説明

リモコン及び衛生洗浄装置

【課題】メインスイッチの設定条件を調節するためのサブスイッチを明瞭に認識することができるリモコンを提供する。
【解決手段】リモコン1の前面の左側におしり洗浄スイッチ2が設けられ、右側にビデスイッチ3が設けられている。スイッチ2,3の間に洗浄位置調節用の洗浄位置スイッチ4、洗浄強さ調節用の洗浄強さスイッチ5、ノズルからの噴出水温を調節するための水温スイッチ6、及びワイド機能入切用のワイドスイッチ7が設けられている。おしり洗浄スイッチ2の下部の右側方には、単独サブスイッチとして、マイルド機能入切用のマイルドスイッチ8と、マッサージ機能入切用のマッサージスイッチ9とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリモコンに係り、特に温水洗浄便座などの衛生洗浄装置に好適なリモコンに関する。また、本発明は衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
温水洗浄便座用のリモコンには、おしり洗浄スイッチ、ビデスイッチ、温風乾燥用の乾燥スイッチなどのメインスイッチと共に、これらの洗浄や乾燥を停止させるための止スイッチ(ストップスイッチ)が設けられている。また、上記メインスイッチの設定条件たとえば温水の温度や洗浄強さを調節するためのサブスイッチが設けられている。
【0003】
特開2004−60332の図2には、おしりスイッチの右隣にパワフルスイッチとマッサージスイッチとを配置したリモコンが記載されているが、洗浄強さや温水の温度を調節するためのスイッチは、おしりスイッチやビデスイッチからは離隔している。
【0004】
特開2005−168719の図3〜5には、おしりスイッチの下方に洗浄強さ調節スイッチを配列したリモコンが記載されているが、この洗浄強さ調節スイッチはビデスイッチから左下方に離隔している。
【0005】
なお、衛生洗浄装置として、便座ボックスなどの便器上面部材と一体の張出部(袖部)を備え、この張出部の上面のスイッチ設置部に各種スイッチを配置したものも数多く市販されている。
【0006】
第6図はかかる衛生洗浄装置を備えた洋風便器の斜視図である。
【0007】
洋風便器31の後部上面にロータンク32が設置され、このロータンク32の前面側に便座ボックス33が設置されている。この便座ボックス33は、洋風便器31の側方に張り出す張出部34を有し、この張出部34の上面にスイッチ設置部としてスイッチパネル35が設けられている。張出部34内には温水タンク等が設置されている。
【0008】
便座ボックス33には、洗浄ノズル36,37の他、図示は省略するが、該温水タンクから洗浄ノズル36,37に温水を供給するためのポンプ、該ポンプからの温水を洗浄ノズル36,37のいずれかに供給するための洗浄ノズル切替弁のほか、温風乾燥ファンや便器脱臭装置等が設けられている。スイッチパネル35には、これらの機器を制御するためのスイッチが設けられている。
この便座ボックス33には、便座38、便蓋39が上下方向に回動可能に取り付けられている。
【0009】
トイレルームの壁面に設けられた止水栓40から給水ホース41を介して張出部34内の温水タンクへ給水可能とされている。止水栓40は、配管42を介してロータンク32のボールタップ(図示略)に接続されている。
【0010】
トイレルームの壁面に設けられたコンセント43からプラグ44及び電源コード45を介して温水洗浄装置等へ給電される。
【特許文献1】特開2004−60332
【特許文献2】特開2005−168719
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
複数のメインスイッチを備えたリモコンや衛生洗浄装置において、上記のようにメインスイッチとその設定条件を変更するためのサブスイッチとが離隔していると、メインスイッチの設定条件を調節するにはどのサブスイッチを操作したら良いのか分かりにくい。
【0012】
本発明は、このような問題点を解決し、メインスイッチの設定条件を調節するためのサブスイッチを容易に認識することができるリモコン及び衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明(請求項1)のリモコンは、制御対象機器の少なくとも始動を行うためのメインスイッチと、該制御対象機器の設定条件を変更するためのサブスイッチとを有するリモコンにおいて、共通する設定条件を有したメインスイッチを複数個有しており、この共通設定条件を変更するための共通サブスイッチをそれぞれのメインスイッチに関連付ける形態にて配置したことを特徴とする。
【0014】
請求項2のリモコンは、請求項1において、共通する設定条件を有したメインスイッチ同士がそれらの間に間隔をあけて配置され、前記共通サブスイッチがこれらのメインスイッチ同士の間に配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項3のリモコンは、請求項2において、該共通サブスイッチは、該メインスイッチ同士を結ぶ方向に延在していることを特徴とする。
【0016】
請求項4のリモコンは、請求項2又は3において、前記リモコンは壁面に設置されるものであり、前記メインスイッチとして、該リモコンの前面の左側及び右側の一方に第1のメインスイッチが配置され、他方に第2のメインスイッチが配置され、該第1のメインスイッチ、共通サブスイッチ及び第2のメインスイッチの下方に、制御対象機器の停止を行うための止スイッチが左右方向に延在して配置されていることを特徴とする。
【0017】
請求項5のリモコンは、請求項4において、第1のメインスイッチの下部は第2のメインスイッチよりも下方に延在しており、該第1のメインスイッチの設定条件のみを変更するための単独サブスイッチが、該第1のメインスイッチの下部における第2のメインスイッチ側の側方に配置されていることを特徴とする。
【0018】
請求項6のリモコンは、請求項5において、前記共通サブスイッチ及び単独サブスイッチは左右方向に延在しており、該共通サブスイッチ及び単独サブスイッチの左右方向の長さが略同一であることを特徴とする。
【0019】
請求項7のリモコンは、請求項2又は3において、前記リモコンは壁面に設置されるものであり、前記メインスイッチとして、該リモコンの前面の上部及び下部の一方に第1のメインスイッチが配置され、他方に第2のメインスイッチが配置され、該第1のメインスイッチ、共通サブスイッチ及び第2のメインスイッチの側方に、制御対象機器の停止を行うための止スイッチが上下方向に延在して配置されていることを特徴とする。
【0020】
請求項8のリモコンは、請求項7において、第1のメインスイッチの一方の側部は第2のメインスイッチの該一方の側部よりも該一方の側方に延在しており、該第1のメインスイッチの設定条件のみを変更するための単独サブスイッチが、該第1のメインスイッチの該一方の延在部分における第2のメインスイッチ側に配置されていることを特徴とする。
【0021】
請求項9のリモコンは、請求項8において、前記共通サブスイッチ及び単独サブスイッチは上下方向に延在しており、該共通サブスイッチ及び単独サブスイッチの上下方向の長さが略同一であることを特徴とする。
【0022】
請求項10のリモコンは、請求項1において、共通する設定条件を有したメインスイッチが複数個並列に配置され、前記共通サブスイッチがこれらの並列された複数のメインスイッチに沿って延在していることを特徴とする。
【0023】
請求項11のリモコンは、請求項10において、前記複数のメインスイッチに沿って複数の共通サブスイッチが平行に配置されていることを特徴とする。
【0024】
請求項12のリモコンは、請求項11において、1個のメインスイッチの設定条件のみを変更するための単独サブスイッチが、前記共通サブスイッチを挟んで該メインスイッチと反対側に配置されていることを特徴とする。
【0025】
請求項13の衛生洗浄装置は、スイッチ設置部を備えた衛生洗浄装置であって、該スイッチ設置部には、制御対象機器の少なくとも始動を行うためのメインスイッチと、該制御対象機器の設定条件を変更するためのサブスイッチとが設けられている衛生洗浄装置において、共通する設定条件を有したメインスイッチが複数個設けられており、この共通設定条件を変更するための共通サブスイッチがそれぞれのメインスイッチに関連付ける形態にて配置されていることを特徴とするものである。
【0026】
請求項14の衛生洗浄装置は、請求項13において、共通する設定条件を有したメインスイッチ同士がそれらの間に間隔をあけて配置され、前記共通サブスイッチがこれらのメインスイッチ同士の間に配置されていることを特徴とするものである。
【0027】
請求項15の衛生洗浄装置は、請求項14において、該共通サブスイッチは、該メインスイッチ同士を結ぶ方向に延在していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明のリモコン(請求項1)及び衛生洗浄装置(請求項13)にあっては、複数のメインスイッチに共通する設定条件を変更するための共通サブスイッチを、メインスイッチに関連づける形態にて配置している。そのため、各メインスイッチに共通する設定条件のうち、或るメインスイッチに係る設定条件を変更する場合には、複数個設けられた共通のサブスイッチのうちいずれの共通サブスイッチを操作すればよいのか容易に認識することができる。
【0029】
請求項2のリモコン及び請求項14の衛生洗浄装置にあっては、メインスイッチ同士の間に共通サブスイッチを配置しているので、この共通サブスイッチが、該共通サブスイッチの両側のメインスイッチの設定条件を変更するためのものであることを容易に認識することができる。
【0030】
請求項3のリモコン及び請求項15の衛生洗浄装置にあっては、共通サブスイッチがメインスイッチ同士を結ぶ方向に延在しているので、当該共通サブスイッチが、その延在方向の延長方向に位置するメインスイッチの設定条件変更用であることを容易に認識することができる。
【0031】
請求項4のリモコンにあっては、第1メインスイッチ、共通サブスイッチ及び第2のメインスイッチの下方に止スイッチが左右方向に延在して配置されているので、止スイッチは第1及び第2のメインスイッチに共通して作動停止用に操作されるものであることを容易に認識することができる。
【0032】
請求項5のリモコンにあっては、第1のメインスイッチの設定条件のみを変更するための単独サブスイッチが第1のメインスイッチの下部側方に配置されており、この単独サブスイッチが第1のメインスイッチ専用のものであることを容易に認識することができる。
【0033】
即ち、この単独サブスイッチが第2のメインスイッチから外れた位置に配置されているので、第2のメインスイッチに関連しないものであることを容易に認識することができる。
【0034】
請求項6のリモコンによると、同一長さの共通サブスイッチ及び単独サブスイッチが平行に配置されているので、それぞれ設定条件変更操作用のものであることが認識し易くなる。また、外観上の見栄えも良好となる。
【0035】
請求項7のリモコンにあっては、第1メインスイッチ、共通サブスイッチ及び第2のメインスイッチの側方に止スイッチが上下方向に延在して配置されているので、止スイッチは第1及び第2のメインスイッチに共通して作動停止用に操作されるものであることを容易に認識することができる。
【0036】
請求項8のリモコンにあっては、第1のメインスイッチの設定条件のみを変更するための単独サブスイッチが第1のメインスイッチの延在部分における第2のメインスイッチ側に配置されており、この単独サブスイッチが第1のメインスイッチ専用のものであることを容易に認識することができる。
【0037】
即ち、この単独サブスイッチが第2のメインスイッチから外れた位置に配置されているので、第2のメインスイッチに関連しないものであることを容易に認識することができる。
【0038】
請求項9のリモコンによると、同一長さの共通サブスイッチ及び単独サブスイッチが平行に整列配置されているので、それぞれ設定条件変更操作用のものであることが認識し易くなる。また、外観上の見栄えも良好となる。
【0039】
請求項10のリモコンにあっては、メインスイッチが複数並列され、これらのメインスイッチに沿って共通サブスイッチが延在しているので、該共通サブスイッチが各メインスイッチに共通する設定条件変更用のものであることを容易に認識することができる。
【0040】
請求項11のリモコンにあっては、複数の共通サブスイッチがいずれも各メインスイッチの設定条件変更用のものであることを容易に認識することができる。
【0041】
請求項12のリモコンにあっては、単独サブスイッチが共通サブスイッチを挟んでメインスイッチの反対側に配置されているので、この単位サブスイッチがこのメインスイッチの設定条件変更専用のものであることを容易に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。第1図〜第5図はいずれも本発明の実施の形態に係る、温水洗浄便座用リモコンの正面図である。
【0043】
これらのリモコンは、トイレルームの壁面やキャビネット等に、前面が縦面(略鉛直面)となるように設置されるものである。各リモコンの正面視形状は、方形であり、上辺及び下辺が水平となり、左辺及び右辺が鉛直方向となるように設置される。
【0044】
この温水洗浄便座には、便座に着座した人の肛門を洗浄するための洗浄ノズルと、ビデノズルと、これらノズルに温水を供給するための温水供給装置とが設けられると共に、さらに、臀部に向って温風を吹き付けるための乾燥装置が設けられることもある。これらの装置は、洋風便器の後部上面の便座ボックス又はロータンクカバー内に設置されている。
【0045】
この実施の形態では、便座ボックス又はロータンクカバーに取り付けられた便座を開閉(起倒)回動させる電動装置が設けられている。
【0046】
また、この実施の形態では、温水洗浄便座には、便器に鉢洗浄水を供給する電動式の便器洗浄装置が設けられている。この便器洗浄装置は、便器を大便使用したときには多量の洗浄水を供給し、小便使用したときには、少量の洗浄水を供給するように給水量を切り替えるよう構成されている。
【0047】
上記の各ノズルは、便座ボックス又はロータンクカバーから前進(突出)して上方に温水を噴出するよう構成されている。この実施の形態では、このノズルの前進位置を前後調節するための洗浄位置調節装置が設けられている。
【0048】
この実施の形態では、ノズルからの噴出水量を調節して洗浄強さを調節するための洗浄強さ調節装置が設けられている。
【0049】
この実施の形態では、洗浄水の噴出中にノズルの前進限位置を周期的に前後にストロークさせるワイド洗浄機能が設けられている。また、洗浄水の噴出中にビデノズルの前進限位置を周期的に前後にストロークさせるためのスーパーワイド洗浄機能が設けられることもある。なお、ビデノズルのスーパーワイド洗浄は、ワイド洗浄よりもストロークが大きくなっている。
【0050】
この実施の形態では、洗浄ノズルからの噴出水量を周期的に増減させるマッサージ機能が設けられている。また、洗浄ノズルからの噴出面積を大きくしたり、洗浄水に空気(気泡)を入れたりすることにより洗浄感を柔かくするマイルド機能が設けられている。
【0051】
[第1図のリモコン]
第1図のリモコン1では、メインスイッチとして、前面の左側に洗浄ノズル始動用おしり洗浄スイッチ2が設けられ、右側にビデスイッチ3が設けられている。共通サブスイッチとして、これらのスイッチ2,3の間に洗浄位置調節用の洗浄位置スイッチ4、洗浄強さ調節用の洗浄強さスイッチ5、ノズルからの噴出水温を調節するための水温スイッチ6、及びワイド機能入切用のワイドスイッチ7が設けられている。
【0052】
この実施の形態では、おしり洗浄スイッチ2とビデスイッチ3とは、上下方向に長い略長方形であり、各々の上辺の高さは等しいものとなっている。スイッチ2,3は横並びしており、スイッチ2,3を結ぶ方向は水平方向である。おしり洗浄スイッチ2は、ビデスイッチ3よりも上下方向の長さが大きく、おしり洗浄スイッチ2の下辺はビデスイッチ3の下辺よりも下位となっている。
【0053】
このおしり洗浄スイッチ2の下部の右側方には、単独サブスイッチとして、マイルド機能入切用のマイルドスイッチ8と、マッサージ機能入切用のマッサージスイッチ9とが設けられている。マイルドスイッチ8及びマッサージスイッチ9はビデスイッチ3よりも下位に配置されている。
【0054】
各スイッチ4〜9はいずれも左右方向に延在した細長い略長方形状である。各スイッチ4〜9の左辺は上下に一直線をなすように配列され、各スイッチ4〜9の右辺も上下に一直線をなすように配列されている。おしり洗浄スイッチ2、洗浄位置スイッチ4及びビデスイッチ3は、それらの上辺が左右に一直線となるように配列されている。おしり洗浄スイッチ2とマッサージスイッチ9とは、それらの下辺が左右に一直線となるように配列されている。なお、ワイドスイッチ7の下辺とビデスイッチ3の下辺とを一直線状に揃えてもよい。
【0055】
リモコン1の下辺に沿っておしり洗浄及びビデ洗浄を停止させるための止スイッチ10が設けられている。この止スイッチ10は、おしり洗浄スイッチ2の下方からサブスイッチ4〜9の下方を経てビデスイッチ3の下方にまで延在する横長の略長方形状となっている。止スイッチ10の左辺はおしり洗浄スイッチ2の左辺と一直線状に揃っており、止スイッチ10の右辺はビデスイッチ3の右辺と一直線状に揃っている。
【0056】
リモコン1の上辺に沿って、便座開閉スイッチ11、便器の大便使用時洗浄用のスイッチ12及び便器の小便使用時洗浄用のスイッチ13がそれぞれ設けられている。
【0057】
このように構成された第1図のリモコン1にあっては、左右に配置されたおしり洗浄スイッチ2とビデスイッチ3との間に共通スイッチとして洗浄位置調節スイッチ4、洗浄強さ調節スイッチ5、水温スイッチ6、ワイドスイッチ7が設けられており、これらのスイッチ4〜7がおしり洗浄スイッチ2とビデスイッチ3とによって始動するおしり洗浄及びビデ洗浄の設定条件を変更するためのものであることを容易に認識することができる。
【0058】
また、おしり洗浄スイッチ2の右側方にのみマイルドスイッチ8とマッサージスイッチ9とが設けられているので、これらのスイッチ8,9がおしり洗浄の設定条件の変更専用のものであることを容易に認識することができる。この場合、スイッチ8,9がビデスイッチ3の左側方には位置していないので、ビデスイッチ3には関連しないものであることが明瞭となる。
【0059】
特に、この実施の形態では、スイッチ4〜9を細長く左右に延在させ、各スイッチ4〜9の左端をおしり洗浄スイッチ2の右辺に近接させ、スイッチ4〜7の右端をビデスイッチ3の左辺に近接させているので、スイッチ4〜9がおしり洗浄に関連し、スイッチ4〜7がおしり洗浄及びビデ洗浄の双方に関連するものであることをきわめて容易に認識することができる。
【0060】
この実施の形態では、止スイッチ10がおしり洗浄スイッチ2からビデスイッチ3にまで跨がって延在しているので、止スイッチ10がおしり洗浄及びビデ洗浄の双方の停止に用いられることも容易に認識することができる。
【0061】
[第2図のリモコン]
第2図のリモコン1Aは、第1図のリモコン1において、ビデスイッチ3の右側に温風吹出用の乾燥スイッチ14を設けたものである。止スイッチ10は、この乾燥スイッチ14の下方にまで延在している。止スイッチ10の右辺は乾燥スイッチ14の右辺と揃っている。
【0062】
その他の構成は第1図と同様であり、同一符号は同一部分を示している。
【0063】
この実施の形態でも第1図のリモコンと同様の効果が奏される。なお、この実施の形態では、乾燥スイッチ14の下方に止スイッチ10が存在しているので、乾燥動作の停止も止スイッチ10で行われることを容易に認識することができる。
【0064】
[第3図のリモコン]
第3図のリモコン1Bは、スイッチ11〜13を除き、第1図のリモコン1を時計回り方向に90°回転させ、おしり洗浄スイッチ2の右側に乾燥スイッチ14を配置したものである。
【0065】
この実施の形態では、おしり洗浄スイッチ2とビデスイッチ3とは、左右方向に長い略長方形であり、上下に間隔をあけて配置され、各々の左辺が揃っている。おしり洗浄スイッチ2は上部に設けられ、ビデスイッチ3は下部に設けられている。従って、スイッチ2,3を結ぶ方向は上下方向である。おしり洗浄スイッチ2は、ビデスイッチ3よりも左右方向の長さが大きく、おしり洗浄スイッチ2の右辺はビデスイッチ3の右辺よりも右方となっている。
【0066】
このおしり洗浄スイッチ2の下部の右側方には、単独サブスイッチとして、マイルド機能入切用のマイルドスイッチ8と、マッサージ機能入切用のマッサージスイッチ9とが設けられている。マイルドスイッチ8及びマッサージスイッチ9はビデスイッチ3よりも右方に配置されている。
【0067】
各スイッチ4〜9はいずれも上下方向に延在した細長い略長方形状である。各スイッチ4〜9の上辺は左右に一直線をなすように配列され、各スイッチ4〜9の下辺も上下に一直線をなすように配列されている。おしり洗浄スイッチ2、洗浄位置スイッチ4及びビデスイッチ3は、それらの左辺が上下に一直線となるように配列されている。おしり洗浄スイッチ2とマッサージスイッチ9とは、それらの右辺が上下に一直線となるように配列されている。なお、ワイドスイッチ7の右辺とビデスイッチ3の右辺とは一直線状に揃っている。
【0068】
リモコン1Bの左辺に沿っておしり洗浄及びビデ洗浄を停止させるための止スイッチ10が設けられている。この止スイッチ10は、おしり洗浄スイッチ2の左方からサブスイッチ4の左方を経てビデスイッチ3の左方にまで延在する縦長の略長方形状となっている。止スイッチ10の上辺はおしり洗浄スイッチ2の上辺と一直線状に揃っており、止スイッチ10の下辺はビデスイッチ3の下辺と一直線状に揃っている。
【0069】
リモコン1Bの上辺に沿って、第1図及び第2図と同様に便座開閉スイッチ11、便器の大便使用時洗浄用のスイッチ12及び便器の小便使用時洗浄用のスイッチ13がそれぞれ設けられている。
【0070】
このように構成された第3図のリモコン1Bにあっては、上部及び下部に配置されたおしり洗浄スイッチ2とビデスイッチ3との間に共通スイッチとして洗浄位置調節スイッチ4、洗浄強さ調節スイッチ5、水温スイッチ6、ワイドスイッチ7が設けられており、これらのスイッチ4〜7がおしり洗浄スイッチ2とビデスイッチ3とによって始動するおしり洗浄及びビデ洗浄の設定条件を変更するためのものであることを容易に認識することができる。
【0071】
また、おしり洗浄スイッチ2の右側の下方にのみマイルドスイッチ8とマッサージスイッチ9とが設けられているので、これらのスイッチ8,9がおしり洗浄の設定条件の変更専用のものであることを容易に認識することができる。この場合、スイッチ8,9がビデスイッチ3の上方には位置していないので、ビデスイッチ3には関連しないものであることが明瞭となる。
【0072】
特に、この実施の形態では、スイッチ4〜9を細長く上下に延在させ、各スイッチ4〜9の上端をおしり洗浄スイッチ2の下辺に近接させ、スイッチ4〜7の下端をビデスイッチ3の上辺に近接させているので、スイッチ4〜9がおしり洗浄に関連し、スイッチ4〜7がおしり洗浄及びビデ洗浄の双方に関連するものであることをきわめて容易に認識することができる。
【0073】
この実施の形態では、止スイッチ10がおしり洗浄スイッチ2からビデスイッチ3にまで跨がって延在しているので、止スイッチ10がおしり洗浄及びビデ洗浄の双方の停止に用いられることも容易に認識することができる。さらに、この実施の形態では、乾燥スイッチ14の左方に止スイッチ10が存在しているので、乾燥動作の停止も止スイッチ10で行われることを容易に認識することができる。
【0074】
[第4図のリモコン]
第4図のリモコン1Cでは、前面の上部中央のやや左側におしり洗浄スイッチ2が設けられ、上部中央のやや右側にビデスイッチ3が設けられている。共通サブスイッチとして、これらのスイッチ2,3の下側に洗浄位置スイッチ4、洗浄強さスイッチ5、水温スイッチ6、及びワイドスイッチ7が設けられている。
【0075】
この実施の形態では、おしり洗浄スイッチ2とビデスイッチ3とは、略同一大きさの長方形であり、各々の配置高さは等しいものとなっている。
【0076】
おしり洗浄スイッチ2の下方には、単独サブスイッチとして、マイルドスイッチ8と、マッサージスイッチ9とが配置されている。ビデスイッチ3の下方には単独サブスイッチとしてスーパーワイドスイッチ15が配置されている。マイルドスイッチ8とスーパーワイドスイッチ15は左右に並列している。
【0077】
各スイッチ4〜7はいずれも左右方向に延在した細長い略長方形状である。各スイッチ2,4〜7の左辺は上下に一直線をなすように配列され、各スイッチ3〜7の右辺も上下に一直線をなすように配列されている。なお、スイッチ8,9の左辺は各スイッチ2,4〜7の左辺と一直線状となっており、スーパーワイドスイッチ15の右辺は各スイッチ3〜7の右辺と一直線状となっている。スイッチ8,9の左右幅はスイッチ2の左右幅と略同一であり、スイッチ15の左右幅はスイッチ3と略同一である。
【0078】
おしりスイッチ2の左側に止スイッチ10が設けられている。ビデスイッチ3の右側には乾燥スイッチ14が配置されている。
【0079】
この実施の形態では、止スイッチ10及び乾燥スイッチ14は略方形であり、それらの上辺はおしり洗浄スイッチ2及びビデスイッチ3の上辺と一直線状に揃っており、下辺はおしり洗浄スイッチ2及びビデスイッチ3の下辺と一直線状に揃っている。
【0080】
リモコン1の上辺に沿って、便座開閉スイッチ11、便器の大便使用時洗浄用のスイッチ12及び便器の小便使用時洗浄用のスイッチ13がそれぞれ設けられている。
【0081】
このように構成された第4図のリモコン1Cにあっては、上部に配置されたおしり洗浄スイッチ2とビデスイッチ3の下側に共通スイッチとして洗浄位置調節スイッチ4、洗浄強さ調節スイッチ5、水温スイッチ6、ワイドスイッチ7が平行に多段に設けられており、これらのスイッチ4〜7がおしり洗浄スイッチ2とビデスイッチ3とによって始動するおしり洗浄及びビデ洗浄の設定条件を変更するためのものであることを容易に認識することができる。
【0082】
また、おしり洗浄スイッチ2の下方にのみマイルドスイッチ8とマッサージスイッチ9とが設けられているので、これらのスイッチ8,9がおしり洗浄の設定条件の変更専用のものであることを容易に認識することができる。また、同様に、スーパーワイドスイッチ15がビデスイッチ3の下方にのみ配置されているので、このスイッチ15がビデ洗浄にのみ関連するものであることを容易に認識することができる。
【0083】
特に、この実施の形態では、スイッチ4〜7を細長く左右に延在させ、各スイッチ4〜7の左端をおしり洗浄スイッチ2の左端と一直線状とし、スイッチ4〜7の右端をビデスイッチ3の左辺と一直線状としているので、スイッチ4〜7がおしり洗浄及びビデ洗浄の双方に関連するものであることをきわめて容易に認識することができる。
【0084】
この実施の形態では、止スイッチ10がおしり洗浄スイッチ2、ビデスイッチ3および乾燥スイッチ14の側方に配置されているので、止スイッチ10がおしり洗浄、ビデ洗浄及び乾燥の停止に用いられることも容易に認識することができる。
【0085】
[第5図のリモコン]
第5図のリモコン1Dは、スイッチ11〜13を除き、第4図のリモコン1Cを反時計回り方向に90°回転させ、おしり洗浄スイッチ2と乾燥スイッチ14とを上下入れ替え、止スイッチ10をおしりスイッチ2の上側に配置し、乾燥スイッチ14をビデスイッチ3の下側に配置したものである。スイッチ11〜13は第1図の場合と同様にリモコン1Dの上辺に配置されている。
【0086】
詳細に説明すると、このリモコン1Dでは、メインスイッチとして、左側の中央よりもやや上側におしり洗浄スイッチ2が設けられ、その下側にビデスイッチ3が設けられている。共通サブスイッチとして、これらのスイッチ2,3の右側に洗浄位置スイッチ4、洗浄強さスイッチ5、水温スイッチ6、及びワイドスイッチ7が設けられている。
【0087】
この実施の形態では、おしり洗浄スイッチ2とビデスイッチ3とは、略正方形であり、スイッチ10,2,3,14の左辺は一直線状となっており、右辺も一直線状となっている。
【0088】
リモコン1Dの右辺近傍においては、おしり洗浄スイッチ2の右側方にマイルドスイッチ8と、マッサージスイッチ9とが設けられており、ビデスイッチ3の右側方にはスーパーワイドスイッチ15が配置されている。このスーパーワイドスイッチ15はマイルドスイッチ9の下側に配置されている。
【0089】
各スイッチ4〜7はいずれも上下方向に延在した細長い略長方形状である。スイッチ8,9,15はスイッチ4〜7の約半分の長さであり、縦長に配置されている。各スイッチ2,4〜9の上辺は左右に一直線をなすように配列され、各スイッチ3,4〜7,15の下辺も左右に一直線をなすように配列されている。なお、マイルドスイッチ8及びマッサージスイッチ9の下辺とおしり洗浄スイッチ2の下辺とが同一高さとされてもよく、スーパーワイドスイッチ15の上辺とビデスイッチ3の上辺とが同一高さとされてもよい。
【0090】
このリモコン1Dによっても、第5図のリモコン1Cと同様の効果が奏される。
【0091】
なお、第1,2,4図のように共通サブスイッチを左右横長に配置した場合、洗置位置スイッチ4が洗浄位置を前後移動させるためのものであることを容易に認識することができる。第3,5図のように共通サブスイッチを上下縦長に配置した場合、洗浄強さスイッチ5における洗浄強さの「強」をスイッチ5の上側と合致させ、洗浄強さの「弱」をスイッチ5の下側と合致させることにより、強弱調節操作を容易に行うことができる。また、水温スイッチ6においても、水温「高」「低」をスイッチ6の「上」「下」と合致させることにより、水温調節操作を容易に行うことができる。
【0092】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は図示の形態に限定されない。例えば、本発明では上記の各リモコンにおいて左右対称又は上下対称としたスイッチ配列としてもよい。また、図示以外のスイッチを設けてもよい。
【0093】
上記実施の形態はリモコンに関するものであるが、上記各実施の形態と同一のスイッチ配列にて各スイッチを衛生洗浄装置の張出部の上面のスイッチ設置部(例えば第6図のスイッチパネル35)に設けてもよい。この場合、各図の上方は着座者から見て遠ざかる方向となり、各図の下方は着座者に接近する方向となる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】実施の形態に係るリモコンの正面図である。
【図2】実施の形態に係るリモコンの正面図である。
【図3】実施の形態に係るリモコンの正面図である。
【図4】実施の形態に係るリモコンの正面図である。
【図5】実施の形態に係るリモコンの正面図である。
【図6】衛生洗浄装置を備えた洋風便器の斜視図である。
【符号の説明】
【0095】
1,1A,1B,1C,1D リモコン
2 おしり洗浄スイッチ
3 ビデスイッチ
4 洗浄位置スイッチ
5 洗浄強さスイッチ
6 水温スイッチ
7 ワイドスイッチ
8 マイルドスイッチ
9 マッサージスイッチ
10 止スイッチ
14 乾燥スイッチ
31 洋風便器
33 便座ボックス
34 張出部
35 スイッチパネル(スイッチ設置部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象機器の少なくとも始動を行うためのメインスイッチと、該制御対象機器の設定条件を変更するためのサブスイッチとを有するリモコンにおいて、
共通する設定条件を有したメインスイッチを複数個有しており、この共通設定条件を変更するための共通サブスイッチをそれぞれのメインスイッチに関連付ける形態にて配置したことを特徴とするリモコン。
【請求項2】
請求項1において、
共通する設定条件を有したメインスイッチ同士がそれらの間に間隔をあけて配置され、
前記共通サブスイッチがこれらのメインスイッチ同士の間に配置されていることを特徴とするリモコン。
【請求項3】
請求項2において、該共通サブスイッチは、該メインスイッチ同士を結ぶ方向に延在していることを特徴とするリモコン。
【請求項4】
請求項2又は3において、前記リモコンは壁面に設置されるものであり、
前記メインスイッチとして、該リモコンの前面の左側及び右側の一方に第1のメインスイッチが配置され、他方に第2のメインスイッチが配置され、
該第1のメインスイッチ、共通サブスイッチ及び第2のメインスイッチの下方に、制御対象機器の停止を行うための止スイッチが左右方向に延在して配置されていることを特徴とするリモコン。
【請求項5】
請求項4において、第1のメインスイッチの下部は第2のメインスイッチよりも下方に延在しており、
該第1のメインスイッチの設定条件のみを変更するための単独サブスイッチが、該第1のメインスイッチの下部における第2のメインスイッチ側の側方に配置されていることを特徴とするリモコン。
【請求項6】
請求項5において、前記共通サブスイッチ及び単独サブスイッチは左右方向に延在しており、
該共通サブスイッチ及び単独サブスイッチの左右方向の長さが略同一であることを特徴とするリモコン。
【請求項7】
請求項2又は3において、前記リモコンは壁面に設置されるものであり、
前記メインスイッチとして、該リモコンの前面の上部及び下部の一方に第1のメインスイッチが配置され、他方に第2のメインスイッチが配置され、
該第1のメインスイッチ、共通サブスイッチ及び第2のメインスイッチの側方に、制御対象機器の停止を行うための止スイッチが上下方向に延在して配置されていることを特徴とするリモコン。
【請求項8】
請求項7において、第1のメインスイッチの一方の側部は第2のメインスイッチの該一方の側部よりも該一方の側方に延在しており、
該第1のメインスイッチの設定条件のみを変更するための単独サブスイッチが、該第1のメインスイッチの該一方の延在部分における第2のメインスイッチ側に配置されていることを特徴とするリモコン。
【請求項9】
請求項8において、前記共通サブスイッチ及び単独サブスイッチは上下方向に延在しており、
該共通サブスイッチ及び単独サブスイッチの上下方向の長さが略同一であることを特徴とするリモコン。
【請求項10】
請求項1において、
共通する設定条件を有したメインスイッチが複数個並列に配置され、
前記共通サブスイッチがこれらの並列された複数のメインスイッチに沿って延在していることを特徴とするリモコン。
【請求項11】
請求項10において、前記複数のメインスイッチに沿って複数の共通サブスイッチが平行に配置されていることを特徴とするリモコン。
【請求項12】
請求項11において、1個のメインスイッチの設定条件のみを変更するための単独サブスイッチが、前記共通サブスイッチを挟んで該メインスイッチと反対側に配置されていることを特徴とするリモコン。
【請求項13】
スイッチ設置部を備えた衛生洗浄装置であって、該スイッチ設置部には、制御対象機器の少なくとも始動を行うためのメインスイッチと、該制御対象機器の設定条件を変更するためのサブスイッチとが設けられている衛生洗浄装置において、
共通する設定条件を有したメインスイッチが複数個設けられており、この共通設定条件を変更するための共通サブスイッチがそれぞれのメインスイッチに関連付ける形態にて配置されていることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項14】
請求項13において、
共通する設定条件を有したメインスイッチ同士がそれらの間に間隔をあけて配置され、
前記共通サブスイッチがこれらのメインスイッチ同士の間に配置されていることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項15】
請求項14において、該共通サブスイッチは、該メインスイッチ同士を結ぶ方向に延在していることを特徴とする衛生洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−43500(P2010−43500A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209899(P2008−209899)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】