説明

リモコン及びリモコンシステム

【課題】リモコンのカバーを開けるときにカバー前面のスイッチを操作しても、機器が作動しないよう構成されたリモコン及びリモコンシステムを提供する。
【解決手段】ビデスイッチ24を操作したときに、リモコン20がトイレ用機器に向けてビデ洗浄の動作指示信号を出力する。この操作時点から所定時間以内にリードスイッチ98がカバー21の開を検知したときには、リモコン20は該ビデ洗浄の停止信号を自動的に出力する。この所定時間内にカバー21の開が検知されないときには、この停止信号は自動的には出力されない。便器本体1側にあっては、リモコン20からビデ洗浄指示信号を受信すると、ビデ洗浄動作を開始する。ビデスイッチ24の操作がカバー21を開けるときに指が触れたためである場合には、この動作開始直後にリモコン20から停止信号が送られてくるので、ビデ洗浄動作は直ちに停止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコン本体の前面の少なくとも一部を覆う開閉可能なカバーを有するリモコン及びリモコンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレ用機器等の装置を操作するためのリモコンにおいて、使用頻度の低いスイッチ類を開閉可能なカバーで覆うと共に、使用頻度の高いスイッチ類を、リモコンのうち該カバーで覆われない常時露出前面や、該カバーの前面に配置することが行われている。
【0003】
このようなカバー付きのリモコンにおいて、該カバーを閉めるときに、誤ってカバー前面のスイッチを押してしまうおそれがある。
【0004】
特開平11−75272号には、リモコンの蓋(カバー)の前面に表側スイッチが設けられ、リモコン本体のうち閉止された該蓋の背後側に本体側スイッチが設けられているリモコンにおいて、該蓋が閉止されてから所定時間が経過した後(遅延時間経過後)に、表側スイッチが操作可能な状態に切り替えられることが開示されている。このように遅延時間を設けたことにより、蓋を閉止するときに誤って表側スイッチを押してしまったとしても、表側スイッチによっては機器は動作しないことになる。
【特許文献1】特開平11−75272号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、リモコンのカバーを開けるときにカバー前面のスイッチを操作しても、機器が作動しないよう構成されたリモコン及びリモコンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明(請求項1)のリモコンにあっては、前面の少なくとも一部を覆う開閉回動可能なカバーと、該カバーの開閉を検知するカバー検知手段とを備え、該カバーの前面に、機器を動作させるためのスイッチが設けられているリモコンにおいて、該スイッチが操作された時点から所定時間以内に該カバー検知手段によってカバー開が検知された場合、該スイッチの操作による機器の動作を非実行とすることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2のリモコンは、請求項1において、該スイッチが操作されたときに機器への動作指示信号を出力し、この操作時点から前記所定時間以内に前記カバー検知手段がカバー開を検知したときには該動作の停止信号を出力することを特徴とする。
【0008】
請求項3のリモコンは、請求項1において、該スイッチが操作された操作時点から前記所定時間以内に前記カバー検知手段がカバー開を検知したときには機器への動作指示信号を出力せず、該操作時点から前記所定時間が経過するまでカバー開が検知されないときには該操作による機器への動作指示信号を出力することを特徴とする。
【0009】
請求項4のリモコンは、前面の少なくとも一部を覆う開閉回動可能なカバーと、該カバーの開閉を検知するカバー検知手段とを備え、該カバーの前面に、機器を動作させるためのスイッチが設けられているリモコンにおいて、該スイッチが指等で押されたときに前記カバーが開であるときには、該スイッチの操作による機器の動作を非実行とし、該スイッチが指等で押されたときに前記カバーが閉であり、その後、該スイッチから指等が離れたときに前記カバーが開であるときには、該スイッチの操作による機器の動作を非実行とし、該スイッチが指等で押されたときに前記カバーが閉であり、その後、該スイッチから指等が離れたときに前記カバーが閉であるときには、該スイッチの操作による機器の動作を実行することを特徴とするものである。
【0010】
請求項5のリモコンは、前面の少なくとも一部を覆う開閉回動可能なカバーと、該カバーの開閉を検知するカバー検知手段とを備え、該カバーの前面に、機器を動作させるためのスイッチが設けられているリモコンにおいて、該スイッチが指等で押されたときに前記カバーが開であるときには、該スイッチの操作による機器の動作を非実行とし、該スイッチが指等で押されたときに前記カバーが閉であり、その後、該スイッチから指等が離れたときに前記カバーが開であるときには、該スイッチの操作による機器の動作を非実行とし、該スイッチが指等で押されたときに前記カバーが閉であり、その後、該スイッチから指等が離れたときに前記カバーが閉であり、且つスイッチが押された時点よりも規定時間前の時点で該カバーが開であるときは、該スイッチの操作による機器の動作を非実行とし、該スイッチが指等で押されたときに前記カバーが閉であり、その後、該スイッチから指等が離れたときに前記カバーが閉であり、且つ該スイッチが押された時点よりも規定時間前の時点で該カバーが閉であるときには、該スイッチの操作による機器の動作を実行することを特徴とするものである。
【0011】
請求項6のリモコンは、請求項5において、前記規定時間は0.1〜1秒の間から選択された時間であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項7のリモコンは、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記スイッチは、閉めた状態におけるカバー前面のうち、リモコン前面の縁部近傍に配置されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項8のリモコンは、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記スイッチは、閉めた状態におけるカバー前面のうち、リモコン前面の端部に臨んで配置されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項9のリモコンは、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記カバーはその一辺側が回動基端側となっており、該カバーの他の少なくとも1つの辺がリモコン前面の周縁に臨んでおり、前記スイッチは該カバーのこの辺に臨んで配置されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項10のリモコンは、請求項9において、該リモコンは上下方向の面に取り付けられる盤状であり、前記カバーは、該リモコンの前面の下部に配置されており、該カバーの下辺がリモコンの下辺に回動可能に取り付けられており、該カバーの左右の側辺がそれぞれリモコンの左右の側縁に臨んでおり、前記スイッチは、該カバーの左辺又は右辺に臨んでいることを特徴とするものである。
【0016】
請求項11のリモコンは、請求項7ないし10のいずれか1項において、閉めた状態におけるカバー前面のうちリモコン前面の縁部から離隔した領域に、指等で操作されると無条件で当該スイッチの操作による機器の動作を実行する無条件型スイッチが設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項12のリモコンシステムは、請求項1ないし11のいずれか1項に記載のリモコンと、該リモコンによって制御される機器とを有するものである。
【0018】
請求項13のリモコンシステムは、請求項12において、前記リモコンは請求項2に記載のリモコンであり、前記機器は、該リモコンから前記スイッチによる動作指示信号を受信したときは前記所定時間が経過するまで待機し、この間に動作停止信号を受信したときには該動作指示信号による動作を実行せず、所定時間が経過するまでに動作停止信号を受信しないときには該所定時間経過後に該動作指示信号による動作を実行することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1のリモコンにあっては、カバー前面のスイッチが操作された時点から所定時間以内にカバー検知手段によってカバー開が検知された場合、該スイッチの操作による機器の動作を非実行とする。このため、カバーを開けるときにカバー前面のスイッチを操作しても、機器は動作しない。
【0020】
なお、本明細書において、「機器が動作する」とは、停止中の機器が始動すること、作動中の機器が停止すること、作動中の機器の作動又は設定条件が変更されること、停止中の機器の作動又は設定条件が変更されることのいずれをも包含するものである。
【0021】
請求項2のリモコンでは、カバー前面のスイッチが操作されると、まず機器へ動作指示信号を出力するが、該スイッチの操作時点から所定時間以内にカバー検知手段がカバー開を検知したときには動作の停止信号を出力する。この動作停止信号により、機器の動作が停止する。この所定時間を短く設定しておくことにより、機器は実質的には動作しないものとなる。
【0022】
請求項3のリモコンでは、カバー前面のスイッチの操作時点から所定時間経過するまで動作指示信号の出力を猶予し、この所定時間以内にカバー検知手段がカバー開を検知しないときには機器への動作指示信号を出力する。一方、この所定時間内にカバー検知手段がカバー開を検知したときには機器への動作指示信号を出力しない。そのため、カバー開時にカバー前面のスイッチに触れても、機器は全く動作しない。
【0023】
請求項4〜6のリモコンは、カバー前面のスイッチが指等(人の指又は、手で持っているスイッチを押すことができる物体)で押され次いで該スイッチから指等が離れた時点で、次に説明するように所定の条件を満たしている場合に動作指示信号を出力する。
【0024】
請求項4では、次の(1)〜(3)の通り動作の実行、非実行がなされる。
(1)カバーが開いてるときにカバー前面のスイッチを押しても動作は実行されない。従って開状態のカバーを閉める際にカバー前面のスイッチを押したとしても、該スイッチの操作による動作は実行されない。
(2)カバーが閉まっているときにカバー前面のスイッチを押した場合でも、該スイッチから指等を離したときにカバーが開であれば動作は実行されない。従って、カバーを開ける際に指等でカバー前面のスイッチを押しても該スイッチ操作による動作は実行されない。
(3)カバー前面のスイッチを押したとき及び該スイッチから指等を離したときのいずれでもカバーが閉まっている場合には、このスイッチによる機器動作を実行する。
【0025】
請求項5では、上記(1),(2)と同じく、
(1)カバーが開いているときにカバー前面のスイッチを押しても動作は実行されず、
(2)カバーが閉まっているときにカバー前面のスイッチを押しても、該スイッチから指等を離したときにカバーが開であれば動作は実行されない。
【0026】
請求項5では、請求項4における(3)の「カバー前面のスイッチを押したとき及び該スイッチから指等を離したときのいずれでもカバーが閉まっている場合」を、カバー前面のスイッチを指等で押すよりも規定時間前の時点(以下、規定時ということがある)のカバーの開閉状態に応じて次の(3a),(3b)のように区別して、動作の実行、非実行を行う。
(3a)規定時にカバーが開であれば、カバー前面のスイッチの操作による動作を非実行とする。
(3b)規定時にカバーが閉であれば、カバー前面のスイッチの操作による動作を実行する。
【0027】
請求項6の通り、この規定時間は、0.1〜1秒の間から選定されることが好ましい。
【0028】
請求項7,8のようにカバー前面のうちリモコン前面の縁部近傍もしくは端部に臨んでスイッチが配置されている場合、意図せずに指等がスイッチに接触し易いが、この意図しない接触によっては機器は動作しない。
【0029】
請求項9のリモコンのように、カバーはその一辺側が回動基端側となっており、該カバーの他の少なくとも1つの辺がリモコン前面の周縁に臨んでおり、スイッチは該カバーのこの辺に臨んで配置されていてもよい。カバーの辺のうち、このリモコン前面の周縁に臨む辺は、カバーを開ける際に指を掛けることが多く、指などがスイッチに意図せずに接触し易いが、この接触によっては機器は動作しない。
【0030】
請求項10のリモコンのように、リモコンは上下方向の面に取り付けられる盤状であり、カバーは、該リモコンの前面の下部に配置されており、該カバーの下辺がリモコンの下辺に回動可能に取り付けられており、該カバーの左右の側辺がそれぞれリモコンの左右の側縁に臨んでおり、前記スイッチは、該カバーの左辺又は右辺に臨んでいてもよい。
【0031】
このカバーの左辺又は右辺に臨むスイッチも、上記と同様の理由で、カバーを開けるときに指などが意図せずにスイッチに接触し易いが、この接触によっては機器は動作しない。
【0032】
本発明(請求項12)のリモコンシステムにおけるリモコンによる機器の制御は請求項1〜11の場合と同じであり、同様の作用効果が奏される。
【0033】
請求項13のリモコンシステムにあっては、機器が該リモコンからスイッチによる動作指示信号を受信したときは、所定時間が経過するまで待機し、この間に動作停止信号を受信したときには該動作指示信号による動作を実行しないので、カバーを開けるときにスイッチを操作しても機器は全く動作しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明の好適な形態について説明する。第1図は実施の形態に用いられるリモコンが設置されたトイレルームの斜視図、第2図(a)はリモコンの平面図、第2図(b)はリモコンの正面図、第3図はリモコンのカバーを開けた状態の正面図である。
【0035】
第1図に示すように、洋風水洗式便器にトイレ用機器が組み込まれている。この洋風水洗式便器では洋風便器本体1の後部に便座ボックス2が設置され、該便座ボックス2には、便座3及び便蓋4が回動可能に取り付けられている。便座3には着座センサ及び便座用ヒータが設けられている。
【0036】
この便座ボックス2の内部には、便座着座者の臀部を温水で洗浄するための温水洗浄装置(図示略)の洗浄ノズル5と、洋風便器本体1を使用する者を検知するための人体検知センサ6と、音声装置(図示略)のスピーカ7が設けられている。便座ボックス2の側面には手動式フラッシュハンドル8が設けられている。
【0037】
図示は省略するが、便座ボックス2内には、臀部乾燥用温風ファン、脱臭装置、足元及び便鉢内を照らす照明装置、トイレルーム内にプラスイオンとマイナスイオンとを放出するイオン発生器、トイレルーム内を暖房する暖房装置等が設けられている。この便座ボックス2は、昇降装置(図示略)によって洋風便器本体1の上面から浮上可能とされている。
【0038】
洋風便器本体1のトラップ部の外周面には、凍結防止用ヒータ(図示略)が設けられている。
【0039】
トイレルームの鉛直な壁面にリモコン20が設置されている。このリモコン20は、この壁面に取り付けた状態において正面視した場合、左右方向に長い長方形の盤状である。
【0040】
このリモコン20の前面下部に設けられたカバー21の前面には、第2図の通り、おしり洗浄用のおしりスイッチ(パワフルスイッチ)22及びマイルドスイッチ23、ビデスイッチ24、濡れた臀部に温風を吹き付けて乾燥させるための乾燥スイッチ25、洗浄及び乾燥停止用の止スイッチ26、洗浄強さ調節スイッチ27、洗浄位置調節スイッチ28、ターボ脱臭スイッチ29、マッサージスイッチ30及び電源スイッチ31が設けられている。
【0041】
リモコン20の内部には、各スイッチからの信号を受けて洋風便器本体1に赤外線又は電波によって制御信号を出力するように、マイクロコンピュータ及び発信回路等が設置されている。
【0042】
リモコン20のおしりスイッチ(パワフルスイッチ)22を押すと、洗浄ノズル5から比較的高流速にて温水が噴出し、臀部が力強く洗浄される。マイルドスイッチ23を押すと、洗浄ノズル5から比較的低流速にて温水が噴出し、臀部がソフトに洗浄される。これらおしりスイッチ22及びマイルドスイッチ23は、もう1回押すと洗浄ノズル5が前後に動いて広い範囲が洗浄され(ワイルドモード)、さらにもう1回押すとこの前後移動が停止する。
【0043】
ビデスイッチ24についても、該ビデスイッチ24を1回押すと洗浄ノズル5から温水が噴出し、もう1回押すと洗浄ノズル5が前後に動き(ワイルドモード)、さらにもう1回押すとノズル5の前後移動がさらに大きくなり(スーパーモード)、さらにもう1回押すとこの前後移動が停止する。
【0044】
おしり洗浄、マイルド洗浄及びビデ洗浄の洗浄強さは、洗浄強さ調節スイッチ27の操作によって調節可能である。また、おしり洗浄、マイルド洗浄及びビデ洗浄の際における洗浄ノズル5の前後位置は、洗浄位置調節スイッチ28の操作によって調節可能である。
【0045】
乾燥スイッチ25は、これを1回押すと比較的高温の温風が吹き出し、もう1回押すと中温の温風となり、さらにもう1回押すと比較的低温の温風となり、以下同様に「高」、「中」、「低」と切り替わる。止スイッチ26を押すと、上述の洗浄や乾燥(温風吹出)動作が停止する。なお、この実施の形態では、洗浄は開始2分後に自動的に停止し、乾燥は開始4分後に自動的に停止するセルフストップ機構が採用されている。
【0046】
ターボ脱臭スイッチ29を押すと、脱臭装置が作動して便鉢内の臭気を脱臭し、もう1回押すと脱臭装置が停止する。
【0047】
マイルド洗浄時及びビデ洗浄時にマッサージスイッチ30を押すと、洗浄ノズル5から高流速の温水と低流速の温水が交互に噴出する。
【0048】
電源スイッチ31を押すと、便器本体側の電源の入/切が切り替わる。また、便器本体1側の電源が切の場合には、リモコンから電源の入/切以外の操作信号は発信しないようになっている。
【0049】
このカバー21は、リモコン20の前面の下半部を占める大きさを有した左右方向に長い長方形状である。カバー21は、ヒンジ部55,56によってリモコン20の本体側に対し回動自在に取り付けられている。この実施の形態では、ヒンジ部55,56は、リモコン本体の下辺部と、カバー21を閉めた状態のカバー21の下辺部とを回動可能に連結している。カバー21は、リモコン本体の下部前面に重なった第1図及び第2図(a)、(b)の閉止状態と、リモコン本体の下辺から下方へ垂下した第3図の開放状態とをとるように上下方向にほぼ180°回転可能である。
【0050】
図示は省略するが、カバー21を閉めた状態に軽度に係止するように、マグネットやスナップロック機構を利用した閉止用係止機構が設けられている。
【0051】
カバー21を閉めた状態では、カバー21の左右の側辺は、リモコン本体の左右の側辺とほぼ重なり合う。
【0052】
前記スイッチ26,22,23,24は、閉止状態のカバー21の前面の上辺に沿ってこの順に配列されている。止スイッチ26とビデスイッチ24は、カバー21の左端側と右端側に配置されている。止スイッチ26の左端は、カバー21の左辺に臨んでいる。ビデスイッチ24の右端は、カバー21の右辺に臨んでいる。
【0053】
人がカバー21を開けようとする場合、手の指をカバー21の左側面又は右側面の上部に当てて手前へ引くことになるが、各スイッチ26,24がカバー21の左辺又は右辺に臨んでいるため、指がスイッチ24又は26に当る。そのため、カバー21を開けようとするときに、意図せずにスイッチ24又は26が操作されることがある。この実施の形態は、後述の通り、このようなカバー21の開時における意図しないスイッチ24,26の操作によってはトイレ用機器が動作しないように構成されている。
【0054】
即ち、この実施の形態では、止スイッチ26及びビデスイッチ24がカバー21の開閉条件に従って動作指示信号を出力する条件型スイッチであり、その他のスイッチは、カバー開時を含めてどの時点でも、指等が接触すれば無条件で動作指示信号を出力させる無条件型スイッチである。
【0055】
リモコン本体の前面の上部中央には、液晶パネル等よりなる表示画面40が設けられている。この表示画面40には、時刻表示部41、リモコン20からの信号光が便座ボックス2に向けて出力されていることを示すための表示部42、洗浄ノズル5から噴出する温水の水勢の表示部43、乾燥用温風の温度表示部44、節電モードとなっているか否かを表示する節電表示部45、暖房装置の入/切を表示する暖房表示部46、凍結防止用ヒータの入/切を表示する凍結防止表示部47、リモコン20の電池残量を表示する電池残量表示部48が設けられている。
【0056】
リモコン20の上部には、便座3を電動装置によって開閉させるための便座開閉スイッチ50、便器本体1を大洗浄するための大フラッシュスイッチ51及び小洗浄するための小フラッシュスイッチ52が設けられている。
【0057】
カバー21を開けて操作するスイッチについて第3図を参照して説明する。なお、前述の通り、このカバー21は、左右両側に設けられたヒンジ部55,56によりリモコン20の本体側に対し上下方向回動可能に取り付けられている。カバー21の前面の各スイッチ22〜31からの信号は、ハーネス57を介してリモコン内部の回路に送られる。
【0058】
カバー21を開けることにより露出するスイッチエリア60の左端側は、音声装置の操作エリアとなっている。この操作エリアの中央には、液晶パネル等よりなる表示画面61が設けられている。この表示画面61よりも上側には、音声再生スイッチ62、スキップスイッチ63及びリバーススイッチ64が設けられている。この表示画面61よりも下側には、音量スイッチ65及びモード切替スイッチ66が設けられている。
【0059】
このモード切替スイッチ66を押すと、音声装置が記憶している複数の曲のうち1曲を繰り返し再生する1曲リピートモード、全曲を順番に繰り返し再生する全曲リピートモード、全曲をランダムに再生するランダムモード、朝及び夜の時間帯に朝専用曲及び夜専用曲を再生する専用曲モード等のモード切替が行われる。前記人体検知センサが使用者を検知すると、各モードに従ってスピーカ7から曲が再生され、使用者を検知しなくなってから所定時間経過後に、曲の再生が停止する。
【0060】
音声装置の操作エリアの右側には、時刻合わせ用の「時」スイッチ70及び「分」スイッチ71、温水洗浄装置の温水温度設定スイッチ72、便座温度設定スイッチ73、温水温度及び便座温度の設定条件を表示する液晶等よりなる表示画面74が設けられている。本実施の形態では、これら温水温度及び便座温度は5段階に設定可能となっている。
【0061】
スイッチエリア60の右半側の上部には、ノズル掃除スイッチ80、足許及び便鉢内の照明の入/切スイッチ81、本体掃除スイッチ82、前記イオン発生器を作動させる快適イオンスイッチ83、呼び出しスイッチ84が設けられている。
【0062】
なお、ノズル掃除スイッチ80を押すと、洗浄ノズル5がその収納部内に収納されたまま約5秒間該ノズル5に水が注ぎかけられ、ノズル5が水洗いされる。本体掃除スイッチ82は、これを1回押すと昇降装置が便座ボックス2を浮上させ、もう1回押すと昇降装置が便座ボックス2を元の位置に下降させる。
【0063】
スイッチエリア60の右半側の下部には、ワンタッチ節電スイッチ90、スーパー節電スイッチ91、自動洗浄スイッチ92、フルオート便座スイッチ93、前記暖房装置を作動させる暖房温度スイッチ94、冷込防止スイッチ95が設けられている。また、スイッチエリア60の右半側の中央には、これらスイッチ90〜93,95の入/切及びスイッチ94の切/低温/高温を表示するための、液晶等よりなる表示画面96が設けられている。
【0064】
ワンタッチ節電スイッチ90を押すと、押してから8時間の間、温水用ヒータ及び便座用ヒータが切電された後、給電されて設定温度に戻る。
【0065】
スーパー節電スイッチ91を押すと、便蓋4が閉じている間は便座用ヒータ及び温水用ヒータが省エネ温度とされる。
【0066】
自動洗浄スイッチ92を押して自動洗浄モードにすると、着座センサが着座を検知した後に離座を検知したときに、便鉢内が自動的に洗浄される。
【0067】
フルオート便座スイッチ93を押してフルオート便座モードとすると、人体検知センサ6が人体を感知したときに便蓋4が自動的に開き、人体を感知しなくなると便蓋4が自動的に閉まる。
【0068】
冷込防止スイッチ95を押すと、トイレルーム内の室温が4℃以下になったときに前記暖房装置を作動させて、室温を5℃に保つ。
【0069】
カバー21の開閉を検知するために、カバー21の右側にマグネット97が内蔵されると共にスイッチエリア60の右側にリードスイッチ98が内蔵されている。
【0070】
第2図(a)の通り、リモコン20の上面に、上記の表面側スイッチ類(スイッチ22〜31,50〜52)及び背後側スイッチ類(スイッチ62〜66,70〜73,80〜84,90〜95)の操作信号を便座ボックス2に送信する送信部99が設けられている。
【0071】
リモコン20内には、これらスイッチの操作に応じて送信部99から赤外線信号を出力させるための送信用回路のほか、表示画面40,61,74,96の表示を制御する制御回路(図示略)が設けられている。
【0072】
このように構成されたリモコン20を備えたトイレ設備にあっては、止スイッチ26及びビデスイッチ24以外の各スイッチを操作すると、それに対応した動作指示信号が送信部99から出力され、トイレ用機器はこの信号に従って動作を行う。
【0073】
止スイッチ26及びビデスイッチ24に関しては、前記の通り、カバー21を開けるときに意図せずに止スイッチ26又はビデスイッチ24に触れることがあるので、これらのスイッチ26又は24が操作された場合、次の第1ないし第6の動作例のように動作し、意図しないスイッチ操作によってはトイレ用機器が実質的に動作しないよう構成されている。
【0074】
なお、以下の第1〜第3動作例は、ビデスイッチ24に指が触れた場合に関するものであり、第4〜第6動作例は止スイッチ26に指が触れた場合に関するものである。
【0075】
[第1の動作例(請求項2の動作例。第4図参照)]
本動作例においては、ビデスイッチ24を操作すべくスイッチを押した意図的押し操作、及び、カバー21を開けるときに指がビデスイッチ24を偶然押した偶然押し操作のいずれの場合でも、ビデスイッチ24が押されたときには、リモコン20が便座ボックス2に向けてビデ洗浄の動作指示信号を出力する。ビデスイッチ24が指で押された時点から所定時間以内にリードスイッチ98がカバー21の開を検知したときには、リモコン20は該ビデ洗浄の停止信号を自動的に出力する。この所定時間内にカバー21の開が検知されないときには、この停止信号は自動的には出力されない。カバー21を開けるときに指でビデスイッチ24を押した偶然押し操作の場合には、指で押した時点から所定時間内にカバー21が開となるので、ビデ洗浄の停止信号が発信される。
【0076】
上記所定時間は、1〜2秒程度であることが好ましい。
【0077】
便座ボックス2側にあっては、リモコン20からビデ洗浄指示信号を受信すると、ビデ洗浄動作を開始する。
【0078】
ビデスイッチ24の操作がカバー21を開けるときに指で偶然押した偶然押し操作による場合には、上記の通り、この動作開始直後にリモコン20から停止信号が送られてくるので、ビデ洗浄動作は直ちに停止され、ビデ洗浄装置は実質的には始動しない。
【0079】
ビデスイッチ24の操作が、ビデ洗浄を行うという意図的なものであった場合には、ビデスイッチ24操作の直後(前記所定時間内)にカバー21が開けられることはないから、カバー開に伴う自動的な停止信号はリモコン20から出力されない。このため、意図してビデスイッチ24を操作したときには、平常通り、ビデ洗浄動作が実行される。
【0080】
[第2の動作例(請求項3の動作例。第5図参照)]
本動作例においては、ビデスイッチ24を意図的に操作する意図的押し操作、及び、カバー21を開けるときに指がビデスイッチ24を偶然押した偶然押し操作のいずれの場合でも、ビデスイッチ24が押されたときは、ビデスイッチ24が指で押された時点から所定時間が経過するまでの間、リモコン20は便座ボックス2に向けてビデ洗浄の動作指示信号を出力することを保留する。この所定時間以内にリードスイッチ98がカバー21の開を検知したときには、偶然押し操作であるので、リモコン20はこの動作指示信号の出力の中止を決定する。この所定時間内にカバー21の開が検知されないときには、意図的押し操作であるので、所定時間が経過した時点でリモコン20がトイレ用機器に向けてこの動作指示信号を出力する。
【0081】
上記所定時間は、第1動作例のときの所定時間と同程度であることが好ましい。
【0082】
便座ボックス2側にあっては、リモコン20からビデ洗浄指示信号を受信すると、ビデ洗浄動作を開始する。
【0083】
ビデスイッチ24の操作がカバー21を開けるときに押された偶然押し操作のものである場合には、リモコン20が動作指示信号を出力しないので、ビデ洗浄装置は全く動作しない。
【0084】
[第3の動作例(請求項13の動作例。第4図参照)]
本動作例においては、リモコン20の動作は第1動作例と同様であるが、便座ボックス2側で一時待機が行われる点が第1動作例と異なる。
【0085】
この第3動作例でも、ビデスイッチ24の意図的押し操作の場合、及び偶然押し操作のいずれの場合でも、ビデスイッチ24が押されたときに、リモコン20が便座ボックス2に向けてビデ洗浄の動作指示信号を出力する。この操作時点から所定時間以内にリードスイッチ98がカバー21の開を検知したときには、リモコン20は該ビデ洗浄の停止信号を自動的に出力する。この所定時間内にカバー21の開が検知されないときには、この停止信号は自動的には出力されない。
【0086】
上記所定時間は、第1動作例の場合と同様である。
【0087】
便座ボックス2側にあっては、リモコン20からビデ洗浄指示信号を受信すると、受信時点から設定時間が経過するまでの間は、ビデ洗浄動作を開始せず、待機する。この設定時間以内に便座ボックス2が上記停止信号を受信したときには、便器本体1はビデ洗浄動作の実行を行わない。この設定時間内に停止信号が受信されないときに、便器本体1がビデ洗浄動作を開始する。
【0088】
この設定時間としては、1〜2秒程度が好適である。
【0089】
ビデスイッチ24の操作がカバー21を開けるときに指で押された偶然押し操作のものである場合には、便座ボックス2側でビデ洗浄動作の開始を一時的に保留している間(設定時間内)に停止信号を受信するので、ビデ洗浄装置は全く動作しない。
【0090】
ビデスイッチ24の操作が、ビデ洗浄を行うという意図的なものであった場合には、ビデスイッチ24操作の直後(前記所定時間内)にカバー21が開けられることはないから、カバー開に伴う自動的な停止信号はリモコン20から出力されない。このため、意図してビデスイッチ24を操作したときには、ビデ洗浄指示信号の受信時点から上記設定時間の経過後にビデ洗浄動作が実行される。
【0091】
[第4の動作例(請求項2の動作例。第6図参照)]
本動作例においては、止スイッチ26を操作する意図的押し操作時、及びカバー21を開けるときに指が止スイッチ26を押した偶然押し操作のいずれの場合でも、止スイッチ26が押された場合、リモコン20が便座ボックス2に向けて、洗浄及び乾燥の停止を指示する止指示信号を出力する。この操作時点又は止スイッチ26が押された時点から所定時間以内にリードスイッチ98がカバー21の開を検知したときには、リモコン20は該洗浄・乾燥動作の停止をキャンセルするキャンセル信号を自動的に出力する。すなわち、カバー21を開けるときに指で止スイッチ26が押された偶然押し操作の場合には、指で押された時点から所定時間内にカバー21が開となるので、キャンセル信号が発信される。
【0092】
一方、この所定時間内にカバー21の開が検知されないときには、意図的押し操作であるので、このキャンセル信号は出力されない。
【0093】
上記所定時間は、1〜2秒程度であることが好ましい。
【0094】
便座ボックス2側にあっては、リモコン20から止指示信号を受信すると、おしり洗浄、ビデ洗浄及び乾燥のいずれかを実行している場合には、その実行を停止する。
【0095】
止スイッチ26の操作がカバー21を開けるときに指で押した偶然押し操作時のものである場合には、この洗浄・乾燥動作の停止直後にリモコン20からキャンセル信号が送られてくるので、上記洗浄・乾燥動作の停止が直ちにキャンセルされ、洗浄・乾燥動作を継続する。
【0096】
止スイッチ26の操作が、洗浄・乾燥動作の停止を行うという意図的なものであった場合には、止スイッチ26操作の直後(前記所定時間内)にカバー21が開けられることはないから、カバー開に伴う自動的なキャンセル信号はリモコン20から出力されない。このため、意図して止スイッチ26を操作したときには、平常通り、洗浄・乾燥動作の停止動作が実行される。
【0097】
[第5の動作例(請求項3の動作例。第7図参照)]
本動作例においては、偶然押し操作及び意図的押し操作のいずれの場合でも、止スイッチ26が押された場合、この操作時点又は止スイッチ26を指で押された時点から所定時間が経過するまでの間、リモコン20は便座ボックス2に向けて洗浄及び乾燥の停止を指示する止指示信号を出力することを保留する。この所定時間以内にリードスイッチ98がカバー21の開を検知したときには、偶然押し操作であるので、リモコン20はこの止指示信号の出力の中止を決定する。この所定時間内にカバー21の開が検知されないときには、意図的押し操作であるので、リモコン20がトイレ用機器に向けてこの止指示信号を出力する。
【0098】
上記所定時間は、第4動作例のときの所定時間と同程度であることが好ましい。
【0099】
便座ボックス2にあっては、リモコン20から止指示信号を受信すると、洗浄・乾燥動作の停止を行う。
【0100】
止スイッチ26の操作がカバー21を開けるときに指で押された偶然押し操作のものである場合には、リモコン20が止指示信号を出力しないので、洗浄・乾燥動作は継続して実行される。
【0101】
[第6の動作例(請求項13のリモコンシステムの動作例。第6図)]
本動作例においては、リモコン20の動作は第4動作例と同様である。即ち、偶然押し操作及び意図的押し操作のいずれの場合でも、止スイッチ26が押されたときに、リモコン20が便座ボックス2に向けて、洗浄及び乾燥の停止を指示する止指示信号を出力する。この操作時点から所定時間以内にリードスイッチ98がカバー21の開を検知したときには、偶然押し操作であるから、リモコン20は該洗浄・乾燥動作の停止をキャンセルするキャンセル信号を自動的に出力する。この所定時間内にカバー21の開が検知されないときには、意図的押し操作であるから、このキャンセル信号は自動的には出力されない。
【0102】
上記所定時間は、第4動作例の場合と同様である。
【0103】
便座ボックス2側にあっては、リモコン20から止指示信号を受信すると、受信時点から設定時間が経過するまでの間は、洗浄・乾燥動作の停止を行わず、待機する。この設定時間以内に便座ボックス2が上記キャンセル信号を受信したときには、便座ボックス2側では、洗浄・乾燥動作の停止を実行しない(即ち、洗浄・乾燥動作を継続する。)。この設定時間内にキャンセル信号が受信されないときには、洗浄・乾燥動作を停止する。
【0104】
この設定時間としては、1〜2秒程度が好適である。
【0105】
止スイッチ26の操作がカバー21を開けるときに指が触れた偶然押し操作である場合には、便座ボックス2は、洗浄・乾燥動作の停止を一時的に保留している間(設定時間内)にキャンセル信号を受信するので、洗浄・乾燥動作が継続される。
【0106】
止スイッチ26の操作が、洗浄・乾燥動作を停止するという意図的なものであった場合には、止スイッチ26操作の直後(前記所定時間内)にカバー21が開けられることはないから、カバー開に伴う自動的なキャンセル信号はリモコン20から出力されない。このため、意図して止スイッチ26を操作したときには、止指示信号の受信時点から上記設定時間の経過後に、洗浄・乾燥動作が停止する。
【0107】
[第7の動作例(請求項4の動作例。第8図)]
以下の第7及び第8の動作例では、基本的には各スイッチを指等で押し、その後スイッチから指等を離したときに動作信号を出力するよう構成されている。さらに詳しくは、このスイッチを押す動作がスイッチに意図的に(即ち、スイッチ操作すべく)行われたものであるか、カバー開閉時にスイッチに触れたことによるものであるかをカバー21の開閉状態に応じて判断し、意図的にスイッチを押したものであると判断されるときには動作信号を出力し、カバー21の開閉の際に単に指等がスイッチに触れたものであるときには動作信号を出力しないように構成している。
【0108】
第7の動作例では、第8図の通り、ビデスイッチ24が押されると、ステップ110からステップ120に移り、現時点(ビデスイッチ24が押された時点)でカバー21が開、閉いずれとなっているか判断する。カバー21が開となっている場合には、偶然押し操作であるので、ビデ動作(洗浄)信号は出力しない。カバー21が閉となっているときには、ステップ120からステップ130に移り、ビデスイッチ24から指等が離れるまで待機する。指等がビデスイッチ24から離れたならば、ステップ140に移り、現時点(指等がビデスイッチ24から離れた時点)でのカバー21の開、閉状態を判断する。カバー21が開であれば、偶然押し操作であるので、ビデ動作信号は出力しない。カバー21が閉であれば、意図的押し操作であるので、ステップ150に進み、ビデ動作信号を出力する。
【0109】
このように、カバー21が閉まっているときにビデスイッチ24が押され、そしてこのビデスイッチ24から指等を離した時点でもカバー21が閉まっている意図的押し操作の場合に限り、リモコン20がビデ動作信号を出力する。
【0110】
ビデスイッチ24が押された時点でカバー21が開いている場合、及び、ビデスイッチ24から指等が離れた時点でカバー21が開いている場合は、偶然押し操作であるので、リモコン20はビデ動作信号を出力しない。
【0111】
[第8の動作例(請求項5,6の動作例。第9図)]
この第8の動作例では、第7の動作例において、さらに、ビデスイッチ24を押す直前の規定時(この例では、ビデスイッチ24がONとなった時点よりも0.8秒前)におけるカバー21の開閉状態を加味して動作信号出力の制御を行っている。
【0112】
この実施の形態では、リモコンの制御回路に8ビットのシフトレジスタが組み込まれており、0.1秒毎に、その時点でのカバー21の開又は閉状態を、カバー21が開のときは0として、カバー21が閉のときは1として入力するようにしている。従ってこのシフトレジスタの第1のビットには0.1秒前のカバー21の開又は閉状態が記憶され、第2ないし第7のビットには、それぞれ0.2ないし0.7秒前のカバー21の開又は閉状態が記憶され、第8のビットには0.8秒前のカバー21の開又は閉状態が記憶されている。
【0113】
第9図の通り、ビデスイッチ24が押されると、ステップ110からステップ111に移り、フラグFに0.8秒前のカバー21の開又は閉状態を設定する。次いでステップ120に移り、現時点(ビデスイッチ24が押された時点)でカバー21が開、閉いずれとなっているか判断する。カバー21が開となっている場合には、偶然押し操作であるので、ビデ動作(洗浄)信号は出力しない。カバー21が閉となっているときには、ステップ120からステップ130に移り、ビデスイッチ24から指等が離れるまで待機する。指等がビデスイッチ24から離れたならば、ステップ140に移り、現時点(指等がビデスイッチ24から離れた時点)でのカバー21の開、閉状態を判断する。カバー21が開であれば、偶然押し操作であるので、ビデ動作信号は出力しない。カバー21が閉であれば、ステップ141に進み、フラグFが0か1かを判断し、0すなわちビデスイッチON時点より0.8秒前にカバー21が開であったならばビデ動作信号を出力しない。F=1すなわちビデスイッチON時点より0.8秒前にカバー21が閉であったならばステップ150に進み、ビデ動作信号を出力する。
【0114】
このように、カバー21が閉まっているときにビデスイッチ24が押され、そしてこのビデスイッチ24から指等を離した時点でもカバー21が閉まっており、且つビデスイッチ24が押されるよりも0.8秒前の時点でカバー21が閉まっている場合に限りリモコン20がビデ動作信号を出力する。
【0115】
ビデスイッチが押された時点でカバー21が開いている場合、及び、ビデスイッチ24から指等が離れた時点でカバー21が開いている場合並びに、ビデスイッチ24が押されるよりも0.8秒前の時点でカバー21が開いている場合は、リモコン20はビデ動作信号を出力しない。
【0116】
この第8の動作例では、ビデスイッチ24が押された時点より0.8秒前の時点を規準時としているが、この規準時は0.8秒前に限定されるものではなく、0.1〜1秒の間から選択されればよい。
【0117】
また、第7及び第8の動作例ではビデスイッチ24を例にとっているが、止スイッチ26の場合についても同様に適用できる。
【0118】
[別の実施の形態]
上記実施の形態では、ビデスイッチ24又は止スイッチ26をカバー開条件に従って信号出力を行う条件型スイッチとし、その他のスイッチを無条件型スイッチとしているが、スイッチの区分はこれに限定されない。例えば、電源スイッチ31やターボ脱臭スイッチ29のようにカバー21の縁部近傍に配置されたスイッチも、カバー開閉時に指等が接触する可能性があるので、この電源スイッチ31やターボ脱臭29を条件型スイッチとしてもよい。
【0119】
また、例えば、カバー21を閉めるときに指等がおしりスイッチ22又はマイルドスイッチ23に当ることも考えられるので、このようなスイッチ22,23が押された場合にも上記と同様の制御を行うようにしてもよい。
【0120】
図示のリモコン前面のスイッチの配列は、一例であり、本発明はこれに限定されないことは明らかである。
【0121】
上記実施の形態では、止スイッチ26及びビデスイッチ24がカバー21の側辺に臨んでいるが、他のスイッチがカバー側辺に臨んでいてもよいことは明らかである。
【0122】
また、カバー21はリモコン20の前面の全体を覆う大きさであってもよい。この場合、カバーの上辺に臨むスイッチについて上記スイッチ24,26と同様の動作キャンセル機能を付与してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】実施の形態に用いられるトイレ用機器及びリモコンが設置されたトイレルームの斜視図である。
【図2】(a)はリモコンの平面図、(b)はリモコンの正面図である。
【図3】リモコンのカバーを開けた状態の正面図である。
【図4】動作例を示すフロー図である。
【図5】動作例を示すフロー図である。
【図6】動作例を示すフロー図である。
【図7】動作例を示すフロー図である。
【図8】動作例を示すフロー図である。
【図9】動作例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0124】
1 便器本体
2 便座ボックス
3 便座
4 便蓋
5 洗浄ノズル
7 スピーカ
20 リモコン
21 カバー
22〜31 スイッチ
40 表示画面
50〜52 スイッチ
60 スイッチエリア
61 表示画面
62〜66 スイッチ
70〜73 スイッチ
74 表示画面
80〜84 スイッチ
90〜95 スイッチ
96 表示画面
97 マグネット
98 リードスイッチ
99 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面の少なくとも一部を覆う開閉回動可能なカバーと、該カバーの開閉を検知するカバー検知手段とを備え、該カバーの前面に、機器を動作させるためのスイッチが設けられているリモコンにおいて、
該スイッチが操作された時点から所定時間以内に該カバー検知手段によってカバー開が検知された場合、該スイッチの操作による機器の動作を非実行とすることを特徴とするリモコン。
【請求項2】
請求項1において、該スイッチが操作されたときに機器への動作指示信号を出力し、この操作時点から前記所定時間以内に前記カバー検知手段がカバー開を検知したときには該動作の停止信号を出力することを特徴とするリモコン。
【請求項3】
請求項1において、該スイッチが操作された操作時点から前記所定時間以内に前記カバー検知手段がカバー開を検知したときには機器への動作指示信号を出力せず、該操作時点から前記所定時間が経過するまでカバー開が検知されないときには該操作による機器への動作指示信号を出力することを特徴とするリモコン。
【請求項4】
前面の少なくとも一部を覆う開閉回動可能なカバーと、該カバーの開閉を検知するカバー検知手段とを備え、該カバーの前面に、機器を動作させるためのスイッチが設けられているリモコンにおいて、
該スイッチが指等で押されたときに前記カバーが開であるときには、該スイッチの操作による機器の動作を非実行とし、
該スイッチが指等で押されたときに前記カバーが閉であり、その後、該スイッチから指等が離れたときに前記カバーが開であるときには、該スイッチの操作による機器の動作を非実行とし、
該スイッチが指等で押されたときに前記カバーが閉であり、その後、該スイッチから指等が離れたときに前記カバーが閉であるときには、該スイッチの操作による機器の動作を実行することを特徴とするリモコン。
【請求項5】
前面の少なくとも一部を覆う開閉回動可能なカバーと、該カバーの開閉を検知するカバー検知手段とを備え、該カバーの前面に、機器を動作させるためのスイッチが設けられているリモコンにおいて、
該スイッチが指等で押されたときに前記カバーが開であるときには、該スイッチの操作による機器の動作を非実行とし、
該スイッチが指等で押されたときに前記カバーが閉であり、その後、該スイッチから指等が離れたときに前記カバーが開であるときには、該スイッチの操作による機器の動作を非実行とし、
該スイッチが指等で押されたときに前記カバーが閉であり、その後、該スイッチから指等が離れたときに前記カバーが閉であり、且つスイッチが押された時点よりも規定時間前の時点で該カバーが開であるときは、該スイッチの操作による機器の動作を非実行とし、
該スイッチが指等で押されたときに前記カバーが閉であり、その後、該スイッチから指等が離れたときに前記カバーが閉であり、且つ該スイッチが押された時点よりも規定時間前の時点で該カバーが閉であるときには、該スイッチの操作による機器の動作を実行することを特徴とするリモコン。
【請求項6】
請求項5において、前記規定時間は0.1〜1秒の間から選択された時間であることを特徴とするリモコン。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、前記スイッチは、閉めた状態におけるカバー前面のうち、リモコン前面の縁部近傍に配置されていることを特徴とするリモコン。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれか1項において、前記スイッチは、閉めた状態におけるカバー前面のうち、リモコン前面の端部に臨んで配置されていることを特徴とするリモコン。
【請求項9】
請求項1ないし6のいずれか1項において、前記カバーはその一辺側が回動基端側となっており、
該カバーの他の少なくとも1つの辺がリモコン前面の周縁に臨んでおり、前記スイッチは該カバーのこの辺に臨んで配置されていることを特徴とするリモコン。
【請求項10】
請求項9において、該リモコンは上下方向の面に取り付けられる盤状であり、前記カバーは、該リモコンの前面の下部に配置されており、
該カバーの下辺がリモコンの下辺に回動可能に取り付けられており、
該カバーの左右の側辺がそれぞれリモコンの左右の側縁に臨んでおり、前記スイッチは、該カバーの左辺又は右辺に臨んでいることを特徴とするリモコン。
【請求項11】
請求項7ないし10のいずれか1項において、閉めた状態におけるカバー前面のうちリモコン前面の縁部から離隔した領域に、指等で操作されると無条件で当該スイッチの操作による機器の動作を実行する無条件型スイッチが設けられていることを特徴とするリモコン。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載のリモコンと、該リモコンによって制御される機器とを有するリモコンシステム。
【請求項13】
請求項12において、前記リモコンは請求項2に記載のリモコンであり、
前記機器は、該リモコンから前記スイッチによる動作指示信号を受信したときは前記所定時間が経過するまで待機し、この間に動作停止信号を受信したときには該動作指示信号による動作を実行せず、所定時間が経過するまでに動作停止信号を受信しないときには該所定時間経過後に該動作指示信号による動作を実行することを特徴とするリモコンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−141927(P2009−141927A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50246(P2008−50246)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】