説明

リモコンシステム

【課題】頻繁に使用する機能をファンクションキーに割当て、当該機能を実行できるようにするリモコンシステムを提供する。
【解決手段】機器本体の機能を決定あるいはカーソル移動をするための各種キー又は前記機能を割当てるためのファンクションキーを備えた操作部13と、操作部13からのメニュー表示機能の決定を受けてメニュー項目を表示する映像表示部14と、映像表示部14に表示されたメニュー項目のうち、所望の項目がカーソルによって選択された状態でファンクションキーが押下げられることによって、カーソルの位置を検出し、カーソルの位置に対応した機能をファンクションキーの機能として割当てる中央処理部と、ファンクションキーの機能として割当てられた機能を保存する記憶部11と、を具備したリモコンシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器のリモコンシステムにおいて頻繁に使用する機能の実行、設定、調整を行う際のユーザーの負担を軽減するためのショートカットキー(ファンクションキー)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より電子機器において特定のショートカットキー(以降ファンクションキーと呼ぶ)に所望の機能を割当て、ファンクションキーを押下することで所望の機能が実行できるショートカット機能が提案されてきている。
【0003】
従来は、ファンクションキーに機能を割当てる際にはファンクションキー割当て用の専用メニューに入り、ファンクションキーに割当てる機能を選択する必要があった(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、画面に表示されるメニューごとにファンクションキーの機能を自動的に変更が可能なものであっても、ファンクションキーに機能を割当てる際のガイダンス表示や、ファンクションキー押下により割当てた機能を呼び出す際の操作を容易にする方法については考慮されていない(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特開2008−198138号公報
【特許文献2】特開2008−1026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の構成では、ファンクションキーに所望の機能を割当てる際に、一度専用の特殊なメニューを表示したり、特殊な操作を行ったりしてから割当てる機能を選択する必要があるため、ユーザーに煩雑な操作を行わせる必要がある。
【0006】
また、ファンクションキーに色合い・明るさなどの調整機能やリアルタイムキースキャンのON/OFFなどの設定機能を割当てている場合に、ファンクションキーを押下すると、前記ファンクションキーに割当てた機能に対応したメニューが表示される。前記メニュー上で、調整値や設定値を変更する際には、ファンクションキー以外の操作部を操作する必要があるため、効率的に操作を行うことができない。
【0007】
本発明は、ファンクションキーへ頻繁に使用する機能を割当てる際の作業の効率化、及び、ファンクションキーに割当てた機能の効率の良い実行手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明のリモコンシステムは、機器本体の機能を決定あるいはカーソル移動をするための各種キー又は前記機能を割当てるためのファンクションキーを備えた操作部と、前記操作部からのメニュー表示機能の決定を受けてメニュー項目を表示する映像表示部と、前記映像表示部に表示されたメニュー項目のうち、所望の項目がカーソルによって選択された状態で前記ファンクションキーが押下げられることによって、カーソル位置を検出するメニュー制御部と、検出されたカーソル位置に対応した機能を前記ファンクションキーの機能として割当て保存する記憶部と、を具備したことを特徴とする。
【0009】
また、前記リモコンシステムにおいて、ファンクションキーの押下を一定期間続けることを特徴とする。
【0010】
また、前記リモコンシステムにおいて、画像表示部に表示されたメニュー項目のうち、ファンクションキーの機能として割当てられた機能に相当するメニュー項目が前記ファンクションキーの機能として割当てられていないメニュー項目と異なる様態で表示されることを特徴とする。
【0011】
また、前記リモコンシステムにおいて、画像表示部に表示されたメニュー内において、ファンクションキーの機能として割当てられた機能の名称がメニュー内の所定の場所に表示されることを特徴とする。
【0012】
前記リモコンシステムにおいて、画像表示装置に表示されたメニュー内において、ファンクションキーに割当てが可能な機能にカーソルがある場合、ファンクションキー割当て可否ガイドが有効であることがメニュー画面内の所定の場所に表示されることを特徴とする。
【0013】
また、前記リモコンシステムにおいて、ファンクションキーに割当てられた機能を実行する際に、ファンクションキーが押下げられると、記憶部から割当てられた機能を読み出し、機能の調整メニューや設定メニューを映像表示部に表示することを特徴とする。
【0014】
また、前記リモコンシステムにおいて、画像表示部に表示されたメニュー項目のうち、ファンクションキーの機能として割当てられた機能に相当するメニュー項目にカーソルがある状態でファンクションキーを押下することにより、前記ファンクションキーに割当てられた機能を削除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、ファンクションキーに機能を割当てる際に特殊なメニューを表示したり、特殊な操作を行ったりする必要がない。また、ファンクションキーに機能を割当てる際も実行する際もファンクションキーの押下だけで行うことでユーザーの操作を簡素化し、ユーザーの操作ミスや、操作回数を削減することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施の形態1)
図1は本発明のリモコンシステムの実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1において、記憶部11はファンクションキーに設定された機能を保存しておくものであり、例えばEEPROMなどである。中央処理部12は電子機器のマイコンであり、操作部13からの入力受付、メニュー項目上のカーソル位置情報の取得、ファンクションキーに割当てられた機能の記憶部11からの読み出し及び書き込み、映像表示部14へのメニュー項目の出力などを行う。操作部13は、ファンクションキー、上キー、下キー、左キー、右キー、戻るキー、メニュー表示キー、決定キーなどから構成される。
【0018】
図2は本発明のリモコンシステムを搭載した画像表示装置上に表示されるメニュー項目を示す例である。
【0019】
図2において、メニュー項目21は映像表示部14に表示された機器の機能のメニュー項目を示す。カーソル22は、映像表示部14上に投射された機器のメニュー項目21内でリモコンの操作により選択されている項目を示す。本発明によるファンクションキーへの機能割当て手順を以下に示す。
【0020】
操作部13でメニュー表示キーが押下されると中央処理部12は映像表示部14でメニュー項目21(図2)を表示する。操作部13の上キー、下キー、左キー、右キー、戻るキー、決定キーが押下されると各キーの処理に従いメニュー項目21上のカーソル22が移動する。操作部13でファンクションキーが一定期間以上押下し続けられると中央処理部12はメニュー項目21内のカーソル22の位置を特定し、カーソル22がある項目に対応した機能をファンクションキーの機能として記憶部11に保存する。
【0021】
この構成により、ユーザーはファンクションキーに所望の機能を割当てる際に特殊なメニューを表示したり、特殊な操作を行ったりする必要がない。
【0022】
(実施の形態2)
図3に示すファンクションキー割当て済み機能31はメニュー項目21内におけるファンクションキーに割当て済みの項目である。図3において図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0023】
実施の形態1に記載されているリモコンシステムにおいてメニュー項目21が映像表示部14に表示される際に中央処理部12は、記憶部11からファンクションキーに割当て済みの機能を読み出す。前記中央処理部12は記憶部11から読み出したファンクションキーに割当てられた機能に該当する項目を特定する。ぞして前述のファンクションキーに割当てられた機能31に該当する項目を、それ以外のファンクションキーに割当てられていない機能のメニュー項目21内の項目と異なる表示様態、例えば、背景色と文字の色を変えたり、背景色と文字色とを反転させたりして映像表示部14上に表示する特徴を有する。
【0024】
この構成により、メニュー項目21内のいずれの項目がファンクションキーに割当てられているかを明示することが可能になり、ユーザーはファンクションキーに割当てられた機能を容易に認識することができる。
【0025】
(実施の形態3)
図4に示す割当て済みメニュー項目表示欄41は機器のメニュー内でファンクションキーに割当てられている機能の名称を表示する表示欄である。図4において図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0026】
実施の形態1または実施の形態2に記載されているリモコンシステムにおいて、メニュー項目21が映像表示部14に表示される際に、中央処理部12は、記憶部11からファンクションキーに割当て済みの機能を読み出す。前記中央処理部12は記憶部11から読み出したファンクションキーに割当てられた機能の名称をメニュー内の所定の場所に表示する特徴を有する。
【0027】
この構成により、メニュー項目21内のいずれの項目をファンクションキーに割当てたかユーザーが失念した場合や、ファンクションキー割当て済み機能31のように表示されている項目を見つけることができない場合でも割当て済みの機能をユーザーは容易に認識することができる。
【0028】
(実施の形態4)
図5は、図2に示す各メニュー項目21がファンクションキーへ割当て可能かどうかを表すファンクションキー割当て可否ガイド51の表示例である。図5において図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0029】
実施の形態1、実施の形態2または実施の形態3に記載されたリモコンシステムにおいて、中央処理部12はカーソル22のある項目がファンクションキーに割当てが可能かどうかを判別する。前述の中央処理部12がファンクションキーに割当て可能と判断した場合、ファンクションキー割当て可否ガイド51をメニュー項目21内の所定の位置に表示される特徴を有する。
【0030】
この構成により、通常使用するメニュー項目21においてファンクションキーに割当て不可能な項目について非表示処理などを行う必要がなくなる。従来はファンクションキーに割当て不可能な項目を非表示にしたりグレーアウト表示したりするためにユーザーに特殊なメニューを表示したり、特殊な操作を行ったりしてもらう必要があったが、ユーザーにとって前記煩雑な操作が不要になることの利点は大きい。
【0031】
(実施の形態5)
実施の形態1に記載されたリモコンシステムにおいて、操作部13でファンクションキーが押し下げられると中央処理部12は記憶部11からファンクションキー割当てられている機能を読み出す。次に、前述の中央処理部12は前述の記憶部11から読み出したファンクションキーに割当てられた機能を実行する特徴を有する。
【0032】
この構成により、ユーザーは頻繁に使用する機能をリモコンシステム上のファンクションキー押下で実行、機能の調整メニュー表示、機能の設定メニュー表示などを行うことが可能になる。
【0033】
(実施の形態6)
実施の形態5に記載されたリモコンシステムにおいて、操作部13でファンクションキーが押し下げられると中央処理部12は前述のファンクションキーが一定時間内に2回以上の押し下げられたかを判断する。前述の中央処理部12が2回以上の押し下げだと判断した際は、前述の中央処理部12はファンクションキーに割当てられている機能の調整値変更や、前記機能の設定値の変更を行う特徴を有する。
【0034】
この構成により、ユーザーは頻繁に使用する機能の設定変更などを行う際にファンクションキー以外の操作部を操作する必要がなく、ユーザーが操作する必要のあるキーの数を削減できることから、ユーザーはより簡単に効率よく機能の調整値の変更や機能の設定値の変更を行うことが可能になる。
【0035】
(実施の形態7)
実施の形態6に記載されたリモコンシステムにおいて、操作部13でファンクションキーが押し下げられると中央処理部12は前述のファンクションキーが一定時間以上押し下げられたかを判断する。前述の中央処理部12が一定時間以上押し下げられたと判断した際はファンクションキーに割当てられた機能の調整値や、前述の機能の設定値を連続して変更する特徴を有する。
【0036】
この構成により、機能の調整項目がスライドバーのような形式であっても操作部13のファンクションキーの操作のみでユーザーはより簡単に効率よく機能の調整メニューの調整値変更や、設定メニュー内の設定値の変更を行うことが可能になる。
【0037】
(実施の形態8)
実施の形態1、実施の形態2または実施の形態3に記載されたリモコンシステムにおいて、ファンクションキー割当て済み機能31にカーソル22がある場合に操作部13のファンクションキーが一定期間以上押し下げられたことを中央処理部12が判断した際、前述の中央処理部12は記憶部11内のファンクションキーに割当てられた機能を削除する特徴を有する。
【0038】
この構成により、ファンクションキーに割当てた項目の削除を行う際にユーザーは特殊なメニューを表示したり、特殊な操作を行う必要がなく、ファンクションキーの押下のみで実行できるためユーザーの操作を簡素化することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明にかかるリモコンシステムは、特殊なモードや専用のメニューを表示しなくとも、ファンクションキーへの機能割当て、割当てた機能の実行、削除が行えるというようにユーザーインターフェースを向上したものであるため、画像表示装置等においてユーザーのお気に入り機能などを特定のキーに割当てる用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図
【図2】画像表示装置に投影されるメニュー項目を示す図
【図3】ファンクションキーに割当て済みの項目が表示されたメニュー項目を示す図
【図4】ファンクションキー割当て済みの機能名称が表示されたメニュー項目を示す図
【図5】ファンクションキーへの割当て可否ガイドが表示されたメニュー項目を示す図
【符号の説明】
【0041】
11 記憶部
12 中央処理部
13 操作部
14 映像表示部
15 メニュー制御部
21 メニュー項目
22 カーソル
31 ファンクションキー割当て済み機能
41 割当て済みメニュー項目表示欄
51 ファンクションキー割当て可否ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体の機能を決定あるいはカーソル移動をするための各種キー又は前記機能を割当てるためのファンクションキーを備えた操作部と、
前記操作部からのメニュー表示機能の決定を受けてメニュー項目を表示する映像表示部と、
前記映像表示部に表示されたメニュー項目のうち、所望の項目がカーソルによって選択された状態で前記ファンクションキーが押下げられることによって、前記カーソルの位置を検出し、前記カーソルの位置に対応した機能を前記ファンクションキーの機能として割当てる中央処理部と、
前記ファンクションキーに割当てられた機能を保存する記憶部と、
具備したリモコンシステム。
【請求項2】
メニュー項目をファンクションキーに割当てる際にはファンクションキーの押し下げを一定期間続ける必要があることを特徴とする請求項1記載のリモコンシステム。
【請求項3】
映像表示部に表示されたメニュー項目のうち、ファンクションキーの機能として割当てられた機能に相当する項目が、その他のメニュー項目と異なる様態で表示されることを特徴とする請求項1記載のリモコンシステム。
【請求項4】
映像表示部に表示されたメニュー内において、ファンクションキーの機能として割当てられた機能の名称が前記メニュー内の所定の場所に表示されることを特徴とする請求項1記載のリモコンシステム。
【請求項5】
映像表示部に表示されたメニュー内において、ファンクションキーに割当てが可能な機能にカーソルがある場合、ファンクションキー割当て可否情報が前記メニュー内の所定の場所に表示されることを特徴とする請求項1記載のリモコンシステム。
【請求項6】
ファンクションキーに割当てられた機能を実行する際に、ファンクションキーが押下げされると、記憶部から割当てられた機能を読み出し、機能の調整メニューや設定メニューを映像表示部に表示することを特徴とする請求項1記載のリモコンシステム。
【請求項7】
映像表示部に表示されたメニュー項目のうち、ファンクションキーの機能として割当てられた機能に相当するメニュー項目にカーソルがある状態でファンクションキーを一定時間押し下げ続けることにより、前記ファンクションキーに割当てられた機能を削除することを特徴とする請求項1記載のリモコンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−245669(P2010−245669A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89906(P2009−89906)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】