説明

リークテスト方法及びリークテスト装置

【課題】感度の大幅な向上を図ることにより、被検査体から漏出する検査用ガスが微少量であっても検出することが可能なリークテスト装置を提供する。
【解決手段】リークテスト装置1は、金属層を有するフィルム10と、複数のフィルム12〜12と、金属管14と、マスフローコントローラ16と、ヘリウムガスの有無を検出するリークディテクタ20とを備える。金属管14は、主管部14aと、主管部14aから分岐して延びる複数の分岐管部14b〜14bとを有する。金属管14は、フィルム10,12〜12とリークディテクタ20とを連結する流路を構成している。マスフローコントローラ16は、主管部14aと分岐管部14b〜14bとのいずれの合流点よりも下流側に配置されており、自身とリークディテクタ20との間におけるガスの流量が所定の範囲内となるように調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査体内に導入された検査用ガスが被検査体から漏出しているか否かを検査するリークテスト方法及びリークテスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リークテスト方法として、検査用ガスであるヘリウムを被検査体内に封入する工程と、スニファプローブによって被検査体の検査対象領域近傍における大気を吸引する工程とを備えるものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。この方法では、スニファプローブにより吸引した大気をリークディテクタに導入し、リークディテクタにおいてヘリウムの被検査体からの漏出(リーク)の有無を検出している。
【特許文献1】特開昭59−040136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のようなヘリウムを用いたリークテスト方法では、被検査体におけるヘリウム分子レベルのピンホールの有無を検出できるので、極めて厳密な気密性の検査が可能である。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来のリークテスト方法では、スニファプローブによって被検査体の検査対象領域近傍における大気を吸引していた。ここで、大気を吸引したときにおけるヘリウムの質量流量は、10−6Pa・m/s程度である。そのため、従来のリークテスト方法では、ヘリウムが10−6Pa・m/s以上の質量流量で被検査体から漏出していなければ、大気中のヘリウムを検出したのか被検査体から漏出したヘリウムを検出したのかを区別することが困難であり、被検査体からの微少量のヘリウムの漏出を検出することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、感度の大幅な向上を図ることにより、被検査体から漏出する検査用ガスが微少量であっても検出することが可能なリークテスト方法及びリークテスト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るリークテスト方法は、被検査体内に導入された検査用ガスが被検査体から漏出しているか否かを検査するリークテスト方法であって、金属層を有する第1のフィルムで被検査体を覆い、袋状とした第1のフィルム内に被検査体を封入して、第1のフィルムの金属層部分が被検査体の全周を囲んだ状態とする被検査体封入工程と、検査用ガスとは異なる第1の充填用ガスを袋状とした第1のフィルム内に導入し、袋状とした第1のフィルム内を第1の充填用ガスで満たす第1の充填用ガス導入工程と、検査用ガスを被検査体内に導入する検査用ガス導入工程と、被検査体から検査用ガスが漏出しているか否かの検出を行う検出工程とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るリークテスト方法では、被検査体封入工程において、金属層を有する第1のフィルムで被検査体を覆い、袋状とした第1のフィルム内に被検査体を封入して、第1のフィルムの金属層部分が被検査体の全周を囲んだ状態としている。ここで、検査用ガスを含む種々のガスは、金属を通過することができない。そのため、第1のフィルムによって形成された袋状の空間内には、導入される充填用ガス以外がほとんど存在しない状態となる。従って、検査用ガス導入工程において被検査体内に検査用ガスを導入したときに、被検査体にピンホール等が存在する場合には、被検査体から漏出した検査用ガスを主として検出することができ、大気中に存在する検査用ガスと同一のガスを検出することがほとんどなくなる。その結果、感度の大幅な向上が図られ、被検査体から漏出する検査用ガスが微少量であっても検出することが可能となる。
【0008】
好ましくは、被検査体封入工程の前に、被検査体のうち所定の検査対象領域を覆うように、第2のフィルムを被検査体の表面に取り付ける検査対象領域被覆工程を更に備え、検出工程では、検査対象領域から検査用ガスが漏出しているか否かの検出を行う。このようにすると、被検査体のうち検査対象領域における検査用ガスの漏出の有無を検査することができるようになる。従って、第1のフィルムによって形成された袋状の空間内に被検査体が封入されていることも考慮すると、感度の大幅な向上を図りつつ、漏出箇所を特定することが可能となる。
【0009】
また、本発明に係るリークテスト方法は、被検査体内に導入された検査用ガスが被検査体から漏出しているか否かを検査するリークテスト方法であって、被検査体のうち所定の検査対象領域を覆うように、金属層を有するフィルムを被検査体の表面に取り付け、検査対象領域とフィルムの金属層部分とにより囲まれる空間を構成する検査対象領域被覆工程と、検査用ガスとは異なる充填用ガスを空間内に導入し、空間内を充填用ガスで満たす充填用ガス導入工程と、検査用ガスを被検査体内に導入する検査用ガス導入工程と、被検査体から検査用ガスが漏出しているか否かの検出を行う検出工程とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るリークテスト方法では、検査対象領域被覆工程において、被検査体のうち所定の検査対象領域を覆うように、金属層を有するフィルムを被検査体の表面に取り付け、検査対象領域とフィルムの金属層部分とにより囲まれる空間を構成している。ここで、検査用ガスを含む種々のガスは、金属を通過することができない。そのため、検査対象領域とフィルムの金属層部分とにより囲まれる空間内には、導入される充填用ガス以外がほとんど存在しない状態となる。従って、検査用ガス導入工程において被検査体内に検査用ガスを導入したときに、被検査体のうち検査対象領域にピンホール等が存在する場合には、当該検査対象領域から漏出した検査用ガスを主として検出することができ、大気中に存在する検査用ガスと同一のガスを検出することがほとんどなくなる。その結果、感度の大幅な向上が図られ、被検査体のうち各検査対象領域から漏出する検査用ガスが微少量であっても検出することが可能となると共に、漏出箇所を特定することが可能となる。
【0011】
一方、本発明に係るリークテスト装置は、被検査体内に導入された検査用ガスが被検査体から漏出しているか否かを検査するリークテスト装置であって、金属層を有する第1のフィルムと、検査用ガスの有無を検出する検出手段と、第1のフィルムと検出手段とを連結する流路を構成する金属管と、被検査体内に検査用ガスを導入する検査用ガス導入手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るリークテスト装置では、第1のフィルムが金属層を有している。ここで、検査用ガスを含む種々のガスは、金属を通過することができない。そのため、この第1のフィルムを用いて被検査体を覆い、袋状とした第1のフィルム内に被検査体を封入して、第1のフィルムの金属層部分が被検査体の全周を囲んだ状態とすることで、大気中に存在する検査用ガスと同一のガスが第1のフィルムによって形成された袋状の空間内に流入してくることがほとんどなくなる。従って、検査用ガス導入手段によって被検査体内に検査用ガスを導入したときに、被検査体にピンホール等が存在する場合には、検出手段によって被検査体から漏出した検査用ガスを主として検出することができ、大気中に存在する検査用ガスと同一のガスを検出することがほとんどなくなる。その結果、感度の大幅な向上が図られ、被検査体から漏出する検査用ガスが微少量であっても検出することが可能となる。
【0013】
好ましくは、検出手段よりも上流側に配置され、検査用ガスとは異なる他のガスを流路から除去する除去手段を更に備える。このようにすると、主として検査用ガスが検出手段に導入されることとなるので、感度の一層の向上を図ることが可能となる。
【0014】
より好ましくは、複数の第2のフィルムと、主管部と、当該主管部から分岐して延び、第1のフィルム及び複数の第2のフィルムのそれぞれと連結された複数の分岐管部とを有し、第1のフィルム及び複数の第2のフィルムと前記検出手段とを連結する流路を構成する金属管と、主管部と複数の分岐管部とのいずれの合流点よりも下流側で且つ検出手段よりも上流側に配置された流量調整手段とを更に備え、除去手段は、流量調整手段よりも下流側で且つ除去手段よりも上流側に配置されており、流量調整手段は、自身に流入してくる検査用ガス及び他のガスの流量が一定となるように調整する。このようにすると、複数の第2のフィルムのそれぞれを、被検査体のうち互いに異なる検査対象領域を覆うように被検査体の表面に取り付け、検査対象領域とこれに対応する第2のフィルムの金属層部分とにより囲まれる空間を構成することにより、各検査対象領域における検査用ガスの漏出の有無を検査することができるようになる。従って、第1のフィルムによって形成された袋状の空間内に被検査体を封入するようにすることも考慮すると、感度の大幅な向上を図りつつ、漏出箇所を特定することが可能となる。ところで、このように主管部から複数の分岐管部を分岐させ、複数の検査対象領域を検査するようにした場合、各検査対象領域と検出手段とを連結する流路の長さがそれぞれ異なることとなる。そうすると、各流路を流れるガスの流量もそれぞれ異なってしまい、各検査対象領域によって感度にばらつきが生じる原因となる。しかしながら、流量調整手段によって、自身に流入してくる検査用ガス及び他のガスの流量が一定となるように調整しているので、各検査対象領域における感度のばらつきを十分に抑えることが可能となっている。なお、ここでいう「一定」とは、目標とする流量に対して所定の範囲内のばらつきも含むものとする。
【0015】
また、本発明に係るリークテスト装置は、被検査体内に導入された検査用ガスが被検査体から漏出しているか否かを検査するリークテスト装置であって、金属層を有する複数のフィルムと、検査用ガスの有無を検出する検出手段と、主管部と、当該主管部から分岐して延び、複数のフィルムのそれぞれと連結された複数の分岐管部とを有し、複数のフィルムと検出手段とを連結する流路を構成する金属管と、被検査体内に検査用ガスを導入する検査用ガス導入手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明に係るリークテスト装置では、複数のフィルムがそれぞれ金属層を有している。ここで、検査用ガスを含む種々のガスは、金属を通過することができない。そのため、複数のフィルムのそれぞれを、被検査体のうち互いに異なる検査対象領域を覆うように被検査体の表面に取り付け、検査対象領域とこれに対応する第2のフィルムの金属層部分とにより囲まれる空間を構成することにより、大気中に存在する検査用ガスと同一のガスが各空間内に流入してくることがほとんどなくなる。その結果、感度の大幅な向上が図られ、被検査体のうち各検査対象領域から漏出する検査用ガスが微少量であっても検出することが可能となると共に、漏出箇所を特定することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、感度の大幅な向上を図ることにより、被検査体から漏出する検査用ガスが微少量であっても検出することが可能なリークテスト方法及びリークテスト装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0019】
[第1実施形態]
第1実施形態に係るリークテスト装置1について、図1を参照して説明する。リークテスト装置1は、金属層を有するフィルム10と、複数(第1実施形態においては3つ)のフィルム12〜12と、金属管14と、マスフローコントローラ16と、ソープションポンプ18と、リークディテクタ20とを備える。
【0020】
フィルム10は、ポリエチレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、フッ素樹脂フィルム等の樹脂フィルムの表面全域にアルミニウム等の金属層が蒸着された金属蒸着フィルムである。フィルム10は、図1に示されるように、使用時において例えば容積が2m程度(2m×1m×1m程度)の大きさの袋状とされ、その内部に被検査体Eを封入している。そのため、フィルム10の金属層部分は、被検査体Eの全周を囲んでいる。
【0021】
フィルム10には、充填用ガスである窒素(N)ガスの供給源が接続されている。そのため、袋状とされたフィルム10の内部には、窒素ガスを導入可能となっている。
【0022】
ここで、被検査体Eは、例えば真空機器、ガスボンベ、圧縮機といった内部にガスが充填される機器の一部又は全部である。被検査体Eには、検査用ガスであるヘリウム(He)ガスの供給源(図示せず)が接続されている。そのため、その内部にヘリウムガスを導入可能となっている。なお、被検査体Eは、一般に金属によって構成されているので、ヘリウム等のガス検査用ガスを含む種々のガスは、金属を通過することができない。
【0023】
フィルム12〜12は、ポリエチレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、フッ素樹脂フィルム等の樹脂フィルムである。フィルム12〜12は、図1に示されるように、使用時において被検査体Eのうち一又は二以上(第1実施形態においては3つ)の検査対象領域R〜Rのそれぞれを覆うように、各検査対象領域R〜Rに取り付けられている。
【0024】
フィルム12〜12には、充填用ガスである窒素ガスの供給源が接続されている。そのため、検査対象領域Rとフィルム12とによって構成される空間内、検査対象領域Rとフィルム12とによって構成される空間内、及び、検査対象領域Rとフィルム12とによって構成される空間内には、それぞれ窒素ガスを導入可能となっている。
【0025】
金属管14は、主管部14aと、主管部14aから分岐して延びる複数(第1実施形態においては4つ)の分岐管部14b〜14bとを有する。金属管14は、例えばステンレス、銅、ニッケル等の金属によって構成されており、その内径が例えば0.7mm〜1.3mm程度となっている。
【0026】
分岐管部14bは、その一端が主管部14aの先端と接続されており、その他端が、フィルム10及びフィルム12を貫通している。そのため、使用時において、分岐管部14bの他端は、図1に示されるように、検査対象領域Rとフィルム12とによって構成される空間内に位置することとなる。なお、袋状とされたフィルム10の外方であって分岐管部14bの途中には、開閉バルブ22が設けられている。
【0027】
分岐管部14bは、その一端が、主管部14aと分岐管部14bとの合流点よりも下流側において主管部14aと接続されており、その他端が、フィルム10及びフィルム12を貫通している。そのため、使用時において、分岐管部14bの他端は、図1に示されるように、検査対象領域Rとフィルム12とによって構成される空間内に位置することとなる。なお、袋状とされたフィルム10の外方であって分岐管部14bの途中には、開閉バルブ22が設けられている。
【0028】
分岐管部14bは、その一端が、主管部14aと分岐管部14bとの合流点よりも下流側において主管部14aと接続されており、その他端が、フィルム10及びフィルム12を貫通している。そのため、使用時において、分岐管部14bの他端は、図1に示されるように、検査対象領域Rとフィルム12とによって構成される空間内に位置することとなる。なお、袋状とされたフィルム10の外方であって分岐管部14bの途中には、開閉バルブ22が設けられている。
【0029】
分岐管部14bは、その一端が、主管部14aと分岐管部14bとの合流点よりも下流側において主管部14aと接続されており、その他端がフィルム10を貫通している。そのため、使用時において、分岐管部14bの他端は、図1に示されるように、袋状とされたフィルム10の内部に位置することとなる。なお、袋状とされたフィルム10の外方であって分岐管部14bの途中には、開閉バルブ22が設けられている。
【0030】
マスフローコントローラ16は、主管部14aと分岐管部14bとの合流点よりも下流側において主管部14aと接続されている。マスフローコントローラ16は、流量調整手段として機能して、ソープションポンプ18及びリークディテクタ20に供給するガスの量を調整する。具体的には、マスフローコントローラ16に流入してくるガスの流量(各分岐管部14b〜14bからのガスの流量)が一定(例えば、目的とするガスの流量に対して±20%の範囲内)となるように調整する。
【0031】
ソープションポンプ18(除去手段)は、マスフローコントローラ16よりも下流側において主管部14aと接続されている。ソープションポンプ18は、内部に貯留されている液体窒素によって冷却された多孔質の吸着剤によって、気体分子を物理吸着する。そのため、ソープションポンプ18内部に充填用ガスである窒素ガス及び検査用ガスであるヘリウムガスが導入されると、窒素ガスのみが吸着剤に吸着され、ヘリウムガスが下流に排出されることとなる。
【0032】
リークディテクタ20(検出手段)は、ヘリウムガス等の検査用ガスを検出するための機器であり、ソープションポンプ18よりも下流側において主管部14aと接続されている。そのため、金属管14は、袋状とされたフィルム10内部の空間内、検査対象領域Rとフィルム12とによって構成される空間内、検査対象領域Rとフィルム12とによって構成される空間内、及び、検査対象領域Rとフィルム12とによって構成される空間内と、リークディテクタ20とを連結する流路を構成している。
【0033】
次に、図1を引き続き参照して、第1実施形態に係るリークテスト装置1を用いたリークテスト方法について説明する。
【0034】
まず、各検査対象領域R〜Rを覆うように、フィルム12〜12を被検査体Eの表面に取り付ける。続いて、フィルム10によって被検査体Eをフィルム12〜12と共に覆い、フィルム10を袋状として、袋状とされたフィルム10の内部に被検査体Eを封入する。これにより、被検査体Eは、フィルム10(フィルム10を構成する金属層)によって大気と隔離される。
【0035】
続いて、開閉バルブ22を開放し、開閉バルブ22,22,22を閉鎖した状態で、ソープションポンプ18を作動させると共に、窒素ガスの供給源から、袋状とされたフィルム10の内部に窒素ガスを導入し、袋状とされたフィルム10の内部を窒素ガスで充填する。また、被検査体E内にヘリウムガスを導入する。
【0036】
このとき、袋状とされたフィルム10の内部に充填している窒素ガスが分岐管部14b及び主管部14aを通ってソープションポンプ18へと導入される。ソープションポンプ18では、窒素ガスが吸着剤に吸着されるので、通常は、リークディテクタ20においてヘリウムガスが検出されない。そのため、このときのリークディテクタ20による検出値を基準としてその後のヘリウムガスの検出が行われる。ここで、袋状とされたフィルム10の内部から吸引されるガスの分岐管部14bにおける体積流量は、0.02m/min程度である。
【0037】
続いて、開閉バルブ22を開放し、開閉バルブ22,22,22を閉鎖した状態で、ソープションポンプ18を作動させると共に、窒素ガスの供給源から、袋状とされたフィルム10の内部に窒素ガスを導入し、袋状とされたフィルム10の内部を窒素ガスで充填する。ここで、検査対象領域Rとフィルム12とによって構成される空間内から吸引されるガスの分岐管部14bにおける流量は、2×10−5/min〜2×10−4/min程度である。
【0038】
このとき、被検査体Eのうち検査対象領域Rにおいてピンホール等の孔が存在している場合には、この検査対象領域Rからヘリウムガスが漏出する。漏出したヘリウムガスは、検査対象領域Rとフィルム12とによって構成される空間内に導入された窒素ガスと共にソープションポンプ18へと導入される。ソープションポンプ18では、窒素ガスが吸着剤に吸着されるので、主として検査対象領域Rから漏出したヘリウムガスがリークディテクタ20にて検出されることとなる。
【0039】
続いて、開閉バルブ22を開放し、開閉バルブ22,22,22を閉鎖した状態で、ソープションポンプ18を作動させると共に、窒素ガスの供給源から、袋状とされたフィルム10の内部に窒素ガスを導入し、袋状とされたフィルム10の内部を窒素ガスで充填する。ここで、検査対象領域Rとフィルム12とによって構成される空間内から吸引されるガスの分岐管部14bにおける流量は、2×10−5/min〜2×10−4/min程度である。このとき、被検査体Eのうち検査対象領域Rにおいてピンホール等の孔が存在している場合も、上記と同様、主として検査対象領域Rから漏出したヘリウムガスがリークディテクタ20にて検出されることとなる。
【0040】
続いて、開閉バルブ22を開放し、開閉バルブ22,22,22を閉鎖した状態で、ソープションポンプ18を作動させると共に、窒素ガスの供給源から、袋状とされたフィルム10の内部に窒素ガスを導入し、袋状とされたフィルム10の内部を窒素ガスで充填する。ここで、検査対象領域Rとフィルム12とによって構成される空間内から吸引されるガスの分岐管部14bにおける流量は、2×10−5/min〜2×10−4/min程度である。このとき、被検査体Eのうち検査対象領域Rにおいてピンホール等の孔が存在している場合も、上記と同様、主として検査対象領域Rから漏出したヘリウムガスがリークディテクタ20にて検出されることとなる。
【0041】
以上により、被検査体Eのうち各検査対象領域R〜Rにおいてヘリウムガスが漏出しているか否かが検査されることとなる。なお、各検査対象領域R〜Rのうちいずれを検査する場合であっても、マスフローコントローラ16によって、マスフローコントローラ16に流入してくるガスの流量(各分岐管部14b〜14bからのガスの流量)が一定となるように調整されている。
【0042】
以上のような第1実施形態においては、フィルム10が金属層を有している。ここで、検査用ガス(ヘリウムガス)を含む種々のガスは、金属を通過することができない。そのため、このフィルム10を用いて被検査体Eを覆い、袋状としたフィルム10内に被検査体Eを封入して、フィルム10の金属層部分が被検査体Eの全周を囲んだ状態とすることで、大気中に存在する検査用ガスと同一のガス(ヘリウムガス)がフィルム10によって形成された袋状の空間内に流入してくることがほとんどなくなる。従って、被検査体E内に検査用ガスを導入したときに、被検査体Eにピンホール等が存在する場合には、リークディテクタ20によって被検査体Eから漏出した検査用ガスを主として検出することができ、大気中に存在する検査用ガスと同一のガスを検出することがほとんどなくなる。その結果、感度の大幅な向上が図られ、被検査体Eから漏出する検査用ガスが微少量であっても検出することが可能となる。
【0043】
また、第1実施形態においては、ソープションポンプ18が、リークディテクタ20よりも上流側に配置されている。そのため、主として検査用ガスがリークディテクタ20に導入されることとなるので、感度の一層の向上を図ることが可能となる。
【0044】
また、第1実施形態においては、各検査対象領域R〜Rを覆うように、フィルム12〜12を被検査体Eの表面に取り付け、各フィルム12〜12に各分岐管部14b〜14bを連結している。そのため、各検査対象領域R〜Rにおける検査用ガス(ヘリウムガス)の漏出の有無を検査することができるようになっている。従って、フィルム10によって形成された袋状の空間内に被検査体Eを封入していることも考慮すると、感度の大幅な向上を図りつつ、漏出箇所を特定することが可能となる。また、検査が行われる各検査対象領域R〜Rがフィルム12〜12によって互いに隔離されているので、各検査対象領域R〜Rのうちいずれかの検査対象領域から検査用ガス(ヘリウムガス)が漏出していても、他の検査対象領域が影響を受け難くなっている。
【0045】
ところで、第1実施形態においては、金属管14が、主管部14aと、主管部14aから分岐して延びる分岐管部14b〜14bとを有している。ところが、このとき、各検査対象領域R〜Rとリークディテクタ20とを連結する流路の長さがそれぞれ異なることとなる。そうすると、このままソープションポンプ18で各検査対象領域R〜Rにおけるヘリウムガスの漏出を検査した場合、各流路を流れるガスの流量もそれぞれ異なってしまい、各検査対象領域R〜Rによって感度にばらつきが生じる原因となる。しかしながら、第1実施形態においては、マスフローコントローラ16によって、マスフローコントローラ16に流入してくるガスの流量(各分岐管部14b〜14bからのガスの流量)が一定となるように調整している。そのため、各検査対象領域R〜Rにおける感度のばらつきを十分に抑えることが可能となっている。
【0046】
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態に係るリークテスト装置2について、第1実施形態に係るリークテスト装置1との相違点を中心に、図2を参照して説明する。リークテスト装置2の構成は、リークテスト装置1とほぼ同じであるが、フィルム10を有していない点、分岐管部14bを有していない点及びフィルム12〜12の代わりにフィルム24〜24を有している点がリークテスト装置1と相違している。
【0047】
フィルム24〜24は、フィルム10と同じく、ポリエチレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、フッ素樹脂フィルム等の樹脂フィルムの表面全域にアルミニウム等の金属層が蒸着された金属蒸着フィルムである。フィルム24〜24は、図2に示されるように、使用時において被検査体Eのうち一又は二以上(第1実施形態においては3つ)の検査対象領域R〜Rのそれぞれを覆うように、各検査対象領域R〜Rに取り付けられている。そのため、各フィルム24〜24の金属層部分は、被検査体Eのうち各検査対象領域R〜Rをそれぞれ囲んでいる。
【0048】
フィルム24〜24には、充填用ガスである窒素ガスの供給源が接続されている。そのため、検査対象領域Rとフィルム24とによって構成される空間内、検査対象領域Rとフィルム24とによって構成される空間内、及び、検査対象領域Rとフィルム24とによって構成される空間内には、それぞれ窒素ガスを導入可能となっている。
【0049】
次に、図2を引き続き参照して、第2実施形態に係るリークテスト装置2を用いたリークテスト方法について説明する。
【0050】
まず、各検査対象領域R〜Rを覆うように、フィルム24〜24を被検査体Eの表面に取り付ける。これにより、被検査体Eのうち各検査対象領域R〜Rは、フィルム24〜24(フィルム24〜24を構成する金属層)によってそれぞれ大気と隔離される。
【0051】
続いて、開閉バルブ22を開放し、開閉バルブ22,22を閉鎖した状態で、ソープションポンプ18を作動させると共に、窒素ガスの供給源から、袋状とされたフィルム10の内部及び検査対象領域Rとフィルム24とによって構成される空間内に窒素ガスを導入し、これらの空間内を窒素ガスで充填する。ここで、検査対象領域Rとフィルム24とによって構成される空間内から吸引されるガスの分岐管部14bにおける流量は、2×10−5/min〜2×10−4/min程度である。
【0052】
続いて、被検査体E内にヘリウムガスを導入する。このとき、被検査体Eのうち検査対象領域Rにおいてピンホール等の孔が存在している場合には、この検査対象領域Rからヘリウムガスが漏出する。漏出したヘリウムガスは、検査対象領域Rとフィルム24とによって構成される空間内に導入された窒素ガスと共にソープションポンプ18へと導入される。ソープションポンプ18では、窒素ガスが吸着剤に吸着されるので、主として検査対象領域Rから漏出したヘリウムガスがリークディテクタ20にて検出されることとなる。
【0053】
続いて、開閉バルブ22を開放し、開閉バルブ22,22を閉鎖した状態で、ソープションポンプ18を作動させると共に、窒素ガスの供給源から、袋状とされたフィルム10の内部及び検査対象領域Rとフィルム24とによって構成される空間内に窒素ガスを導入し、これらの空間内を窒素ガスで充填する。ここで、検査対象領域Rとフィルム24とによって構成される空間内から吸引されるガスの分岐管部14bにおける流量は、2×10−5/min〜2×10−4/min程度である。このとき、被検査体Eのうち検査対象領域Rにおいてピンホール等の孔が存在している場合も、上記と同様、主として検査対象領域Rから漏出したヘリウムガスがリークディテクタ20にて検出されることとなる。
【0054】
続いて、開閉バルブ22を開放し、開閉バルブ22,22を閉鎖した状態で、ソープションポンプ18を作動させると共に、窒素ガスの供給源から、袋状とされたフィルム10の内部及び検査対象領域Rとフィルム24とによって構成される空間内に窒素ガスを導入し、これらの空間内を窒素ガスで充填する。ここで、検査対象領域Rとフィルム24とによって構成される空間内から吸引されるガスの分岐管部14bにおける流量は、2×10−5/min〜2×10−4/min程度である。このとき、被検査体Eのうち検査対象領域Rにおいてピンホール等の孔が存在している場合も、上記と同様、主として検査対象領域Rから漏出したヘリウムガスがリークディテクタ20にて検出されることとなる。
【0055】
以上により、被検査体Eのうち各検査対象領域R〜Rにおいてヘリウムガスが漏出しているか否かが検査されることとなる。なお、各検査対象領域R〜Rのうちいずれを検査する場合であっても、マスフローコントローラ16によって、マスフローコントローラ16に流入してくるガスの流量(各分岐管部14b〜14bからのガスの流量)が一定となるように調整されている。
【0056】
以上のような第2実施形態においては、フィルム24〜24が金属層を有している。ここで、検査用ガス(ヘリウムガス)を含む種々のガスは、金属を通過することができない。そのため、フィルム24〜24のそれぞれを、被検査体Eのうち互いに異なる検査対象領域R〜Rを覆うように被検査体Eの表面に取り付け、検査対象領域R〜Rとこれに対応するフィルム24〜24の金属層部分とにより囲まれる空間を構成することにより、大気中に存在する検査用ガス(ヘリウムガス)と同一のガスが各空間内に流入してくることがほとんどなくなる。従って、被検査体E内に検査用ガスを導入したときに、被検査体Eのうち検査対象領域R〜Rにピンホール等が存在する場合には、リークディテクタ20によって被検査体Eのうち検査対象領域R〜Rから漏出した検査用ガスを主として検出することができ、大気中に存在する検査用ガスと同一のガスを検出することがほとんどなくなる。その結果、感度の大幅な向上が図られ、被検査体Eのうち各検査対象領域R〜Rから漏出する検査用ガスが微少量であっても検出することが可能となると共に、漏出箇所を特定することが可能となる。また、検査が行われる各検査対象領域R〜Rがフィルム12〜12によって互いに隔離されているので、各検査対象領域R〜Rのうちいずれかの検査対象領域から検査用ガス(ヘリウムガス)が漏出していても、他の検査対象領域が影響を受け難くなっている。また、金属層を有するフィルム24〜24によって直接検査対象領域R〜Rをそれぞれ覆っているので、第1実施形態のように被検査体Eをフィルム10で覆う必要がなくなっており、被検査体Eがフィルム10で覆えないほど大きな場合であっても被検査体Eのリークの有無を検査することができるようになっている。
【0057】
また、第2実施形態においては、ソープションポンプ18が、リークディテクタ20よりも上流側に配置されている。そのため、主として検査用ガスがリークディテクタ20に導入されることとなるので、感度の一層の向上を図ることが可能となる。
【0058】
ところで、第2実施形態においては、金属管14が、主管部14aと、主管部14aから分岐して延びる分岐管部14b〜14bとを有している。ところが、このとき、各検査対象領域R〜Rとリークディテクタ20とを連結する流路の長さがそれぞれ異なることとなる。そうすると、このままソープションポンプ18で各検査対象領域R〜Rにおけるヘリウムガスの漏出を検査した場合、各流路を流れるガスの流量もそれぞれ異なってしまい、各検査対象領域R〜Rによって感度にばらつきが生じる原因となる。しかしながら、第1実施形態においては、マスフローコントローラ16によって、マスフローコントローラ16に流入してくるガスの流量(各分岐管部14b〜14bからのガスの流量)が一定となるように調整している。そのため、各検査対象領域R〜Rにおける感度のばらつきを十分に抑えることが可能となっている。
【0059】
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態に係るリークテスト装置3について、第1実施形態に係るリークテスト装置1との相違点を中心に、図3を参照して説明する。リークテスト装置3の構成は、フィルム12〜12を有していない点、金属管14が分岐管部14b〜14bを有しておらず、主管部14aのみにより構成されている点、マスフローコントローラ16を有していない点がリークテスト装置1と主として相違している。
【0060】
具体的には、フィルム10は、図3に示されるように、使用時において例えば容積が2m程度(2m×1m×1m程度)の大きさの袋状とされ、その内部に被検査体Eを封入している。そのため、フィルム10の金属層部分は、被検査体Eの全周を囲んでいる。
【0061】
フィルム10には、充填用ガスである窒素(N)ガスの供給源が接続されている。そのため、袋状とされたフィルム10の内部には、窒素ガスを導入可能となっている。
【0062】
金属管14は、その一端がフィルム10を貫通している。そのため、使用時において、金属管14の一端は、図3に示されるように、袋状とされたフィルム10の内部に位置することとなる。
【0063】
ソープションポンプ18は、袋状とされたフィルム10の外方において主管部14aと接続されている。リークディテクタ20は、ソープションポンプ18よりも下流側において金属管14と接続されている。
【0064】
次に、図3を引き続き参照して、第3実施形態に係るリークテスト装置3を用いたリークテスト方法について説明する。
【0065】
まず、フィルム10によって被検査体Eを覆い、フィルム10を袋状として、袋状とされたフィルム10の内部に被検査体Eを封入する。これにより、被検査体Eは、フィルム10(フィルム10を構成する金属層)によって大気と隔離される。
【0066】
続いて、ソープションポンプ18を作動させると共に、窒素ガスの供給源から、袋状とされたフィルム10の内部に窒素ガスを導入し、この空間内を窒素ガスで充填する。ここで、袋状とされたフィルム10の内部から吸引されるガスの金属管14における体積流量は、0.02m/min程度である。
【0067】
続いて、被検査体E内にヘリウムガスを導入する。このとき、被検査体Eにおいてピンホール等の孔が存在している場合には、被検査体Eからヘリウムガスが漏出する。漏出したヘリウムガスは、袋状とされたフィルム10の内部に導入された窒素ガスと共にソープションポンプ18へと導入される。ソープションポンプ18では、窒素ガスが吸着剤に吸着されるので、主として被検査体Eから漏出したヘリウムガスがリークディテクタ20にて検出されることとなる。以上により、被検査体Eにおいてヘリウムガスが漏出しているか否かが検査されることとなる。
【0068】
以上のような第3実施形態においては、フィルム10が金属層を有している。ここで、検査用ガス(ヘリウムガス)を含む種々のガスは、金属を通過することができない。そのため、このフィルム10を用いて被検査体Eを覆い、袋状としたフィルム10内に被検査体Eを封入して、フィルム10の金属層部分が被検査体Eの全周を囲んだ状態とすることで、大気中に存在する検査用ガスと同一のガス(ヘリウムガス)がフィルム10によって形成された袋状の空間内に流入してくることがほとんどなくなる。従って、被検査体E内に検査用ガスを導入したときに、被検査体Eにピンホール等が存在する場合には、リークディテクタ20によって被検査体Eから漏出した検査用ガスを主として検出することができ、大気中に存在する検査用ガスと同一のガスを検出することがほとんどなくなる。その結果、感度の大幅な向上が図られ、被検査体Eから漏出する検査用ガスが微少量であっても検出することが可能となる。
【0069】
また、第2実施形態においては、ソープションポンプ18が、リークディテクタ20よりも上流側に配置されている。そのため、主として検査用ガスがリークディテクタ20に導入されることとなるので、感度の一層の向上を図ることが可能となる。
【0070】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、フィルム10の金属層部分によって被検査体Eの全周を囲むことができれば、金属層はフィルム10の一部に存在していてもよい。同様に、各フィルム24〜24の金属層部分によって被検査体Eのうち各検査対象領域R〜Rをそれぞれ囲むことができれば、金属層はフィルム24〜24の一部に存在していてもよい。
【0071】
また、フィルム10,24〜24として金属蒸着フィルムを用いたが、フィルム10,24〜24が金属層を有していればよく、ステンレス、銅、ニッケル等の他の金属を蒸着させたものであってもよい。また、フィルム10,24〜24の金属層は樹脂フィルムによって支持されていたが、裏打ち材として金属層が破断する虞を低減することができる強度を有するものであれば、樹脂フィルム以外の他の材料(例えば、紙)を用いることができる。また、フィルム10,24〜24として、ステンレス、銅、ニッケル等の金属を箔状とした金属フィルムそのものを用いてもよい。さらに、フィルム10,24〜24として、複数の基材となるフィルムで金属層が挟み込まれたものを用いてもよい。
【0072】
また、フィルム12〜12は金属層を有していなかったが、フィルム10,24〜24と同様、フィルム12〜12として金属層を有するフィルムを用いるようにしてもよい。
【0073】
また、フィルム10を更に金属層を有するフィルムで二重以上に覆うようにしてもよい。この場合、各フィルムに、充填用ガスの供給源及びフィルムを貫通する分岐管部が接続されることとなる。
【0074】
また、検査用ガスとして、ヘリウムガスの他、水素ガスを用いてもよい。また、充填用ガスとして、窒素ガスの他、アルゴンガスを用いてもよい。
【0075】
また、金属管14に代えて、ステンレス、銅、ニッケル等の金属層を有する樹脂チューブを用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、第1実施形態に係るリークテスト装置を示す概略図である。
【図2】図2は、第2実施形態に係るリークテスト装置を示す概略図である。
【図3】図3は、第3実施形態に係るリークテスト装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0077】
1〜3…リークテスト装置、10,12〜12,24〜24…フィルム、14…金属管、14a…主管部、14b〜14b…分岐管部、16…マスフローコントローラ、18…ソープションポンプ、20…リークディテクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査体内に導入された検査用ガスが前記被検査体から漏出しているか否かを検査するリークテスト方法であって、
金属層を有する第1のフィルムで前記被検査体を覆い、袋状とした前記第1のフィルム内に前記被検査体を封入して、前記第1のフィルムの前記金属層部分が前記被検査体の全周を囲んだ状態とする被検査体封入工程と、
前記検査用ガスとは異なる第1の充填用ガスを袋状とした前記第1のフィルム内に導入し、袋状とした前記第1のフィルム内を前記第1の充填用ガスで満たす第1の充填用ガス導入工程と、
前記検査用ガスを前記被検査体内に導入する検査用ガス導入工程と、
前記被検査体から前記検査用ガスが漏出しているか否かの検出を行う検出工程とを備えることを特徴とするリークテスト方法。
【請求項2】
前記被検査体封入工程の前に、前記被検査体のうち所定の検査対象領域を覆うように、第2のフィルムを前記被検査体の表面に取り付ける検査対象領域被覆工程を更に備え、
前記検出工程では、前記検査対象領域から前記検査用ガスが漏出しているか否かの検出を行うことを特徴とする請求項1に記載されたリークテスト方法。
【請求項3】
被検査体内に導入された検査用ガスが前記被検査体から漏出しているか否かを検査するリークテスト方法であって、
前記被検査体のうち所定の検査対象領域を覆うように、金属層を有するフィルムを前記被検査体の表面に取り付け、前記検査対象領域と前記フィルムの前記金属層部分とにより囲まれる空間を構成する検査対象領域被覆工程と、
前記検査用ガスとは異なる充填用ガスを前記空間内に導入し、前記空間内を前記充填用ガスで満たす充填用ガス導入工程と、
前記検査用ガスを前記被検査体内に導入する検査用ガス導入工程と、
前記被検査体から前記検査用ガスが漏出しているか否かの検出を行う検出工程とを備えることを特徴とするリークテスト方法。
【請求項4】
被検査体内に導入された検査用ガスが前記被検査体から漏出しているか否かを検査するリークテスト装置であって、
金属層を有する第1のフィルムと、
前記検査用ガスの有無を検出する検出手段と、
前記第1のフィルムと前記検出手段とを連結する流路を構成する金属管と、
前記被検査体内に検査用ガスを導入する検査用ガス導入手段とを備えることを特徴とするリークテスト装置。
【請求項5】
前記検出手段よりも上流側に配置され、前記検査用ガスとは異なる他のガスを前記流路から除去する除去手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載されたリークテスト装置。
【請求項6】
複数の第2のフィルムと、
主管部と、当該主管部から分岐して延び、前記第1のフィルム及び前記複数の第2のフィルムのそれぞれと連結された複数の分岐管部とを有し、前記第1のフィルム及び前記複数の第2のフィルムと前記検出手段とを連結する流路を構成する金属管と、
前記主管部と前記複数の分岐管部とのいずれの合流点よりも下流側で且つ前記検出手段よりも上流側に配置された流量調整手段とを更に備え、
前記除去手段は、前記流量調整手段よりも下流側で且つ前記除去手段よりも上流側に配置されており、
前記流量調整手段は、自身に流入してくる前記検査用ガス及び前記他のガスの流量が一定となるように調整することを特徴とする請求項5に記載されたリークテスト装置。
【請求項7】
被検査体内に導入された検査用ガスが前記被検査体から漏出しているか否かを検査するリークテスト装置であって、
金属層を有する複数のフィルムと、
前記検査用ガスの有無を検出する検出手段と、
主管部と、当該主管部から分岐して延び、前記複数のフィルムのそれぞれと連結された複数の分岐管部とを有し、前記複数のフィルムと前記検出手段とを連結する流路を構成する金属管と、
前記被検査体内に検査用ガスを導入する検査用ガス導入手段とを備えることを特徴とするリークテスト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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