説明

リードの締結装置

【課題】リードの締結装置であって、締結装置を支持体に取り付ける締結部分と、リードの支持部分とを備える、上記締結装置に関する。
【解決手段】リードの締結装置10は、締結装置10を支持体に取り付ける締結部分14と、リードの支持部分12とを備えている。締結装置10は、締結装置10をリードにて予め固定すべく支持部分12から伸びる少なくとも1つの追加的な保持部分16を更に備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リードの締結装置であって、締結装置を支持体に取り付ける締結部分と、リードの支持部分とを備える、上記締結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ケーブル又はケーブル線の形態をした液圧リード又は電気リードのようなリードを支持体に、特に、車体に締結する色々な締結装置が既知である。リードは、例えば、隣接するクリップ部分により車体の端縁にクリップ止めされるトラック上に取り付けられる。トラックと、基部分という2つの部分から成るケーブル締結具も既知である。基部分は、車体に形成された穴内に係合し、トラックをケーブルと共に車体上に締結する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、2つの部分から成る締結装置は、一般に、これらの部分を最初に組み立てなければならないという不利益な点がある。
本発明の目的は、取り扱いが容易であり、妥当な価格で且つ支持体への取り付けを容易にする、リードの締結装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、本発明に従って、締結装置をリード上に予め固定すべく支持部分から伸びる少なくとも1つの追加的な保持部分が提供される、当初に記載の型式の締結装置によって実現される。本発明は、組立工によってリードを支持体上に締結することは、締結装置をリード上に予め固定することができるとき、実質的により迅速に且つ、簡単に行うことができるとの知見に基づくものである。本発明に従って追加的に提供される保持部分は、支持体上に締結する前に、締結装置を簡単な仕方にてリードに一時的に取り付けることを可能にする。リードにおける締結装置の位置は、必要であれば、最後に締結装置をその締結部分と共に支持体に取り付ける前に、修正することができる。必要であれば、保持部分により固定することに加えて、リードは、別の方法にて締結装置と追加的に接続することができる。
【0005】
本発明の好ましい実施の形態に従い、反対方向に伸びる2つの保持部分が提供される。このことは、リードにてより安定的に固定することを可能にする。
リードを支持部分と保持部分との間にて締止めすることができる構造とされた保持部分は、更なる補助的手段無しにて、予め固定することを特に簡単なものにする。この予め固定した状態は容易に解除することもできる。
【0006】
保持部分は、リード上を横断方向に伸びる保持ブラケットを有することが好ましい。保持ブラケットは、リードに沿って伸びるアームを介して支持部分と接続することができる。アームは、接着テープ又は同様のものにてリードの締結装置への確実な取り付けが為されるとき、リードの締結トラック及び案内部として使用することもできる。
【0007】
弾性的に変形可能な保持部分は、締結装置をリード上にて簡単に保持し且つ安定化することを可能にする。
締結装置がリード上にて望ましくなく滑るのを防止するため、支持部分は、変位を防止する安全手段として作用する幾つかのリブを有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の更なる特徴及び有利な効果は、1つの好ましい実施の形態の以下の説明及び参照する添付図面から明らかになるであろう。図1及び図2には、本発明に従った締結装置の2つの異なる斜視図が示されている。
【0009】
図1及び図2に示した締結装置10は、プラスチックで出来ており、また、支持部分12を有している。該支持部分は、リードの支持体に締結される。装置10は、締結部分14と、2つの保持部分16とを更に有している。締結部分14は、リードから反対方向を向いた支持部分12の側部から伸びて且つ、締結装置10を支持体に締結する作用を果たす。締結部分14は、提供される締結型式(穴内に、ねじ付きボルト上に、金属薄板の端縁上に、等)に依存して、異なる構造のものとすることができる。
【0010】
支持部分12は、横断方向xに対して湾曲しており、また、締結部分14から反対方向を向いた側部にてリードに対する凹状の支持面を有している。図示した一例としての実施の形態において、支持面は、横断方向xに向けて伸びる、平行に配置された幾つかのリブ18により形成される。
【0011】
2つの保持部分16は、支持部分12の径方向端部から反対方向に向けて伸びている。保持部分16は、弾性的に変形可能な(可撓性の)細長いアーム20と、横断方向xに対して湾曲したブラケット22とからそれぞれ成っている。ブラケット22の曲率は、支持部分12の曲率に対して対向している。特に、図2から理解し得るように、アーム20は、締結部分14に向けて横断方向xに対して垂直な長手方向yに対して(すなわち、図2の図面に従って下方に)傾斜している。支持部分12の最下方点とブラケット22の下端との間の高さの差は、図2にて参照符号dにて示されている。
【0012】
リードを支持体に締結するためには、締結装置10を最初に、リード上に予め固定する。これを行う目的のため、リードは長手方向yに向けて支持面18に配置し、2つの保持ブラケット22はそれらの曲率に従って、リード上に配置する。細長いアーム20が傾斜しているため、締止め力は、ブラケット22と支持部分12との間にてリードに作用し、このため、締結装置10はリード上に固定される。締止め力は、主として、高さの差dによって決まる。支持部分12のリブ18は、長手方向yに向けたリード上の締結装置10の滑りに反作用する。しかし、予め固定した状態は困難なく解除することができるから、締結装置10の位置は、予め固定した後、依然として所望に応じて変更することができる。最終的にリードを支持体上に固定するため、次に、締結部分14を使用して締結装置10を支持体に取り付ける。保持部分16の締止め力が十分でないか又は追加的に固定しようとする場合、リードは、この場合、トラックとして作用するアーム20を使用してケーブルコネクタ、ケーブルクリップ、接着テープ又は別の方法にて接続することができる。
【0013】
本発明に従った締結装置10は、射出成形法により単一物として望ましいように製造することができる。締結装置10は、自動車の分野にて使用されるのみならず、特に、例えば、冷蔵庫、オーブン、洗濯機、皿洗い機、乾燥機等(いわゆる白物製品)のような電気装置にて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による締結装置の図である。
【図2】本発明による締結装置の図である。
【符号の説明】
【0015】
10 締結装置
12 支持部分
14 締結部分
16 保持部分
18 リブ
20 アーム
22 保持ブラケット
x 横断方向
y 長手方向
d 下端との間の高さの差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リードの締結装置(10)であって、締結装置(10)を支持体に取り付ける締結部分(14)と、リードの支持部分(12)とを備える、前記締結装置において、締結装置(10)をリードにて予め固定すべく支持部分(12)から伸びる少なくとも1つの追加的な保持部分(16)を備えることを特徴とする、リードの締結装置(10)。
【請求項2】
請求項1に記載の締結装置において、反対方向に向けて伸びる2つの保持部分(16)が提供されることを特徴とする、締結装置。
【請求項3】
請求項1に記載の締結装置において、保持部分(16)は、リードを支持部分(12)と保持部分(16)との間にて締止めすることができるような構造とされることを特徴とする、締結装置。
【請求項4】
請求項1に記載の締結装置において、保持部分(16)は、リードの上方にて横断方向に伸びる保持ブラケット(22)を有することを特徴とする、締結装置。
【請求項5】
請求項4に記載の締結装置において、保持ブラケット(22)は、リードに沿って伸びるアーム(20)を介して支持部分(12)と接続されることを特徴とする、締結装置。
【請求項6】
請求項1に記載の締結装置において、保持部分(16)は、弾性的に変形可能であることを特徴とする、締結装置。
【請求項7】
請求項1に記載の締結装置において、支持部分(12)は、変位を防止する安全手段として作用する幾つかのリブ(18)を有することを特徴とする、締結装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−95963(P2008−95963A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−266261(P2007−266261)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(500408588)ティーアールダブリュー・オートモーティブ・エレクトロニクス・アンド・コンポーネンツ・ゲーエムベーハー (11)
【Fターム(参考)】