リバウンドハンマーを用いた水中コンクリート構造物非破壊試験方法

【課題】従来の方法は、水中で試験を実施することを考慮し開発されておらず、水中で使用した場合、リバウンドハンマー内部に水が侵入するため、測定機能が十分に作動せず正確な試験が不可能であった。
【解決手段】水の侵入や水圧の影響を防止し、リバウンドハンマーの機能を全て陸上と同様に使用できる性能を備える耐圧性の容器に内臓されたリバウンドハンマーを用いた水中コンクリート構造物非破壊試験方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンクリートの非破壊試験装置に関する。より詳細には、本発明は、水中のコンクリート構造物等の表面強度を簡単に得る事ことができる非破壊試験装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のコンクリートの表面硬度を求める試験方法には、手軽に試験ができる、日本工業規格に規定されているリバウンドハンマー法（ＪＩＳＡ１１５５）がある。
【０００３】
しかし、この方法は、陸上で試験する事を主眼としたものであり、粉じん等については考慮されているが、水中で試験を実施する際に問題となる、水の侵入や水圧に対しての配慮がなされておらず、水中での試験を可能にするものではなかった。
【０００４】
【特許文献１】特開２００４−２３９８５２号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
以上に述べた従来の方法は、水中で試験を実施することを考慮し開発されておらず、水中で使用した場合、リバウンドハンマー内部に水が侵入するため、測定機能が十分に作動せず正確な試験が不可能であった。
【０００６】
また、水中のコンクリート構造物から直接、試験体を採取し、陸上で試験する方法もあるが、試験体の採集に多くの機器や時間、労力を要し、経費の負担が増大するため実用的ではなく、ほとんど実施されていなかった。
【０００７】
本発明は、このような従来の試験方法が有していた問題を解決しようとするものであり、水中のコンクリート構造物等の表面硬度試験を広く一般的に、何処でも、誰にでも、簡単かつ安全に、しかも極めて安価にできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
以上の課題を解決するために、本発明は、水の侵入や水圧の影響を防止し、リバウンドハンマーの機能を全て陸上と同様に使用できる性能を備える耐圧性の容器に内臓されたリバウンドハンマーを用いた水中コンクリート構造物非破壊試験方法である。
【発明の効果】
【０００９】
上述したように本発明の水中でコンクリートの硬度を測定する方法によれば、広く一般的に、何処でも、誰にでも、簡単かつ安全に、しかも極めて安価にリバウンドハンマー試験方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【００１１】
図においては、リバウンドハンマーを内蔵した水中リバウンドハンマー部１は、耐圧性の容器で形成されており、測定値を判読するための耐圧窓２とリバウンドハンマーの打撃棒を突出させるための突出孔３が設けられている。また、突出孔３と反対側には、リバウンドハンマーを内蔵して固定したり、調整保守するための蓋が設けられている。容器内部には、リバウンドハンマーが内蔵されており、リバウンドハンマーの目盛の全てが耐圧窓２から読み取れるようにリバウンドハンマーを固定している。
【００１２】
水中リバウンドハンマー部１は、内蔵したリバウンドハンマーを雨天時や水中において作動させても、水が侵入したり、水深の変化により発生する圧力の影響を受けない構造を備え、リバウンドハンマーの機能を全て陸上における通常の使用と同様に使用できる性能を有している。
【００１３】
耐圧性の容器１のサイズや形状は、リバウンドハンマーの機能の妨げにならず、取扱いが容易にできることが好ましいし、材質は、水中での使用に耐えうることがでる素材であれば、例えば耐蝕アルミニウム等であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明を適用する耐圧性の容器の斜視図である。
【符号の説明】
【００１５】
１水中リバウンドハンマー部
２耐圧窓
３突出孔
４内蔵するリバウンドハンマーの打撃棒

【特許請求の範囲】
【請求項１】
水中のコンクリート構造物等の硬度測定ができることを特徴とするリバウンドハンマー

【図１】