説明

リモートコントロール装置等

【課題】それぞれが異なる制御信号で制御される複数の被制御機器を一台で制御するリモコン装置の使い勝手を改善する。
【解決手段】複数の被制御機器を遠隔制御するために当該複数の被制御機器の各々に対する異なる制御信号を送信するリモートコントロール装置。前記異なる制御信号を予め定められた送信順序にしたがって送信する送信手段と、前記予め定められた送信順序にしたがって前記異なる制御信号が順次送信されているときになされた当該送信順序の変更を示す入力指示に応じて、前記予め定められた送信順序を変更する制御手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被制御機器を遠隔制御するリモートコントロール装置(以下、リモコン装置という)、当該遠隔制御するための制御信号の送信方法、制御信号送信プログラム、ならびに制御信号送信プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
メーカや型式が異なることなどにより、それぞれ異なる制御信号で制御される複数の照明器具や家電製品、音響・映像機器などの被制御機器を一台で制御するリモコン装置、いわゆるマルチリモコン装置が従来から種々提案されている。
【0003】
このようなマルチリモコン装置においては、入力指示により、記憶手段に記憶されている送信順序で複数の被制御機器を制御する各制御信号を順次送信するのが一般的であった。
【0004】
例えば、照明器具A、照明器具B、照明器具CのON、OFF切り替え制御信号を送信するリモコン装置であれば、当該リモコン装置の記憶手段に記憶されている送信順序により、照明器具AをONする制御信号on-a、次いで、照明器具BをONする制御信号on-b、次に、照明器具CをONする制御信号on-cのように、記憶部に記憶されている送信順序に従って、順次、制御信号を送信するものが一般的であった。
【0005】
この場合、照明器具Cのみを制御したい場合であっても、制御信号on-a、制御信号on-bが送信されている間は、照明器具Cは反応しないので、リモコン装置における入力指示に対して照明器具Cの動作反応があるまでタイムラグがあるという問題があった。
【0006】
そこで、リモコン装置における入力指示に対して動作反応があるまでのタイムラグを短くすることを目的として、特定の入力指示により、記憶手段に予め記憶されている制御信号の送信順序を逆順に切り替える提案がされている(特許文献1)。
【0007】
【特許文献1】特開2005−323075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の提案では、リモコン装置によって制御信号を送信してから所望の被制御機器の動作反応があるまでのタイムラグを短くすることを目的とし、送信順序を正順と逆順とで切り替え可能にするというものである。しかしながら、たとえば、動作反応させたい被制御機器への送信順序が、正順であっても逆順であっても同じ順序である場合には、タイムラグが短くなっておらず、「タイムラグを短くする」という目的を十分に達成できるものになっていない。本発明は、そのような不具合を解消することを一つの課題とし、複数の被制御機器を遠隔制御するリモコン装置の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載のリモートコントロール装置は、複数の被制御機器を遠隔制御するために当該複数の被制御機器の各々に対する異なる制御信号を送信するリモートコントロール装置であって、前記異なる制御信号を、予め定められた送信順序にしたがって送信する送信手段と、前記予め定められた送信順序にしたがって前記異なる制御信号が順次送信されているときになされた当該送信順序の変更を示す入力指示に応じて、前記予め定められた送信順序を変更する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項8に記載の制御信号送信方法は、複数の被制御機器を遠隔制御するリモートコントロール装置における当該複数の被制御機器の各々に対する異なる制御信号を送信する制御信号送信方法であって、前記異なる制御信号を予め定められた送信順序にしたがって送信する工程と、前記異なる制御信号が前記送信順序にしたがって送信されているときに当該送信順序の変更を示す入力指示を受け付ける工程と、前記受け付けた入力指示に応じて、前記送信順序を変更する工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項9に記載の制御信号送信プログラムは、請求項8に記載の制御信号送信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
請求項10に記載の記録媒体は、請求項9に記載の制御信号送信プログラムをコンピュータに読み取り可能に記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施形態1
実施形態1のリモコン装置について図1〜図12を用いて以下に説明する。
【0014】
図1は実施形態1のリモコン装置1の概略構成を説明するブロック図である。
【0015】
リモコン装置1は、メーカや型式が異なることなどにより、それぞれ異なる制御信号で制御される複数の被制御機器を一台で制御するものである。
【0016】
リモコン装置1は、図1に示すように、操作部3、制御部7、送信部2、記憶部7a、表示部6(6a)を備えている。そして、制御部7が電源から電力の供給を受けることにより動作可能となっている。操作部3は、各種入力指示をおこなうために操作される操作ボタン等を備える。制御部7は、送信部2、表示部6(6a)を制御するとともに、操作部3から複数の被制御機器の各々を制御するための入力指示(以下、制御入力指示という)を受けたときに各被制御機器ごとに異なる制御信号を生成する。また、制御部7は、操作部3からの後述する送信順序の変更を示す入力指示(以下、変更入力指示という)に応じて記憶部7aに記憶された制御信号の送信順序を示す情報(以下、送信順序情報という)を変更した変更送信順序を示す情報(以下、変更送信順序情報という)を生成する。
【0017】
送信部2は、制御部7により生成された各被制御機器ごとに異なる制御信号を、当該制御部7の制御により記憶部7aに記憶された送信順序情報や変更送信順序情報にしたがって複数の被制御機器に順次送信する。記憶部7aは、送信部2により送信される各被制御機器ごとに異なる制御信号の送信順序情報や変更送信順序情報を記憶する。表示部6(6a)は、制御部7の制御により、制御信号が送信中であることを指標する情報や、送信中の制御信号により特定される被制御機器の型式名等当該被制御機器を指標する情報を表示し、さらに、制御信号が送信されていないときに、記憶部7aに記憶されている送信順序情報や変更送信順序情報にしたがって各被制御機器の型式名等当該各被制御機器を指標する情報を順次表示する。
【0018】
このような構成を備えることにより、リモコン装置1は、利用者の操作による制御入力指示に応じて複数の被制御装置の各々に対する異なる制御信号を生成し、その生成した異なる制御信号を送信順序情報や変更送信順序情報にしたがって複数の被制御機器に送信する。そして、被制御機器に対し、当該送信した制御信号に応じた動作をおこなわせることで、遠隔制御を可能としている。さらに、たとえば、送信順序情報にしたがって各被制御機器ごとに異なる制御信号を順次送信しているときなどに、利用者の操作による後述する変更入力指示があった場合には当該送信順序情報を変更する。すなわち、利用者の意思に応じて各被制御機器ごとに異なる制御信号の送信順序を任意に変更可能としている。こうすることにより、所望の被制御機器の制御を他の被制御機器の制御より優先しておこなわせることを可能としている。
【0019】
実施形態1におけるリモコン装置1の具体的な構成の一例を図2、図3を用いて説明する。この図2、図3に示すリモコン装置1の具体的な構成は、メーカや型式などが異なる複数の被制御機器であるテレビA、テレビB、テレビC、テレビDを遠隔制御するものである。なお、以下では、複数の被制御機器をテレビA〜Dとしたリモコン装置1について説明するが、被制御機器としてはテレビに限ることなく、オーディオ機器や照明器具等、リモコン装置により遠隔制御が可能な様々な機器にて適用できる。
【0020】
図2、図3に示す例では、操作部3は、複数のテレビA〜Dの電源をONまたはOFFする制御入力指示をおこなうために操作されるON/OFF切り替えボタン3a、放送チャンネルを指定する制御入力指示をおこなうために操作されるチャンネル切り替えボタン3b(図示されている1ch〜9chで示す複数のボタンをまとめてチャンネル切り替えボタン3bと称する)、送信順序情報に示される異なる制御信号の送信順序を変更する変更入力指示をおこなうために操作される特定キー3cにより構成される。
【0021】
図2に示す表示部6は、例えば、LEDなどからなり、テレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号が順次送信される際に、制御部7からの指示に応じて、各制御信号が送信されている間中点滅表示する。そして、テレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号が送信されていることを視覚的に告知する。
【0022】
図3に示す表示部6aは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electronic Luminescence)ディスプレイなどからなり、テレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号が順次送信される際に、制御部7からの指示に応じて、各制御信号が送信されるごとに現在送信されている制御信号によって特定されるテレビを指標する情報を表示する。図3では、テレビAを指標する「A(たとえば、メーカ名や型式等)」を表示し、テレビAに対する制御信号が現在送信されていることを示している。そして、テレビBに対する制御信号の送信が開始されると、テレビBを指標する「B」の表示に切り替える。利用者は、順次送信されるテレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号の送信順序を視覚的に確認することにより、他のテレビよりも優先して制御させたいと欲するテレビに対する制御信号の送信順序を意図的に変更することができる。なお、現在送信されている制御信号によって特定されるテレビを指標する情報のみを順次切り替えて表示する、ことに限ることなく、たとえば、「A⇒B⇒C⇒D」のように、テレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号の送信順序全体を予め表示しておき、各制御信号の送信状況に応じて現在送信されている制御信号により特定されるテレビの指標が色塗り等により識別可能となるように表示する、など様々な表示形態をとることができる。
【0023】
制御部7は、ON/OFF切り替えボタン3a、チャンネル切り替えボタン3bなどの操作部3からの制御入力指示により、当該制御入力指示に応じたテレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号を生成する。そして、生成した異なる制御信号を、送信部2を制御して、記憶部7aに記憶されている送信順序情報または変更送信順序情報にしたがって順次送信させる。また、制御部7は特定キー3cの操作による変更入力指示に応じて記憶部7aに記憶されている送信順序情報を変更して変更送信順序情報を生成し、記憶部7aに記憶させる。
【0024】
記憶部7aは、たとえば、フラッシュメモリなどからなり、制御部7により生成される異なる制御信号の送信順序情報、または変更送信順序を記憶する。送信順序情報は、たとえば、利用者が操作部3を用いて登録操作等をおこなうことにより予め設定される送信順序を含む情報であり、変更送信順序情報は、変更入力指示に応じて制御部7より当該予め設定された送信順序が変更されて生成される送信順序(変更送信順序に相当する)を含む情報である。
【0025】
送信部2は、たとえば、赤外線ビームを発射する赤外線発光素子からなり、制御部7により生成された異なる制御信号を赤外線信号としてテレビA〜Dに順次送信する。
【0026】
次に、図4を用いて記憶部7aに記憶される送信順序情報の構成、ならびに制御部7の異なる制御信号の生成の一例について説明する。図4(a)は、制御信号を送信する順番を定めた送信順序、当該送信順序に対応して割り振られた被制御機器名、当該被制御機器を識別するコード、で構成された送信順序情報の構成を示す。送信順序は、利用者による登録操作等により登録された順に、数字の「1」から割り振られる。被制御機器名は、当該登録操作等により指定された被制御機器を指標する情報である。コードは、被制御機器を識別するユニークなコードであり、制御信号を生成するために利用される。また、このコードは、テレビA〜Dの各々にも同様に割り振られているコードとされる。
【0027】
図4(a)に示す例では、利用者により、テレビA、テレビB、テレビC、テレビDの順で各々を指標する情報「A〜D」の登録操作等がおこなわれ、制御信号の送信順序として、1番目がA、2番目がB、3番目がC、4番目がDと設定している。そして、それら指標する情報の各々が設定される都度、当該指標する情報の各々に対してコードを付加し、送信順序情報を記憶部7aに記憶している。なお、テレビA〜Dの送信順序情報を記憶した後に、たとえば、テレビEを指標する情報「E」を追加設定する場合には、図4(a)に示すように送信順序を5番目として「E」を追加設定し、そのテレビEに対するコード00eを付加する。ちなみに、この送信順序情報の被制御機器名は、上述した表示部6aに表示される情報として利用される。
【0028】
図4(b)は、制御入力指示とコードとで構成された制御情報の構成を示している。制御入力指示は、操作部3のON/OFF切り替えボタン3aの操作に応じた項目である「電源ON」、「電源OFF」、ならびに操作部3のチャンネル切り替えボタン3bの操作に応じた項目である「1ch〜9ch」(図4(b)では便宜的に「1ch〜9ch」と表現しているが、実態としては、「1ch」、「2ch」・・・と図2,図3で示す複数のボタンの各々に対応した項目となる)としている。そして、それら制御入力指示の項目に対応したコードが割り振られている。このコードは、テレビA〜Dを制御する内容を示している。テレビA〜Dはこのコードを参照することで、当該コードに応じた動作をおこなうことになる。なお、この制御情報は予め記憶部7aに記憶されている。
【0029】
制御部7は、操作部3からの制御入力指示に応じて、記憶部7aに記憶されている送信順序情報と制御情報とから、テレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号を生成する。たとえば、操作部3から電源ONの制御入力指示を受け付けた場合、制御部7は、制御情報における電源ONに対応するコードと送信順序情報におけるコードから、テレビAに対する制御信号on00a、テレビBに対する制御信号on00b、テレビCに対する制御信号on00c、テレビDに対する制御信号on00dを生成する。そして、制御部7は、送信部2を制御して、生成した各制御信号を送信順序情報に示される送信順序にしたがって送信する。
【0030】
図2、図3の各々では、その送信の一例を示している。図2では、操作部3からの8chの制御入力指示に応じて、テレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号ch800a〜ch800dを生成して、ch800aから順にch800b、ch800c、ch800dと送信する例を示している。図3では、操作部3からの電源ONの制御入力指示に応じて、テレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号on00a〜on00dを生成して、on00aから順にon00b、on00c、on00dと送信する例を示している。
【0031】
次に図5を用いて、リモコン装置1が送信した異なる制御信号によるテレビA〜D側での処理の手順について説明する。図5(a)は、リモコン装置1から制御信号on00aをテレビA〜Dに送信したことを簡略的に示したものであり、図5(b)は、リモコン装置1から制御信号ch900cをテレビA〜Dに送信したことを簡略的に示したものである。また、図5(c)は、制御信号を受信したテレビA〜D側での処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、各テレビに設けられた図示せぬ制御部等によっておこなわれる。
【0032】
図5(a)で示す制御信号on00aは、テレビAに対する制御信号であり、テレビAはその制御信号を受信することで、電源をONにする。また、図5(b)で示す制御信号ch900cは、テレビCに対する制御信号であり、テレビCはその制御信号を受信することで、放送チャンネルを9チャンネルに切り替える。
【0033】
図5(c)に示すフローチャートを用いて、図5(b)に示す制御信号ch900cをテレビA〜Dが受信した場合での各テレビ側での処理について説明する。
【0034】
まず、テレビA〜Dの各々は、制御信号ch900cを受信する(ステップS701)。そして、受信した制御信号におけるコード00cを確認し、自己のもつコードと比較することで、自己に宛てた制御信号であるか否かを判断する(ステップS702)。テレビA、テレビB、テレビDの各々は、自己のもつコードと一致しないため自己に宛てた制御信号でないと判断して(ステップS702:NO)、処理を終了する。一方、テレビCは、自己のもつコードと一致するため自己に宛てた制御信号であると判断して(ステップS702:YES)、受信した制御信号に応じた動作をおこなう(ステップS703)。つまり、制御信号におけるch9により放送チャンネルを9チャンネルに切り替えるという処理をおこなう。
【0035】
このように、テレビA〜D(複数の被制御装置)では、送信された制御信号が自己に宛てた制御信号であるかを判断し、自己に宛てた制御信号である場合に、当該制御信号に応じた動作をおこない、自己に宛てた制御信号でない場合は、当該制御信号に応じた動作をおこなわない。たとえば、図5(a)に示す場合において、リモコン装置1から制御信号on00a、on00b、on00c、on00dという電源ONの制御入力指示を含んだ制御信号がテレビAに対する制御信号から順に送信された場合には、各テレビA〜Dにて送信された制御信号が自己に宛てた制御信号であるかの判断がおこなわれ、テレビA、テレビB、テレビC、テレビDの順にて各々電源がONされることとなる。また、図5(b)に示す場合において、リモコン装置1から制御信号ch900a、ch900b、ch900c、ch900dという放送チャンネルを9チャンネルに切り替える制御入力指示を含んだ制御信号がテレビAに対する制御信号から順に送信された場合には、各テレビA〜Dにて送信された制御信号が自己に宛てた制御信号であるかの判断がおこなわれ、テレビA、テレビB、テレビC、テレビDの順に各々放送チャンネルが9チャンネルに切り替えられることとなる。
【0036】
このように、テレビA〜Dの各々は、リモコン装置1から送信された制御信号を受信することにより制御される。つまり、リモコン装置1から送信されるテレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号は、送信順序情報に示される送信順序したがって送信され、テレビA〜Dは、その送信順序にしたがって制御される。よって、たとえば、他のテレビより優先して制御させたいテレビがある場合に、当該テレビに対する制御信号の送信順序を利用者の意思により任意に変更可能とする。
【0037】
まず、図6(a),(b)を用いて、送信順序情報に示される送信順序を変更するという概念について説明する。
【0038】
図6(a),(b)は、図4(a)に示す送信順序情報に示される送信順序を初期モードとし、当該初期モードにより異なる制御信号を送信しているときに変更入力指示(たとえば、特定キー3cの操作)がなされた場合に、当該初期モードを変更し、その変更した送信順序を固有モードとする変更送信順序情報を生成する様子を概念的に示したものである。図6(a)は、変更入力指示がなされた際に送信されている制御信号で特定されるテレビへの順番の変更を基準として固有モードとする任意変更の様子を示したものであり、図6(b)は、変更入力指示により指定された制御信号で特定されるテレビへの順番を消去して固有モードとする任意削除の様子を示したものである。
【0039】
図6(a)では、初期モードおいて、制御信号on00a〜on00dを「on00a」から順にテレビA〜Dに送信している際、たとえば、制御信号on00cが送信されているときに、利用者による特定キー3cの操作により変更入力指示がなされた場合、その制御信号on00cにより特定されるテレビCの順番(初期モードで3番目)を1番目に変更し、それを基準として、テレビAの順番(初期モードで1番目)を2番目とし、テレビBへの順番(初期モードで2番目)を3番目とし、テレビDの順番(初期モードで4番目)を4番目のまま維持した変更送信順序情報の生成をおこなってその変更送信順序情報に示される送信順序を固有モードとする例を示している。
【0040】
図6(b)では、初期モードにおいて、制御信号on00a〜on00dを「on00a」から順にテレビA〜Dに送信している際、たとえば、制御信号on00aが送信されているときに利用者による特定キー3cの操作により変更入力指示がなされた場合、また、制御信号on00cが送信されているときに続けざまに特定キー3cの操作により変更入力指示がなされた場合、それら制御信号「on00a」、「on00c」により特定されるテレビAとテレビCの順番、つまり、テレビAの順番(初期モードで1番目)とテレビCの順番(初期モードで3番目)を初期モードから削除し、削除されていないテレビBの順番(初期モードで2番目)を1番目とし、テレビDの順番(初期モードで4番目)を2番目とした送信順序情報の変更をおこなって、固有モードとする例を示している。
【0041】
なお、固有モードとした後は、その固有モードにて各被制御機器を制御する異なる制御信号の送信がおこなわれることになるが、その固有モードにおいて各制御信号を送信している際に利用者による特定キー3cの操作により変更入力指示がなされた場合には、任意変更、または任意削除がおこなわれ、新たな固有モードとすることができる。つまり、この場合には、任意変更、または任意削除が行なわれる前の固有モードが上記した初期モードと同等の扱いとされる。なお、図6(c)における「リピート送信」については後述する。
(実施例1)
次に上述のように構成されたリモコン装置1における、実施例1としての制御部7の送信処理の手順について、図7〜図9を用いて説明する。なお、上記で説明した図4(a)に示す送信順序情報、同図(b)に示す制御情報を引用し、さらに、上記での説明と同様に複数の被制御機器をテレビA〜Dとして説明する。
【0042】
まず、制御部7は、利用者による操作部3の操作によりテレビA〜Dを制御するための制御入力指示がなされたか否かを判断する(ステップS801)。たとえば、電源がOFFになっているテレビA〜Dを電源ONにすべく、ON/OFF切り替えボタン3aの操作による制御入力指示がなされたか否かを判断する。ON/OFF切り替えボタン3aの操作による制御入力指示がなされていないと判断した場合(ステップS801:NO)には、操作部3からの制御入力指示がなされるまで待機する。
【0043】
一方、ON/OFF切り替えボタン3aの操作による制御入力指示があった場合(ステップS801:YES)には、制御部7は、この制御入力指示に応じて、テレビA〜Dの各々に対し電源をONさせるための異なる制御信号を生成する(ステップS802)。上記したように、制御部7は、送信順序情報のコードと制御情報のコードとを用いて、on00a、on00b、on00c、on00dを生成する。
【0044】
そして、制御部7は、送信部2を制御して、それら生成した異なる制御信号を、図4(a)に示す記憶部7aに記憶されている送信順序情報に示される送信順序を初期モードとして、当該初期モードにしたがってテレビA〜Dに順次送信する(ステップS803)。
【0045】
制御部7は、すべてのテレビA〜Dの各々に対する制御信号on00a,on00b,on00c,on00dの送信が完了したか否かを判断する(ステップS804)。
【0046】
送信が完了していないと判断した(ステップS804:NO)には、操作部3より変更入力指示がなされたか否かを判断する(ステップS807)。たとえば、利用者がテレビCの電源を次回以降優先してONしたいと欲した場合、表示部6(6a)またはテレビCの電源がONされたことを目視により確認して、特定キー3cが当該利用者により操作される。そして、制御部7は、特定キー3cの操作により変更入力指示がなされたと判断する(ステップS807:YES)。一方、変更入力指示がなされないと判断した場合(ステップS807:NO)には、ステップS804における判断を継続しておこなう。
【0047】
制御部7は、変更入力指示がなされたと判断した場合(ステップS807:YES)には、当該変更入力指示がなされた際に送信されている制御信号からテレビを特定する(ステップS808)。たとえば、上記例では、制御信号on00cが送信されているときに変更入力指示があったため、当該制御信号からコード00cを確認しテレビCを特定する。
【0048】
次に、制御部7は、記憶部7aの送信順序情報に示される送信順序(初期モード)を確認することにより、特定されたテレビCの初期モードにおける順番が1番目であるか否かを判断する(ステップS809)。特定されたテレビCの初期モードにおける順番が1番目であると判断した場合(ステップS809:YES)には、ステップS804における判断を継続しておこなう。特定されたテレビCの初期モードにおける順番が1番目でないと判断した場合(ステップS809:NO)には、初期モードにおける順番を変更する基準としてのテレビであると特定し、一時的にテレビCを識別するコード00cをメモリ等に記憶する(ステップS810)。そして、ステップS804における判断を継続しておこなう。
【0049】
ステップS804にてテレビA〜Dの各々に対する制御信号on00a、on00b、on00c、on00dのすべての送信が完了したと判断した場合(ステップS804:YES)には、固有モードとする変更送信順序情報を生成するか否かを判断する(ステップS805)。固有モードとする変更送信順序情報を生成しないと判断した場合、すなわち、メモリ等に順番を変更するテレビを識別するコードが記憶されていないと判断した場合(ステップS805:NO)には、一連の送信処理を終了する。一方、固有モードとする変更送信順序情報を生成すると判断した場合、すなわち、メモリ等に順番を変更するテレビを識別するコードが記憶されていると判断した場合(ステップS805:YES)には、変更送信順序情報の生成処理へ移行する(ステップS806)。そして、一連の送信処理を終了する。
【0050】
続いて、図8および図9に示すフローチャートを用いて変更送信順序情報の生成処理の手順について説明する。
【0051】
図8と図9は共に、変更入力指示によって特定されたテレビの順番を優先するように送信順序を変更して固有モードとする変更送信順序情報の生成処理を示すフローチャートであるが、両者は、当該生成処理において特定されていないテレビの順番の変更の仕方が異なっている。
【0052】
なお、図8、または図9に示す変更送信順序情報の生成処理のうち、いずれの生成処理をおこなうかは利用者により適宜設定可能である。たとえば、利用者が操作部3により所定の操作をおこなうことによりあらかじめいずれかの生成処理を指定することが可能であり、制御部7により当該指定に応じた生成処理がおこなわれることになる。
【0053】
最初に、図8に示すフローチャートを用いて変更送信順序情報の生成処理について説明する。
【0054】
まず、制御部7は、メモリ等を参照して、当該メモリ等に記憶されているテレビを識別するコードを確認する(ステップS901)。そして、そのメモリ等に記憶されているコードが一つか否かを判断する(ステップS902)。メモリ等に記憶されているコードが複数存在していると判断した場合(ステップS902:NO)には、当該複数のコードの当該メモリ等への記憶順にしたがって順番を変更する(ステップS904)。
【0055】
たとえば、制御部7は、テレビBを識別するコード00bとテレビDを識別するコード00dがメモリ等に記憶されていると判断した場合、記憶部7aに記憶されている送信順序情報に示される送信順序(初期モード)を参照し、初期モードによりテレビBを識別するコード00bがテレビDを識別するコード00dより先にメモリ等に記憶された(コード00bが先順である)ことを認識する。そして、制御部7は、利用者によりあらかじめ指定された順序(先順か後順)にしたがって、たとえば、先順である場合には、テレビBの順番を2番目から1番目に変更し、テレビDの順番を4番目から2番目に変更する。
【0056】
後順である場合には、テレビBの順番を2番目のまま維持し、テレビDの順番を4番目から1番目に変更する。そして、残余のテレビの各々への順番を、初期モードの昇順にしたがって変更する(ステップS905)。たとえば、残余のテレビA,Cの各々において、初期モードにおけるテレビAの順番を1番目から3番目に変更し、テレビCの順番を3番目から4番目に変更し、初期モードにおける送信順序を1番目:テレビB、2番目:テレビD、3番目:テレビA、4番目:テレビCに変更した固有モードとする変更送信順序情報、または、初期モードにおける送信順序を1番目:テレビD、2番目:テレビB、3番目:テレビA、4番目:テレビCに変更した固有モードとする変更送信順序情報を生成して記憶部7aに記憶する。
【0057】
また、制御部7は、ステップS902でメモリ等に記憶されているテレビを識別するコードが一つであると判断した場合(ステップS902:YES)には、当該メモリ等に記憶されているコードにより識別されるテレビの順番を1番目に変更する(ステップS903)。たとえば、テレビCを識別するコード00cのみがメモリ等に記憶されていると判断した場合には、初期モードにおける当該テレビCの順番を3番目から1番目に変更する。そして、残余のテレビへの順番を、初期モードの昇順にしたがって変更する(ステップS905)。たとえば、残余のテレビA,B,Dの各々において、初期モードにおけるテレビAの順番を1番目から2番目に変更し、テレビBの順番を2番目から3番目に変更し、テレビDの順番を4番目のまま維持して、初期モードにおける送信順序を、1番目:テレビC、2番目:テレビA、3番目:テレビB、4番目:テレビDに変更した固有モードとする変更送信順序情報を生成して記憶部7aに記憶する。
【0058】
そして、変更送信順序情報の生成、ならびに記憶部7aへの記憶が完了した場合には、メモリ等に記憶されているテレビを識別するコードをクリアして(ステップS906)、変更送信順序情報の生成処理を終了する。
【0059】
次に、図9に示すフローチャート用いて変更送信順序情報の生成処理の手順について説明する。
【0060】
まず、制御部7は、メモリ等を参照して、当該メモリ等に記憶されているテレビを識別するコードを確認する(ステップS1001)。そして、記憶部7aに記憶されている送信順序情報に示される送信順序(初期モード)を参照して、初期モードにおいて、メモリ等に記憶されているコードで識別されるテレビへの順番を確認し、当該順番以降の順番が存在するか否かを判断する(ステップS1002)。たとえば、制御部7は、テレビBを識別するコード00bがメモリに記憶されていることを確認した場合、そのコード00bで識別されるテレビBの順番が初期モードにおいて2番目であることを確認する。そして、その2番目以降の順番、すなわち、3番目、4番目として制御信号の送信対象となるテレビC,Dが存在すると判断する。
【0061】
次に制御部7は、初期モードにおいて当該順番以降の順番が存在すると判断した場合(ステップS1002:YES)、メモリ等に記憶されているコードで識別されるテレビの順番を1番目に変更し、当該順番以降の順番である他のテレビの順番を初期モードにおける昇順にしたがって2番目以降に変更する(ステップS1004)。たとえば、上記したように2番目以降の順番、すなわち、3番目、4番目に制御信号の送信対象となるテレビC,Dが存在すると判断した場合、制御部7は、テレビCの順番を3番目から2番目に変更し、テレビDの順番を4番目から3番目に変更する。そして、残余のテレビの順番を変更する(ステップS1005)。上記の例では残余のテレビAの順番を1番目から4番目に変更し、初期モードにおける送信順序を、1番目:テレビB、2番目:テレビC、3番目:テレビD、4番目:テレビAに変更した固有モードとする変更送信順序情報を生成して記憶部7aに記憶する。
【0062】
また、制御部7は、初期モードにおいて当該順番以降の順番が存在しないと判断した場合(ステップS1002:NO)、すなわち、メモリ等に記憶されたコードで識別されるテレビの順番が初期モードにおいて最後の順番であると判断した場合には、メモリ等に記憶されているコードで識別されるテレビの順番を1番目に変更する(ステップS1003)。そして、残余のテレビの順番を初期モードにおける昇順にしたがって各々変更する(ステップS1003)。たとえば、メモリ等に記憶されたコード00dで識別されるテレビDの順番を4番目から1番目に変更し、残余のテレビA,B,Cの各々の順番を、初期モードにおける昇順、すなわち、1、2、3にしたがって2番目、3番目、4番目に変更し、初期モードにおける送信順序を、1番目:テレビD、2番目:テレビA、3番目:テレビB、4番目:テレビCに変更した固有モードとする変更送信順序情報を生成して記憶部7aに記憶する。
【0063】
そして、変更送信順序情報の生成、ならびに記憶部7aへの記憶が完了した場合には、メモリ等に記憶されているテレビを識別するコードをクリアして(ステップS1006)して、変更送信順序情報の生成処理を終了する。
【0064】
上記説明したように実施例1では、複数のテレビA〜D(被制御機器)の各々に対する異なる制御信号(たとえば、on00a、on00b、on00c、on00d)を生成し、記憶部7aに記憶されている初期モード(送信順序情報に示される送信順序)にしたがって送信する。そして、それら制御信号が送信されているときに、利用者からの特定キー3cの操作による変更入力指示がなされた場合、当該変更入力指示がなされた際に送信されている制御信号から、初期モードにおいて順番を変更する基準となるテレビを特定する。そして、その特定されたテレビの順番の変更を基準として図8に示すフローチャートによる変更送信順序情報の生成処理をおこない、または図9に示すフローチャートによる変更送信順序情報の生成処理をおこなう。そして、生成した変更送信順序情報を記憶部7aに記憶する。次回以降は、その記憶部7aに記憶された変更送信順序情報における送信順序(固有モード)にしたがって複数のテレビA〜D(被制御機器)の各々に対する制御信号を送信する。また、変更送信順序情報の生成処理は、当該特定されたテレビの順番が初期モードにおいて1番目であれば処理をおこなわず、それ以外の順番であれば処理をおこなう。つまり、特定されたテレビの順番が初期モードにおいて1番目以外の順番である場合に、当該1番目以外の順番を1番目とする処理をおこなう。
【0065】
このようにすることで、利用者が最初に制御させたい所望の被制御機器の順番を1番目とすることができる。つまり、利用者の意思で任意に送信順序を変更することができるので、複数の被制御機器を遠隔制御するリモコン装置の利便性が向上される。
【0066】
また、図8に示すフローチャートの変更送信順序情報生成処理では、初期モードにおいて順番を変更する被制御機器の数に応じて適した変更送信順序情報を生成することができる。つまり、2以上の変更入力指示がなされた場合には、その2以上の変更入力指示により特定される複数の被制御機器の各々の順番を優先する変更送信順序情報を生成することにより、1の被制御機器のみならず、2以上の所望の被制御機器を優先して制御させたい場合でも十分にその利便性を向上させることができる。
【0067】
また、図9に示すフローチャートの変更送信順序情報生成処理では、1の変更入力指示のみで、初期モードにおいて当該1の変更入力指示により特定される被制御機器の順番を1番目に変更するだけでなく、当該特定された被制御機器の初期モードにおける順番以降の順番である他の被制御機器の順番を2番目以降として変更し、変更送信順序情報を生成する。つまり、初期モードにおいて、当該1の変更入力指示により特定される被制御機器の順番以降に順番が存在する場合には、その以降の順番である他の制御機器の順番も優先する変更送信順序情報を生成することにより、たとえば、陳列配置された複数の被制御機器に対する制御がまばらになることがなく、当該制御に際し、被制御装置の配列の順を配慮した送信順序とすることができる。
【0068】
なお、上記説明では、利用者の特定キー3cの操作により変更入力指示をおこなうことについて説明したが、当該変更入力指示は、特定キー3cの操作以外によることも可能である。たとえば、操作部3に特定キー3cを設けず、被制御機器を制御すべく操作される、たとえば、ON/OFF切り替えボタン3a、やチャンネル切り替えボタン3bを連続して2度操作することにより変更入力指示をおこなうようにしてもよい。このようにすることでより操作性の利便が向上される。
(実施例2)
次に、実施例2としてのリモコン装置1における制御部7の送信処理の手順について、図10を用いて説明する。なお、この実施例2では、上記で説明した実施例1の制御部7の送信処理に表示部6aへの表示処理を加えたものとなっている。よって、上記した制御部7の送信処理(図7で示すフローチャート)と同等な処理についてはその詳細な説明を省略し、表示部6aへの表示処理を中心にその詳細について説明する。また、実施例2においても、上記実施例1と同様に上記で説明した図4(a)に示す送信順序情報、同図(b)に示す制御情報を引用し、さらに、複数の被制御機器をテレビA〜Dとして説明する。
【0069】
図10に示すフローチャートは、図7で示すフローチャートのステップS803とステップS804の間に表示部6aへの表示処理のステップS1101〜ステップS1103を加えたものになっている。なお、図10に示すフローチャートでは図7に示すフローチャートのステップS801とステップS802を省略している。
【0070】
まず、制御部7は、生成した複数のテレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号(たとえば、on00a、on00b、on00c、on00d)を初期モードにしたがって順次送信する(ステップS1100)。そして、制御部7は、表示部6aを制御して、現在送信されている制御信号によって特定される一のテレビを指標する情報を表示させる(ステップS1101)。たとえば、送信部2を制御してテレビAに対する制御信号(たとえば、on00a)を送信している場合、当該制御信号におけるコード00aを確認することにより、テレビAに対する制御信号を送信していると認識する。
【0071】
そして、制御部7は記憶部7aに記憶されている送信順序情報に示される被制御機器名(図4(a)を参照)を引用し、コード00aに対応する被制御機器名「A」を表示部6aに表示させる。この表示により利用者に対し現在送信している制御信号の対象となる被制御機器を告知する。そして、制御部7は、一のテレビに対する制御信号の送信が完了したかを判断する(ステップS1102)。一のテレビ、たとえば、テレビAに対する制御信号(たとえば、on00a)を送信している場合、その制御信号on00aの送信が完了したことを示す信号を送信部2から受け取ることにより、制御部7は、テレビAに対する制御信号の送信が完了したと判断する。一のテレビに対する制御信号の送信が完了していないと判断した場合、たとえば、送信部2から送信が完了したことを示す信号を受け取っていない場合(ステップS1102:NO)には、操作部3から変更入力指示があったか否かを判断する(ステップS1106)。
【0072】
当該変更入力指示がなされたと判断した場合(ステップS1106:YES)には、それ以降のステップS1107〜ステップS1109の処理をおこなう。なお、当該変更入力指示がなされないと判断した場合(ステップS1106:NO)や、特定されたテレビへの順番が1番目であると判断した場合(ステップS1108:NO)や、初期モードにおける順番を変更する基準としてのテレビであると特定して一時的に当該テレビを識別するコードをメモリ等に記憶した場合(ステップS1109)には、ステップS1102に戻る。なお、ステップS1106〜ステップS1109の各処理は図7に示すフローチャートのステップS807〜ステップS810の各処理と同等であるため、詳細な説明を省略する。
【0073】
次に、制御部7は、一のテレビに対する制御信号の送信が完了したと判断した場合(ステップS1102:YES)には、表示部6aを制御して、現在送信している制御信号によって特定されるテレビを指標する情報の表示を終了させる(ステップS1103)。たとえば、テレビAに対する制御信号の送信が完了したと判断した場合には、当該テレビAを指標する情報である「A」の表示を終了させる。この表示の終了を利用者が確認することによって、テレビAへの順番を変更するための変更入力指示をおこなう期間が終了したことを確認することができる。よって、当該期間が終了したにもかかわらず、利用者が不用意に所定の入力指示のための操作をしてしまって、所望しないテレビへの順番が優先されてしまうという不具合の発生を防止できる。
【0074】
次に制御部7は、すべてのテレビA〜Dの各々に対する制御信号の送信が完了したか否かを判断する(ステップS1104)。すべてのテレビA〜Dの各々に対する制御信号の送信が完了していないと判断した場合(ステップS1104:NO)には、ステップS1100に戻り、初期モードにしたがい、次に送信対象となるテレビに対する制御信号を送信する。そして、たとえば、テレビAに対する制御信号(たとえば、on00a)の送信が完了している場合には、制御部7は、送信部2を制御して、テレビBに対する制御信号(たとえば、on00b)の送信を開始させ、表示部6aを制御して当該テレビBを指標する情報である「B」を表示させる。このように、ステップS1101〜ステップS1103にて、表示部6aを制御して、現在送信されている制御信号により特定されるテレビを指標する情報を、すべてのテレビA〜Dの各々に対する制御信号の送信に応じて表示させる。
【0075】
制御部7は、すべてのテレビA〜Dの各々に対する制御信号の送信が完了したと判断した場合(ステップS1104:YES)には、ステップS1105、ステップS1110の処理をおこない、固有モードとする変更送信順序情報を生成しないと判断した場合(ステップS1105:NO)や、固有モードとする変更送信順序情報の生成処理へ移行する場合(ステップS1110)に、一連の送信処理を終了する。なお、ステップS1105、ステップS1110の各処理は図7に示すフローチャートのステップS805、ステップS806の各処理と同等であるため、詳細な説明を省略する(ステップS1110における変更送信順序情報の生成処理は図8または図9に示すフローチャートにておこなわれる)。
【0076】
このように、実施例2によれば、制御部7における送信処理において、表示部を制御して現在送信している制御信号によって特定される被制御機器を指標する情報を表示することにより、利用者に対し、現在の制御信号の送信対象となる被制御機器を告知することができ、さらに、利用者が変更入力指示をおこなうための操作のタイミングを逸して所望しない被制御機器への順番が優先されてしまうという不具合の発生を防ぐことができる。
【0077】
なお、送信部2から制御信号が送信されていないときにおいても変更入力指示によるテレビの特定を可能とし、当該特定されたテレビの順番の変更を基準として変更送信順序情報の生成処理をおこなうことが可能である。
【0078】
これは、送信部2から制御信号が送信されていないとき、たとえば、制御入力指示がなされておらず、テレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号が生成されていないときに、利用者により特定キー3c等が操作された場合におこなわれる。
【0079】
まず、制御部7は、制御入力指示がなされていない(異なる制御信号を生成していない)ときに、操作部3の特定キー3c等の操作がなされたか否かを判断する。そして、特定キー3cの操作がなされたと判断した場合、表示部6aを制御して、記憶部7aに記憶されている送信順序情報に示される送信順序(初期モード)にしたがってテレビA〜Dの各々を指標する情報を順次表示させる。
【0080】
たとえば、図4(a)に示す送信順序情報に示される送信順序にしたがって順序表示させる場合、制御部7は、表示部6aを制御して、被制御機器名「A」、「B」、「C」、「D」をその順に表示させる。なお、順次表示させる際には、たとえば、「A」を所定時間表示させてから次の「B」の表示に切り替えるようにする。
【0081】
そして、制御部7は、テレビA〜Dの各々を指標する情報が順次表示されているときに、利用者による特定キー3a等の再度の操作がおこなわれたか否か、すなわち、変更入力指示がなされたか否かを判断する。そして、変更入力指示がなされたと判断した場合には、当該変更入力指示がなされたときに表示されている情報からテレビを特定する。たとえば、表示部6aに「B」が表示されているときに変更入力指示がなされたと判断した場合にはテレビBを特定する。そして、テレビA〜Dの各々を指標する情報のすべての表示が完了したと判断した場合には、特定されたテレビの順番を優先するように送信順序を変更して固有モードとする変更送信順序情報の生成処理(図8または図9に示すフローチャート)をおこなう。なお、この場合においても変更入力指示によって特定されたテレビの初期モードにおける順番が1番であった場合には、そのテレビの順番を優先する変更の対象とはしない。
【0082】
このように、送信部2から制御信号が送信されていないときにおいても、利用者が優先して制御させたい被制御機器の順番を利用者の意思により任意に変更することができる。よって、複数の被制御機器を遠隔制御するリモコン装置の利便性が向上される。
(実施例3)
次に、実施例3としてのリモコン装置1における制御部7の送信処理の手順について、図11ならびに図12を用いて説明する。なお、上記の実施例1、実施例2は、変更入力指示によって特定された被制御機器の順番を優先するように初期モードにおける順番を変更して変更送信順序情報を生成するものであるが、実施例3では、制御手段7が、変更入力指示によって特定された被制御機器の順番を削除することにより送信順序を変更し、初期モードにおける順番を変更して変更送信順序情報を生成するものである。
【0083】
まずは、図11に示すフローチャートを用いて制御部7の送信処理について説明するが、この図11に示すフローチャートは上記した実施例2における図10に示すフローチャートとほぼ同様であるため、図10に示すフローチャートと同等な処理についてはその詳細な説明を省略する。また、実施例3においても、上記実施例1、実施例2と同様に上記で説明した図4(a)に示す送信順序情報、同図(b)に示す制御情報を引用し、さらに、複数の被制御機器をテレビA〜Dとして説明する。
【0084】
まず、制御部7は、送信部2を制御して、生成したテレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号を初期モードにしたがって順次送信させ(ステップS1200)、そして、表示部6aを制御して、現在送信している制御信号によって特定される一のテレビを指標する情報を表示させる(ステップS1201)。次に制御部7は、一のテレビに対する制御信号の送信が完了したかを判断する(ステップS1202)。一のテレビに対する制御信号の送信が完了していないと判断した場合(ステップS1202:NO)には、操作部3から特定キー3c等の操作により変更入力指示がなされたか否かを判断する(ステップS1207)。そして、変更入力指示がなされたと判断した場合(ステップS1207:YES)には、当該変更入力指示がなされた際に送信されている制御信号からテレビを特定する(ステップS1208)。そして、初期モードにおける順番を削除するテレビを特定し、当該特定したテレビを識別するコードをメモリ等に記憶し(ステップS1209)、ステップS1202の処理に戻る。
【0085】
制御部7は、一のテレビに対する制御信号の送信が完了したと判断した場合(ステップS1202:YES)には、表示部6aを制御して、現在送信している制御信号によって特定されるテレビを指標する情報の表示を終了させる(ステップS1203)。そして、すべてのテレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号の送信が完了したか否かを判断し(ステップS1204)、完了していないと判断した場合(ステップS1204:NO)には、ステップS1200に戻り、未送信であるテレビに対する制御信号の送信を継続しておこなう。そして、制御部7は、すべてのテレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号の送信が完了したと判断した場合(ステップS1204:YES)には、固有モードとする変更送信順序情報を生成するか否かを判断する(ステップS1205)。固有モードとする変更送信順序情報を生成しないと判断した場合、すなわち、メモリ等に順番を変更するテレビを識別するコードが記憶されていないと判断した場合(ステップS1205:NO)には、一連の送信処理を終了する。一方、固有モードとする変更送信順序情報を生成すると判断した場合、すなわち、メモリ等に順番を削除するテレビを識別するコードが記憶されていると判断した場合(ステップS1205:YES)には、変更送信順序情報の生成処理に移行して(ステップS1206)、一連の送信処理を終了する。
【0086】
ちなみに、実施例2と実施例3、すなわち、変更入力指示を「変更する指示」と「削除する指示」とで併用させることが可能である。たとえば、利用者による特定キー3c等の操作が所定時間以上継続しておこなわれた場合には「削除する指示」とし、所定時間内であれば「変更する指示」とする。そして、制御部7が特定キー3c等の操作による変更入力指示を所定時間以上継続して受け付けたと判断した場合には「削除する指示」と判断することができる。このようにすることで、制御部7は、変更入力指示があったことだけを判断するのではなく、その種別も判断に加えることにより、図10に示すフローチャートのステップS1106からの処理と、図11に示すフローチャートのステップS1207からの処理とに切り替えて処理することが可能となる。
【0087】
次に上記した図11に示すフローチャートにおけるステップS1206での変更送信順序情報の生成処理について、図12(a)に示すフローチャートを用いて説明する。
【0088】
まず、制御部7は、メモリ等を参照して、当該メモリ等に記憶されているテレビを識別するコードを確認する(ステップS1301)。そして、記憶部7aの送信順序情報において、当該メモリ等に記憶されているコードに対応する送信順序の順番を削除する(ステップS1302)。
【0089】
図12(b)、図12(c)は、記憶部7aにおける送信順序情報において、特定されたテレビに対する送信順序の順番を削除する様子を概念的に示したものである。図12(b)は、特定されたテレビに対する送信順序の順番が削除される前の送信順序情報を示しており、図12(c)は、特定されたテレビに対する送信順序の順番が削除され、残余のテレビの順番を変更して作成した固有モードとする変更送信順序情報を示している。たとえば、制御部7は、メモリ等に記憶されているコードが00aと00dであることを確認した場合、図12(b)に示す送信順序情報のコード00aとコード00dの各々に対応する送信順序の順番1、4を削除(ブランク)する。
【0090】
図12(a)のフローチャートに戻り、制御部7は、メモリ等に記憶されているテレビを識別するコードに基づき送信順序の順番を削除した結果、当該順番が削除されていない削除非対象のテレビが存在するか否かを判断する(ステップS1303)。削除非対象のテレビが存在すると判断した場合(ステップS1303:YES)、当該削除非対象のテレビへの順番を変更する(ステップS1304)。
【0091】
図12(c)では、削除非対象のテレビBとテレビCが存在し、それらテレビの順番を図12(b)における送信順序における昇順にしたがって変更している。つまり、テレビBの順番を2番目から1番目に変更し、テレビCの順番を3番目から2番目と変更している。このようにして、図12(c)に示す変更送信順序情報を作成し、記憶部7aに記憶する。
【0092】
再び図12(a)のフローチャートに戻り、制御部7は、変更送信順序情報の生成ならびに記憶部7aへの記憶が完了すると、メモリ等に記憶されたテレビを識別するコードをクリアし(ステップS1306)、変更送信順序情報の生成処理を終了する。また、制御部7は、削除非対象のテレビが存在しないと判断した場合(ステップS1303:NO)には、送信順序情報における送信順序の順番のすべてを削除した変更送信順序情報を記憶部7aに記憶するとともに、メモリ等に記憶されたテレビを識別するコードをクリアする(ステップS1306)。そして、変更送信順序情報の生成処理を終了する。
【0093】
このように、実施例3によれば、リモコン装置1で遠隔制御しない被制御機器の送信順序における順番を利用者が任意に削除することができる。これにより、利用者にとって不要な被制御機器の順番を削除し、必要な被制御機器への順番のみを残して遠隔制御を可能とする。
【0094】
なお、送信順序情報に示される送信順序の順番を削除して生成した変更送信順序情報に対し、利用者が操作部3のたとえば、リセットボタン等を操作することにより、元の送信順序情報に示される送信順序に戻すようにしてもよい。たとえば、図12(c)に示す変更送信順序情報からリセットボタン等の操作により図12(b)に示す送信順序情報に戻すようにしてもよい。このようにすることで、誤って順番を削除してしまった場合でもやり直すことができ、また、順番を削除するテレビを変更したい場合にも対応することが可能となる。
【0095】
この実施例3の場合も、前述した実施例2の場合と同様に、送信部2から制御信号が送信されていないときにおいても変更入力指示によるテレビの特定を可能とし、当該特定されたテレビの順番の変更を基準として変更送信順序情報の生成処理をおこなうことが可能である。
(実施例4)
次に、実施例4としてのリモコン装置1における制御部7の送信処理の手順について説明する。この実施例4についても上記した実施例1〜3と同様に上記で説明した図4(a)に示す送信順序情報、同図(b)に示す制御情報を引用し、さらに、複数の被制御機器をテレビA〜Dとして説明する。
【0096】
実施例4は、上記した変更送信順序情報に示される送信順序(固有モード)または送信順序情報に示される送信順序(初期モード)にしたがって、複数の制御機器(テレビA〜D)の各々に対する異なる制御信号を所定回数繰り返して送信するというものである。
【0097】
この所定回数繰り返して送信するという概念を図6(c)を用いて説明する。
【0098】
図6(c)は、図4(a)に示す送信順序情報と図4(b)に示す制御情報とから電源ONの制御入力指示に基づき制御部7にて生成された制御信号on00a、on00b、on00c、on00dと、ch1の制御入力指示に基づき制御部7にて生成された制御信号ch100a、ch100b、ch100c、ch100dとの各々が、記憶部7aに記憶されている初期モードまたは固有モードにしたがって繰り返して送信される様子を簡略的に示したものである。
【0099】
制御部7は、たとえば、利用者により操作部3のON/OFF切り替えボタン3aが連続して所定回数操作されることにより電源ONの制御入力指示を所定回数連続して受け付ける。そして、テレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号(on00a、on00b、on00c、on00d)を生成するとともに、送信部2を制御して初期モードにしたがって順次送信する。また、制御部7は、電源ONの制御入力指示を所定回数連続して受け付けていることから、生成した制御信号on00aを送信した後制御信号on00bを送信し、さらに制御信号on00bを送信した後制御信号on00cを送信し、そして制御信号on00cを送信した後制御信号on00dを送信する、という制御信号on00aから制御信号on00dまでの一巡の送信を1回の送信とし、その送信を所定回数繰り返しおこなう。なお、制御入力指示を受け付けた回数と繰り返し送信をおこなう回数を同じ回数にしてもよく、また、制御入力指示を受け付けた回数と繰り返し送信をおこなう回数とを違う回数、すなわち、両回数を予め違う回数に設定してもよい。ちなみに、図6(c)では2回繰り返し送信をおこなう様子を示している。
【0100】
さらに、記憶部7aに記憶されている初期モードだけでなく、上記した実施例1〜3の各々の実施形態により生成され、記憶部7aに記憶されている固有モードでも適用することができる。
【0101】
制御部7は、たとえば、利用者により操作部3のチャンネル切り替えボタン3bが連続して所定回数操作されることにより放送チャンネルを1チャンネルに切り替える制御入力指示を所定回数連続して受け付ける。そして、テレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号(ch100a、ch100b、ch100c、ch100d)を生成するとともに、送信部2を制御して固有モードにしたがって順次送信させる。
【0102】
図6(c)に示す例では、記憶部7aに記憶されている固有モードを1番目がテレビC、2番目がテレビA、3番目がテレビB、4番目がテレビDとしている。よって、制御部7は、送信部2を制御して制御信号ch100c、ch100a、ch100b、ch100dの順に送信させる。
【0103】
また、制御部7は、チャンネル切り替えボタン3bの制御入力指示を所定回数連続して受け付けていることから、生成した制御信号ch100cを送信した後制御信号ch100aを送信し、さらに制御信号ch100aを送信した後制御信号ch100bを送信し、そして制御信号ch100bを送信した後制御信号ch100dを送信する、という固有モードにしたがった制御信号の一巡の送信を1回の送信とし、この送信を所定回数繰り返しおこなう。なお、今回の場合でも入力指示を受け付けた回数と繰り返し送信をおこなう回数を同じ回数にしてもよい。ちなみに、図6(c)では2回繰り返し送信をおこなった様子を示している。
【0104】
なお、上記した実施例4における制御部7は、利用者によるON/OFF切り替えボタン3aやチャンネル切り替えボタン3bの操作での制御入力指示を連続して所定回数受け付けた場合に、異なる制御信号を初期モードまたは固有モードにしたがって所定回数繰り返して送信するようにしている。しかし、たとえば、制御入力指示を連続して所定回数受け付けた場合でも、1回の送信にてすべてのテレビA〜Dの制御に成功した場合には、2回目以降の繰り返し送信をおこなわないようにしてもよい。また、すべてのテレビA〜Dの制御に成功するまで繰り返し送信をおこなうようにしてもよく、また、2回目以降の繰り返し送信をおこなっているときでも、利用者による特定キー3c等の操作での変更入力指示がなされた場合に、当該変更入力指示がなされた際に送信されている制御信号によって特定されるテレビの順番の変更を基準とした変更送信順序情報の生成処理、または当該特定されるテレビの順番の削除をおこなうことによる変更送信順序情報の生成処理をおこなうようにしてもよい。
【0105】
このように、実施例4では、複数の被制御機器の各々に対する異なる制御信号を所定回数繰り返し送信するようにしている。このようにすることで、たとえば、1回目の異なる制御信号の送信で被制御機器の制御に失敗した場合に、利用者に対し再度制御入力指示するための操作をおこなわせることがなく、複数の被制御機器の制御が成功する確率を高めることができる。また、上記した実施例1〜実施例3の各々の実施形態により生成され、記憶部7aに記憶されている変更送信順序情報に示される送信順序(固有モード)にも適用できるため、利用者が最初に制御したいと所望する被制御機器への順番を優先するとともに、さらにその被制御機器の制御が成功する確率を高めることができるので、より信頼性の高いリモコン装置を提供することが可能となる。
実施形態2
次に実施形態2のリモコン装置11について主に図13〜図16を用いて以下に説明する。なお、上記で説明した図4(a)に示す送信順序情報、同図(b)に示す制御情報も適宜引用して説明する。
【0106】
図13は実施形態2のリモコン装置11の概略構成を説明するブロック図である。なお、図1に示す実施形態1のリモコン装置1と同一の構成については同一の符号を付けることとし、その詳細な説明を省略する。
【0107】
リモコン装置11は、メーカや型式が異なることなどにより、それぞれ異なる制御信号で制御される複数の被制御機器を一台で制御するものである。
【0108】
リモコン装置11は、図13に示すように、操作部3、制御部7、送信部12a、送信部12b、記憶部7a、表示部6(6a)を備えている。
【0109】
制御部7は、生成した複数の被制御機器の各々に対する異なる制御信号を、送信部12a,12bを個別または同時に制御して、送信部12aから記憶部7aに記憶されている送信順序情報に示される送信順序にしたがって送信させ、送信部12bから記憶部7aに記憶されている送信順序情報に示される変更送信順序にしたがって送信させる。
【0110】
すなわち、送信部12a,12bは、制御部7により生成された異なる制御信号を、当該制御部7の制御により記憶部7aに記憶された送信順序情報に示される送信順序(初期モード)や送信順序情報に示される送信順序(固有モード)にしたがって複数の被制御機器に順次送信する。なお、この送信部12a,12bは、制御部7により同時、または個別に制御可能とされる。その他の構成は、図1に示す実施形態1におけるリモコン装置1の構成と同等であるため説明を省略する。
【0111】
実施形態2におけるリモコン装置11の具体的な構成の一例を図14を用いて説明する。なお、図2に示すリモコン装置11において、実施形態1のリモコン装置1と同一の構成については同一の符号を付けることとし、その詳細な説明を省略する。
【0112】
図14で示すリモコン装置11の具体的な構成は、メーカや型式などが異なる複数の被制御機器であるテレビA、テレビB、テレビC、テレビDを遠隔制御するものである。なお、以下では、複数の被制御機器をテレビA〜Dとして、それらテレビA〜Dの各々を遠隔制御するリモコン装置11について説明するが、被制御機器としてはテレビに限ることなく、オーディオ機器や照明器具等、リモコン装置により遠隔制御可能な様々な機器にて適用できる。
【0113】
図14に示す操作部3は、複数のテレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号を、複数の異なる送信順序で同時に送信させる旨の入力指示をおこなう特定キー3dを備える。
【0114】
送信部12a、12bの各々は、たとえば、赤外線ビームを発射する赤外線発光素子からなり、制御部7により生成された異なる制御信号を赤外線信号としてテレビA〜Dに順次送信する。そして、送信部12a,12bは、制御部7の制御により各々異なる送信順序(初期モードと固有モード)にて、同時にテレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号を送信する。
【0115】
図14では、送信部12a,12bの各々が同時に異なる制御信号を送信している様子を概念的に示している。送信部12aが、初期モードにしたがって制御信号on00a、on00b、on00c、on00dを順次送信し、それと同時に送信部12bが、固有モードにしたがって制御信号on00c、on00a、on00b、on00dを順次送信している。なお、その他の構成は、図2に示す実施形態1におけるリモコン装置1の構成と同等であるため説明を省略する。
【0116】
次に図15に示すフローチャートを用いて、制御部7における送信処理の手順について説明する。
【0117】
まず、制御部7は、利用者による操作部3の操作によりテレビA〜Dを制御するための制御入力指示がなされたか否かを判断する(ステップS1501)。たとえば、電源がOFFになっているテレビA〜Dを電源ONにすべく、ON/OFF切り替えボタン3aの操作による制御入力指示がなされたか否かを判断する。ON/OFF切り替えボタン3aの操作による制御入力指示がなされていないと判断した場合(ステップS1501:NO)には、操作部3からの制御入力指示がなされるまで待機する。
【0118】
一方、ON/OFF切り替えボタン3aの操作による制御入力指示があった場合(ステップS1501:YES)には、制御部7は、この制御入力指示に応じて、複数の被制御機器であるテレビA〜Dの各々に対し電源をONさせるための制御信号を生成する(ステップS1502)。制御部7は、送信順序情報のコードと制御情報のコードとを用いて、on00a、on00b、on00c、on00dを生成する。
【0119】
そして、制御部7は、利用者の特定キー3dの操作によるテレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号on00a、on00b、on00c、on00dを同時に送信させる旨の入力指示がなされたか否かを判断する(ステップS1503)。同時に送信させる旨の入力指示がなされたと判断した場合(ステップS1503:YES)には、記憶部7aを参照することにより、当該記憶部7aに複数の送信順序、たとえば、初期モードと固有モードの両方が存在するか否かを判断する(ステップS1504)。記憶部7aに複数の送信順序が存在すると判断した場合(ステップS1504:YES)には、制御部7は、送信部12a,12bの両方を同時に制御して、テレビA〜Dの各々に対する異なる制御信号on00a、on00b、on00c、on00dを送信させる(ステップS1508)。たとえば、送信部12aには、初期モードにしたがって異なる制御信号を送信させ、送信部12bには、固有モードにしたがって異なる制御信号を送信させる。そして、すべての制御信号on00a、on00b、on00c、on00dの送信が完了したら、送信処理を終了する。
【0120】
一方、制御部7は、同時に送信させる旨の入力指示がなされていないと判断した場合(ステップS1503:NO)、または、記憶部7aに複数の送信順序が存在しないと判断した場合,たとえば、初期モードしか存在していないと判断した場合(ステップS1504:NO)には、送信部12aのみを制御して、当該初期モードにしたがって異なる制御信号on00a、on00b、on00c、on00dを順次送信させる(ステップS1505)。そして、初期モードにしたがって制御信号on00a、on00b、on00c、on00dを順次送信しているときに、利用者の操作部3の特定キー3cの操作により変更入力指示がなされたか否かを判断する(ステップS1506)。変更入力指示がなされた場合には、当該変更入力指示がなされたときに送信されている制御信号で特定されるテレビを識別するコードをメモリ等に記憶する。
【0121】
たとえば、制御信号on00cが送信されているときに変更入力指示があった場合には、その制御信号on00cで特定されるテレビCを識別するコード00cをメモリ等に記憶する。そして、すべての制御信号on00a、on00b、on00c、on00dの送信が完了した場合に、変更送信順序情報を生成するかを判断し、生成すると判断した場合に当該メモリ等に記憶されているコードにしたがって変更送信順序情報を生成処理(たとえば、図8、図9または図12(a)のフローチャートで示す変更送信順序情報の生成処理)に移行し、生成された変更送信順序情報に示される送信順序を固有モードとして記憶部7aに初期モードとともに記憶する(ステップS1507)。そして、一連の送信処理を終了する。
【0122】
次に、図16を用いて実施形態2における記憶部7aに記憶された送信順序情報の構成の一例について説明する。図16(a)は、異なる制御信号を送信する順番を定めた送信順序a、異なる制御信号を送信する順番を定めた送信順序b、当該送信順序a,,bに対応して割り振られた被制御機器名、当該被制御機器を識別するコード、で構成された送信順序情報の構成を示す。送信順序aは、利用者による登録操作等により登録された順に、数字の「1」から割り振られる。なお、この送信順序aが初期モードとなる。また、送信順序bは、変更送信順序情報の生成処理にて生成される送信順序で、この送信順序bが固有モードとなる。被制御機器名は、当該登録操作等により指定された被制御機器を指標する情報である。コードは、被制御機器を識別するユニークなコードであり、制御信号を生成するなどに利用される。また、このコードは、テレビA〜テレビDの各々にも同様に割り振られているコードとされる。なお、図16(a)の状態では、まだ固有モードが割り付けられていない状態(ブランク状態)のため、送信順序としては送信順序a(初期モード)のみが存在している。
【0123】
そして、図15に示すフローチャートにおけるステップS1507の処理にて送信順序b(固有モード)を生成し、図16(b)に示す変更送信順序情報として記憶部7aに記憶する。
【0124】
ちなみに、図16(b)に示す変更送信順序情報は、上記したテレビCを識別するコードがメモリ等に記憶されている状態において、図9に示す変更送信順序情報の生成処理によって生成されたものである。
【0125】
このように、実施形態2におけるリモコン装置では、複数の送信部を備えた構成とし、
さらに、この複数の送信部を同時に制御して、互いに異なる送信順序にて、複数の被制御機器の各々に対する異なる制御信号を送信するようにしている。このようにすることで、利用者が優先して制御したいと欲する所望の被制御機器への順番を1番目とすることができるとともに、すべての制御機器に対する制御のタイムラグを極力短くすることが可能となる。
【0126】
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態、実施例を説明したが、本発明はかかる実施形態、実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。
【0127】
例えば、リモコン装置1の送信部2から送信された制御信号によって制御される被制御機器の動作反応の有無を確認した後、記憶部7aに記憶されている送信順序情報の変更をおこなうべき被制御機器を特定する変更入力指示をおこなうように配慮してもよい。その場合には、たとえば、送信部2からの送信は、一つの制御信号につき2〜3秒間程度の予め定められている期間連続し、次いで、予め定められている所定の時間(例えば、1秒間程度)送信を停止して次の信号を送信するという間欠的な送信機能を有するようにしておくことが望ましい。
【0128】
また、記憶部7aに固有モードが記憶された後、記憶部7aに依然として記憶されている初期モードでの制御信号の送信をおこなわせるようにする所定の入力指示動作を、例えば、操作部3のリセットボタン等を操作することによっておこない、固有モードが記憶部7aに記憶された後に、リセットボタン等を操作し、以降は、初期モードでの送信が行われるようにすることもできる。
【0129】
この場合には、リセットボタン等の異なる操作によって、再度、固有モードに切り替わり、以降は、固有モードでの制御信号の送信がおこなわれるようにすることができる。
【0130】
また、送信順序情報の変更の過程で、第一の固有モード、第二の固有モードのように複数の送信順序を記憶手段に記憶させ、操作部3からの入力により、希望する固有モードで送信が行われるようにすることもできる。
【0131】
なお、本実施形態や本実施例で説明した送信処理手順や変更送信順序情報の生成処理手順をプログラム化してパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータからインストールして実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによってインストール可能とされる。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】実施形態1のリモコン装置の一例の概略構成を説明するブロック図。
【図2】実施形態1のリモコン装置の一例を説明する概略構成図。
【図3】実施形態1のリモコン装置の他の例を説明する概略構成図。
【図4】(a)、(b)は実施形態1の記憶部の構成の一例を説明する図。
【図5】(a)、(b)は実施形態1におけるリモコン装置から複数の被制御機器に制御信号が送信された様子を説明する図、(c)は、被制御機器側における処理の手順の一例を説明するフローチャート。
【図6】(a)は、送信順序における順番を変更する概念の一例を説明する図、(b)は、送信順序における順番を削除する概念の一例を説明する図、(c)は、制御信号が繰り返し送信される様子の一例を説明する図。
【図7】実施例1の制御信号の送信処理の手順の一例を説明するフローチャート。
【図8】実施例1の送信順序を変更する処理の手順の一例を説明するフローチャート。
【図9】実施例1の送信順序を変更する処理の手順の他の一例を説明するフローチャート。
【図10】実施例2の制御信号の送信処理の一例を説明するフロー図。
【図11】実施例3の制御信号の送信処理の一例を説明するフロー図。
【図12】(a)は、実施例3の送信順序を変更する処理の手順の一例を説明するフローチャート、(b),(c)は、実施例3の記憶部の構成の一例を説明する図。
【図13】実施形態2のリモコン装置の一例の概略構成を説明するブロック図。
【図14】実施形態2のリモコン装置の一例を説明する概略構成図。
【図15】実施形態2の制御信号の送信処理の手順の一例を説明するフローチャート。
【図16】(a)、(b)は、実施形態2の記憶部の構成の一例を説明する図。
【符号の説明】
【0133】
1、11 リモコン装置
2、12a、12b 送信部
3 操作部
6、6a 表示部
7 制御部
7a 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被制御機器を遠隔制御するために当該複数の被制御機器の各々に対する異なる制御信号を送信するリモートコントロール装置であって、
前記異なる制御信号を、予め定められた送信順序にしたがって送信する送信手段と、
前記予め定められた送信順序にしたがって前記異なる制御信号が順次送信されているときになされた当該送信順序の変更を示す入力指示に応じて、前記予め定められた送信順序を変更する制御手段と、
を備えたことを特徴とするリモートコントロール装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記変更を示す入力指示によって特定された被制御機器に対する制御信号の順番を優先するように送信順序を変更することを特徴とする請求項1に記載のリモートコントロール装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記変更を示す入力指示によって特定された被制御機器に対する制御信号の順番を削除することにより送信順序を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載のリモートコントロール装置。
【請求項4】
前記予め定められた送信順序を示す送信順序情報を記憶する記憶手段を更に備え、
前記送信手段は、前記送信順序情報に示される送信順序にしたがって前記異なる制御信号を送信し、
前記制御手段は、前記送信順序情報に示される送信順序にしたがって前記異なる制御信号が順次送信されているときに前記変更を示す入力指示がなされた場合、当該入力指示に基づいて、記憶されている前記送信順序情報を変更することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のリモートコントロール装置。
【請求項5】
前記複数の被制御機器の各々を指標する情報を前記予め定められた送信順序にしたがって順次表示する表示手段を更に備え、
前記制御手段は、前記送信手段によって前記制御信号が送信されておらず、かつ前記指標する情報が前記表示手段に順次表示されている場合には、当該指標する情報が順次表示されているときになされた前記変更を示す入力指示に応じて、前記予め定められた送信順序を変更することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のリモートコントロール装置。
【請求項6】
前記予め定められた送信順序を示す送信順序情報を記憶する記憶手段を更に備え、
前記制御手段は、前記送信手段によって前記制御信号が送信されておらず、かつ前記複数の被制御機器の各々を指標する情報が前記表示手段に順次表示されているときに前記変更を示す入力指示がなされた場合、当該入力指示に基づいて、記憶されている前記送信順序情報を変更することを特徴とする請求項5に記載のリモートコントロール装置。
【請求項7】
前記記憶手段は、予め定められた送信順序と、変更された変更送信順序と、の複数の異なる送信順序を示す送信順序情報を記憶し、
前記送信手段は、それぞれが前記異なる制御信号を送信する複数の送信部からなり、
前記制御手段は、前記複数の送信部から同時に前記異なる制御信号を送信させる旨の入力指示に応じて、一の前記送信部から前記送信順序情報に示される送信順序にしたがって送信させ、他の前記送信部から前記送信順序情報に示される変更送信順序にしたがって送信させることを特徴とする請求項4又は6に記載のリモートコントロール装置。
【請求項8】
複数の被制御機器を遠隔制御するリモートコントロール装置における当該複数の被制御機器の各々に対する異なる制御信号を送信する制御信号送信方法であって、
前記異なる制御信号を予め定められた送信順序にしたがって送信する工程と、
前記異なる制御信号が前記送信順序にしたがって送信されているときに当該送信順序の変更を示す入力指示を受け付ける工程と、
前記受け付けた入力指示に応じて、前記送信順序を変更する工程と、
を含むことを特徴とする制御信号送信方法。
【請求項9】
請求項8に記載の制御信号送信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする制御信号送信プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の制御信号送信プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−118252(P2009−118252A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−289884(P2007−289884)
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】