説明

リボンイオンビーム用高アスペクト比、高質量分解能アナライザマグネット及びシステム

【課題】約45度以上、約110度以下の角度で高アスペクト比のリボンイオンビームを曲げることができ、質量分析のために分析スリットを通してその焦点を合わせることのできる、イオン注入装置用の高分解能磁気アナライザを提供する。
【解決手段】高分解能磁気アナライザは、弓形ヨーク110と、ループ形状コイル120と121を鏡面対称に位置合わせされたアレイとを備える。そして、弓形ヨークの出入口両方においてループ形状コイルのそれぞれは伸長され、それぞれの丸みを帯びた端部でサドルコイルとして知られる曲線状の形状を有する。この構造により、漏れ磁場を低減し、磁場領域内に均一な磁場を生成するので高品質の集束を実現し、それにより高分解能、高アスペクト比、および軽量化を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、質量分析リボン形状イオンビームに関し、特に事前に選ばれた角度で高アスペクト比リボンイオンビームを曲げ、高分解能及び高受容を有する質量分析用イオンビームに焦点を合わせることができる新規の高分解能マグネットに関する。
【背景技術】
【0002】
イオンビームシステムの分野ではリボン形状のビームの形で生成したイオンビームを生成することが所望されることがある。これらのリボンビームは、(シリコンウエハーまたはフラットパネルディスプレイなどの)母材がイオンビームを通って移動するイオン注入機装置及び注入システムにおいて一般的に使用される。これらの例では、リボンイオンビームは、該ビームが注入を受けている母材の任意のサイズ寸法より幅広くなり、したがってイオンビームのただ一度の通過において、イオンの均一な用量が表面上、及び該母材の内部物質中に注入できるような高アスペクト比を有する。これらの用途の性能において、リボンビームは平行して移動するそのイオン飛翔経路を有し、シリコンウエハーまたはフラットガラスパネル中へのイオンの均一な注入に適した均一な電流密度外形を示すように注意深く制御されることも非常に望ましい。
【0003】
A.技術分野及び市販されているシステムの概要
一般的に、イオン源が通常、イオン源フィード物質の中に、及び/または源自体の物質中に存在する1つまたは複数の望ましくない種類を含むビームを生じさせることは長い間公知のことである。したがって、あらゆる不必要な種類または成分をこれらのイオンビームから分離し、拒絶するために磁気分析を使用することは長年に渡ってこの業界では標準的な慣行であった。しかしながら、概して,及び特に高パービアンスのそれらのビーム用の大きなリボン形状ビームにとって、この種の磁気質量分析及びイオンビーム生成はかつてないほど困難且つ高価になってきている。
【0004】
元々、用語パービアンスは、空間電荷された制限されている熱電子二極管中の電流を支配するチャイルド−ラングミュア(Child−Langmuir)方程式(G=I/V3/2)の中の定数Gとして定義されていたことが留意される。重いイオンビームの場合、この等式はイオン質量及び電荷を考慮するために法則化されなければならず、したがってさらに有効な定義は以下の式のとおりである。
【0005】
【数1】

【0006】
ここではmはイオン質量であり、Qはその電荷であり、Iはビーム電流であり、Vはそれがそこを通って加速される電位である。
リボンイオンビームを分析し、輸送するための技術の一般的な状態だけではなく、この特定の技術的な問題も、その全文が明示的に本書に組み込まれているWhiteら「サイズが最高24インチまでの平行リボンイオンビーム中の均一性の制御(The Control of Uniformity In Parallel Ribbon Ion Beams Up To 24 Inches In Size)」、科学と工業における加速器の応用例(Applications Of Accelerators In Science And Industry)1998年、AIP、830ページ、1999年によって見直されている。
【0007】
今日、従来と同じように販売されている商業的なシステム
今日、販売のために商業的に提供されているイオン注入機装置及び注入システムの中には、日新イオン機器株式会社(Nissin Ion Equipment Co.,Ltd.)(日本、京都)、住友イートンノバ株式会社(Sumitomo Eaton Nova Corporation)(日本、東京)及び石川島播磨重工業社(Ishikawajima−Harima Heavy Industries Co. Ltd.)(日本、東京)によってフラットパネルディスプレイ(つまり「FPD」)用のイオンビーム注入のために販売されているものがある。これらの商業的に販売されているシステムは、過去において、ビームがイオン源を離れるときにビーム中にほぼ常に存在する汚染物質種類を拒絶する能力がない、あるいはほとんどない装置及びイオンビームを構成していた。
【0008】
対照的に、商業的な販売のための三井造船株式会社(Mitsui Engineering and Shipbuilding)は、適度な分解能(すなわち約2パワー)―多くの場合複数の異なった商業的に有効な源要素のイオンビームから著しい種の汚染物質を除去するために十分である―しか有さないマグネットを使用して質量分析されてきた均一なリボンビームでフラットパネルディスプレイを注入できる商業的な販売用の注入装置およびシステムを製造している(米国特許第5,834,786号から複写された従来技術、図1を参照すること)。
【0009】
また、バリアンセミコンダクターイクイップメント株式会社(Varian Semiconductor Associates, Inc.)も、フラットパネルディスプレイ用の前述した注入機と対照的に適切なリボン形状のビームを生成するために2種類の異なった磁石を使用するシリコンウエハーの注入用のイオン注入機を製造している。第1のマグネットはイオンビームを質量分析し、第2のマグネットはビームの中のイオンをより平行にさせる。このバリアン(Varian)の2つのマグネットシステムにおける分解能は他の市販されているイオン注入機が実現できるのと同程度に優れており、通常は80M/△M FWHMを超える。このため、この構造上のフォーマット―2つのマグネットシステムはイオンビームの均一性及び純度のデファクトスタンダードになり、現在、他のすべてのリボンビーム注入システムを突き合せて判断するシステムである。しかしながら、残念なことに、この2つのマグネットシステムには重大な欠点がある。つまり、それは複雑で高価であり、サイズが最高300mmのリボンイオンビームを生じさせるためだけに製造されているということである(米国特許第5,350,926号から複写される従来の技術図2を参照すること)。
【0010】
質量分析に使用されるマグネットの主要な問題
多くの異なる問題が、質量分析に使用されるそれらのマグネットのこの技術分野で働く実践者により一般的に認識され、知られている。これらは、適切な分解能、注入システムの異常、[プラズマの不安定性及び/または磁化されたイオンビーム中の空間電荷の中和の損失に起因する。例えば、Alexeff,I.「ただ1種の同位体種を用いるカルトロン(同位体分離装置)のための閾値(Instability Threshold for a Calutron(Isotope Separator) with only one Isotope Species)」、プラズマ科学に関するIEEE報告書(IEEE Transactions on Plasma Science)、第PS−11巻、第2、90−91号(1983年)を参照すること]ビーム破裂を起こさずに高パービアンスのビームを伝達する、制限された能力、及び種々の他のイオン注入機システムの不具合及び欠陥を含むが、これらに限定されない。

【0011】
適切な分解能
シリコンウエハー注入システムの技術分野中では、60を超えるマグネット分解能[すなわち、密接に離間された磁気剛性率のイオン間を分離し、区別する能力]が最適、且つ望ましいこと、及び――生産性と引き換えることが可能ならば、及び可能なときには−−60未満(すなわち分離及び区別能力が劣っている)の分解能を有するマグネットが日常的に使用に許容できると見なされていることは一般に認められている。したがって、適切なサイズのリボンビームを直接出力することができ、同時に約30を超える分解能で分析できるマグネットがフラットパネルディスプレイ市場用に今日市販されているそれらの注入機およびシステムで使用されるのならば、これは納得でき、所望されるであろう。しかしながら、約30を超える分解能を有する分析マグネットだけが最近、不完全に導入され、このようなシステムで活用されていることが留意される。これらのうち、フラットパネルディスプレイ用のただ1つの市販されているイオン注入機装置だけが30を超える分解能を有しており、それはここに説明されるような高電力消費、極端な重量、及び漂遊磁界を含む重大な欠点を抱えている。

【0012】
システム異常
システム異常の幅広い問題を描写するただ一つの代表的な例として、日新イオン機器は、最近、単一の大きな曲げ磁石を使用し、従来のシステムで利用できるより高い磁気分解能を達成するフラットパネルディスプレイを注入するための装置の製造を開始した。この日新システムでは、リボン形状ビームの長い方の(幅)寸法はイオン源のサイズによって決定され、それを横切って磁場が作られなければならない(北の磁極から南の磁極への)分析マグネット内の開空間空隙のサイズがイオンビームの寸法より大きい。構造上、日新のアナライザマグネットは、形状と断面が実質的に矩形である鋼ヨークを有する。ワイヤコイルがこの矩形ヨークの側面に多かれ少なかれ均一に巻き付けられ、該巻き付けられたコイルは、電流密度が必要に応じて替えられ、それによりヨークの中で生じる磁場の均一性を制御するように細分化されている(米国特許番号第6,160,262号から複写される、それぞれ従来の技術図3aと図3bを参照すること)。
【0013】
リボンビームを曲げる単一のマグネットの中で高い分解能を達成する主要な困難の1つは、イオンビームの形状の歪みを引き起こす深刻な二次異常を生じさせる非常に高い可能性である[例えば、前述されたWhiteら、AIP出版物におけるこの問題に関する説明を参照すること]。このような歪みの発生及び存在には主要な関心事の2つの結果として生じる影響がある。つまり一方の影響は、アナライザマグネットから得られる質量分解能を削減することである。他方の結果はフラットガラスパネル(あるいはそれ以外の場合母材)がそれを通して走査されるビームの有効アスペクト比を悪化させ、それによりさらに長い走査距離を必要とし、走査の注入効率を減じることである。
【0014】
これらの認識されたシステム異常を鑑みて、日新は、コイル電流分散が高アスペクト比イオンビームの側面に沿って均一に広がるように適切な高さのワイヤコイルを利用することによってこれらの重要な欠点を有意義な程度まで制御しようと試みた。これは「ウィンドウフレーム」マグネットとして知られている概念を拡大したものである。しかしながら、「ウィンドウフレーム」マグネットはヨーク内で内部的に必要とされる磁場を発生させることができるが、それはまた同時に磁石から距離が大幅に広がることができる非常に強力な漏れ磁場を発生させる「裸の」ダイポールマグネットをヨーク構造の外部上に生じさせる。

【0015】
「漏れ磁場」の同時発生に関する問題
強力な「漏れ磁場」の同時発生における公知の欠点中には、(i)人員の高磁場への曝露に関する、特にペースメーカー使用者に対する安全性の問題と規制の問題、(ii)装置内のイオン源の性能に対する漂遊磁界の影響、(iii)(フラットパネルディスプレイの使用により回避できる)陰極線管に対する漂遊磁界の影響、及び(iv)敏感な電子機器の動作中に実行されるシステム調整に対する影響がある。さらに、(漏れ磁場を発生させる)ウィンドウフレームマグネットの蓄積エネルギー及び電力消費が非常に大きい場合があり、これらの問題を和らげるために必要とされる磁気遮蔽と組み合わせて、装置とシステム全体の重量は非常に大きくなる場合がある。
【0016】
したがって、過去においては漏れ磁場によって引き起こされる漂遊磁界問題を克服するためのいくつかの試みが行われてきた。例えば、バンヴェニスト(Benveniste)は、漂遊磁界を制御するために磁場クランプの使用を提案した(米国特許番号第6,770,888号及び第6,835,930号を参照すること)。しかしながら、この手法は、磁場クランプがビーム曲げ磁石の光学特性を微調整するために位置を調整された、多くの大アスペクト比システム――バリアン(Varian)SHC−80及びVIISta−80注入機において顕著な――で使用されてきた、過去において使用された従来公知の解決策である。また、バンヴェニスト方法は、バリアン社(Varian Associates)によって販売されたSHC80イオン注入機の中でも1994年に初期に活用され、磁場クランプの同様な使用は多くの初期イオンビームシステムで実践されてきた。
【0017】
さらにいくつかの顕著な早期の技術的な出版物が「漏れ磁場」の問題を直接扱ってきた。これらの印刷された出版物は、早期の例をいくつか示しているオックスフォード大学(Oxford University)のNicholas R.Whiteによる1983年学位論文、及び均一な場を有する分解能マグネット中の漏れ磁場の範囲を制御するための磁場クランプの使用を説明するだけではなく、マグネットの焦点特性に対するこのような漏れ磁場の影響の詳細な分析を行っているアカデミック出版(Academic Press)(1980年)、Ed A.Septier、応用荷電粒子光学(Applied Charged Particles Optics)中のHarold Engeによる記事を含む。最後に、今日、漏れ磁場の影響を制御するための機能は調整可能であるパラメータとしてのTRANSPORTなどのビーム光学プログラムの中に含まれると認識されている。
【0018】
さらに、導電コイルがマグネット構造のほぼ全体を取り囲んでいるため、漏れ磁場は日新及びバンヴェニストによって開示されている型のウィンドウフレームマグネットにおいて何倍も強力且つ大規模である。したがって磁場クランプの手法はさらに必要とされ、効果的に配備するのがさらに困難である。より従来のマグネット構造はヨーク中の導電コイルの大部分を含んでいる。

【0019】
B.最適に設計されたリボンビーム高電流イオン注入システム
理想的な高電流イオンビーム注入システムの設計
(それぞれが上記で見直された前記に引用されたシステム内の少なくとも1つで個別に見つけられてよい)以下の機能及び動作特性を提供する(少なくとも1つのイオン源と、イオンビーム加速システムと、分析マグネットとを備える)イオンビーム注入システムを設計することが最も望ましいであろう。
【0020】
(i)所望されるシステムは高アスペクト比及び矩形断面の大きなイオンビームを送達することができ、アプリケーションがそれを要求する場合、長い方の寸法で少なくとも800mmとなることができる。
【0021】
(ii)所望されるシステムは少なくとも45度、好ましくは90度の角度でこのイオンビームを磁気的に偏向させ、狭いビーム寸法の方向で曲げ、それによって〜40を超える分解能を達成する。これには二次異常の厳しい制御が必要である。
【0022】
(iii)所望されるシステムの磁場は必要とされる領域に効率的に限定され、この領域外では急速に減衰する。
【0023】
(iv)マグネットを通るビーム経路が所望されるシステム内のイオン源に提示する角度の受入れは、特に高パービアンスビームの伝達を最大限にするために可能な限り大きくなくてはならない。
【0024】
また、これらの初期の目的を満たす一方、以下を行うことが最も望ましいであろう。
(a)(必要とされる磁気遮蔽を含む)マグネットシステムの重量を最小限に抑える、
(b)コイルの電力消費を最小限に抑える、
(c)出力ビームのサイズとアスペクト比を維持する一方、マグネットとイオン源の両方の必要とされる主寸法を縮小する、
(d)システムの構造を簡略化し、その製造コストを削減する。

質量分析用に高アスペクト比及び高分解能を有するリボンイオンビーム生成の根本的な問題
【0025】
質量分析用に高分解能を提供する注入システムにおいて高アスペクト比リボンビームを生じさせるという根本的な問題における解決策を見つけるために過去において行われた報告済みの努力のいくつかを検討することも適切である。長年に渡って、成功の程度はさまざまである多くの非常に異なった手法が試された。
【0026】
当初、少なくとも2つまたはそれ以上のマグネットが組み合わされて活用されていた。権利の報告されている進展は以下を含む。
【0027】
(1)1985年、Douglas Hamiltonらは(7つまたは13のビームレットから構成される)概して円形のビームが従来のアナライザマグネットで分析されてから、背の高い楕円形のビームを形成するために四極子型レンズの連続で成形されたシステム[米国特許番号第4,812,663号を参照すること]を開示した。
【0028】
(2)1990年、N.R.Whiteは、従来の割合――すなわち、曲げ半径の<20%の極間隙及び1に近いマグネットにおけるビームのアスペクト比――の分析マグネットの中心で中央部を形成するために強力に収斂したビームを使用したシステム[米国特許番号第5,126,575号を参照すること]を開示した。イオンビームはマグネットを離れた後に拡大することを許され、最後に小さいセクタマグネットで視準された。
【0029】
(3)1993年、Whiteらは、2つのマグネットを使用したシステムを開示した[米国特許番号第5,350,926号を参照すること]。つまり、第1のマグネットは分析スリットからの高い発散度(+/−>6度)を有するビーム中で高分解能を達成し、第2のマグネットは平行したビーム中にイオンを形成した。ビームの短い軸は磁場と位置合わせされた。
【0030】
それ以後、装置及びシステム内でただ1つのマグネットのみを使用して、革新的な開発が行われた。これらの後の努力は以下によって例証され、表わされる。
【0031】
(4)1995年、Whiteらは平行なビームを生じさせるが低い分解能(約2)を有する単一マグネット付きシステム[米国特許番号第5,834,786号を参照すること]を開示し、その中では高アスペクト比ビームは場の方向にその短い軸を向けられた。
【0032】
(5)1998年、N.R.White[上記に示されたAIP引用]は、このようなシステムのためのオプションを見直し、従来の双極子(別々の極によって確定される場)が、深刻すぎたため場とリボンイオンビームの長い軸との位置合わせを可能にすることができなかった異常を有するであろうと結論した。
【0033】
(6)また、1998年にTakahashiら[1999年IEEEによって出版された日本京都、IIT−98会議]が、大きな開口度を提供するために、複数のコイルがヨークの脚部の回りに巻き付けられた「ウィンドウフレーム」マグネットの使用を開示した。最初に、これは1に近いアスペクト比を示したが、米国特許番号第6,160,262号の本文はこの特定の設計を高アスペクト比ビームとの使用に適していると開示している。
【0034】
(7)さらに1998年に、Aitken[IEEE(1999)年196ページによって出版されたIIT’98会議、日本京都]は、リボンビームにおける質量分解能を達成するための横断方向四極子型レンズの複雑なシステムを開示した。
【0035】
(8)2000年頃、私信が、垂直アレイ内の導体の間の平行した通路を介して均一な場の中に及び中からイオンビームが通され、それにより高アスペクト比マグネットの「漏れ磁場」を制御するための境界を形成するマグネットをKawasakiらが設計したことを明らかにした。
【0036】
(9)最後に、Chenらに2002年6月11日に発行された米国特許番号第6,403,967号は、ベッドステッドコイル(bedstead coil)を備えるアナライザマグネットを説明しているが、その必須構造の一部としてコイルの二次的な対も組み込んでいる。さらに、そこに開示されるように、Chenらの構造の明瞭に表現された目的及び真の目標は事実上、以下の2つの要素からなる。それは(i)強力に非均一な磁場を有するマグネットを提供することと、(ii)イオンビームの非均一性を調整するために制御の要素を提供することである。このようにしてChenらの発明は、きわめて高いパービアンスビームでの空間電荷補償を維持するために設計、構造化される。また、Chenらのマグネットを通過するイオンビームのアスペクト比は1であるとして開示されていることは特筆すべきである。
【0037】
事象のこの短い年代準配列及び一覧によってさえも、主要な開発のイニシアチブ及び大きな努力が、複雑ではなく、コンパクトなシステムにおいてリボンイオンビームの高分解能分析を達成する相対的に簡略な方法を見つけるために使い果たされたことは明らかである。それらの大部分は、報告された技法内の多くの欠点及び欠陥にも関わらず、ある程度有効な成功をおさめた。
【発明の開示】
【0038】
本発明は複数の態様及び応用例を有する。1つの主要な態様は、移動するリボンイオンビームから不必要なイオン種を分離するための磁気アナライザを提供し、前記磁気アナライザは、リボンイオンビームが移動するときにリボンイオンビームのための中心軸と意図された弧の経路であって、前記中心軸は曲線をなす形状を有し、弧形は0.25メートルと2メートル間の半径を持ち、湾曲の角度は約45度以上、約110度以下の範囲となる中心軸と意図された弧の経路と、前記所定の曲線を成す中心軸を包含し、連続リボンイオンビームが移動するときに連続リボンビームのための前記意図された弧の経路を取り囲む弓形ヨーク構造であって、少なくとも部分的に強磁性物質から形成され、固定された寸法と実質的に矩形の断面と、移動するビームの入口と出口としての役割をする2つの別々の開口端と、移動するビームのための空間通路としての役割をする決定可能な体積の内部空間領域とを備える前記弓形ヨーク構造と、位置合わせされたアレイとして平行に設定されるループ形状コイルの鏡面対称の対であって、(a)該位置合わせされたアレイ中の該対の各離散コイルは、(i)少なくとも部分的に電気的に導電性材料から構成される細長い完全なループであり、(ii)それぞれが同じ方向に曲げられている2つの丸みを帯び、傾いた離散ループ端部を有する細長い完全なループであり、(iii)各セグメントが事前に選ばれたシーケンス位置にあり、リボンイオンビームが前記弓形ヨーク構造の前記内部空間領域内を移動するとき前記リボンイオンビームのための中心軸及び意図されたアーク進路に関して個々の角度向きにある順次直列に配置される複数の導電性セグメントの組として形成される細長い完全なループであり、(b)鏡面対称の2つのループ形状コイル組の位置合わせされたアレイは、(iv)対における他のループ形状コイルの2つの丸みを帯び傾いた端部のための曲げ方向と対向した1つのループ形状コイルの2つの丸みを帯び傾いた端部の曲げ方向を提示し、(v)2つのコイルそれぞれにおける閉ループの空洞体積を介して中心の開空間チャネルを提供し、前記中心の開空間チャネルが傾いた丸みを帯びたループ端部の各対からアレイの線寸法距離で他方に伸張し、(vi)反対に曲げられた傾いたループ端部の1対が前記弓形ヨーク構造の2つの開口端のそれぞれから伸張し、隣接しているように前記弓形ヨーク構造の2つの対向する壁の内面に沿った前記内部空間領域内に配置され、(vii)前記曲線を成す中心軸のための制限境界として、及び連続イオンビームが前記弓形ヨーク構造の前記内部空間領域内に配置された後に前記2つのループ形状コイル間の間隙空間内で移動するとき、連続リボンイオンビーム用の意図された弧の経路としての役割をする位置合わせされた平行に設定されるループ形状のコイルの鏡面対称の対とを備える。
【0039】
本発明の第2の態様は、リボンビームを形成するための長穴付き開口をイオン源に提供し、該ビームは二次元でそれから分岐する。前述されたようなマグネットは45度と110度間の角度で該リボンビームを曲げ、ビームが曲げられる方向で集束を提供するが、磁場の方向ではほとんど、またはまったく集束を提供しない。その結果、マグネットを離れるリボンビームは高アスペクト比の線焦点に焦点を合わせられる。
【0040】
この焦点付近のビームの周りに配置されるレンズは、ほぼ平行になるためにイオン源長穴の長い軸の方向で飛翔経路を分岐させるために集束を提供する、四極磁場を発生させる。ターゲットはこのようにして生成された平行ビームを通過し、それによってその面全体に前記表面全体でのイオンの入射角でほとんどまたはまったく変動がないイオンの用量を注入してよい。
【0041】
本発明のさらなる態様は、前記に加えて、マグネットの入口または出口近くでビームの周りに配置される多極レンズを提供し、リボンビームの均一性をその長い方向で制御できるようにする。
【0042】
本発明の別の態様に従って、イオンビームの境界付ける弓形鋼ヨークは矩形断面から逸れ、境界となる鋼表面間の距離は曲線を成すビーム軸に沿った距離とともに変化し、イオンビームがマグネットを通過するときイオンビームの所望される拡大するサイズ外形と一致する。間隙は変化するため、磁場は一定ではなく、ビーム軸の曲率はその長さに沿って変化する。
【0043】
本発明の追加の態様は、境界となる鋼表面の外形を曲げることおよび、イオンビームの形状の歪み及び異常を最小限に抑えるために鋼ヨークの入口端縁と出口端縁を曲げることに対して備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
I.本発明を構成する(Comprising)全体としての主題
【0045】
その最も簡略な形式で、本発明はアレイとして形成される1対の位置合わせされたベッドステッドコイルを有するアナライザマグネットを備え、高アスペクト比リボンイオンビームを少なくとも45度の角度で、最高約110度まで曲げることができ、質量分析を提供するために、不必要なイオン成分が伝達されない一方、所望されるイオン成分が分解長穴を通過するようにリボンビームに焦点を合わせることができる。また、リボンイオンビームの長い横断方向軸が曲げ半径の50%を超える場合があり、この軸がアナライザマグネットによって生じる磁場と位置合わせされる。
【0046】
1対のベッドステッドコイルは位置合わせされたアレイとして鏡面対称で設置され、アナライザマグネット構造内で電流を運び、本質的に優れた磁場均一性及びうまく封じ込められた漏れ磁場(本来、ビームが出入りする領域において以外ゼロ)によって特徴付けられた磁場を発生させる。対にされたベッドステッドコイルの位置合わせされたアレイにより、イオン注入システムにおいて今日従来使用されていた他のマグネットを用いて過去に可能であったよりはるかに軽量の装置用の構造の製造が可能になる。
【0047】
本発明を介して、リボンイオンビームは高分解能を達成するために少ない異常で再び焦点が合わせられ、それはイオン注入業界において実質的に貴重である。また、注入システムのサイズは、膨張及び質量分析(精製)後にリボンイオンビームの非常経路を視準する(平行にする)ために小さいイオン源及び四極レンズを使用することによって、現在、著しく縮小できる。
【0048】
そのより精密且つ複雑な実施形態のどれかにおいて、本発明は、一連の飛びぬけた優位点及び種々の過去に手に入らなかった利点を提供する、(少なくとも1つのイオン源と、加速システムと、分析磁石として1対のベッドステッドコイルを有するウィンドウフレームマグネットとを備える)イオンビーム注入装置及び注入システムを提供する。
【0049】
これらの実質的な優位点及び利点の中には以下の特徴、機能、作動パラメータ、及び全体的な特性がある。
【0050】
1.本発明は高アスペクト比及び矩形断面の、直径300mmのシリコンウエハーを注入するためだけではなく、大型フラットパネルディスプレイの注入にも適した長い方の(高さ)寸法で少なくとも800mmの大きなイオンビームを送達することができる。
【0051】
2.本発明は少なくとも45度の角度で、好ましくは約90度でリボンイオンビームを磁気的に偏向させ、ビームの短い方の(幅)寸法の方向でビームを曲げ、それにより約40を超える分解能を達成する。この能力及び達成には二次(2nd−order)異常の注意深く、正確な制御が必要になる。
【0052】
3.本発明は、リボンイオンビームが通過するヨーク内部の中の指定された空間通路領域に効率的に閉じ込められ、この指定された空間通路領域の外側で急速に減衰するようになる磁場を発生させる。
【0053】
4.本発明は(任意の必要とされる磁気遮蔽を含む)アナライザマグネットシステム全体の重量を最小限に抑える。
【0054】
5.分析マグネットの構造中に配置される巻き付けられたワイヤコイルの電力消費を最小限に抑える。
【0055】
6.本発明は、出力リボンイオンビームの所望される幅寸法サイズ及び高アスペクト比を維持する一方、アナライザマグネットとイオン源両方の必要なサイズ寸法を縮小する。
【0056】
7.本発明は、全体として高アスペクト比リボンイオンビーム注入システムの構造及びサイズを簡略化し、その製造コストも著しく削減する。
【0057】
II.本発明の技術的根拠
【0058】
A.商業的なイオンビーム業界全体としては、平面層から構築されるワイヤコイル付きマグネットを製造することが普通になった。ワイヤコイルは移動するイオンビームのどちらかの側に位置する強磁性(通常は鋼)極部品の回りに配置される。ダイポールマグネットの鋼極間の空間的な距離(磁気)ギャップは一般的にビームが曲げられる半径の25%未満であり、これらの条件下では、鋼極部品は磁石によって発生する磁場の成形の便利且つ効果的な手段となる。
【0059】
極表面は、異常を制御する目的のために磁場を成形するためにたいていは非平面である。しかしながら、非平面の極表面に配置されるワイヤコイルの平面層は通常単純な形状であり、一般的には、異常を制御する主要な手段としての役割をするために、移動するイオンビームに十分に近くはない。したがって、ビーム曲げ磁石の磁気ギャップが曲げ半径の20%から25%を超えると、磁場の形状を制御し、それによって鋼極のみによって異常を制御することは非常に困難になる。
【0060】
二次異常は、通常、ビーム焦点の幅における成長(増加)を引き起こし、多くの場合、リボンビームの断面外観を「スマイル(smile)」形状の歪みに曲げさせる。高次異常は、ビーム極値でのさらに悪化した曲線状または弓形の形状の歪みを引き起こす可能性がある。さらに、これらの種類の異常は、そのさらに長い横断方向(高さ)寸法に沿ってイオンビームの電流密度(均一性)において顕著な偏差を生じさせるであろう。
【0061】
B.本発明は、より複雑なコイル形状が、極空間空隙が曲げ半径の約50%を超えるときにきわめて重要である構造上の根拠である、アナライザマグネットによって発生する磁場の形状を制御する上で大きな優位点を提供するという認識に基づいている。より複雑なコイル形状の他の優位点は、強磁性ヨークの製造の簡略化、システムの質量におけるかなりの総合的な削減を含む。また、より複雑なコイル形状を形成する上でのいくつかの不利な点もある。これらは主にコイルの製造の費用にあるが、優位点が上回るのは明確である。
【0062】
したがって、本発明のアナライザマグネットは、磁石によって発生する磁場全体を画定し、制御するために(ここで図5と図6により図示されるように)アレイと鏡面対称で位置合わせされた、1対の正確に配置され、角度方向付けられたベッドステッドコイルを使用する。位置合わせされた対における各ベッドステッドコイルは、三次元経路に沿って巻き付けられる導電材料を使用して個別に製造されてきた。さらに、位置合わせされた対における各コイルは閉ループまたは楕円構造として存在し、順次直列に接合された複数のセグメントの組により形成され、組の結果であり、組におけるそれぞれの個々のセグメントは予め選択された個々のシーケンス位置に、リボンイオンビームの移動の意図された曲線を成す軸に関して角度方向で順々に固定される。したがって、ループ形状コイル構造におけるその2つの丸みを帯びた端部のそれぞれに配置されるセグメントは傾斜、あるいは事前に選択された角度で曲げられており、これらの傾斜した端部を構成する丸みを帯びたセグメントの正確な角度向きはベッドステッド形状全体の外観を生じさせる。
【0063】
位置合わせされたアレイにおけるベッドステッドコイルは鏡面対称で設置され、マグネットの内部中で所望される磁場を発生させるために相互に一致した対としてともに利用される。この構造上の配列は図6によって示される。
【0064】
C.図3a及び図3bによってそれぞれここで示される代表的な従来技術のシステムで使用される幾何学形状は鋼ヨークによって包含される領域で所望される均一性を有する磁場を生じさせるが、ヨークの外部で付随して生じる漂遊磁気影響は本発明とは非常に異なる。
【0065】
また、図3a及び図3bによって例証される従来の技術のシステムでは、イオンビームが鋼ヨークにおける空間間隙に出入りする場合に――したがって、これらのコイルを導電性対としてともに接合する電気的な接続が、物理的にビームがそこを通って移動するのを遮り、ヨークの空間間隙を通るビームの通過を妨げるであろうために――ヨークの一方の側にあるコイルのセグメントをヨークの他方の側にあるコイルの適切なセグメントに単に接続してから、電流がそれらの間で直接的に循環できるようにすることが不可能であることが一般的に認識されている。
【0066】
したがって、この問題を解決するために、図3aによって示される従来技術の構造は鋼ヨーク4の右脚部の外側に配置される導体5のための戻り経路を使用し、鋼ヨークの左脚部の外側に位置する導体6のための戻り経路を使用する。[図3a中の参照番号がAokiらの米国特許番号第6,160,262号から複写され、ここで本発明のために使用されるそれらの参照数字とは異なることに注意すること。]しかしながら、この戻り導体により発生する磁場は望ましくなく、その場所は問題がある。この望ましくない漂遊磁界は図7aに示されている。
【0067】
この同じ問題を解決するための別の、異なった従来技術の解決策は、コイル端部で導体材料薄板を使用し、ビームの著しい量が遮られずに通過できる大きな間隙が間にある、それらを共に接合することであった。この手法の欠点は、かなりの量のビームが薄い導体の端縁によって遮られることである。
【0068】
D.本発明は図5及び図6によって示されるように2つの個々の導体コイルセグメント間に電気的な回路及び連係を生じさせるためのまったく異なった技法を使用する。
【0069】
そこに見られるように、ループ形状コイル120の上部の傾斜した丸みを帯びた端部の第1のセクタ120aを形成するセグメントは上方へ曲げられ、ビームがヨークの空間間隙を介して移動するときにビームの上部全体で、及び上部で伸張し、上方へ曲げられた丸みを帯びた端部のこの第1のセクタ120aは構造上傾斜した丸みを帯びた端部の第2のセクタ120bを形成するセグメントに接続され、電気的に接合される。この接続は、順次直列で配置されるセグメントの2つのセクタ120a、120b間に第1の直接的な電気的連結を形成し、ループ形状コイル120の傾斜した丸みを帯びた端部を生じさせる。この構造はコイル120の他方の丸みを帯びた端部について同一であり、それにより全体としてのループ形状コイル120用の回路を完成する。
【0070】
ループ形状コイル121について状況は類似しているが、方向的に対向する鏡面対称である。コイル121の下方に傾斜する丸みを帯びた端部の第1のセクタ121aを形成するセグメントは下方に曲げられ、ビームがヨークの空間空隙を通って移動するにつれてビームの底部全体および底部下に広がる。そして該下方に曲げられた丸みを帯びた端部のこの第1のセクタ121aは傾斜する丸みを帯びた端部の第2のセクタ121bを形成するセグメントに構造上接続され、電気的に結合されている。この接続が順次直列で配置されるセグメントの2つのセクタ121a、121b間に第1の直接的な電気的な連結を形成し、ループ形状コイル121用の傾斜した丸みを帯びた端部を生じさせる。この構造はコイル121の他の下方に傾斜した丸みを帯びた端部に対して繰り返され、それによって全体としてループ形状のコイル121用の回路を完成する。
【0071】
この構造は、図6に図示されるように、位置合わせされたアレイにおける2つの対向した傾斜したコイルのそれぞれのいくぶん複雑な弓形の形状を生じさせる。実際、導体を数十回または数百回、ループ形状コイルにおいてセクタを形成するセグメント内に含まれる経路上で巻きつけ、2本のリード線が電流源をこのコイルに接続するために設けられる。
【0072】
この建築上の配列及び構造の総合的な結果は形状と機能の両方において他とは異なり、ループ形状コイル120、121のそれぞれのための2つの傾斜した丸みを帯びた端部のそれぞれを備える2つの広がった曲線状セクタ各々の、古い真鍮のベッドステッドの曲線状金属端部に対する位相的な相似はより一般的に使用されている記述的な名称、及び全体的な弓形ヨーク建築配列において「ベッドステッドコイル」としての短縮形の名称を与えたのは当然のことである。
【0073】
このようにして、導体から形成される1対のベッドステッド形状コイルは、位置合わせされたアレイとして鏡面対称であり、2つのループ形状コイルのこのアレイはヨーク構造の内部中に設置され、イオンビーム移動軸の中央平面で一方の閉コイルループが鏡面対称の他方の上にのっている。アレイ対を形成するこれらの2つのコイルは電気的に直列で接続され、単一電流源に接続されても、または各個別ベッドステッド形状コイルは独立して、且つ個別に専用の電流源に接続されてもよい。
【0074】
E.1つが移動するイオンビームの上に、1つが移動するイオンビームの下に伸張する2つの別々のコイルのそれぞれの長さはマグネット構造における弓形ヨークの内壁と外壁の周囲の距離の合計より少ないため、「ベッドステッドコイル」に頻繁に引用された優位点はその製造においてより少ない銅の含有量を使用し、電気的な電力要件の削減を提供するその能力である。これらの優位点は価値においてきわめて現実的であるが、この文脈で有されるさらに重大ないくつかの優位点がある。
【0075】
1.図3a及び図3bによって示される従来技術の構造では、ヨークの外側で戻る導体は鋼ヨーク中における追加の磁束を発生させる。事実上、それらは側壁内で約2倍の磁束を発生させる。したがって、飽和を回避するためには、従来技術のマグネットは、本発明と比較してヨークの側壁における鋼の厚さを少なくとも2倍にしなければならない。したがって、本発明は必要とされる鋼の重量を削減する。
【0076】
2.外部導体によって発生する磁場は大きな距離伸張する。それは、通常大きな双極子として現れる。遮蔽されていない磁気双極子からの場はマグネットからの距離の立方に比例して(双極子寸法と相対的に)大きな距離で落下する。対照的に、本発明の構造ヨークの外側で落下する磁場はほぼゼロに近い値であり、鋼材料自体の有限透磁率によって生じる最小の場のみを構成する。図3a及び図3bの従来技術のマグネットにより生じる外部磁場は図7aに示されている。相対的に、図7bは本発明の外部磁場を示している。2つのケースで概して類似した規模のビーム経路に沿って伸張する外部場があることに注意しなければならない。しかしながら、相対的には、本発明のベッドステッドコイル端部はある距離をおいて場を減衰するのに役立ち、それは六極場に相似し、距離の5乗で落下する。本発明は遮蔽を必要とせず、著しく重量を節約する。
【0077】
III.本発明を構成する好適実施形態及びシステム
【0078】
本発明を構成する全体としての主題は、単一双極子マグネットを使用してすべての前記に掲載された優位点及び利点を達成し、随意的に1つまたは複数の集束レンズを補助として含む。簡略であろうと、精密であろうと、多様なフォーマット及び実施形態は以下に詳細に説明される。
【実施例1】
【0079】
第1の好適実施形態
本発明の第1の好適なフォーマットは図4、図5、及び図6に示されている。そこに見られるように、単一偏向磁石が少なくとも45度、好ましくは110度未満の角度でリボン形状イオンビームを曲げる。ヨークの真の形状はここに後述されるようにイオン光学を強化するためにわずかに改良されてよいが、双極子マグネットの強磁性のヨークは本来断面外観全体で矩形である。
【0080】
A.移動するリボンイオンビーム用の軸及び意図された経路
【0081】
説明の目的で、主要なビーム軸は垂直であり、ビームは水平に移動していると推定される。ビームの中心の意図された経路は所望される「ビーム軸」と呼ばれ、「ビーム軸」は第1の直線状セクションと、曲線状セクションと、第2の直線状セクションとを備える。この曲線を成すビーム軸は平面、意図された経路の中央平面にある。
【0082】
明らかに、ビーム軸は、リボンイオンビームがアナライザマグネットにおけるヨーク構造の内部空間体積を通過するときに移動するリボンイオンビームが移動する意図された経路となる。ビーム経路は中央平面を中心とし、中央平面内にあり、中央平面は、リボンイオンビームが弓形ヨーク中を移動するにつれて、リボンイオンビームの中心に曲線を成す軸を含み、この経路は実質的には、約0.25メートルと2メートル間の範囲となる半径を有するアーチとなるであろう。最後に、リボンイオンビームは望ましくは、それがビーム軸に沿って移動するにつれて高アスペクト比を有するであろう。
【0083】
B.強磁性弓形ヨーク構造
【0084】
強磁性弓形ヨーク構造110は、意図されたビーム軸と移動経路の中心に配置され、約1メートルの半径を有するアーチを提供するために十分な寸法及び弓形の形状となる。図4、図5及び図6によって提供される図中では、弓形ヨーク構造は上部壁40、底部壁141、及び2つの側壁160、161を備え、ヨーク内部の内部空間体積150の出入口としての役割をする2つの別々の開口端164、166も含む。
【0085】
[弓形ヨーク構造におけるコイルの配置]
該配置はそれぞれ図4及び図6によって最もよく示されている。内部空間体積150中に配置され、弓形ヨーク構造の入口開口部と出口開口部164、166の両方から伸張するのは、個々のループ形状コイル120と121の鏡面対称の位置合わせされたアレイである。位置合わせされたアレイにおける各ループ形状コイル120、121は完全な閉ループ、あるいは導電性材料から成る楕円形であり、個々の閉ループの2つのそれぞれの端部は同じ方向(上方へまたは下方へのどちらか)で傾けられている。
【0086】
各ループ形状コイルは順次直列における複数の導電性セグメントの組として形成され、該組における各個別セグメントは事前に選択された個々の系列位置で、及びリボンイオンビームの意図された曲線を成す移動軸に関して角度向きで固定されている。したがって、ループ形状のコイル構成におけるその2つの丸みを帯びた端部各々に配置されるセグメントは、ビーム軸を基準にして事前に選ばれた角度で傾斜、あるいは曲げられており、コイルのこれらの傾斜したループ端部を構成するセグメントの正確な角度及び向きは全体的なビームステッド外観を生じさせている。
【0087】
対になったコイルの位置合わせされたアレイは2つのコイルそれぞれにおける閉ループの空洞体積を介して中心の開空間チャネルを提供し、この中心の開空間チャネルは該アレイの直線距離で傾斜した丸みを帯びたループ端部の各対から他方へ伸びることにも注意しなければならない。この構造上の配列により、アレイアセンブリの中心の開空間チャネルはリボンイオンビームのビーム軸と意図された移動経路を制限、封入するための構造上の手段になる。
【0088】
したがって、1つの統合されたエンティティおよび配列された対の各ループ形状コイルとして位置合わせされたアレイは弓形ヨークにおける側壁160、161の内面に定位置にセットされ、取り付けられてよく、位置合わせされたアレイの各ループ形状のコイル120、121の一部は鏡面対称で弓形ヨークの中央平面の対向する側面にのるように配置され、中央平面は、リボンイオンビームが移動するにつれリボンイオンビームの中心に曲線を成す軸を含む。これは図4によく示されている。
【0089】
ループ形状コイル120、121は、弓形ヨーク110の内側壁および外側壁160と161から直交に伸張し近接している。また、これらのヨーク側壁がわずかに曲がっているように図4に示されているが、節約のためにイオンビームの近傍における磁場の均一性を危うくすることなくまっすぐなセクションから作られてよいことにも注意しなければならない。

【0090】
[弓形ヨーク内部のビーム制限境界範囲]
位置合わせされた対における各導電性コイルの矩形断面は図4及び図5に示されるように高アスペクト比であってよく、対にされたアレイにおける各コイルの長い方の寸法が、それが包含することを目的とするビームの長いほうの寸法の2分の1とサイズがほぼ等しい。しかしながら、図6に見られるように、同じ一般的なフォーマットは、特定のイオンビーム形状と磁気剛性率に応じて、低アスペクト比のさらに幅広い個々のコイルとともに使用されてもよい。
【0091】
このようにして、対にされたアレイにおける導電性コイル120、121のそれぞれは類似または同一の電流を運び、2つの電流通過制限境界を、ヨーク構造の空間空隙150内で移動するビームの片側に1つずつ形成する。この構造上の配列は、移動するリボンイオンビームを取り囲む側面境界制限130および側面境界制限131として図5に示されている。
【0092】
また、弓形鋼ヨーク110の上部壁140と底部壁141は、通常曲線状の形状であり、2つの他のビーム制限境界140と141を提供し、それにより中心に位置する、リボンイオンビーム100の矩形形状の体積ゾーンが通過する空間空隙150を形成する。弓形鋼ヨーク110によって生じる構造上の境界制限内における曲線状の導電性コイル120と121における電流はビーム移動の方向に直交し、弓形ヨークを通るビームの通路と位置合わせされる弓形鋼ヨークフレームワークの内部の中に実質的に均一な磁場を発生させる。汚染したイオン種が以後の除去のために異なった経路指定に沿って偏向される一方、この発生した磁場はビーム中の所望されるイオン種を、意図された弓形の通路に曲げるために作用する。

【0093】
[発生した磁場の制限された境界]
本発明のマグネットは、磁場の境界状態を画定するために、図5に図示されるようにほぼ矩形断面の弓形鋼ヨーク構造を使用し、ヨークの内部中に磁場を発生させるためだけではなく、意図されるまたは所望される容積測定のサイズ制限範囲に発生した磁場を限定するためにも(好ましくはここの図4によって示される構造上の設計の)ベッドステッド形状端部を有する、鏡面対称コイルの電気的に接合されたアレイを使用する。境界が限定され、体積が制限された磁場は、次にリボンイオンビームに効率的に適用され、その後マグネットの中心を通って移動することができる。
【0094】
図5の断面図では、移動するリボンイオンビームが弓形ヨーク構造の中の空間間隙150に入り、曲げ磁石のほぼ中心を通過するにつれて、リボンイオンビーム100が、断面外観が実質的に矩形である容積測定ゾーンを占有することが注意される。弓形鋼ヨーク構造110の内部空間内でともに作用するベッドステッド形状のコイル120と121によって発生する磁場は、ビームの容積測定ゾーン100が通過する空間隙間距離で、及び空間隙間距離全体で実質的に均一である。
【0095】
また図5によって断面でも示されるように、移動するリボンイオンビームの長い(高さ)軸が垂直であると仮定すると、このビームを封じ込める容積測定ゾーン100の上部端および底部端、弓形ヨーク構造110の取り囲む鋼の上部壁と底部壁140と141によって制限され、境界付けられる。同様に、このビームを封じ込めるゾーンの垂直の側壁160と161もさらにサイズを制限され、位置合わせされたアレイにおける各ベッドステッド形状コイルの周囲の長さまたは厚さによって境界付けられる。最後に、コイル120、121の外部境界130と131は、弓形鋼ヨークの垂直側壁160,161内で平行に均一であり、便宜と節約両方のためにそれらに近接して位置している。この構造上の幾何学形状は望ましく均一な磁場を生じさせることで知られている。さらに、真空壁170の組が均一な磁場の領域内に存在する場合があり、これらはアルミニウムなどの非磁性体材料から形成される。

【0096】
[均一な磁場を発生させるための境界条件]
図5によって示されるような矩形領域内に均一な磁場を発生させるために必要とされる境界条件は周知である。鋼ヨーク制限で、B磁場は表面に垂直でなければならない。したがって、鋼が上端部と下端部で矩形間隙空間と通路に境界付ける場合、磁場の方向が定められる。コイル導線の端縁における境界条件はさらに複雑であるが、マクスウェル回転方程式(Maxwell curl equation)は、局所的に
【0097】
【数2】

に縮小できる。
【0098】
有効な解は、導体、及び導体内部のxからゼロの関数としてのByの線形減少(linear decrease)により境界付けられる領域内の一定電場Byである(これは、ビームがz方向で移動している座標フレームを使用し、磁場は概してy方向にあり、x方向は両方に直交している)。
【0099】
C.ベッドステッドコイルの正確に配置され、角度方向付けられたセグメント
【0100】
弓形ヨークの出入口両方において、ループ形状コイル120および121のそれぞれは伸張され、それぞれの丸みを帯びた端部で「ベッドステッド端部」あるいはときには「サドルコイル」などの専門用語で知られる曲線状の形状に傾斜されている。この「ベッドステッド端部」形状は図6に関して最もよく示され、理解される。
【0101】
図6中に表示される矢印は電流の流れの方向を示している。2つの個々のベッドステッドコイルが示され、そのそれぞれは曲線状のビームが通過する中央平面軸を包含する位置合わせされたアレイとして他方に鏡面対称である。
【0102】
図6に示されるような各導電性コイル120、121の各閉じられたループは、好ましくは(であるが、必ずしもすべての例及び実施形態においてではなく)弓形ヨーク構造の強磁性曲線状側壁に嵌合するために巻き付けられ、強磁性曲線状側壁により支えられ、強磁性の曲線状のヨーク側壁から直交で伸張し(あるいは曲線状ではない場合には、この条件に近似する)、順次直列で電気的に接続される導電性ワイヤの百回を超える回転を備える。コイルの閉ループを形成する組として順次直列において導電性セグメントごとの設置も好ましくはであるが、必ずしもではなく、曲線を成すビーム軸の中央平面及び意図されたビーム経路を基準にして、以下の個々の固定された位置と角度向きであって、ビーム軸の中央平面に接線方向に、ビーム軸の曲線状セグメントに概して平行である第1の曲線状セグメントと、ビーム軸の中央平面から約90度離れて曲がる第2の曲線状セグメントと、(その間の導体の直線状セクションを有する2つの90度の弧にさらに分けることができるであろう)ビーム軸全体でアーチ状になる180度の第3の曲線状セグメントと、該第2のセグメントに概して平行にある90度の角度の第4の曲線状セグメントと、曲線状のビーム軸セグメントと平行に、該第1のセグメントに対向してある第5の曲線状セグメントと、ビーム軸の中央平面から離れて90度曲がる第6のセグメントと、ビーム軸全体で180度反り返る第7のセグメントと、90度回転し、該第一のセグメントの開始部に接続する第8のセグメントと、にある。
【0103】
いくつかの追加の小さい直線状コイルセグメントを追加することもでき、曲線状セグメント間に存在することがある。また、いくつかの例及びフォーマットでは、曲線状セグメントはいくぶん異なる形状のセグメントで置換されてもよいが、前記説明は本発明を備えるベッドステッドコイルの向きパターン及び位置構造を定める。
【0104】
D.導電性アレイのベッドステッドコイル構成により提供される主要な利点及び予期せぬ優位点
【0105】
ベッドステッド構成、つまりリボンイオンビームの高いアスペクト比とコイルの矩形断面と組み合わされた、対にされたアレイにおけるループ形状コイルそれぞれにある2つの傾斜した丸みを帯びた端部は本発明の必須な構造上の特徴であり、いくつかの望ましい目標を同時に達成する。これらは以下を含む。
【0106】
(1)対にされたアレイにおける各ベッドステッドコイルの2つの傾斜した丸みを帯びた端部全体を流れる電流は、前述された(日新)従来技術のシステムにおけるヨークの外部周辺を流れていた電流に代わり、この変化が「裸の」磁気双極子の生成を回避する。
【0107】
(2)「裸の」磁気双極子が不在であることにより、代わりに構造の外部からある距離で存在する磁場における劇的な削減が生じる。「裸の」双極子からの外部磁場は距離の3乗で低下し、相対的に本発明から伸張する外部磁場は、ヨーク内部中の双極子磁場の間、同時に発生した「漏れ磁場」に関して双極子として動作しない。代わりに、外部磁場ははるかに弱い六極子として出現し、よって漏れ磁場は距離の5乗に従って低下する。
【0108】
(3)各ベッドステッドコイル構成の2つの傾斜した丸みを帯びた端部の中を流れる電流は、ヨークの中央平面から伸張し、磁気ポテンシャルの分散を制御し、それによってビームにより占有される領域に限定される漏れ磁場内での円滑ではあるが急激な低下を生じさせる。
【0109】
(4)鏡面対称の対にされたアレイ(あるいは、細分化される場合には、すべての導電性コイルについて)における両方のループ形状コイルに必要とされるアンペアターンの総数はすべてのケースで磁気ギャップ、イオンがそれに沿って偏向する経路の半径、及びイオンの質量とエネルギーによって決定される。
【0110】
(5)(矩形断面の)取り囲まれた空間領域中で内部的に発生する磁場は、鋼ヨーク構造と対にされたアレイにおける2つのループ形状コイルによって課される制限境界まで本質的にきわめて均一である場合がある。ヨーク壁の鋼表面は、磁場Bが垂直である容積測定境界を提供する。また、ループ形状のコイルによって提供される境界は、均一な磁場を所望される方向における境界に接線方向に存在できるようにし、それにより磁場のためのヨーク内部中の境界付けられた領域全体を活用するものでもある。
【0111】
(6)また、漏れ磁場が短いことにも注意しなければならない。曲げ磁石の焦点特性は主要な磁場と漏れ地盤の両方に常駐するため、漏れ磁場の制御は重要である。これは、ここに引用されるTRANSPORT(トランスポート)コードのマニュアルの中だけではなく、前述されたSeptier参考資料のEnge記事にも詳しく説明されている。
【0112】
(7)高品質の集束を維持し、それにより分解能及び使用効率のために出力ビームの高アスペクト比を達成するために、異常が制御されなければならない。これは磁場分散のわずかな成形を必要とする可能性があり、それはソフトウェアプログラムTRANSPORTによって例示される確立した方法に従って実行できる。
【0113】
磁場分散のこのような制御は、単純な矩形形式から逸脱するために鋼ヨークの断面概観を成形し、電流分散を成形するために導体の設置を改良することにより磁場を意図的に非磁性にすることを含む場合がある。それ以外の場合、均一な磁場のこのような摂動は小さいことがある。
【0114】
(8)ともに接合された、構成されたベッドステッドコイルを使用すると、製造メーカは磁気ヨークの側面で必要とされる鋼の量を半分に削減できる。この顕著な削減は、イオンビームの入口経路と出口経路以外の領域における鋼ヨークの外部の漏れ磁場を排除し、その結果飽和なくこのフラックスを運ぶために必要とされる鋼を排除することによって生じる。
【0115】
(9)図4に図示される好適な構成では、鋼ヨークが磁気的に飽和に近くない限り、鋼ヨーク構造の外部にわずかな磁場がある。(日新の)従来技術の磁石設計における高い外部場を描写する従来技術の図7aに、及び相対的にビーム通路内以外で本発明のマグネットアセンブリの構成された構造上の設計がどのようにして漏れ磁場を排除するのかを説明する図7bに注意を払わなければならない。図7aと図7b両方で、外部場の規模が粒子密度の等間隔で設定される等高線により示されていることに注意する。

【0116】
[ベッドステッドコイルを有する従来技術のマグネットと比較した本発明の主要な相違点及び特徴]
(a)ベッドステッドコイルを備える本アナライザマグネット構造が、従来公知であり、従来技術で過去に使用された一見類似したマグネットフォーマッとは著しく異なり、はっきりと区別できることが注意され、理解されるべきである。このような実質的な相違点の1つの例示的な例として、ベッドステッドコイルを備えるアナライザマグネットを説明するChenらの米国特許番号第6,403,967B1号に注意が向けられる。このChenらのアナライザマグネットも、その必須構造の一部としてコイルの二次的な対を組み込んでいる。
【0117】
そこに開示されているように、Chenらの構造のための動機は強力に均一ではない磁場を有するマグネットを提供すること、及び非均一性を調整するための制御の要素をマグネットに提供することである。Chenらの発明はこのようにして主に極めて高いパービアンスビームにおける空間−電荷の補償を維持することに関する。Chenらの発明におけるイオンビームのアスペクト比は明示的に説明されていないが、1として示されていることも特筆すべきである。したがって、このChenらのマグネットには、それが電流密度の均一性を達成する、あるいは高アスペクト比を達成する、あるいは曲げ半径の一部分として特に大きな極間隙を達成するという要件は存在しない。逆にChenらのマグネットのベッドステッドコイルは、1に近いアスペクト比の断面を有すると言われている。
【0118】
(b)対照的に、本発明は、狭い幅を有する可能性がある大きな間隙を横切って――すなわち非常に高いアスペクト比、または任意に大きな幅を有する――実質的に均一な場を生じさせるように特に構造上設計されている。ベッドステッドコイル形状導電性アレイの使用は、ビーム経路における漏れ場の形状を制御し、それを短く、滑らかに、及び正しく配向させる。この特徴及び機能上の能力により、本システム中に存在する固有の異常を非常に小さくすることができ、この小さな程度の異常でさえわずかな非均一性の手段によって制御されてよく、このニーズはビームの断面全体で1%または2%以下の変動に達するため、それは全体的なシステム設計の一部として取り込まれてよい。
【0119】
本発明はその最終寸法が曲げ半径と同程度であり、マグネット内でのそのサイズは曲げ半径の50%を超えるビームのこの均一性を達成できる。革新は均一な場を発生させるためにポアゾンの方程式の極めて単純な2D解を利用するが、ベッドステッド端部を有する導電性のコイルアレイの使用は高アスペクト比ビーム及びビームチャネルに対して高い質量分解能を可能にする予想外の、予測しない改善策を構成する。
【0120】
実際、本発明の1つの好適実施形態は約4:1というアスペクト比を有する断面のビームチャネルを有するが、ビームチャネルのアスペクト比を任意に高い数に増加する障害はない。対照的に、従来のH芯マグネットとC芯マグネットは、長いビーム寸法が磁場に直交ではない限り[すなわち、米国特許番号第5,350,926号及び第5,834,786号に開示され、使用される配列]実質的に1より大きいアスペクト比のビームに効果的に使用することはできず、これらの従来技術のフォーマットは、実質的に平行なビーム内で高分解能と高アスペクト比の両方を単一の磁石構造で達成することはできない。
【0121】
E.本発明のイオン光学特性
【0122】
アナライザマグネットにビームの断面領域で長い方向にほとんどまたはまったく集束を提供させないが、代わりに曲げ平面で良質の焦点を提供することが望ましい。この焦点では、ビームは質量分析システムの通常の様式で不必要なビームレットを停止できる長穴を通過することができる。分解能は、ビーム焦点の幅が長穴の幅未満であるならば、長穴の幅に対する質量分散の比率である。達成可能な分解能は焦点の質によって決まる。
【0123】
F.本第1の好適実施形態により提供される他のシステム特徴及び機能
【0124】
1.本発明により提供される追加の特徴はリボンビームを発生させるためにビームの最終寸法より実質的に小さいイオン源を使用すること、及びこのリボンイオンはそれがマグネットを通過するときその長い方の寸法で連続して拡大できるようにすることである。図4は、システムを通過し、大きな平行したリボンビームを形成するために拡大するイオン源(1)によって発生する小さいビームを示している。
【0125】
2.分散方向では、本発明のシステムにおけるマグネットによりビームの中央部への集束が生じる。このようにして、マグネットの下流平面でのビームのアスペクト比は、多くの場合40を超える非常に高い値となり、ビーム選択口径をこの点(図示せず)に設置すると高分解能(60以上)が達成できる。
【0126】
3.また、注入される基板の点から点のイオンビームの入射角の変動を最小限に抑えることが望ましいので、随意的に長い方向でのこのビームの発散を1度のわずかに削減するために、妥当な場であるが大きな口径の四極子型レンズを使用することができる。図4に図示されるように、制限のないパノフスキー四極子型レンズがこの目的で使用される。
【0127】
4.さらに、四極子型レンズの代替策として、セクタマグネットまたは他のイオン光デバイスが使用されてもよいが、四極子型レンズは最も単純且つ最も費用効果の高い手法とみなされる。本発明のこの態様は従来の公知の従来技術のシステムに優る重量と電力の要件で約30%の追加削減を生じさせるであろう。この重量の削減は前述された重量節約の利点の追加である。
【0128】
G.システム用の全体的な設計パラメータ
【0129】
本発明に従ってアナライザマグネットを設計するとき、システムから二次異常の大部分を取り除く、及び/または回避するための設計の従来の方法を使用することが非常に望ましい。これらの従来の公知の方法は、マグネットの入口と出口にある有効磁界境界の傾き及び曲率を制御することと、マグネットの中心にある磁場のわずかな非均一性を制御することを含む。
【0130】
磁場指数を有するために本発明に従ってマグネットを設計することが可能である。しかしながら、大きい場合には、これは各コイルのさまざまなパーツにさまざまな割合を必要とすることによってコイル製造コストを増大させる可能性がある。異常の満足の行く制御は、名目上平な上部磁極片と下部磁極片に小さな修正を加え、ヨーク鋼の入口と出口を成形することによって可能である。
【実施例2】
【0131】
IV.フラットパネルディスプレイ注入用の第2の好適実施形態の構造
【0132】
第2の好適実施形態のこの以下の説明は、それぞれ図4、図5、及び図6を参照することでよりよく理解される可能性がある。

【0133】
[アナライザマグネット]
ここに説明されるマグネットは、1.0mという設計曲げ半径を使用してP+イオンの100keVビームを分析するのに十分である0.25Tという場を生じさせる。曲げ平面は水平であり、リボンイオンビームの長い軸は垂直方向に向けられていることが推測される。注入はターゲット母材(フラットガラスパネル)に、事前に選ばれたターゲット平面でビームを通過させることにより達成される。しかしながら、システムは異なる向きで容易に取り付けられて、相対的な位置決めまたは配向に対してなど制限または制約は存在しない。
【0134】
好適な例では、ビームの所望される高さは注入平面において800mmである。マグネットの必要とされる高さを削減するために、ビームは約100mmの高さの相対的に小さいイオンソースから生じ、このビームはマグネットを通るその通路で水平に及び垂直に分岐し、拡大する。
【0135】
一般的に入手可能なタイプのイオン源がシステムで利用されるべきである[1つの共通な例は、ここで参照することにより明示的に組み込まれる米国特許番号第5,834,786号によって説明されている]。
【0136】
源抽出スリットの長い軸は垂直方向にある。マグネットは垂直方向で集束を(このような集束を提供するためにその形状を改良することは可能であるだろうが)ほとんどまたはまったく提供しない。マグネットの垂直間隙はビームを十分に取り除かなければならず、これは通常約600mmの間隙を必要とする。

【0137】
[随意的な四極子型レンズ]
母材の注入用システムによって平行なビームが必要とされる可能性があるため、随意的により詳しく後述されるような簡略な構造の四極子型レンズが提供される。
【0138】
60という分解能を達成するためには、ビームの幅は分析スリットで約10mm未満でなければならない。イオン源からのビームは少なくとも+/−40mradで、水平に分岐すると仮定され、アナライザマグネットは既定された制約を満たすためにビームの焦点を合わせることが必要とされる。四極子型レンズ自体は、その必要とされる寸法及び電力の要件を削減するためにこの平面に、またはこの平面近くに位置する。
【0139】
これらの一般的な制約を考慮すると、磁石の第2の好適実施形態はさらに詳しく提示できる。

【0140】
[構造]
0.25Tの必要とされる場及び600mmの磁気ギャップは、必要とされる場を生じさせるために導電性アレイごとに約60,000アンペアターンを必要とする。鏡面対称で位置合わせされ、図6に図示されるような対にされたアレイを形成する2つのベッドステッドコイルが提供され、アレイの対にされたコイルは中央平面軸で互いに物理的に接触している。各コイルは約1cmである断面の正方形の中空導線を使用して、コイルセグメントごとに7回転の30層で巻き付けられている。平均的な電流密度は1平方センチメートルあたり約200Aである。
【0141】
アナライザマグネットの中央領域内において、構造上の配置は図5に図示されるような断面を有する。コイル120と121によって、及び鋼ヨーク110の上部壁と下部壁140、141によって境界付けられる内部空間領域においては、垂直に向けられるきわめて均一な磁場が生じる。移動するイオンビームはこの境界付けられた領域の空間空隙150の中の中心位置を占め、ビームは合計90度を介して偏向される。
【0142】
移動するビームを取り囲んでいるのは真空ハウジング170であり、その結果、イオンビーム自体は高真空のゾーンを移動するが、導電性コイル及びヨークは真空領域の外部に位置してもよい。この目的のために、真空ハウジングまたは容器の壁は非磁性でなければならない。
【0143】
対にされたアレイにおける各ベッドステッドコイルの2つの傾斜した丸みを帯びた端部は商業的に利用可能な製造技法を使用して形成される。各傾斜した丸みを帯びた端部では、直列の導体セグメントの組が、製造技法が許可するのと同じ程度傾いた曲げの内部での半径で約90度の曲げを提供する。したがって、セグメントは180度横向きに曲げられ、最後に再び反対方向に90度曲げられ、コイルループの反対側にあるセグメントに戻る。
【0144】
[異常制御]
アナライザマグネットの入口と出口での漏れ磁場の形状は優れたビーム集束には重要である。漏れ磁場は滑らかにであるが迅速に、その完全値から10%未満に約0.5メートルで強度を減少し、ほぼゼロに近い値に迅速に落下し続ける。
【0145】
場の輪郭はビーム経路で過剰な曲率を示さないが、他のどこかで迅速に切り捨てられる。漏れ磁場の形状が、コイルのベッドステッド端部の制御下でこれらの要件に見事に準拠することが図7bから分かる。漏れ磁場の焦点特性を定量化する、プログラムTRANSPORT中でKarl Brownによって使用、定義され、CERN出版物80−04で説明される「K1」として知られている積分があり、K1の大きい方の数は長い場を表す。0.5以下の数は一般的に良好と見なされる。図示されている漏れ磁場のK1値は約0.3である。
【0146】
出版されている科学参考文献によく説明されているように、その空間空隙が曲げ半径の0.25を超えるマグネットの二次異常を制御することは概して困難である。本第2の実施形態では、空間間隙は曲げ半径の0.6であるが、これらの異常は十分に制御されている。したがって、以下の2つの二次影響は重要である。それは、(1)大きすぎる角度で曲げられる内側イオン飛翔経路と外側イオン飛翔経路の傾向、及び(2)ビームが分析スリットで「スマイル」形状の歪みに曲げられる傾向である。
【0147】
これらの二次影響は、Brown及び(前述されたような)Engeの技法に従って、磁場の中に小型の六極構成要素を導入することによって減衰できる。入口サイトと出口サイト両方でのヨークの上面と下面の形状は曲線状であってもよく、ヨーク鋼の上部壁と下部壁の横断方向外形は曲線状であってもよい。必要とされる計算は周知であるが、本発明で正確に、適切な規模を有するためにこれらの小さな補正を計算するには場及びイオン飛翔経路の有限要素モデリングの使用が必要になる。このモデリングはベクトルフィールド(Vector Field)のOPERA(オペラ)ソフトウェアプログラムおよびトスカ(TOSCA)ソフトウェアプログラムを使用することによって達成できる。
【0148】
[ビーム内のイオンの視準]
ビームは母材を注入するために使用される前にレンズによって視準される。プロセスが非晶質基板または(ガラスなどの)多結晶基板のために均一であるためには、ビームの中の角発散が非常に低くなることは必ずしも必要とされないが、角度の発散及び質量中心の配向が基板の表面全体で変化しないことが必要とされる。これは四極子型レンズの手段によって達成できる。
【0149】
図4に示されている好適な四極子型レンズ200は簡略な構造である。それは[荷電粒子ビームのトランスポート(The Transport of Charged Particle Beams)、Spon、1960年中で]Banfordによって説明されるように「パノフスキー」の四極子型レンズに基づいているが、ビームアスペクト比が非常に大きいので、四極子のヨークの短い鋼の脚部及びそれらの対応するコイル巻き線はすべて省略されている。このようにして改良され、四極子型レンズ200は、ビームの両側に断面が矩形の1対の鋼バーを備え、各バーの回りには、リボンビームの上部および底部のすぐ真上と真下で伸びるほど十分に長い、長さ約750mmのコイルが巻き付けられている。

【0150】
[電流密度]
ビームの中の電流密度の均一性は、母材の中に注入されるイオン用量の均一性を制御する。均一性は、米国特許番号第5,834,786号および第5,350,926号に説明される従来技法を使用することによって、あるいは関連する特許参考文献中のどこか他のところで説明される方法を使用することによって制御されてもよい。この目的のために、多重極レンズまたはその同等物がマグネットの下流でビームの周りに設置される。
【実施例3】
【0151】
V.シリコンウエハー用単一ウエハーイオン注入機として使用するための第3の好適実施形態
【0152】
A.第3の好適なシステム設計
【0153】
イオンビームは、高さ100mm、幅5mmのイオン源長穴から出射され、分岐するリボンイオンビームとして水平方向で移動する。イオン源長穴は凸状であり、+/−2.5度のイオンビームで制御された線形の分岐を生じさせる。
【0154】
移動するリボンイオンビームは、位置合わせされたアレイとして鏡面対称で対にされた2つのベッドステッドコイルと、ビームがアレイの2つのループ形状のコイルに対向して配置される導電性セグメントの間を通過するときにビーム用の空間的な通路と、ヨーク構造に取り付けられる鋼極によって上部と下部で境界付けられる鋼ヨーク構造とを備えるウィンドウフレームマグネットに入る。鋼極は、それぞれ図8a、図8b、及び図8cに連続して示されるように、ビームが垂直に拡大する一方、空間的な通路を通って移動するときにビームの上下に約15mmの隙間を設けるためにその全長で先細る。また、鋼極は、マグネットにより発生する磁場の形状を制御するため、及びシステム異常を最小限に抑えるために輪郭を付けられる。
【0155】
(それらがビーム通路を取り囲むときに)対にされたアレイを形成する個々のループ形状コイルは、約100mmx130mmの均一な断面を有する。先細の鋼極は内側コイルセグメントと外側コイルセグメントにより示され、画定される平行な面に準拠しないため、極表面の形状はビームでの異常を制御するために有限要素モデリングを使用して最適化されなければならない。しかしながら、この補正の規模はイオン注入装置で従来使用されている平面状のマグネットを用いたケースよりはるかに少ない。
【0156】
[真空領域の製作]
製作の都合上、ループ形状コイルは断面のサイズが均一であるが、鋼極面は先細の空間空隙を提供し、包含しなければならない。したがって、鋼ヨーク構造の上部壁と下部壁間に存在する垂直極間距離はいくつかの場所で、空間空隙を画定し、境界付けるコイル部分の高さより大きくまた、いくつかの場所では著しく小さい。移動するビームを境界付ける空間領域の外側端縁――特にビームと、コイルループまたは楕円形を形成する内側導電性部分と外側導電性部分の間――には、(高真空で保持されなければならない)イオンビームを(通常、都合上、真空ゾーンの外側にある)コイルから分離するために、非磁性物質から構成される真空壁が必要とされる。
【0157】
これらの真空壁が会い、接合する領域では、その場所にある鋼材料は磁極(北または南)として機能して、その役割をし、コイルを包含し、磁束用の戻り経路を設ける鋼物質のその部分からの遷移である。その間に鋼の先細の極部分が、ビーム経路の側面を境界付ける、コイルセグメントを包含する戻りヨークの非先細部分に接合される製作ステップが発生しなければならない。これは全体として図8によって示されている。
【0158】
この種の製作及び構造上の成形は妥協を必要とする。つまり、優れた磁場の均一性は、拡大するビームに極を従わせることとは相容れない。しかしながら、間隙がさらに幅広い場合に歪みをほぼ取り消すためにさらに狭い間隙のマグネットの部分における歪みの大きさに備え、製作できる満足のゆく妥協形状に達するために有限要素モデルを使用してさらなる最適化を行うことも可能である。図8aに示される製作された形状により引き起こされる場の歪みは図8cに示されるものと対向し、注意してこの影響はビームに対する場歪みの影響を制御できるようにする。

【0159】
[集束レンズ]
ビームは、垂直方向で約240mmに成長した後、アナライザマグネットを出て、分岐し続ける。しかしながら、当初ビームはマグネットに入射するときに+/−5度で分岐し、マグネットの光学部品は、ここで、ビームが高さ340mmで、幅20mm未満である下流位置で線集光を生じさせるために+/−2.5度でビームを集束させた。したがって、この位置に配置された分析スリットは高分解能を達成できるようにする。
【0160】
多重極レンズはアナライザマグネットのすぐ下流に(または代わりにすぐ上流に)位置し、この多重極レンズはリボンビームの垂直均一性を制御するために調整できる。
【0161】
望ましくは、第2の多重極レンズも分析スリットの近くに位置する。その目的は、おもにここに前述されたような四極子型レンズとして機能し、垂直方向で準平行となるためにビームの飛翔経路の焦点を合わせることである。この目的のために、同じ電流がこの第2の多重極レンズ中のすべてのコイルを通過することを必要とする。均一性の調整によりそれらがビームの高さ全体で非単調に変化した場合、ビーム中の飛翔経路角度を補正する目的で個々のコイル中の電流に小さな調整を行うことが可能である。

【0162】
[システム用の全体的な設計パラメータ]
本発明のシステムは、通常、分岐するリボンイオンビームを発するイオン源と、曲線状経路に沿って好ましくは約60度と110度間の角度を通ってリボンビームを曲げるためのアナライザマグネットとを備える。アナライザマグネットは好ましくはベッドステッド形状導電性コイル付きウィンドウフレーム双極子マグネットであるが、リボンビームの長い軸を境界付けるヨークの強磁性の側壁は先細の空間空隙を有し、それによりイオンビームは、それが移動方向で曲げられるにとき大きさで分岐し続けることができる。磁場はヨークの側壁間の空隙に反比例しているため、半径は一定ではなく、空間空隙が増加するにつれていくぶん減少する。
【0163】
ヨーク中の大きな空間空隙の場合、必要とされるアンペアターンの数は大きく、消費される電力は注入システムの総電力消費の大部分となる場合がある。この先細の側壁ヨーク配列が使用可能なアンペアターンの最も効率的な使用に役立つ。これはコンパクトなビームラインで300mmのウエハーを注入するために適した高さ300mmより大きいリボンイオンビームを生じさせるために、制限のないパノフスキー四極子型レンズなどの集束装置と組み合わせることができる。従来の公知の従来の技術野システムに優る重量及び電力のさらなる節約もある。

【0164】
[この第3の好適なシステムの能力及び機能]
したがって、前記システム装置の手段によって、以下のすべてを達成できる。
(a)リボンビームは経済的な比率、ここでは100mmのイオン源から生成される。
(b)ビームは必要とされる最終サイズ、ここでは高さ>300mmに拡大される。
(c)ビームは、少なくとも20の分解能、及びたいていの場合には少なくとも60という純粋なビームを得るために質量分析される。
(d)ビーム内の角発散は低レベルに削減される。
(e)イオンビームの均一性は上部から下部に制御できる。さらに、均一性多重極によって生じるビーム発散度の寄生性の増加は、部分的に第2の多重極によって取り除くことができる。
(f)上部から下部への角発散の変動は最小限に抑え、制御することができる。
【0165】
この好適なシステムを使用して、及びこれらの能力のおかげで、それらに一定の速度で水平にイオンビームを通過させることによって300mmのシリコンウエハーを注入できる。
【0166】
本発明は、範囲で制限されるべきではなく、ここに添付されるクレーム以外の形で制限されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】米国特許番号第5,834,786号から複写され、約2の分解能を有する従来技術の単一マグネットリボンビーム注入機を示す。
【図2】米国特許番号第5,350,926号から複写され、>60の分解能を有する従来技術の2つのマグネットシステムを示す。
【図3a】米国特許番号第6,160,262号から複写され、大きな極空隙及び妥当な磁気分解能を有する従来技術の「ウィンドウフレーム」マグネットリボンビームシステムの上面図を示す。
【図3b】米国特許第6,160,262号から複写され、ビームの方向に沿って見られるように、従来技術の「ウィンドウフレーム」マグネットの断面図を示す。
【図4】高分解能を有し、背の高い平行ビームを生じさせるために、開パノフスキー(Panofsky)四極子型レンズを使用する単純な実施形態としての本発明の透視図を示す。
【図5】図4の軸AA’に沿ってビームの方向に沿って見られる、本発明の断面図を示す。
【図6】図4の本発明で利用される1対の曲線状ベッドステットコイルの透視図を示す。
【図7a】米国特許第6,160,262号から複写され、従来技術のマグネット及び広域の漏れ磁場を示す。
【図7b】図7aと同じサイズの実施形態として本発明の断面を示すが、はるかに小さく、包含された漏れ磁場を描写している。
【図8a】それぞれ、拡大するリボンイオンビームのために本発明に従って先細マグネットを通るビーム経路に沿って3段階で断面図を示す。
【図8b】それぞれ、拡大するリボンイオンビームのために本発明に従って先細マグネットを通るビーム経路に沿って3段階で断面図を示す。
【図8c】それぞれ、拡大するリボンイオンビームのために本発明に従って先細マグネットを通るビーム経路に沿って3段階で断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動するリボンイオンビームから不必要なイオン種を分離するための高分解能磁気アナライザであって、前記高分解能磁気アナライザは、リボンイオンビームが移動するときのリボンイオンビーム用の中心軸および意図された弧の経路と、所定の曲線を成す形状を有する中心軸と、約0.25メートルと2メートル間の範囲の半径を有する弧形と、湾曲の約45度以上から約110度以下の範囲の湾曲の固定角度を含み、連続リボンイオンビームが移動するときの前記連続的なリボンイオンビーム用の前期所定の曲線を成す中心軸を包含し前記意図された弧の経路を取り囲む弓形ヨーク構造であって、強磁性物質から少なくとも部分的に形成され、固定した寸法及び実質的に矩形断面を有する弓形ウォール構造と、前記移動するビームのための入口および出口としての機能を果たす2つの別々の開口端と、前記移動するビーム用の空間的な通路としての役割をする確定できる体積の内部空間領域を備える前記弓形ヨーク構造と、位置合わせされたアレイとして平行にセットされるループ形状コイルの鏡面対称の対であって、(a)前記位置合わせされたアレイの中の前記対のそれぞれ別々のコイルが(i)電気的に導電性材料から少なくとも部分的に構成される細長い完全なループであり、(ii)そのそれぞれが同じ方向に曲げられる、2つの丸みを帯びた傾斜したループ端部を有する細長い完全なループであり、(iii)順次直列(sequetial series)に設置される複数の導電性セグメントの組として形成される細長い完全なループであり、そこでは各セグメントは事前に選ばれたシーケンス位置、及び前記弓形のヨーク構造の前記内部空間領域内でリボンイオンビームが移動するときの前記リボンイオンビーム用の意図された弧の経路に関して個々の角度向きで固定され、(b)鏡面対称で対にされた2つのループ形状コイルの前記位置合わせされたアレイは(iv)前記アレイにおける他方のループ形コイルの前記2つの丸みを帯びた傾斜した端部のための曲げ方向と反対である、一方のループ形状コイルの前記2つの丸みを帯びた傾斜した端部のための前記曲げ方向を提示し、(v)前記2つのコイルのそれぞれにおける前記閉ループの空洞体積を介して中心の開空間チャネルを提供し、前記中心の開空間チャネルは前記傾斜したループ端部のそれぞれから前記他方に、前記アレイの線寸法距離上で伸張し、(vi)位置合わせされた丸みを帯びた傾斜したループ端部の1対が前記弓形ヨーク構造の前記2つの開口端のそれぞれから伸張し、それぞれに隣接しているように、前記弓形ヨーク構造の2つの対向する壁の内面に沿って前記内部空間領域内に配置され、(vii)前記曲線を成す中心軸と、前記連続的なリボンイオンビームのための、それが前記弓形ヨーク構造の前記内部空間領域内に配置される前記2つのループ形状コイル間に存在する間隙空間で移動するときの意図された弧の経路のための制限する境界として機能する、位置合わせされたアレイとして平行にセットされるループ形状コイルの鏡面対称の対とを備える高分解能磁気アナライザ。
【請求項2】
前記位置合わせされたアレイの前記対におけるそれぞれのループ形状コイルに調整可能な電流を供給するための手段をさらに備え、前記電流が各ループ形状コイルに同じ方向で循環する請求項1に記載の高分解能マグネット。
【請求項3】
ループ形状コイルの前記位置合わせされたアレイが、前記ビームの曲線状中心軸がある中央平面の対向する側面に対称的に配置されている請求項1に記載の高分解能磁気アナライザ。
【請求項4】
前記位置合わせされたアレイにおける各ループ形状のコイルが、前記ビーム軸の前記中央平面に接線方向の前記ビーム軸の前記曲線状セグメントに概して平行な第1の曲線状セグメントと、前記ビーム軸の前記中央平面から離れて曲がる第2の曲線状セグメントと、前記ビーム軸全体でアーチ状になる第3の曲線状セグメントと、前記第2のセグメントに概して平行な第4の曲線状セグメントと、前記曲線状のビーム軸セグメントに平行で、前記第1のセグメントと対向する第5の曲線状セグメントと、前記ビーム軸の前記中央平面から離れて曲がる第6のセグメントと、前記ビーム軸全体で反り返る第7のセグメントと、前記第1のセグメントの開始部に接続して回転する第8のセグメントとを含む順次直列の8つの接続された導電性セグメントとを備える請求項1に記載の高分解能磁気アナライザ。
【請求項5】
前記位置合わせされたアレイにおける各ループ形状コイルが前記ビーム軸の前記中央平面に接線方向の前記ビーム軸の前記曲線状セグメントに概して平行な第1の曲線状セグメントと、前記ビーム軸の前記中央平面から約90度離れて曲がる第2の曲線状セグメントと、(さらに2つの90度の弧形に分けられ、それらの間に導体のまっすぐなセクションがある)前記ビーム軸全体でアーチ状になる180度の第3の曲線状セグメントと、前記第2のセグメントに概して平行な90度の角度の第4の曲線状セグメントと、前記曲線状ビーム軸セグメントに平行で、第1のセグメントと対向する第5の曲線状セグメントと、前記ビーム軸の前記中央平面から90度離れて曲がる第6のセグメントと、前記ビーム軸全体で180度反り返る第7のセグメントと、90回転し、前記第1のセグメントの開始部に接続する第8のセグメントとを含む、8個の順次直列で接続された導電性セグメントを備える請求項1に記載の高分解能磁気アナライザ。
【請求項6】
前記弓形ヨーク構造の前記空間的通路がその2つの長い方の寸法側面で前記アレイの前記ループ形状のコイルにより、前記その短い方の寸法側面で前記弓形ヨーク構造の2つの壁表面により境界付けられる請求項1に記載の高分解能磁気アナライザ。
【請求項7】
電流を供給するための前記手段が、前記弓形のヨーク構造の前記空間的通路における実質的に均一な磁場を発生させるのに十分であり、前記リボン形状ビームが前記空間的通路を通過するときに前記リボン形状ビームを曲げるために効果的である請求項1に記載の高分解能磁気アナライザ。
【請求項8】
前記アナライザが約45度以上から約110度以下の範囲の湾曲の事前に選択された角度で前記イオンビームにおける前記所望されるイオンを偏向させるため、及び少なくとも10のアスペクト比を有する線焦点に前記偏向したイオンビームの焦点を合わせるのに有効である請求項1に記載の高分解能磁気アナライザ。
【請求項9】
前記焦点を合わせられたビームが次に分析スリットの中の長穴を通って伝達され、それにより前記所望されるイオンを異なる運動量の汚染イオンから分離する請求項8に記載の高分解能磁気アナライザ。
【請求項10】
不必要なイオン種が、前記ビームを約45度より大きい角度で曲げることにより分岐するリボンイオンビームから分離され、前記リボンビームの前記中心軸が、それが前記曲線を成す軸の前記中央平面を通過するときに曲げられる請求項1に記載の高分解能磁気アナライザ。
【請求項11】
前記磁極の前記分離が前記ビームの前記経路に沿って増加し、その結果前記飛翔経路の前記半径を前記ビームの前記経路に沿って拡大させる請求項10に記載の高分解能磁気アナライザ。
【請求項12】
前記磁極が、その断面がその意図される移動経路に沿って変化するにつれて前記ビームの前記形状に従うように成形される請求項11に記載の高分解能磁気アナライザ。
【請求項13】
前記弓形ヨーク構造及びループ形状コイルの配置されるアレイがともに実質的に外部漏れ磁場の生成を防止し、前記ヨーク構造の前記開口端から出現するような有限漏れ磁場が減衰され、限定される請求項1に記載の高分解能マグネットアナライザ。
【請求項14】
前記弓形ヨーク構造の前記実質的に矩形断面が前記焦点特性を改良するために前記磁場を境界付ける、前記壁表面を成形することによって改良され、それによって前記ビームにおける前記線焦点の前記アスペクト比が増加する請求項1に記載の高分解能磁気アナライザ。
【請求項15】
前記弓形ヨーク構造の前記実質的に矩形断面が前記焦点特性を改良するために前記磁場を境界付ける、前記壁表面を成形することによって改良され、それによってその湾曲が削減される請求項1に記載の高分解能磁気アナライザ。
【請求項16】
リボン形状ビームからイオンを用いて母材を注入するためのイオン注入機装置であって、長穴付きイオン源と、2つの直交する寸法で分岐する前記源から出るイオンビームと、移動するリボンイオンビームから不必要なイオン種を分離するための高分解能磁気アナライザであって、リボンイオンビームが移動するときのリボンイオンビーム用中心軸と意図された弧の経路を備え、前記中心軸が所定の曲線を成す形状と、弧形が約0.2メートルと2メートルの間の半径で、湾曲の角度が湾曲の約45度以上から約110度以下の範囲である前記磁気アナライザと、前記所定の曲線を成す中心軸を包含し、前記連続リボンイオンビームが移動するときに連続リボンイオンビーム用の前記意図された弧の経路を取り囲む弓形ヨーク構造であって、少なくとも部分的に強磁性物質から形成され、固定された寸法及び実質的に矩形断面を有する弓形壁構造、移動するビームの入口と出口の役割を果たす2つの別々の開口端、及び前記移動するビーム用空間的通路としての役割をする決定可能な体積の内部空間領域とを備える前記弓形ヨーク構造と、位置合わせされたアレイとして平行に設定されるループ形状のコイルの鏡面対称の対であって、(a)前記位置合わせされたアレイにおける前記対のそれぞれ別々のコイルが(i)少なくとも部分的に電気的に導電性の物質から構成される細長い完成したループであり、(ii)それぞれが同じ方向に曲げられる2つの丸みを帯びた傾斜したループ端部を有する細長い完成したループであり、(iii)順次直列で設置される複数の導電性セグメントの組として形成される細長い完成したループであり、各セグメントが事前に選択されたシーケンス位置に、前記弓形ヨーク構造の前記内部空間領域内をそれが移動するときのリボンイオンビーム用の前記中心軸と意図された弧の経路に関して個別の配向性であり、(b)鏡面対称の2つのループ形状コイルの位置合わせされたアレイが(iv)対における他方のループ形状コイルの前記2つの丸みを帯びた傾斜した端部のための前記曲げ方向に対向する一方のループ形状のコイルの前記2つの丸みを帯びた傾斜した端部のための曲げ方向を提示し、(v)前記アレイの前記線寸法距離上で前記傾斜したループ端部のそれぞれから他方に伸張する中心の開空間チャネルを、前記2つのコイルのそれぞれにおける前記閉ループの前記空洞体積を介して提供し、(vi)反対に傾斜したループ端部の1対が前記弓形ヨーク構造の前記2つの開口端部それぞれから伸張し、前記2つの開口端部に隣接するように前記弓形ヨーク構造の2つの対向する壁の内面に沿って前記内部空間領域内に配置され、(vii)前記連続リボンイオンビームが前記弓形ヨーク構造の前記内部空間領域内に配置される前記2つのループ形状コイル間の空隙空間内を移動するときの前記連続リボンイオンビーム用の前記曲線を成す中心軸と意図された弧の経路のための制限する境界としての役割をする位置合わせされたアレイとして平行に設定されるループ形状のコイルの鏡面対称の対と、前記位置合わせされたアレイの前記対における各ループ形状のコイルに調整可能な電流を供給するための手段であって、前記電流がループ形状コイルごとに同じ方向で循環する手段と、その中に前記ビームが入れられ、そこから前記所望されるビームが出現し、線集光にその短い方の寸法で集束し、そこを通って前記イオンビームの前記所望される部分を含む前記線集光が伝達されるが、不必要なイオンを妨害する分析スリットと、ビームからの分岐および方向における空間的な変動を削減するためのレンズとを備えるイオン注入機装置。
【請求項17】
水平方向と垂直方向両方で分岐するリボンイオンビームを生じさせるイオン源と、その狭い寸法全体で線集光に前記イオンビームの焦点を合わせるが、前記ビームがその長いほうの寸法で分岐し続けることを可能にする高分解能アナライザマグネットと、前記焦点が合わせられたビームは伝達されるが、不必要なビーム汚染物質を遮る分析スリットと、その長い方の寸法で少量だけ前記ビームの焦点を合わせ、それにより前記飛翔経路をほぼ平行にさせる所望される強度の四重極場を生じさせることができるレンズと、イオンの所望される用量(does)を母材の中に注入するために効果的な速度でその狭い寸法の方向で前記ほぼ平行なイオンビームを通して母材を移動させるための手段とをさらに備える請求項16に記載のイオン注入機装置。
【請求項18】
その磁場傾斜が前記リボン形状イオンビームの前記均一性を制御するために調整できる多重極レンズをさらに備える請求項16に記載のイオン注入機装置。
【請求項19】
質量分析された連続平行リボンビームを生成する方法であって、前記所望される平行したリボンビームより実質的に小さい寸法のイオン源における長穴から2つの寸法で分岐するリボンイオンビームを生成するステップと、高分析能磁石アナライザの手段によって約45度から約110度の角度を介してイオンビームを偏向し、高分析能磁石アナライザはリボンイオンビームが移動するときにリボンイオンビームのための中心軸及び意図された弧の経路と、曲線を成す形状を有する前記中心軸と、半径が約0.2メートルと2メートルの間である弧形とを包含し、湾曲の約45度以上から約110度以下の範囲となる湾曲の角度、前記所定の曲線を成す中心軸を包含し、連続リボンイオンビームが移動するときの前記連続的なリボンイオンビーム用の前期所定の曲線を成す中心軸を包含し前記意図された弧の経路を取り囲む弓形のヨーク構造であって、強磁性物質から少なくとも部分的に形成され、固定した寸法及び実質的に矩形断面を有する弓形のウォール構造と、前記移動するビームのための入口および出口としての機能を果たす2つの別々の開口端と、前記移動するビーム用の空間的な通路としての役割をする確定できる体積の内部空間領域を備える前記弓形ヨーク構造と、位置合わせされたアレイとして平行にセットされるループ形状コイルの鏡面対称の対であって、(a)前記位置合わせされたアレイの中の前記対のそれぞれ別々のコイルが(i)電気的に導電性材料から少なくとも部分的に構成される細長い完全なループであり、(ii)そのそれぞれが同じ方向に曲げられる、2つの丸みを帯びた傾斜したループ端部を有する細長い完全なループであり、(iii)順次直列に設置される複数の導電性セグメントの組として形成される細長い完全なループであり、そこでは各セグメントは事前に選ばれたシーケンス位置、及び前記弓形のヨーク構造の前記内部空間領域内でリボンイオンビームが移動するときの前記リボンイオンビーム用の意図された弧の経路に関して個々の角度向きにあり、(b)鏡面対称で対にされた2つのループ形状コイルの前記位置合わせされたアレイは(iv)前記対における他方のループ形コイルの前記2つの丸みを帯びた傾斜した端部のための曲げ方向と反対である、一方のループ形状コイルの前記2つの丸みを帯びた傾斜した端部のための前記曲げ方向を提示し、(v)前記2つのコイルのそれぞれにおける前記閉ループの空洞体積を介して中心の開空間チャネルを提供し、前記中心の開空間チャネルは前記傾斜したループ端部のそれぞれから前記他方に、前記アレイの線寸法距離上で伸張し、(vi)位置合わせされた対向する傾斜したループ端部の1対が前記弓形ヨーク構造の前記2つの開口端のそれぞれから伸張し、それぞれに隣接しているように、前記弓形ヨーク構造の2つの対向する壁の内面に沿って前記内部空間領域内に配置され、(vii)前記連続リボにオンビームが前記弓形ヨーク構造の前記内部空間領域内に配置される前記2つのループ形状コイル間の間隙空間中を移動するときに前記連続リボンイオンビーム用の前記曲線を成す中心軸と意図された弧の経路のための制限境界としての役割をし、磁場を発生させるために前記マグネットアナライザの前記位置合わせされたアレイの前記対における各ループ形状のコイルに調整可能な電流を供給し、前記電流が各ループ形状コイルに同じ方向で循環し、その長い寸法で最小の集束を引き起こす一方で場に直交する方向で前記磁気アナライザによって発生する前記磁場がビームの焦点を合わせ、一点に集めることができるようにし、それにより前記ビームが、前記磁場の下流である距離をおいて線集光に焦点を合わせ直される一方その長い寸法で分岐し続けることができるようにするステップと、不必要なビーム成分を拒絶するために効果的な長穴を前記ビームに通過させるステップと、その主要な寸法を包含する平面において約1度以内で平行にさせるために有効な磁気レンズをビームに通過させるステップとを含む前記方法。
【請求項20】
前記リボンイオンビームが湾曲の約90度の角度で偏向する請求項19に記載の質量分析された連続平行リボンビームを生成する方法。
【請求項21】
前記磁気アナライザにより発生する前記磁場が、前記リボンイオンビームが通過し、前記指定された領域の外側で急速に減衰するようになる前記指定された空間的な通路に効率的に限定される請求項19に記載の質量分析された連続平行リボンビームを生成する方法。
【請求項22】
高アスペクト比及び矩形断面の大きなイオンビームが生成される請求項19に記載の質量分析された連続平行リボンビームを生成する方法。
【請求項23】
前記長い方の寸法で少なくとも800mmのビームが生じる請求項22に記載の質量分析された連続平行リボンビームを生成する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【公開番号】特開2006−313750(P2006−313750A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−128484(P2006−128484)
【出願日】平成18年5月2日(2006.5.2)
【出願人】(506153309)アドバンスト イオン ビーム テクノロジー インク (2)
【氏名又は名称原語表記】Advanced Ion Beam Technology Inc.
【住所又は居所原語表記】9F−4, No.18, Puding Rd., Hsinchu City, Taiwan, R.O.C.
【Fターム(参考)】