リソグラフィ装置及び方法
【課題】パターンのオーバレイ誤差の増加を除去又は緩和することができるリソグラフィ装置及び方法を提供する。
【解決手段】本発明の第一の態様によれば、基板上に提供された層上にアラインメントマークを提供するリソグラフィ方法が開示され、方法は、上に層が提供されている基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向された層の区域に、アラインメントマークを提供することを含む。
【解決手段】本発明の第一の態様によれば、基板上に提供された層上にアラインメントマークを提供するリソグラフィ方法が開示され、方法は、上に層が提供されている基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向された層の区域に、アラインメントマークを提供することを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明はリソグラフィ装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に対応する回路パターンを生成することができ、このパターンを、放射感応性材料(レジスト)の層を有する基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を備える)に結像することができる。一般的に、1枚の基板は、順次露光される網の目(ネットワーク)状の互いに近接したターゲット部分を含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所定の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行にスキャンしながら、パターンを所定の方向(「スキャン」方向)にビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを具備している。
【0003】
[0003] 例えば基板上にデバイスを生成するために、往々にして複数のパターンを基板のターゲット部分に適用する必要がある。複数のパターンを互いの上に重ねることができる。その結果のデバイスが正確に働くために、パターンを特定の精度で互いの上に重ねなければならない。これはオーバレイ要件として知られている。重ね合わせたパターンの配置における誤差は全て、オーバレイ誤差として知られている。
【0004】
[0004] パターンは、基板に以前に適用された1つ又は複数のパターン又は層の上又はその中に配置されたアラインメントマークを使用して、互いの上に重ねられる。したがって、パターンを重ね合わせる精度は、アラインメントマークの正確な位置合わせに依存し、その後に適用されるパターンの適用及び位置決めの基準(又はガイド)としてアラインメントマークを使用する場合に、これらのアラインメントマークの正確な決定(割り出し)にも依存する。アラインメントマークが、基板表面と同一平面にある表面に配置されず、基板表面に対して角度をつけて配向されている場合、アラインメントマークの位置の決定は悪影響を受けることがある。これは、その後に適用されるパターンのオーバレイ誤差の増加につながることがある。同様に、アラインメントマークを覆う層の厚さが変化しても、アラインメントマークの位置の決定が不正確になり、したがってオーバレイ誤差が増加することがある。誤差は、放射ビームが層に入射する角度に比例し、この角度はアラインメントマークの位置の決定に使用される。
【0005】
[0005] 例えば本明細書で識別されていても、他で識別されていても、先行技術の1つ又は複数の問題を除去するか、緩和するリソグラフィ装置及び方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本発明の第一の態様によれば、基板上に提供された層にアラインメントマークを提供するリソグラフィ方法が提供され、方法は、上に層が提供された基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向された層の区域にアラインメントマークを提供することを含む。
【0007】
[0007] 本発明の第二の態様によれば、リソグラフィ装置が提供され、リソグラフィ装置は、放射のビームを提供する照明システムと、放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、基板を保持する基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムと、リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、基板上に提供される層の区域に提供されるアラインメントマークが、上に層が提供された基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向された区域上に提供されることを保証するように構成された制御装置と、を備える。
【0008】
[0008] 本発明の第三の態様によれば、基板上に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法が提供され、方法は、第一層が提供されている基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向された第一層上に提供されたアラインメントマークを使用し、第一層が提供されている基板の表面に対して特定の角度範囲外に配向された第一層上に提供されたアラインメントマークを使用しないことを含む。
【0009】
[0009] 本発明の第四の態様によれば、放射のビームを提供する照明システムと、放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、基板を保持する基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムと、リソグラフィ装置に少なくとも一部を制御して、使用時に、基板上に提供された第一層上に設けられ、第一層が提供されている基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向されたアラインメントマークが使用され、基板上に提供された第一層上に設けられ、第一層が提供されている基板の表面に対して特定の角度範囲外に配向されたアラインメントマークが使用されないことを保証するように構成された制御装置と、を備える。
【0010】
[0010] 本発明の第五の態様によれば、基板に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法が提供され、方法は、リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、アラインメントマークを使用する場合に第一層が提供されている基板の表面に対してアラインメントマークが配向されている角度を考慮に入れることを含む。
【0011】
[0011] 本発明の第六の態様によれば、リソグラフィ装置が提供され、リソグラフィ装置は、放射のビームを提供する照明システムと、放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、基板を保持する基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムと、リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、アラインメントマークを使用する場合に、層が提供されている基板の表面に対して、基板上に提供された第一層上に提供されているアラインメントマークの配向の方向を考慮に入れるように構成された制御装置と、を備える。
【0012】
[0012] 本発明の第七の態様によれば、基板上に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法が提供され、アラインメントマークは第二層で覆われ、方法は、リソグラフィ装置の構成部品を制御して、アラインメントマークの位置を決定する場合に、第二層の厚さを考慮に入れることを含む。
【0013】
[0013] 本発明の第八の態様によれば、リソグラフィ装置が提供され、リソグラフィ装置は、放射のビームを提供する照明システムと、放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、基板を保持する基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムと、リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、基板上に提供されて第二層に覆われた第一層上に提供されているアラインメントマークの位置を決定する場合に、基板上に提供された材料の第二層の厚さを考慮に入れるように構成された制御装置と、を備える。
【0014】
[0014] 本発明の第九の態様によれば、基板上に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法が提供され、アラインメントマークは第二層に覆われ、方法は、リソグラフィ装置の構成部品を制御して、アラインメントマークの位置を決定する場合に、第二層の屈折率を考慮に入れることを含む。
【0015】
[0015] 本発明の第十の態様によれば、リソグラフィ装置が提供され、リソグラフィ装置は、放射のビームを提供する照明システムと、放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、基板を保持する基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムと、リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、基板上に提供されて第二層で覆われた第一層上に提供されているアラインメントマークの位置を決定する場合に、基板上に提供された材料の第二層の屈折率を考慮に入れるように構成された制御装置と、を備える。
【0016】
[0016] 本発明の第十一の態様によれば、本発明の以上の態様のいずれかによる方法を使用することを含むデバイス製造方法が提供される。
【0017】
[0017] 本発明の第十二の態様によれば、以上で言及したデバイス製造方法に従って、及び/又は以上で言及したリソグラフィ装置によって製造されたデバイスが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
[0018] 次に、本発明の実施形態を添付の略図を参照しながら、ほんの一例として説明する。図面では対応する参照記号は対応する部品を示している。
【0019】
【図1】[0019]本発明の実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示した図である。
【図2a】[0020]基板上に提供されている層の厚さ又は平坦さの変化を概略的に示した図である。
【図2b】[0020]基板上に提供されている層の厚さ又は平坦さの変化を概略的に示した図である。
【図2c】[0020]基板上に提供されている層の厚さ又は平坦さの変化を概略的に示した図である。
【図2d】[0020]基板上に提供されている層の厚さ又は平坦さの変化を概略的に示した図である。
【図2e】[0020]基板上に提供されている層の厚さ又は平坦さの変化を概略的に示した図である。
【図3】[0021]基板上に提供された材料の層に適用されたアラインメントマークの位置の位置を決定する方法を概略的に示した図である。
【図4】[0022]アラインメントマークを覆う材料の層の厚さが変化した結果として、アラインメントマークの決定された位置の変化を概略的に示した図である。
【図5】[0023]中又は上にアラインメントマークが提供されている材料の層が基板に対して平坦でない結果として、アラインメントマークの決定された位置の変化を概略的に示した図である。
【図6】[0024]本発明の第一の実施形態によるアラインメント方法を概略的に示した図である。
【図7】[0025]本発明の別の態様によるアラインメント方法を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0026] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学装置、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどである。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことは、当業者に明らかである。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、又は計測ツール又は検査ツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0021】
[0027] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビームあるいは電子ビームといったような粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm又は126nmの波長を有する)及び極端紫外線光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
【0022】
[0028] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特別な機能層に相当する。
【0023】
[0029] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができ、この方法で、反射するビームにパターンを与える。
【0024】
[0030] 支持構造は、パターニングデバイスを保持している。該支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持体は、機械的クランプ、真空、又は他のクランプ技術、例えば真空状態の静電気クランプ技術を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよく、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
【0025】
[0031] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、及び反射屈折光学システムを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0026】
[0032] 照明システムは、放射ビームを誘導、成形、又は制御するために屈折、反射、及び反射屈折光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントも網羅することができ、このようなコンポーネントを以下ではまとめて、又は単独で「レンズ」とも呼ぶことができる。
【0027】
[0033] リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上の支持構造)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
【0028】
[0034] リソグラフィ装置は、投影システムの最終要素と基板との間の空間を充填するように、基板を水などの比較的高い屈折率を有する液体に浸すタイプでもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。
【0029】
[0035] 図1は、本発明の特定の実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
− 放射ビームPB(例えばUV放射、DUV放射又はEUV放射)を調節する照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持し、アイテムPLに対してパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第一位置決め装置PMに接続された支持構造(例えば支持構造)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持し、アイテムPLに対して基板を正確に位置決めするように構成された第二位置決め装置PWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームPBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に結像するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PLと、
− リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、アラインメントマークを含む層上に提供された1つ又は複数の層の厚さ又は屈折率、又はこれらの層の平坦度、又はアラインメントマークを含む層の平坦度を考慮に入れる制御装置CRとを備える。
【0030】
[0036] ここに示している本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する)。
【0031】
[0037] イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、それぞれ別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0032】
[0038] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節する調節可能な光学要素AMを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータは、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とを有する調整済みの放射ビームPBを提供する。
【0033】
[0039] 放射ビームPBは、支持構造MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射する。ビームPBはパターニングデバイスMAを通り抜けて、基板Wのターゲット部分C上にビームを集束するレンズPLを通過する。第二位置決め装置PW及び位置センサIF(例えば干渉計デバイス)の助けにより、基板テーブルWTを、例えばビームPBの経路に様々なターゲット部分Cを位置決めするように正確に移動できる。同様に、第一位置決め装置PM及び別の位置センサ(図1には明示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリから機械的に検索した後に、又はスキャン中に、ビームPBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般的に、オブジェクトテーブルMT及びWTの移動は、第一位置決めデバイスPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現される。しかし、ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアラインメントマークM1、M2及び基板アラインメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。
【0034】
[0040] 図示のリソグラフィ装置は以下の好ましいモードで使用可能である。
【0035】
[0041] 1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、ビームPBに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち1回の静止露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の静止露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
【0036】
[0042] 2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、ビームPBに与えられたパターンがターゲット部分Cに投影される(つまり1回の動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPLの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
【0037】
[0043] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、ビームPBに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0038】
[0044] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0039】
[0045] 基板上にデバイスを生成する場合は、往々にして連続的に適用し、重ね合わせた幾つかのパターンを基板に適用する必要がある。パターンは、既に基板上に提供されている材料の層に以前に適用されたアラインメントマークを使用して、相互に重ね合わせる。連続的に適用され、重ね合わせたパターンの位置決めの誤差は、オーバレイ誤差として知られている。オーバレイ誤差は、基板を保持する装置の不正確な位置決め、基板への放射ビームの不正確な投影、パターニングデバイスの変形などを含め、幾つかの理由のうち1つから生じることがある。オーバレイ誤差の別の原因は、以前に適用したアラインメントマークの決定が不正確な場合である。以前に適用したアラインメントマークの位置は、以下でさらに詳細に説明するように、幾つかの理由で不正確に決定されることがある。
【0040】
[0046] 図2aは、第一材料層12が提供されている基板10を示す。第一材料層12には複数のアラインメントマークが提供されている。次に、第二材料層16を第一材料層12の頂部に提供する。第一及び第二層12、14は、最終的に例えばハードディスクドライブの薄膜ヘッドなどの部分を形成することができる。第一及び第二層12、14は、例えばAl2O3の層でよい。
【0041】
[0047] パターンを第二材料層16に適用することができ、第一層12内に提供されたアラインメントマーク14を使用して、以前に適用したパターンに対してパターンを配置することができる。図2aで見られるように、第一層12及び第二層16の表面は、基板10のそれと同一平面にある。また、第一層12と第二層16の厚さが相互に同じであることが分かる。このような均一性によって、アラインメントマーク14の位置を正確かつ一貫して決定することができ、それによって第二層16に適用されるパターンを小さいオーバレイ誤差で正確に配置することができる。しかし、基板10に適用された層の厚さ又は平坦さが均一でない場合は、適用されるアラインメントマークの位置を正確かつ一貫して決定することがさらに困難になり、したがってその後に適用されるパターンを正確に配置することがさらに困難になり得る。
【0042】
[0048] 図2bから図2eは、基板上に提供された層の様々な不均一性を示し、それはこれらの層のうち1つ又は複数に適用されるアラインメントマークの位置の正確かつ一貫した決定に影響することがある。図2bは、基板10上に提供された第二層16が第一層12より厚いことを示す。図2cは、基板10上に提供された第二層16の厚さが均一ではなく、第二層16の上面が基板10の表面に対して平坦ではないことを示す。図2dは、基板10上に提供された第一層12の厚さが均一ではなく、第一層12の上面が基板10に対して平坦ではないことを示す。
【0043】
[0049] 図2eは、図2bから図2dに示した不均一性の全てが、基板に適用された層内にいかに存在できるかを示す略図である。基板10に適用された第一層12が不均一な厚さを有し、第一層12の上面が基板10に対して平坦ではないことが見られる。さらに、基板10上に提供された第二層16も不均一な厚さを有し、第二層16の上面も基板10に対して平坦ではないことが見られる。
【0044】
[0050] 図2bから図2eの検討から、基板上に提供された層の不均一性が、これらの層の中又はその上に提供されたアラインメントマークの位置又は方向に影響するか、中又は上にアラインメントマークが提供された層の上にある層の材料の厚さに影響し得ることが認識される。このような不均一性は、次に説明するように、アラインメントマーク14の位置の正確かつ一貫した決定に影響することがある。
【0045】
[0051] 図3は、第一層12及び第二層16が提供された基板10を示す。第一層12の中(又は上)には、アラインメントマーク14が提供される。図は、アラインメントマーク14の位置を決定することができる方法を概略的に示す。入射する放射ビーム18が、第二層16に入射するように図示されている。第二層16の表面から直角に延在する線に対して、第二層16に入射放射ビーム18が当たる角度をαとする。入射放射ビーム18は、屈折率nを有する第二層16に入り、通過する。入射放射ビーム18は第二層16で屈折し、これは入射放射ビーム18が第一層12及びアラインメントマーク14に当たる角度に影響する。第一層12及びアラインメントマーク14から直角に延在する線に対して、入射放射ビーム18がアラインメントマーク14に当たる角度をβとすることが分かる。入射放射ビーム18は、アラインメントマーク14から反射すると、出射放射ビーム20になる。出射放射ビーム20は、入射放射ビーム18に対して実質的に対称であることが分かる。したがって、出射放射20は、アラインメントマーク14から直角に延在する線に対して角度βで、アラインメントマーク14から反射する。出射放射ビーム20が第二層16を出た後、これは第二層16の表面から直角に延在する線に対して異なる角度で、特に角度αで第二層16を出るように屈折する。
【0046】
[0052] 入射放射ビーム18及び出射放射ビーム20を使用して、アラインメントマーク14の位置を決定することができる。入射放射ビーム18及び出射放射ビーム20を提供し、検出するアラインメントシステムは通常、第二層16の上面(つまり基板上に提供された層の最上面)と一致する焦点面を有するように構成される。図から、アラインメントマーク14の実際の位置をRPで表すことが分かる。しかし、入射放射ビーム18及び出射放射ビーム20が第一及び第二層12、16で反射、屈折及び通過しなければならないので、アラインメントマーク14の決定された位置DPは、実際の位置RPから逸脱APDしている(APDはアラインメント位置の逸脱を示す)。幾つかのアラインメントシステムでは、入射放射ビームは、基板上に提供された層の最上面に対して可能な限り垂直になり、したがってアラインメントマーク14の決定された位置DPと実際の位置RPとの間の逸脱APDを最小にするように制御される。しかし、入射放射ビームを最上面に対して確実に垂直にすることは、往々にして困難であるか、不可能である。つまり、入射放射ビームはほぼ常に、最上表面から直角に延在する線に対してわずかな角度がある。要するに、例えば図3に示すような方法を使用すると、アラインメントマークの決定された位置は、アラインメントマークの実際の位置に等しくない。
【0047】
[0053] 図3に示す逸脱APDが補正されていない場合、ガイド又は基準点としてアラインメントマーク14の決定された位置DPを使用して基板上に提供された層に適用されるパターンは、不正確に適用され、オーバレイ誤差を引き起こすことがある。決定されたアラインメントマーク位置DPの逸脱APDを補償するために、基板又はリソグラフィ装置の要素を配置して、重なったパターンを提供する場合に、この逸脱APDを考慮に入れることができる。例えば、図から下式を認識することができる。
APD≒TH(α/n)
ここで、THは第二層16の厚さである。第二層16の厚さが、さらに入射放射ビーム18の屈折率n及び入射角が一定である場合、アラインメントマーク14の決定された位置DPの逸脱APDも、基板10全体で一定で、一貫している。つまり、アラインメントマークの決定された位置DPを使用して、基板10上に提供された層にパターンを適用する場合、例えば1つ又は複数の要素を逸脱APDに比例する、又はそれに対応する量だけ移動させることによって、逸脱APDを考慮することができる。
【0048】
[0054] 図3に関して説明した方法は、幾つかの状況では役に立つが、常に役に立つわけではない。上述したように、アラインメントマーク14の決定された位置DPの逸脱APDを考慮するために、第二層16の厚さTH、入射放射ビーム18の入射角α、及び第二層16の屈折率が基板全体で一定であると仮定する。しかし実際には、これらの要素が常に一定であるわけではない。例えば、屈折率は(全くではないにしても)それほど大きくは変化しないが、基板上に提供した層の厚さは、(入射放射ビーム18の入射角に影響する)層の微細構造と同様に変化することがある。このような変化(又は言い換えると不均一性)は、基板全体に(及び異なる基板の間で)一定ではない逸脱APDがあることを意味する。逸脱APDが一定ではないので、逸脱APDの一定の補正はオーバレイ誤差につながる。
【0049】
[0055] 図4は、第二層16の厚さが、例えば量dTHだけ意図された厚さより大きい状況を示す。厚さの変化dTHは、処理状態により、例えばスピンコーティングの異常又は化学的又は機械的研磨の不一致により生じることがある。アラインメントマーク14の位置を決定するために、図3に関して以上で説明したのと同じ方法を企図する。図4の構成に対する違いは、入射放射ビーム18及び出射放射ビーム20が通過する第二層16の方が量dTHだけ厚いことである。これは、アラインメントマーク14の決定された位置DPと実際の位置RPとの間の逸脱APDが増大するという効果を有する。例えば、図4では下式のことが分かる。
APD≒(TH+dTH)α/n
又は言い換えると、図3と比較して、逸脱APDは下式の量だけ増加している。
APDの増加≒(dTH)α/n
厚さの変化dTHが第二層16の全体で一定であった場合は、再び逸脱APDを考慮に入れた補正が、基板及び第二層16の全体で一定になる。しかし、厚さの変化が一定になる可能性は低く、例えば回転付着効果(spinning deposition effects)、又は機械的又は化学的研磨プロセスなどの処理状態により、基板全体で変化することがある。つまり、補正が必要な逸脱APDが、実際には基板10全体で一定ではない。予想される一定の逸脱APDに対して一定の補正をすると、実際には基板全体で(及び異なる基板にわたって)様々な程度のオーバレイ誤差が生じることになる。
【0050】
[0056] 図5は、第一層12が基板10全体で均一ではない厚さを有し、第一層12の上面が基板10の上面に対して平坦ではない状況を示す。このような不均一性は、処理状態により、例えばスピンコーティングの異常又は化学的又は機械的研磨の不一致により生じることがある。
【0051】
[0057] アラインメントマーク14の位置DPの決定は、図3及び図4に関して以上で説明したのと同じ方法で決定される。しかし、第一層12の厚さが基板10全体で変化するので、第一層12の上面は、基板10の上面と比較して平坦ではない。つまり、第一層12上に提供されたアラインメントマーク14は実際に、基板の表面に対して平坦ではない。つまり、入射放射ビーム10がアラインメントマーク14から反射する角度は、アラインメントマーク14が基板10に対して平坦な表面に配置された場合とは異なる。例えば、図から、第一層12の上面は基板10に平行ではなく、角度θにあることが分かる。アラインメントマーク14が基板10に対して角度θにあるので、アラインメントマーク14は出射放射ビーム18を、アラインメントマーク14が基板10に平行である場合より大きい角度で反射する。例えば、入射放射ビーム10は基板10から直角に延在する線に対して角度βで入射することが分かる。出射放射ビーム18は、(図3の場合のように)同じ角度βで反射するのではなく、出射放射ビーム18は角度β+2θで反射する。出射放射ビーム18がアラインメントマーク14で反射する角度が大きくなるので、アラインメントマーク14の決定された位置DPとアラインメントマーク14の実際の位置RPとの間の逸脱APDも大きくなる。特に、下式であることが分かる。
APD≒TH(α/n+2θ)
したがって、基板が提供されている1つ又は複数の層が均一の厚さではないか、基板に対して平坦ではなく、これらの不均一性が基板全体で変化する場合、アラインメントマーク14の決定された位置DPと実際の位置RPとの間の逸脱APDも、基板全体で変化することが分かる。
【0052】
[0058] パターンを正確かつ一貫して重ね合わせることを保証するために、アラインメントマークの位置を正確に決定することができる、又は決定された位置が実際の位置から逸脱していることが分かった場合は、正確に補償できることを保証することが望ましい。
【0053】
[0059] アラインメントマークの決定された位置が変化するという問題に対する1つの解決法は、基板に平行な(又は言い換えると基板に対して平坦な)表面の中又は上にあるアラインメントマークのみを使用して、重ね合わせるパターンの位置を決定することを保証することである。これは2つの方法のうち一方で達成することができる。図6は、第一層12及び第二層16が提供された基板10を示す。第一層12内には、複数のアラインメントマーク14が提供されている。アラインメントマーク14の位置を決定することにより、アラインメントマーク14が基板10に平行な表面内又は表面上に位置するか否かを決定することができる。例えば、アラインメントマーク14を覆っている第二層16の厚さが比較的一定である場合、図5でさらに詳細に説明するように、アラインメントマーク14の決定された位置の変化は、基板10に対するその方向の変化を反映することになる。したがって、アラインメントマーク14の位置を決定することにより、基板10に対して平坦であるアラインメントマーク14(又は基板に対して指定された角度範囲内に配向されたアラインメントマーク)のみを使用して、その後に適用されるパターンを位置合わせすることができる。例えば、図6から、複数のアラインメントマーク22は、その後に適用されるパターンのその後の位置決め及び位置合わせに使用されるほど十分に平坦であるが、別の複数のアラインメントマーク24は、その後に適用されるパターンのその後の位置決め及び位置合わせに使用されるほど十分に平坦ではないことが分かる。つまり、第一層上に提供された複数のアラインメントマーク14のサブセットを使用することができ、別のサブセットは使用することができない。
【0054】
[0060] 図7は、図6に図示され、それに関して説明されたアプローチと同様であるが、わずかに異なるアプローチを示す。(図6の場合のように)どのアラインメントマークが、その後に適用されるパターンの位置合わせ及び位置決めに使用されるほど十分に平坦かを選択するのではなく、図7では、基板10に対して十分に平坦である表面の中又は上にアラインメントマークを適用するだけである。図7を参照すると、基板10には第一層12が提供されている。第一層の上面は基板10に対して完全には平坦でなく、基板10に対して平坦である幾つかの領域及び基板10に対して平坦ではない幾つかの領域を有した不均一な微細構造を有することが分かる。第一層12の上面の平坦さは、例えばレベルセンサ又は他の適切な機器を使用して決定することができる。アラインメントマーク26は、その後に適用されるパターンのその後の位置合わせ及び位置決めに使用するために基板10に対して十分に平坦であるとされる第一層12の区域の中又は上に提供することができる。したがって、アラインメントマークは、基板10に対して十分に平坦ではないとされる区域には提供されない。点線の輪郭のフィーチャ28は、本発明の実施形態による方法を適用しなかった場合に適用されるような(しかし実際には適用されていない)アラインメントマークの位置を示している。これらのアラインメントマーク28の位置は、基板10に対して平坦ではなく、アラインメントマークの決定された位置に様々な変化する逸脱をもたらし、その後に適用される重ね合わせたパターンの適用をさらに困難にするような第一層12の区域の上又は中にあることが分かる。これらのアラインメントマーク28は使用されないので、平坦なアラインメントマーク26を使用して位置決めされ、その後に適用されるパターンは、さらに正確で、オーバレイ誤差が小さくなった状態で配置することができる。
【0055】
[0061] その後に適用されるパターンの位置決め又は位置合わせに使用するアラインメントマークを選択するか、基板に対して十分に平坦である区域にのみアラインメントマークを適用するのではなく、リソグラフィ装置を制御して、表面の平坦度の変化、層の厚さ、又はアラインメントマークの方向の変化を考慮に入れることができる。これは、幾つかの方法のうちいずれか1つで達成することができる。例えば、アラインメントマークが提供されて、覆われていない表面の微細構造を決定することが望ましい場合、レベルセンサ又は他のスキャン構成を使用して、微細構造を決定することができる。アラインメントマークが上に提供されている層が別の層の下に位置する場合は、1つ又は複数の測定値を組み合わせることによって、微細構造を決定することができる。例えば、上にある層の上面の微細構造は、レベルセンサ、及びアラインメントシステム又はスキャン構成を使用して決定することができ、上にある層の厚さは、当技術分野で知られている方法で(例えば偏光解析法、スキャトロメータなどを使用して)決定することができる。これらの微細構造と厚さの測定値を組み合わせることにより、例えばアラインメントマークが提供されているような、下にある層の上面の微細構造を決定することが可能になる。アラインメントマークが上に提供されている層の微細構造は、上にある層の厚さ又は微細構造を決定せずに、決定することができる。例えば、アラインメントマークが基板に対して異なる角度にある場合でも、アラインメントマークは基板全体の特定の位置に配置されていることが分かる。したがって、上述した方法を使用してこれらのアラインメントマークの位置を決定する場合、例えばアラインメントマークが提供されている表面の不均一性などによる各アラインメントマークの位置の逸脱を使用して、アラインメントマークの決定された位置が、実際の位置又は予想される位置からどの程度逸脱しているかを決定することができる。これらの逸脱によって、アラインメントマークが上又は中に提供されている表面の微細構造のマップを計算し、例えばリソグラフィ装置の1つ又は複数の要素の構成を変化させることによって補正することができる。
【0056】
[0062] 基板上に提供される層の厚さ又は平坦さの不均一性を考慮に入れるために、基板に対して容易に平坦になるアラインメントマークを使用又は提供するだけで、又はリソグラフィ装置の構成を調節する(例えば基板の方向又は放射ビームの特性を変化させる)ことにより、オーバレイ誤差を軽減することができる。
【0057】
[0063] 以上の実施形態では、基板の表面に対して十分に平坦な基板にアラインメントマークを使用又は提供できるだけであると述べてきた。つまり、アラインメントマークは基板に対して完璧に平坦にすることはできないが、基板に対して特定の角度範囲内に配向することができる。許容可能であると指定される角度範囲は、リソグラフィ装置によって提供又は生成された対応するパターン又はデバイスで許容可能なオーバレイ誤差に対応する。例えば、基板に対して数マイクロラジアン以内に配向された表面上にアラインメントマークを使用又は提供することが望ましいことがある。アラインメントマークは、基板に対して0から300μラジアンに配向することができる。特に、アラインメントマークは基板に対して0から50μラジアンに配向してよい。この要件は、特定のプロセス、バッチ、又は他の機械又は加工物の状態に従って予め決定するか、オンザフライで指定することができる。
【0058】
[0064] 以上の実施形態では、層の屈折率nについて説明してきた。以上で与えられた式から、屈折率が変化すると、アラインメントマークの実際の位置から決定された位置への逸脱APDも変化することが認識される。したがって、層の屈折率の変化は、オーバレイ誤差の変化も誘発又は引き起こすことがある。上又は中にアラインメントマークが提供されている層の頂部に提供された層の屈折率を決定することができる。これで、アラインメントマークの位置を決定して、パターンを最上層に適用する場合に、屈折率又は屈折率の変化を考慮に入れることができる。つまり、本発明の実施形態によれば、基板上に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法が提供され、アラインメントマークは第二層で覆われ、方法は、リソグラフィ装置の構成部品を制御して、アラインメントマークの位置を決定する場合に、第二層の屈折率を考慮に入れることを含む。
【0059】
[0065] 図1に関して以上で言及したように、リソグラフィ装置には、アラインメントマークを含む層上に提供される1つ又は複数の層の厚さ又は1つ又は複数の屈折率、又はこれらの層の平坦度、又はアラインメントマークを含む層の平坦度を考慮に入れるために、リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御する制御装置CRを提供することができる。制御装置は、リソグラフィ装置を制御して、層が特定の角度範囲内にある領域内で層にアラインメントマークを適用するように構成することができる。制御装置は、リソグラフィ装置を制御して、特定の角度範囲内にある層内の1つ又は複数のアラインメントマークを使用するのみであるように構成することができる。制御装置は、リソグラフィ装置を制御して、アラインメントマークの様々な方向、例えばアラインメントマークが配向されている角度を考慮に入れるように構成することができる。制御装置は、リソグラフィ装置を制御して、1つ又は複数のアラインメントマークの位置をより正確に決定するために、これらのアラインメントマークを備えた層の上に配置された1つ又は複数の層の厚さを考慮に入れるように構成することができる。制御装置はコンピュータ、埋め込み式処理装置、又は他の制御装置でよい。制御装置には、リソグラフィ装置の制御に使用される情報が提供されるか、情報を受信するように構成するか、情報を取得するように構成することができる。
【0060】
[0066] 以上で本発明の特定の実施形態について説明してきたが、本発明は説明した以外の方法で実践できることが認識される。この説明は本発明を制限するものではない。
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明はリソグラフィ装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に対応する回路パターンを生成することができ、このパターンを、放射感応性材料(レジスト)の層を有する基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を備える)に結像することができる。一般的に、1枚の基板は、順次露光される網の目(ネットワーク)状の互いに近接したターゲット部分を含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所定の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行にスキャンしながら、パターンを所定の方向(「スキャン」方向)にビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを具備している。
【0003】
[0003] 例えば基板上にデバイスを生成するために、往々にして複数のパターンを基板のターゲット部分に適用する必要がある。複数のパターンを互いの上に重ねることができる。その結果のデバイスが正確に働くために、パターンを特定の精度で互いの上に重ねなければならない。これはオーバレイ要件として知られている。重ね合わせたパターンの配置における誤差は全て、オーバレイ誤差として知られている。
【0004】
[0004] パターンは、基板に以前に適用された1つ又は複数のパターン又は層の上又はその中に配置されたアラインメントマークを使用して、互いの上に重ねられる。したがって、パターンを重ね合わせる精度は、アラインメントマークの正確な位置合わせに依存し、その後に適用されるパターンの適用及び位置決めの基準(又はガイド)としてアラインメントマークを使用する場合に、これらのアラインメントマークの正確な決定(割り出し)にも依存する。アラインメントマークが、基板表面と同一平面にある表面に配置されず、基板表面に対して角度をつけて配向されている場合、アラインメントマークの位置の決定は悪影響を受けることがある。これは、その後に適用されるパターンのオーバレイ誤差の増加につながることがある。同様に、アラインメントマークを覆う層の厚さが変化しても、アラインメントマークの位置の決定が不正確になり、したがってオーバレイ誤差が増加することがある。誤差は、放射ビームが層に入射する角度に比例し、この角度はアラインメントマークの位置の決定に使用される。
【0005】
[0005] 例えば本明細書で識別されていても、他で識別されていても、先行技術の1つ又は複数の問題を除去するか、緩和するリソグラフィ装置及び方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本発明の第一の態様によれば、基板上に提供された層にアラインメントマークを提供するリソグラフィ方法が提供され、方法は、上に層が提供された基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向された層の区域にアラインメントマークを提供することを含む。
【0007】
[0007] 本発明の第二の態様によれば、リソグラフィ装置が提供され、リソグラフィ装置は、放射のビームを提供する照明システムと、放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、基板を保持する基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムと、リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、基板上に提供される層の区域に提供されるアラインメントマークが、上に層が提供された基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向された区域上に提供されることを保証するように構成された制御装置と、を備える。
【0008】
[0008] 本発明の第三の態様によれば、基板上に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法が提供され、方法は、第一層が提供されている基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向された第一層上に提供されたアラインメントマークを使用し、第一層が提供されている基板の表面に対して特定の角度範囲外に配向された第一層上に提供されたアラインメントマークを使用しないことを含む。
【0009】
[0009] 本発明の第四の態様によれば、放射のビームを提供する照明システムと、放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、基板を保持する基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムと、リソグラフィ装置に少なくとも一部を制御して、使用時に、基板上に提供された第一層上に設けられ、第一層が提供されている基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向されたアラインメントマークが使用され、基板上に提供された第一層上に設けられ、第一層が提供されている基板の表面に対して特定の角度範囲外に配向されたアラインメントマークが使用されないことを保証するように構成された制御装置と、を備える。
【0010】
[0010] 本発明の第五の態様によれば、基板に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法が提供され、方法は、リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、アラインメントマークを使用する場合に第一層が提供されている基板の表面に対してアラインメントマークが配向されている角度を考慮に入れることを含む。
【0011】
[0011] 本発明の第六の態様によれば、リソグラフィ装置が提供され、リソグラフィ装置は、放射のビームを提供する照明システムと、放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、基板を保持する基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムと、リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、アラインメントマークを使用する場合に、層が提供されている基板の表面に対して、基板上に提供された第一層上に提供されているアラインメントマークの配向の方向を考慮に入れるように構成された制御装置と、を備える。
【0012】
[0012] 本発明の第七の態様によれば、基板上に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法が提供され、アラインメントマークは第二層で覆われ、方法は、リソグラフィ装置の構成部品を制御して、アラインメントマークの位置を決定する場合に、第二層の厚さを考慮に入れることを含む。
【0013】
[0013] 本発明の第八の態様によれば、リソグラフィ装置が提供され、リソグラフィ装置は、放射のビームを提供する照明システムと、放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、基板を保持する基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムと、リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、基板上に提供されて第二層に覆われた第一層上に提供されているアラインメントマークの位置を決定する場合に、基板上に提供された材料の第二層の厚さを考慮に入れるように構成された制御装置と、を備える。
【0014】
[0014] 本発明の第九の態様によれば、基板上に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法が提供され、アラインメントマークは第二層に覆われ、方法は、リソグラフィ装置の構成部品を制御して、アラインメントマークの位置を決定する場合に、第二層の屈折率を考慮に入れることを含む。
【0015】
[0015] 本発明の第十の態様によれば、リソグラフィ装置が提供され、リソグラフィ装置は、放射のビームを提供する照明システムと、放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、基板を保持する基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムと、リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、基板上に提供されて第二層で覆われた第一層上に提供されているアラインメントマークの位置を決定する場合に、基板上に提供された材料の第二層の屈折率を考慮に入れるように構成された制御装置と、を備える。
【0016】
[0016] 本発明の第十一の態様によれば、本発明の以上の態様のいずれかによる方法を使用することを含むデバイス製造方法が提供される。
【0017】
[0017] 本発明の第十二の態様によれば、以上で言及したデバイス製造方法に従って、及び/又は以上で言及したリソグラフィ装置によって製造されたデバイスが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
[0018] 次に、本発明の実施形態を添付の略図を参照しながら、ほんの一例として説明する。図面では対応する参照記号は対応する部品を示している。
【0019】
【図1】[0019]本発明の実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示した図である。
【図2a】[0020]基板上に提供されている層の厚さ又は平坦さの変化を概略的に示した図である。
【図2b】[0020]基板上に提供されている層の厚さ又は平坦さの変化を概略的に示した図である。
【図2c】[0020]基板上に提供されている層の厚さ又は平坦さの変化を概略的に示した図である。
【図2d】[0020]基板上に提供されている層の厚さ又は平坦さの変化を概略的に示した図である。
【図2e】[0020]基板上に提供されている層の厚さ又は平坦さの変化を概略的に示した図である。
【図3】[0021]基板上に提供された材料の層に適用されたアラインメントマークの位置の位置を決定する方法を概略的に示した図である。
【図4】[0022]アラインメントマークを覆う材料の層の厚さが変化した結果として、アラインメントマークの決定された位置の変化を概略的に示した図である。
【図5】[0023]中又は上にアラインメントマークが提供されている材料の層が基板に対して平坦でない結果として、アラインメントマークの決定された位置の変化を概略的に示した図である。
【図6】[0024]本発明の第一の実施形態によるアラインメント方法を概略的に示した図である。
【図7】[0025]本発明の別の態様によるアラインメント方法を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0026] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学装置、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどである。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことは、当業者に明らかである。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、又は計測ツール又は検査ツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0021】
[0027] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビームあるいは電子ビームといったような粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm又は126nmの波長を有する)及び極端紫外線光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
【0022】
[0028] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特別な機能層に相当する。
【0023】
[0029] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができ、この方法で、反射するビームにパターンを与える。
【0024】
[0030] 支持構造は、パターニングデバイスを保持している。該支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持体は、機械的クランプ、真空、又は他のクランプ技術、例えば真空状態の静電気クランプ技術を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよく、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
【0025】
[0031] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、及び反射屈折光学システムを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0026】
[0032] 照明システムは、放射ビームを誘導、成形、又は制御するために屈折、反射、及び反射屈折光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントも網羅することができ、このようなコンポーネントを以下ではまとめて、又は単独で「レンズ」とも呼ぶことができる。
【0027】
[0033] リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上の支持構造)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
【0028】
[0034] リソグラフィ装置は、投影システムの最終要素と基板との間の空間を充填するように、基板を水などの比較的高い屈折率を有する液体に浸すタイプでもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。
【0029】
[0035] 図1は、本発明の特定の実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
− 放射ビームPB(例えばUV放射、DUV放射又はEUV放射)を調節する照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持し、アイテムPLに対してパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第一位置決め装置PMに接続された支持構造(例えば支持構造)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持し、アイテムPLに対して基板を正確に位置決めするように構成された第二位置決め装置PWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームPBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に結像するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PLと、
− リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、アラインメントマークを含む層上に提供された1つ又は複数の層の厚さ又は屈折率、又はこれらの層の平坦度、又はアラインメントマークを含む層の平坦度を考慮に入れる制御装置CRとを備える。
【0030】
[0036] ここに示している本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する)。
【0031】
[0037] イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、それぞれ別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0032】
[0038] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節する調節可能な光学要素AMを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータは、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とを有する調整済みの放射ビームPBを提供する。
【0033】
[0039] 放射ビームPBは、支持構造MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射する。ビームPBはパターニングデバイスMAを通り抜けて、基板Wのターゲット部分C上にビームを集束するレンズPLを通過する。第二位置決め装置PW及び位置センサIF(例えば干渉計デバイス)の助けにより、基板テーブルWTを、例えばビームPBの経路に様々なターゲット部分Cを位置決めするように正確に移動できる。同様に、第一位置決め装置PM及び別の位置センサ(図1には明示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリから機械的に検索した後に、又はスキャン中に、ビームPBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般的に、オブジェクトテーブルMT及びWTの移動は、第一位置決めデバイスPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現される。しかし、ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアラインメントマークM1、M2及び基板アラインメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。
【0034】
[0040] 図示のリソグラフィ装置は以下の好ましいモードで使用可能である。
【0035】
[0041] 1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、ビームPBに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち1回の静止露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の静止露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
【0036】
[0042] 2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、ビームPBに与えられたパターンがターゲット部分Cに投影される(つまり1回の動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPLの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
【0037】
[0043] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、ビームPBに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0038】
[0044] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0039】
[0045] 基板上にデバイスを生成する場合は、往々にして連続的に適用し、重ね合わせた幾つかのパターンを基板に適用する必要がある。パターンは、既に基板上に提供されている材料の層に以前に適用されたアラインメントマークを使用して、相互に重ね合わせる。連続的に適用され、重ね合わせたパターンの位置決めの誤差は、オーバレイ誤差として知られている。オーバレイ誤差は、基板を保持する装置の不正確な位置決め、基板への放射ビームの不正確な投影、パターニングデバイスの変形などを含め、幾つかの理由のうち1つから生じることがある。オーバレイ誤差の別の原因は、以前に適用したアラインメントマークの決定が不正確な場合である。以前に適用したアラインメントマークの位置は、以下でさらに詳細に説明するように、幾つかの理由で不正確に決定されることがある。
【0040】
[0046] 図2aは、第一材料層12が提供されている基板10を示す。第一材料層12には複数のアラインメントマークが提供されている。次に、第二材料層16を第一材料層12の頂部に提供する。第一及び第二層12、14は、最終的に例えばハードディスクドライブの薄膜ヘッドなどの部分を形成することができる。第一及び第二層12、14は、例えばAl2O3の層でよい。
【0041】
[0047] パターンを第二材料層16に適用することができ、第一層12内に提供されたアラインメントマーク14を使用して、以前に適用したパターンに対してパターンを配置することができる。図2aで見られるように、第一層12及び第二層16の表面は、基板10のそれと同一平面にある。また、第一層12と第二層16の厚さが相互に同じであることが分かる。このような均一性によって、アラインメントマーク14の位置を正確かつ一貫して決定することができ、それによって第二層16に適用されるパターンを小さいオーバレイ誤差で正確に配置することができる。しかし、基板10に適用された層の厚さ又は平坦さが均一でない場合は、適用されるアラインメントマークの位置を正確かつ一貫して決定することがさらに困難になり、したがってその後に適用されるパターンを正確に配置することがさらに困難になり得る。
【0042】
[0048] 図2bから図2eは、基板上に提供された層の様々な不均一性を示し、それはこれらの層のうち1つ又は複数に適用されるアラインメントマークの位置の正確かつ一貫した決定に影響することがある。図2bは、基板10上に提供された第二層16が第一層12より厚いことを示す。図2cは、基板10上に提供された第二層16の厚さが均一ではなく、第二層16の上面が基板10の表面に対して平坦ではないことを示す。図2dは、基板10上に提供された第一層12の厚さが均一ではなく、第一層12の上面が基板10に対して平坦ではないことを示す。
【0043】
[0049] 図2eは、図2bから図2dに示した不均一性の全てが、基板に適用された層内にいかに存在できるかを示す略図である。基板10に適用された第一層12が不均一な厚さを有し、第一層12の上面が基板10に対して平坦ではないことが見られる。さらに、基板10上に提供された第二層16も不均一な厚さを有し、第二層16の上面も基板10に対して平坦ではないことが見られる。
【0044】
[0050] 図2bから図2eの検討から、基板上に提供された層の不均一性が、これらの層の中又はその上に提供されたアラインメントマークの位置又は方向に影響するか、中又は上にアラインメントマークが提供された層の上にある層の材料の厚さに影響し得ることが認識される。このような不均一性は、次に説明するように、アラインメントマーク14の位置の正確かつ一貫した決定に影響することがある。
【0045】
[0051] 図3は、第一層12及び第二層16が提供された基板10を示す。第一層12の中(又は上)には、アラインメントマーク14が提供される。図は、アラインメントマーク14の位置を決定することができる方法を概略的に示す。入射する放射ビーム18が、第二層16に入射するように図示されている。第二層16の表面から直角に延在する線に対して、第二層16に入射放射ビーム18が当たる角度をαとする。入射放射ビーム18は、屈折率nを有する第二層16に入り、通過する。入射放射ビーム18は第二層16で屈折し、これは入射放射ビーム18が第一層12及びアラインメントマーク14に当たる角度に影響する。第一層12及びアラインメントマーク14から直角に延在する線に対して、入射放射ビーム18がアラインメントマーク14に当たる角度をβとすることが分かる。入射放射ビーム18は、アラインメントマーク14から反射すると、出射放射ビーム20になる。出射放射ビーム20は、入射放射ビーム18に対して実質的に対称であることが分かる。したがって、出射放射20は、アラインメントマーク14から直角に延在する線に対して角度βで、アラインメントマーク14から反射する。出射放射ビーム20が第二層16を出た後、これは第二層16の表面から直角に延在する線に対して異なる角度で、特に角度αで第二層16を出るように屈折する。
【0046】
[0052] 入射放射ビーム18及び出射放射ビーム20を使用して、アラインメントマーク14の位置を決定することができる。入射放射ビーム18及び出射放射ビーム20を提供し、検出するアラインメントシステムは通常、第二層16の上面(つまり基板上に提供された層の最上面)と一致する焦点面を有するように構成される。図から、アラインメントマーク14の実際の位置をRPで表すことが分かる。しかし、入射放射ビーム18及び出射放射ビーム20が第一及び第二層12、16で反射、屈折及び通過しなければならないので、アラインメントマーク14の決定された位置DPは、実際の位置RPから逸脱APDしている(APDはアラインメント位置の逸脱を示す)。幾つかのアラインメントシステムでは、入射放射ビームは、基板上に提供された層の最上面に対して可能な限り垂直になり、したがってアラインメントマーク14の決定された位置DPと実際の位置RPとの間の逸脱APDを最小にするように制御される。しかし、入射放射ビームを最上面に対して確実に垂直にすることは、往々にして困難であるか、不可能である。つまり、入射放射ビームはほぼ常に、最上表面から直角に延在する線に対してわずかな角度がある。要するに、例えば図3に示すような方法を使用すると、アラインメントマークの決定された位置は、アラインメントマークの実際の位置に等しくない。
【0047】
[0053] 図3に示す逸脱APDが補正されていない場合、ガイド又は基準点としてアラインメントマーク14の決定された位置DPを使用して基板上に提供された層に適用されるパターンは、不正確に適用され、オーバレイ誤差を引き起こすことがある。決定されたアラインメントマーク位置DPの逸脱APDを補償するために、基板又はリソグラフィ装置の要素を配置して、重なったパターンを提供する場合に、この逸脱APDを考慮に入れることができる。例えば、図から下式を認識することができる。
APD≒TH(α/n)
ここで、THは第二層16の厚さである。第二層16の厚さが、さらに入射放射ビーム18の屈折率n及び入射角が一定である場合、アラインメントマーク14の決定された位置DPの逸脱APDも、基板10全体で一定で、一貫している。つまり、アラインメントマークの決定された位置DPを使用して、基板10上に提供された層にパターンを適用する場合、例えば1つ又は複数の要素を逸脱APDに比例する、又はそれに対応する量だけ移動させることによって、逸脱APDを考慮することができる。
【0048】
[0054] 図3に関して説明した方法は、幾つかの状況では役に立つが、常に役に立つわけではない。上述したように、アラインメントマーク14の決定された位置DPの逸脱APDを考慮するために、第二層16の厚さTH、入射放射ビーム18の入射角α、及び第二層16の屈折率が基板全体で一定であると仮定する。しかし実際には、これらの要素が常に一定であるわけではない。例えば、屈折率は(全くではないにしても)それほど大きくは変化しないが、基板上に提供した層の厚さは、(入射放射ビーム18の入射角に影響する)層の微細構造と同様に変化することがある。このような変化(又は言い換えると不均一性)は、基板全体に(及び異なる基板の間で)一定ではない逸脱APDがあることを意味する。逸脱APDが一定ではないので、逸脱APDの一定の補正はオーバレイ誤差につながる。
【0049】
[0055] 図4は、第二層16の厚さが、例えば量dTHだけ意図された厚さより大きい状況を示す。厚さの変化dTHは、処理状態により、例えばスピンコーティングの異常又は化学的又は機械的研磨の不一致により生じることがある。アラインメントマーク14の位置を決定するために、図3に関して以上で説明したのと同じ方法を企図する。図4の構成に対する違いは、入射放射ビーム18及び出射放射ビーム20が通過する第二層16の方が量dTHだけ厚いことである。これは、アラインメントマーク14の決定された位置DPと実際の位置RPとの間の逸脱APDが増大するという効果を有する。例えば、図4では下式のことが分かる。
APD≒(TH+dTH)α/n
又は言い換えると、図3と比較して、逸脱APDは下式の量だけ増加している。
APDの増加≒(dTH)α/n
厚さの変化dTHが第二層16の全体で一定であった場合は、再び逸脱APDを考慮に入れた補正が、基板及び第二層16の全体で一定になる。しかし、厚さの変化が一定になる可能性は低く、例えば回転付着効果(spinning deposition effects)、又は機械的又は化学的研磨プロセスなどの処理状態により、基板全体で変化することがある。つまり、補正が必要な逸脱APDが、実際には基板10全体で一定ではない。予想される一定の逸脱APDに対して一定の補正をすると、実際には基板全体で(及び異なる基板にわたって)様々な程度のオーバレイ誤差が生じることになる。
【0050】
[0056] 図5は、第一層12が基板10全体で均一ではない厚さを有し、第一層12の上面が基板10の上面に対して平坦ではない状況を示す。このような不均一性は、処理状態により、例えばスピンコーティングの異常又は化学的又は機械的研磨の不一致により生じることがある。
【0051】
[0057] アラインメントマーク14の位置DPの決定は、図3及び図4に関して以上で説明したのと同じ方法で決定される。しかし、第一層12の厚さが基板10全体で変化するので、第一層12の上面は、基板10の上面と比較して平坦ではない。つまり、第一層12上に提供されたアラインメントマーク14は実際に、基板の表面に対して平坦ではない。つまり、入射放射ビーム10がアラインメントマーク14から反射する角度は、アラインメントマーク14が基板10に対して平坦な表面に配置された場合とは異なる。例えば、図から、第一層12の上面は基板10に平行ではなく、角度θにあることが分かる。アラインメントマーク14が基板10に対して角度θにあるので、アラインメントマーク14は出射放射ビーム18を、アラインメントマーク14が基板10に平行である場合より大きい角度で反射する。例えば、入射放射ビーム10は基板10から直角に延在する線に対して角度βで入射することが分かる。出射放射ビーム18は、(図3の場合のように)同じ角度βで反射するのではなく、出射放射ビーム18は角度β+2θで反射する。出射放射ビーム18がアラインメントマーク14で反射する角度が大きくなるので、アラインメントマーク14の決定された位置DPとアラインメントマーク14の実際の位置RPとの間の逸脱APDも大きくなる。特に、下式であることが分かる。
APD≒TH(α/n+2θ)
したがって、基板が提供されている1つ又は複数の層が均一の厚さではないか、基板に対して平坦ではなく、これらの不均一性が基板全体で変化する場合、アラインメントマーク14の決定された位置DPと実際の位置RPとの間の逸脱APDも、基板全体で変化することが分かる。
【0052】
[0058] パターンを正確かつ一貫して重ね合わせることを保証するために、アラインメントマークの位置を正確に決定することができる、又は決定された位置が実際の位置から逸脱していることが分かった場合は、正確に補償できることを保証することが望ましい。
【0053】
[0059] アラインメントマークの決定された位置が変化するという問題に対する1つの解決法は、基板に平行な(又は言い換えると基板に対して平坦な)表面の中又は上にあるアラインメントマークのみを使用して、重ね合わせるパターンの位置を決定することを保証することである。これは2つの方法のうち一方で達成することができる。図6は、第一層12及び第二層16が提供された基板10を示す。第一層12内には、複数のアラインメントマーク14が提供されている。アラインメントマーク14の位置を決定することにより、アラインメントマーク14が基板10に平行な表面内又は表面上に位置するか否かを決定することができる。例えば、アラインメントマーク14を覆っている第二層16の厚さが比較的一定である場合、図5でさらに詳細に説明するように、アラインメントマーク14の決定された位置の変化は、基板10に対するその方向の変化を反映することになる。したがって、アラインメントマーク14の位置を決定することにより、基板10に対して平坦であるアラインメントマーク14(又は基板に対して指定された角度範囲内に配向されたアラインメントマーク)のみを使用して、その後に適用されるパターンを位置合わせすることができる。例えば、図6から、複数のアラインメントマーク22は、その後に適用されるパターンのその後の位置決め及び位置合わせに使用されるほど十分に平坦であるが、別の複数のアラインメントマーク24は、その後に適用されるパターンのその後の位置決め及び位置合わせに使用されるほど十分に平坦ではないことが分かる。つまり、第一層上に提供された複数のアラインメントマーク14のサブセットを使用することができ、別のサブセットは使用することができない。
【0054】
[0060] 図7は、図6に図示され、それに関して説明されたアプローチと同様であるが、わずかに異なるアプローチを示す。(図6の場合のように)どのアラインメントマークが、その後に適用されるパターンの位置合わせ及び位置決めに使用されるほど十分に平坦かを選択するのではなく、図7では、基板10に対して十分に平坦である表面の中又は上にアラインメントマークを適用するだけである。図7を参照すると、基板10には第一層12が提供されている。第一層の上面は基板10に対して完全には平坦でなく、基板10に対して平坦である幾つかの領域及び基板10に対して平坦ではない幾つかの領域を有した不均一な微細構造を有することが分かる。第一層12の上面の平坦さは、例えばレベルセンサ又は他の適切な機器を使用して決定することができる。アラインメントマーク26は、その後に適用されるパターンのその後の位置合わせ及び位置決めに使用するために基板10に対して十分に平坦であるとされる第一層12の区域の中又は上に提供することができる。したがって、アラインメントマークは、基板10に対して十分に平坦ではないとされる区域には提供されない。点線の輪郭のフィーチャ28は、本発明の実施形態による方法を適用しなかった場合に適用されるような(しかし実際には適用されていない)アラインメントマークの位置を示している。これらのアラインメントマーク28の位置は、基板10に対して平坦ではなく、アラインメントマークの決定された位置に様々な変化する逸脱をもたらし、その後に適用される重ね合わせたパターンの適用をさらに困難にするような第一層12の区域の上又は中にあることが分かる。これらのアラインメントマーク28は使用されないので、平坦なアラインメントマーク26を使用して位置決めされ、その後に適用されるパターンは、さらに正確で、オーバレイ誤差が小さくなった状態で配置することができる。
【0055】
[0061] その後に適用されるパターンの位置決め又は位置合わせに使用するアラインメントマークを選択するか、基板に対して十分に平坦である区域にのみアラインメントマークを適用するのではなく、リソグラフィ装置を制御して、表面の平坦度の変化、層の厚さ、又はアラインメントマークの方向の変化を考慮に入れることができる。これは、幾つかの方法のうちいずれか1つで達成することができる。例えば、アラインメントマークが提供されて、覆われていない表面の微細構造を決定することが望ましい場合、レベルセンサ又は他のスキャン構成を使用して、微細構造を決定することができる。アラインメントマークが上に提供されている層が別の層の下に位置する場合は、1つ又は複数の測定値を組み合わせることによって、微細構造を決定することができる。例えば、上にある層の上面の微細構造は、レベルセンサ、及びアラインメントシステム又はスキャン構成を使用して決定することができ、上にある層の厚さは、当技術分野で知られている方法で(例えば偏光解析法、スキャトロメータなどを使用して)決定することができる。これらの微細構造と厚さの測定値を組み合わせることにより、例えばアラインメントマークが提供されているような、下にある層の上面の微細構造を決定することが可能になる。アラインメントマークが上に提供されている層の微細構造は、上にある層の厚さ又は微細構造を決定せずに、決定することができる。例えば、アラインメントマークが基板に対して異なる角度にある場合でも、アラインメントマークは基板全体の特定の位置に配置されていることが分かる。したがって、上述した方法を使用してこれらのアラインメントマークの位置を決定する場合、例えばアラインメントマークが提供されている表面の不均一性などによる各アラインメントマークの位置の逸脱を使用して、アラインメントマークの決定された位置が、実際の位置又は予想される位置からどの程度逸脱しているかを決定することができる。これらの逸脱によって、アラインメントマークが上又は中に提供されている表面の微細構造のマップを計算し、例えばリソグラフィ装置の1つ又は複数の要素の構成を変化させることによって補正することができる。
【0056】
[0062] 基板上に提供される層の厚さ又は平坦さの不均一性を考慮に入れるために、基板に対して容易に平坦になるアラインメントマークを使用又は提供するだけで、又はリソグラフィ装置の構成を調節する(例えば基板の方向又は放射ビームの特性を変化させる)ことにより、オーバレイ誤差を軽減することができる。
【0057】
[0063] 以上の実施形態では、基板の表面に対して十分に平坦な基板にアラインメントマークを使用又は提供できるだけであると述べてきた。つまり、アラインメントマークは基板に対して完璧に平坦にすることはできないが、基板に対して特定の角度範囲内に配向することができる。許容可能であると指定される角度範囲は、リソグラフィ装置によって提供又は生成された対応するパターン又はデバイスで許容可能なオーバレイ誤差に対応する。例えば、基板に対して数マイクロラジアン以内に配向された表面上にアラインメントマークを使用又は提供することが望ましいことがある。アラインメントマークは、基板に対して0から300μラジアンに配向することができる。特に、アラインメントマークは基板に対して0から50μラジアンに配向してよい。この要件は、特定のプロセス、バッチ、又は他の機械又は加工物の状態に従って予め決定するか、オンザフライで指定することができる。
【0058】
[0064] 以上の実施形態では、層の屈折率nについて説明してきた。以上で与えられた式から、屈折率が変化すると、アラインメントマークの実際の位置から決定された位置への逸脱APDも変化することが認識される。したがって、層の屈折率の変化は、オーバレイ誤差の変化も誘発又は引き起こすことがある。上又は中にアラインメントマークが提供されている層の頂部に提供された層の屈折率を決定することができる。これで、アラインメントマークの位置を決定して、パターンを最上層に適用する場合に、屈折率又は屈折率の変化を考慮に入れることができる。つまり、本発明の実施形態によれば、基板上に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法が提供され、アラインメントマークは第二層で覆われ、方法は、リソグラフィ装置の構成部品を制御して、アラインメントマークの位置を決定する場合に、第二層の屈折率を考慮に入れることを含む。
【0059】
[0065] 図1に関して以上で言及したように、リソグラフィ装置には、アラインメントマークを含む層上に提供される1つ又は複数の層の厚さ又は1つ又は複数の屈折率、又はこれらの層の平坦度、又はアラインメントマークを含む層の平坦度を考慮に入れるために、リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御する制御装置CRを提供することができる。制御装置は、リソグラフィ装置を制御して、層が特定の角度範囲内にある領域内で層にアラインメントマークを適用するように構成することができる。制御装置は、リソグラフィ装置を制御して、特定の角度範囲内にある層内の1つ又は複数のアラインメントマークを使用するのみであるように構成することができる。制御装置は、リソグラフィ装置を制御して、アラインメントマークの様々な方向、例えばアラインメントマークが配向されている角度を考慮に入れるように構成することができる。制御装置は、リソグラフィ装置を制御して、1つ又は複数のアラインメントマークの位置をより正確に決定するために、これらのアラインメントマークを備えた層の上に配置された1つ又は複数の層の厚さを考慮に入れるように構成することができる。制御装置はコンピュータ、埋め込み式処理装置、又は他の制御装置でよい。制御装置には、リソグラフィ装置の制御に使用される情報が提供されるか、情報を受信するように構成するか、情報を取得するように構成することができる。
【0060】
[0066] 以上で本発明の特定の実施形態について説明してきたが、本発明は説明した以外の方法で実践できることが認識される。この説明は本発明を制限するものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に提供された層上にアラインメントマークを提供するリソグラフィ方法であって、
前記層の少なくとも一部の方向の角度を決定し、
前記基板の表面に対して指定された角度範囲内に配向されている前記層の前記一部の部分を配置し、
前記配置された部分に前記アラインメントマークを提供すること、
を含む方法。
【請求項2】
前記配向角度を決定することが、前記アラインメントマークを提供する前に、前記層の前記少なくとも一部の微細構造を決定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記微細構造を決定することが、前記層の複数部分の微細構造を決定することを含み、
前記部分を配置することが、微細構造を決定した前記複数の部分から前記部分を選択することを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記指定された角度範囲が0から300μラジアンである、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記指定された角度範囲が0から50μラジアンである、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
リソグラフィ装置であって、
放射のビームを提供する照明システムと、
放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影する投影システムと、
前記リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、前記基板上に提供される層の区域に提供されるアラインメントマークが、前記層が提供される前記基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向された区域上に提供されることを保証するように構成された制御装置と、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項7】
基板上に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法であって、
複数のアラインメントマークの方向を決定し、
前記複数のアラインメントマークのうち、上に前記第一層が提供された前記基板の表面に対して指定された角度範囲内に配向されたアラインメントマークを使用し、
前記複数のアラインメントマークのうち、前記指定された角度範囲の外に配向されたアラインメントマークを排除すること、
を含む方法。
【請求項8】
前記第一層上に提供された前記アラインメントマークが第二層で覆われる、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
上に前記アラインメントマークが提供された前記第一層の微細構造が、前記第二層の厚さ、及び前記第一層と接触していない前記第二層の表面の前記微細構造を示す情報を取得することにより決定される、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
上に前記アラインメントマークが提供された前記第一層の微細構造が、前記第一層上に提供された複数のアラインメントマークの決定された位置間の関係から決定される、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記角度範囲が0から300μラジアンである、
請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記角度範囲が0から50μラジアンである、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
放射のビームを提供する照明システムと、
放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムと、
リソグラフィ装置に少なくとも一部を制御して、使用時に、
前記基板上に提供された前記第一層上に設けられ、上に前記第一層が提供されている前記基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向されたアラインメントマークが使用され、
前記基板上に提供された前記第一層上に設けられ、前記指定された角度範囲外に配向されたアラインメントマークが使用されないことを保証するように構成された制御装置と、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項14】
基板に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法であって、
リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、前記アラインメントマークを使用する場合に上に前記第一層が提供されている前記基板の表面に対して前記アラインメントマークが配向されている角度を考慮に入れること、
を含む方法。
【請求項15】
前記アラインメントマークを使用する前に、上に前記第一層が提供された前記基板の前記表面に対して、前記アラインメントマークの方向の角度を決定することを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第一層が複数のアラインメントマークを備え、
上に前記第一層が提供されている前記基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向された前記複数のアラインメントマークを使用し、
上に前記第一層が提供されている前記基板の表面に対して特定の角度範囲外に配向された前記複数のアラインメントマークを使用しないことを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第一層上に提供された前記アラインメントマークが、第二層で覆われる、
請求項14に記載の方法。
【請求項18】
上に前記アラインメントマークが提供された前記第一層の微細構造が、前記第二層の厚さ、及び前記第一層と接触していない前記第二層の表面の前記微細構造を示す情報を取得することにより決定される、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
上に前記アラインメントマークが提供された前記第一層の微細構造が、前記第一層上に提供された複数のアラインメントマークの決定された位置間の関係から決定される、
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記角度範囲が0から300μラジアンである、
請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記角度範囲が0から50μラジアンである、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
リソグラフィ装置であって、
放射のビームを提供する照明システムと、
前記放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影する投影システムと、
前記リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、アラインメントマークを使用する場合に、上に前記層が提供されている前記基板の表面に対して、前記基板上に提供された第一層上に提供されている前記アラインメントマークの配向の方向を考慮に入れるように構成された制御装置と、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項23】
基板上に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法であって、前記アラインメントマークが第二層で覆われ、
リソグラフィ装置の構成部品を制御して、前記アラインメントマークの位置を決定する場合に、前記第二層の厚さを考慮に入れることを含む方法。
【請求項24】
前記リソグラフィ装置の前記構成部品を制御する前に、前記第二層の前記厚さを決定することを含む、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第一層と接触していない前記第二層の表面の微細構造を決定することを含む、
請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記リソグラフィ装置の前記構成部品を制御する前に、前記微細構造を決定することを含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
リソグラフィ装置であって、
放射のビームを提供する照明システムと、
前記放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影する投影システムと、
前記リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、前記基板上に提供されて第二層に覆われた第一層上に提供されているアラインメントマークの位置を決定する場合に、前記基板上に提供された材料の前記第二層の厚さを考慮に入れるように構成された制御装置と、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項28】
基板上に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法であって、前記アラインメントマークが第二層に覆われ、
リソグラフィ装置の構成部品を制御して、前記アラインメントマークの位置を決定する場合に、前記第二層の屈折率を考慮に入れること、
を含む方法。
【請求項29】
前記リソグラフィ装置の前記構成部品を制御する前に、前記第二層の前記屈折率を決定することを含む、
請求項28に記載の方法。
【請求項30】
リソグラフィ装置であって、
放射のビームを提供する照明システムと、
前記放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影する投影システムと、
前記リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、前記基板上に提供されて第二層で覆われた第一層上に提供されているアラインメントマークの位置を決定する場合に、前記基板上に提供された材料の前記第二層の屈折率を考慮に入れるように構成された制御装置と、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項31】
前記層が平坦でない表面を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項1】
基板上に提供された層上にアラインメントマークを提供するリソグラフィ方法であって、
前記層の少なくとも一部の方向の角度を決定し、
前記基板の表面に対して指定された角度範囲内に配向されている前記層の前記一部の部分を配置し、
前記配置された部分に前記アラインメントマークを提供すること、
を含む方法。
【請求項2】
前記配向角度を決定することが、前記アラインメントマークを提供する前に、前記層の前記少なくとも一部の微細構造を決定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記微細構造を決定することが、前記層の複数部分の微細構造を決定することを含み、
前記部分を配置することが、微細構造を決定した前記複数の部分から前記部分を選択することを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記指定された角度範囲が0から300μラジアンである、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記指定された角度範囲が0から50μラジアンである、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
リソグラフィ装置であって、
放射のビームを提供する照明システムと、
放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影する投影システムと、
前記リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、前記基板上に提供される層の区域に提供されるアラインメントマークが、前記層が提供される前記基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向された区域上に提供されることを保証するように構成された制御装置と、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項7】
基板上に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法であって、
複数のアラインメントマークの方向を決定し、
前記複数のアラインメントマークのうち、上に前記第一層が提供された前記基板の表面に対して指定された角度範囲内に配向されたアラインメントマークを使用し、
前記複数のアラインメントマークのうち、前記指定された角度範囲の外に配向されたアラインメントマークを排除すること、
を含む方法。
【請求項8】
前記第一層上に提供された前記アラインメントマークが第二層で覆われる、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
上に前記アラインメントマークが提供された前記第一層の微細構造が、前記第二層の厚さ、及び前記第一層と接触していない前記第二層の表面の前記微細構造を示す情報を取得することにより決定される、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
上に前記アラインメントマークが提供された前記第一層の微細構造が、前記第一層上に提供された複数のアラインメントマークの決定された位置間の関係から決定される、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記角度範囲が0から300μラジアンである、
請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記角度範囲が0から50μラジアンである、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
放射のビームを提供する照明システムと、
放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムと、
リソグラフィ装置に少なくとも一部を制御して、使用時に、
前記基板上に提供された前記第一層上に設けられ、上に前記第一層が提供されている前記基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向されたアラインメントマークが使用され、
前記基板上に提供された前記第一層上に設けられ、前記指定された角度範囲外に配向されたアラインメントマークが使用されないことを保証するように構成された制御装置と、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項14】
基板に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法であって、
リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、前記アラインメントマークを使用する場合に上に前記第一層が提供されている前記基板の表面に対して前記アラインメントマークが配向されている角度を考慮に入れること、
を含む方法。
【請求項15】
前記アラインメントマークを使用する前に、上に前記第一層が提供された前記基板の前記表面に対して、前記アラインメントマークの方向の角度を決定することを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第一層が複数のアラインメントマークを備え、
上に前記第一層が提供されている前記基板の表面に対して特定の角度範囲内に配向された前記複数のアラインメントマークを使用し、
上に前記第一層が提供されている前記基板の表面に対して特定の角度範囲外に配向された前記複数のアラインメントマークを使用しないことを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第一層上に提供された前記アラインメントマークが、第二層で覆われる、
請求項14に記載の方法。
【請求項18】
上に前記アラインメントマークが提供された前記第一層の微細構造が、前記第二層の厚さ、及び前記第一層と接触していない前記第二層の表面の前記微細構造を示す情報を取得することにより決定される、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
上に前記アラインメントマークが提供された前記第一層の微細構造が、前記第一層上に提供された複数のアラインメントマークの決定された位置間の関係から決定される、
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記角度範囲が0から300μラジアンである、
請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記角度範囲が0から50μラジアンである、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
リソグラフィ装置であって、
放射のビームを提供する照明システムと、
前記放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影する投影システムと、
前記リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、アラインメントマークを使用する場合に、上に前記層が提供されている前記基板の表面に対して、前記基板上に提供された第一層上に提供されている前記アラインメントマークの配向の方向を考慮に入れるように構成された制御装置と、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項23】
基板上に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法であって、前記アラインメントマークが第二層で覆われ、
リソグラフィ装置の構成部品を制御して、前記アラインメントマークの位置を決定する場合に、前記第二層の厚さを考慮に入れることを含む方法。
【請求項24】
前記リソグラフィ装置の前記構成部品を制御する前に、前記第二層の前記厚さを決定することを含む、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第一層と接触していない前記第二層の表面の微細構造を決定することを含む、
請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記リソグラフィ装置の前記構成部品を制御する前に、前記微細構造を決定することを含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
リソグラフィ装置であって、
放射のビームを提供する照明システムと、
前記放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影する投影システムと、
前記リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、前記基板上に提供されて第二層に覆われた第一層上に提供されているアラインメントマークの位置を決定する場合に、前記基板上に提供された材料の前記第二層の厚さを考慮に入れるように構成された制御装置と、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項28】
基板上に提供されている第一層上に提供されたアラインメントマークを使用するリソグラフィ方法であって、前記アラインメントマークが第二層に覆われ、
リソグラフィ装置の構成部品を制御して、前記アラインメントマークの位置を決定する場合に、前記第二層の屈折率を考慮に入れること、
を含む方法。
【請求項29】
前記リソグラフィ装置の前記構成部品を制御する前に、前記第二層の前記屈折率を決定することを含む、
請求項28に記載の方法。
【請求項30】
リソグラフィ装置であって、
放射のビームを提供する照明システムと、
前記放射ビームの断面にパターンを与える働きをするパターニングデバイスを支持する支持構造と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影する投影システムと、
前記リソグラフィ装置の少なくとも一部を制御して、前記基板上に提供されて第二層で覆われた第一層上に提供されているアラインメントマークの位置を決定する場合に、前記基板上に提供された材料の前記第二層の屈折率を考慮に入れるように構成された制御装置と、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項31】
前記層が平坦でない表面を有する、
請求項1に記載の方法。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2009−218588(P2009−218588A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−51499(P2009−51499)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51499(P2009−51499)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]