説明

リヤコンビネーションランプ

【課題】 トラックのように樹脂製のバンパを持たない場合において後方確認装置3を簡易に取り付ける。
【解決手段】 トラックの後部に設けられ、複数のランプを一体的に組み合わせてなるリヤコンビネーションランプ2に、トラックの後方を確認する後方確認装置3を内蔵させる。リヤコンビネーションランプ2は、ブレーキランプカバー5に、トラック後方からの光を反射する反射板7を設け、この反射板7の近傍に後方確認装置3を配設する。後方確認装置3としては、超音波送受波器を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の後部に設けられ、複数のランプを一体的に組み合わせてなるリヤコンビネーションランプに関する。
【背景技術】
【0002】
トラックの後部に設けられる尾灯においては、3つのランプ、すなわちウインカーランプ、ブレーキランプ、バックランプをそれぞれ1つの箱体内で区画して配設することにより、これらのランプを一体的に組み合わせてなるリヤコンビネーションランプが知られている(特許文献1)。
また乗用車用の距離測定装置においては、乗用車後部の樹脂製のバンパに後方確認用の超音波センサ(バックソナー)を内蔵することが知られている(特許文献2)。
【特許文献1】特開平6−262977号公報
【特許文献2】特開平7−128444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、特許文献2のように乗用車後部に樹脂製のバンパがあれば、これにバックソナーを一体的に組み付けた後、樹脂製のバンパの取り付けと共にバックソナーを乗用車後部に容易に取り付けることが可能である。
しかしながら、樹脂製のバンパを持たないトラックにおいては、金属製のバンパにバックソナーを直接取り付けることは難しいため、別途バックソナーを取り付けるための部品(ブラケット等)が必要となり、取り付けの手間がかかっていた。
【0004】
そこで本発明は上記の点に鑑み、樹脂製のバンパを持たないトラックにおいてバックソナーなどの後方確認装置の取り付けを簡易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため本発明では、複数のランプをリヤコンビネーションランプとして一体的に組み合わせることに鑑み、トラックの後部に設けられるリヤコンビネーションランプに、トラックの後方を確認する後方確認装置を内蔵したことを特徴とする。
またリヤコンビネーションランプには、複数のランプのうち少なくとも1つのランプのランプカバーにトラック後方からの光を反射する反射板を設け、この反射板近傍に後方確認装置を配設してもよい。リヤコンビネーションランプは、ウインカーランプ、ブレーキランプ及びバックランプの少なくとも2つで構成してもよい。そして好ましくは、後方確認装置は、例えばトラック後進時に後方の状況を確認するため、超音波送受波器または後方確認用カメラを用いる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、リヤコンビネーションランプと後方確認装置とを一体的に構成しているため、リヤコンビネーションランプと後方確認装置とを別々に取り付ける手間が省けるという効果がある。
また、リヤコンビネーションランプのランプカバーに反射板および後方確認装置をまとめて配設したため、トラック後部(リヤコンビネーションランプ)における美観を向上することができる。更に、リヤコンビネーションランプは、ウインカーランプ、ブレーキランプ及びバックランプの少なくとも2つを含むため、他のランプが必要な場合おいてもこれを組み合わせて設計でき、設計の自由度を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、トラック1の後部、詳細には荷台の後端部の下面にブラケット(図示せず)を介して本発明のリヤコンビネーションランプ2が配設されている。
リヤコンビネーションランプ2は、図2に示すように、車幅方向の両側にそれぞれ配設されている。
【0008】
リヤコンビネーションランプ2は、図3に示すように、略直方体の箱形の本体カバー2aと、このカバー2a内にウインカーランプ、ブレーキランプおよびバックランプを一体的に組み合わせ、これらのランプをそれぞれ覆うウインカーランプカバー4、ブレーキランプカバー5およびバックランプカバー6を含んで構成している。
図3に示すウインカーランプは、トラック1が右折をする場合に、ウインカーランプカバー4を介して黄色い光を車両後方に照射することで方向指示を示す。
【0009】
ブレーキランプは、トラック1が減速や停止をする場合などブレーキ操作に伴って、ブレーキランプカバー5を介して赤色の光を車両後方に照射する。
バックランプは、ギアをバックに入れてトラック1を後進させる場合に、バックランプカバー6を介して白色の光を車両後方に照射する。
また、リヤコンビネーションランプ2には、トラック1の後方を確認する後方確認装置3を内蔵、すなわちリヤコンビネーションランプ2の本体カバー2a内に後方確認装置3を一体的に組み付けることで構成している。図3では、後方確認装置3がブレーキランプカバー5に配設され、後方を確認可能になっている。
【0010】
後方確認装置3としては、超音波送受波器または後方確認用カメラ(CCDカメラ)を用いる。
後方確認装置3として超音波送受波器を用いた場合には、トラック1の後方に超音波を発射した後、後方車両または壁などで反射した超音波を受信し、これらの送受信の時間をコントロールユニットにより演算処理することで後方確認を行う。
【0011】
また後方確認装置3として後方確認用カメラを用いた場合には、車室内に設けたモニタ(ディスプレイ)に後方確認用カメラからの映像を映すことで後方確認を行う。
超音波送受波器の超音波送信範囲または後方確認用カメラの視界は、上下方向及び左右方向に略30°となっている(図1,図2)。
また、ブレーキランプカバー5には、トラック後方からの光を反射する略長方形の反射板7を設け、この反射板7の近傍、図3では反射板7の下側の位置に後方確認装置3を配設している。これにより、後方確認装置3および反射板7は、ブレーキランプカバー5の所定位置にまとめて配設でき、図3に示すように、反射板7の横幅を後方確認装置3のレンズ部の幅と同じ幅にすることで、これらを規則正しく配列することができ、リヤコンビネーションランプ2(トラック1の後部)の美観を向上できる。
【0012】
なお、これまでに説明したリヤコンビネーションランプ2のランプとしては、前述のようにウインカーランプ、ブレーキランプおよびバックランプがあるが、これらのランプのうち少なくとも2つのランプを含めて構成するようにしてもよい。これにより、他のランプが必要な場合においても、他のランプを含め、複数のランプを一体的に組み合わせてリヤコンビネーションランプの設計ができ、設計の自由度を向上できる。
【0013】
また、後方確認装置3および反射板7は、ウインカーランプカバー4、ブレーキランプカバー5およびバックランプカバー6のいずれか1つに設ければよい。好ましくは、トラック1の車幅(荷台の幅)と、後方確認が必要な範囲との関係で決定すればよく、例えばトラック1の後方の広範囲を確認したければ車幅方向外側に配設されるウインカーランプカバー4に後方確認装置3および反射板7を配設することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のリヤコンビネーションランプを設けたトラックの概略構成を示す側面図
【図2】同上のトラックの平面図
【図3】図1に示すリヤコンビネーションランプを示す斜視図
【符号の説明】
【0015】
1 トラック
2 リヤコンビネーションランプ
2a 本体カバー
3 後方確認装置
4 ウインカーランプカバー
5 ブレーキランプカバー
6 バックランプカバー
7 反射板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックの後部に設けられ、複数のランプを一体的に組み合わせてなるリヤコンビネーションランプが、前記トラックの後方を確認する後方確認装置を内蔵したことを特徴とするリヤコンビネーションランプ。
【請求項2】
前記リヤコンビネーションランプは、前記複数のランプのうち少なくとも1つのランプのランプカバーにトラック後方からの光を反射する反射板を設け、前記反射板近傍に前記後方確認装置を配設したことを特徴とする請求項1記載のリヤコンビネーションランプ。
【請求項3】
前記リヤコンビネーションランプは、ウインカーランプ、ブレーキランプ及びバックランプの少なくとも2つを含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載のリヤコンビネーションランプ。
【請求項4】
前記後方確認装置は、超音波送受波器であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のリヤコンビネーションランプ。
【請求項5】
前記後方確認装置は、後方確認用カメラであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のリヤコンビネーションランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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