説明

ルーバー用芯材、芯材付きルーバー及びルーバー設置構造

【課題】上下方向にルーバーを容易に且つしっかりと設置することができるルーバー用芯材、芯材付きルーバー及びルーバー設置構造を提供する。
【解決手段】芯材40付きのルーバー30の上金具50を上フレーム10の切欠部17に係合させ、フック部51を起立片15に掛止させる。また、下金具60を下フレーム20の切欠部27に係合させ、縦片23に重ね合わせ、ビス65をビス挿通孔61を通して縦片23にねじ込む。これにより、芯材40付きルーバー30の上下両端部が上下のフレーム10,20に固定される。その後、上フレーム10に上カバー80を装着し、下フレーム20に下カバー90を装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック製のルーバーに装着される芯材と、この芯材を備えたルーバーと、このルーバーを設置した構造とに関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック製のルーバーを水平に配置した建物が特開2002−180627に記載されている。同号公報では、ルーバー内にコ字形断面形状の型鋼が挿通されている。建物の壁面からは接続部材が前方に突設するように設けられている。ルーバーは、この接続部材同士の間に配置され、型鋼を接続部材に支持させることにより建物に取り付けられる。
【特許文献1】特開2002−180627
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のルーバーは水平に横引きされている。本発明は、縦長すなわち上下方向にルーバーを容易に且つしっかりと設置することができるルーバー用芯材、芯材付きルーバー及びルーバー設置構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1のルーバー用芯材は、縦長に設置される中空筒状のセラミック製のルーバーに挿通される芯材であって、該ルーバーの長手方向に延在する芯材本体と、該芯材本体の上端側に設けられたフック部とを備えてなるものである。
【0005】
請求項2のルーバー用芯材は、請求項1において、前記芯材本体の上端側に、前記フック部を有した上金具が、該芯材本体からの上方への突出長さ変更可能に設けられていることを特徴とするものである。
【0006】
請求項3のルーバー用芯材は、請求項1又は2において、前記芯材本体の下端側に、留付具の挿通孔を有した下金具が、芯材本体からの下方への突出長さ変更可能に設けられていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項4の芯材付きルーバーは、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のルーバー用芯材をセラミック製ルーバーに挿通して固着し、該ルーバー用芯材の両端をそれぞれルーバー本体から突出させてなるものである。
【0008】
請求項5のルーバー設置構造は、複数本の請求項4の芯材付きルーバーが上下方向に平行に配列され、該ルーバーの上方に横長に配置された上フレームに対し前記フック部が掛止され、該ルーバーの下方に横長に配置された下フレームに対し芯材の下部を留付具によって固定したことを特徴とするものである。
【0009】
請求項6のルーバー設置構造は、請求項5において、前記上フレーム及び下フレームには、それぞれ、前記芯材が係合する切欠部が所定間隔をおいて設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項7のルーバー設置構造は、請求項6にいて、前記上フレーム及び下フレームにアンカー穴が設けられており、該アンカー穴を通過したアンカー部材によって上フレーム及び下フレームがそれぞれ建物躯体にアンカー留めされており、該アンカー穴は前記切欠部同士の間の位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項8のルーバー設置構造は、請求項7において、上フレーム及び下フレームはそれぞれ3個以上の前記切欠部及び2個以上の前記アンカー穴を備えており、複数個所において上フレーム及び下フレームがアンカー留めされていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項9のルーバー設置構造は、請求項8において、切欠部の設置間隔が同一であり、切欠部の数が3,4又は5である上フレーム及び下フレームによってルーバーが設置されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項10のルーバー設置構造は、請求項5において、前記上フレーム及び下フレームには、それぞれ、ルーバー同士の間隔を決めるためのスペーサの装着部が設けられており、該装着部に装着されたスペーサがルーバー同士の間に介在していることを特徴とするものである。
【0014】
請求項11のルーバー設置構造は、請求項10において、該装着部は、上フレーム及び下フレームの長手方向に延在した溝部よりなることを特徴とするものである。
【0015】
請求項12のルーバー設置構造は、請求項5ないし11のいずれか1項において、前記上フレームに着脱可能に上カバーが装着され、前記下フレームに着脱可能に下カバーが装着されており、該上カバーは、該上フレームに沿って延在し、前記ルーバーから上方に突出した芯材の上部を隠蔽しており、該下カバーは、該下フレームに沿って延在し、前記ルーバーから下方に突出した芯材の下部を隠蔽していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明のルーバー用芯材、芯材付きルーバー及びルーバー設置構造にあっては、該ルーバー用芯材の上部のフック部を上フレームに掛止し、芯材下部を下フレームに留付具によって固定することにより、ルーバーが設置される。このように、芯材上部のフック部を上フレームに掛止とするので、ルーバーの設置が極めて容易であると共に、ルーバーの設置強度、耐久性も良好となる。
【0017】
請求項2,3のルーバー用芯材によれば、上金具又は下金具の突出長さを変更することにより、上フレームと下フレームとの間隔が異なる場合でもルーバーを設置することが可能となる。
【0018】
請求項6のルーバー設置構造によれば、ルーバーを切欠部の位置に正確に配置することができる。
【0019】
請求項7のルーバー設置構造にあっては、フレーム(上フレーム及び下フレーム)をアンカーによって建物躯体に強固に取り付けることができる。また、このアンカーが切欠部同士の間の位置に配置されるため、芯材をフレームに取り付ける際に、アンカー部材と芯材との干渉が生じない。
【0020】
請求項8のルーバー設置構造にあっては、複数個所でフレームをアンカー留めするので、フレームの回転(旋回)が防止される。
【0021】
請求項9のルーバー設置構造によると、切欠部の数が異なるフレームを組み合わせることにより、後述の第13図のように、ルーバーの設置本数を自在に変更することができる。
【0022】
請求項10のルーバー設置構造によると、スペーサによってルーバーの設置間隔を決めることができる。
【0023】
請求項11のルーバー設置構造によると、スペーサの配置位置を任意とすることができるので、スペーサとして別寸法のものを用いることにより、ルーバーの設置位置及び間隔を自在に変更することができる。
【0024】
請求項12によると、芯材の上下両端側をカバーで隠蔽するので、美観が向上する。また、フレームとカバーとで芯材を挟みつけるように構成することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
【0026】
第1図は実施の形態に係るルーバー用芯材、芯材付きルーバー及びルーバー設置構造を示す断面図、第2図(a),(b)は第1図の上部及び下部の拡大図、第3図は芯材を示す分解斜視図、第4図は上フレームの斜視図、第5図は下フレームの斜視図、第6図は上フレームと芯材付きルーバーとの係合関係を示す分解斜視図、第7図は下フレームと芯材付きルーバーとの係合関係を示す分解斜視図、第8図は上フレームと上カバーとの係合関係を示す分解斜視図、第9図は下フレームと下カバーとの係合関係を示す分解斜視図、第10図はフレーム端部のカバー装着状況を示す分解斜視図、第11図はフレーム端部のカバー装着状況を示す斜視図、第12図は3種類の下フレームの平面図、第13図はルーバーの割り付け図、第14図はフック金具及び連結金具の正面図、第15図はフック金具及び連結金具の別例を示す正面図、第16図は別の実施の形態に係るルーバー設置構造の上部を示す斜視図、第17図は第16図の分解斜視図、第18図は別の実施の形態に係るルーバー設置構造の下部を示す斜視図、第19図は第18図の分解斜視図である。
【0027】
第1,2図の通り、建物の天井1と床2とに上フレーム10及び下フレーム20が取り付けられ、この上フレーム10と下フレーム20との間にルーバー30が設置されている。ルーバー30には芯材40が挿通されており、芯材40の上下両端部が上フレーム10及び下フレーム20に取り付けられている。
【0028】
フレーム10,20は、好ましくはアルミの押出成形材よりなる。
【0029】
上フレーム10は、第4,6図に明示の通り、水平な主片11と、この主片11に連なる上向き略コ字形断面形状のコ字部12と、該コ字部12の主片11側から垂下する垂下片13と、該垂下片13から主片11と同じ側に張り出す張出片14と、該張出片14から上方に立ち上がる起立片15と、垂下片13の下端とコ字部12の主片11と反対側の側面とを繋ぐ略L字形断面形状の補強片16等を備えている。
【0030】
この上フレーム10は一直線状に延在するレール形であり、上記主片11、コ字部12、垂下片13、張出片14、起立片15及び補強片16はいずれも上フレーム10の延在方向に延在している。起立片15は垂下片13の近傍に位置しており、起立片15と垂下片13との間には、後述のフック部51が上方から差し込まれるスペースがあいている。
【0031】
張出片14には、その長手方向に所定間隔をおいて切欠部17が設けられている。切欠部17は、張出片14の側端縁から起立片15に達するように切り込まれている。
【0032】
主片11にはその長手方向に所定間隔をおいてアンカー穴18が設けられている。各アンカー穴18は切欠部27同士の間の位置の上方に配置されている。
【0033】
張出片14の下面には、起立片15と張出片の先端縁側との間に、後述の上カバー80を係止するための溝部19aが設けられている。また、主片11の端縁から突条19bが下方に突設されている。
【0034】
下フレーム20は、第5,7図に明示の通り、水平な主片21と、この主片21に連なる下向き略コ字形断面形状のコ字部22と、該コ字部22の主片21側から立ち上がる縦片23と、該縦片23から主片21と同じ側に張り出す張出片24と、主片21のコ字部22と反対側の端縁部から上方に突設された突条25と、縦片23の上端とコ字部22の主片21と反対側の側面とを繋ぐ略逆L字形断面形状の補強片26等を備えている。
【0035】
この下フレーム20は一直線状に延在するレール形であり、上記主片21、コ字部22、縦片23、張出片24、突条25及び補強片26はいずれも下フレーム20の延在方向に延在している。
【0036】
張出片24には、その長手方向に所定間隔をおいて切欠部27が設けられている。切欠部27は、張出片24の側端縁から縦片23に達するように切り込まれている。
【0037】
主片21には、その長手方向に所定間隔をおいてアンカー穴28が設けられている。各アンカー穴28は切欠部27同士の間の位置の下方に配置されている。
【0038】
張出片24の上面には、後述の下カバー90を係止するための溝部29が設けられている。
【0039】
上フレーム10及び下フレーム20は、アンカー穴18,28に挿通されたアンカーボルト(図示略)によって天井1、床2に固定される。各アンカー穴18,28を上フレーム10及び下フレーム20にそれぞれ2個以上設けておき、2ヶ所以上でアンカー留めすることにより、フレーム10,20の回転(旋回)が防止される。
【0040】
なお、フレーム10,20は、建物の壁面から突設された方立てなどのブラケットを介して壁面に取り付けられてもよい。
【0041】
ルーバー30はセラミック(陶磁器)製であり、この実施の形態では方形筒状である。
【0042】
芯材40は、ルーバー30と略同一長さの芯材本体41と、この芯材本体41の上端に取り付けられた上金具50と、芯材本体41の下端に取り付けられた下金具60及びルーバー支持金具70を備えている。芯材本体41は略角柱形であり、好ましくはアルミの押出成形材よりなる。
【0043】
芯材本体41の一側面には、芯材本体41の長手方向に延在する凸条42,43が設けられ、これに隣接する側面には同様に凸条44,45が設けられている。この凸条42,43同士及び凸条44,45同士の間の芯材本体側面に接着剤を塗着しておき、ルーバー30の内面に芯材40を接着固定する。
【0044】
上金具50は、上下に長い帯板状であり、その上端部に下向きL形のフック部51が設けられている。上金具50にはリベット孔52が設けられており、芯材本体41から上方に突出するように、リベット53によって芯材本体41の上部に連結固定される。
【0045】
下金具60は、上下に長い帯板状であり、リベット孔62が上部ないし中間部に設けられ、ビス65(第1,2図)の挿通孔61が下部に設けられている。この下金具60はリベット63によって、芯材本体41から下方に突出するように、芯材本体41の下部に連結固定される。
【0046】
支持金具70は、芯材本体41内に差し込まれる本体部71と、該本体部71の下端から側方に突出した突出部72と、本体部71に設けられたリベット孔73とを備えた略L字形の金具である。この支持金具70は、その本体部71が芯材本体41の下端から芯材本体41内に差し込まれ、リベット74によって芯材本体41に連結固定される。突出部72は芯材本体41の下端から前方に突出し、ルーバー30を下から支える。
【0047】
前述の通り、芯材本体41が接着剤によってルーバー30の内面に接着されると共に、支持金具70によって下から支えられるようにして芯材40付きのルーバー30が製作される。
【0048】
この芯材40付きのルーバー30を上フレーム10及び下フレーム20間に配設するには、この芯材40付きのルーバー30の上金具50を上フレーム10の切欠部17に係合させ、フック部51を起立片15に掛止させる。また、下金具60を下フレーム20の切欠部27に係合させ、縦片23に重ね合わせ、ビス65をビス挿通孔61を通して縦片23にねじ込む。これにより、芯材40付きルーバー30の上下両端部が上下のフレーム10,20に固定される。
【0049】
なお、アンカー穴18,28が切欠部17,27の間の位置に配置されているので、上金具50及び下金具60は、アンカー金具と干渉しない。
【0050】
その後、上フレーム10に上カバー80を装着し、下フレーム20に下カバー90を装着する。
【0051】
第8図の通り、上カバー80は、横片81と、該横片81から立ち上がる縦片82とを有した略L字形断面形状である。横片81の側縁に突条83が設けられている。縦片82の上端には上向きの溝部84が設けられている。図示は省略するが横片81にはビス86の挿通孔が設けられている。
【0052】
突条83を上フレーム10の溝部19aに係合させ、溝部84を突条19bに嵌合させると、横片81が張出片14に下から重なる。そこで、ビス86をビス挿通孔を通して張出片14にねじ込むことにより、第1,2図の通り、上カバー80が上フレーム10に装着される。
【0053】
上フレーム10の切欠部17は、溝部19aを横切って起立片15にまで達するように設けられており、上金具50は、上カバー80の横片81の側端縁と起立片15との間に挟まれた構造となる。
【0054】
第9図の通り、下カバー90は、横片91と、該横片91から垂下する縦片92とを有した略逆L字形断面形状である。横片91の側縁に突条93が設けられている。縦片92の下端には下向きの溝部94が設けられている。横片91にはビス96の挿通孔95が設けられている。
【0055】
突条93を下フレーム20の溝部29に係合させ、溝部94を突条25に嵌合させると、横片91が張出片24に下から重なる。そこで、ビス96をビス挿通孔95を通して張出片24にねじ込むことにより、第2図の通り、下カバー90が下フレーム20に装着される。
【0056】
下フレーム20の切欠部27は、溝部29を横切って縦片23にまで達するように設けられており、下金具60は、下カバー90の横片91の側端縁と縦片23との間に挟まれた構造となる。
【0057】
なお、上カバー80と下カバー90とは合成樹脂又はアルミニウム等の金属よりなるものである。この実施の形態では、上カバー80と下カバー90とは同一形状のものであり、下カバー90は上カバー80を上下反転させたものとなっている。
【0058】
上記のように上カバー80及び下カバー90を装着した上フレーム10及び下フレーム20の長手方向の両端に蓋材を取り付ける。第10,11図は下フレーム20に蓋材97を取り付けた構造を示す斜視図である。
【0059】
この蓋材97は、下フレーム20及び下カバー90の端面に被さるキャップ状であり、下フレーム20及び下カバー90の外周縁に外嵌させた後、ビス98によって下カバー90に固定される。
【0060】
なお、同一の蓋材97を上下反転させることにより、上フレーム10及び上カバー80の端部に装着される。
【0061】
上記実施の形態では、上金具50のフック部51を起立片15に引掛けることによって上金具50を上フレーム10に掛止しているが、この場合、上金具50にガタツキが生じるおそれがある。そこで、このガタツキを防止するために、切欠部17と上金具50との間や、フック部51と起立片15との間、あるいはフック部15と垂下片13との間にゴム、合成樹脂等よりなるパッキン等の軟質材料を介在させてもよい。
【0062】
また、上金具と上フレームとを結合する場合に、フック部51と起立片15との掛止に加え、さらに第20図(a),(b)のように、ビス留めを行うようにしてもよい。
【0063】
第20図の上金具50Aでは、フック部51から上方に立上片57が突設されている。この立上片57を上フレーム10の垂下片13に重ね合わせ、ビス58で該立上片75と垂下片13とを連結する。これにより、上金具50Aが上フレーム10に対し強固に連結され、上金具50Aにガタツキが生じることがない。
【0064】
この場合、芯材40が熱で膨張又は収縮した場合の応力を吸収するために、下金具60Aのビス孔61を上下に長い長孔とする。
【0065】
第20図のその他の構成は第2図と同様であり、同一符号は同一部分を示している。
【0066】
本発明では、上フレーム10及び下フレーム20をそれぞれ1本ずつ設置してもよく、複数本を継ぎ足すように設置してもよい。後者の場合、同一長さのフレームを継ぎ足してもよく、長さの異なるフレームを継ぎ足してもよく、これらを組み合わせても継ぎ足してもよい。フレームの継ぎ足し例について第12,13図を参照して説明する。
【0067】
第12図は、切欠部27が5個の長い下フレーム20Bと、切欠部27が3個の短い下フレーム20Cと、切欠部27が4個の中間長さの下フレーム20Dとを示す平面図である。図示はしないが、切欠部が11個の特に長い下フレーム20Aも組み合わせに用いられる。切欠部27同士の間のピッチは下フレーム20A〜20Dにおいて同一である。
【0068】
なお、第13図では、20A〜20Dから数字20を省略し、A,B,C又はDのみを記載している。第13図は下フレームのみを示しているが、上フレームも同様である。
【0069】
第13図の上から順に説明すると、下フレーム20C、20D、20Bを1本のみ用いると、ルーバーを3,4又は5本配設することができる。下フレーム20Cを2本継ぎ足すとルーバーを6本配設することができる。下フレーム20C、20Dを継ぎ足すとルーバーを7本配設することができる。下フレーム20Dを2本継ぎ足すとルーバーを8本配設することができる。下フレーム20D、20Bを継ぎ足すとルーバーを9本配設することができる。下フレーム20Bを2本継ぎ足すとルーバーを10本配設することができる。下フレーム20Aを1本用いると、ルーバーを11本配設することができる。下フレーム20Dを3本継ぎ足すとルーバーを12本配設することができる。下フレーム20Bを2本、20Cを1本継ぎ足すとルーバーを13本配設することができる。下フレーム20A、20Cを継ぎ足すとルーバーを14本配設することができる。下フレーム20A、20Dを継ぎ足すとルーバーを15本配設することができる。下フレーム20A、20Bを継ぎ足すとルーバーを16本配設することができる。下フレーム20Cを2本、20Bを1本継ぎ足すとルーバーを17本配設することができる。下フレーム20C、20A、20Dを継ぎ足すとルーバーを18本配設することができる。下フレーム20Dを2本、20Aを1本継ぎ足すとルーバーを19本配設することができる。下フレーム20B、20A、20Dを継ぎ足すとルーバーを20本配設することができる。
【0070】
本発明では、上金具50及び下金具60のルーバー30からの突出長さを変更し、フレーム10,20間の距離が異なる場合でもルーバーを設置することができるよう構成してもよい。
【0071】
第14図はそのための上金具50A〜50F及び下金具60A〜60Fの正面図である。上金具50A,50B,50C,50D,50E,50Fの順にリベット孔52が下位に配置されており、上金具のルーバー30からの上方への突出長さが大きくなる。
【0072】
下金具60A,60B,60C,60D,60E,60Fの順にリベット孔62が上位に配置されており、下金具のルーバー30からの下方への突出長さが大きくなる。
【0073】
このようにリベット位置の異なる上金具及び下金具を用いる代りに、第15図のように上下に多数のリベット孔52,62を設けた上金具50G及び下金具60Gを用いてもよい。
【0074】
上記実施の形態では、上フレーム10及び下フレーム20に切欠部17,27を設けることにより、ルーバー30の位置決め及び配列ピッチ決めを行っているが、本発明では切欠部を省略し、代りにルーバー同士の間にスペーサを介在させてルーバー30の位置決め及び配列ピッチ決めを行ってもよい。
【0075】
かかる構成の一例について第16図〜第19図を参照して説明する。
【0076】
第16図はルーバーと上フレームとの連結部を示す斜視図、第17図はその分解図、第18図はルーバーと下フレームとの連結部を示す斜視図、第19図はその分解図である。
【0077】
第16,17図の上フレーム110は、略方形断面形状の本体部111と、該本体部の1つの側面111aの下部から突設された上向きL字形断面形状の掛止部112とを有する。上フレーム110は、側面111aが縦面となるように設置される。
【0078】
ルーバー30には芯材40(第16,17図では図示略)が取り付けられている。この芯材40の上部の上金具50のフック部51を掛止部112に掛止させる。そして上金具50同士の間にスペーサ120を介在させる。
【0079】
スペーサ120は、第17図に明示の通り、h字形断面形状の本体部121と、該本体部121の下部から水平方向に突設された横片部122と、本体部121の上部に設けられたビス挿通孔123と、本体部121の底部に設けられた溝部124とを有する。
【0080】
この溝部124を装着部としての掛止部112に上方から係合させ、本体部121を側面111aに重ね合わせるようにして、スペーサ120を配置し、ビス125を孔123から側面111aにねじ込んでスペーサ120を固定する。なお、1つのルーバー30を配置してから、それに隣接してスペーサ120を配置し、その後このスペーサ120に隣接して次のルーバー30を配置するのが好ましい。
【0081】
第18,19図の通り、ルーバー30の下部を固定するための下フレーム130は、略方形断面形状の本体部131と、該本体部131の底面から下方に突設された1対のL字形断面形状の脚片部132、133と、一方の脚片部132から水平方向に張り出した張出部134と、本体部131の張出部134側の側面131aの上部に設けられた溝部135とを備えている。この溝部135は、入口側が若干狭くなっている。
【0082】
スペーサ140は、垂下片141、張出片142及び突片部143を有した略T字形断面形状のものである。垂下片141の上端から一方に張出片142が張り出し、他方に突片部143が突設されている。突片部143は、先端側が鏃矢尻形断面形状となっている。なお、張出片142の基端側から上方に若干の凸部144が突設されている。この突片部143を装着部としての溝部135に差し込むことにより、スペーサ140が下フレーム130に装着される。
【0083】
1つのルーバー30の下金具60を側面131aに当ててビス65を孔61を通して該側面131aにねじ込んだ後、スペーサ140を下フレーム130に装着し、その後、このスペーサ130に隣接して次のルーバー30を配置するのが好ましい。
【0084】
この実施の形態で、掛止部112及び溝部135がフレーム110,130の長手方向に連続して延在しているので、スペーサ120,140をフレーム110,130の任意の位置に配置することができる。そのため、幅(フレーム長手方向に沿う幅)が異なるスペーサを用い、ルーバー30の設置間隔を任意に設置することが可能である。
【0085】
上記実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】実施の形態に係るルーバー用芯材、芯材付きルーバー及びルーバー設置構造を示す断面図である。
【図2】(a),(b)は第1図の上部及び下部の拡大図である。
【図3】芯材を示す分解斜視図である。
【図4】上フレームの斜視図である。
【図5】下フレームの斜視図である。
【図6】上フレームと芯材付きルーバーとの係合関係を示す分解斜視図である。
【図7】下フレームと芯材付きルーバーとの係合関係を示す分解斜視図である。
【図8】上フレームと上カバーとの係合関係を示す分解斜視図である。
【図9】下フレームと下カバーとの係合関係を示す分解斜視図である。
【図10】フレーム端部のカバー装着状況を示す分解斜視図である。
【図11】フレーム端部のカバー装着状況を示す斜視図である。
【図12】3種類の下フレームの平面図である。
【図13】ルーバーの割り付け図である。
【図14】フック金具及び連結金具の正面図である。
【図15】フック金具及び連結金具の別例を示す正面図である。
【図16】別の実施の形態に係るルーバー設置構造の上部を示す斜視図である。
【図17】第16図の分解斜視図である。
【図18】別の実施の形態に係るルーバー設置構造の下部を示す斜視図である。
【図19】第18図の分解斜視図である。
【図20】さらに別の実施の形態に係るルーバー用芯材、芯材付きルーバー及びルーバー設置構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0087】
10,100 上フレーム
17,27 切欠部
20,20A〜20D,130 下フレーム
30 ルーバー
40 芯材
50 上金具
51 フック部
60 下金具
80 上カバー
90 下カバー
97 蓋材
120,140 スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦長に設置される中空筒状のセラミック製のルーバーに挿通される芯材であって、
該ルーバーの長手方向に延在する芯材本体と、
該芯材本体の上端側に設けられたフック部と
を備えてなるルーバー用芯材。
【請求項2】
請求項1において、前記芯材本体の上端側に、前記フック部を有した上金具が、該芯材本体からの上方への突出長さ変更可能に設けられていることを特徴とするルーバー用芯材。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記芯材本体の下端側に、留付具の挿通孔を有した下金具が、芯材本体からの下方への突出長さ変更可能に設けられていることを特徴とするルーバー用芯材。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のルーバー用芯材をセラミック製ルーバーに挿通して固着し、該ルーバー用芯材の両端をそれぞれルーバー本体から突出させてなる芯材付きルーバー。
【請求項5】
複数本の請求項4の芯材付きルーバーが上下方向に平行に配列され、
該ルーバーの上方に横長に配置された上フレームに対し前記フック部が掛止され、
該ルーバーの下方に横長に配置された下フレームに対し芯材の下部を留付具によって固定したことを特徴とするルーバー設置構造。
【請求項6】
請求項5において、前記上フレーム及び下フレームには、それぞれ、前記芯材が係合する切欠部が所定間隔をおいて設けられていることを特徴とするルーバー設置構造。
【請求項7】
請求項6にいて、前記上フレーム及び下フレームにアンカー穴が設けられており、該アンカー穴を通過したアンカー部材によって上フレーム及び下フレームがそれぞれ建物躯体にアンカー留めされており、
該アンカー穴は前記切欠部同士の間の位置に設けられていることを特徴とするルーバー設置構造。
【請求項8】
請求項7において、上フレーム及び下フレームはそれぞれ3個以上の前記切欠部及び2個以上の前記アンカー穴を備えており、
複数個所において上フレーム及び下フレームがアンカー留めされていることを特徴とするルーバー設置構造。
【請求項9】
請求項8において、切欠部の設置間隔が同一であり、切欠部の数が3,4又は5である上フレーム及び下フレームによってルーバーが設置されていることを特徴とするルーバー設置構造。
【請求項10】
請求項5において、前記上フレーム及び下フレームには、それぞれ、ルーバー同士の間隔を決めるためのスペーサの装着部が設けられており、
該装着部に装着されたスペーサがルーバー同士の間に介在していることを特徴とするルーバー設置構造。
【請求項11】
請求項10において、該装着部は、上フレーム及び下フレームの長手方向に延在した溝部よりなることを特徴とするルーバー設置構造。
【請求項12】
請求項5ないし11のいずれか1項において、前記上フレームに着脱可能に上カバーが装着され、前記下フレームに着脱可能に下カバーが装着されており、
該上カバーは、該上フレームに沿って延在し、前記ルーバーから上方に突出した芯材の上部を隠蔽しており、
該下カバーは、該下フレームに沿って延在し、前記ルーバーから下方に突出した芯材の下部を隠蔽していることを特徴とするルーバー設置構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−101015(P2010−101015A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271145(P2008−271145)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】