説明

リング監視装置及びネットワークシステム

【課題】
リングネットワークにおいて、多重障害が発生している状態からの一部の障害が復旧した場合に、その一部復旧を検知し、その復旧した経路を用いた通信を可能にすること。
【解決手段】
リングネットワークのリング監視装置において、リング構成装置からのリンク復旧通知フレームの受信によりリンク障害の復旧を検知した場合に、自身が送信するヘルスチェックフレームの受信を監視することで、リング障害の有無を確認してから、リング状態の復旧動作を行う。まだリンク障害が残っている場合、リング監視装置はリンク復旧通知フレームに搭載されていたリンク復旧を検知したリング構成装置に対してリングポートの状態をユーザフレーム送受信可の状態にすることを指示するためのフラッシュ要求フレームをリング構成装置に送信する。当該フレームを受信したリング構成装置は学習したMACアドレスをクリアし、リングポートの状態を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リングネットワークにおいて、通信経路の冗長を提供する装置にかかわり、特に高速な経路の切り替えを実現し、かつリングネットワークの複数箇所で障害が発生し、それらの一部が復旧した場合でもできるだけ通信可能な経路を確保する装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク構築の際、通信経路の冗長化を目的に、複数の装置をリング構成に接続する場合がある。リング構成のネットワークは、メッシュ構成のネットワークよりも伝送路等の必要量が少なくて済むという特徴がある。一方、リング状となっていることから、ブロードキャストフレームが流入されるとネットワーク内で転送され続け、ブロードキャストストームによるネットワーク上のトラヒック負荷の増加、あるいは学習の不安定等によるCPU負荷の増加が発生し、通信に悪影響を与える。このループを防ぐ為に、リング構成となっているネットワークにおいて、論理的にループ構成を遮断するさまざまな手法が考案されている。
【0003】
第一の従来技術として、非特許文献1に記述されたスパニングツリープロトコルがある。スパニングツリープロトコルでは、ループ構成を遮断するために、ネットワークを構成する装置間でBPDUと呼ばれる制御フレームを定期的に交換する。BPDUには、プロトコルの動作を決定する複数のプロトコル情報が搭載され、これを受信した各装置はこの情報をもとにループを構成するポートにおける論理状態をブロッキング状態とし、ツリー構成となるネットワークを構築することで、論理的にループを遮断する。
【0004】
また、第二の従来技術としては、リングトポロジのネットワーク(リングネットワーク)において、ある装置をそのリングネットワークを監視する装置(リング監視装置)として、リングの状態を監視する。リング監視装置が有する2つのリングネットワーク構成ポート(リングポート)のそれぞれからリング状態を監視する制御フレーム(ヘルスチェックフレーム)を周期的に送信して、送信したリングポートとそれぞれの逆側のリングポートにて、このヘルスチェックフレームを受信しているか否かで、リングネットワークの状態(リング状態)の正常、または異常を決定する。
【0005】
リングネットワークの状態が変化したとき、リング監視装置における片方のリングポートについて、ユーザフレームの送受信する状態を変更し、ユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアすることで、通信経路を切り替える。具体的には、リング状態が正常である場合には、リング監視装置における片方のリングポートについてユーザフレームを送受信しない状態とし、リング状態が異常である場合には、リング監視装置における両方のリングポートについてユーザフレームを送受信する状態にすることにより、ループを遮断する方法である。
【0006】
【非特許文献1】IEEE802.1D
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した従来技術のうち、第一の従来技術については、複数箇所の障害から一部の障害が復旧した場合に、その変化を認識し、トポロジーを組み直すことが可能である。しかし、複雑なネットワーク構成についても対象としているため、装置間で交換されるBPDUに搭載されている複数の情報を元にツリー構成を決定する必要があり、プロトコル動作は複雑となっている。その結果、シンプルなリングネットワークの構成であったとしても、ネットワーク内における障害や復旧による構成の変更やネットワークへの装置の増設等において、通信が安定するまでに数十秒要する場合があり、その間、通信が停止するなどの問題がある。
【0008】
また、第二の従来技術のリングネットワークのみを対象としたプロトコルにおいては、リング監視装置から送信するヘルスチェックフレームの受信可否により、リング状態の異常からの復旧を判断するため、リングネットワークで複数箇所のリンク障害が発生した状態(多重障害)から一部のリンクが復旧しても、ヘルスチェックフレームを受信することができない。リング監視装置は、全ての障害が復旧するまで、復旧を検出することができない。その結果、たとえ多重障害のうち、一部の障害が復旧したとしても、そのリンクを経由した通信を行うことができないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明では、上記課題を解決し、高速な経路の切り替えを実現することおよび多重障害の一部復旧を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、複数のリング構成装置と接続しリングネットワークを構成するリング監視装置であって、前記リングネットワークと接続する第1のリングポートと第2のリングポートとを有し、第1のリング構成装置の第3のリングポート側で発生したリンク障害の復旧を示すリンク復旧通知フレームを受信すると、前記第1のリングポートと前記第2のリングポートから前記リングネットワークの状態を監視するためのヘルスチェックフレームを送信し、前記ヘルスチェックフレームの受信確認を行うことにより前記リングネットワークの状態が正常であるか異常であるかを確認し、前記リングネットワークの状態が異常である場合、前記リング監視装置に記憶され、且つ自身で学習したMACアドレス情報を削除し、前記第1のリングポートおよび前記第2のリングポートから、前記第1のリング構成装置に対して学習したMACアドレス情報を削除することと前記第3のリングポートをユーザフレーム送受信可の状態に変更することとを指示する情報を含むフラッシュ要求フレームを送信するリング監視装置を提供する。
【0011】
また更に、複数のリング構成装置がリングトポロジで接続されたリングネットワークの一部を構成するリング監視装置であって、前記リングネットワークと接続する第1のリングポートと第2のリングポートとを有し、第1のリング構成装置が送信したリンク障害の復旧を示すリンク復旧通知フレームを受信すると、前記第1のリングポートまたは前記第2のリングポートのうち一方をユーザフレーム送受信不可の状態に変更するとともに、自身で学習したMACアドレス情報を削除し、前記第1のリングポートおよび前記第2のリングポートから、前記複数のリング構成装置に対して学習したMACアドレス情報を削除することとリンク障害の復旧を検知したリングポートをユーザフレーム送受信可の状態に変更することとを指示する情報を含むフラッシュ要求フレームを送信するリング監視装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、リングネットワークにおいて障害が復旧した場合に高速な経路切り替えを実現でき、さらに多重障害が発生した場合に一部復旧を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本実施形態では、リングトポロジのネットワーク(以降、「リングネットワーク」という。)において、リングネットワークを構成する装置(以降、「リング構成装置」という。)の各々で隣接するリング構成装置間のリンク状態(正常:リンクアップ、もしくは、異常:リンクダウン)を監視する。また、リング構成装置のうち特定の装置をそのリングネットワークを監視する装置(以降、「リング監視装置」という。)とし、リング監視装置が各リング構成装置のリンク状態を監視した結果や自身がリングネットワークの状態(以降、「リング状態」という。)を監視するために送信する制御フレーム(以降、「ヘルスチェックフレーム」という。)を受信するか否かに基づいてリング状態の正常または異常を決定する。リング監視装置では、リング状態が正常である場合はリングネットワークを構成する2つのポート(以降、「リングポート」という。)のうち、一方をユーザフレーム送受信不可の状態とすることによりリングネットワーク上でループが発生するのを回避し、リング状態が異常である場合は両方のリングポートにおいてユーザフレーム送受信可の状態とすることで、リングネットワーク上で障害が発生した箇所以外の通信を確保する。
【0014】
リンク状態の監視で、隣接するリング構成装置とのリンク状態が異常であると判断したリング構成装置は、障害と判断したリングポートをユーザフレーム送受信不可の状態に変更し、両方のリングポートからリング監視装置にリンク障害を示すリンク状態変化通知(以降、「リンク障害通知フレーム」という。)を送信する。送信するリンク障害通知フレームには、障害を検出したリング構成装置の識別子(MACアドレスやネットワークでユニークに装置に割り当てられた番号など)、および検出したリングポートの識別子(ポート番号やポートに割り当てられたMACアドレスなど)を情報として搭載する。リング監視装置は、リンク障害通知フレームを受信すると、リング状態が異常と判断して、ユーザフレームの送受信を不可としていたリングポートの状態を送受信可能にする。リング監視装置は、リング監視装置以外の構成装置に対して、ユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアするように指示するフレーム(以降、「フラッシュ要求フレーム」という。)を両方のリングポートから送信する。そして、リング監視装置自体の学習したMACアドレス情報をクリアする。また、フラッシュ要求フレームを受信した場合、これを廃棄する。他のリング構成装置は、フラッシュ要求フレームを受信した側と逆のリングポートから、隣接するリング構成装置に転送する。そして、ユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアする。
【0015】
リンク状態の監視で、隣接するリング構成装置とのリンク状態が復旧したと判断したリング構成装置は、両方のリングポートからリング監視装置にリンク復旧を示すリンク状態変化通知(以降、「リンク復旧通知フレーム」という。)を送信する。送信するリンク復旧通知フレームには、復旧を検出したリング構成装置の識別子(MACアドレスやネットワークでユニークに装置に割り当てられた番号など)、および検出したリングポートの識別子(ポート番号やポートに割り当てられたMACアドレスなど)を情報として搭載する。なお、リンク障害通知フレームおよびリンク復旧通知フレームに搭載された情報は、リンク障害通知フレームおよびリンク復旧通知フレームを受信したリング監視装置において保守端末にメッセージ出力する。
【0016】
リングネットワークのリンクが障害状態から復旧するための方式は3通りの方式が考えられる。
【0017】
第一の復旧方式は、リング監視装置がリンク復旧通知フレームの受信を無視し、リング監視装置自身がリングポートからヘルスチェックフレームを周期的に送信し、送信したリングポートと逆側のリングポートで、このヘルスチェックフレームを受信しているか否かを確認し、ヘルスチェックフレームを受信できた場合にリング状態が復旧したと判断してリンクの状態を変更する方式である。
【0018】
第二の復旧方式は、リング監視装置がリンク復旧通知フレームを受信した場合にリングの復旧を即時実施する方式である。
【0019】
第三の復旧方式は、リング監視装置がリンク復旧通知フレームを受信した場合に、リングの状態を再確認した上で、リングの復旧を行う方式である。
【0020】
リング監視装置では、これらの復旧方式のうちいずれを採用してもよく、コマンドによりユーザが選択できるようにしてもよい。なお、第一の復旧方式は、リング監視装置がリンク復旧通知フレームの監視をしないため、リングネットワークで複数箇所のリンク障害が発生した状態(以降、「多重障害」という。)からリンク単位での通信復旧はできない。リンクの多重障害から一部のリンクを復旧し通信を可能にするには、第二、および第三の復旧方式が有効である。
【0021】
なお、リング監視装置は、リンク復旧通知フレームを受信すると、リンク復旧通知フレームに搭載されているリング構成装置の識別子、およびリングポートの識別子を記憶する。
【0022】
第二の復旧方式では、リングの状態として多重障害中に一部のリンクが復旧したとき、リンク復旧通知フレームを受信したリング監視装置は、ユーザフレームの送受信を可能としていた2つのリングポートのうち片方をユーザフレームの送受信不可能な状態にする。リング監視装置は、リング構成装置に対して、MACアドレスの学習情報のクリアに加え、リンク障害から復旧したリングポートがある場合にはユーザフレームの送受信が可能となるように指示する情報を搭載したフラッシュ要求フレームを両方のリングポートから送信し、リング監視装置自体の学習したMACアドレス情報をクリアする。また、リング監視装置が、このフラッシュ要求フレームを受信した場合、これを廃棄する。リング構成装置は、受信したフラッシュ要求フレームを送信された側と逆の隣接するリング構成装置に転送し、ユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアする。そして、リンク障害から復旧したリングポートがある場合には、ユーザフレームの送受信を可能な状態にする。
【0023】
ここで、リング構成装置の中で、まだ自装置のリングポートがリンク障害のままである場合には、リングポートはユーザフレームの送受信不可な状態のままとし、再度、リング監視装置に対して、リンク障害通知フレームを送信する。リング監視装置は、リンク障害通知フレームを受信すると、再度、リング状態が異常と判断する。そして、再度、リングの障害動作(ユーザフレーム送受信不可の状態としていたリングポートをユーザフレーム送受信可の状態に変更し、自身及び他のリング構成装置のMACアドレス情報をクリアする動作)を実施することで、リング状態が完全に復旧していなくても、リンク障害が復旧したリングポート(経路)を用いた通信の復旧が可能となる。
【0024】
前述の第二の復旧方式では、一旦、リング監視装置が復旧動作として、監視装置の1つのリングポートに対して、ユーザフレームの送受信不可状態とする為、監視装置を経由して通信を行っている場合、通信断となる。
【0025】
そこで、第三の復旧方式では、これを解決し、既存の通信に影響を与えずに、障害が復旧したリンクに限定する為に、リングの状態を再確認してからリング復旧動作をするという方式である。
【0026】
第三の復旧方式では、多重障害中に一部のリンクが復旧したとき、リンク復旧通知を受信したリング監視装置は、リング状態の復旧動作をする前に、自身のリングポートからヘルスチェックフレームを送信し、その受信を監視して、全てのリンク障害が復旧していることを確認してから、リング状態の復旧動作を行う。
【0027】
リング監視装置にて、一定時間内に、ヘルスチェックフレームの受信ができなかったとき、リンク障害箇所が残っているものと判断し、リング監視装置は特定のリング構成装置に対してのみMACアドレス学習情報のクリアとリンク障害から復旧したリングポートがある場合にはユーザフレームの送受信が可能となるように指示し、それ以外のリング構成装置に対してはMACアドレスの学習情報をクリアのみ実施するように指示する情報と、リンク復旧通知フレームの受信により記憶していたリング構成装置の識別子、および検出したリングポートの識別子を情報として搭載したフラッシュ要求フレームを送信する。フラッシュ要求フレームを受信したリング構成装置は、受信したリングポートとは異なるもう一方のリングポートへ転送する。また、同フレームに搭載されているリング構成装置の識別子が自装置かどうかを判断する。自装置でなかった場合は、ユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報のクリアのみを実施する。自装置であった場合には、ユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアすると共に、リングポートの識別子に該当するリングポートにおいて、ユーザフレームの受信が不可な状態から可の状態にする。この復旧方式によれば、多重障害中に一部のリンクが復旧した場合に、リング監視装置がリングポートの片方をユーザフレーム送受信不可の状態にはすることはなく、正常な通信に影響を与えず、復旧したリンクだけを通信可能な状態に変更することができる。
【0028】
また、リング監視装置にて、一定時間内に、ヘルスチェックフレームの受信ができたとき、リング監視装置は、リングネットワーク全体のリンク障害が完全に復旧したと判断して、リング状態の復旧動作を行う。
【0029】
リング監視装置は、リング状態の復旧動作として、自身の片方のリングポートをユーザフレーム送受信不可の状態に変更し、全リング構成装置に対して、MACアドレスの学習情報をクリアに加え、リンク障害から復旧したリングポートがある場合にはユーザフレームの送受信が可能となるように指示する情報を搭載したフラッシュ要求フレームを送信する。また、リング監視装置自身のユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアする。リング構成装置は、フラッシュ要求フレームを受信すると、受信したリングポートとは異なるもう一方のリングポートへ転送し、ユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアすると共に、リンク障害から復旧したリングポートがある場合には、ユーザフレームの受信が不可な状態から可の状態にする。
【0030】
以上の処理により、リングネットワークで、多重障害が発生しているリング状態から一部の構成装置間リンク状態が復旧した場合、リングネットワーク内で全部の障害が復旧しないときも、既存のユーザ通信に影響を与えず、復旧したリンク箇所から通信可能な状態に復旧できる。
【0031】
また、リンク状態変化通知フレーム(リンク障害通知フレームおよびリンク復旧通知フレーム)に、障害、あるいは復旧を検出したリング構成装置の識別子(MACアドレスやネットワークでユニークに装置に割り当てられた番号など)、および検出したリングポートの識別子(ポート番号やポートに割り当てられたMACアドレスなど)を情報として搭載し、その情報についてはリンク状態変化通知フレームを受信したリング監視装置において保守端末にメッセージ出力することで、リンク障害若しくは復旧箇所をユーザへ通知することができる。
【0032】
具体的に図面を参照しながら、リングネットワークでリンク状態に変化があった場合のリング監視装置およびリング構成装置の動作について説明する。
【0033】
図1に、正常時のリングネットワークの状態を示す。リングネットワークを構成する装置のうち、リング監視装置を101、リング構成装置を102、103、104とする。リング監視装置101はリングポート127,128を、リング構成装置102はリングポート121,122を、リング構成装置103はリングポート123,124を、リング構成装置104はリングポート125,126をそれぞれ有し、リングネットワークを構成している。また、各装置101−104は隣接装置間のリンク状態を監視している。リング監視装置101はリンク141,144を、リンク構成装置102はリンク141,142を、リンク構成装置103はリンク142,143を、リンク構成装置104はリンク143,144をそれぞれ監視する。さらに、リング監視装置101はリングポート127,128からヘルスチェックフレーム132,131を周期的に送信し、リングネットワークを巡回して他方のリングポートで受信するか否かを確認することでリング状態を監視している。
【0034】
図1においてはいずれのリンク141−144においてもリンク障害は発生しておらずリングネットワークが正常な状態である。このとき、リング構成装置102−104は全てのリングポートをユーザフレーム送受信可の状態としており、リング監視装置101では一方のリングポート127をユーザフレーム送受信不可の状態111としている。これにより正常な状態のリングネットワークにおけるループの遮断を行っている。なお、ユーザフレーム送受信可の状態とは、ユーザフレームも制御フレームも送受信することができる状態であり、ユーザフレーム送受信不可の状態とは、ユーザフレームを送受信することはできないが、制御フレームを送受信することはできる状態をいう。
【0035】
図2に、図1と同様の構成であるリングネットワークにおいてリンク障害が発生した場合を示す。
【0036】
リング構成装置102、および103の装置間で双方向の通信にリンク障害241が発生したとする。このとき、リンク障害241を検知したリング構成装置102は、リンク障害を検知したリンクポート222をユーザフレーム送受信不可の状態212に変更し、リング監視装置101へ向けて、リングポート221から、リンク障害通知フレーム231を送信し、リングポート222からもリンク障害通知フレーム232を送信する。また、同様に、リンク障害241を検知したリンク構成装置103は、リンク障害を検知したリンクポート223をユーザフレーム送受信不可の状態213に変更し、リング監視装置101へ向けて、リングポート223からリンク障害通知フレーム233を送信し、リングポート224からも障害通知フレーム234を送信する。
【0037】
また、リンク障害241が、リング構成装置102からリング構成装置103への片方向の通信に対する障害であった場合、リング構成装置103だけがリンク障害241の発生を検知できる。このとき、リング構成装置103だけがリンク障害を検知したリンクポート223をユーザフレーム送受信不可の状態213に変更し、リング監視装置101へ向けてリンク障害通知フレーム233、および234を送信する。
【0038】
リング構成装置104はリンク障害通知フレーム234を受信するとリンク障害通知フレーム235としてリング監視装置101へ転送する。
【0039】
リング監視装置101はリンク障害通知フレーム231または235を受信したとき、リングネットワークのリンクに障害が発生したものと判断する。リング監視装置101は、障害が発生したと判断すると、ユーザフレーム送受信不可の状態111としていたリングポート225をユーザフレーム送受信可の状態211に変更する。
【0040】
その後、リング監視装置101以外のリング構成装置102−104に対して、ユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアするように指示するための図示しないフラッシュ要求フレームを両方のリングポート225,226から送信する。そして、リング監視装置101自体の学習したMACアドレス情報をクリアする。他のリング構成装置102−104は、フラッシュ要求フレームを一方のリングポートで受信すると、他方のリングポートから隣接するリング構成装置に転送する。そして、ユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアする。これによりリンク障害241の発生箇所以外のネットワークを通信可能な状態とすることができる。
【0041】
次に、リンク障害241が復旧した場合について説明する。リンク障害241の復旧を検知したリング構成装置102は、リング監視装置101に向けて、リングポート221から、リンク復旧通知フレーム231を送信し、リングポート222からもリンク復旧通知フレーム232を送信する。また、同様に、リンク障害241の復旧を検知したリング構成装置103は、リング監視装置を101へ向けて、リングポート223からリンク復旧通知フレーム233を送信し、リングポート224からもリンク復旧通知フレーム234を送信する。
【0042】
また、障害241がリング構成装置102からリング構成装置103への片方向の通信に対する障害であった場合は、リンク構成装置103だけがリンクの障害復旧を検知できる。このとき、リング構成装置103だけがリング監視装置101へ向けてリンク復旧通知フレーム233、および234を送信する。
【0043】
リング構成装置104はリンク復旧通知フレーム234を受信するとリンク復旧通知フレーム235としてリング監視装置101へ転送する。
【0044】
リング監視装置101は、リンク復旧通知フレーム231または235を受信したとき、リングネットワークのリンクに障害復旧が発生したものと判断する。リング監視装置101は、障害復旧が発生したと判断すると、ユーザフレーム送受信可の状態211としていたリングポート225をユーザフレーム送受信不可の状態111に変更する。
【0045】
その後、リング監視装置101はリング構成装置102−104に対して、MACアドレスの学習情報のクリアに加え、リンク障害から復旧したリングポートがある場合にはユーザフレーム送受信可の状態に変更するように指示する情報を搭載した図示しないフラッシュ要求フレームを両方のリングポート225,226から送信する。そして、リング監視装置101は自身の学習したMACアドレス情報をクリアする。他のリング構成装置102−104は、フラッシュ要求フレームを一方のリングポートで受信すると、他方のリングポートから隣接するリング構成装置に転送する。そして、ユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアし、リンク構成装置102はリンク障害から復旧したリングポート222をユーザフレーム送受信可の状態112に変更し、リンク構成装置103はリンク障害から復旧したリングポート223をユーザフレーム送受信可の状態113に変更する。これによりリングネットワークが正常な状態(図1の状態)に復旧することができる。
【0046】
次に、リングネットワークで、多重障害状態からの一部リンク復旧に対応することができる方式である第二の復旧方式について説明する。
【0047】
図3は、図1のリングネットワークにおいて、多重障害が発生した状態を示す図である。リングネットワークにおいて、リンク障害341と342が発生している。リング構成装置302は、リンク障害341を検知してリングポート322をユーザフレーム送受信不可の状態312に変更しており、リング監視装置301に対してリンク障害通知フレームを送信している。リング構成装置303は、リンク障害341及び342を検知してリングポート323及び324をユーザフレーム送受信不可の状態313及び314に変更しており、リング監視装置301に対してリンク障害通知フレームを送信している。リング構成装置304は、リンク障害342を検知してリングポート325をユーザフレーム送受信不可の状態315に変更しており、リング監視装置301に対してリンク障害通知フレームを送信している。リング監視装置301はリンク障害通知フレームを受信してリングネットワークのリンクに障害が発生したと判断し、リングポート326をユーザフレーム送受信可の状態311に変更している。
【0048】
図4では、多重障害から一部のリンク障害が復旧した場合を示す。図3でリング構成装置302とリング構成装置303の間で発生していたリンク障害341が復旧した場合である。リング構成装置302は、リンク障害341の復旧441を検知すると、リング監視装置301へ向けて、リングポート321からリンク復旧通知フレーム431を送信し、リングポート322からはリンク復旧通知フレーム432を送信する。リング構成装置303はリンク復旧通知フレーム432を受信するとリンク復旧通知フレーム433として転送する。また、同様に、リング構成装置303は、リンク障害341の復旧441を検知すると、リング監視装置を301へ向けて、リングポート323からリンク復旧通知フレーム435を送信し、リングポート324からはリンク復旧通知フレーム434を送信する。リング構成装置302はリンク復旧通知フレーム435を受信するとリンク復旧通知フレーム436として転送する。
【0049】
リング監視装置301はリンク復旧通知フレーム431または436を受信したとき、リング状態が復旧したものと判断する。リング監視装置301は、リング状態が復旧したと判断すると、ユーザフレーム送受信可の状態311としていたリングポート326をユーザフレーム送受信不可の状態411に変更する。またリング監視装置301は、MACアドレスの学習情報のクリアに加え、リンク障害から復旧したリングポートがある場合にはユーザフレームの送受信が可能となるように指示する情報を搭載した図示しないフラッシュ要求フレームを両リングポート327、および326から送信する。そして、リング監視装置301は自身の学習したMACアドレス情報をクリアする。
【0050】
他のリング構成装置302−304は、フラッシュ要求フレームを一方のリングポートで受信すると、他方のリングポートから隣接するリング構成装置に転送する。そして、ユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアし、リンク構成装置302はリンク障害から復旧したリングポート322をユーザフレーム送受信可の状態412に変更し、リンク構成装置303はリンク障害から復旧したリングポート323をユーザフレーム送受信可の状態413に変更する。しかし、リンク障害342はまだ復旧していない状態であるため、図5にて説明する動作が行われる。
【0051】
図5では、多重障害のうち、まだ一部のリンク障害が残っていた場合の動作を示す。リング構成装置303は、図3で発生していたリンク障害342がまだ復旧していない場合には、リングポート324をユーザフレーム送受信不可の状態514のままとし、再度、リング監視装置301に対して、リンク障害通知フレーム532、533を送信する。また、リング構成装置304も同様に、図3で発生していたリンク障害342がまだ復旧していないため、リングポート325をユーザフレーム送受信不可の状態515のままとし、再度、リング監視装置301に対して、リンク障害通知フレーム534、535を送信する。なお、これらのリンク障害通知フレーム532−535は、図4においてリング監視装置から送信されるフラッシュ要求フレームを受信したことを契機に送信してもよいし、リンク障害342が復旧していない状態の場合は定期的に送信するようにしてもよい。リング構成装置302はリンク障害通知フレーム532を受信するとリンク障害通知フレーム531として転送する。
【0052】
リング監視装置301は、リンク障害通知フレーム531、または535を受信すると、再度、リング状態が異常であると判断する。そして、再度、リングの障害動作を実施することにより、ユーザフレーム送受信不可の状態411としていたリングポート326をユーザフレーム送受信可の状態511に変更し、他のリング構成装置302−304のMACアドレス情報をクリアするためのフラッシュ要求フレームを送信し、自身のMACアドレス情報をクリアする。
【0053】
以上の処理を行うことにより、多重障害が発生している場合も、復旧したリンクから順次通信を可能とすることができるようになり、この時、リング構成装置302とリング構成装置303の間の通信も可能である。
【0054】
次に、多重障害からの一部リンク復旧が可能であり、異常が発生していないリンクに通信断が起きないようにリンク障害の復旧を行うことができる第三の復旧方式について説明する。第三の復旧方式は、リング監視装置がリングの復旧動作をリング状態を確認した上で実施する方式である。この方式では、図4において多重障害からの一部リンク障害復旧時に送信されるリンク復旧通知フレーム431〜436に搭載された復旧を検出したリング構成装置302および303の識別子(MACアドレスやネットワークでユニークに装置に割り当てられた番号など)、および検出したリングポート322および323の識別子(ポート番号やポートに割り当てられたMACアドレスなど)の情報についてリンク復旧通知フレームを受信したリング監視装置301で記憶しておくことが必要となる。
【0055】
図6は、第三の復旧方式において、多重障害から図3で発生していた障害341が復旧したときの状態を示す図である。
【0056】
リング構成装置302及び303は、リンク障害341の復旧641を検知すると、リング監視装置301へ向けて、リングポート321,322及び323,324から図示しないリンク復旧通知フレームを送信する。なお、リンク障害342は復旧していないため、リング構成装置302のリングポート321とリング構成装置303のリングポート323から送信した2つのリンク復旧通知フレームのみがリング監視装置301によって受信されることになる。
【0057】
リング監視装置301は、当該リンク復旧通知フレームを受信すると、直ちにはリング状態の復旧動作(ユーザフレーム送受信可の状態としていたリングポート326をユーザフレーム送受信不可の状態に変更し、自他装置のMACアドレス情報をクリアする動作)を行わず、自身が送信するヘルスチェックフレームが一定時間内に受信できるか否かを監視することで、リング状態が復旧しているか否かを確認する。図6の場合、リンク障害342はまだ復旧していないため、リング監視装置301は自身が送信したヘルスチェックフレームを受信することができず、リンク障害がまだ残っている、つまりリング状態がまだ復旧していないと判断する。なお、リング監視装置301は、受信したリンク復旧通知フレームに搭載された情報(リンク障害復旧を検出したリング構成装置302及び303の識別子と、リング障害復旧を検出したリングポート322及び323の識別子)を記憶する。
【0058】
この場合、リング監視装置301は、リング状態の復旧動作を行わず、両リングポート326,327からリンク復旧通知フレームを受信した数に応じて、リング構成装置に対してフラッシュ要求フレーム631、636、および635、640を送信する。このフラッシュ要求フレーム631、635には、特定のリング構成装置に対してのみMACアドレス学習情報のクリアとリンク障害から復旧したリングポートがある場合にはユーザフレームの送受信が可能となるように指示し、それ以外のリング構成装置に対してはMACアドレスの学習情報をクリアのみ実施するように指示する情報と、リンク復旧通知フレームの受信により記憶していたリング構成装置302の識別子、および検出したリングポート322の識別子を情報として搭載する。また、フラッシュ要求フレーム636、640には、特定のリング構成装置に対してのみMACアドレス学習情報のクリアとリンク障害から復旧したリングポートがある場合にはユーザフレームの送受信が可能となるように指示し、それ以外のリング構成装置に対してはMACアドレスの学習情報をクリアのみ実施するように指示する情報と、リンク復旧通知フレームの受信により記憶していたリング構成装置303の識別子、および検出したリングポート323の識別子を情報として搭載する。
【0059】
リング構成装置302は、フラッシュ要求フレーム631を受信すると、受信したリングポート321とは異なるもう一方のリングポート322へ転送する。また、当該フラッシュ要求フレーム631に搭載されているリング構成装置302の識別子が自装置なので、ユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアすると共に、リングポート322の識別子に該当するリングポート322をユーザフレーム送受信可の状態612に変更する。同様に、リング構成装置303がフラッシュ要求フレーム637を受信すると、受信したリングポート323とは異なるもう一方のリングポート324へ転送する。また、当該フラッシュ要求フレーム637に搭載されているリング構成装置303の識別子が自装置なので、ユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアすると共に、リングポート323の識別子に該当するリングポート323をユーザフレーム送受信可の状態613に変更する。
【0060】
リング構成装置302がフラッシュ要求フレーム636を受信したときは、受信したリングポート321とは異なるもう一方のリングポート322へ転送し、同フレームに搭載されているリング構成装置303の識別子が自装置ではないので、リングポートの状態は変更しないで、ユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアする。フラッシュ要求フレーム632、635、640が他のリング構成装置で受信された場合も同様である。
【0061】
これにより、図4のようにポート326をユーザフレーム送受信不可の状態にすることなく、他のリンクに影響を与えることなく、障害が復旧したリンクである装置302、303間のリンクのみについて、リンク状態の復旧を行うことができる。
【0062】
図7は、多重障害から、図3で発生していた障害341、および342が復旧した場合を示す。リング監視装置301は、リング構成装置からリンク復旧通知フレームを受信すると、リング状態の復旧動作をする前に、自身が送信するヘルスチェックフレームが一定時間内に受信できる否かを監視することで、リング状態が復旧しているか否かを確認する。図7の場合、全てのリンク障害が復旧しているため、リング監視装置301は自身が送信したヘルスチェックフレームを受信することができ、リング状態が復旧したと判断しリング状態の復旧動作を行う。
【0063】
リング監視装置301は、ユーザフレーム送受信可の状態としていたリングポート326をユーザフレーム送受信不可の状態711に変更し、全リング構成装置302−304に対して、MACアドレスの学習情報をクリアに加え、リンク障害から復旧したリングポートがある場合にはユーザフレームの送受信が可能となるように指示する情報を搭載したフラッシュ要求フレーム731,735を送信する。また、リング監視装置301自身のユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアする。各リング構成装置302−304は、フラッシュ要求フレームを受信すると、受信したリングポートとは異なるもう一方のリングポートへ転送し、ユーザフレーム受信により学習したMACアドレス情報をクリアすると共に、リンク障害から復旧したリングポート322〜325を、ユーザフレーム送受信可の状態712〜715に変更する。なお、図6のように一部のリンク障害が復旧641した後に、残りのリンク障害342が復旧したような場合には、残りのリングポート324,325のみがユーザフレーム送受信可の状態714,715に変更される。これによりリングネットワークが正常な状態(図1の状態)に復旧する。
【0064】
リング監視装置およびリング構成装置における上述した動作は、専用のハードウェア回路(ASIC等)によって実現してもよいし、ソフトウェアをメモリに格納しCPUによって実行させることにより実現することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】正常時のリングネットワークの状態を示す図である。
【図2】リングネットワークにおいてリンク障害が発生した場合の図である。
【図3】リングネットワークにおいて多重障害が発生した場合の図である。
【図4】第二の復旧方式において多重障害から一部リンク障害の復旧を検知した場合の図である。
【図5】第二の復旧方式において多重障害から一部のリンク障害が復旧した場合の図である。
【図6】第三の復旧方式において多重障害から一部のリンク障害が復旧した場合の図である。
【図7】多重障害から全てのリンク障害が復旧した場合の図である。
【符号の説明】
【0066】
101,301:リング監視装置、102−104,302−304:リング構成装置、121−128,221−226,321−327:リングポート、112,113,211,311,412,413,511−513,611−613,712−715:ユーザフレーム送受信可の状態、111,212,213,312−315,324−326,514,515,614,615,711:ユーザフレーム送受信不可の状態、131,132:ヘルスチェックフレーム、231−235:リンク障害通知フレーム及びリンク復旧通知フレーム、531−535:リンク障害通知フレーム、431−436:リンク復旧通知フレーム、631−640,731−738:フラッシュ要求フレーム、241,341,342:リンク障害、441,641,741,742:リンク障害の復旧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリング構成装置と接続しリングネットワークを構成するリング監視装置であって、
前記リングネットワークと接続する第1のリングポートと第2のリングポートとを有し、
第1のリング構成装置の第3のリングポート側で発生したリンク障害の復旧を示すリンク復旧通知フレームを受信すると、
前記第1のリングポートと前記第2のリングポートから前記リングネットワークの状態を監視するためのヘルスチェックフレームを送信し、前記ヘルスチェックフレームの受信確認を行うことにより前記リングネットワークの状態が正常であるか異常であるかを確認し、
前記リングネットワークの状態が異常である場合、
前記リング監視装置に記憶され、且つ自身で学習したMACアドレス情報を削除し、
前記第1のリングポートおよび前記第2のリングポートから、前記第1のリング構成装置に対して学習したMACアドレス情報を削除することと前記第3のリングポートをユーザフレーム送受信可の状態に変更することとを指示する情報を含むフラッシュ要求フレームを送信することを特徴とするリング監視装置。
【請求項2】
請求項1記載のリング監視装置であって、
前記フラッシュ要求フレームは、前記第1のリング構成装置以外のリング構成装置に対して学習したMACアドレス情報を削除することを指示する情報を含むことを特徴とするリング監視装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のリング監視装置であって、
前記リングネットワークの状態が正常である場合、
前記リング監視装置は、第1のリングポートまたは第2のリングポートをユーザフレーム送受信不可の状態に変更し、自身で学習したMACアドレス情報を削除し、
前記第1のリングポートおよび前記第2のリングポートから、前記複数のリング構成装置に対して学習したMACアドレス情報を削除することとリンク障害の復旧を検知したリングポートをユーザフレーム送受信可の状態に変更することとを指示する情報を含む第2のフラッシュ要求フレームを送信することを特徴とするリング監視装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項に記載のリング監視装置であって、
前記リンク復旧通知フレームに含まれる前記第1のリング構成装置の識別子と前記第3のリングポートの識別子とを、前記フラッシュ要求フレームに設定することを特徴とするリング監視装置。
【請求項5】
請求項4記載のリング監視装置であって、
前記第1のリング構成装置の識別子は前記第1のリング構成装置に割り当てられたMACアドレスもしくは固有のIDを含み、前記第3のリングポートの識別子は前記第3のリングポートに割り当てられたMACアドレスもしくはポート番号を含むことを特徴とするリング監視装置。
【請求項6】
請求項1記載のリング監視装置であって、
前記第1のリング構成装置の第3のリングポート側でリンク障害が発生したことを示すリンク障害通知フレームを受信すると、
前記第1のリングポートまたは前記第2のリングポートのうち、ユーザフレーム送受信不可の状態になっているリングポートがあれば、ユーザフレーム送受信可の状態に変更し、自身で学習したMACアドレス情報を削除し、
前記第1のリングポートおよび前記第2のリングポートから、前記複数のリング構成装置に対して学習したMACアドレス情報を削除することを指示する情報を含む第3のフラッシュ要求フレームを送信することを特徴とするリング監視装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかの請求項に記載のリング監視装置と前記複数のリング構成装置により構成されるネットワークシステムであって、
前記第1のリング構成装置は、前記フラッシュ要求フレームを受信することに基づき、前記第3のリングポートをユーザフレーム送受信可の状態に変更するとともに、自身が記憶するMACアドレス情報を削除し、
前記第1のリング構成装置以外のリング構成装置は、前記フラッシュ要求フレームを受信することに基づき、自身が記憶するMACアドレス情報を削除することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項8】
請求項3乃至請求項5のいずれかの請求項に記載のリング監視装置と前記複数のリング構成装置により構成されるネットワークシステムであって、
前記複数のリング構成装置は、前記第2のフラッシュ要求フレームを受信すると、リンク障害の復旧を検知したリングポートがあればユーザフレーム送受信が可能な状態に変更し、自身で学習したMACアドレス情報を削除することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項9】
請求項6記載のリング監視装置と前記複数のリング構成装置により構成されるネットワークシステムであって、
前記第1のリング構成装置は、前記リンク障害通知フレームを送信するとともに、前記第3のリングポートをユーザフレーム送受信が不可能な状態に変更することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項10】
請求項9記載のネットワークシステムであって、
前記複数のリング構成装置は、前記第3のフラッシュ要求フレームを受信すると、自身で学習したMACアドレス情報を削除することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項11】
複数のリング構成装置がリングトポロジで接続されたリングネットワークの一部を構成するリング監視装置であって、
前記リングネットワークと接続する第1のリングポートと第2のリングポートとを有し、
第1のリング構成装置が送信したリンク障害の復旧を示すリンク復旧通知フレームを受信すると、
前記第1のリングポートまたは前記第2のリングポートのうち一方をユーザフレーム送受信不可の状態に変更するとともに、自身で学習したMACアドレス情報を削除し、
前記第1のリングポートおよび前記第2のリングポートから、前記複数のリング構成装置に対して学習したMACアドレス情報を削除することとリンク障害の復旧を検知したリングポートをユーザフレーム送受信可の状態に変更することとを指示する情報を含むフラッシュ要求フレームを送信することを特徴とするリング監視装置。
【請求項12】
請求項11記載のリング監視装置であって、
前記リンク復旧通知フレームを受信した後に、前記複数のリング構成装置のいずれかからリンク障害が発生していることを示すリンク障害通知フレームを受信すると、
前記第1のリングポートまたは前記第2のリングポートのうち、ユーザフレーム送受信不可の状態に変更したリングポートをユーザフレーム送受信可の状態に変更するとともに自身で学習したMACアドレス情報を削除し、
前記第1のリングポートおよび前記第2のリングポートから、前記複数のリング構成装置に対して学習したMACアドレス情報を削除することを指示する情報を含む第2のフラッシュ要求フレームを送信することを特徴とするリング監視装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−239767(P2009−239767A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−85166(P2008−85166)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(504411166)アラクサラネットワークス株式会社 (315)
【Fターム(参考)】