説明

リチウムマンガン化合物及びその製造方法。

充電式リチウムイオン電池に使用するための、LixMnO2(0.2<x≦2)化合物などの電極材料は、LiMn24化合物又は二酸化マンガン化合物を、リチウム金属又は安定化されたリチウム金属粉末及び安定化されていないリチウム金属粉末と混合することにより製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2005年6月29日に提出された米国特許仮出願No.60/695159の優先権を主張し、その開示は、全体として、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、一般に、リチウム化合物の製造方法及びそのような方法により製造された化合物に関する。更に詳細には、本発明は、リチオ化技術によりリチウムマンガン化合物及びドープされたリチウムマンガン化合物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
リチウムイオン二次電池用のカソード材料として使用される魅力ある材料には、LiCoO2、LiNiO2及びLiMn24がある。LiCoO2及びLiNiO2とは異なり、LiMn24スピネル化合物は、より過充電安全であると信じられ、その理由により好ましいカソード材料である。それにもかかわらず、純粋なLiMn24について全容量範囲にわたるサイクリングは安全に行うことができるが、LiMn24の比容量は低い。具体的には、LiMn24の理論容量は、ほんの148mA・hr/gであり、一般には、約115〜120mA・hr/gが、良好なサイクル特性により得ることができるにすぎない。LiMn24は、16dマンガン位置に過剰のリチウムを含有でき、Li1+xMn2-x4(0≦x≦0.33)として記述することができる。本明細書中の式:LiMn24の使用は、Li1+xMn2-x4を同様に示すと理解される。
【0004】
斜方晶系LiMnO2及び正方晶にひずんだスピネルLi2Mn24は、LiMn24スピネルで得られるよりも大きな容量を得る可能性を有する。しかしながら、LiMnO2及びLi2Mn24に関して、全容量範囲にわたるサイクリングは、迅速な容量の減衰を生じる。層状のLiMnO2は、サイクリング時に、すぐにスピネル形に変換され、これも容量減衰を生じる。
【0005】
これらのリチウム金属酸化物に他のカチオンをドーピングすることにより、リチウム二次電池に使用されるリチウム金属酸化物の比容量又は安全性を改良する、種々の試みが行われてきた。例えば、米国特許第6214493号(Bruce et al.)は、ドーパント材料としてコバルト(Co)を使用して安定化させた層状のLiMnO2に関する。安定化は、僅か15%のコバルト置換で行われたことが報告された。他の例として、米国特許第5370949号(Davidson et al.)は、LiMnO2へのクロムカチオンの導入により、空気中で安定であり、リチウムセルのサイクリングに良好な可逆性を有する、正方晶にひずんだスピネル型構造を製造できることを提案する。
【0006】
Li2MnO2化合物は、また、電極材料として検討されてきた。米国特許第4980251号(Thackeray)は、LiMn24スピネル化合物とn−BuLiとを以下のように反応させることにより、理論容量530mA・hr/gを有するLi2MnO2を形成できることを提案する。
LiMn24+n−BuLi→Li2Mn24+2n−BuLi→2Li2MnO2
Li2MnO2中のLi+イオンが、LiCoO2における八面体位置の代わりに、四面体位置を占めること以外は、Li2MnO2は、LiCoO2の構造と類似する六方最密層状構造を有する。しかしながら、Thackerayの方法により形成されたLi2MnO2化合物は、不安定である。特に、Thackerayは、Li2MnO2の層状構造が不安定であり、脱リチウム化の際にスピネル骨格に戻ると指摘している。層状構造とスピネル構造との間で変換が繰り返されることは、容量保持を低減し、ギャップ電圧を生じるので、望ましくない。
【0007】
ドープされたマンガン酸リチウムは、好ましくは、使用可能な高い可逆容量を示し、かつサイクリングの間、可逆容量を保持する良好なサイクル特性を示す。LiMn24は、一般に、115〜120mA・hr/gで、良好なサイクル特性で操作することができるにすぎない。その上、Li2MnO2化合物は、製造するのに高価であり、利用できる方法により製造すると、不安定である。そのため、改良された可逆容量及び良好なサイクル特性を示すと同時に熱安定性を保持するリチウム金属酸化物を製造する必要がある。
【発明の開示】
【0008】
本発明の実施形態は、マンガン酸リチウム化合物及びドープされたマンガン酸リチウム化合物の製造方法を含む。本発明の実施形態により形成されるリチウムマンガン化合物及びドープされたマンガン酸リチウム化合物を使用して、例えば充電式リチウムイオン電池などの、電池に使用するための電極及び電極材料を形成できる。
【0009】
本発明のある実施形態によれば、ドープされたリチウムマンガンスピネル化合物をリチウム金属と混合して、ドープされたLixMnO2(0.2<x≦2)化合物を製造する。スピネル化合物と、リチウム金属との混合は、溶媒を用いて又は溶媒を用いることなく実施することができる。スピネル化合物と、リチウム金属との混合は、ドープされたリチウムマンガンスピネル化合物とリチウム金属とを、例えば高エネルギーボールミル粉砕等によりエネルギー的に(energetically)混合できるプロセスを使用して、実施することができる。混合により、スピネル化合物と、リチウム金属とができるだけ多く接触させられることが好ましい。ドープされたリチウムマンガンスピネル化合物として、米国特許第6267943号(Manev et al.)により開示のもの等の化合物を挙げることができ、この特許は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。リチウム金属は、例えば、米国特許第5567474号と米国特許第5776369号(Dover et al.)により開示の化合物などの、安定化されたリチウム金属粉末であることが好ましく、これらの特許は、全体に、引用することにより、本明細書の一部を構成する。LixMnO2(0.2<x≦2)中のリチウムのx量は、容易に制御でき、かつ合成に使用されるリチウム金属の量を変化させることにより変える事ができ、これは、本発明の別の利点の1つである。これは、xの値が高温相平衡状態図により支配され、任意で変化させることのできない高温固体状態合成とは異なる。
【0010】
本発明の他の実施形態では、例えば熱処理された電解二酸化マンガン(EMD)化合物などの二酸化マンガンを、リチウム金属と混合して、二酸化マンガン化合物をリチウム化することができる。リチウム化二酸化マンガン、例えばリチウム化EMD材料は、充電式リチウムイオン電池の電極材料として使用することができる。リチウム金属粉末は、例えば、米国特許第5567474号と米国特許第5776369号(Dover et al.)により開示されているものなどの、安定化されたリチウム金属粉末であることが好ましい。
【0011】
電池、特に充電式リチウムイオン電池に使用するための電極は、本発明の実施形態により形成されたLixMnO2(0.2<x≦2)化合物又はリチウム化EMD材料を使用して形成できる。
【0012】
本発明の前記及び他の態様は、以下に記載の明細書で更に詳細に説明され、かつ本発明の記述及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明を更に完全に記載することにする。しかしながら、本発明は、多数の異なる形態で実施でき、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底かつ完全であり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えるために提供される。
【0014】
本明細書中で、本発明の記述に使用される専門用語は、特定の実施形態のみを記述することを目的とし、本発明を限定することは意図しない。本発明の明細書及び添付の特許請求の範囲に使用される、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に他を指示しないかぎり、複数形も含むことを意図する。更に、本明細書中で使用される、用語「及び/又は」は、関連して列挙された項目のうち、1つ以上の任意かつ全ての組み合わせを含む。
【0015】
他に定義しない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における通常の熟練者によって共通に理解されるものと同一の意味を有する。
【0016】
本明細書中に記載の全ての刊行物、米国特許出願、米国特許、及び他の引用文献は、全体として引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0017】
本発明の実施形態は、マンガン酸リチウム化合物及びドープされたマンガン酸リチウム化合物の製造方法を含む。本発明の実施形態により形成されたドープされたマンガン酸リチウム化合物及びリチウムマンガン化合物を使用して、電池、例えば充電式リチウムイオン電池に使用する電極及び電極材料を形成できる。
【0018】
本発明の実施形態により、式:LixMnO2(0.2<x≦2)を有するマンガン酸リチウム化合物を形成する方法が提供される。一部の実施形態では、マンガン酸リチウム化合物は、ドープされたマンガン酸リチウム化合物であってよい。例えば、式:Li2Mn1-αAαO2(式中、Aは、ドーパントであり、0≦α≦0.5)を有するドープされたマンガン酸リチウム化合物を形成できる。
【0019】
本発明の実施形態によれば、LiMn24スピネル化合物とリチウム金属とを混合することにより、式:LixMnO2(式中、0.2<x≦2、しばしば0.5<x≦2)を有するマンガン酸リチウム化合物を形成することができる。LiMn24化合物がリチウム金属と接触すると、LiMn24化合物はリチウムを受け取り、所望のLixMnO2化合物に変換する。例えば、LiMn24化合物を、ボールミルでリチウム金属と混合して、LixMnO2を形成することができる。リチウム金属は、安定化されたリチウム金属粉末であることが好ましい。LiMn24化合物の混合は、任意の混合技術を使用して実施することができるが、LiMn24化合物とリチウム金属との間の接触量を改良する混合が好ましい。
【0020】
1つの実施形態で、リチウム金属は、全て一度に添加することができる。もう1つの実施形態では、リチウムは、少量単位で、例えば、x/4以下ずつ添加する。そのような添加は、x線回折パターンの歪みを回避し、LixMnO2化合物にEMDのパターンに類似するx線回折(結晶度)パターンを保持させる。
【0021】
本発明の実施形態で使用されるリチウム金属として、安定化されたリチウム金属粉末(SLMP)を挙げることができる。例えば、FMC Corporationは、本発明の実施形態において使用できる安定化されたリチウム金属粉末を、Lectro(登録商標)Max Powderの名称で製造している。他のリチウム金属粉末も使用できる。例えば、米国特許第5567474号及び米国特許第5776369号は、本発明の実施形態において使用できる安定化されたリチウム金属粉末及びそのような粉末の製造方法を記載する。
【0022】
安定化されたリチウム金属粉末は、本発明の実施形態の方法を、さらに高い安全性で実施することを可能にする。しかしながら、安定化されていないリチウム金属粉末も、本発明の実施形態で使用することができる。安定化されていないリチウム金属もしくはリチウム金属粉末を使用するこれらの実施形態では、追加の工程を使用して、反応の安全性を改良することができる。例えば、LiMn24化合物と安定化されていないリチウム金属もしくリチウム金属粉末との混合は、リチウム金属と大気との望ましくない反応を抑制するために、不活性雰囲気下で実施することができる。
【0023】
本発明の他の実施形態では、ドープされたLiMn24化合物とリチウム金属とを混合することにより、ドープされたLixMnO2化合物を形成することができる。ドープされたLiMn24化合物としては、例えば、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、クロム(Cr)などのドーパント、又は電池及び充電式リチウムイオン電池で使用される電極材料の製造に使用される他のドーパントでドープされたLiMn24化合物を挙げることができる。リチウム金属は、好ましくは安定化されたリチウム金属粉末である。
【0024】
リチウム金属と、LiMn24又はドープされたLiMn24スピネル化合物との混合は、ボールミルで実施するか又は他の混合技術により実施することができる。一部の実施形態では、混合は好ましくは、化合物の混合を増進させ、LiMn24化合物とリチウム金属との間の接触量を改良するエネルギー的な混合を含む。
【0025】
リチウム金属とLiMn24とを混合するステップは、溶媒を用いて、又は溶媒を用いることなく実施することができる。溶媒を使用する場合、溶媒は好ましくはリチウムと適合性であるので、混合の間にリチウム金属が溶媒と反応することはない。本発明の実施形態で使用できる溶媒には、n−へキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等を含む、非環状及び環状炭化水素;芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、イソプロピルベンゼン(クメン)等;ジ−n−ブチルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等を含む、対称、非対称及び環状エーテルがあるが、これらに限定はされない。
【0026】
本発明の一部の実施形態では、少なくとも1つの酸化マンガンと、少なくとも1つのリチウム化合物と、任意選択的に少なくとも1つのドーパントとの混合物を400℃〜900℃の温度の焼成ステップで、か焼することにより、LiMn24化合物を製造することができる。酸化マンガン化合物として、Mn23、Mn34、電解二酸化マンガン、及びβ−MnO2のような化合物を挙げることができ、その焼成ステップは、複数の焼成ステップを含むことができる。
【0027】
か焼するステップでは、もとの化合物(source compound)の混合物を約400℃〜約900℃で焼成する。好ましくは、この温度範囲の焼成温度で焼成ステップを一回以上行って、混合物をか焼する。か焼の間、スピネル粒子の凝集が好ましく妨げられる。例えば、少なくとも一部の焼成ステップの最中に、流動床炉又は回転式か焼炉でもとの化合物を焼成することにより、又はステップとステップの合間にスピネル材料を粉砕することにより、複数ステップの焼成シーケンスの期間、凝集を防ぐことができる。
【0028】
この方法で製造された酸化マンガン化合物から、本発明の実施形態で使用できる、LiMn24化合物を形成することができる。更に、マンガン酸リチウムを形成する他の方法を、本発明の実施形態で使用することができる。例えば米国特許第6267943号、米国特許第6423294号及び米国特許第6517803号の方法と化合物を、本発明の実施形態で使用することができる。
【0029】
本発明の実施形態により形成されたリチウム化EMD材料は、電極中に装入されると、約150mA・hr/g〜約160mA・hr/gの容量を示す。更に、本発明のリチウム化EMD材料は、EMD化合物が容易に入手でき、かつ簡単に製造できるので、安価に製造することができる。
【0030】
本発明の幾つかの実施形態により、本発明のリチウム化EMD材料は、リチウムイオン電池で使用する電極を形成するための低価格の材料として使用することができる。
【0031】
本発明の実施形態は、本発明の実施形態により製造された化合物及び材料から形成された電極及び電池も含む。リチウムイオン電池で使用する電極は、本発明の実施形態により形成されたLixMnO2化合物又はドープされたLixMnO2化合物から形成することができる。更に、本発明の実施形態により形成されたリチウム化EMD材料は、リチウムイオン電池に使用するための電極を形成するのに使用することができる。本発明の実施形態により形成されたLixMnO2化合物及びリチウム化EMD材料を使用して、電池、特に充電式リチウムイオン電池に使用するためのアノード又はカソードを形成することができる。
【0032】
本発明を記述してきたが、説明の目的のためにのみ本明細書に含まれ、かつ本発明を限定する意図の無い特定の実施例を参照して、更に説明する。
【実施例】
【0033】
実施例1
リチウムを、熱処理された電解二酸化マンガン(HEMD)に添加する。Erachem−Comilogから入手できる電解二酸化マンガンを粉砕して、粒径を減じ、400℃で12時間熱処理して、熱処理された電解マンガンを得た。リチウムを、酸化マンガン1モル当たり0.075モルの少量単位ずつで添加する。添加は、室温で、グローブボックス内で行い、ステンレススチール製ボールミルジャーを混合容器として使用する。
【0034】
図1は、リチウムを含まないEMD及び、種々の総添加量(Li:0.30〜0.58モル)でLiを添加したHEMDのX線回折パターンを示す。X線回折パターンの比較から、HEMDの構造を歪めずに、リチウムを追加的に添加できて、HEMD様構造を保持することがわかる。
【0035】
実施例2及び比較例1
Li0.3MnO2を、2つの方法により製造する。比較例1では、酸化マンガン1モルに対して0.3モルのリチウム全てを一度に添加する。実施例2では、リチウムを、酸化マンガン1モルに対して0.075モルきざみで添加する。
【0036】
図2のX線回折パターンは、比較例1のLi0.3MnO2について、十分な結晶性スピネル様構造を示す。これは、HEMD原料サンプルのパターンに類似のパターンを示し、グラフにより、極僅かのずれが示される実施例2のX線回折パターンと対照的である。
【0037】
図3は、電気化学的結果を示す。実施例2のLi0.3MnO2は、比較例1の1ステップで添加する工程と比較して、45%〜93%の初期充電効率の増加を示す。電圧特性は、10サイクル以上の間、維持され、このことは、構造的変化が起こらないことを示唆する。電圧特性の維持は、そのような材料が3V充電式リチウム電池のための候補であることを示す。
【0038】
実施例3、実施例4、及び比較例2
Li0.6MnO2を、3つの方法により製造する。比較例2では、酸化マンガン1モルに対して0.6モルのリチウム全てを一度に添加する。実施例3では、酸化マンガン1モルに対して0.6モルのリチウムを、0.15モルずつ添加する。実施例4では、リチウムを、酸化マンガン1モルに対して0.075モルずつ添加する。
【0039】
図4における、比較例2のX線回折パターンは、Li0.6MnO2について、十分な結晶性スピネル様構造を示すが、HEMD原料サンプルとの比較では、歪んでいる。これは、HEMD原料サンプルのパターンに類似のパターンを示し、極僅かの歪みを示す、実施例3及び実施例4と対照的である。
【0040】
図5は、電気化学的結果を示す。実施例3のLi0.6MnO2は、比較例2の1ステップ添加工程と比較して、39%〜81%の初期充電効率の増加を示す。
【0041】
このように本発明の特定の実施形態を記述してきたが、添付の特許請求の範囲により定義される本発明は、請求の範囲の精神又は範囲から逸脱せずに、多くの明らかな変法が可能なので、前に記載の特定の詳細により限定されるべきではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施例1によるX線回折パターンのグラフによる比較である。
【図2】実施例2と比較例1によるX線回折パターンのグラフによる比較である。
【図3】実施例2に関する、電圧(V)対比容量(mAH/g)のグラフである。
【図4】実施例3と実施例4、及び比較例1によるX線回折パターンのグラフによる比較である。
【図5】実施例3に関する、電圧(V)対比容量(mAH/g)のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LixMnO2を製造する方法であって、LiMn24化合物をリチウム金属と混合するステップと、LixMnO2(0.2<x≦2)を形成するステップとを含み、LixMn24化合物の結晶構造が保持されている、LixMnO2の製造方法。
【請求項2】
前記LixMnO2化合物に、コバルト、ニッケル、チタン、ジルコニウム及びクロムからなる群から選択されるドーパントをドープする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リチウム金属が、リチウム金属粉末を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記リチウム金属粉末が、安定化されたリチウム金属粉末を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記リチウム金属を、xの1/4以下ずつ添加する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記LixMnO2化合物の混合は、LiMn24化合物とリチウム金属とをボールミル中でエネルギー的に混合することにより形成される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ボールミルは、高エネルギーボールミルである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記LiMn24化合物と前記リチウム金属との混合が、溶媒の存在下で前記LiMn24化合物と前記リチウム金属とを混合するステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記溶媒が、非環状炭化水素、環状炭化水素、芳香族炭化水素、対称エーテル、非対称エーテル及び環状エーテルからなる群から選択される溶媒を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法により製造されるLixMnO2化合物から製造される電極。
【請求項11】
LiMn24化合物をリチウム金属と混合することにより製造されるLixMnO2(0.2<x≦2)を含む電極であって、前記LiMn24化合物の結晶構造が保持されている電極。
【請求項12】
前記リチウム金属が、リチウム金属粉末を含む、請求項11に記載の電極。
【請求項13】
前記リチウム金属粉末が、安定化されたリチウム金属粉末を含む、請求項12に記載の電極。
【請求項14】
前記リチウム金属を、xの1/4以下ずつ添加する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
リチウム化電極材料の製造方法であって、電解二酸化マンガン(EMD)化合物と、リチウム金属とを混合するステップと、リチウム化電解二酸化マンガン材料を製造するステップとを含み、EMD化合物の結晶構造が保持されている製造方法。
【請求項16】
前記リチウム金属が、リチウム金属粉末を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記リチウム金属粉末が、安定化されたリチウム金属粉末を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記電解二酸化マンガン化合物が、熱処理された電解二酸化マンガン化合物を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記電解二酸化マンガン化合物とリチウム金属との混合が、前記電解二酸化マンガン化合物をリチウム金属と共にボールミル粉砕するステップを含み、前記リチウム金属が徐々に添加される、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記電解二酸化マンガン化合物とリチウム金属のボールミル粉砕が、溶媒の存在下での、電解二酸化マンガン化合物とリチウム金属のボールミル粉砕を更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記溶媒が、非環状炭化水素、環状炭化水素、芳香族炭化水素、対称エーテル、非対称エーテル及び環状エーテルからなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記電解マンガン化合物に、コバルト、ニッケル、チタン、ジルコニウム及びクロム並びにこれらの任意の組合せからなる群から選択されるドーパントをドープする、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−500277(P2009−500277A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519633(P2008−519633)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/025694
【国際公開番号】WO2007/002907
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(598076270)エフエムシー・コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】