第2被加工層28上において、テンプレート15の凹部部分に光硬化剤23が侵入して残存し、凸部部分では光硬化剤23が排除される。
【0020】
この状態で、図示しない光源からテンプレート15を通して紫外光を光硬化剤23に照射して、光硬化剤23を硬化させる(ステップS23)。光硬化剤23を十分硬化させてから、テンプレート15を離間させることで、テンプレート15の一面上の凹凸形状が光硬化剤32に転写される(図8−1,8−2)。
【0021】
第2被加工層28上に形成された第1レジスト24をエッチングマスクとして、第2被加工層28に対してエッチングを行い、周期パターンを転写するとともに、第1レジスト24を除去する(ステップS24)。これにより、第2被加工層28の残存部分によって、周期パターンが転写された第1レジスト24が、被処理基板2の第2被加工層28上に形成される(図8−3,8−4)。
【0022】
次に、第1レジスト24から、周期的パターン4として残存させる部分を除いた部分、すなわちメモリセル以外の部分を除去するトリム工程を行う(ステップS25)。トリム工程では、図9〜図10に示すように、第1レジスト24としての第2被加工層28のうちメモリセルとなる部分に第2レジスト(第2レジスト)26を形成し(図9−1,9−2)、その他の部分にある第2被加工層28をエッチングによって除去する(図10−1,10−2)。
【0023】
次に、第2レジスト26を除去してから(ステップS26)(図12−1,12−2)、第1被加工層22上に、第1レジスト24に加えて、非周期的パターン5に対応する領域を覆う第3レジスト27を形成する(ステップS27)(図13−1,13−2)。そして、第1レジスト24と第3レジスト27とをエッチングマスクとして、第1被加工層22に対してエッチングを行うとともに、第1レジスト24および第3レジスト27を除去する(ステップS28)(図14−1,14−2)。例えば、ドライエッチングによる異方性エッチングを行う。
【0024】
以上の工程により、図1に示すように周期的パターン(メモリセル)4および非周期的パターン(大パターン)5が形成された集積回路1が製造される。なお、テンプレート15に複数の回路パターン3に対応する凹凸が形成されている場合には、被処理基板2上にも複数の回路パターン3が形成されるので、ダイシングなどを行うことで、集積回路1を個片化すれば、一度に複数の集積回路1を製造することができる。
【0025】
上述した第1の実施の形態によれば、基板11の一面上の略全域に、L/S状のパターンが連続する連続パターン10を形成し、その中から周期的パターン4に欠陥6が重ならないように、回路パターン3の位置を決定する。例えば、連続パターン10の形成を経ずに、いきなり回路パターン3だけを基板11に形成すれば、欠陥6が形成される位置を制御することは困難であるため、周期的パターン4に欠陥6が含まれてしまうことを避けることも困難となる。
【0026】
一方、本実施の形態によれば、先にL/S状のパターンが連続する連続パターン10を基板11に形成してから、回路パターン3の位置を決定する。そのため、欠陥6の位置を把握してから、回路パターン3の形成される位置を決定できるので、周期的パターン4と欠陥6とが重なることを回避しやすくなる。また、周期的パターン4の重ならない位置であれば欠陥6が存在しても、例えば、ステップS4やステップS24において、その部分は除去されるので、欠陥6がほとんど存在しないテンプレート15、または欠陥6がまったく存在しないテンプレート15を製造することができる。このような高精度に製造されたテンプレート15を用いることで、集積回路1で不良品の発生を抑えることができ、歩留まりの向上に寄与することができる。
【0027】
また、本実施の形態で説明したようなNILに用いられるテンプレート15は、凹凸形状が集積回路1に形成される回路パターンと同縮尺である必要があり、いわゆる1倍体である必要がある。そのため、テンプレート15に複雑な形状で凹凸が形成されている場合には、欠陥検査が困難である。一方、本実施の形態では、欠陥検査を行う時点で、基板11上にはL/S状のパターンしか形成されていないため、凹凸の形状が単純であり、欠陥検査が容易である。また、欠陥6の検出も高精度に行いやすい。
【0028】
また、図3に示すような基板11の一面上に連続パターン10が形成されたもの(以下、L/Sブランクスという)を、予め作成してストックしておけば、リソグラフィ原版の製造期間の短縮に寄与することができる。すなわち、集積回路1の回路パターン3が決定されてすぐに、L/Sブランクスに対してステップS2の欠陥検査を行ったり、ステップS3の回路パターン3が形成される位置を決定したりすることができるため、ステップS1の工程を省略して、リソグラフィ原版の製造期間の短縮に寄与することができる。
【0029】
なお、上記ステップS1〜ステップS4で製造されたテンプレート15を用いて、NILなどによってさらにテンプレート(コピーテンプレート)を製造してもよい。すなわち、ステップS1〜ステップS4で製造されるテンプレート15は、コピーテンプレートを製造するためのマスターテンプレートとなる。この場合、マスターテンプレートから製造されたコピーテンプレートを用いて、ステップS21〜ステップS28の工程を行って集積回路1を製造すればよい。
【0030】
また、ステップS1〜ステップS4の工程によって製造されるリソグラフィ原版として、NILに用いられるテンプレート15を例示したが、これに限られない。例えば、リソグラフィ原版は、光リソグラフィに用いられるフォトマスクや、極紫外光(EUV)リソグラフィに用いられるフォトマスクであってもよい。リソグラフィ原版をフォトマスクとする場合にも、周期的パターン4を連続させた連続パターン10の形成、欠陥検査の実行、欠陥6の位置に合わせた回路パターン3の位置の決定という工程を行うことで、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0031】
また、本実施の形態では、周期的パターン4としてL/S状のパターンを例示したが、これに限られない。すなわち、周期的パターン4は、回路パターン3の中に繰り返して表れる形状であればよく、孔形状などの他の形状であっても構わない。また、集積回路の回路パターンが周期的パターンのみで構成される場合には、非周期的パターンを形成するための工程を省略すればよい。
【0032】
(第2の実施の形態)
図15は、第2の実施の形態にかかるリソグラフィ原版の製造方法を示すフローチャートである。図16は、第2の実施の形態にかかるテンプレートを示す図である。上記実施の形態と同様の構成については、同様の符号を付して詳細な説明を省略する。第2の実施の形態では、トリム工程をテンプレート35に対しても行う。そのため、第1の実施の形態と同様の工程、すなわち図2に示すステップS1〜ステップS4の工程の後に、以下の工程を行う。
【0033】
すなわち、基板11上に形成された連続パターン10(図5も参照)から、周期的パターン4に対応する凹凸として残存させる部分を除いた部分、すなわちメモリセルに対応する凹凸以外の部分を除去するトリム工程を行う(ステップS5)。トリム工程の詳細については、図8〜図10で説明したものと同様に行えばよく、詳細な説明を省略する。
【0034】
そして、トリム工程が行われたテンプレート35を用いて、図6と同様の工程を行うことで、集積回路1を製造することができる。
【0035】
上述した第2の実施の形態によれば、基板11の一面上の略全域に、L/S状のパターンが連続する連続パターン10を形成し、その中から周期的パターン4に欠陥6が重ならないように、回路パターン3の位置を決定する。そのため、上述した第1の実施の形態と同様に、周期的パターン4に欠陥6が含まれることを回避しやすくなる。これにより、集積回路1で不良品の発生を抑えることができ、歩留まりの向上に寄与することができる。
【0036】
また、第1の実施の形態と同様に、欠陥検査を行う時点で、基板11上にはL/S状のパターンしか形成されていないため、凹凸の形状が単純であり、欠陥検査が容易である。また、欠陥6の検出も高精度に行いやすい。また、L/Sブランクスのストックにより、リソグラフィ原版の製造期間の短縮に寄与することができる。
【0037】
なお、テンプレート35を用いてコピーテンプレートを製造してもよい。また、リソグラフィ原版としてNILに用いられるテンプレート35を例示したが、これに限られない。例えば、リソグラフィ原版は、光リソグラフィに用いられるフォトマスクや、極紫外光(EUV)リソグラフィに用いられるフォトマスクであってもよい。
【0038】
リソグラフィ原版をフォトマスクとする場合にも、周期的パターン4を連続させた連続パターン10の形成、欠陥検査の実行、欠陥6の位置に合わせた回路パターン3の位置の決定という工程を行うことで、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、本実施の形態では、周期的パターン4としてL/S状のパターンを例示したが、これに限られない。すなわち、周期的パターン4は、回路パターン3の中に繰り返して表れる形状であればよく、孔形状などの他の形状であっても構わない。また、集積回路の回路パターンが周期的パターンのみで構成される場合には、非周期的パターンを形成するための工程を省略すればよい。
【0040】
(第3の実施の形態)
図17は、第3の実施の形態にかかるリソグラフィ原版の製造方法を示すフローチャートである。図18は、第3の実施の形態にかかるテンプレートを示す図である。上記実施の形態と同様の構成については、同様の符号を付して詳細な説明を省略する。第3の実施の形態では、トリム工程に加えて、非周期的パターン5(図1)に対応する凹凸をテンプレート45に対して行う。そのため、そのため、第1の実施の形態と同様の工程、すなわち図15に示すステップS1〜ステップS5の工程の後に、以下の工程を行う。
【0041】
すなわち、トリム工程(ステップS5)によって凹凸が除去された領域に対し、非周期的パターン5に対応する領域以外の部分に凸部を形成する(ステップS6)。したがって、トリム工程(ステップS5)によって凹凸が除去された領域では、非周期的パターン5に対応する領域以外の部分が凸部となり、非周期的パターン5に対応する領域が凹部となる。
【0042】
このように形成されたテンプレート45を用いてNILを行えば、テンプレート45を被処理基板2上の第1被加工層22に押し付けるだけで、非周期的パターン(大パターン)5に対応する領域に第1レジストを形成することができる。したがって、被処理基板2上に回路パターン3を形成するのに必要となるレジストをすべて一括して形成することができる。これにより、集積回路1を製造する工程において、図6に示す工程のうち、トリム工程および大パターンを形成する工程、すなわちステップS24〜ステップS26を省略することができる。したがって、集積回路1の製造工程を省略することができ、集積回路1の製造効率の向上に、より一層寄与することができる。
【0043】
上述した第3の実施の形態によれば、基板11の一面上の略全域に、L/S状のパターンが連続する連続パターン10を形成し、その中から周期的パターン4に欠陥6が重ならないように、回路パターン3の位置を決定する。そのため、上述した第1の実施の形態と同様に、周期的パターン4に欠陥6が含まれることを回避しやすくなる。これにより、集積回路1で不良品の発生を抑えることができ、歩留まりの向上に寄与することができる。
【0044】
また、第1の実施の形態と同様に、欠陥検査を行う時点で、基板11上にはL/S状のパターンしか形成されていないため、凹凸の形状が単純であり、欠陥検査が容易である。また、欠陥6の検出も高精度に行いやすい。また、L/Sブランクスのストックにより、リソグラフィ原版の製造期間の短縮に寄与することができる。
【0045】
なお、テンプレート45を用いてコピーテンプレートを製造してもよい。また、リソグラフィ原版としてNILに用いられるテンプレート45を例示したが、これに限られない。例えば、リソグラフィ原版は、光リソグラフィに用いられるフォトマスクや、極紫外光(EUV)リソグラフィに用いられるフォトマスクであってもよい。
【0046】
リソグラフィ原版をフォトマスクとする場合にも、周期的パターン4を連続させた連続パターン10の形成、欠陥検査の実行、欠陥6の位置に合わせた回路パターン3の位置の決定という工程を行うことで、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
また、本実施の形態では、周期的パターン4としてL/S状のパターンを例示したが、これに限られない。すなわち、周期的パターン4は、回路パターン3の中に繰り返して表れる形状であればよく、孔形状などの他の形状であっても構わない。また、集積回路の回路パターンが周期的パターンのみで構成される場合には、非周期的パターンを形成するための工程を省略すればよい。
【0048】
なお、上記実施形態は例示であり、発明の範囲はそれらに限定されない。
【符号の説明】
【0049】
1 集積回路、2 被処理基板、3 回路パターン、4 周期的パターン、5 非周期的パターン、6 欠陥、10 連続パターン、11 基板、15,35,45 テンプレート、22 第1被加工層、23 光硬化剤、24 第1レジスト、26 第2レジスト、27 第3レジスト、28 第2被加工層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路パターンに表れる周期的パターンを連続させた連続パターンを基板の略全面にわたって形成し、
前記連続パターンの欠陥を検出する欠陥検査を行い、
前記欠陥を避けるように前記回路パターンの形成領域の配置を決定し、
前記回路パターンの形成領域外に形成された前記連続パターンを除去するリソグラフィ原版の製造方法。
【請求項2】
前記回路パターンの形成領域のうち、前記周期的パターンが形成される領域外の前記連続パターンを除去する請求項1に記載のリソグラフィ原版の製造方法。
【請求項3】
前記周期的パターンが形成される領域外の前記連続パターンを除去した後に、前記回路パターンに表れる非周期的パターンに対応するパターンを形成する請求項2に記載のリソグラフィ原版の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の製造方法で製造されたリソグラフィ原版に形成されたパターンを被処理基板上のレジストに転写し、
前記レジストに転写されたパターンから、前記周期的パターンが形成される領域外のパターンを除去し、
前記回路パターンに表れる非周期的パターンに対応するパターンを前記レジストに形成し、
前記レジストをマスクとして前記被処理基板をエッチングする集積回路の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の製造方法で製造されたリソグラフィ原版に形成されたパターンを被処理基板上のレジストに転写し、
前記レジストに転写されたパターンから、前記周期的パターンが形成される領域外のパターンを除去し、
前記レジストをマスクとして前記被処理基板をエッチングする集積回路の製造方法。
【請求項6】
前記周期的パターンが形成される領域外の前記連続パターンを除去した後に、前記回路パターンに表れる非周期的パターンに対応するパターンを形成する請求項5に記載の集積回路の製造方法。
【請求項7】
請求項3に記載の製造方法で製造されたリソグラフィ原版に形成されたパターンを被処理基板上のレジストに転写し、
前記レジストをマスクとして前記被処理基板をエッチングする集積回路の製造方法。
【請求項8】
前記リソグラフィ原版に形成されたパターンを被処理基板上のレジストに転写した後に、前記回路パターンに表れる非周期的パターンに対応するパターンを形成する請求項7に記載の集積回路の製造方法。
【請求項9】
請求項3に記載の製造方法で製造されたリソグラフィ原版に形成されたパターンを被処理基板上のレジストに転写し、
前記レジストをマスクとして前記被処理基板をエッチングする集積回路の製造方法。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図8−3】
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【図8−4】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−68450(P2012−68450A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213457(P2010−213457)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】