説明

リワーク装置

【課題】リワーク対象の実装部品の熱による破損を防止できるリワーク装置を提供できる。
【解決手段】基板2に半田付けされた実装部品10の半田接合部を加熱して半田を溶融させることによって、基板2から実装部品10を取り外すためのリワーク装置1であって、レーザ光源6A〜6Dから出射されたレーザ光を半田接合部に照射するレーザ光照射部5A〜5Dと、レーザ光照射部5A〜5Dを制御する制御部と、を備え、レーザ光照射部5A〜5Dは、レーザ光を整形する光学系を有しており、制御部は、基板2に対する実装部品10の種類及び位置に関する情報に基づき、光学系を変更することによって、レーザ光の照射領域を半田接合部に対応させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に半田付けされた実装部品を基板から取り外すためのリワーク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のリワーク装置として、基板から取り外されるリワーク対象の部品を加熱するためのハロゲンランプと、ハロゲンランプを囲むように配置されると共に、ハロゲンランプの光を集光する略パラボラ形状の凹面鏡と、凹面鏡によって集光された光をリワーク対象の部品に照射する略円柱形状のノズル部と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−260053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述したような従来のリワーク装置にあっては、ハロゲンランプにより基板に半田付けされた部品全体に光を照射して加熱することで、部品の半田接合部を加熱して半田を溶融させている。しかしながら、このリワーク装置のように、リワーク対象の部品全体を加熱すると、熱によって部品が破損するおそれがあるため、最悪の場合取り外した後の部品の再利用ができなくなるという問題がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、リワーク対象の実装部品の熱による破損を防止できるリワーク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、基板に半田付けされた実装部品の半田接合部を加熱して半田を溶融させることによって、基板から実装部品を取り外すためのリワーク装置であって、半田接合部を加熱するためのレーザ光を出射するレーザ光源と、レーザ光源から出射されたレーザ光を半田接合部に照射するレーザ光照射部と、レーザ光照射部を制御する制御部と、を備え、レーザ光照射部は、レーザ光を整形する光学系を有しており、制御部は、基板に対する実装部品の種類及び位置に関する情報に基づき、光学系を変更することによって、レーザ光の照射領域を半田接合部に対応させることを特徴とする。
【0006】
このリワーク装置によれば、リワーク対象である実装部品の半田接合部を加熱する光としてレーザ光を用いているので、レーザ光を整形してその照射領域を半田接合部に限定することが容易となる。その結果、実装部品の半田接合部を加熱して半田を溶融させるに際し、実装部品の本体をほとんど加熱することなく、半田を溶融させることが可能となるので、熱による実装部品の破損を防止することができる。そして、光学系の変更によりレーザ光の照射領域を半田接合部に対応可能な構成とすることで、抵抗器やコンデンサ、ICチップ等の様々な形状の部品に対して適用することが容易となり、リワーク装置の汎用性の向上を図ることができる。更に、基板に対する実装部品の種類及び位置に関する情報に基づいて、制御部が光学系の変更などを制御することによって、リワーク作業の迅速化を図ることができる。
【0007】
また、本発明に係るリワーク装置においては、基板から取り外し可能となった部品の周囲の空気を吸引することで、部品を回収する吸引手段を更に備えることが好ましい。この吸引手段を備えることにより、高温状態の半田接続部を有するリワーク対象の実装部品に接触することなく、実装部品を回収することが可能になる。
【0008】
また、本発明に係るリワーク装置においては、吸引手段は、実装部品の周囲の気密性を保持するように実装部品を囲む気密性保持部材を有しており、気密性保持部材は、レーザ光を透過させることが好ましい。このような気密保持部材を有することにより、吸引手段は、レーザ光の照射を妨げることなく、実装部品を確実に回収することが可能になる。
【0009】
また、本発明に係るリワーク装置においては、実装部品を撮像する撮像手段を更に備え、制御部は、撮像手段によって撮像された実装部品の画像データに基づき、半田接合部に対するレーザ光の照射領域の位置を調整することが好ましい。撮像手段によって撮像された実装部品の画像データを利用することで、半田接合部に対してレーザ光の照射領域の位置をより精度良く合わせることが可能になる。その結果、リワーク対象の実装部品の熱による破損がより確実に防止できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リワーク対象の実装部品の熱による破損が防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係るリワーク装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明に係るリワーク装置の一実施形態の平面図であり、図2は、図1のリワーク装置の縦断面図である。図3は、図1のリワーク装置の構成を示すブロック図である。図4は、図1のICチップの平面図である。図1〜図4に示されるように、リワーク装置1は、基板2に半田付けされたIC(integrated Circuit)チップ(実装部品)10の半田接合部10b(すなわちリード10aの先端部)を加熱して半田を溶融させることで、基板2からICチップ10を取り外すためのものである。
【0013】
リワーク装置1は、基板2が配置されるXYステージ3と、XYステージ3が収容される直方体形状の収容体4と、収容体4内に設けられると共に基板2を囲むように四方に配置されたレーザ光照射部5A〜5Dと、レーザ光照射部5A〜5Dにレーザ光をそれぞれ供給するレーザ光源6A〜6Dとを備えている。更に、リワーク装置1は、収容体4の天井に設けられたCCD(Charge Coupled Devices)カメラ(撮像手段)7と、半田が溶融されたICチップ10の周囲の空気を吸引することでICチップ10を回収するバキューム装置(吸引手段)30と、リワーク装置1の動作を制御するための制御装置(制御部)40とを備えている。
【0014】
XYステージ3は、駆動部としてステッピングモータが組み込まれたいわゆる精密XYステージである。XYステージ3の上面には、基板2が配置されており、ステッピングモータの駆動によってX軸方向,Y軸方向における基板2の位置を調整する。
【0015】
レーザ光源6Aは、半田接合部10bの半田を溶融させるレーザ光を出射するものであり、例えばYAGレーザなどの固体レーザが用いられる。レーザ光源6Aは、レーザケーブル8Aを介してレーザ光照射部5Aに接続されている。レーザ光源6Aの出射するレーザ光は、光ファイバからなるレーザケーブル8Aを通じてレーザ光照射部5Aに供給される。なお、レーザ光源6B〜6Dは、レーザ光源6Aと同様の構成を有している。
【0016】
レーザ光照射部5Aは、レーザ光源6Aから供給されたレーザ光をICチップ10の半田接合部10bに向けて照射するものである。レーザ光照射部5Aは、収容体4内で斜めに設けられた支持梁4aに固定されたゴニオステージ15Aと、ゴニオステージ15A上に設けられた略円筒形状のレーザヘッド支持部16Aと、レーザヘッド支持部16Aの先端に設けられた略円筒形状の第1のレーザヘッド17Aとを有している。
【0017】
ゴニオステージ15Aは、直交する2軸の交点を中心として各軸回りの傾きを調節可能な2軸ゴニオステージである。ゴニオステージ15Aは、第1のレーザヘッド17Aによるレーザ光の照射方向を調節するために利用される。
【0018】
図5は、図1の第1のレーザヘッドの構成図である。図2,5に示されるように、レーザヘッド支持部16Aの内部には、レーザ光源6Aに接続されたレーザケーブル8Aの先端部19Aが配置されている。また、第1のレーザヘッド17Aは、レーザ光を整形する第1の光学系18Aを有している。レーザケーブル8Aの先端部19Aから出射されたレーザ光L1は、第1の光学系18Aによって整形され、第1のレーザヘッド17Aの開口部から照射される。
【0019】
第1の光学系18Aは、レーザケーブル8Aの先端部19Aから出射されたレーザ光L1の光量分布を均一化させるアポタイザレンズ21と、レーザ光L1の照射領域を長円形状に整形するシリンドリカルレンズ22とから構成されている。この第1の光学系18Aでは、アポタイザレンズ21及びシリンドリカルレンズ22によってレーザ光L1を整形することで、基板2上に光量分布が均一かつ長円形状の照射領域P1を形成する(図4参照)。また、第1の光学系18Aは、レーザ光L1の進行方向においてシリンドリカルレンズ22が移動可能に構成されている。シリンドリカルレンズ22は、例えばモータによってレーザ光L1の進行方向に移動する。これにより、第1の光学系18Aでは、シリンドリカルレンズ22の位置を調整することによって照射領域P1の大きさを調整することができる。
【0020】
また、レーザヘッド支持部16Aは、第1の光学系18Aと異なる構成の第2の光学系26Aを有する第2のレーザヘッド25Aを有している。レーザヘッド支持部16Aは、第1の光学系18Aを有する第1のレーザヘッド17Aと、第2の光学系26Aを有する第2のレーザヘッド25Aとを切り替え可能に構成されている。このようなレーザヘッドの切替え構成としては、例えばレーザヘッド支持部16Aの先端側において、第1のレーザヘッド17Aと第2のレーザヘッド25Aとが並設された回転盤を設け、この回転盤の回転によりレーザヘッドが切り替わる構成がある。
【0021】
図6は、図1の基板に半田付けされた抵抗器の平面図であり、図7は、第2のレーザヘッドの構成図である。図7に示されるように、第2のレーザヘッド25Aの第2の光学系26Aは、レーザケーブル8Aの端部19から出射されたレーザ光L1を集束させる集光レンズ27を有している。この第2の光学系26Aでは、球面レンズである集光レンズ27によってレーザ光L1を整形することで、基板2上に楕円形状の照射領域P2を形成する(図6参照)。また、第2の光学系26Aは、レーザ光L1の進行方向において集光レンズ27が移動可能に構成されており、例えばモータによって集光レンズ27を移動させることで照射領域P2の大きさを調整する。
【0022】
図1,3に示されるように、CCDカメラ7は、収容体4の天井に設けられ、上方から基板2に実装されたICチップ10を撮像する。制御装置40は、XYステージ3、レーザ光照射部5A〜5D、レーザ光源6A〜6D、CCDカメラ7、バキューム装置30と電気的に接続されており、リワーク装置1の動作を制御するものである。制御装置40は、基板2のガーバーデータ(基板2に置けるICチップ10を含む全部品の種類及び位置に関するデータ)やCCDカメラ7によって撮像されたICチップ10の画像データなどに基づいて、XYステージ3、レーザ光照射部5A〜5D、レーザ光源6A〜6D、及びバキューム装置30の動作を制御する。
【0023】
バキューム装置30は、レーザ光によって半田が溶融されたICチップ10の周囲の空気を吸引することで、ICチップ10を回収するものである。バキューム装置30は、基板2上でICチップ10を囲むケース(気密保持部材)31と、一端がケース31内に接続された吸引管32と、吸引管32の他端に接続され、吸引されたICチップ10を受けるためのフィルタ部33と、ダクト34を通じてフィルタ部33に接続された負圧発生部35とを有している。
【0024】
ケース31は、レーザ光を透過させるガラス製の部材である。ケース31は、ICチップ10の周囲の気密性を保持するようにICチップ10を囲んでいる。バキューム装置30では、負圧発生部35が発生させた負圧によりケース31内の空気を吸引し、レーザ光によって半田が溶融されたICチップ10を吸引管32に吸い込み、フィルタ部33によってICチップ10を受け止めることで、ICチップ10が回収される。
【0025】
リワーク装置1では、このようなバキューム装置30を備えることにより、高温状態の半田接合部10bを有するリワーク対象のICチップ10に接触することなく、ICチップ10を回収することが可能になるので、リワーク作業の安全性の向上が図られる。また、バキューム装置30は、レーザ光を透過させると共にICチップ10の周囲の気密性を保持するようにICチップ10を囲むケース31を備えることによって、レーザ光の照射を妨げることなく、ICチップ10を確実な回収を実現している。
【0026】
以上の構成を有するリワーク装置1における制御装置40の動作について図面を参照して説明する。図8は、図3の制御装置の動作を示すフローチャートである。以下の説明では、基板2に半田付けされたICチップ10及び抵抗器(実装部品)12がリワークの対象部品である場合について示す。
【0027】
図8に示されるように、制御装置40は、基板2のガーバーデータを読み込むことで、基板2上の全部品の種類及び位置を認識する(S1)。その後、リワーク対象としてICチップ10及び抵抗器12が指定される。なお、ここで、制御装置40は、CCDカメラ7を用いて基板2に対するICチップ10及び抵抗器12の位置を認識するようにしてもよい。これにより、制御装置40は、ガーバーデータのみに基づいてICチップ10及び抵抗器12の位置を認識する場合と比べて、ICチップ10及び抵抗器12の位置をより正確に認識することができる。
【0028】
次に、制御装置40は、最初のリワーク対象としてICチップ10を選択する。そして、ガーバーデータよりICチップ10が4つのライン状の半田接合部10bを有することを認識する(図4参照)。制御装置40は、4本のレーザ光を同時に照射するために4つのレーザ光源6A〜6Dを作動させると共に、レーザ光照射部5A〜5Dのレーザヘッドとして、ICチップ10のライン状の半田接合部10bに対応した第1の光学系18A〜18Dを有する第1のレーザヘッド17A〜17Dを選択する(S2)。
【0029】
その後、XYステージ3によって、ICチップ10がレーザ光照射部5A〜5Dの中心に位置するように基板2が移動される(S3)。その後、ケース31がICチップ10を囲むように被せられ、ICチップ10の周囲の気密性を保持する。ここで、レーザ光照射部5A〜5Dから弱い出力でレーザ光を照射させ、基板2上に4つの照射領域P1を形成する。そして、この状態で、CCDカメラ7によってICチップ10及び4つの照射領域P1を撮像する。制御装置40は、この画像データに基づいて、XYステージ3による基板2の位置調整やゴニオステージ15A〜15Dによる第1のレーザヘッド17A〜17Dの照射方向の調整を行うことで、ICチップ10の半田接合部10bに対して照射領域P1を合わせる(図4参照)。
【0030】
続いて、レーザ光源6A〜6Dから出射したレーザ光をレーザ光照射部5A〜5Dから照射させ、ICチップ10の半田接合部10bを加熱して半田を溶融させる(S4)。その後、CCDカメラ7によってICチップ10を撮像する(S5)。制御装置40は、CCDカメラ7によって撮像されたICチップ10の画像データに基づいて、ICチップ10が回収可能であるか否か(半田接合部10bの半田が十分に溶融しているか否か)を判断する(S6)。ICチップ10が回収可能であると判断した場合、ステップS7に進む。ICチップ10が回収可能ではないと判断した場合には、ステップS4に戻り、もう一度レーザ光の照射を行う。
【0031】
ステップS7では、バキューム装置30により回収可能となったICチップ10の周囲の空気を吸引して、ICチップ10の回収を行う。その後、制御装置40は、他にリワーク対象の部品があるか否かを判断する(S8)。制御装置40は、次のリワーク対象として抵抗器12を選択し、ステップS2へ戻る。
【0032】
ステップS2では、ガーバーデータより抵抗器12が2つの点状の半田接合部12bを有することを認識する(図6参照)。制御装置40は、2本のレーザ光を同時に照射するために2つのレーザ光源6A,6Cを作動させると共に、レーザ光照射部5A,5Cのレーザヘッドを、第2のレーザヘッド25A,25Cに切り替える。そして、第2のレーザヘッド25A,25Cの有する第2の光学系26A,26Cにより、レーザ光源6A,6Cから出射されたレーザ光の照射領域P2が抵抗器12の点状の半田接合部12b(すなわち抵抗器12のリード12aの先端近傍)の形状にほぼ一致するように整形される。
【0033】
その後、ステップS3において、抵抗器12の半田接合部12bに対して照射領域P2を合わせる(図6参照)。そして、ステップS4において、レーザ光照射部5A,5Cからレーザ光を照射して、半田接合部12bの半田を溶融させる。その後、ステップS7において、抵抗器12を回収する。そして、ステップS8において、制御装置40が他にリワーク対象の部品がないと判断して、リワーク作業を終了する。
【0034】
以上説明したように、リワーク装置1によれば、リワーク対象であるICチップ10の半田接合部10bを加熱する光としてレーザ光を用いているので、レーザ光を整形してその照射領域P1を半田接合部10bに限定することが容易となる。その結果、ICチップ10の半田接合部10bを加熱して半田を溶融させるに際し、ICチップ10の本体をほとんど加熱することなく、半田を溶融させることが可能となるので、熱によるICチップ10の破損を防止することができる。
【0035】
また、リワーク装置1は、第1の光学系18Aと第2の光学系26Aとを変更することにより、レーザ光の照射領域が長円形状や楕円形状をなすようにレーザ光を整形して、ICチップ10におけるライン状の半田接合部10bや抵抗器12における点状の半田接合部12bにレーザ光の照射領域を対応可能な構成を有している。これにより、様々な形状の部品をリワーク対象とすることが容易となり、リワーク装置1の汎用性の向上を図ることができる。更に、基板2に対するICチップ10の種類及び位置に関する情報に基づいて、制御装置40がリワーク装置1の動作を制御することによって、リワーク作業の迅速化を図ることができる。
【0036】
更に、リワーク装置1は、制御装置40がCCDカメラ7によって撮像されたICチップ10の画像データに基づき、半田接合部10bに対するレーザ光の照射領域P1をより精度よく調整することができるので、リワーク対象のICチップ10の熱による破損がより確実に防止できる。
【0037】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0038】
例えば、光学系は、上述した第1及び第2の光学系に限られず、リワーク対象の実装部品の形状に応じて様々な構成のものが用いられ、変更可能な光学系の数は2つに限られない。
【0039】
また、レーザ光照射部の数は、1つであっても、2つ以上であってもよく、レーザ光源の数は、レーザ光照射部の数と同数に限られず、例えばレーザ光源から出射されたレーザ光を複数本のレーザー光に分割する分割用光学系を用いることで、レーザ光源の数を少なくしてもよい。
【0040】
また、バキューム装置30は、ケース31などの気密保持部材を利用するものに限られず、例えば吸引管32に屈曲自在な蛇腹部を設けて移動可能に構成し、吸引管32の吸引口をICチップ10に被せることで、ICチップ10を吸引する態様であってもよい。この場合、レーザ光の照射により半田が溶融した後、レーザ光の照射を止めてから吸引管32を基板2上に移動させ、その吸引口をICチップ10に被せることで、レーザ光の照射を妨げることなくICチップ10を回収できる。
【0041】
また、第1の光学系18A〜18Dは、アポタイザレンズ42とシリンドリカルレンズ43とから構成されるものに限られず、レーザ光源41の仕様やシール層23の大きさ等に応じて様々な構成が採用される。
【0042】
また、レーザヘッドの切り替えは、制御装置40ではなく、手作業によって行われてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係るリワーク装置の一実施形態の平面図である。
【図2】図1のリワーク装置の縦断面図である。
【図3】図1のリワーク装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図1のICチップの平面図である。
【図5】第1の光学形を有する図1のレーザヘッドの構成図である。
【図6】図1の基板に半田付けされた抵抗器の平面図である。
【図7】第2の光学系を有するレーザヘッドの構成図である。
【図8】図3の制御装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
1…リワーク装置、2…基板、3…XYステージ、4…収容体、5A〜5D…レーザ光照射部、6A〜6D…レーザ光源、7…CCDカメラ(撮像手段)、10…ICチップ(実装部品)、10b…半田接合部、12…抵抗器(実装部品)、12b…半田接合部、16A〜16D…レーザヘッド支持部、17A〜17D…第1のレーザヘッド、18A〜18D…第1の光学系、25A〜25D…第2のレーザヘッド、26A〜26D…第2の光学系、30…バキューム装置(吸引手段)、31…ケース(気密保持部材)、40…制御装置(制御部)L1…レーザ光、P1,P2…照射領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に半田付けされた実装部品の半田接合部を加熱して半田を溶融させることによって、前記基板から前記実装部品を取り外すためのリワーク装置であって、
前記半田接合部を加熱するためのレーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射された前記レーザ光を前記半田接合部に照射するレーザ光照射部と、
前記レーザ光照射部を制御する制御部と、
を備え、
前記レーザ光照射部は、前記レーザ光を整形する光学系を有しており、
前記制御部は、前記基板に対する前記実装部品の種類及び位置に関する情報に基づき、前記光学系を変更することによって、前記レーザ光の照射領域を前記半田接合部に対応させることを特徴とするリワーク装置。
【請求項2】
前記基板から取り外し可能となった前記実装部品の周囲の空気を吸引することで、前記実装部品を回収する吸引手段を更に備えていることを特徴とする請求項1記載のリワーク装置。
【請求項3】
前記吸引手段は、前記実装部品の周囲の気密性を保持するように前記実装部品を囲む気密性保持部材を有しており、
前記気密性保持部材は、前記レーザ光を透過させることを特徴とする請求項2記載のリワーク装置。
【請求項4】
前記実装部品を撮像する撮像手段を更に備え、
前記制御部は、前記撮像手段によって撮像された前記実装部品の画像データに基づき、前記半田接合部に対する前記レーザ光の前記照射領域の位置を調整することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載のリワーク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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