説明

リブ付き本管と支管の接続構造

【課題】良好な止水状態が即座に得られるようにするとともに、その止水状態が確実に得られるようにする。
【解決手段】リブ付き本管11の接続孔12の周縁部と支管21のフランジ部22との間に介装されるゴムカバー31を備える。ゴムカバー31のリブ付き本管11側の面に、リブ付き本管11のリブ13に嵌合する溝部33を形成するとともに、表面には水分を吸収して膨張する水膨張層34を設ける。リブ付き本管11と支管21との間は、支管21のフランジ部22の長手方向の両側部分をバンド81で締めて固定する。この固定に先立って、又は予め、前記バンド81で押えられる部分間に跨るように延びる剛性を有した補強部材91が備えられる。水膨張層34が膨張して止水機能を発揮しているとき、補強部材91はフランジ部22の変形を抑え、止水機能を確実に発揮させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、下水道に用いられるリブ付き本管と、これの側面に取付管を接続するための支管とを接続するためのリブ付き本管と支管の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
前記のような接続構造としては、下記特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
これは、リブ付き本管と支管の鞍掛部との間に、連通孔を囲んだ状態でゴムシール材を挟みこんで、ゴムシール材を圧縮して止水状態を得るものである。ゴムシール材は水膨張性ゴムで構成され、内面にはリブ付き本管のリブに嵌合するリブ嵌合溝と水封止用小突出環が形成され、外面には、支管の鞍掛部に形成された突起が嵌合する凹部が形成されている。
【0004】
このようなゴムシール材の内面と外面の構成によって、リブ付き本管と鞍掛部間からの水漏れの発生を長期にわたって防止することができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−248779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、水膨張性ゴムは、膨張しきるまでに数日から1週間程度の長い時間がかかる。このため、漏れを最初から完全に防止することは困難である。
【0007】
また、特許文献1の接続構造では、鞍掛部の上からリブ付き本管に対してバンドを巻き付けて固定状態を保持したり、内周面に側面視L字型の止爪を枢着した部材を備え、これをハンドルの回転によって移動するようにして爪の係止状態を得て固定状態を保持したりするが、前者のバンドの巻き付けで固定する場合には、連通孔に近い部分において締め付けにくく、ゴムシール材の圧縮状態に不均衡が発生しやすいので、漏れが起こる可能性がある。後者の回転による締め付けの場合には、ハンドルの回転で締め付ける上にゴムシール材が水膨張性ゴムであるので、どこまで締めるのが適切か分かりにくいため締め不足になることがあり、締め不足の場合には漏れが発生するおそれがある。つまり、接続状態の固定の仕方も、漏れ発生の原因となることがある。
【0008】
そこで、この発明は、良好な止水状態が即座に得られるようにすることを主たる目的とし、その止水状態が確実に得られるようにすることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのための手段は、リブ付き本管の側面に支管を接続するリブ付き本管と支管の接続構造であって、前記支管のフランジ部における前記リブ付き本管側に、ゴムカバーが備えられ、該ゴムカバーのリブ付き本管側の面に、リブ付き本管のリブに嵌合する溝部と、水分を吸収して膨張する水膨張層が設けられ、前記支管におけるフランジ部の長手方向の中間部分の浮き上がりを抑制するための補強部材が設けられ、前記フランジの長手方向の両側部分における前記補強部材またはこれを含む部位を押えて固定されるリブ付き本管と支管の接続構造
である。
【0010】
フランジ部の長手方向の両側部分において例えばバンドで締めて固定し、各部材の結合状態を保持したとき、ゴムカバーは溝部がリブ付き本管のリブに嵌合して位置決めされた状態となる。この状態で水膨張層が水分を吸収すると、水膨張層は即座に膨張する。そして、ゴムカバーの本体部分やリブ付き本管に対して圧力をかけながらゴムカバーとリブ付き本管との間を密に塞ぎ、止水をする。このとき、補強部材がフランジ部の長手方向の中間部分の浮き上がりを防止するので、水膨張層が膨張しても隙間ができて水漏れが発生するようなことを回避できる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、この発明によれば、水膨張層の膨張により止水が行われるので、水膨張性ゴムを用いた場合に比して即座に止水性を得ることができる。このため、確実で良好な止水状態が得られる。
【0012】
しかも、この止水状態は、ゴムカバーの溝部によるリブに対する嵌合と、水膨張層の膨張によって得るので、位置決めがなされた上で隙間を塞ぐ良好な止水である。
【0013】
また、補強部材がフランジ部の変形を抑制するので、隙間の発生とそれに伴う水漏れを完全に防止することができる。そして既存の支管を利用することもできるので、前記のような良好な止水状態を得る手段を、より安価に提供できる。
【0014】
また、溝部には水膨張層が設けられているので、接続状態を固定する手段に締め不足があった場合であっても、水膨張層が積極的に隙間を埋めるため、確実な止水性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】リブ付き本管と支管の接続構造の断面図。
【図2】ゴムカバーと支管と接続ゴム管の正面図。
【図3】ゴムカバーの斜視図。
【図4】ゴムカバーの作用状態の断面図。
【図5】ゴムカバーの裏面図とリブ付き本管の平面図。
【図6】支管の片側断面図。
【図7】支管の平面図。
【図8】他の例に係る支管の片側断面図。
【図9】係止爪の作用状態を示す断面図。
【図10】係止爪の作用状態を示す断面図。
【図11】他の例に係るリブ付き本管と支管の接続構造の断面図。
【図12】図11の接続部分の分離状態を示す側面図。
【図13】他の例に係るリブ付き本管と支管の接続構造。
【図14】ゴムカバーの斜視図。
【図15】補強部材の斜視図。
【図16】補強部材についての他の例を示す断面図。
【図17】補強部材の添え方の他の例を示す断面図。
【図18】他の例に係るリブ付き本管と支管の接続構造の部分断面図。
【図19】他の例に係る支管の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明を実施するための一形態を、以下図面に基づいて説明する。
図1は、リブ付き本管11の側面に支管21を接続するリブ付き本管と支管の接続構造を示し、図2はその接続構造において用いられる各部材を分離した状態の正面図である。
【0017】
これらの図に示すように、リブ付き本管11と支管21との間には、ゴム製のゴムカバー31が介装される。また、支管21の上端部には、取付管41を接続するための接続ゴム管51が取り付けられる。支管21に対する接続ゴム管51の固定と、接続ゴム管51と取付管41との固定は、締結バンド61で行う。
【0018】
ゴムカバー31は、平面視長円形状で、側面視略半円形状に湾曲した板状に形成され、中央には長さ方向に長い長円形の貫通孔32が形成されている。貫通孔32の大きさは、リブ付き本管11に形成される接続孔12よりも大きな大きさで、ゴムカバーの外形は支管21のフランジ部22よりも若干小さく設定されている。
【0019】
また、ゴムカバー31におけるリブ付き本管11に当たる内面には、リブ付き本管11のリブ13に嵌合する溝部33が形成されている。
【0020】
そして、溝部33を含む内面の全体には、図3に拡大して示すように、水膨張層34が形成されている。水膨張層34は、水分を吸収すると図4に仮想線で示すように、即座に膨張する部分で、ゴムカバー31のゴム本体と一体に形成されている。この一体にする成形は、水膨張層34となる水膨張シートを、溝部33を有する凹凸形状に成形したのち、その外面側にゴムを成形して行えばよい。この成形は、溶融したゴムを射出して行ったり、軟化したゴムを型締めして行ったり、適宜の方法で行える。
【0021】
なお、前記の水膨張シートは、たとえば不織布と、この不織布に混ぜ込まれた水膨張材で構成される。不織布にはポリエチレンテレフタレートなどが用いられ、水膨張材には、粉粒状のもの、シート状のもの、液状のもの、繊維状のものなどが適宜使用される。水膨張シートが不織布などの多孔質状のものであると、ゴムの一部が不織布内に入り込んで一体化するので、きわめて高い一体性が得られる。
【0022】
また、ゴムカバー31の貫通孔32は、リブ付き本管11に形成する接続孔12の位置がずれることの可能性を考慮して、前記のごとく、図5に示したように長円形に形成される。その上、ゴムカバー31が溝部33を有するため、リブ付き本管11に対する取り付け位置を連続的に変えることはできず、リブ13のピッチごとにずらすことしかできないので、形成される溝部33の配置も、接続孔12の位置ずれを吸収できるように設定されている。
【0023】
前記の支管21は、たとえば塩化ビニルなどの合成樹脂等で形成され、短円筒状の本体部23と、これの下端に形成された平面視略長円形状で側面視半円弧状の、前記のフランジ部22を有する。
【0024】
本体部23の上端は、外周方向に張り出す係合段部23aを有し、また、内周面におけるフランジ部22の長さ方向の相対向位置には、図6、図7に示すように隙間24を隔てて保持板25が架設されている。
【0025】
保持板25は適宜厚の方形板状で、下端には、内周側の方が鋭角になるようにする傾斜面25aが形成されている。
【0026】
保持板25の両端は、図7に示したように、平面視略三角形状をなす一対の突部26の1辺の一部に支持されており、前記の隙間24の平面視形状は、薄いかまぼこ形状をなす。
【0027】
この隙間24に、隙間24内で上下動可能な昇降部材71が保持される。昇降部材71の長さは、保持板25よりも若干短い長さである。そしてこの昇降部材71の下端に、係止爪72が枢着されるとともに、昇降部材71の上端に、係合手段としての連結板73と係合板74が、この順で互いに相対回動するように枢着されている。
【0028】
係止爪72は、垂直部72aと水平部72bを有するL字形に形成されており、水平部72bが図1に示した如く、リブ付き本管11の内周面に係合して接続状態を固定する部分である。つまり、係止爪72の水平部72bが上へ引き上げられることによって、支管21をリブ付き本管11の外周面に押し付けて、前記のゴムカバー31を圧縮することができる。
【0029】
前記の連結板73は、保持板25の厚さよりも若干長く形成され、一端が昇降部材71の上端面位置の第1枢着部75に枢着されている。そして、連結板73の他端位置の第2枢着部76に、係合板74の上端部が枢着されている。
【0030】
係合板74は保持板25の長さよりも若干長く形成され、保持板25に沿って垂直になったときに、先端の係合部74aが保持板25の下端と係止爪72との間に係合するとともに、係止爪72の回動を阻止して、この係合状態が保持されるように構成されている。係合部74aの形状は適宜設定され得るが、図示例では、外側に対して凸の湾曲部と凹の湾曲部を1個ずつ連設した形状である。つまり、係合板74の係合部74aが保持板25の下端に係合するときに、係止爪72が引き上げられるとともに、係止爪72の回動が阻止されて、図1のような接続状態の固定ができる。
【0031】
なお、前記のフランジ部22の内面には、図8に示したように環状の突条27を備えると、ゴムカバー31の圧縮時に、ゴムカバー31の外面が部分的に強く押圧されるので、ゴムカバー31とフランジ部22との間で確実な止水性を得られる。
【0032】
前記の接続ゴム管51は、略円筒状に形成され、長さ方向の下側の支管固定部52が支管21の上端部に嵌合し、上側の取付管固定部53が取付管41を接続する。支管固定部52は、支管21の係合段部23aに嵌合するように外側に膨出している。また、外周面の下端部分には、締結バンド61を固定する凹溝54を有する。さらに、内周面における支管21の前記保持板25に対応する2箇所に、保持板25のほか、係合板74なども上から覆って隠蔽する薄い半円形状の隠蔽片55が突出形成されている。
【0033】
取付管固定部53は、その下端部に外周方向に膨出する膨出部53aが形成され、その上側には、締結バンド61を固定する凹溝54を有している。
【0034】
前記のような各部材を用いて、リブ付き本管11に支管21を接続し、さらに取付管41を接続するには、次のように行う。
【0035】
まず、リブ付き本管11の所定位置に穿孔を行って接続孔12を形成し、接続孔12のバリや切り屑などをきれいに取り除く。
【0036】
つぎに、ゴムカバー31を装着する。ゴムカバー31の貫通孔32のなるべく中心部分に、リブ付き本管11の接続孔12が位置するように、ゴムカバー31の溝部33とリブ付き本管11のリブ13とを合わせる。
【0037】
続いて、支管21をゴムカバー31の上から取り付ける。支管21内に備えた係合板74は図9に示したような非係合状態にしたまま、支管21をゴムカバー31の上から押し当てると、回動する係止爪72が図9に実線で示したように、リブ付き本管11の接続孔12から入って、リブ付き本管11の内周面に係止する。
【0038】
この状態のまま、図10に示したように、第2枢着部76を押し下げ、係合板74を回動して、保持板74に沿うように垂直にするとともに、係合板74の先端の係合部74aを保持板25と係止爪72との間に係合する。すると、この係合に際して、昇降部材71と係止爪72が上方へ引き上げられ、係止爪72の水平部72bと支管21のフランジ部22の間の距離が縮められ、これらの間に位置するゴムカバー31が圧縮される。また、係合板74の係合爪がストッパとなって係止爪72の回動が阻止される。この結果、図1に示したような接続状態が得られる。
【0039】
係止爪72の上昇量は、予め定められた一定量である。このため、ゴムカバー31の圧縮が一定強度で行える。
【0040】
つぎに、取付管41を接続ゴム管51に接続する。
なお、接続ゴム管51は、あらかじめ支管21に対して固定しておくも、後で固定するも、いずれでもよい。
【0041】
接続ゴム管51は、支管21に対しては、支管固定部52を支管21の上端部に嵌合した後、締結バンド61で締め付けて固定する。
【0042】
また、取付管41は、接続ゴム管51の取付管固定部53に差し込んだ後、締結バンド61で締め付けて固定する。
【0043】
このようにしてリブ付き本管11と支管21の接続や取付管41の接続が行われると、後は、リブ付き本管11等を地中に埋めれば、地中に水分で、即座に止水性が得られる。
【0044】
すなわち、接続部分に水分が触れると、ゴムカバー31の水膨張層34がすぐに膨張し、ゴムカバー31とリブ付き本管11の外表面とを押圧して隙間を塞ぐ。この結果、即座に止水性が得られる。しかも、この止水状態は、ゴムカバー31の溝部33によるリブ13に対する嵌合と、水膨張層34の膨張によるので、位置決めがなされた上で隙間を塞ぐ良好な止水である。
【0045】
また、係止爪72の係止によるゴムカバー31の圧縮は一定量のであるので、圧縮しすぎたり圧縮不足になったりすることはなく、水膨張層34の膨張を考慮して所望の強さで接続できる。このため、膨張しすぎによる管などの損壊や、圧縮不足に起因する隙間の発生による漏れなどを確実に回避できる良好な止水状態が容易に得られる。
【0046】
接続状態の固定は、前記の係止爪72などを用いずに、バンドを用いて行う場合でも、ゴムカバー31の内面全体に水膨張層34が備えられているので、たとえ締め不足があったとしても、一応の締め付け状態が得られていれば、水膨張層34が積極的に隙間を埋めるので、良好な止水状態を確実に得られる。
【0047】
図11は、接続状態の固定をバンド81の巻き付けで行った場合の例を示す。すなわち、支管21はフランジ部22の長手方向の両側部分がバンド81によって締め付けられて、接続状態が保持されている。
【0048】
図12は、図11に示した接続構造における各部材を分離した状態の側面図である。これらの図に示すように、リブ付き本管11と支管21との間には、前記と同様にゴム製のゴムカバー31が介装されている。
【0049】
前記支管21は、ゴムで形成され、平面視長方形状で側面視半円弧状のフランジ部22を有する。また、前記の接続ゴム管51(図1参照)を一体にした構造である。つまり、支管21の本体部23には、屈曲を可能にする蛇腹部23bが形成され、それより上側には、取付管41を接続する取付管固定部23cが形成されている。図中、23dは補強リングである。
【0050】
この構造は周知のもので、既製の支管を使用することもできる。図11中、61は締付バンドである。
【0051】
そして、支管21がゴム製であり変形し易いので、前記フランジ部22には、補強部材91が添えられる。
【0052】
前記ゴムカバー31は、前記フランジと同様に、平面視長方形状をなし、側面視半円形状に湾曲する板状に形成され、中央には、長手方向に長い長円形の貫通孔32が形成されている。この貫通孔32は、前記と同様、リブ付き本管11に形成する接続孔12の位置がずれることの可能性を考慮して長円形に形成されている。これに対応させて支管21については、図13に仮想線X,Yで示したように、支管21の取付管固定部23cの断面形状を円形(仮想線X参照)にする一方で、支管21の本体部23の下端部23eの断面形状を長円形(仮想線Y参照)に形成すると、位置決めが容易になる。
【0053】
また、貫通孔32の大きさは、リブ付き本管11に形成される接続孔12よりも大きな大きさで、ゴムカバー31の外形は支管21のフランジ部22よりも若干大きく設定されている。フランジ部22に対する大きさは、それより小さいものであっても、同じであってもよい。
【0054】
ゴムカバー31におけるリブ付き本管11に当たる内面に溝部33が形成されているのは、前記の場合と同様である。ただ、ゴムカバー31の内面に形成される水膨張層34は、溝部33を含む内面全体ではなく、図14に示したように、部分的に形成されている。図示例では、前記貫通孔32を囲むように適宜幅の四角い枠状に形成されている。水膨張層34についてのその他のことについては前記の例と同様であるので、詳しい説明を省略する。
【0055】
なお、前記の例でも同様であるが、ゴムカバー31は、硬度が低い軟質のゴムで形成されるのが好ましい。具体的には例えば、JIS規格 K6253の5 デュロメータ硬さ試験による硬度単位HAで、15〜30HAくらいであるとよい。
【0056】
前記補強部材91は、フランジ部22における前記リブ付き本管11の長手方向と同じ、長手方向に延びる端縁部の中間部分が浮き上がるのを抑制するためのもので、剛性を有する金属材で形成される。前記のようにバンド81でフランジ部22の両側部分を締めるので、中間部分が浮き上がる可能性があった。なお、支管21が前記の例のように塩化ビニル等の硬質の合成樹脂で形成されたものである場合には、補強部材91を省略することもできる。
【0057】
補強部材91は、図15(a)に示したように細長い板状で、両端部に前記バンド81が係止する切欠部92が形成されている。切欠部82の幅はバンド81の幅に対応し、切欠部92の間隔はリブ付き本管11のリブ13のピッチに基づいて設定される。
【0058】
なお、補強部材91は、図15(b)に示したように棒状又は線状であるもよく、図15(c)に示したようにバンド81で締めたときにフランジ部22の長手方向の中間部分をより強く押えられるように反った形状のものであるもよい。必要があればバネ性を有する材料で構成することもできる。この場合には、補強部材91をよい薄い材料で形成できる。
【0059】
また、図16(a)に示したようにフランジ部22の表面の湾曲形状に沿って湾曲した形状のもであってもよい。
【0060】
そして、これらのような形状の補強部材91をフランジ部22に沿わせたときに補強部材91の位置がずれるのを防止するために位置決め部22aが形成されるもよい。位置決め部22aは、図16(b)に示したような凹所で構成するほか、たとえば突起や突条などで構成するなど、適宜形成される。
【0061】
図16(c)に示したように、補強部材91をフランジ部22の中に埋設することもできる。補強部材91が水分と接することがないので、補強部材91が錆等で劣化することを防げる。
【0062】
また、図17に示したように、補強部材91を、支管21のフランジ部22の表面や内部に備えるのではなく、フランジ部22とゴムカバー31の間に挟持させることもできる。ゴムカバー31は柔らかいので、容易に変形し、フランジ部22で押えられたときには位置が固定される。前記の位置決め部22aのような構造(仮想線参照)を形成することもできる。
【0063】
部品点数を低減するには、図18に示したように、前記ゴムカバー31に相当する部分を一体に形成した支管21を用いるとよい。すなわち、支管21は、前記と同一構造の本体部23とフランジ部22を有し、フランジ部22の内面には、ゴムカバー部28が一体成形により形成されている。ゴムカバー部28の硬さが前記のゴムカバー31と同様に軟質に設定され、本体部23とフランジ部22の硬さは、それよりも硬く設定される。たとえば、ゴムカバー部28の硬度が、JIS規格 K6253の5 デュロメータ硬さ試験による硬度単位HAで、15〜30HAくらいであるのに対して、フランジ部22の硬度は、70HAくらいであるとよい。
【0064】
ゴムカバー部28の内面には、前記の水膨張層34と同様に水膨張層29が形成される。図示例のように部分的に形成するも、前面に形成するも、いずれでもよい。この水膨張層29については前記の例と同様であるので、詳しい説明を省略する。
【0065】
このようなゴムカバー部28一体型の支管21を用いれば、図18に示したように、部品点数を低減でき、施工を容易にすることができる。
【0066】
また、この場合も、支管21の本体部23の下端部23eの形状を長円形に形成するとよい。
【0067】
さらに、図19に示したように、補強部材91を支管21に埋設することができる。補強部材91を埋設して一体化すると、さらに部品点数を低減でき、作業性が良好になり、コストの低減も図れる。
【0068】
前記のような各部材を用いてリブ付き本管11に支管21を接続し、さらに取付管41を接続する際には、前記と同様、リブ付き本管11の所定位置に接続孔12を形成した後、ゴムカバー31と支管21、あるいはゴムカバー部28一体型の支管21を、接続孔12部分に取り付ける。そして、補強部材91を添えて、あるいは補強部材91が埋設された支管21を用いる場合にはそのまま、バンドで81締め付けて固定する。バンド81による締め付けで、支管21におけるフランジの長手方向の両側部分は押さえられ、ゴムカバー31またはゴムカバー部28を圧縮する。
【0069】
このとき、補強部材91がフランジ部22の長手方向の中間部が浮き上がるのを抑える。このため、水膨張層34,29が膨張してもフランジ部22が変形することは無く、水漏れを確実に防止できる。
【0070】
また、前記のように部品点数を低減し利してコストを抑えることができる上に、支管に既製品を使用することもできるため、前記のような良好な止水を可能にする接続構造を安価に提供できる。
【0071】
なお、前記のような補強部材91を備えることは、前記の係止爪72等を用いて固定する場合にも適用することができる。また、補強部材91は前記のような細幅板状や棒状等の形態に形成されずに、フランジ部22のその他の部位も含めて、あるいはその他の部位の変形を抑制するように設けられるもよい。
【0072】
この発明の構成と、前記の発明を実施するための一形態の構成との対応において、
この発明のゴムカバーは、前記のゴムカバー31とゴムカバー部28に対応するも、
この発明はであって、この発明は、前記の構成に限定されるものではなく、その他の形態を採用することもできる。
【符号の説明】
【0073】
11…リブ付き本管
12…接続孔
13…リブ
21…支管
22…フランジ部
23…本体部
24…隙間
25…保持板
28,31…ゴムカバー
33…溝部
29,34…水膨張層
71…昇降部材
72…係止爪
73…連結板
74…係合板
74a…係合部
81…バンド
91…補強部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リブ付き本管の側面に支管を接続するリブ付き本管と支管の接続構造であって、
前記支管のフランジ部における前記リブ付き本管側に、ゴムカバーが備えられ、
該ゴムカバーのリブ付き本管側の面に、リブ付き本管のリブに嵌合する溝部と、水分を吸収して膨張する水膨張層が設けられ、
前記支管におけるフランジ部の長手方向の中間部分の浮き上がりを抑制するための補強部材が設けられ、
前記フランジの長手方向の両側部分における前記補強部材またはこれを含む部位を押えて固定される
リブ付き本管と支管の接続構造。
【請求項2】
前記補強部材が、前記支管のフランジ部の上に添えられる
請求項1に記載のリブ付き本管と支管の接続構造。
【請求項3】
前記補強部材が、前記支管のフランジ部とゴムカバーの間に保持される
請求項1に記載のリブ付き本管と支管の接続構造。
【請求項4】
前記補強部材が、前記支管又はゴムカバーの中に埋設された
請求項1に記載のリブ付き本管と支管の接続構造。
【請求項5】
前記ゴムカバーが、前記フランジ部に一体成形された
請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載のリブ付き本管と支管の接続構造。
【請求項6】
リブ付き本管の接続孔の周縁部と支管のフランジ部との間に介装されるゴムカバーであって、
前記リブ付き本管側の面に、リブ付き本管のリブに嵌合する溝部と、水分を吸収して膨張する水膨張層が設けられ、
前記リブ付き本体側とは反対側に、前記フランジ部の長手方向の中間部分の浮き上がりを抑制するための補強部材が備えられる
ゴムカバー。
【請求項7】
リブ付き本管の接続孔の周縁部を覆うゴムカバーを押えるフランジ部を有した支管であって、
前記ゴムカバーのリブ付き本管側の面には、リブ付き本管のリブに嵌合する溝部と、水分を吸収して膨張する水膨張層が設けられており、
前記フランジ部に、フランジ部の長手方向の中間部分の浮き上がりを抑制するための補強部材が備えられた
支管。
【請求項8】
前記ゴムカバーがフランジ部に一体成形された
請求項7に記載の支管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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