説明

リボフラビン配糖体の精製方法および分析方法

【課題】高純度のリボフラビン配糖体を効率よく精製することができるリボフラビン配糖体の精製方法を提供し、併せて試料である粗精製物の成分を定量的に分析可能とする分析方法を提供する。
【解決手段】生物由来の酵素を利用してリボフラビンと糖類から合成されたリボフラビン配糖体の粗精製物からリボフラビン配糖体を精製するリボフラビン配糖体の精製方法において、粗精製物を、リボフラビンおよびリボフラビン配糖体を吸着する性質の充填剤を詰めた充填剤保持体に入れ、充填剤保持体に糖類を溶出する溶媒を流して粗精製物から糖類を分離し、次いで、充填剤保持体にリボフラビンおよびリボフラビン配糖体を溶出する性質の溶媒を流してリボフラビンおよびリボフラビン配糖体をカラムから流下させ、リボフラビンおよびリボフラビン配糖体が入った溶液を濃縮乾固し、乾燥物をリボフラビンは溶解しリボフラビン配糖体は難溶の溶媒に溶かしリボフラビン配糖体を再結晶させてリボフラビン配糖体を分離することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸状菌(Mucor javanicus等)等の生物由来の酵素を利用してリボフラビンと糖類からリボフラビン配糖体を合成した粗精製物からリボフラビン配糖体を単離するリボフラビン配糖体の精製方法および分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
糸状菌(Mucor Javanicus等)の菌体内に、リボフラビンと糖類からリボフラビン配糖体の一つであるリボフラビングルコシド(riboflavinylglucoside)を生成する酵素が存在することは、本発明者等の研究によって既に報告されている(非特許文献1参照)。近年、各種ビタミンの配糖体の生理活性や薬理研究が進展し、リボフラビン配糖体についても未知の生理活性,薬理効果が期待されており、より高純度で効率のよいリボフラビン配糖体の精製が要請されている。
従来のリボフラビン配糖体の精製方法は、図4に示すように、糸状菌(Mucor javanicus等)由来の酵素、リボフラビン(図中、B2と表示)およびマルトース等の糖類を反応させてリボフラビン配糖体を生成し(図中、B2glと表示)、約10ml(培養ビンの1/25)の反応液をろ紙にスポットし、酢酸エチル:ピリジン:水=10:3:3の溶離液で展開する。展開に要する時間は15時間である。展開した黄色の部分を切り取って集め、水で抽出した後、リボフラビンをエタノールで結晶化させてリボフラビン配糖体を分離するようになっていた。
【0003】
しかし、従来のリボフラビン配糖体の精製方法では、リボフラビンとリボフラビン配糖体を分離できるものの、糖類がリボフラビン配糖体と分離されずに混入してしまい、純度が低くなるという問題があった。また、1回の分離操作に要する時間が、約1週間程度と、長くかかり過ぎるという問題もあった。
一方、反応液の成分分析についても、精製と同じ溶離液を使って、ペーパークロマトグラフィー(PPC),薄層クロマトグラフィー(TLC)によって行っており、リボフラビン配糖体の定量的な評価ができず、大量に存在する糖類についても検出できなかった。また、従来の方法では大過剰の糖類を必要としていた。
また、精製,分析に使用するピリジン,酢酸エチルは可燃性危険物に属する有機溶媒であり、扱いにくいという問題もあった。
【非特許文献1】日本ビタミン学会会誌「ビタミン」第42巻,第1号,別冊(P.8〜P.13)、 昭和45年7月25日発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記した従来技術の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、高純度のリボフラビン配糖体を効率よく精製することができるリボフラビン配糖体の精製方法を提供し、併せて精製されるリボフラビン配糖体の粗精製物を定量的に分析可能とする分析方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、これらの課題を解決するために鋭意研究した結果、液体クロマトグラフィーの手法によって、カラム又はろうと等の充填剤保持体に保持された充填剤にリボフラビンおよびリボフラビン配糖体を吸着させて糖類を分離し、次いで、吸着剤からリボフラビンおよびリボフラビン配糖体を脱離させ、リボフラビン配糖体を再結晶させてリボフラビン配糖体を分離することにより、糖類を含まない純度の高いリボフラビン配糖体を精製することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、生物由来の酵素を利用してリボフラビンと糖類から合成されたリボフラビン配糖体の粗精製物からリボフラビン配糖体を精製するリボフラビン配糖体の精製方法において、粗精製物を、リボフラビンおよびリボフラビン配糖体を吸着する性質の充填剤を詰めた充填剤保持体に入れ、充填剤保持体に糖類を溶出する溶媒を流して粗精製物から糖類を分離し、次いで、充填剤保持体にリボフラビンおよびリボフラビン配糖体を溶出する性質の溶媒を流してリボフラビンおよびリボフラビン配糖体を充填剤保持体から流下させ、リボフラビンおよびリボフラビン配糖体が入った溶液を濃縮乾固し、乾燥物をリボフラビンは溶解しリボフラビン配糖体は難溶の溶媒に溶かしリボフラビン配糖体を再結晶させてリボフラビン配糖体を分離することを特徴とするリボフラビン配糖体の精製方法である。
【0006】
また、本発明のリボフラビン配糖体の分析方法は、生物由来の酵素を利用してリボフラビンと糖類からリボフラビン配糖体を合成した粗精製物に含まれる成分を液体クロマトグラフィーにより分析するもので、ODSカラムを用い、溶離液としてアルコールを用いたことを特徴とする分析方法である。
特に、糖類(二糖類、オリゴ糖類、多糖類、ただし単糖類は除く)から合成されたリボフラビン配糖体の分析に好適である。
アルコールの濃度は、5〜25重量%が好適で、特に10重量%とすれば、リボフラビンとリボフラビン配糖体を完全に分離できた。また、緩衝液としてリン酸緩衝液を用いることが好ましく、濃度は10mMとすることが好適であった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
1)リボフラビン配糖体の粗精製物の生成
リボフラビン配糖体の粗精製物は、リボフラビンと糖類に、生物由来の酵素液を添加し、pHを整えた緩衝液中で所定温度に維持し所定時間反応させて生成する。温度条件は37℃、反応時間は48時間の条件が好適である。
【0008】
酵素は、糸状菌(Mucor javanicus等)に由来するものが好適である。酵素は細胞内に存在しているので、これらの菌を培養して乾燥させ、そのまますりつぶしたのち少量の水を加えて遠心分離し、その上清を酵素液とする。
糸状菌の他に、麹菌(Aspergillus oryzae)等の菌類、牛,羊,ラットおよびモルモット等の動物の血清、肝臓抽出物等にも、リボフラビンと糖類を反応させてリボフラビン配糖体を生成する酵素の存在が知られており、これらの菌類および動物の血清、肝臓抽出物等も利用可能である。
これらの酵素は、糖転移反応を触媒する酵素(トランスグルコシダーゼ)で、酵素によって糖類の単糖と単糖をつないでいるグリコシド結合を切断すると同時に新しくリボフラビンと結合をつくる。この酵素反応で用いられる糖類としては、単糖類を除く各種の二糖類(ラクトース、マルトース、セロビオース、メリビオース、ゲンチオビオースなど)、三糖類、オリゴ糖(数個の単糖が結合している化合物)およびスターチ等の多糖類が使用可能であり、酵素によってリボフラビンに末端の糖を転移させる。糖類については、単糖類以外であればよく、その種類は限定されないが、二糖類、オリゴ糖、多糖類が本発明のリボフラビン配糖体を得るのに適している。
もっとも、本発明は上記酵素に限定する趣旨ではなく、単糖,多糖に限らず、リボフラビンに糖類を結合する生物由来の種々の酵素が利用可能であり、生成されるリボフラビン配糖体もリボフラビンに単糖が結合したものに限定されず、リボフラビンに多糖類が結合したものも含まれる。
【0009】
2)リボフラビン配糖体の精製
リボフラビン配糖体の精製工程は、試料の粗精製物から蛋白質や核酸を含む巨大分子を除く除蛋白工程と、充填剤により、粗精製物から余分な糖類を除く脱糖工程と、充填剤保持体からリボフラビンおよびリボフラビン配糖体を離脱させるリボフラビン,リボフラビン配糖体流去工程と、リボフラビン配糖体を再結晶させてリボフラビン配糖体を分離する再結晶工程と、から構成される。
【0010】
2−1)除蛋白工程
除蛋白工程は、粗精製物から、主として酵素液に含まれていた蛋白質および核酸等の巨大分子を除去する工程で、遠心分離や濾過によって機械的に分離する。核酸は蛋白質ではないが、便宜上除蛋白工程と呼ぶものとする。除蛋白工程は、遠心分離により巨大分子を除去し、その上清を濾過して遠心分離で除去できなかった蛋白質や核酸を除去することが好ましい。
遠心分離工程は、粗精製物を遠心分離機にかけて蛋白質等を沈殿させ、上清をデカンテーションする。この工程で細胞破砕物由来の巨大分子(蛋白質や核酸)が除去される。
遠心分離は、4500rpm程度の回転数で、20分程度行うことが効果的である。
遠心分離で除去できなかった比較的低分子の蛋白質や核酸を除去する濾過材としては種々の濾過材を利用可能であるが、メンブランフィルタが好適である。
【0011】
2−2)脱糖工程
脱糖工程は、まず、リボフラビンおよびリボフラビン配糖体を吸着する性質の充填剤を充填した保持体としてのカラムまたはろうとに除蛋白した粗精製物を入れる。粗精製物の溶液中のリボフラビンおよびリボフラビン配糖体が充填剤に吸着される。
充填剤としては、多孔質有機高分子粒子が好適である。多孔質有機高分子粒子としては、スチレン−ジビニルベンゼン系重合体が好適で、たとえば、ダイヤイオンHP20(三菱化学(株)の商品名)等が利用可能である。
粗精製物を入れた充填剤保持体に、糖類を溶出する溶媒を流して洗浄し、糖類を除去する。
糖類を溶出する溶媒としては、充填剤に吸着されたリボフラビン,リボフラビン配糖体は溶出せず糖類のみを溶出させる溶媒であり、水,アセトン等が適用可能で、特に、水が好適である。充填された粗精製物中の糖の量,カラムまたはろうとの大きさ,温度条件等にもよるが、水を総量で3リットル程度流せば糖を完全に除去することができる。
【0012】
2−3)リボフラビン,リボフラビン配糖体流去工程
脱糖した後、充填剤保持体にリボフラビンおよびリボフラビン配糖体を溶出する性質の溶媒を流し、充填剤に吸着されているリボフラビンおよびリボフラビン配糖体を溶出して充填剤保持体から流下させる。この時点で、溶液中にはリボフラビンとリボフラビン配糖体のみが残っている。
この流去工程で使用するリボフラビンおよびリボフラビン配糖体を溶出する溶媒としては、アルコールが有効であり、特にメタノール,エタノールが好適である。メタノールとエタノールでは、エタノールの方が好ましい。エタノールの濃度としては、10〜100%程度のものが好適である。
【0013】
2−4)再結晶工程
再結晶工程では、まず、リボフラビンおよびリボフラビン配糖体が入った溶液を濃縮乾固する。エバポレータあるいは凍結乾燥により濃縮し、最終的に真空乾燥などによって乾燥させる。
そして、乾燥物を、リボフラビンは溶解可能でリボフラビン配糖体は難溶の溶媒によりリボフラビン配糖体を再結晶させてリボフラビン配糖体を分離する。再結晶に使用する溶媒としては無水エタノールが好適である。
【0014】
このように、本発明によれば、リボフラビンと糖類を反応させたリボフラビン配糖体の粗精製物から、多孔質有機高分子粒子を利用して糖類を分離し、次いで、リボフラビンとリボフラビン配糖体を溶出し、無水エタノールによってリボフラビン配糖体を再結晶させてリボフラビン配糖体を精製したので、糖類の混入が無くほぼ100%の高純度のリボフラビン配糖体を精製することができた。
また、カラムまたはろうとを用いるので、一回で処理できるスケールが大きくなった。
さらに、溶出液としては、エタノールや水を使うので、安全でかつ安価に精製できる。
また、分離操作に要する時間も従来は約1週間かかっていたのに対して、約2日で分離することができるようになった。
【0015】
3)リボフラビン配糖体の分析
上記したリボフラビン配糖体の粗精製物に含まれる成分を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析する。
この分析には、ODSカラムを用い、溶離液としてアルコールを用いる。ODSカラムは、公知のシルカゲルの担体にオクタデシルシリル基を化学結合した充填剤が詰められたカラムである。
アルコールとしては、メタノール、エタノール等が利用可能で、特にエタノールが好適である。アルコールの濃度は、5〜30重量%、特に10重量%とすることが好適である。
【0016】
また、緩衝液としてリン酸緩衝液を使用することが好適である。リン酸緩衝液の濃度は10mMとすることが好ましい。緩衝液としては、リン酸緩衝液に限定されるものではなく、分析対象の成分と反応せず、pHを一定に保つものであればよい。
成分分析は、リボフラビン配糖体の粗精製物をODSカラムに注入し、アルコールを溶離液として溶出させることにより、リボフラビンとリボフラビン配糖体を分離する。
検出器としては、紫外線吸収検出器が用いられる。アルコール濃度は15〜30%ではピークが不明瞭となるが、10%では完全に分離することができる。
また、検出器として、示差屈折率検出器(RI検出器)を用いることにより、マルトースとグルコースについても確認できた。
【実施例】
【0017】
以下に、本発明の具体的態様を実施例により更に詳細に説明する。
(1)リボフラビングルコシドの生成
図2に示すように、リボフラビン(B2:0.05g)、マルトース(2.5g)に、糸状菌(Mucor Javanicus等)由来の酵素液を添加し、pH4.3(20℃)のクエン酸/NaOH緩衝液中で37℃で48時間反応させて反応液中に、リボフラビンにグルコースが結合したリボフラビン配糖体としてのリボフラビングルコシドを生成した。
酵素液は、糸状菌(Mucor Javanicus等)の粉末乾燥菌体をそのまま乳鉢ですりつぶしたのち少量の水を加えて4500rpmで遠心分離し、その上清である。
【0018】
(2)リボフラビングルコシドの精製
リボフラビン配糖体が含まれる粗精製物750mlを、回転数4500rpmで20分間遠心分離することにより、細胞由来の酵素を含む蛋白や核酸等を沈殿させ、上清をデカンテーションし、さらに遠心分離で除去できなかった蛋白等を、細孔径が0.2μmのメンブランフィルターで濾過して750mlの濾液を得た。
この濾液100mlを、図1に示すように、多孔質有機高分子粒子を充填したHP−20カラム(内径100.0mm,長さ50〜100mm)に充填し、水101約3リットルを通水して洗浄し、濾液から未反応のマルトースや副生成物のグルコース等の糖類102を除去した。
【0019】
次いで、100%未満のエタノール103を用い、HP−20充填剤に吸着されたリボフラビンとリボフラビングルコシドをエタノールに溶出させてカラムから流去する。
この溶出液をエバポレータにより濃縮乾固して約180mgの乾燥物を得た。
この乾燥物をごく少量の水に溶解せしめ、無水エタノール105をまぜて冷暗所に1〜2日放置し、結晶化したリボフラビングルコシド104を約105mg得た。
図4に示した従来方法の場合には、酢酸エチル:ピリジン:水=10:3:3の溶離液を用いて、ペーパークロマトグラフィーにより試料をろ紙上に展開するだけなので、精製物110のリボフラビングルコシドに糖類が大量に混入してしまう。
【0020】
(3)リボフラビングルコシドの分析
リボフラビングルコシドの粗精製物について、次の条件の高速液体クロマトグラフィーで分析した。
ODSカラムとして、Develosil(野村化学(株)の登録商標)ODS−UG−5を用いた。このODSカラムは内径2.5mm、長さ300mmのカラムである。
このODSカラムに、試料を10μl注入し、移動相として固定相より極性が高い10%エタノール/10mMリン酸緩液の混合液を流速1.0ml/minで通液した。カラムの温度は40°Cである。
紫外線吸収検出器には、JascoUV−2070(日本分光株式会社の商品名)を用い、波長280nmまたは460nmとしてクロマトグラムを記録することにより、図3に示すようにリボフラビンとリボフラビングルコシドのピークが得られた。
また、示差屈折検出器として、Jasco RI−2030(日本分光株式会社の商品名)を用いることより、同条件にて、保持時間1.6分付近にマルトースとグルコースを確認できた。
なお、上記実施例では、精製されるリボフラビン配糖体として、リボフラビングルコシド(Ribofravinylglucoside)を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、リボフラビンガラクトシド(Riboflavinylgalactoside)等の他の単糖類が結合したもの、リボフラビンマルトシド(Riboflavinylmaltoside),リボフラビンメルビオシド(Riboflavinylmelibioside)等、二糖類,多糖類が結合した各種リボフラビン配糖体についても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は本発明のリボフラビン配糖体としてのリボフラビングルコシドの精製工程を示す概念図である。
【図2】図2は図1の精製に用いられるリボフラビングルコシドの合成行程の分子式を示す図である。
【図3】図3は本発明のリボフラビングルコシドの分析方法によって得られたクロマトグラムの一例を示す図である。
【図4】図4は従来のリボフラビン配糖体の精製工程を示す概念図である。
【符号の説明】
【0022】
101 水
102 糖類
103 エタノール
104 リボフラビングルコシド(精製物)
105 無水エタノール



【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物由来の酵素を利用してリボフラビンと糖類から合成されたリボフラビン配糖体の粗精製物からリボフラビン配糖体を精製するリボフラビン配糖体の精製方法において、
粗精製物を、リボフラビンおよびリボフラビン配糖体を吸着する性質の充填剤を詰めた充填剤保持体に入れ、該カラムに糖類を溶出する溶媒を流して粗精製物から糖類を分離し、
次いで、充填剤保持体にリボフラビンおよびリボフラビン配糖体を溶出する性質の溶媒を流してリボフラビンおよびリボフラビン配糖体を充填剤保持体から流下させ、
リボフラビンおよびリボフラビン配糖体が入った溶液を濃縮乾固し、
乾燥物を、リボフラビンは溶解し、リボフラビン配糖体は難溶の溶媒に溶かしリボフラビン配糖体を再結晶させてリボフラビン配糖体を分離することを特徴とするリボフラビン配糖体の精製方法。
【請求項2】
生物由来の酵素は、糸状菌(Mucor javanicus等)に由来する酵素である請求項1に記載のリボフラビン配糖体の精製方法。
【請求項3】
粗精製物には蛋白質を含む巨大分子が混在しており、遠心分離により蛋白質や核酸を除去することを特徴とする請求項1に記載のリボフラビン配糖体の精製方法。
【請求項4】
遠心分離後、糖類を分離する前に、遠心分離で除去できない巨大分子を濾過により除去する請求項3に記載のリボフラビン配糖体の精製方法。
【請求項5】
遠心分離後、糖類を分離した後に、遠心分離で除去できない比較的小分子の蛋白質や核酸を濾過により除去する請求項3に記載のリボフラビン配糖体の精製方法。
【請求項6】
糖類を溶出する溶媒は水である請求項1に記載のリボフラビン配糖体の精製方法。
【請求項7】
リボフラビンおよびリボフラビン配糖体を溶出する性質の溶媒はメタノールまたはエタノールである請求項1に記載のリボフラビン配糖体の精製方法。
【請求項8】
リボフラビン配糖体を再結晶させる溶媒は無水エタノールである請求項1に記載のリボフラビン配糖体の精製方法。
【請求項9】
生物由来の酵素を利用してリボフラビンと糖類(二糖類、オリゴ糖類、多糖類、ただし単糖類は除く)から合成されたリボフラビン配糖体の粗精製物に含まれる成分を液体クロマトグラフィーにより分析するリボフラビン配糖体の分析方法であって、
液体クロマトグラフィーにODSカラムを用い、溶離液としてアルコールを用いたことを特徴とするリボフラビン配糖体の分析方法。
【請求項10】
アルコールの濃度は、5〜30重量%としたことを特徴とする請求項9に記載のリボフラビン配糖体の分析方法。
【請求項11】
アルコールの度を10%としたことを特徴とする請求項10に記載のリボフラビン配糖体の分析方法。
【請求項12】
溶離液の緩衝液にリン酸緩衝液を用いたことを特徴とする請求項9または10に記載のリボフラビン配糖体の分析方法。
【請求項13】
リン酸緩衝液の濃度を10mMとした請求項12に記載のリボフラビン配糖体の分析方法。
【請求項14】
アルコールはメタノールまたはエタノールである請求項9に記載のリボフラビン配糖体の分析方法。
【請求項15】
生物由来の酵素は、糸状菌(Mucor javanicus等)に由来する酵素である請求項9に記載のリボフラビン配糖体の分析方法。
【請求項16】
リボフラビン配糖体の分画成分の検出は紫外線検出器により行い、糖類の分画成分の検出は示差液体屈折率検出器によって行う請求項9に記載のリボフラビン配糖体の分析方法。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−288303(P2006−288303A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−114973(P2005−114973)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【出願人】(598015604)サガミ計測株式会社 (1)
【出願人】(597040902)学校法人東京工芸大学 (28)
【Fターム(参考)】