説明

リラックス装置

【課題】スピーカから出力される音をより効果的に使用者に聞こえさせ、より好適なリラックス効果を付与することができるリラックス装置を提供する。
【解決手段】身体支持部材13はその幅方向外側より内側が凹形状をなす凹み部40が形成され、背もたれ部31には、制御部からの音信号を出力するとともに幅方向中心側に傾向されたスピーカ34が設けられる。背もたれ部31は、背もたれ部本体の上面側にスポンジ状部材37を内包したクッション部36を設けて構成される。そしてクッション部36は、スピーカ34の音出力方向に対応した部位のスポンジ状部材37(低密度部材37a)の密度がその他の部位(高密度部材37b)よりも低くなるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者にリラックス効果を付与するリラックス装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示すように、使用者の身体を支持する身体支持手段を前後方向に揺動させる揺動駆動手段と、身体支持手段の揺動動作の振幅を変更するように揺動駆動手段を制御する制御手段とを備え、揺動動作の振幅を適宜変化させることで使用者にリラックス効果を付与するリラックス装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−300374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記リラックス装置では、身体支持手段を揺動動作させることで使用者に対してリラックス効果を付与しているが、揺動動作のみでのリラックス効果だけではその効果が低く、より効果的にリラックス効果を付与できるリラックス装置の開発が望まれている。
【0005】
このような要望に応えるものとして、例えば身体支持手段にスピーカを内蔵して、スピーカから音(音楽)を流してリラックス効果を付与することが考えられる。しかしながら、スピーカの取り付け位置によってはスピーカから発生される音が聞こえづらく、スピーカからの音をより効果的に使用者に聞こえさせてより好適なリラックス効果を付与できるリラックス装置の開発が望まれている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、スピーカから出力される音をより効果的に使用者に聞こえさせ、より好適なリラックス効果を付与することができるリラックス装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、使用者の身体を支持する座部及び該座部の後部に設けられる背もたれ部を有する身体支持手段と、該身体支持手段を少なくとも一方向に揺動動作させる揺動駆動手段と、該揺動駆動手段を制御してリラックス揺動を行う制御手段とを備えたリラックス装置であって、前記身体支持手段はその幅方向外側より内側が凹形状をなす凹み部が形成され、前記身体支持手段を構成する前記背もたれ部には、前記制御手段からの音信号を出力するとともに幅方向中心側に傾向されたスピーカが設けられたことをその要旨とする。
【0008】
この発明では、身体支持手段はその幅方向外側より内側が凹形状をなす凹み部が形成され、背もたれ部には、制御手段からの音信号を出力するとともに幅方向中心側に傾向されたスピーカが設けられる。このように、凹み部を有した身体支持手段においてスピーカを幅方向中心側に傾向するように配置することで、身体支持手段の幅方向略中心位置において支持される使用者に対し、傾向配置されたスピーカからの音を良好に伝えることができる。これにより、使用者に対して音楽をより効果的に聞こえさせることができるため、より好適なリラックス効果を付与することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリラックス装置において、前記背もたれ部は、背もたれ部本体の上面側にスポンジ状部材を内包したクッション部を設けて構成されるものであり、前記クッション部は、前記スピーカの音出力方向に対応した部位の前記スポンジ状部材の密度がその他の部位よりも低くなるように構成されたことをその要旨とする。
【0010】
この発明では、背もたれ部は、背もたれ部本体の上面側にスポンジ状部材を内包したクッション部を設けて構成される。そしてクッション部は、スピーカの音出力方向に対応した部位のスポンジ状部材の密度がその他の部位よりも低くなるように構成される。つまり、クッション部に内包されたスポンジ状部材の密度をスピーカの音出力方向に対応した部位において、その他の部位よりも低くすることで、スピーカからの音楽(音)がクッション部を良好に通過することができるため、音楽をより効果的に使用者に聞こえさせることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のリラックス装置において、前記背もたれ部の上面には、前記使用者の頭部を載置可能な枕部が設けられており、前記スピーカは、前記背もたれ部の前記枕部と対応する位置に設けられたことをその要旨とする。
【0012】
この発明では、背もたれ部の上面には、使用者の頭部を載置可能な枕部が設けられており、スピーカは、背もたれ部の枕部と対応する位置に設けられる。このように、使用者の頭部が位置する枕部に対応してスピーカを配置することで、使用者にスピーカからの音楽を効果的に伝えることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のリラックス装置において、前記枕部は、前記背もたれ部側である後面部位が前記凹み部に倣った凸部を有し、その反対側の前面部位が平坦になるよう構成されたことをその要旨とする。
【0014】
この発明では、枕部は、背もたれ部側である後面部位が凹み部に倣った凸部を有し、その反対側の前面部位が平坦になるよう構成される。このような構成とすることで、枕部の幅方向中央位置の厚みが厚く幅方向外側の厚みが薄くなるように枕部が構成されるため、背もたれ部において幅方向外側に配置されるスピーカからの音を良好に伝えるとともに、枕部の幅方向略中央位置に柔軟なクッション材(スポンジ状部材)を配することで枕部の幅方向中央位置のクッション性を良好とすることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載のリラックス装置において、前記枕部は、スポンジ状部材を内包し、前記スピーカの音出力方向に対応した部位の前記スポンジ状部材の密度が前記枕部のその他の部位よりも低くなるように構成されたことをその要旨とする。
【0016】
この発明では、枕部は、スポンジ状部材を内包し、スピーカの音出力方向に対応した部位のスポンジ状部材の密度が枕部のその他の部位よりも低くなるように構成される。このような構成とすることで、枕部としてのクッション性を良好に維持しつつ、スピーカからの音をより効果的に伝えることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリラックス装置において、前記背もたれ部は、背もたれ部本体の表皮材における前記スピーカの音出力方向に対応した部位に貫通孔が形成されたことをその要旨とする。
【0018】
この発明では、背もたれ部には、背もたれ部本体の表皮材にスピーカの音出力方向に対応した部位に貫通孔が形成される。このような構成とすることで、スピーカからの音を表皮材にて阻害することを抑えることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のリラックス装置において、前記身体支持手段は、振動を発生させる振動発生部を備え、前記制御手段は、前記スピーカから出力される音、及び前記振動発生部から発生される振動の少なくとも一方を前記揺動動作に合わせるよう制御したことをその要旨とする。
【0020】
この発明では、身体支持手段には、振動を発生させる振動発生部が備えられる。そして、制御手段は、スピーカから出力される音、及び振動発生部から発生される振動の少なくとも一方を揺動動作に合わせるように各部が制御される。このように、振動や音楽を揺動動作に合わせた動作とすることで、連動感が増し使用者に対してより効果的なリラックス効果を付与することができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のリラックス装置において、前記使用者による操作が可能であるとともにその操作に基づいて前記制御手段に指示を与えるための操作スイッチと、該操作スイッチを点灯可能な点灯部とを備えた操作部が設けられ、前記制御手段は、前記操作部が操作可能状態であるときに前記点灯部を所定時間点灯状態とさせるとともに、前記所定時間経過後には前記点灯部を非点灯状態とさせて前記操作部を待機状態とし、更に前記所定時間経過後において前記操作部に触れられることで前記非点灯状態から点灯状態へと移行して前記操作部を操作可能状態となるように制御したことをその要旨とする。
【0022】
この発明では、使用者による操作が可能であるとともにその操作に基づいて制御手段に指示を与えるための操作スイッチと、この操作スイッチを点灯可能な点灯部とを備えた操作部が設けられる。また、制御手段により、操作部が操作可能状態であるときに点灯部が所定時間点灯状態となるように制御される。また制御手段により、その所定時間経過後には点灯部が非点灯状態となるように制御されて操作部が待機状態とされる。更に制御手段により、所定時間経過後において操作部に触れられることで非点灯状態から点灯状態へと移行するように点灯部が制御されるとともに操作部が操作可能状態となるように制御される。つまり、待機状態である操作部を操作する際には一度操作部を触れた後に可能に構成したことで、揺動動作中に使用者の身体と操作部とが不意に触れてもそれによる揺動動作の設定変更がなされないようになる。このため、揺動動作中における誤操作を防止することが可能となり、誤操作による設定変更がなされ難くなることで装置としての安全性を向上させることが可能となる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のリラックス装置において、前記使用者による操作が可能であるとともにその操作に基づいて前記制御手段に指示を与えるための操作スイッチと、該操作スイッチを点灯可能な点灯部とを備えた操作部が設けられ、前記制御手段は、前記操作部が操作可能状態であるときに前記点灯部を所定時間点灯状態とさせるとともに、前記所定時間経過後には前記操作部を待機状態として前記点灯部を非点灯状態と点灯状態とで繰り返し切り替えて点滅させるように制御したことをその要旨とする。
【0024】
この発明では、使用者による操作が可能であるとともにその操作に基づいて制御手段に指示を与えるための操作スイッチと、この操作スイッチを点灯可能な点灯部とを備えた操作部が設けられる。また、制御手段により、操作部が操作可能状態であるときに点灯部が所定時間点灯状態とされるとともに、所定時間経過後には操作部を待機状態として点灯部が非点灯状態と点灯状態とで繰り返し切り替えられて点滅されるように制御する。つまり、操作部に点灯部を設けて、操作部が待機状態である場合には点灯部を点滅させるように構成することで、点灯部にて操作部が待機状態であることを容易に知ることができる。
【0025】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のリラックス装置において、前記制御手段は、揺動動作開始時における揺動動作の速度を揺動動作中において最も遅くなるように前記揺動駆動手段を制御したことをその要旨とする。
【0026】
この発明では、制御手段により、揺動動作開始時における揺動動作の速度を揺動動作中において最も遅くなるように揺動駆動手段が制御される。つまり、揺動動作に慣れていない動作開始時において揺動速度を遅くすることで、所謂乗り物酔い等の発生を抑えて使用者に効果的なリラックス効果を付与することができる。
【0027】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のリラックス装置において、前記制御手段は、揺動動作開始時から少なくとも30秒までの期間において揺動動作の速度を0.3Hz以下となるように前記揺動駆動手段を制御したことをその要旨とする。
【0028】
この発明では、制御手段により、揺動動作開始時から少なくとも30秒までの期間において揺動動作の速度を0.3Hz以下となるように揺動駆動手段が制御される。このように揺動動作に慣れていない動作開始時において揺動速度を遅くすることで、所謂乗り物酔い等の発生を抑えて使用者に効果的なリラックス効果を付与することができる。
【0029】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載のリラックス装置において、前記使用者による操作が可能であるとともに、その操作に基づいて前記制御手段に指示を与える操作部が設けられ、該操作部は前記揺動動作の動作速度及び振幅の少なくとも一方を変更可能な揺動動作調整スイッチを備え、前記制御手段には前記揺動動作中における所定時間において動作変更が規定された1つ以上の揺動動作コースが設けられ、前記制御手段は前記揺動動作調整スイッチが操作されて動作速度及び振幅の少なくとも一方が変更された前記揺動動作コース中においても前記所定時間において動作変更がなされるように前記揺動駆動手段を制御したことをその要旨とする。
【0030】
この発明では、使用者による操作が可能であるとともに、その操作に基づいて制御手段に指示を与える操作部が設けられる。そして、この操作部には、揺動動作の動作速度及び振幅の少なくとも一方を変更可能な揺動動作調整スイッチが備えられる。また、制御手段には揺動動作中における所定時間において動作変更が規定された1つ以上の揺動動作コースが設けられる。そして、制御手段は揺動動作調整スイッチが操作されて動作速度及び振幅の少なくとも一方が変更された揺動動作コース中においても所定時間において動作変更がなされるように揺動駆動手段を制御する。つまり、このように、揺動動作の動作速度が例えば標準速度から変更されても、所定時間において確実に動作変更が可能に構成されることで、コースの時間管理が容易となる。また、コースの時間管理を行うことで、制御手段による音楽等切り替えのタイミングを容易とすることができ、揺動動作と音楽との連動性が増してより効果的なリラックス効果を付与することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、スピーカから出力される音をより効果的に使用者に聞こえさせ、より好適なリラックス効果を付与することができるリラックス装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施形態におけるリラックス装置の概略構成図。
【図2】(a)はリラックス装置の斜視図であり、(b)は背もたれ部の断面図。
【図3】背もたれ部の表皮材とスピーカとの関係について説明するための説明図。
【図4】揺動動作コースについて説明するためのタイミングチャート。
【図5】(a)(b)(c)は、スポンジ状部材の材質について説明するための説明図。
【図6】操作部について説明するための説明図。
【図7】リラックス装置の電気的構成を説明するためのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のリラックス装置の概略構成図を示す。図1に示すように、リラックス装置10は、その基台11の底部11aが図示しない床面に載置されるとともに、基台11に設けられた揺動駆動手段としての揺動駆動装置12と該揺動駆動装置12により揺動される身体支持手段としての身体支持部材13とを備えている。
【0034】
揺動駆動装置12は、モータ20と、減速機21と、クランク機構22と、リンク部材23とから構成されている。
モータ20は、基台11の底部11a上面に設けられるとともに、前記底部11a上面に設けられる制御手段としての制御部24によりその駆動が制御されている。減速機21は、基台11の底部11a上面に設けられるとともに、前記モータ20と駆動連結され、モータ20の駆動力を減速出力するものである。また、モータ20には、エンコーダ等の位置センサ(図示略)が設けられており、その位置センサはその回転数及び回転位置を検出するようになっている。
【0035】
クランク機構22は、クランク部材22aとロッド部材22bとから構成されるとともに、減速機21の回転駆動を半径の極めて大きな円弧運動に変換するものである。クランク部材22aは、その基端が減速機21の出力軸と一体回転可能に接続されるとともに、その先端がロッド部材22bの基端と回転可能に接続されている。ロッド部材22bの先端は、身体支持部材13が固定される四角枠状のベース部25の下部と接続されている。
【0036】
前記基台11には、その底部11aから上方向に突設される支持枠11bが備えられており、2つのリンク部材23はそれらの基端が各支持枠11b上部に所定間隔を有して回転可能に連結されるとともに、各先端がベース部25の下部と回転可能に連結されている。つまり、この2本のリンク部材23は、基端を中心として回動するようになっており、クランク機構22からの駆動力を基に、ベース部25に固定される身体支持部材13をロッキングチェア等のように前後方向に揺動させている。
【0037】
ベース部25の上部には、椅子型の身体支持部材13を構成する座部30がベース部25と一体移動可能に固定されており、この身体支持部材13は、座部30の後部に背もたれ部31が、座部30の前部にオットマン32がそれぞれ一体的な構成をなしている。
【0038】
図2(a)(b)に示すように、身体支持部材13を構成する座部30、背もたれ部31及びオットマン32には、幅方向外側よりも幅方向内側(中央側)が凹形状となる凹み部40が形成されている。この凹み部40は、幅方向外側から幅方向内側にかけて次第に低く滑らかな曲面形状で形成されるとともに、背もたれ部31からオットマン32の全体に亘って凹み部40が形成されている。
【0039】
また、身体支持部材を構成する各部30〜32を構成する本体30a〜32a(座部本体30a、背もたれ部本体31a、オットマン本体32a)は、各樹脂フレーム30b〜32bが表皮材30c〜32cにて覆われて構成されている。
【0040】
また、図1及び図2(a)に示すように、身体支持部材13構成する座部30及び背もたれ部31には、各本体30a,31aの幅方向略中央位置に振動発生部としての振動トランスデューサ33がそれぞれ1つずつ(計2つ)設けられている。このため、本実施形態のリラックス装置10では振動を発生することが可能に構成されている。
【0041】
また、背もたれ部31の背もたれ部本体31aには、その上部側の左右両側に計2つのスピーカ34が身体支持部材13(背もたれ部31)の幅方向中心側に傾向するように設けられている。そのため、スピーカ34から発生される音は身体支持部材13の幅方向外側から中心側に向かって発生されるようになっている。
【0042】
また、図3に示すように表皮材31cの表面は、前記スピーカ34の音出力方向に対応して、つまり上面視においてスピーカ34と重なる様に貫通孔35が形成されており、スピーカ34からの音を阻害することが抑制されている。
【0043】
また、各表皮材30c〜32cの表面には、これら全体を覆うクッション部36が設けられている。このクッション部36は、その内部に例えばウレタン等のスポンジ状部材37が内包されて構成されており、使用者の身体に与える当たり感を低減させている。また、図2(b)に示すように、クッション部36は、背もたれ部31に設けられたスピーカ34の音出力方向(図にて一点鎖線にて図示)に対応した位置、つまり上面視においてスピーカ34と重なる位置のスポンジ状部材37の内で密度が低い低密度部材37aが配され、他部には低密度部材37aよりも密度の高い高密度部材37bが配されて構成されている。
【0044】
また、クッション部36のスポンジ状部材37は所謂連続気泡体構造となるように構成されている。ここで、連続気泡体構造について説明すると、図5(a)(b)に示すように、部材内に複数の気泡を有し、これらの気泡同士が繋がった状態で構成されている。一方この連続気泡体構造に対して図5(c)に示す独立気泡体構造は、部材内に複数の気泡を有し、これらの気泡同士が独立した、つまり繋がっていない状態に構成されている。そのため、独立気泡体構造のスポンジ状部材と比較すると、連続気泡体構造のスポンジ状部材を使用することで、スピーカ34からの音(各図、矢印付きの実線にて図示)を効率よく部材内部を通過させることができる。特に、図5(b)の連続気泡体構造のスポンジ状部材と比較して、図5(a)の様にスポンジ状部材の気泡数が少ない(つまり密度の低い)連続気泡体構造を採用することでその効果を大きくすることができる。
【0045】
また、背もたれ部31には、その上部側(座部30とは反対側)の上面にウレタン等のスポンジ状部材38を内包した枕部39が設けられており、この枕部39にて使用者の頭部を誘導するようになっている。また、この枕部39は、背もたれ部31の幅より若干小さく、且つ前記スピーカ34の上面を覆う様に配置されている。
【0046】
また、枕部39は、身体支持部材13(背もたれ部31)の凹み部40に沿ってその後面39a側が凸状となる凸部39bを備え、前面39c側が平坦形状となるように形成されている。また、枕部39は、背もたれ部31に設けられたスピーカ34の音出力方向に対応した位置、つまりスピーカ34の音出力方向と重なる位置のスポンジ状部材38の内で密度が低い低密度部材38aが配され、他部には低密度部材38aよりも密度の高い高密度部材38bが配されて構成されている。このため、枕部39を配置しても図2(a)(b)に示すスピーカ34からの音を良好に通過させることができる。
【0047】
また、図1及び図2(a)に示すように、身体支持部材13の背もたれ部31の側面には図示しない操作部ホルダにより着脱可能に支持される操作部41が設けられている。
操作部41には、図6に示すように、コース選択スイッチ50、スイング調整スイッチ51、リクライニング角度調整スイッチ52、音量調整スイッチ53、振動調整スイッチ54、エアバッグ調整スイッチ55及び始動スイッチ56等を備えて構成される操作スイッチとしての各種スイッチ50〜56と、各種スイッチ50〜56を点灯状態及び非点灯状態に切り替え可能な点灯部58とを備えている。
【0048】
コース選択スイッチ50は、記憶部45に予め揺動動作の周波数及び振幅が設定された図示しないコーステーブルによって決定される複数のコース(本実施形態では、コースA、コースB、コースC及びコースDの計4コース)の内から選択できるように複数のスイッチ50a,50b,50c,50dで構成されており、各スイッチ50a〜50dの選択によって、図7に示すように複数の揺動パターン(コース)が設定されたコース選択部60から所定の制御信号が制御部24に出力されるようになっている。
【0049】
スイング調整スイッチ51は、図7に示すように身体支持部材13の揺動動作の速度(周波数)を調整する速度調整部61と、揺動動作の振幅を調整する振幅調整部62と電気的に接続されており、スイング調整スイッチ51が使用者により操作されることで身体支持部材13の揺動動作の速度(周波数)及び振幅が複数段階で変化されるようになっている。
【0050】
リクライニング角度調整スイッチ52は、使用者により操作されることで、図7に示すようにリクライニング調整の制御信号がリクライニング調整部63を介して制御部24に出力されるようになっており、その信号を受けた制御部24はリクライニング駆動部13aを適宜制御して、身体支持部材13のリクライニング角度を調整するようになっている。
【0051】
音量調整スイッチ53は、スピーカ34の音量を調整するためのものであり、本実施形態では5段階の音量調整が可能となっている。また、振動調整スイッチ54は、図1及び図2に示す振動トランスデューサ33の振動度を調整するためのものであり、本実施形態では5段階の振動調整が可能となっている。また、エアバッグ調整スイッチ55は、図示しないエアバッグの膨張量などを変更させるためのものであり、本実施形態では、5段階の膨張量の調整が可能となっている。
【0052】
また、始動スイッチ56は、リラックス装置10を始動可能状態と始動不能状態とに切り替えるためのものであり、始動スイッチ56が操作されて始動可能状態とすることで、制御部24による各部の制御が可能な状態となる。
【0053】
点灯部58は、操作部41のケースの透過室内に例えばLED素子が内蔵されて構成されており、各スイッチ50〜56の内部と、各スイッチ51,53,54,55によって現時点での動作状態を示すべく設けられたレベル報知部51a,53a,54a,55aとに設けられている。尚、揺動動作等の調整を行う各スイッチ51〜55の点灯部58は、その状態が最大若しくは最小である場合に、該当の点灯部58が非点灯状態となるように構成されている。また、点灯部58は、制御部24により、操作部41が操作可能状態であるときに所定時間(例えば約5秒)点灯状態となるように制御される。また、点灯部58は制御部24により、その所定時間(約5秒)経過後には非点灯状態となるように制御されて操作部41が待機状態とされる。更に制御部24により、所定時間経過後において操作部41に触れられることで非点灯状態から点灯状態へと移行するように点灯部58が制御されるとともに操作部41が操作可能状態となるように制御されている。
【0054】
次に、上記の様に構成されたリラックス装置10の動作について図1〜図5を用いて説明する。
本実施形態のリラックス装置10では、上記操作部41のコース選択スイッチ50によって揺動動作の周波数の異なる複数の(本実施形態では4つの)コースが設定されており、コース選択スイッチ50の操作によって、制御部24は、揺動駆動装置12を駆動して身体支持部材13のリラックス揺動を実施するコース単独、若しくはそのリラックス揺動とスピーカ34から発せられる音楽とを連動するコース等、各種のコースが設定されている。その中で、リフレッシュ機能を有するリラックス揺動コースがある。この作動モードでは、先ず使用者に対してリラックス効果を付与する「リラックス揺動」と、その「リラックス揺動」から使用者に対してリフレッシュ効果を付与する「リフレッシュ揺動」へと切り替わって作動モードが終了するようになっている。
【0055】
また、本実施形態では、「リラックス揺動」及び「リフレッシュ揺動」が実施される[コースA]について図4を中心に説明する。尚、以下に説明する[コースA]は、揺動の動作速度が標準値に設定された状態、つまり操作部41のスイング調整スイッチ51が操作されていない(押されていない)状態でのコース例である。
【0056】
[コースA]
先ず、制御部24は、操作部41からコースAの選択がなされたことを示す信号が入力されると、使用者を覚醒状態からリラックス状態に導くように、身体支持部材13の揺動動作の揺動速度(周波数)を例えば0.1Hzから開始し、所定時間T1(例えば30秒)までの間で0.3Hz以下となるようにモータ20を制御する。尚、揺動動作開始時において、制御部24は、必ず身体支持部材13を前方へ動作させるようにモータ20を制御する。そして、制御部24は、所定時間T1経過後において、揺動速度を一度0.4Hz程度まで挙げた後に所定時間T2(揺動開始から3分)までの間で0.2Hzとなるように段階的に揺動速度を遅くなるようにモータ20を制御してリラックス揺動を行う。この時、制御部24は、記憶部45に記憶された内部音楽情報の内で、所定時間T2まで所定の音楽情報Iをスピーカ34から出力させるようになっている。この時、制御部24は内部音楽情報の音に合わせて振動トランスデューサ33を振動させる。
【0057】
そして、所定時間T2経過後、所定時間T3まで、制御部24は、前記の最終動作、つまり身体支持部材13をコースAの周波数の下限値である周波数0.2Hzとなるようにモータ20を制御し、使用者を更にリラックス状態から催眠状態となるように揺動を続ける。また、所定時間T2,T3間では、制御部24は、前述の音楽情報Iよりもテンポの緩やかな音楽情報Jをスピーカ34から出力させるようになっている。つまり、制御部24により揺動動作に合わせた音楽情報が選択されてスピーカ34から出力されるようになっている。この時、制御部24は内部音楽情報の音に合わせて振動トランスデューサ33を振動させる。
【0058】
所定時間T3経過後、制御部24は、使用者を睡眠状態(リラックス状態)から覚醒状態へと導くように、揺動動作の周波数を0.2Hzから0.4Hz以上(例えば0.6Hz)となるように段階的に変化させるべくモータ20を制御してリフレッシュ揺動を行う。この時、制御部24は、前記音楽情報Jよりもテンポが速く、前記音楽情報Iよりも音程が高めの音楽情報Kをスピーカ34から出力させるようになっている。この時、制御部24は内部音楽情報の音に合わせて振動トランスデューサ33を振動させる。
【0059】
上述したように、本実施形態のリラックス装置10では、制御部24により、各揺動コースに合わせて記憶部45に記憶された内部音楽情報が選択され、発生手段としてのスピーカ34を介して音楽が発生されるように構成されているため、コースに応じた音(音楽)及び振動を使用者に提供することができる。そのため、例えば従来の揺動動作によるリラックス効果に加え、その揺動動作に同調した音(音楽)及び振動によって使用者により効果的なリラックス効果を付与することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態のリラックス装置10では、いずれのコースA〜Dにおいても使用者による操作部41の操作にて揺動動作の動作速度(周波数)や振幅が標準値から変更された場合でも、予め設定された時間において確実に次の動作に切り替わって移行するように制御部24にて揺動駆動装置12が適宜制御されている。[コースA]に関する切り替え動作について以下に説明する。
【0061】
[切り替え動作]
例えば、通常の動作速度である場合にコースAでは予め設定されたコーステーブルの1ステップから順に実行されるようになっている。そして、例えば1回のステップにおいて前方若しくは後方のいずれか一方の動作がなされ、奇数ステップでは前方への揺動動作、偶数ステップでは後方への揺動動作がなされるように制御部24にて揺動駆動装置12が制御されている。
【0062】
また、揺動動作が標準速度、つまり使用者によってスイング調整スイッチ51が揺動動作開始前において一度も押されていない場合において、本実施形態のリラックス装置10では、51ステップ目で3分(所定時間時間T1)が経過する設定とされている。このような設定においては、例えば51ステップ目(3分経過時)において、前述したように揺動の動作速度を0.35Hzから0.2Hzに変更しなければならない。
【0063】
ここで、例えば操作部41によって揺動動作の周波数(速度)を通常速度よりも速い方に変更した状態(スイング調整スイッチ51が少なくとも一度以上押された状態)で揺動動作を開始すると、3分未満で51ステップ目が終了してしまう。しかしながら、本実施形態のリラックス装置10では、制御部24により図示しないタイマを利用して揺動開始時からの時間計測を行いつつ、50ステップ目終了時において3分に達していない場合には、49ステップと50ステップとを3分に達するまで繰り返すように揺動駆動装置12(モータ20)が制御される。
【0064】
また、例えば操作部41によって揺動動作の周波数(速度)を通常速度よりも遅い方に変更した状態(スイング調整スイッチ51が少なくとも一度以上押された状態)で揺動動作を開始すると、3分を超えても51ステップ目が終了しないこととなる。しかしながら、本実施形態のリラックス装置では、制御部24により前記タイマを利用して揺動開始時からの時間計測を行いつつ、3分を超えたら途中のステップをスキップし、強制的に51ステップへと移行するように揺動駆動装置12(モータ20)が制御される。尚、スキップする際には、制御部24により偶数ステップから51ステップに移行するようになっている。これは、51ステップが奇数ステップ、つまり前方への揺動動作であるために、後方への揺動動作から移行する必要があるからである。
【0065】
上述した制御を行うことで、比較的違和感なく途中のステップをスキップさせて51ステップへと好適に移行することができる。このような[切り替え動作]がなされることで、コースの時間管理を容易とすることができる。また、コースの時間管理がなされることで、容易に音楽との連動性を増すことができ、より効果的なリラックス効果を付与することができる。
【0066】
また、本実施形態では、各コースA〜Dにおいて、制御部24によりスピーカ34から音楽を出力する際に、使用者の頭部が位置しやすい背もたれ部31の幅方向中心側にスピーカ34が傾向するよう配置されるため、スピーカ34からの音を良好に伝えることでできる。背もたれ部31は背もたれ部本体31a(表皮材31c)の上面側にスポンジ状部材37を内包したクッション部36を設けて構成され、このクッション部36は、スピーカ34の音出力方向に対応した部位のスポンジ状部材37(低密度部材37a)の密度がその他の部位(高密度部材37b)よりも低くなるように構成される。つまり、クッション部36に内包されたスポンジ状部材37の密度をスピーカ34の音出力方向に対応した部位においてその他の部位よりも低くすることで、スピーカ34からの音楽(音)がクッション部36を良好に通過することができるため、音楽をより効果的に使用者に聞こえさせることができる。
【0067】
また背もたれ部31の上面には、使用者の頭部を載置可能な枕部39が設けられており、スピーカ34は、背もたれ部31の枕部39と対応する位置に設けられる。このように、使用者の頭部が位置する枕部39に対応してスピーカ34を配置することで、使用者にスピーカ34からの音楽を効果的に伝えることができる。また枕部39は、背もたれ部31側である後面39a部位が凹み部40に倣った凸部39bを有し、その反対側の前面39c部位が平坦になるよう構成される。このような構成とすることで、枕部39の幅方向中央位置の厚みが厚く幅方向外側の厚みが薄くなるように枕部39が構成されるため、背もたれ部31において幅方向外側に配置されるスピーカ34からの音を良好に伝えるとともに、枕部39の幅方向中央位置のクッション性を良好とすることができる。
【0068】
枕部39は、スポンジ状部材38を内包し、スピーカ34の音出力方向に対応した部位のスポンジ状部材38(低密度部材38a)の密度が枕部39のその他の部位(高密度微罪38b)よりも低くなるように構成される。このような構成とすることで、枕部39としてのクッション性を良好に維持しつつ、スピーカ34からの音をより効果的に伝えることができる。背もたれ部31を構成する背もたれ部本体31aは、樹脂フレーム31bを表皮材31cにて覆うように構成されるものであり、表皮材31cには、スピーカ34の音出力方向に対応した部位に貫通孔35が形成される。このような構成とすることで、スピーカ34からの音を表皮材31cにて阻害することを抑えることができる。
【0069】
また、制御部24は、揺動動作開始する際(例えばコースA開始時)には、その最初の揺動方向が前方への動作となるように揺動駆動装置12を制御している。このような構成とすることで、背もたれ部31にて比較的安定して支持された使用者に違和感を与えることを抑え、効果的なリラックス効果を付与することができる。
【0070】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)身体支持手段としての身体支持部材13はその幅方向外側より内側が凹形状をなす凹み部40が形成され、背もたれ部31には、制御部24からの音信号を出力するとともに幅方向中心側に傾向されたスピーカ34が設けられる。このように、凹み部40を有した身体支持部材13においてスピーカ34を幅方向中心側に傾向するように配置することで、身体支持部材13の幅方向略中心位置において支持される使用者に対し、傾向配置されたスピーカ34からの音を良好に伝えることができる。これにより、使用者に対して音楽をより効果的に聞こえさせることができるため、より好適なリラックス効果を付与することができる。
【0071】
(2)背もたれ部31は、背もたれ部本体31aの上面側にスポンジ状部材37を内包したクッション部36を設けて構成される。そしてクッション部36は、スピーカ34の音出力方向に対応した部位のスポンジ状部材37(低密度部材37a)の密度がその他の部位(高密度部材37b)よりも低くなるように構成される。つまり、クッション部36に内包されたスポンジ状部材37の密度をスピーカの音出力方向に対応した部位(低密度部材37a)においてその他の部位(高密度部材37b)よりも低くすることで、スピーカ34からの音楽(音)がクッション部36を良好に通過することができるため、音楽をより効果的に使用者に聞こえさせることができる。
【0072】
(3)背もたれ部31(クッション部材36)の上面には、使用者の頭部を載置可能な枕部39が設けられており、スピーカ34は、背もたれ部31の枕部39と対応する位置に設けられる。このように、使用者の頭部が位置する枕部39に対応してスピーカ34を配置することで、使用者にスピーカ34からの音楽を効果的に伝えることができる。
【0073】
(4)枕部39は、背もたれ部31側である後面39a部位が凹み部40に倣った凸部39bを有し、その反対側の前面39c部位が平坦になるよう構成される。このような構成とすることで、枕部39の幅方向中央位置の厚みが厚く幅方向外側の厚みが薄くなるように枕部39が構成されるため、背もたれ部31において幅方向外側に配置されるスピーカ34からの音を良好に伝えるとともに、スポンジ状部材38(高密度部材38b)を有する枕部39の幅方向中央位置のクッション性を良好とすることができる。
【0074】
(5)枕部39は、スポンジ状部材38を内包し、スピーカ34の音出力方向に対応した部位のスポンジ状部材38(低密度部材38a)の密度が枕部39のその他の部位(低密度部材38b)よりも低くなるように構成される。このような構成とすることで、枕部39としてのクッション性を良好に維持しつつ、スピーカ34からの音をより効果的に伝えることができる。
【0075】
(6)背もたれ部31には、背もたれ部本体31aの表皮材31cにスピーカ34の音出力方向に対応した部位に貫通孔35が形成される。このような構成とすることで、スピーカ34からの音を表皮材31cにて阻害することを抑えることができる。
【0076】
(7)身体支持部材13を構成する座部30及び背もたれ部31には、振動を発生させる振動発生部としての振動トランスデューサ33が備えられる。そして、制御部24は、スピーカ34から出力される音、及び振動トランスデューサ33から発生される振動両方を揺動動作に合わせるようにスピーカ34及び振動トランスデューサ33が制御される。このように、振動や音楽を揺動動作に合わせた動作とすることで、連動感が増し使用者に対してより効果的なリラックス効果を付与することができる。
【0077】
(8)使用者による操作が可能であるとともにその操作に基づいて制御部24に指示を与えるための操作スイッチと、この操作スイッチの操作状態を示す点灯部とを備えた操作部が設けられる。そして、制御部24により、操作部41が操作可能状態であるときに点灯部58が所定時間点灯状態となるように制御される。また制御部24により、その所定時間経過後には点灯部58が非点灯状態となるように制御されて操作部41が待機状態とされる。更に制御部24により、所定時間経過後において操作部41に触れられることで非点灯状態から点灯状態へと移行するように点灯部58が制御されるとともに操作部41が操作可能状態となるように制御される。つまり、待機状態である操作部41を操作する際には一度操作部41を触れた後に可能に構成したことで、揺動動作中に使用者の身体と操作部41とが不意に触れてもそれによる揺動動作の設定変更がなされないようになる。このため、揺動動作中における誤操作を防止することが可能となり、誤操作による設定変更がなされ難くなることで装置としての安全性を向上させることが可能となる。
【0078】
(9)制御部24により、揺動動作開始時における揺動動作の速度を揺動動作中において最も遅く(0.1Hz)なるように揺動駆動装置12が制御される。つまり、揺動動作に慣れていない動作開始時において揺動速度を遅くすることで、所謂乗り物酔い等の発生を抑えて使用者に効果的なリラックス効果を付与することができる。
【0079】
(10)制御部24により、揺動動作開始時から少なくとも30秒までの期間において揺動動作の速度を0.3Hz以下となるように揺動駆動装置12が制御される。このように揺動動作に慣れていない動作開始時において揺動速度を遅くすることで、所謂乗り物酔い等の発生を抑えて使用者に効果的なリラックス効果を付与することができる。
【0080】
(11)使用者による操作が可能であるとともに、その操作に基づいて制御部24に指示を与える操作部41が設けられる。そして、この操作部41には、揺動動作の動作速度及び振幅の少なくとも一方を変更可能な揺動動作調整スイッチとしてのスイング調整スイッチ51が備えられる。また、制御部24には揺動動作中における所定時間において動作変更が規定された1つ以上の揺動動作コースが設けられる。そして、制御部24はスイング調整スイッチ51が操作されて動作速度が変更された揺動動作コース(コースA)中においても所定時間において動作変更がなされるように揺動駆動装置12を制御する。つまり、このように、揺動動作の動作速度が例えば標準速度から変更されても、所定時間において確実に動作変更が可能に構成されることで、コースの時間管理が容易となる。また、コースの時間管理を行うことで、制御部24による音楽等切り替えのタイミングを容易とすることができ、揺動動作と音楽との連動性が増してより効果的なリラックス効果を付与することができる。
【0081】
(12)制御部24は、揺動動作開始する際には、その最初の揺動方向が前方への動作となるように揺動駆動装置12を制御している。このような構成とすることで、背もたれ部31にて比較的安定して支持された使用者に違和感を与えることを抑え、効果的なリラックス効果を付与することができる。
【0082】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、枕部39及びクッション部36のスポンジ状部材37,38のスピーカ34の音出力方向と対応した部位(低密度部材37a,38a)の密度と他部(高密度部材37b,38b)の密度を異なるようにしたが、これに限らない。例えば現在のスピーカ34の音出力方向と対応した部位(低密度部材)の密度をスポンジ状部材37の,38全体に亘って同一とした構成や、前記他部(高密度部材37b,38b)の密度をスポンジ状部材37,38の全体に亘って同一とした構成を採用してもよい。例えば、前者の構成の場合、スピーカ34からの音を上記実施形態と同程度に使用者に提供することができる。
【0083】
・上記実施形態では、各コースA〜Dにおける揺動動作開始時における動作速度をコース中の揺動動作の内で最も低くなるように構成したが、これに限らない。
・上記実施形態では、コースA,Bにおいて揺動動作開始時から30秒までは動作速度を0.3Hz以下となるように構成したが、これに限らず、その他の速度(周波数)であってもよい。
【0084】
また、0.3Hz以下となる期間を揺動動作開始時から30秒までというように固定をせずに、各コースのコース時間の違いによって変更した構成を採用してもよい。また、使用者によって任意に設定可能な構成を採用してもよい。このような構成とすることで、使用者個々の個人差に対応することができる。
【0085】
・上記実施形態では、スピーカ34を背もたれ部31の上部側(背もたれ部31において座部30とは反対側)に配置したが、背もたれ部31の下部側に配置した構成を採用してもよい。
【0086】
・上記実施形態では、枕部39にてスピーカ34を覆うような構成としたが、枕部39にてスピーカ34を覆わない程度に構成してもよい。
・上記実施形態では、枕部39の後面39a側を身体支持部材13(背もたれ部31)の凹み部40に倣った凸状となるように凸部39bを形成したが、これに限らず、凹状や平坦形状等、その他の形状であってもよい。
【0087】
・上記実施形態では、枕部39の前面39c側を平坦形状としたが、これに限らず、凹状や凸状等、その他の形状であってもよい。
・上記実施形態では、枕部39を設けたが省略した構成を採用してもよい。
【0088】
・上記実施形態では、制御部24を操作する操作部41を設ける構成としたが、操作部41を省略した構成を採用してもよい。
・上記実施形態では、操作部41に点灯状態と非点灯状態とを切り替え可能な点灯部58を設け、制御部24により所定時間(上記実施形態では5秒)経過後である操作部41の待機状態において、非点灯状態となるように点灯部を制御したが、これに限らない。例えば、制御部24により、所定時間経過後には操作部41を待機状態として点灯部58が非点灯状態と点灯状態とで繰り返し切り替えられて点滅されるように制御する。このような構成とすることで点灯部58にて操作部41が待機状態であることを容易に知ることができる。
【0089】
・上記実施形態では、制御部24から振動発生部としての振動トランスデューサ33に音信号を出力し、スピーカ34から発生させる音楽と合わせた振動を発生させることで間接的に揺動動作に合わせた振動を発生するように構成したが、これに限らない。
【0090】
・上記実施形態では、振動トランスデューサ33にて振動発生部を構成したが、これに限らない。例えば、モータ軸に重心を偏らせる重りを取り付けて回転させることで振動を発生させる、所謂バイブレータにて振動発生部を構成してもよい。また、振動発生部を省略した構成を採用してもよい。
【0091】
・上記実施形態では、背もたれ部31の表皮材31cに貫通孔35を設ける構成を採用したが、これに限らず、貫通孔35を省略した構成を採用してもよい。
・上記実施形態では、予め記憶部45に記憶された音楽情報を用いてスピーカ34から音楽を出力させる構成としたが、例えば外部入力端子を操作部41等に設けて、外部音源を利用する構成を採用してもよい。
【0092】
・上記実施形態では、制御部24により図示しないコーステーブルのステップ順に順次制御を行い、揺動動作速度の変更に伴ってステップを繰り返したり、ステップをスキップさせることで所定時間となったら次の動作に切り替わるように構成したが、これに限らない。また、上記所定時間について操作部41に時間調整スイッチ59を設け、この時間調整スイッチ59にて調整可能に構成してもよい。このような構成とすることで使用者の好みの時間によって揺動動作を実現することができる。
【0093】
・上記実施形態では、オットマン32及び背もたれ部31を傾動可能に構成したが、これら各部31,32の少なくとも一方を傾動不能にした構成を採用してもよい。
・上記実施形態では、オットマン32を設けて身体支持手段としての身体支持部材13を構成したが、オットマン32を省略した構成を採用してもよい。
【0094】
・上記実施形態では、身体支持部材13を前後方向に揺動させる構成としたが、これに限らず、例えば身体支持部材13を左右方向に揺動させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0095】
10…リラックス装置、12…揺動駆動手段としての揺動駆動装置、13…身体支持手段としての新他支持部、24…制御部、30…座部、31…背もたれ部、31a…背もたれ部本体、31c…表皮材、33…振動発生部としての振動トランスデューサ、34…スピーカ、35…貫通孔、36…クッション部、37,38…スポンジ状部材、39…枕部、39b…凸部、40…凹み部、41…操作部、50〜56…操作スイッチとしてのスイッチ、58…点灯部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の身体を支持する座部及び該座部の後部に設けられる背もたれ部を有する身体支持手段と、該身体支持手段を少なくとも一方向に揺動動作させる揺動駆動手段と、該揺動駆動手段を制御してリラックス揺動を行う制御手段とを備えたリラックス装置であって、
前記身体支持手段はその幅方向外側より内側が凹形状をなす凹み部が形成され、
前記身体支持手段を構成する前記背もたれ部には、前記制御手段からの音信号を出力するとともに幅方向中心側に傾向されたスピーカが設けられたことを特徴とするリラックス装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリラックス装置において、
前記背もたれ部は、背もたれ部本体の上面側にスポンジ状部材を内包したクッション部を設けて構成されるものであり、
前記クッション部は、前記スピーカの音出力方向に対応した部位の前記スポンジ状部材の密度がその他の部位よりも低くなるように構成されたことを特徴とするリラックス装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のリラックス装置において、
前記背もたれ部の上面には、前記使用者の頭部を載置可能な枕部が設けられており、
前記スピーカは、前記背もたれ部の前記枕部と対応する位置に設けられたことを特徴とするリラックス装置。
【請求項4】
請求項3に記載のリラックス装置において、
前記枕部は、前記背もたれ部側である後面部位が前記凹み部に倣った凸部を有し、その反対側の前面部位が平坦になるよう構成されたことを特徴とするリラックス装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のリラックス装置において、
前記枕部は、スポンジ状部材を内包し、前記スピーカの音出力方向に対応した部位の前記スポンジ状部材の密度が前記枕部のその他の部位よりも低くなるように構成されたことを特徴とするリラックス装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のリラックス装置において、
前記背もたれ部は、背もたれ部本体の表皮材における前記スピーカの音出力方向に対応した部位に貫通孔が形成されたことを特徴とするリラックス装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のリラックス装置において、
前記身体支持手段は、振動を発生させる振動発生部を備え、
前記制御手段は、前記スピーカから出力される音、及び前記振動発生部から発生される振動の少なくとも一方を前記揺動動作に合わせるよう制御したことを特徴とするリラックス装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のリラックス装置において、
前記使用者による操作が可能であるとともにその操作に基づいて前記制御手段に指示を与えるための操作スイッチと、該操作スイッチを点灯可能な点灯部とを備えた操作部が設けられ、
前記制御手段は、前記操作部が操作可能状態であるときに前記点灯部を所定時間点灯状態とさせるとともに、前記所定時間経過後には前記点灯部を非点灯状態とさせて前記操作部を待機状態とし、更に前記所定時間経過後において前記操作部に触れられることで前記非点灯状態から点灯状態へと移行して前記操作部を操作可能状態となるように制御したことを特徴とするリラックス装置。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のリラックス装置において、
前記使用者による操作が可能であるとともにその操作に基づいて前記制御手段に指示を与えるための操作スイッチと、該操作スイッチを点灯可能な点灯部とを備えた操作部が設けられ、
前記制御手段は、前記操作部が操作可能状態であるときに前記点灯部を所定時間点灯状態とさせるとともに、前記所定時間経過後には前記操作部を待機状態として前記点灯部を非点灯状態と点灯状態とで繰り返し切り替えて点滅させるように制御したことを特徴とするリラックス装置。
【請求項10】
請求項1〜19のいずれか一項に記載のリラックス装置において、
前記制御手段は、揺動動作開始時における揺動動作の速度を揺動動作中において最も遅くなるように前記揺動駆動手段を制御したことを特徴とするリラックス装置。
【請求項11】
請求項10に記載のリラックス装置において、
前記制御手段は、揺動動作開始時から少なくとも30秒までの期間において揺動動作の速度を0.3Hz以下となるように前記揺動駆動手段を制御したことを特徴とするリラックス装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のリラックス装置において、
前記使用者による操作が可能であるとともに、その操作に基づいて前記制御手段に指示を与える操作部が設けられ、該操作部は前記揺動動作の動作速度及び振幅の少なくとも一方を変更可能な揺動動作調整スイッチを備え、
前記制御手段には前記揺動動作中における所定時間において動作変更が規定された1つ以上の揺動動作コースが設けられ、前記制御手段は前記揺動動作調整スイッチが操作されて動作速度及び振幅の少なくとも一方が変更された前記揺動動作コース中においても前記所定時間において動作変更がなされるように前記揺動駆動手段を制御したことを特徴とするリラックス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−246834(P2010−246834A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102028(P2009−102028)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】