説明

リチウム二次電池

【課題】 本発明の課題は、リチウム二次電池の安全性を維持しつつ容量を増加させる正極活物質を提供することである。
【解決手段】 ニッケル系列化合物とコバルト系列化合物を適当な比率で混合した正極活物質を使用した正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、電解液と、を含む構成とした。正極は、下記の化学式2で示される第1正極活物質と下記の化学式3で示す第2正極活物質とを含む。[化学式2]LiNiCoMnd1、[化学式3]LiCoMb1

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリチウム二次電池に係り、より詳しくは、常温寿命、高温寿命、及び安全性が向上したリチウム二次電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の携帯用小型電子機器の電源として脚光を浴びているリチウム二次電池は、有機電解液を用いて、既存のアルカリ水溶液を用いた電池より2倍以上の高い放電電圧を見せ、高いエネルギー密度を示す電池である。
【0003】
リチウム二次電池の正極活物質としては、LiCoO、LiMn、LiNi1−xCo(0<X<1)などのように、リチウムが挿入可能な構造を有するリチウムと、遷移金属の酸化物からなるリチエイテッド挿入化合物を主に用いたものがある。
【0004】
リチウム二次電池はエネルギー密度が高いものの、最近になって次第に高容量電池が要求されるに伴い、これを満足させるための研究が活発に行われている。その方法の一つとして、組成を変えることによって、優れた容量、経済的な長所などの、少しずつ異なる長所を有する各種正極活物質を混合して最適の効果を得るための試みが行われているが、まだ満足する程の水準ではない。このようなリチウム二次電池の関連技術としては、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,379,842号
【特許文献2】米国特許第5,429,890号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前述の問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、一種以上の正極活物質を適切に混合した正極を用いて、常温寿命、高温寿命、及び安全性が共に優れたリチウム二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、下記の化学式1及び化学式2で表示される物質のうち少なくとも一方を含む第1正極活物質と、下記の化学式3で表示される第2正極活物質とを混合した正極活物質を含む正極と、と、負極活物質を含む負極と、電解液と、を含むリチウム二次電池を提供する。
【0008】
[化学式1]
LiNiMn
(化学式1で、0.90≦a≦1.2、0.5≦b≦0.9、0<c<0.4、0≦d≦0.2であり、
Mは、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Poからなる群より選択される物質のうちの一種以上からなる物質である。)
[化学式2]
LiNiCoMnd1
(化学式2で、0.90≦a≦1.2、0.5≦b≦0.9、0<c<0.4、0<d1<0.4、0≦e≦0.2であり、
Mは、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Poからなる群より選択される物質のうちの一種以上からなる物質である。)
[化学式3]
LiCoMb1
(化学式3で、0.90≦a≦1.2、0≦b1≦0.2であり、
Mは、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、及びPoからなる群より選択される物質のうちの一種以上からなる物質である。)
【発明の効果】
【0009】
本発明のリチウム二次電池は、ニッケル系列化合物とコバルト系列化合物を適当な比率で混合した正極活物質を使用することにより、容量は2−9%増加すると同時に、常温寿命、高温寿命、安全性(貫通、過充電貫通)も全て満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のリチウム二次電池を概略的に示した図である。
【図2】本発明のリチウム二次電池の正極を分析するために用いた極板のサンプリング部分を示した説明図である。
【図3】本発明の実施例12の正極における第1正極活物質のSEM写真の状態を示す図である。
【図4】本発明の実施例12の正極を用いて製造された電池の化成−標準充電後、測定して第1正極活物質のEDX分析結果を示したグラフである。
【図5】本発明の実施例12の正極を用いて製造された電池の化成−標準充電後、測定して第1正極活物質のEDX分析結果を示したグラフである。
【図6】本発明の実施例12の正極における第2正極活物質のSEM写真である。
【図7】本発明の実施例12の正極を用いて製造された電池の化成−標準充電後、測定して、第2正極活物質のEDX分析結果を示したグラフである。
【図8】本発明の実施例12の正極を用いて製造された電池の化成−標準充電後、測定して、第2正極活物質のEDX分析結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、正極活物質を一種以上混合して容量を増加させながら、常温寿命、高温寿命、及び安全性が共に優れた電池を提供する。
【0012】
一般的に、電池は様々な項目の性能を満たせなければならないが、特に、容量、常温寿命、高温寿命、及び安全性(貫通、過充電貫通)は基本的な必須項目である。従来の正極活物質としては、最も高容量を示したLiCoOが主に用いられてきたが、LiCoOが高価であり、また、最近はより高容量の電池が要求されるに従い、LiCoOより容量を増加させることができるニッケルを用いた活物質に関する研究が進められている。
【0013】
しかし、LiNiOのように、リチウム以外はNiのみで構成された活物質はサイクル寿命特性が非常に劣っている。したがって、本発明では、このようなサイクル寿命特性問題を補完するために、コバルトやマンガンを少量添加してニッケルの一部をコバルトやマンガンで部分置換して、容量は増加してもサイクル寿命特性が劣化しない下記の化学式1又は下記の化学式2の化合物を正極活物質として用いた。
【0014】
[化1]
LiNiMn
化学式1で、0.90≦a≦1.2、0.5≦b≦0.9、0<c<0.4、0≦d≦0.2であり、好ましくは0.001≦d≦0.2であり、
Mは、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Poからなる群より選択される物質のうちの一種以上からなる物質である。
【0015】
[化2]
LiNiCoMnd1
化学式2で、0.90≦a≦1.2、0.5≦b≦0.9、0<c<0.4、0<d1<0.4、0≦e≦0.2であり、好ましくは0.001≦e≦0.2であり、
Mは、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Poからなる群より選択される物質のうちの一種以上からなる物質である。
【0016】
また、化学式1又は化学式2の化合物を正極活物質として用いると安全性と寿命を確保することはできるが、電池に適用する場合、正極の合剤密度が低いため、実際に得られる容量は期待したほど大きくない問題点があるので、これを防止するために、化学式1又は化学式2の化合物を第1正極活物質とし、下記化学式3の化合物を第2正極活物質として、両者を混合使用した。
【0017】
[化3]
LiCoMb1
前記化学式3で、0.90≦a≦1.2、0≦b1≦0.2、好ましくは0.001≦b1≦0.2であり、
Mは、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、及びPoからなる群より選択される物質のうちの一種以上からなる物質である。
【0018】
合剤密度とは、極板より集電体を除いた成分(つまり、活物質、導電材、及びバインダーなど)の単位体積当たり質量値であって、合剤密度が小さいということは、単位体積当り(極板の面積が同一であるとすれば単位厚さ当り)の装着活物質量が少ないので、結果的に実際の電池容量は減少することを意味する。つまり、本発明で第1正極活物質として用いた化学式1又は化学式2の化合物は、理論容量は高いが、実際の電池に適用すると合剤密度が低く、実際の電池容量はLiCoOに相応する値を示すため、容量面での長所を得られなくなる。
【0019】
このような合剤密度の減少による問題点は、化学式3の第2正極活物質を混合使用すれば合剤密度を向上させることができるので、電池容量、常温及び高温サイクル寿命特性、安全性を全て満たす電池を提供できる。
【0020】
本発明において、第1正極活物質としては、LiNi0.8Co0.1Mn0.1、LiNi0.8Co0.15Mn0.05、LiNi0.8Co0.05Mn0.15、LiNi0.7Co0.1Mn0.2、LiNi0.7Co0.2Mn0.1、LiNi0.7Co0.15Mn0.15、LiNi0.7Co0.05Mn0.25、LiNi0.7Co0.25Mn0.05、LiNi0.6Co0.3Mn0.1、LiNi0.6Co0.2Mn0.2、LiNi0.6Co0.1Mn0.3、LiNi0.8Mn0.2、LiNi0.7Mn0.3又はLiNi0.6Mn0.4が好ましく、第2正極活物質としてはLiCoOが好ましい。つまり、本発明の正極活物質は、第1正極活物質としてLiNi0.8Co0.1Mn0.1、LiNi0.8Co0.15Mn0.05、LiNi0.8Co0.05Mn0.15、LiNi0.7Co0.1Mn0.2、LiNi0.7Co0.2Mn0.1、LiNi0.7Co0.15Mn0.15、LiNi0.7Co0.05Mn0.25、LiNi0.7Co0.25Mn0.05、LiNi0.6Co0.3Mn0.1、LiNi0.6Co0.2Mn0.2、LiNi0.6Co0.1Mn0.3、LiNi0.8Mn0.2、LiNi0.7Mn0.3又はLiNi0.6Mn0.4を用い、更に第2正極活物質としてLiCoOを混合して用いるのが好ましい。
【0021】
本発明における、このような相乗効果は、前記のように選定された第1正極活物質と第2正極活物質を混合した場合にのみ現れ、第2正極活物質と類似した粒子模様を有する活物質であっても、化学式3で表現される組成を有するものでなければこのような効果は得られない。また、その相乗効果は、前記第1正極活物質と前記第2正極活物質を適切な比率で混合した場合に極大化される。本発明において、前記第1正極活物質と前記第2正極活物質の好ましい混合比率は、90〜30:10〜70質量比であり、90〜40:10〜60質量比がさらに好ましい。
【0022】
このように、正極活物質を1種類以上混合して使用することに対し、前記特許文献1において、LiNiCo(ここで、xは0〜1、y+z+nは1であり、nは0〜0.25、y及びzは0より大きく、z/yは0〜1/3であり、Mは、Al、Ti、W、Cr、Mo、Mg、Ta、Si、及びこれらの混合物である)とLiMn2−rM1(ここで、xは0〜1であり、rは0〜1であり、M1は、Cr、Ti、W、Ni、Co、Fe、Sn、Zn、Zr、Si、及びこれらの混合物である)の物理的混合物を正極活物質として用いる内容が開示されているが、本発明で用いた活物質と、その種類が相異しており、また、この特許文献1に開示された混合正極活物質は高温寿命の特性がよくないが、本発明の混合正極活物質は高温寿命の特性が優れているので、本発明は、特許文献1に基づいて当業者が容易に発明できるものでない。
【0023】
また、特許文献2 にはLiMn(ここで、0<x≦2)は基本物質であって、これにLiNiO(ここで、0<x≦2)、LiCoO(ここで、0<x≦2)のうちの一つを混合した正極活物質が開示されている。この特許文献2に開示された混合正極活物質は高温寿命の特性がよくないが、本発明の混合正極活物質は高温寿命の特性が優れているので、本発明は特許文献2に基づいて当業者には容易に発明できるものでないことが明らかである。また、特許文献2のようにLiMnをLiNiO又はLiCoOとほとんど1:1に混合して、つまり、LiMnを過剰に使用する場合、LiMnが基本的に容量が小さいために電池容量が低下し、また、高温寿命が非常に低下する問題点がある。
【0024】
本発明のリチウム二次電池において、正極活物質として前記第1及び第2正極活物質を混合して用いることは、電池特性評価後のSEM−EDX測定結果でも分かる。SEM−EDX測定は、電池を製造した後、極板の構造(縁部又は折れた部分)によって極板の表面特性が変化することがあるので、電池特性評価の後、図2に示したように極板をサンプリングして測定する。つまり、図2に示したように、極板の長辺寸法を100%とした場合、左右20%の長さを除いた中央の60%と、短辺寸法を100%とした場合、左右20%の長さを除いた中央の60%のSEM−EDX分析を実施する。また、この中央部60%からも巻き付け時に折れた部分は除外した。この中央60%を中央部分といい、この中央部分より横1〜5cm、縦1〜53cmの大きさの極板を採取し、ジメチルカーボネート溶媒などに一定時間浸漬した後に取り出す。次に、取り出した極板を約40℃で10torr〜1×10−6torr(1333.2〜133.32×10−6Pa)の真空度で約1時間乾燥して測定する。
【0025】
前記電池特性評価は、一般的な電池製造工程で化成工程及び標準工程と呼ばれる条件下で実施するのが適当であり、0.1〜2.0C、好ましくは0.2〜1.5Cの充電速度と、0.1〜2.0C、より好ましくは0.2〜1.5Cの放電速度で実施し、電流密度条件は、断面基準に0.1〜5.0mA/cm、より好ましくは0.2〜4.0mA/cmの充電電流密度と、0.1〜5.0mA/cm、より好ましくは0.2〜4.0mA/cmの放電電流密度で実施する。この時、充放電回数は1〜300回が好ましく、1〜99回がより好ましく、特性評価の後の電池状態は、充電状態又は放電状態であるか、充電中の状態又は放電中の状態になる。同時に、電池特性評価の後の電池OCV(開路電圧)は1.0〜5.5Vが好ましく、より好ましくは1.5〜4.5Vである。
【0026】
本発明の正極は、前記第1及び第2正極活物質の外に、一般的に正極に導電性を付与するために用いられる導電材を含む。この導電材にはリチウム二次電池で導電材として用いられた物質であればいずれのものでも使用可能であり、その代表的な例として、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、グラファイト、グラファイトファイバー、又はポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールのような導電性高分子、銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末もしくは金属繊維などを用いることができる。
【0027】
また、本発明の正極は、正極活物質粒子を互いによく付着させ、正極活物質を電流集電体によく付着させるためのバインダーを含む。前記バインダーにはリチウム二次電池で一般的に用いられる物質であれば全て使用可能であり、その例としては、スチレン−ブタジエンラバー、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシプロピレンセルローズ、ジアセチレンセルローズ、ポリ塩化ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン又はポリプロピレンなどが挙げられる。
【0028】
本発明の負極は、リチウムを可逆的に挿入及び脱離できる負極活物質を含み、このような負極活物質としては炭素系列物質を用いることができる。前記炭素系列物質としては結晶質又は非晶質炭素を全て用いることができるが、X線回折によるLc(結晶子寸法)が少なくとも20nm以上であり、700℃以上で発熱ピークを有する結晶質炭素が好ましい。また、前記結晶質炭素は、中間相(メゾ相)球形粒子から炭化段階及び黒鉛化段階を経て製造されたカーボン物質、又は繊維状中間相ピッチから炭化段階及び黒鉛化段階を経て製造された繊維状黒鉛が好ましい。
【0029】
本発明のリチウム二次電池において、電解液は、非水性有機溶媒とリチウム塩を含む。
【0030】
前記リチウム塩は、有機溶媒に溶解されて電池内でリチウムイオンの供給源として作用し、基本的なリチウム二次電池の作動を可能にし、正極と負極との間のリチウムイオンの移動を促進する役割を果たす物質である。このようなリチウム塩の代表的な例としては、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiCFSO、LiN(CFSO、Li(CFSON、LiCSO、LiClO、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2y+1SO)(ここで、x及びyは自然数である)、LiCl、LiI、及び LiN(SO:リチウムビスオキザレートボレート(lithium bisoxalate borate)からなる群より選択される一種又は二種以上を支持電解塩として含む。リチウム塩の濃度は0.1〜2.0Mの範囲内で用いるのが好ましい。リチウム塩の濃度が0.1M未満であると、電解液の電導性が低くなって電解液性能が落ち、2.0Mを超えると、電解液の粘度が増加してリチウムイオンの移動性が減少する問題点がある。
【0031】
前記非水性有機溶媒は、電池の電気化学的反応に関与するイオンが移動できる媒質の役割を果たす。前記非水性有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、フルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ヨードベンゼン、1,2−ジヨードベンゼン、1,3−ジヨードベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、1,2,3−トリヨードベンゼン、1,2,4−トリヨードベンゼン、フルオロトルエン、1,2−ジフルオロトルエン、1,3−ジフルオロトルエン、1,4−ジフルオロトルエン、1,2,3−トリフルオロトルエン、1,2,4−トリフルオロトルエン、クロロトルエン、1,2−ジクロロトルエン、1,3−ジクロロトルエン、1,4−ジクロロトルエン、1,2,3−トリクロロトルエン、1,2,4−トリクロロトルエン、ヨードトルエン、1,2−ジヨードトルエン、1,3−ジヨードトルエン、1,4−ジヨードトルエン、1,2,3−トリヨードトルエン、1,2,4−トリヨードトルエン、R−CN(ここで、Rは、炭素数2−50個の直鎖状、分枝状又は環構造の炭化水素基であり、二重結合、芳香環、又はエーテル結合を含むことができる)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセテート、キシレン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルプロピオン酸塩、エチルプロピオン酸塩、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、ジグライム、テトラグライム、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン(sulfolane)、バレロラクトン、デカノリド、メバロラクトンのうちの一つあるいは二つ以上を混合して用いることができる。前記有機溶媒を一つ以上混合して使用する場合の混合比率は、所望の電池性能によって適切に調節することができ、これは当該分野に従事する人々であれば理解できることである。
【0032】
前述の構成を有する本発明のリチウム二次電池の一例を図1に示した。図1に示したように、本発明のリチウム二次電池は、正極3、負極2を含み、正極3と負極2の間に位置するセパレータ4、負極2と正極3及びセパレータ4に含浸された電解液、円筒形の電池容器5、電池容器5を封止する封止部材6を含む。図1の構造は円筒形の電池であるが、本発明のリチウム二次電池がこの形状に限定されることはなく、角形、パウチなど、いかなる形状も可能である。
【0033】
以下、本発明の実施例及び比較例を説明する。下記の実施例は本発明の好ましい一実施例だけであり、本発明が下記の実施例に限られるわけではない。
【0034】
(実施例1〜16)
第1正極活物質としてLiNi0.8Mn0.2又はLiNi0.8Co0.1Mn0.1、第2正極活物質としてLiCoOを使用し、下記表3に示した組成で混合して混合正極活物質を製造した。この混合正極活物質とポリフッ化ビニリデンバインダー及びスーパー−P導電材を、N−メチルピロリドン混合溶媒中で94/3/3(質量比)の組成比で正極活物質スラリーを製造した。前記スラリーをアルミニウム集電体にコーティングして、これを乾燥し、圧延して正極を製造した。
【0035】
(比較例1〜7)
下記表1に示したように、正極活物質として各々LiCoO、LiNiO、LiMn、LiNi0.8Co0.2、LiNi0.8Mn0.2、LiCo0.8Mn0.2又はLiNi0.8Co0.1Mn0.1を単独で用いたことを除いては、前記実施例1と同一な方法で正極を製造した。
【0036】
(比較例8〜27)
下記表1〜3に示したように、第1正極活物質としてLiCoO、LiNiO、LiNi0.8Co0.2又はLiNi0.8Mn0.2を使用し、第2正極活物質としてLiMn又はLiCoOを用いたことを除いては、前記実施例1と同一な方法で正極を製造した。
【0037】
前記実施例1〜16及び比較例1〜27の方法で製造された正極と負極で、厚さ46mm、幅34mm、長さ50mmの角形電池を製造した。前記負極は、カーボン負極活物質及びポリフッ化ビニリデンバインダーを、N−メチルピロリドン混合溶媒中で94/6(質量比)の組成比で混合して負極活物質スラリーを製造し、これを銅集電体上にコーティングし、乾燥した後、圧延して製造した。この時、電解液としては1.0MのLiPFが溶解されたエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートの混合溶媒(3/3/4体積比)を用いた。
【0038】
*電池特性評価
製造された電池を0.2Cに充電し、0.2Cに放電を1回実施し(化成工程)、0.5C充電、0.2C放電を1回実施した(標準工程)。標準工程1回目の放電量を測定して、下記表1〜3に容量として示した。
【0039】
また、1.0C充電及び1.0C放電によって電池を300回常温寿命テストした結果を下記表1〜3に示し、1.0C充電及び1.0C放電によって電池を300回60℃で寿命テストした結果も共に示した。同時に、製造された電池を4.2Vに充電させた後に貫通テストした結果、及び4.35Vに過充電させた後に貫通テストした結果を下記表1〜3に示した。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【0042】
【表3】

【0043】
上記表1〜3に示したように、LiNi0.8MnO又はLiNi0.8Co0.1Mn0.1の第1正極活物質とLiCoOの第2正極活物質を混合して用いた実施例1〜16の電池は、全て300回常温及び高温寿命の特性実験で容量維持率が70%を越え、また正極活物質容量及び電池容量も優れていた。同時に、貫通実験及び過充電実験でも、実施例1〜16の電池は発火しなかったので、実施例1〜16の電池は高容量特性を示しながらも安全性を確保することができ、常温及び高温寿命の特性が優れていることが分かる。また、全ての実施例で常温及び高温寿命の特性が70%を越え、貫通及び過充電貫通実験時に発火せず安全であったので、容量面から見れば、第1正極活物質と第2正極活物質の混合比率が90〜50:10〜50である実施例1〜5及び実施例9〜13の電池が容量において優れており、90〜70:10〜30である実施例1〜3及び実施例9〜11の電池の容量が最も優れていることが分かる。
【0044】
それに反し、LiCoOのみを正極活物質として用いた比較例1の場合は、正極活物質容量及び電池容量が実施例1〜16の電池に比べて多少低く、また、高容量活物質であるLiNiOのみを正極活物質として用いた比較例2の場合には、常温及び高温寿命の特性が52%及び45%に低下し、また、貫通及び過充電貫通実験時に発火したため、安全性がよくないことが分かる。また、LiMnのみを正極活物質として用いた比較例3の場合には、正極活物質容量及び電池容量、高温寿命の特性がよくないことが分かる。同時に、容量増加及び寿命特性増加のために、LiNiOでNiの一部をCoで置換したLiNi0.8Co0.2の正極活物質を用いた比較例4の場合には、正極活物質容量は増加したが、実際の電池容量はLiCoOと比較して増加せず、また、貫通及び過充電貫通実験時に発火したため、安全性もよくないことが分かる。LiNi0.8Co0.2の正極活物質を使用する場合、活物質容量の増加に比べて電池容量が増加しないのは、この正極活物質を用いて極板を製造する場合の合剤密度の低下によるものと推測される。このような結果は、LiNiOでNiの一部をMn又はCo及びMnで置換した正極活物質を用いた比較例5及び7でも同様であった。つまり、活物質自体の容量は増加するが、極板の合剤密度が3.3g/ccの水準であってLiCoO(3.65g/cc)より低いため、実際の電池容量はLiCoO活物質を用いた比較例1と同一水準で得られることにより、容量面における長所が無くなることである。また、Coの一部をマンガンで置換したLiCo0.8Mn0.2活物質を用いた比較例6の場合には、比較例1に比べて活物質及び電池容量が減少した。
【0045】
また、LiCoOとLiMnを混合した比較例8の場合には、電池容量がLiCoOより低く、LiNiOとLiMnを混合した比較例9の場合には、電池容量はLiCoOより高いが、常温及び高温寿命の特性が60%及び51%であってよくなく、貫通及び過充電貫通実験時に発火するため、安全性もよくないことが分かる。同時に、LiNi0.8Mn0.2又はLiNi0.8Co0.1Mn0.1のような層状構造にLiMnを混合した比較例10〜11の場合には、比較例8〜9より正極活物質容量及び電池容量は多少増加するが、高温寿命の特性がよくなく、過充電貫通実験時に発火するなど、安定性に問題がある虞がある。
【0046】
(極板分析結果)
上記実施例12の電池を化成及び標準評価を実施した後に解体して、正極板のSEM−EDX分析を実施した。電池組立前とは異なって、組立後(電池評価)には極板の構造(縁部あるいは折れた部分)に沿って極板の表面特性が変化する可能性があるので、電池を解体した後に図2のように極板をサンプリングした。
【0047】
つまり、図2に示したように、極板の長辺寸法を100%とした場合、左右20%の長さを除いた中央60%と、短辺も長辺と同様に幅全体を100%とした場合、左右20%の長さを除いた中央60%のSEM−EDX分析を実施した。また、中央60%でも、巻き付け時に折れた部分は除外した。前記中央60%部分を中央部分と呼び、この中央部分より横5cm、縦3cmの大きさで極板を採取して、200mlビーカーに入ったジメチルカーボネート溶媒150mlに5分間浸漬した後に取り出した。
【0048】
次に、取り出した極板を40℃、1×10−4torr(133.32×10−4Pa)の真空度で1時間乾燥してSEM−EDXを測定した。測定された極板SEM写真において、LiNi0.8Co0.1Mn0.1の第1正極活物質部分がよく見えるSEM写真を示す図を図3に示し、また、LiCoOの第2正極活物質部分がよく見えるSEM写真を図6に示した。図3において割れなかった部分は第2正極活物質であり、図6において割れた部分は第1正極活物質である。また、LiNi0.8Co0.1Mn0.1の第1正極活物質部分のEDX結果を図4及び図5に示し、LiCoOの第2正極活物質部分のEDX結果を図7及び図8に示した。
【0049】
図3及び図6から、正極板内にLiNi0.8Co0.1Mn0.1とLiCoOが異なる形状で混合されていることが分かる。LiCoOは大きな塊りの粒子としてそのままの形状を維持し、LiNi0.8Co0.1Mn0.1は圧延時に粒子が割れて押さえられた形状を示す。これは、LiNi0.8Co0.1Mn0.1は1−2μmの1次粒子が固まって2次粒子を構成するため、極板圧延時に押さえられて割れるからである。したがって、押さえられた部分を分析するとNi、Co、Mnの3種の成分が全て見える(図4及び図5)。LiCoOは圧延後にもその形状をそのまま維持するので、大きな粒子を分析するとCo成分のみが見える(図7及び図8)。したがって、極板のSEM−EDX結果を見れば混合した活物質の成分も分かるようになる。
【符号の説明】
【0050】
2 負極
3 正極
4 セパレータ4
5 電池容器
6 封入部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1及び化学式2で表示される物質の少なくとも一方を含む第1正極活物質と下記の化学式3で表示される第2正極活物質とを混合した正極活物質を含む正極と、
負極活物質を含む負極と、
電解液と、
を含むことを特徴とするリチウム二次電池。
[化学式1]
LiNiMn
(上記化学式1で、0.90≦a≦1.2、0.5≦b≦0.9、0<c<0.4、0≦d≦0.2であり、
Mは、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Poからなる群より選択される物質のうちの一つ以上の物質である。)
[化学式2]
LiNiCoMnd1
(上記化学式2で、0.90≦a≦1.2、0.5≦b≦0.9、0<c<0.4、0<d1<0.4、0≦e≦0.2であり、
Mは、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Poからなる群より選択される物質のうちの一つ以上の物質である。)
[化学式3]
LiCoMb1
(上記化学式3で、0.90≦a≦1.2、0≦b1≦0.2であり、
Mは、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、及びPoからなる群より選択される物質のうちの一つ以上の物質である。)
【請求項2】
前記第1正極活物質及び前記第2正極活物質の混合比率は90〜30:10〜70質量比であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項3】
前記第1正極活物質及び前記第2正極活物質の混合比率は90〜40:10〜60質量比であることを特徴とする請求項2に記載のリチウム二次電池。
【請求項4】
前記第1正極活物質は、LiNi0.8Co0.1Mn0.1、LiNi0.8Co0.15Mn0.05、LiNi0.8Co0.05Mn0.15、LiNi0.7Co0.1Mn0.2、LiNi0.7Co0.2Mn0.1、LiNi0.7Co0.15Mn0.15、LiNi0.7Co0.05Mn0.25、LiNi0.7Co0.25Mn0.05、LiNi0.6Co0.3Mn0.1、LiNi0.6Co0.2Mn0.2、LiNi0.6Co0.1Mn0.3、LiNi0.8Mn0.2、LiNi0.7Mn0.3、及びLiNi0.6Mn0.4からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項5】
前記第2正極活物質はLiCoOであることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項6】
前記化学式1で、0.001≦d≦0.2であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項7】
前記化学式2で、0.001≦e≦0.2であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項8】
前記化学式3で、0.001≦b1≦0.2であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項9】
前記負極活物質は、リチウムイオンの挿入及び放出が可能な黒鉛炭素物質(graphitic carbonaceous material)、リチウム金属、リチウム金属の合金、あるいはリチウムと化合物を形成することができる物質であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項10】
前記負極黒鉛炭素物質は、X線回折によるLc(結晶子寸法)が少なくとも20nm以上であり、700℃以上で発熱ピークを有する炭素物質であることを特徴とする請求項9に記載のリチウム二次電池。
【請求項11】
前記負極黒鉛炭素物質は、中間相(メゾ相)球形粒子から炭化段階及び黒鉛化段階を経て製造された結晶性カーボン物質、又は繊維状中間相ピッチから炭化段階及び黒鉛化段階を経て製造された繊維状黒鉛(黒鉛繊維)であることを特徴とする請求項9に記載のリチウム二次電池。
【請求項12】
前記電解液は、ベンゼン、トルエン、フルオロトルエン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ヨードベンゼン、1,2−ジヨードベンゼン、1,3−ジヨードベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、1,2,3−トリヨードベンゼン、1,2,4−トリヨードベンゼン、フルオロトルエン、1,2−ジフルオロトルエン、1,3−ジフルオロトルエン、1,4−ジフルオロトルエン、1,2,3−トリフルオロトルエン、1,2,4−トリフルオロトルエン、クロロトルエン、1,2−ジクロロトルエン、1,3−ジクロロトルエン、1,4−ジクロロトルエン、1,2,3−トリクロロトルエン、1,2,4−トリクロロトルエン、ヨードトルエン、1,2−ジヨードトルエン、1,3−ジヨードトルエン、1,4−ジヨードトルエン、1,2,3−トリヨードトルエン、1,2,4−トリヨードトルエン、R−CN(Rは炭素数2−50個の炭化水素基を有し、この基は直鎖状、分枝状、環構造でも良く、また、その基の中に二重結合、芳香環、又はエーテル結合を含んでいても良い)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセテート、キシレン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルプロピオン酸塩、エチルプロピオン酸塩、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、ジグライム、テトラグライム、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、及びスルホランからなる群より選択される非水性有機溶媒を一種又は二種以上含むことを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項13】
前記電解液は、LiPF:リチウム6フッ化リン(lithium hexafluoro phosphate)、LiBF:リチウム4フッ化ホウ酸塩(lithium tetrafluoro borate)、LiAsF:リチウム6フッ化砒素(lithium hexafluoro arsenate)、LiClO:過塩素酸リチウム(lithium perchlorate)、CFSOLi:リチウム3フッ化メタンスルホン酸塩(lithium trifluoromethane sulfonate)、 LiN(SOCF:リチウムビス(トリフルオロメチル)スルホンイミド及び LiN(SO:リチウムビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミド、LiN(SO:リチウムビスオキザレートボレート(lithium bisoxalate borate)からなる群より選択される一つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項14】
前記電解液は、支持電解塩を0.1〜2.0Mの濃度で含むことを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項15】
電池の特性評価の後に解体して分離した正極板のSEM−EDX測定で、第1正極活物質ではNi、Co、及びMn成分ピークが存在し、且つ第2正極活物質ではCo成分ピークが現れるか、又は第1正極活物質ではNi及びMn成分ピークが現れ、且つ第2正極活物質ではCo成分ピークが存在するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項16】
前記電池の特性評価は、0.1〜2.0Cの充電速度、及び0.1〜2.0Cの放電速度で実施されることを特徴とする請求項15に記載のリチウム二次電池。
【請求項17】
前記電池の特性評価は、0.2〜1.5Cの充電速度、及び0.2〜1.5Cの放電速度で実施されることを特徴とする請求項16に記載のリチウム二次電池。
【請求項18】
前記電池の特性評価は、0.1〜5.0mA/cmの充電電流、及び0.1〜5.0mA/cmの放電電流で実施されることを特徴とする請求項15に記載のリチウム二次電池。
【請求項19】
前記電池の特性評価は、0.2〜4.0mA/cmの充電電流、及び0.2〜4.0mA/cmの放電電流で実施されることを特徴とする請求項18に記載のリチウム二次電池。
【請求項20】
前記電池の特性評価は、1〜300回の充放電を実施することを特徴とする請求項15に記載のリチウム二次電池。
【請求項21】
前記電池の特性評価は、1〜99回の充放電を実施することを特徴とする請求項20に記載のリチウム二次電池。
【請求項22】
前記電池の特性評価の後、電池状態は充電状態あるいは放電状態であることを特徴とする請求項15に記載のリチウム二次電池。
【請求項23】
前記電池の特性評価の後、電池の状態は充電中の状態あるいは放電中の状態であることを特徴とする請求項20に記載のリチウム二次電池。
【請求項24】
前記電池の特性評価の後、電池の開路電圧は1.0〜5.5Vであることを特徴とする請求項15に記載のリチウム二次電池。
【請求項25】
前記電池の特性評価の後、電池の開路電圧は1.5〜4.5Vであることを特徴とする請求項24に記載のリチウム二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−278014(P2010−278014A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158969(P2010−158969)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【分割の表示】特願2005−67799(P2005−67799)の分割
【原出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】