説明

リソース割当て方法、アクセスネットワーク装置、および通信システム

リソース割当て方法およびアクセスネットワーク装置、ならびに通信システムが提供される。リソース割当て方法は、第1システム内の端末の現在の送信電力を取得するステップであって、端末によってアクセスされるセルが第1アップリンク周波数帯域を使用するステップと、取得された送信電力が事前設定された第1電力しきい値よりも大きいかどうかを判断するステップと、判断結果が、取得された送信電力が事前設定された第1電力しきい値よりも大きいという結果の場合、第2システムによって使用される第2周波数帯域から離れている周波数を有するアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てるステップであって、第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔条件を満たすステップとを備える。従来技術と比較すると、この技術的ソリューションは端末のハードウェアコストの削減に役立つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年11月23日に中国専利局に出願された、中国特許出願第200910199399.X号「RESOURCE ALLOCATION METHOD, ACCESS NETWORK DEVICE AND COMMUNICATION SYSTEM」の優先権を主張し、その内容全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は通信技術の分野に関し、具体的にはリソース割当て方法、アクセスネットワーク装置、および通信システムに関する。
【背景技術】
【0003】
2つの無線通信システムの信号が同時に送信されると、2つのシステムによって使用される周波数帯域の範囲が相互に非常に近似している場合、2つのシステム間に重大な周波数内干渉および周波数間干渉が生じる場合がある。
【0004】
簡易型携帯電話(PHS)によって使用される周波数帯域の範囲は1884.5MHzから1919.6MHzであり、ロングタームエボリューション(LTE)ユーザ装置(UE)の帯域1の範囲はアップリンク(UL)で1920MHzから1980MHzであり、ダウンリンク(DL)で2110MHzから2170MHzである。LTE UEの帯域1のアップリンク周波数帯域の範囲がPHS周波数帯域の範囲に非常に近い(その差は1920MHz-1919.6MHz=0.4MHz)ため、2つのシステム間に重大な周波数内干渉および周波数間干渉が生じる場合がある。
【0005】
LTE UEのアップリンク信号とPHS信号との周波数内干渉および周波数間干渉を回避するために、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)TS 36.101プロトコルは、非常に厳格なLTE UEのスプリアス発射カウンタを規定しており、すなわち、指定のスプリアス発射カウンタは35.7dBm/300KHzに到達し、それは通常のフィルタに300KHzの帯域幅でフィルタリング機能を5dB分増加するよう要求することと等しい。
【0006】
既存のソリューションは3GPP TS 36.101プロトコルによって要求されるスプリアス発射カウンタを満たし、それによって端末のハードウェアフィルタを強化することによってLTE UEのアップリンク信号とPHS信号との周波数内干渉および周波数間干渉を減少させる。既存のソリューションは端末のハードウェアフィルタの処理機能に高い要求を課すため、コストの高いフィルタを選択する必要があり、端末のハードウェアコスト削減にとって非常に好ましくないことが理解されよう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)TS 36.101プロトコル
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、周波数内干渉および周波数間干渉の問題を解決して、端末のハードウェアコストを削減するためのリソース割当て方法、アクセスネットワーク装置、および通信システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の技術的問題を解決するために、本発明の実施形態は以下の技術的ソリューションを提供する。
【0010】
リソース割当て方法は、
第1システム内の端末の現在の送信電力を取得するステップであって、端末によってアクセスされるセルが第1アップリンク周波数帯域を使用するステップと、
取得された送信電力が事前設定された第1電力しきい値よりも大きいかどうかを判断するステップと、
判断結果が、取得された送信電力が事前設定された第1電力しきい値よりも大きいという結果の場合、第2システムによって使用される第2周波数帯域から周波数が遠く離れているアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てるステップであって、第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔条件を満たすステップとを含む。
【0011】
アクセスネットワーク装置は、
第1システム内の端末の現在の送信電力を取得するように構成された取得モジュールであって、端末によってアクセスされるセルが第1アップリンク周波数帯域を使用する取得モジュールと、
取得モジュールによって取得された送信電力が事前設定された第1電力しきい値よりも大きいかどうかを判断するように構成された判断モジュールと、
判断モジュールが、取得モジュールによって取得された送信電力が事前設定された第1電力しきい値よりも大きいと決定すると、第2システムによって使用される第2周波数帯域から周波数が遠く離れているアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てるように構成されたリソース割当てモジュールであって、第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔条件を満たすリソース割当てモジュールとを含む。
【0012】
通信システムは、上述の実施形態におけるアクセスネットワーク装置と、アクセスネットワーク装置によって割り当てられたアップリンクリソースブロックを使用する端末とを含む。
【0013】
上記の記述からわかるように、本発明の実施形態の技術的ソリューションにおいて、端末の現在の送信電力が取得され、現在の送信電力が事前設定されたしきい値よりも大きいかどうかが判断され、端末の現在の送信電力が事前設定されたしきい値よりも大きい場合、リソース割当てポリシーが調整されて、別の規格のシステムによって占められる隣接周波数帯域から周波数が遠く離れているアップリンクリソースブロックが端末のアップリンクデータに割り当てられ、それによって隣接システム間の干渉が減少する。リソース割当てポリシーを調整することによって周波数内干渉および周波数間干渉の問題が解決されるので、端末は高性能ハードウェアフィルタ選択して使用する必要がなくなり、従来技術と比較して端末のハードウェアコストを削減できる。
【0014】
本発明の実施形態における技術的ソリューションをより明確に説明するために、以下で実施形態についての説明に必要な添付の図面を簡単に説明する。以下で説明する添付の図面は本発明のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者は創造的努力なしにこれらの添付の図面から他の図面を得ることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態によるリソース割当て方法の流れ図である。
【図2】本発明の第2実施形態によるリソース割当て方法の流れ図である。
【図3】本発明の第3実施形態によるアクセスネットワーク装置の概略図である。
【図4】本発明の第4実施形態による通信システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態は、端末のアップリンクデータのリソーススケジューリングアルゴリズムを調整することによって、端末のハードウェアコストを削減するためのリソース割当て方法、アクセスネットワーク装置、および通信システムを提供する。
【0017】
以下では、本発明の実施形態における添付の図面を参照して、本発明の実施形態における技術的ソリューションを明確かつ完全に説明する。本明細書に記載の実施形態は、本発明の全ての実施形態ではなく、その一部に過ぎないことは明らかである。本明細書に記載の実施形態から当業者によって創造的努力なしに得られる他の全ての実施形態は、本発明の保護範囲内である。
【0018】
実施形態1
図1に示されるように、本発明の第1実施形態によるリソース割当て方法は以下を含むことができる。
【0019】
110. 第1システム内の端末の現在の送信電力を取得し、端末によってアクセスされるセルが第1アップリンク周波数帯域を使用する。
【0020】
実際のアプリケーションでは、端末の現在の送信電力を様々な方法で取得できる。たとえば、現在の送信電力(Pmax-PHR)は、端末の最大送信電力(Pmax)および端末によって報告される電力ヘッドルーム(Power Head Room、PHR)に基づいて計算でき、PHRは現在の送信電力と最大送信電力との間の差である。
【0021】
120. 取得された送信電力が事前設定された第1電力しきい値よりも大きいかどうかを判断する。事前設定された第1電力しきい値よりも大きい場合、手順はステップ130に進み、事前設定された第1電力しきい値以下の場合、手順はステップ140に進む。
【0022】
同じ条件下では、一般的に端末のより大きい送信電力が隣接周波数帯域上で送信される信号に対してより高い干渉を生成することが理解されよう。実際のアプリケーションでは、第1電力しきい値を必要に応じて事前設定でき、たとえば第1電力しきい値を20dBmに設定できる。
【0023】
130. 第2システムによって使用される第2周波数帯域から周波数が遠く離れているアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てて、第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔条件を満たす。
【0024】
端末によってアクセスされるセルを現在のセルと呼ぶことができ、それに応じて、端末によってアクセスされる無線通信システムを現在のシステムと呼ぶことができる。第2システムと第1システムは異なる規格を使用できる。第2周波数帯域と端末によってアクセスされるセルのアップリンク動作周波数帯域(第1アップリンク周波数帯域)との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔条件を満たす場合、高い干渉を生成する可能性は比較的高い。この場合、周波数が第2周波数帯域から遠く離れているアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てることができる。
【0025】
特に、第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔条件を満たすことを決定するための方法は、たとえば以下の通りである。第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された第1周波数間隔しきい値よりも小さいかどうかを判断することによって、第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔条件を満たすかどうかを決定する。第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された第1周波数間隔しきい値よりも小さい場合、第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔は事前設定された周波数間隔条件を満たすと決定される。第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された第1周波数間隔しきい値以上の場合、第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔は事前設定された周波数間隔条件を満たさないと決定される。
【0026】
2つの周波数帯域間の周波数間隔が、2つの周波数帯域で送信された信号間の干渉に直接影響を及ぼすことが理解されよう。実際のアプリケーションでは、第1周波数間隔しきい値を特定のアプリケーションのケースに従って設定でき、リソース割当てポリシーを第2周波数帯域と現在のセルのアップリンク動作周波数帯域との間の周波数間隔が第1周波数間隔しきい値よりも小さいかどうかによってさらに決定できる。
【0027】
他の態様では、実際のアプリケーションでは、第2システムによって使用される第2周波数帯域から周波数が遠く離れているアップリンクリソースブロックを様々な方法で端末のアップリンクデータに割り当てることができる。
【0028】
あるアプリケーションのケースでは、たとえば、アップリンクリソースブロックが信号対ノイズ比(SNR、信号ノイズ比)判断条件を満たすかどうかを、周波数値が第2周波数帯域から最も離れている利用可能なアップリンクリソースブロックから開始して連続的に判断でき、SNR判断条件はアップリンクリソースブロックのSNRが事前設定された第1 SNRしきい値よりも大きいことである。上述のSNR判断条件を最初に満たす1つまたは複数のアップリンクリソースブロックが選択されて、上述の端末に割り当てられる。
【0029】
他のアプリケーションのケースでは、たとえば、他の周波数間隔しきい値(第2周波数間隔しきい値と呼ばれる場合がある)を特定の条件に従ってまず事前設定できる。第2周波数帯域からの周波数間隔が事前設定された第2周波数間隔しきい値よりも大きい利用可能なアップリンクリソースブロックの中から上述のSNR判断条件を満たす1つまたは複数のアップリンクリソースブロックが選択されて、上述の端末に割り当てられる。
【0030】
他の態様では、必要に応じて第1 SNRしきい値を設定できる。
【0031】
さらに、アップリンクリソースブロックの割当てに関して、端末のアップリンクデータに割り当てられたアップリンクリソースブロックの時間ドメイン位置および周波数ドメイン位置を、関連シグナリングを通じて端末に通知でき、端末は、端末に割り当てられたアップリンクリソースブロック上のアップリンクデータを送信する。
【0032】
上述のリソース割当てポリシーは、端末によってアップリンクデータを送信するための周波数と第2システムによって使用される第2周波数帯域との間の最大可能周波数間隔を達成でき、それによって端末によって送信されるアップリンクデータと第2システムによって使用される第2周波数帯域上で送信される信号との間の干渉を減少または回避できる。
【0033】
140. 従来の処理によって、アップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てる。
【0034】
特に、このステップでは、SNRが事前設定された第1 SNRしきい値よりも大きい1つまたは複数のアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てることができる。
【0035】
アップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てる際に、割当てを実行するために他の複数の関連パラメータも考慮できることは明らかである。
【0036】
この実施形態における第1システムおよび第2システムは、PHS、LTE、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM(登録商標))、符号分割多元接続(CDMA)、第3世代モバイル通信(3G)、ワールドワイドインターオペラビリティーフォーマイクロウェイブアクセス(Wimax)、ワイヤレスフィデリティ(WiFi)などの規格のうちのいずれか2つを使用する通信システムでよい点に留意されたい。
【0037】
上述のステップは特に通信システムのアクセスネットワーク装置に実装でき、上述のアクセスネットワーク装置は通信システム内の基地局(LTEシステム内の基地局は拡張基地局と呼ばれる場合がある)、基地局コントローラ、アクセスポイント、あるいは同等または類似の機能を有する他の装置でよく、端末は中継基地(RS)、ユーザ装置(モバイル電話など)、あるいは同等または類似の機能を有する他の受信装置でよく、本発明のこの実施形態に限定されない点に留意されたい。
【0038】
上述の技術的ソリューションからわかるように、本発明のこの実施形態では、端末の現在の送信電力が取得され、端末の現在の送信電力が事前設定されたしきい値よりも大きいかどうかが判断され、端末の現在の送信電力が事前設定されたしきい値よりも大きい場合、リソース割当てポリシーが調整されて、別の規格のシステムによって占められる隣接周波数帯域から周波数が遠く離れているアップリンクリソースブロックが端末のアップリンクデータに割り当てられ、それによって隣接システム間の干渉が減少する。リソース割当てポリシーを調整することによって周波数内干渉および周波数間干渉の問題が解決されるので、端末は高性能ハードウェアフィルタ選択して使用する必要がなくなり、従来技術と比較して端末のハードウェアコストを削減できる。
【0039】
実施形態2
本発明の実施形態において提供される技術的ソリューションを容易によりよく理解するために、システムAが周波数帯域a1を占め、システムBが周波数帯域b1を占め(システムAとシステムBは異なる規格に基づく無線通信システムであり、周波数帯域a1は周波数帯域b1に隣接している)、システムAの基地局は端末の現在の送信電力によってリソース割当てを柔軟に実行することを例にとって、以下でさらに詳細な説明を提供する。
【0040】
図2に示されるように、第2実施形態によるリソース割当て方法は以下を含む。
【0041】
201. 基地局は、端末の現在の送信電力を取得する。
【0042】
基地局は、端末の現在の送信電力を様々な方法で取得できる。
【0043】
あるアプリケーションのケースでは、それぞれのサブフレームで、端末は現在のPHRをリアルタイムに報告でき、基地局は、最大送信電力(Pmax)および端末によって現在報告されているPHRによって端末の現在の送信電力(端末の現在の送信電力=Pmax-PHR)を取得できる。
【0044】
202. 基地局は、取得された送信電力が事前設定された電力しきい値W1よりも大きいかどうかを判断する。事前設定された電力しきい値W1よりも大きい場合、手順はステップ203に進み、事前設定された電力しきい値W1以下の場合、手順はステップ205に進む。
【0045】
同じ条件下では、一般的に端末のより大きい送信電力が隣接周波数帯域上で送信される信号に対してより高い干渉を生成する。したがって、基地局は必要に応じて電力しきい値W1を事前設定でき、端末の現在の送信電力と事前設定された電力しきい値W1との間の比較によって、異なるリソース割当てポリシーを柔軟に選択できる。
【0046】
実際のアプリケーションでは、基地局は、異なるケース要件を満たすために、異なるアプリケーションのケースによって事前設定された電力しきい値W1を柔軟に調整できる。
【0047】
たとえば、端末の送信電力の範囲が-45dBmから25dBmの場合、基地局によって事前設定された電力しきい値W1は15dBm、20dBm、22dBm、または他の値であり、ここでは限定しない。
【0048】
203. 基地局は、周波数帯域b1と、端末によってアクセスされるセルのアップリンク動作周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔しきい値F1よりも小さいかどうかを判断する。周波数間隔しきい値F1よりも小さい場合、手順はステップ204に進み、周波数間隔しきい値F1以上の場合、手順はステップ205に進む。
【0049】
現在のセルのアップリンク動作周波数帯域は、システムAによって占められる周波数帯域a1の一部でもよく、全てでもよいことが理解されよう。システムBによって占められる周波数帯域b1と現在のセルのアップリンク動作周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔しきい値F1よりも小さい場合、相互干渉の問題が考慮され得る。基地局は、異なるケースにおける相互干渉状況によって周波数間隔しきい値F1を柔軟に事前設定でき、また、周波数帯域b1と現在のセルのアップリンク動作周波数帯域との間の周波数間隔と、事前設定された周波数間隔しきい値F1との間の比較によって異なるリソース割当てポリシーを柔軟に選択する。
【0050】
ステップ203とステップ202の順序は固定されず、ステップ203はステップ202の前に実行されてよい点に留意されたい。
【0051】
さらに、基地局が周波数帯域b1と端末によって現在アクセスされているセルのアップリンク動作周波数帯域との間の周波数間隔と、周波数間隔しきい値F1との間の関係を事前に知っている場合、ステップ203はスキップされてよい。すなわち、基地局が、取得された端末の現在の送信電力が事前設定された電力しきい値W1よりも大きいと決定して、基地局が周波数帯域b1と端末によってアクセスされるセルのアップリンク動作周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔しきい値F1よりも小さいことを事前に知っている場合、ステップ204は直接実行される。基地局が、周波数帯域b1と端末によってアクセスされるセルのアップリンク動作周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔しきい値F1よりも大きいことを事前に知っている場合、ステップ205を実行できる。
【0052】
204. 端末の送信電力が事前設定された電力しきい値W1よりも大きい場合、また周波数帯域b1と現在のセルのアップリンク動作周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔しきい値F1よりも小さい場合、基地局は、周波数が周波数帯域b1から最も離れているアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てる。
【0053】
たとえば、基地局によって事前設定された周波数間隔しきい値F1は1MHz、10MHz、20MHz、または他の値でよく、ここでは限定しない。
【0054】
実際のアプリケーションでは、周波数が周波数帯域b1から最も離れているアップリンクリソースブロック(RB)を様々な方法で端末のアップリンクデータに割り当てて、周波数内干渉および周波数間干渉を縮小できる。基地局は、複数の関連パラメータを参照することによって割当てを実行できる。たとえば、基地局は割り当てられるアップリンクリソースブロック(すなわち利用可能なアップリンクリソースブロック)と周波数帯域b1との間の周波数間隔、割り当てられるアップリンクリソースブロックの現在のSNR、および1つまたは複数の他の関連パラメータを同時に参照できる。
【0055】
基地局は、割り当てられるそれぞれのアップリンクリソースブロックの現在のSNRをリアルタイムに取得でき、基地局はSNRしきい値S1をさらに事前設定できる。割り当てられるそれぞれのアップリンクリソースブロックのSNRと事前設定されたSNRしきい値S1との間の比較を通じて、SNRが事前設定されたSNRしきい値S1よりも大きい利用可能なアップリンクリソースブロックが端末アップリンクデータに確実に割り当てられ、それによってデータ送信の品質を保証し、ビットエラーレートが減少する。
【0056】
あるアプリケーションのケースでは、基地局は、周波数が周波数帯域b1から最も離れており、SNRが事前設定されたSNRしきい値S1よりも大きい利用可能なアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータにまず優先的に割り当てることができる。
【0057】
たとえば、他の周波数間隔しきい値F2を特定の状況に従って設定できる。基地局は、周波数帯域b1からの周波数間隔が周波数間隔しきい値F2よりも大きく、SNRが事前設定されたSNRしきい値(S1)よりも大きいアップリンクリソースブロックを選択して、選択されたアップリンクリソースブロックを端末に割り当てることができる。この方法の実装アルゴリズムは比較的単純で、リソース割当て処理の実装の複雑性は比較的低く、したがってリソース割当て処理の実装は比較的容易であることが理解されよう。
【0058】
割り当てられる複数のアップリンクリソースブロックが割当て条件を満たすと、基地局は、必要に応じてアップリンクリソースブロックの一部を選択して、端末のアップリンクデータに割り当てることができる。1つまたは複数のアップリンクリソースブロックを選択できることが理解されよう。
【0059】
他の例では、基地局は、それぞれのアップリンクリソースブロックのSNRが事前設定されたSNRしきい値S1よりも大きいかどうかを、周波数が周波数帯域b1から最も離れている利用可能なアップリンクリソースブロックから開始して連続的に判断して、SNRが事前設定されたSNRしきい値S1よりも大きいという条件を満たす1つまたは複数のアップリンクリソースブロックをまず選択して、選択されたアップリンクリソースブロックを端末に割り当てることができる。この方法は、周波数が周波数帯域b1から最も離れているアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てることができ、周波数内干渉および周波数間干渉を最大限減少させることが理解されよう。
【0060】
205. 基地局は、従来の処理によって、アップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てる。
【0061】
このステップを実行するための条件は以下の通りである。周波数帯域b1と現在のセルのアップリンク動作周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔しきい値F1よりも大きいか、それと等しい、または端末の現在の送信電力が事前設定された電力しきい値W1よりも小さいか、それと等しい。このステップでは、基地局は、周波数または周波数間隔の問題を考慮せずに、従来の処理または方法、および割り当てられるそれぞれのブロックのSNRによって、最大可能SNRを有する1つまたは複数のアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てることができる。
【0062】
基地局は、他のパラメータを同時に参照することによってリソース割当てを実行することもできることは明らかである。
【0063】
さらに、基地局は、関連シグナリングを使用することによって、端末のアップリンクデータに割り当てられるアップリンクリソースブロックの時間ドメイン位置および周波数ドメイン位置を端末に通知できる。
【0064】
基地局によって端末のアップリンクデータに割り当てられるアップリンクリソースブロックの時間ドメイン位置および周波数ドメイン位置を知った後、端末は、端末のアップリンクデータに割り当てられたアップリンクリソースブロックを使用することによってアップリンクデータを送信する。
【0065】
基地局は、上述の方法でアップリンクリソースブロックをそれぞれの端末のアップリンクデータに割り当てるための適切なリソース割当てポリシーを実際の状況の動的な変化によってリアルタイムに選択して、それによって、リアルタイムで、適切かつ効果的なリソース割当てを確実に行うことができる。
【0066】
この実施形態における上述の技術的ソリューションを容易により良く理解するために、以下で特定の例を通じてさらに本発明のこの実施形態の技術的ソリューションを詳細に説明する。
【0067】
たとえば、システムAはLTEシステムであり、周波数帯域a1はLTE UEの帯域1(UL:1920MHzから1980MHz、DL:2110MHzから2170MHz)であり、システムBはPHSであり、周波数帯域b1の範囲は1884.5MHzから1919.6MHzと仮定される。
【0068】
以下では、LTEシステムにアクセスする端末にリソースを割り当てるLTEシステムの基地局の手順を説明のための例に取り、基地局によって事前設定された電力しきい値W1は20dBmであり、周波数間隔しきい値F1は30MHzであり、SNRしきい値S1は40dBである。
【0069】
まず、基地局は、現在のサブフレーム上の端末によって報告されたPHRおよび端末の最大送信電力Pmaxによって端末の現在の送信電力を計算できる。
【0070】
基地局は、他の方法で端末の現在の送信電力を取得することもできることは明らかであり、その方法はここでは限定しない。
【0071】
基地局は、取得された端末の現在の送信電力がW1(20dBm)よりも大きいかどうかを判断する。
【0072】
取得された端末の現在の送信電力がW1よりも大きく、現在のセルのアップリンク動作周波数が1920MHzから1940MHz((1920MHz-1919.6MHz=0.4MHz) <F1(30MHz))の場合、すなわち、現在のセルのアップリンク動作周波数帯域とPHSによって占められる周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔しきい値F1よりも小さい場合、基地局は、周波数が周波数帯域b1(1919.6MHz)から最も離れており、SNRがS1(40dB)よりも大きいアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てることができる。
【0073】
たとえば、基地局は、周波数が周波数帯域b1(1919.6MHz)から最も離れているアップリンクリソースブロックから開始して、すなわち周波数が1940MHzであるアップリンクリソースブロックから開始して、SNRが40dBよりも大きいアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てる。
【0074】
現在のセルのアップリンク動作周波数帯域が1960MHzから1980MHz((1960MHz-1919.6MHz=40.4MHz)>F1(30MHz))の場合、すなわち、現在のセルのアップリンク動作周波数帯域とPHSによって占められる周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔しきい値F1よりも大きい場合、基地局は、選択されるそれぞれのアップリンクリソースブロックのSNRを比較して、最大可能SNRを有する1つまたは複数のアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てることができる。基地局は、他のパラメータを同時に参照することによってリソース割当てを実行できることは明らかである。
【0075】
現在のセルのアップリンク動作周波数帯域が1940MHzから1960MHzの場合、すなわち、現在のセルのアップリンク動作周波数帯域のより低い周波数リミットとPHSによって占められる周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔しきい値F1よりも小さいが、現在のセルのアップリンク動作周波数帯域のより高い周波数リミットとPHSによって占められる周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔しきい値F1よりも大きい場合、基地局は、アップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てるための上述の2つのリソース割当てポリシーのうちの1つを柔軟に選択できる。
【0076】
さらに、基地局は、関連シグナリングを使用することによって、端末のアップリンクデータに割り当てられるアップリンクリソースブロックの時間ドメイン位置および周波数ドメイン位置を端末に通知できる。基地局によって端末のアップリンクデータに割り当てられるアップリンクリソースブロックの時間ドメイン位置および周波数ドメイン位置を知った後、端末は、端末のアップリンクデータに割り当てられたアップリンクリソースブロックを使用することによってアップリンクデータを送信する。
【0077】
基地局は、それぞれのサブフレームに対応して、上述の方法でアップリンクリソースブロックをそれぞれの端末のアップリンクデータに割り当てるための適切なリソース割当てポリシーを選択して、それによって、リアルタイムで、適切かつ効果的なリソース割当てを確実に行うことができる。
【0078】
たとえば、それぞれのサブフレームで、基地局は、上述の方法で端末のアップリンクデータを運ぶためにそれぞれの端末によって使用される物理的アップリンク共有チャネル(PUSCH)にリソースブロックを割り当てるための適切なリソース割当てポリシーを選択して、それによって、リアルタイムで、適切かつ効果的なリソース割当てを確実に行って、周波数内干渉および周波数間干渉を最小化できる。
【0079】
上述のシステムAおよびシステムBは、LTE、PHS、GSM(登録商標)、CDMA、3G、Wimax、WiFiなどの規格のうちのいずれか2つを使用するシステムでよいことが理解されよう。
【0080】
この実施形態は、説明のために、基地局が異なる状況によって端末にリソースブロックを割り当てるための異なるリソース割当てポリシーを選択することを例に取る点に留意されたい。上述の基地局は、通信システム内の同等または類似の機能を有する他の装置でもよいことは明らかである。
【0081】
上述の技術的ソリューションからわかるように、この実施形態では、基地局は端末の現在の送信電力を取得して、端末の現在の送信電力が事前設定されたしきい値よりも大きいかどうかを判断して、端末の現在の送信電力が事前設定されたしきい値よりも大きい場合、別の規格のシステムによって占められる隣接周波数帯域から周波数が遠く離れているアップリンクリソースブロックが端末のアップリンクデータに割り当てられるように基地局がリソース割当てポリシーを調整して、システム間の干渉を減少させる。リソース割当てポリシーを調整することによって、基地局が周波数内干渉および周波数間干渉の問題を解決するので、端末は高性能フィルタ選択する必要がなくなり、従来技術と比較して端末のハードウェアコストを削減できる。
【0082】
さらに、基地局は、特定の条件に従ってリソースブロックを端末に割り当てるための適切なリソース割当てポリシーを柔軟に選択でき、そのポリシーは様々なアプリケーションのケースに適用できる。
【0083】
本発明の技術的ソリューションを容易により良く理解するために、本発明の実施形態はアクセスネットワーク装置をさらに提供する。
【0084】
実施形態3
図3に示されるように、本発明の第3実施形態で提供されるアクセスネットワーク装置300は、取得モジュール310、判断モジュール320、およびリソース割当てモジュール330を含むことができる。
【0085】
取得モジュール310は、第1システム内の端末の現在の送信電力を取得するように構成されており、端末によってアクセスされるセルは第1アップリンク周波数帯域を使用する。
【0086】
実際のアプリケーションでは、取得モジュール310は端末の現在の送信電力を様々な方法で取得できる。たとえば、端末の現在の送信電力は、端末の最大送信電力(Pmax)および端末によって報告されるPHRによって計算できる。
【0087】
判断モジュール320は、取得モジュール310によって取得された送信電力が事前設定された第1電力しきい値よりも大きいかどうかを判断するように構成されている。
【0088】
同じ条件下では、一般的に端末のより大きい送信電力が隣接周波数帯域上で送信される信号に対してより高い干渉を生成することが理解されよう。実際のアプリケーションでは、第1電力しきい値を必要に応じて事前設定でき、たとえば第1電力しきい値を20dBmに設定できる。
【0089】
リソース割当てモジュール330は、判断モジュール320が、取得モジュール310によって取得された送信電力が事前設定された第1電力しきい値よりも大きいと決定すると、第2システムによって使用される第2周波数帯域から周波数が遠く離れているアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てるように構成されており、第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔条件を満たす。
【0090】
あるアプリケーションのケースでは、アクセスネットワーク装置300は、第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された第1周波数間隔しきい値よりも小さいどうかを判断することによって、第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔条件を満たすかどうかを決定するように構成された決定モジュールをさらに含むことができる。
【0091】
特に、第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された第1周波数間隔しきい値よりも小さい場合、第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔は事前設定された周波数間隔条件を満たすと決定される。事前設定された第1周波数間隔しきい値以上の場合、第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔は事前設定された周波数間隔条件を満たさないと決定される。
【0092】
実際のアプリケーションでは、リソース割当てモジュール330は、第2システムによって使用される第2周波数帯域から周波数が遠く離れているアップリンクリソースブロックを様々な方法で端末のアップリンクデータに割り当てることができる。
【0093】
あるアプリケーションのケースでは、リソース割当てモジュール330は、
アップリンクリソースブロックがSNR判断条件を満たすかどうかを、周波数が第2周波数帯域から最も離れている利用可能なアップリンクリソースブロックから開始して連続的に判断して、SNR判断条件はアップリンクリソースブロックのSNRが事前設定された第1 SNRしきい値よりも大きく、またSNR判断条件を最初に満たす1つまたは複数のアップリンクリソースブロックを選択するように構成された第1サブモジュールと、
第1サブモジュールによって選択されたアップリンクリソースブロックを端末に割り当てるように構成された第2サブモジュールとを含むことができる。
【0094】
あるアプリケーションのケースでは、リソース割当てモジュール330は、
第2周波数帯域からの周波数間隔が事前設定された第2周波数間隔しきい値よりも大きい利用可能なアップリンクリソースブロックの中からSNR判断条件を満たす1つまたは複数のアップリンクリソースブロックを選択するように構成され、SNR判断条件はアップリンクリソースブロックのSNRが事前設定された第1 SNRしきい値よりも大きいことである第3サブモジュールと、
第3サブモジュールによって選択されたアップリンクリソースブロックを端末に割り当てるように構成された第4サブモジュールとを含むことができる。
【0095】
リソース割当てモジュール330は、判断モジュール320が取得モジュール310によって取得された送信電力が事前設定された第1電力しきい値よりも小さいと決定すると、最大可能SNRを有するアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てるようにさらに構成され得る。
【0096】
さらに、リソース割当てモジュール330は、アップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てるためのリソース割当てポリシーを実際の状況の動的な変化によってリアルタイムに適切に調整して、それによって、リアルタイムで、適切かつ効果的なリソース割当てを確実に行うことができる。
【0097】
あるアプリケーションのケースでは、リソース割当てモジュール330は、判断モジュール320が、取得モジュール310によって取得された送信電力が事前設定された第1電力しきい値よりも小さいかそれと等しいと決定する場合、または第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔条件を満たさない場合、SNRが第1 SNRしきい値よりも大きいアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てるようにさらに構成され得る。
【0098】
さらに、アクセスネットワーク装置300は、
関連シグナリングを通じて、リソース割当てモジュール330によって端末のアップリンクデータに割り当てられたアップリンクリソースブロックの時間ドメイン位置および周波数ドメイン位置を端末に通知するように構成された通知モジュールをさらに含むことができる。
【0099】
基地局によって端末のアップリンクデータに割り当てられるアップリンクリソースブロックの時間ドメイン位置および周波数ドメイン位置を知った後、端末は、端末のアップリンクデータに割り当てられたアップリンクリソースブロックを使用することによってアップリンクデータを送信する。
【0100】
第1システムおよび第2システムは、異なる規格を使用するいずれか2つの無線通信システムでよい点に留意されたい。たとえば、第1システムおよび第2システムは、PHS、LTE、GSM(登録商標)、CDMA、3G、Wimax、WiFiなどの規格のうちのいずれか2つを使用するシステムでよい。
【0101】
この実施形態におけるアクセスネットワーク装置300は、特に通信システム内の基地局(LTEシステム内の基地局は拡張基地局と呼ばれる場合がある)、基地局コントローラ、アクセスポイント、あるいは同等または類似の機能を有する他の装置でよく、この実施形態における端末は、ユーザ装置、中継基地、UE、あるいは同等または類似の機能を有する他の受信装置でよい点に留意されたい。
【0102】
この実施形態におけるアクセスネットワーク装置300は、第2実施形態における基地局でよいことが理解されよう。アクセスネットワーク装置300のそれぞれの機能モジュールの機能は、特に上述の方法実施形態における方法によって実装され得る。特定の実装手順については、上述の実施形態における関連記述を参照されたい。ここではさらなる説明は提供しない。
【0103】
上記の記述からわかるように、アクセスネットワーク装置300は端末の現在の送信電力を取得して、端末の現在の送信電力が事前設定されたしきい値よりも大きいかどうか判断して、端末の現在の送信電力が事前設定されたしきい値よりも大きい場合、別の規格のシステムによって占められる隣接周波数帯域から周波数が遠く離れているアップリンクリソースブロックが端末のアップリンクデータに割り当てられるようにアクセスネットワーク装置300がリソース割当てポリシーを調整して、システム間の干渉を減少または回避させる。リソース割当てポリシーを調整することによって、アクセスネットワーク装置300が周波数内干渉および周波数間干渉の問題を解決するので、端末は高性能フィルタ選択する必要がなくなり、従来技術と比較して端末のハードウェアコストを削減できる。
【0104】
さらに、アクセスネットワーク装置300は、リソースブロックを端末に割り当てるための対応するリソース割当てポリシーを柔軟に選択でき、そのポリシーは様々なアプリケーションのケースに適用できる。
【0105】
さらに、本発明のこの実施形態は、アクセスネットワーク装置300を含み得る通信システム、およびアクセスネットワーク装置300によって割り当てられたアップリンクリソースブロックを使用する端末をさらに提供する。
【0106】
本発明の技術的ソリューションを容易により良く理解するために、本発明の実施形態は他の通信システムをさらに提供する。
【0107】
実施形態4
図4に示されるように、本発明の第4実施形態における通信システムは、アクセスネットワーク装置410、およびアクセスネットワーク装置410に接続された端末420を含む。
【0108】
アクセスネットワーク装置410は、第1システム内の端末420の現在の送信電力を取得して、端末420によってアクセスされるセルが第1アップリンク周波数帯域を使用して、取得された送信電力が事前設定された第1電力しきい値よりも大きいかどうかを判断して、判断結果が、取得された送信電力が事前設定された第1電力しきい値よりも大きい場合、第2システムによって使用される第2周波数帯域から周波数が遠く離れているアップリンクリソースブロックを端末420のアップリンクデータに割り当てて、第2周波数帯域と第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔条件を満たし、端末420のアップリンクデータに割り当てられたアップリンクリソースブロックの時間ドメイン位置および周波数ドメイン位置を端末420に通知するように構成されている。
【0109】
端末420は、アクセスネットワーク装置410によって端末420に割り当てられたアップリンクリソースブロックを使用することによって、アップリンクデータを送信するように構成されている。
【0110】
アクセスネットワーク装置410は、上述の方法で、アップリンクリソースブロックを端末420のアップリンクデータに割り当てるためのリソース割当てポリシーを実際の状況の動的な変化によってリアルタイムで適切に調整でき、それによって、リアルタイムで、適切かつ効果的なリソース割当てを確実に行うことができる。
【0111】
第1システムおよび第2システムは、PHS、LTE、GSM(登録商標)、CDMA、3G、Wimax、WiFiなどの規格のうちのいずれか2つを使用するシステムでよいことが理解されよう。
【0112】
たとえば、アクセスネットワーク装置410はLTEシステム内の基地局でよく、第2システムはPHSでよい。第1アップリンク周波数帯域は、たとえば、1920MHzから1940MHz、または1940MHzから1960MHzでよい。
【0113】
この実施形態におけるアクセスネットワーク装置410は、第3実施形態におけるアクセスネットワーク装置300でよいことが理解されよう。アクセスネットワーク装置410のそれぞれの機能モジュールの機能は、特に上述の方法実施形態における方法によって実装され得る。特定の実装手順については、上述の実施形態における関連記述を参照されたい。ここではさらなる説明は提供しない。
【0114】
それぞれの上述の方法実施形態における記述を簡単にするために、方法を一連の動作として記述している点に留意されたい。当業者は、本発明の実施形態は記述された動作の順序に限定されないこと、およびいくつかのステップは他の順序で、または同時に実行されてよいことに気付くべきである。さらに、当業者は、本明細書に記載した実施形態は例示的実施形態であり、関連動作およびモジュールは本発明にとって必須ではない点に気付くべきである。
【0115】
上記の実施形態では、それぞれの実施形態は特定の態様を強調し、ある実施形態において説明されない部分は他の実施形態において説明される。
【0116】
結論として、本発明の実施形態では、アクセスネットワーク装置が端末の現在の送信電力を取得して、端末の現在の送信電力が事前設定されたしきい値よりも大きいかどうか判断して、端末の現在の送信電力が事前設定されたしきい値よりも大きい場合、別の規格のシステムによって占められる隣接周波数帯域から周波数が遠く離れているアップリンクリソースブロックが端末のアップリンクデータに割り当てられるようにアクセスネットワーク装置がリソース割当てポリシーを調整して、隣接システム間の干渉を減少または回避させる。リソース割当てポリシーを調整することによって、アクセスネットワーク装置が周波数内干渉および周波数間干渉の問題を解決するので、端末は高性能フィルタ使用する必要がなくなり、従来技術と比較して端末のハードウェアコストを削減できる。
【0117】
さらに、アクセスネットワーク装置は、リソースブロックを端末に割り当てるための対応するリソース割当てポリシーを柔軟に選択でき、そのポリシーは様々なアプリケーションのケースに適用できる。
【0118】
上述の実施形態の方法における処理の全てまたは一部は、プログラム命令関連ハードウェアによって実装され得ることが、当業者なら理解できるだろう。プログラムはコンピュータ可読記憶メディアに格納され得る。プログラムが実行されると、それぞれの上述の実施形態における方法のステップが実行され得る。記憶メディアは磁気ディスク、コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)などでよい。
【0119】
上記は、本発明の実施形態において提供されるリソース割当て方法、アクセスネットワーク装置、および通信システムを詳細に説明する。原理および実装方法は、特定の例を使用することによって説明される。上述の実施形態は、本発明の方法および中心概念の理解を助けるために使用されるに過ぎない。一方、当業者は、本発明の概念による特定の実装形態方法および適用範囲に修正を行ってよい。結論として、上記の内容は本発明を制限するものとはみなされない。
【符号の説明】
【0120】
300 アクセスネットワーク装置
310 取得モジュール
320 判断モジュール
330 リソース割当てモジュール
410 アクセスネットワーク装置
420 端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1システム内の端末の現在の送信電力を取得するステップであって、前記端末によってアクセスされるセルが第1アップリンク周波数帯域を使用する、前記取得するステップと、
前記取得された送信電力が事前設定された第1電力しきい値よりも大きいかどうかを判断するステップと、
判断結果が、前記取得された送信電力が前記事前設定された第1電力しきい値よりも大きいという結果の場合、第2システムによって使用される第周波数2帯域から周波数が遠く離れているアップリンクリソースブロックを前記端末のアップリンクデータに割り当てるステップであって、前記第2周波数帯域と前記第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔条件を満たす、前記割り当てるステップと、を備える、リソース割当て方法。
【請求項2】
前記第2周波数帯域と前記第1アップリンク周波数帯域との間の前記周波数間隔が前記事前設定された周波数間隔条件を満たすかどうかを決定する手順が、
前記第2周波数帯域と前記第1アップリンク周波数帯域との間の前記周波数間隔が事前設定された第1周波数間隔しきい値よりも小さいかどうかを判断することによって、前記第2周波数帯域と前記第1アップリンク周波数帯域との間の前記周波数間隔が前記事前設定された周波数間隔条件を満たすかどうかを決定するステップを特に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2システムによって使用される前記第2周波数帯域から周波数が遠く離れている前記アップリンクリソースブロックを前記端末の前記アップリンクデータに割り当てる前記ステップが、
アップリンクリソースブロックが信号対ノイズ比(SNR)判断条件を満たすかどうかを、周波数が前記第2周波数帯域から最も離れている利用可能なアップリンクリソースブロックから開始して連続的に判断するステップであって、前記SNR判断条件がアップリンクリソースブロックのSNRが事前設定された第1 SNRしきい値よりも大きいステップと、
前記SNR判断条件を最初に満たす1つまたは複数のアップリンクリソースブロックを選択して、前記選択されたアップリンクリソースブロックを前記端末に割り当てるステップ、
または、
前記第2周波数帯域からの周波数間隔が事前設定された第2周波数間隔しきい値よりも大きい利用可能なアップリンクリソースブロックの中から前記SNR判断条件を満たす1つまたは複数のアップリンクリソースブロックを選択して、前記選択されたアップリンクリソースブロックを前記端末に割り当てるステップを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1システムがロングタームエボリューション(LTE)システムであり、前記第2システムが前記第1システムの前記規格とは異なる規格の通信システムである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2システムによって使用される前記第2周波数帯域から周波数が遠く離れている前記アップリンクリソースブロックを前記端末の前記アップリンクデータに割り当てる前記ステップが、
前記第2システムによって使用される前記第2周波数帯域から周波数が遠く離れている前記アップリンクリソースブロックを、前記端末によって使用される物理的アップリンク共有チャネル(PUSCH)に割り当てるステップであって、前記第1アップリンク周波数帯域が1920MHzから1940MHz、または1940MHzから1960MHzであるステップを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第1システム内の端末の現在の送信電力を取得するように構成された取得モジュールであって、前記端末によってアクセスされるセルが第1アップリンク周波数帯域を使用する取得モジュールと、
前記取得モジュールによって取得された前記送信電力が事前設定された第1電力しきい値よりも大きいかどうかを判断するように構成された判断モジュールと、
前記判断モジュールが、前記取得モジュールによって取得された前記送信電力が前記事前設定された第1電力しきい値よりも大きいと決定すると、前記第2システムによって使用される第2周波数帯域から周波数が遠く離れているアップリンクリソースブロックを端末のアップリンクデータに割り当てるように構成されたリソース割当てモジュールであって、前記第2周波数帯域と前記第1アップリンク周波数帯域との間の周波数間隔が事前設定された周波数間隔条件を満たすリソース割当てモジュールとを備える、アクセスネットワーク装置。
【請求項7】
前記第2周波数帯域と前記第1アップリンク周波数帯域との間の前記周波数間隔が事前設定された第1周波数間隔しきい値よりも小さいどうかを判断することによって、前記第2周波数帯域と前記第1アップリンク周波数帯域との間の前記周波数間隔が前記事前設定された周波数間隔条件を満たすかどうかを決定するように構成された決定モジュールをさらに備える、請求項6に記載のアクセスネットワーク装置。
【請求項8】
前記リソース割当てモジュールが、
アップリンクリソースブロックが信号対ノイズ比(SNR)判断条件を満たすかどうかを、周波数が前記第2周波数帯域から最も離れている利用可能なアップリンクリソースブロックから開始して連続的に判断して、前記SNR判断条件がアップリンクリソースブロックの前記SNRが事前設定された第1 SNRしきい値よりも大きく、また前記SNR判断条件を最初に満たす1つまたは複数のアップリンクリソースブロックを選択するように構成された第1サブモジュールと、
前記第1サブモジュールによって選択された前記アップリンクリソースブロックを前記端末に割り当てるように構成された第2サブモジュールとを備える、
または、
前記リソース割当てモジュールが、
前記第2周波数帯域からの周波数間隔が事前設定された第2周波数間隔しきい値よりも大きい利用可能なアップリンクリソースブロックの中から前記SNR判断条件を満たす1つまたは複数のアップリンクリソースブロックを選択するように構成された第3サブモジュールと、
前記第3サブモジュールによって選択された前記アップリンクリソースブロックを前記端末に割り当てるように構成された第4サブモジュールとを備える、請求項7に記載のアクセスネットワーク装置。
【請求項9】
前記アクセスネットワーク装置が前記第1システム内の基地局装置であり、前記第1システムがロングタームエボリューション(LTE)システムであり、前記第2システムが前記第1システムの前記規格とは異なる規格の通信システムである、請求項6から8のいずれか一項に記載のアクセスネットワーク装置。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか一項に記載のアクセスネットワーク装置と、前記アクセスネットワーク装置によって割り当てられたアップリンクリソースブロックを使用する端末とを備える、通信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2013−511863(P2013−511863A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539172(P2012−539172)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【国際出願番号】PCT/CN2010/078809
【国際公開番号】WO2011/060713
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(504277388)▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司 (220)
【Fターム(参考)】