説明

リポソーム製造装置

【課題】リポソーム製造のための混合液の温度を低下させることなく、混合液中の微生物を除去することができるリポソーム製造装置を提供すること。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明に係るリポソーム製造装置は、水と水混和性有機溶媒と脂質を含む混合液が流れる流路を有するマイクロチューブと、前記マイクロチューブに設置され、前記混合液が通過することにより該混合液中の微生物を除去するフィルタと、前記フィルタを設置するためのフィルタケースと、前記マイクロチューブの外側に充填された熱媒体と、を収容する収容部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リポソーム製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リポソーム膜成分物質を有機溶媒に溶解させた溶液をろ過滅菌する手段、具体的には、ろ過滅菌フィルタを備えるリポソーム製造装置が開発されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−128660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、リポソーム製造装置において、ろ過滅菌フィルタを、リポソーム製造のための容器から独立して設ける構成では、ろ過滅菌フィルタを通過させるまでにリポソーム膜成分物質を含む溶液の温度が低下し、リポソーム膜成分物質が析出する問題が生じた。
この問題を解消するため、本発明は、リポソーム製造のための混合液の温度を低下させることなく、混合液中の微生物を除去することができるリポソーム製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係るリポソーム製造装置は後述する構成を備える。より具体的には、本発明は、
(1)水と水混和性有機溶媒と脂質を含む混合液が流れる流路を有するマイクロチューブと、前記マイクロチューブに設置され、前記混合液が通過することにより該混合液中の微生物を除去するフィルタと、前記フィルタを設置するためのフィルタケースと、前記マイクロチューブの外側に充填された熱媒体と、を収容する収容部を備えることを特徴とするリポソーム製造装置;
(2)前記フィルタは、前記マイクロチューブにおいて、前記混合液が流れる下流側に設置されていることを特徴とする上記(1)に記載のリポソーム製造装置;
(3)前記フィルタケースは、前記熱媒体が通過する孔を備えていることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のリポソーム製造装置;
(4)前記収容部は、熱媒体注入口と熱媒体排出口とをさらに備え、前記フィルタケースは、前記熱媒体注入口と前記熱媒体排出口との間に設置されていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のリポソーム製造装置;
(5)前記混合液が流れる流路を有するマイクロチューブを収容する1以上の収容部をさらに有し、前記混合液が、前記マイクロチューブ内を漏れがなく流れるようにマイクロチューブ同士が隙間なく連結されるように構成されていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のリポソーム製造装置;
(6)前記収容部同士を連結した際に、前記収容部同士が密接するのを防止するための空間部が前記収容部同士の連結部に生じるように構成されていることを特徴とする上記(5)に記載のリポソーム製造装置;
(7)前記収容部同士を連結した際に、前記収容部同士が密接するのを防止するための空間部が前記収容部同士の連結部に生じるように、少なくとも一方の収容部の連結する側の端部に凹部又は凸部を設ける、あるいは、スペーサーを設けることを特徴とする上記(5)に記載のリポソーム製造装置などである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、リポソーム製造のための混合液の温度を低下させることなく、混合液中の微生物を除去することができるリポソーム製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態において、リポソーム製造装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態において、第1の収容部の上部の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態において、フィルタケース周辺の概略構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態において、第3の収容部の概略構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施例において、リポソーム製造装置100における第2の収容部20の熱媒体の温度とリポソーム粒径との関係を調べた結果を示す図である。
【図6】本発明の一実施例において、リポソーム製造装置100における第2の収容部20での滞留時間とリポソーム粒径との関係を調べた結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
==リポソーム製造装置の構成==
図1は、本発明の一実施形態として説明するリポソーム製造装置の概略構成を示す図である。リポソーム製造装置100は、第1の収容部10、第2の収容部20、第3の収容部30などを備え、第1の収容部10、第2の収容部20、及び第3の収容部30の順で連結されている。
【0009】
基本的に、各収容部を構成するそれぞれの容器は、1つだけで用いることも可能であり、複数の容器を連結して用いることも可能であるが、本実施の形態では、好ましい一例として、3つの容器を連結させた装置を説明する。
【0010】
まず、第1の収容部10は、リポソーム製造のための混合液が流れる流路を有するマイクロチューブ11、滅菌フィルタが設置されるフィルタケース14などを収容する容器である。マイクロチューブ11内を流れる混合液は、第1の収容部10内でマイクロチューブ11の外側に充填された所定の温度の熱媒体で温度が維持される。熱媒体は、第1の収容部10に設けられた熱媒体注入口12から注入され、第1の収容部10に設けられた熱媒体排出口13から排出されるが、熱媒体の温度を維持するため、常時熱媒体を流動させてもよい。マイクロチューブ11は、第1の収容部10の下部に設けられた孔18から、上部のフランジ17に設けられた孔に伸びている。マイクロチューブ11の一端は、ボアドスルー16を介して孔18に導入され、第1の収容部10の外部へと伸びている。ボアドスルー16は、孔18にすき間のないように挿入されている。マイクロチューブ11のもう一端は、フランジ17に設けられた孔に溶接などにより接続される。
【0011】
フィルタケース14は、マイクロチューブ11に設置されており、マイクロチューブ11の中を下方から上方に流れる混合液がフィルタケース14に供給される。フィルタケース14に供給された混合液は、フィルタケース14内に設置されている滅菌フィルタを通過することによりろ過され、混合液中のバクテリアなどの微生物が除去される。
【0012】
図2にフィルタケース14を含む第1の収容部10の上部の概略構成図を、図3にフィルタケース14の周辺の概略構成図をそれぞれ示す。
【0013】
滅菌フィルタ1を保持するためのフィルタケース14は、滅菌フィルタ1を設置するためのフィルタホルダ2、滅菌フィルタ1を固定するためのフィルタ固定部3などを備え、フィルタホルダ2を介して第1の収容部10に固定される。例えば、図3に示すようにフィルタホルダ2を第1の収容部10の内壁面に固定してもよいが、確実に固定されるのであれば、マイクロチューブ11に固定してもよい。滅菌フィルタ1は、混合液中のバクテリア等の微生物を除去することができる大きさの孔を有していればどのようなものであってもよく、例えば、0.2〜1ミクロン径の孔を有するフィルタを用いることができるが、有機溶媒耐性であることが好ましい。滅菌フィルタ1は、フィルタホルダ2に設置され、フィルタ固定部3により固定される。フィルタホルダ2とフィルタ固定部3は、固定具4、例えば、ボルトなどにより固定される。
【0014】
フィルタ固定部3の中央には、マイクロチューブ11を挿入するための孔5が設けられており、マイクロチューブ11は、孔5に挿入され、溶接などにより接続される。また、フィルタホルダ2には、滅菌フィルタ1でろ過されたろ液(滅菌された混合液)が通過する通路6が設けられている。通路6を通過した混合液は、通路6に溶接などにより接続されたマイクロチューブ11を介して第2の収容部20に供給される。
【0015】
以上のように、第1の収容部10内にマイクロチューブ11とフィルタケース14を収容し、第1の収容部10内の熱媒体を所定の温度に制御することにより、マイクロチューブ11における混合液だけでなく、フィルタケース14内の混合液も所定の温度に制御することが可能となり、マイクロチューブ11とフィルタケース14における混合液の温度低下を防止できるので、混合液に溶解している物質の析出を防止しつつ、混合液中の微生物を除去することができるようになる。
【0016】
なお、フィルタケース14は、マイクロチューブ11上であればどの位置に設置しても構わないが、図1や図2に示すように、第1の収容部10に設けられた熱媒体注入口12と熱媒体排出口13との間に設置されていることが、熱媒体によってフィルタケース14内の混合液を効率よく温度制御できる点で好ましく、マイクロチューブ内の溶液の流れに対し、中央より下流側に設置することがより好ましいが、できるだけ下流側である方が、特に好ましい。これにより、混合液中の物質が最も溶解している状態で混合液を滅菌フィルタ1に通過させることができるようになる。なお、フィルタケース14をマイクロチューブ11の中央付近に設置する場合には、第1の収容部10の内壁面とフィルタケース14とで仕切られた、フィルタケース14の上部と下部の空間に、それぞれ別々に熱媒体を注入できるように、熱媒体注入口と熱媒体排出口をさらに設けてもよい。
【0017】
本実施の形態においては、熱媒体によってフィルタケース14内の混合液を効率よく温度維持できるように、フィルタケース14に貫通孔7を設け、熱媒体が貫通孔7を通ってフィルタケース14全体と接触できるようにしている。例えば、図1〜図3に示すように、フィルタケース14が第1の収容部10の内壁面に固定されている場合、熱媒体がフィルタケース14の周りを通って熱媒体排出口13から排出できるように、貫通孔7をフィルタケース14に設けてもよいが、熱媒体がフィルタケース14の一部(例えば、フィルタ固定部3の表面、フィルタホルダ2の側面など)に接して熱媒体排出口13から排出するような構造としてもよい。また、フィルタケース14がマイクロチューブ11自体に固定されている場合、フィルタケース14は収容部10の内壁面と接触する必要がないので、フィルタケース14を囲むようにしてドーナツ状の貫通孔7を設けることができる。なお、フィルタケース14の上部と下部の空間に、それぞれ別々に熱媒体を注入できるように、熱媒体注入口と熱媒体排出口を設ける場合は、貫通孔7を設けなくてもよい。
【0018】
第2の収容部20は、図1に示すように、第1の収容部10のマイクロチューブ11から送出された混合液が流れる流路を有するマイクロチューブ21などを収容する容器である。マイクロチューブ21内を流れる混合液は、第2の収容部20内でマイクロチューブ21の外側に充填された所定の温度の熱媒体で温度が維持される。熱媒体は、第2の収容部20に設けられた熱媒体注入口22から注入され、第2の収容部20に設けられた熱媒体排出口23から排出されるが、熱媒体の温度を維持するため、常時熱媒体を流動させてもよい。マイクロチューブ21は、第2の収容部20の下部のフランジ26に設けられた孔から、上部のフランジ27に設けられた孔に伸びている。マイクロチューブ21の両端は、フランジ26,27に設けられた孔に溶接などにより接続される。
【0019】
第3の収容部30は、図1及び図4に示すように、第2の収容部20のマイクロチューブ21から送出された混合液が流れる流路を有するマイクロチューブ31などを収容する容器である。マイクロチューブ31内を流れる混合液は、第3の収容部30内でマイクロチューブ31の外側に充填された所定の温度の熱媒体で温度が維持される。熱媒体は、第3の収容部30に設けられた熱媒体注入口32から注入され、第3の収容部30に設けられた熱媒体排出口33から排出されるが、熱媒体の温度を維持するため、常時熱媒体を流動させてもよい。マイクロチューブ31は、第3の収容部30の下部のフランジ37に設けられた孔から、上部に設けられた孔36に伸びている。マイクロチューブ31の一端は、フランジ37に設けられた孔に溶接などにより接続される。マイクロチューブ31のもう一端は、ボアドスルー35を介して孔36に導入され、第3の収容部30の外部へと伸びている。ボアドスルー35は、孔36に気密に挿入されている。
【0020】
本実施の形態においては、第1の収容部10と第2の収容部20とは、混合液がフランジ17のマイクロチューブ11からフランジ26のマイクロチューブ21へと漏れがなく流れるように隙間なく連結されている。そのために、例えば、フランジ17とフランジ26との接する面から混合液の液漏れを防止するように、フランジ17及びフランジ26のどちらか一方の接面にパッキンが埋め込まれているのが好ましい。同様に、第2の収容部20と第3の収容部30とは、混合液がフランジ27のマイクロチューブ21からフランジ37のマイクロチューブ31へと漏れがなく流れるように隙間なく連結されている。そのために、例えば、フランジ27とフランジ37との接する面から混合液の液漏れを防止するように、フランジ27及びフランジ37のどちらか一方の接面にパッキンが埋め込まれているのが好ましい。なお、本実施の形態においては、図4に示すように、フランジ37の接面にパッキン38を埋め込むこととしている。
【0021】
また、本実施の形態においては、第1の収容部10と第2の収容部20とが連結した際に、第1の収容部10と第2の収容部20の連結部に第1の収容部10と第2の収容部20が密接するのを防止するための空間部40が生じるように、収容部10,20の連結する側の端部に凹部15,24が形成されている。同様に、第2の収容部20と第3の収容部30とが連結した際に、第2の収容部20と第3の収容部30の連結部に第2の収容部20と第3の収容部30が密接するのを防止するための空間部50が生じるように、収容部20,30の連結する側の端部に凹部25,34が形成されている。このように収容部10,20,30の連結する側の端部に凹部15,24,25,34を設けて、収容部10,20,30を連結させた際に、収容部同士の連結部に空間部40,50を生じさせて空気層を形成させることにより、収容部同士が密接する場合に比べて熱が伝わりにくく、収容部同士で熱媒体の熱の影響を受けにくくなる。なお、本実施の形態では、二つの収容部の連結部において、両側の収容部の連結する側の端部に凹部を設けているが、少なくとも一方の収容部の連結する側の端部に凹部が設けられていればよい。また、二つの収容部が連結した際に、収容部同士の連結部に収容部同士が密接するのを防止するための空間部40,50を確保するために、少なくとも一方の収容部の連結する側の端部に凸部を設けて該凸部が他方の収容部に密接するようにしてもよいが、スペーサーなどを介在させて空間部を形成させてもよい。なお、空間部40,50には、空気の代わりに又は空気とともに、収容部10,20,30の材料よりも熱伝導率の低い材料が充填されていてもよい。
【0022】
以上のようなリポソーム製造装置100は、混合液中に溶解された物質が析出しない温度で混合液を滅菌することができるとともに、滅菌後に混合液を異なる温度で処理することができるので、温度制御が重要な、粒径の揃ったリポソームを製造するのに有用である。
【0023】
なお、上述の収容部10,20,30は、断熱材で構成されていることが好ましいが、断熱材により周囲が覆われていてもよい。また、各収容部10,20,30に注入される熱媒体は、気体であっても液体であってもかまわない。
【0024】
本実施の形態においては、所定の温度で滅菌した混合液を2つの異なる温度で処理するために、第1の収容部10以外に、フィルタケース14を有しない第2の収容部20及び第3の収容部30をリポソーム製造装置100に設けることとしているが、本発明に係るリポソーム製造装置100は、第1の収容部10を備えるものであればどのようなものであってもよく、第1の収容部10以外に、1若しくは2以上の第2の収容部20、または1若しくは2以上の第3の収容部30を備えるものであってもよい。この場合において、第2の収容部20や第3の収容部30は、第1の収容部10と同様に、フィルタケース14を備えていてもよい。また、リポソーム製造装置100が複数の収容部を備える場合には、フィルタケース14を第1の収容部10ではなく、別の収容部に備えてもよい。
【0025】
例えば、フィルタケース14のみを別の収容部に備え、第1の収容部10のマイクロチューブ11が、このフィルタケース14を備えた収容部を経由して再度第1の収容部10に戻る形態であってもよい。この場合、フィルタケース14を備えた収容部の熱媒体と第1の収容部10の熱媒体とは、それぞれ独立して温度制御される。これにより、フィルタケース14を備えた収容部内の温度は、混合物が溶解する温度に常に保つことができるため、混合物が析出する問題を回避することができる。
【0026】
また、本発明に係るリポソーム製造装置100が、複数の収容部、すなわち、複数の第1の収容部10、あるいは、1又は複数の第1の収容部10並びに1若しくは複数の第2の収容部20及び/又は1若しくは複数の第3の収容部30を備える場合には、一部又は全ての収容部を連結してもよいし、全ての収容部を連結しないで別々に構成してもよい。なお、一部の収容部を連結する場合には、混合液が流れる順に複数の収容部を連結してもよいが、混合液が流れる順とは関係なく複数の収容部を連結してもよい。
【0027】
第1の収容部10のみで用いる場合、例えば、マイクロチューブ11内にリポソーム製造のための混合液を満たし、熱媒体の温度を変化させることで混合液の温度を調節し、リポソームを製造してもよい。
【0028】
また、本実施の形態においては、各収容部10,20,30に異なる温度の熱媒体を注入することとしているが、同じ温度にしてもよく、その場合、熱媒体注入口12,22,32と熱媒体排出口13,23,33とを接続して所定の温度に調整された熱媒体を循環させる循環恒温槽を収容部10,20,30に設けてもよい。この場合は、複数の収容部全体で一つの収容部と見なすこともできる。さらに、本実施の形態においては、収容部10,20,30に熱媒体注入口12,22,32と熱媒体排出口13,23,33を設けて、所定の温度に制御された熱媒体を収容部10,20,30に供給することとしているが、熱媒体注入口12,22,32と熱媒体排出口13,23,33とを設けずに、熱媒体を収容部10,20,30に収容し、ヒーター等を用いて所定の温度に制御できるようにしてもよい。この場合、熱媒体を攪拌するための攪拌器を収容部10,20,30内に設けてもよい。
【0029】
マイクロチューブ11,21,31、及びフィルタケース14(特にフィルタホルダ2及びフィルタ固定部3)は、有機溶媒耐性で熱伝導性に優れた材料から構成されていれば特に制限されるものではなく、熱伝導性に優れた材料としては、例えば、テフロン(登録商標)、鉄、アルミ、銅、ステンレス、ハステロイ、インコネル等の金属、樹脂、ガラスなどを挙げることができる。また、マイクロチューブ11,21,31の内径は、特に制限されるものではないが、マイクロチューブ11,21,31内を流れる混合液が所定の温度で維持できるように微細であることが好ましく、具体的には、例えば1.0〜3.0mmの範囲内にあることが好ましい。マイクロチューブ11,21,31の長さについては、所定の温度で一定時間維持できる長さであれば特に制限されるものではない。本実施の形態においては、マイクロチューブ11,21,31は、コイル状に収容部10,20,30内に収容されているが、マイクロチューブ11,21,31の形状は、熱媒体によって混合液が所定の温度に維持できるような形状であれば特に制限されるものではない。また、マイクロチューブ11,31は、孔18,36に溶接などにより接続され、全てが収容部10,30内に収容されていてもよいが、マイクロチューブ11,31の一部が収容部10,30内に収容され、マイクロチューブ11,31を孔18,36に貫通させて、溶接などによりマイクロチューブ11,31を孔18,36に接続させてもよい。
【0030】
==リポソーム製造方法==
上述したリポソーム製造装置を用いたリポソーム製造方法を以下に述べる。
【0031】
リポソームの製造方法は、リポソーム製造のための混合液を62℃〜80℃の範囲内の温度で加熱する加熱工程と、加熱工程後に、混合液を40℃以上の温度であって加熱温度より低い温度で一定時間保持する保持工程と、保持工程後に、混合液をさらに冷却する冷却工程とを含む。加熱工程、保持工程、冷却工程は、それぞれ第1の収容部10、第2の収容部20、第3の収容部30で行われる。第1の収容部10、第2の収容部20、第3の収容部30には、上記各温度にそれぞれ調節された熱媒体を導入し、マイクロチューブ内の液体の温度を維持するため、常に熱媒体を流動させる。リポソーム製造のための混合液は、第1の収容部10のマイクロチューブ下方入口から導入して、各収容部10,20,30のマイクロチューブ内を流れる混合液の温度が、各収容部10,20,30に導入される熱媒体の温度と平衡に達する速度で、マイクロチューブ内を流すと、各収容部を通る間に均一な径を有するリポソームが生成し、第3の収容部30のマイクロチューブ上方出口から、生成したリポソームを取り出すことができる。
【0032】
加熱工程における加熱温度、すなわち第1の収容部10に導入する熱媒体の温度は、脂質が、水と水混和性有機溶媒を含む水溶液に溶解する温度あるいは当該温度以上であって水溶液が白濁しない温度であれば、特定の温度に限定されるものではない。加熱温度としては、脂質の種類、脂質の濃度、水混和性有機溶媒の種類などによって異なるが、62〜80℃の範囲、特に65〜72℃の範囲が好ましい。但し、水混和性有機溶媒としてt−ブタノールを、脂質としてホスファチジルコリン及びコレステロールをそれぞれ用いた場合には、加熱温度は、62〜72℃の範囲であることが好ましい。
【0033】
保持工程における保持温度、すなわち第2の収容部20に導入する熱媒体の温度は、加熱温度より低く、リポソームが生成する温度であれば特に制限されるものではないが、40℃以上の温度から加熱温度より低い温度の範囲であることが好ましい。保持する時間については、リポソームの平均粒径が所定の粒径に達するのに要する時間であることが好ましい。なお、保持工程は、1又は2以上の収容部をさらに設け、40℃以上の温度から加熱温度より低い温度の範囲内において、異なる2以上の温度で調節された熱媒体をそれぞれの収容部に導入し、各収容部に収容されたマイクロチューブ内を流れる上記混合液を、段階的に冷却し、それぞれの温度において一定時間保持する工程であってもよい。これにより、リポソーム粒径をコントロールすることができるようになる。
【0034】
冷却工程における冷却温度、すなわち第3の収容部30に導入する熱媒体の温度は、保持温度より低い温度であれば特に制限されるものではないが、0〜40℃未満の範囲内であることが好ましく、4〜35℃の範囲内であることがより好ましく、20〜30℃の範囲内であることが特に好ましい。なお、冷却工程は、自然冷却により行っても、冷却機を用いて行ってもよい。
【0035】
第1の収容部10に供給する、リポソーム製造のための混合液は、リポソーム膜成分物質を含む溶液であれば特に制限されるものではなく、例えば、1以上の脂質、水、水混和性有機溶媒などを含む。なお、混合液は、リポソームの内空間への封入用物質をさらに含んでいてもよい。
【0036】
脂質としては、大豆レシチン、水添大豆レシチン、卵黄レシチン、ホスファチジルコリン類、ホスファチジルセリン類、ホスファチジルエタノールアミン類、ホスファチジルイノシトール類、ホスファスフィンゴミエリン類、ホスファチジン酸類、長鎖アルキルリン酸塩類、ガングリオシド類、糖脂質類、ホスファチジルグリセロール類、コレステロール類等を例示することができる。ホスファチジルコリン類としては、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン等を例示することができる。ホスファチジルセリン類としては、ジパルミトイルホスファチジルセリン、ジパルミトイルホスファチジルセリンナトリウム及びウシ脳由来のホスファチジルセリンナトリウム等を例示することができる。ホスファチジルエタノールアミン類としては、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン等を例示することができる。ホスファチジルイノシトール類としては、小麦由来のホスファチジルイノシトールナトリウム等を例示することができる。ホスファスフィンゴミエリン類としては、ウシ脳由来のスフィンゴミレリン等を例示することができる。ホスファチジン酸類や長鎖アルキルリン酸塩類としては、ジミリストイルホスファチジン酸、ジパルミトイルホスファチジン酸、ジステアロイルホスファチジン酸、ジセチルリン酸等を例示することができる。ガングリオシド類としては、ガングリオシドGM1、ガングリオシドGD1a、ガングリオシドGT1b等を例示することができる。糖脂質類としては、ガラクトシルセラミド、グルコシルセラミド、ラクトシルセラミド、ホスファチド、グロボシド等を例示することができる。ホスファチジルグリセロール類としては、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール等を例示することができる。リポソームを構成する脂質として好ましいものは、リンを含むリン脂質と、コレステロールとの組み合わせである。特に、リン脂質の一種であるホスファチジルコリン類とコレステロールとの組み合わせが、より好ましい。リン脂質とコレステロールを用いてリポソームを製造する場合、リン脂質とコレステロールとのモル比は、1:0〜1:1.5の範囲内であることが好ましく、1:0.5〜1:1.25であることがより好ましい。
【0037】
水混和性有機溶媒は、アルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、アセタール類などの水に混合可能な有機溶媒をいう。水混和性有機溶媒としては、1-プロパノール、イソプロピルアルコール、2-ブトキシエタノールおよびt-ブタノールの内の1又は2以上の有機溶媒を用いることが好ましい。
【0038】
水と水混和性有機溶媒を含む水溶液における水混和性有機溶媒の濃度としては、脂質組成と脂質濃度に依存した最適な濃度領域を選ばなければならない。水混和性有機溶媒の濃度を高くすると、脂質の溶解性が高くなるが、リポソームは形成されなくなるためである。また、同時に水混和性有機溶媒が残留しやすくなるので、生体内にリポソームを供給した場合に生体にとって好ましくない。したがって、水混和性有機溶媒は、脂質を水溶液に溶解できる最低濃度であるのが好ましい。具体的には、水混和性有機溶媒は、水溶液全容量に対して5〜30体積%とするのが好ましく、好ましくは5〜20体積%、さらに好ましくは12〜20体積%である。水混和性有機溶媒がt-ブタノールである場合、水溶液全容量に対して12〜18体積%であることが特に好ましい。水混和性有機溶媒が1-プロパノールである場合、水溶液全容量に対して5〜19体積%であることが特に好ましい。水混和性有機溶媒が2-プロパノールである場合、水溶液全容量に対して13〜26体積%であることが特に好ましい。水混和性有機溶媒が2-ブトキシエタノールである場合、水溶液全容量に対して6〜9体積%であることが特に好ましい。
【0039】
リポソーム製造のための混合液は、水混和性有機溶媒が上述の濃度に調製された水溶液に1以上の脂質を添加して調製してもよいし、水と水混和性有機溶媒を含んだ水溶液に1以上の脂質を添加し、各構成要素が所定の最終濃度になるように調製してもよいし、水混和性有機溶媒に1以上の脂質を溶解させた後、水溶液の濃度が上述の濃度になるように水などを添加して調製してもよい。また、混合液には、浸透圧調整剤として、二糖類、多糖類等の糖を含ませてもよい。好ましい糖は、二糖類のスクロースである。スクロースの濃度は、水と水混和性有機溶媒とを含む溶液に対して5〜70wt/vol%が好ましく、8〜50wt/vol%がより好ましい。
【0040】
封入用物質としては、種々の薬剤、化粧料等の生理活性物質を用いることができる。それらの一例としては、例えば、シスプラチンや5−フルオロウラシル等を含む抗がん剤の他、抗酸化剤、抗菌剤、抗炎症剤、血行促進剤、老化防止剤、ホルモン剤、ビタミン剤、ヘモグロビン、DNA、RNA、ペプチド、タンパク質、ワクチン、発毛剤、保湿剤、色素類、美白剤、顔料、生理食塩水、水の1または2以上の組み合わせなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0041】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明は、下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0042】
1.リポソームの原料
a)リン脂質
日油株式会社製のL-α-ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を用いた。
b)コレステロール
SIGMA社製のコレステロール(Chol.)を用いた。
c)安定化剤
和光純薬工業株式会社製のスクロースを用いた。
d)水混和性有機溶媒
和光純薬工業株式会社製のt−ブタノール(t-BuOH;特級)を用いた。
【0043】
2.リポソームの粒度分布測定法
リポソームの粒度分布の測定は、動的光散乱による粒度分布計(マルバーン社製、ZETA SIZER Nano-ZS)を用いて行った。後述の実験例において調製されたリポソームは、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で希釈してから測定した。希釈倍率は5000から10000倍程度とした。ZETA SIZER Nano-ZSによる測定値は、平均粒子径 Z-Average (d.nm)として算出され、同時に算出される多分散指数(PDI)の値を指標としてリポソームの粒度分布の均一性を評価した。
【0044】
また、上記粒度分布計の「Result quality」に表示される測定結果を、均一な粒度分布を持つリポソームが生成したかどうかの判断基準とした。すなわち、マルバーン社の粒子径測定の品質判定基準を満たす場合、「Result quality」は「Good」と表示される。測定結果が「Good」を示さなかった場合は動的光散乱に適さない粒度分布が不均一なサンプルであると判断した。
【0045】
3.実験例
3.1:リン脂質およびコレステロールの溶解温度範囲の検討
380mgのDPPCおよび200mgのコレステロールをガラスバイアル中に秤量し、20mLの10wt/vol%スクロースおよび4.25mLのt-BuOHの混合液を添加した。このバイアルをウオータバス中で80℃に保温しながら10分間撹拌した。80℃における溶液は白濁状態であった。次に、撹拌を継続しながらウオータバスの保温を止め、室温下にて自然冷却を行った。ウオータバスの水温は、80℃から35℃まで冷却されるのに約90分間を要した。80℃における溶液は白濁状態であったが、72℃付近から溶液はわずかに青白い透明状態となり62℃付近までその透明状態を維持した。62℃付近から溶液は白く濁り始め、58℃で完全に白濁状態となった。以上の状態変化は可逆的であり、室温から段階的に昇温した場合も同様の状態変化が観察された。
【0046】
3.2:リン脂質単独およびコレステロール単独の溶解有無の検討
75.9mgのDPPCもしくは40mgのコレステロールをそれぞれガラスバイアル中に秤量し、それぞれのガラスバイアル中に4mLの10 wt/vol%スクロースと0.85mLのt-BuOHの混合液を添加し、3.1と同様の実験を行った。DPPCのみを用いた場合には、80℃から50℃までの間、水溶液は透明状態であった。48℃付近でわずかに青白い透明液状態となり約35℃までその状態を維持し、約35℃から急激に白濁状態となった。一方、コレステロールのみを用いた場合には、いずれの温度においても、バイアル壁に付着したコレステロールの凝集塊が認められ、透明状態とはならなかった。
【0047】
3.3:冷却速度の検討
1.75mLのt-BuOH、2mLの50%スクロース水溶液、終容量が10mLになるように純水を添加し、17.5vol%のt-BuOHを含む溶液を調製した。続いて、ガラスバイアル中に32.7mgのDPPCと17.2mgのコレステロールを加えた。この脂質混合物に、17.5vol%のt-BuOHを含む溶液を2mL添加した。当該バイアルをウオータバス中で70℃に保温しながら10分間撹拌した。その後、当該バイアルを50℃、40℃および30℃のウオータバスに移し、冷却速度:1℃/min以上にて冷却した。50℃、40℃および30℃になった時点でリポソーム懸濁液の一部をそれぞれ分取して、PBSで希釈し、ZETA SIZER Nano-ZSによる粒度分布測定を行った。また、比較のため、上記と同じ脂質混合物に、17.5vol%のt-BuOHを含む溶液を2mL添加したバイアルをウオータバス中で80℃に保温しながら10分間撹拌し、撹拌を継続しながらウオータバスの保温を止め、室温下で自然冷却を行った。80℃から35℃までの冷却に90分を要した(冷却速度:0.5℃/min)。35℃になった時点でリポソーム懸濁液の一部を分取して、PBSで希釈し、ZETA SIZER Nano-ZSによる粒度分布測定を行った。その結果を下表に示す。
【表1】

【0048】
表に示すように、急冷にて50℃、40℃および30℃まで冷却したリポソーム懸濁液中のリポソームは、平均粒径約500nmの非常に均一な粒径を有していた。一方、自然冷却にて処理を行ったリポソーム懸濁液中のリポソームは、急冷した3種のリポソームに比べると、粒径の均一性は低かった。
【0049】
3.4:図1に示す第2の収容部(リポソーム形成部)20の最適温度の検討
恒温槽で75℃に保温しながら、リン脂質(NC-61 日油株式会社)7.8g、コレステロール(日本精化 局方)4.1g、及びt-ブタノール80mLを攪拌混合し、脂質を完全に溶解させた。溶解させた後、室温まで冷却し、10% スクロース溶液を420mL加え、再び恒温槽にて加温し脂質成分を溶解させた。その後、75℃で30分間攪拌し、室温まで冷却させ、プレリポソーム溶液を得た。
プレリポソーム溶液を図1に示したリポソーム製造装置100で処理し、リポソームを製造した。なお、リポソーム製造装置100における第1の収容部(脂質溶解部)10、第2の収容部20、第3の収容部(冷却部)30における熱媒体注入口12,22,32から注入する熱媒体(温水)の温度、並びにマイクロチューブの長さ及び内径は、以下の表に示すとおりである。また、プレリポソーム溶液は、図1に示すリポソーム製造装置100の下方から注入し、UNIflows uf.7020PSB2を用いて5mL/minの流速でマイクロチューブ11,21,31内や滅菌フィルタ1を通過させた。
【表2】

生成したリポソームの粒径を、粒度分布計(Malvern, ZETA SIZER Nano-ZS)を用いて測定し、第2の収容部20に注入する熱媒体を各温度(40, 45, 50, 55, 60, 62, 64, 66, 68, 70℃)に設定した場合のリポソームの粒径における変化を調べた。その結果、熱媒体の各温度条件下で製造したそれぞれのリポソームは、均一な粒径を有し、再現性よく得ることができた。また、図5に示すように、リポソーム粒径は、55℃付近で最大となり、リポソーム粒径を成長させる特異的な温度領域が存在していた。
【0050】
3.5:図1に示す第2の収容部20での滞留時間の検討
リポソーム製造装置100における第1の収容部10、第2の収容部20、第3の収容部30に注入する熱媒体(温水)の温度、マイクロチューブの長さ及び内径、並びに上記ポンプの流量を、以下の表に示す条件に設定し、実施例3.4で調製したプレリポソーム溶液をリポソーム製造装置100で処理し、リポソームを製造した。製造したリポソームの粒径を実施例3.4と同様に測定し、第2の収容部20での滞留時間とリポソーム粒径との関係を調べた。なお、第2の収容部20での滞留時間は、式:(滞留時間)=(第2の収容部内のチューブの内容積)/(ポンプ流量)により算出した。その結果を図6に示す。
【表3】

【表4】

【0051】
その結果、第2の収容部20の温度が55℃の場合、第2の収容部20の滞留時間を長くすることでリポソーム粒径が増大した。一方、第2の収容部20の温度が60℃の場合には、リポソームの滞留時間が100秒以上でリポソームの粒径が変化しなかった。このように、本発明のリポソーム製造装置100を用いて、第2の収容部20の温度と滞留時間をコントロールすることにより、リポソーム粒径をコントロールできる。
【0052】
以上の実施例で示したように、リポソーム製造のための混合液から、粒径が揃った滅菌リポソームを製造するためには、リポソーム製造装置100における各収容部10,20,30内に収容された各マイクロチューブ11,21,31や無菌フィルタ1を通過する上記混合液の温度管理が重要である。そして、リポソーム製造装置が本発明の構成を有することにより、フィルタによる濾過の際も温度が低下せず、均一なリポソームが形成され、リポソームの粒径の微妙な調整も可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係るリポソーム製造装置は、リポソーム製造のための混合液の温度が低下することにより、溶解しているリポソーム膜成分物質が析出する虞がある混合液、例えば、1以上のリン脂質を水と水混和性有機溶媒を含む水溶液に溶解させた混合液などの無菌化に有用である。
【符号の説明】
【0054】
1 滅菌フィルタ
2 フィルタホルダ
3 フィルタ固定部
4 固定具
5 マイクロチューブ挿入孔
6 通路
7 貫通孔
10 第1の収容部
11,21,31 マイクロチューブ
12,22,32 熱媒体注入口
13,23,33 熱媒体排出口
14 フィルタケース
15,24,25,34 凹部
16,35 ボアドスルー
17,26,27 フランジ
18,36 孔
20 第2の収容部
30 第3の収容部
40,50 空間部
100 リポソーム製造装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と水混和性有機溶媒と脂質を含む混合液が流れる流路を有するマイクロチューブと、
前記マイクロチューブに設置され、前記混合液が通過することにより該混合液中の微生物を除去するフィルタと、
前記フィルタを設置するためのフィルタケースと、
前記マイクロチューブの外側に充填された熱媒体と、
を収容する収容部を備えることを特徴とするリポソーム製造装置。
【請求項2】
前記フィルタは、前記マイクロチューブにおいて、前記混合液が流れる下流側に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のリポソーム製造装置。
【請求項3】
前記フィルタケースは、前記熱媒体が通過する孔を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のリポソーム製造装置。
【請求項4】
前記収容部は、熱媒体注入口と熱媒体排出口とをさらに備え、
前記フィルタケースは、前記熱媒体注入口と前記熱媒体排出口との間に設置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリポソーム製造装置。
【請求項5】
前記混合液が流れる流路を有するマイクロチューブを収容する1以上の収容部をさらに有し、前記混合液が、前記マイクロチューブ内を漏れがなく流れるようにマイクロチューブ同士が隙間なく連結されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリポソーム製造装置。
【請求項6】
前記収容部同士を連結した際に、前記収容部同士が密接するのを防止するための空間部が前記収容部同士の連結部に生じるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のリポソーム製造装置。

【図5】
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【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−86166(P2012−86166A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235725(P2010−235725)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(508376591)株式会社バイオメッドコア (3)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】