説明

ルービックキューブ式多目的円柱型回転パズル

【課題】回転立体パズルの完成までの手順の予見を困難にして、パズルの難易度を高める。また、完成形を立体的で美しく見せること。また、他のパズルに転用できるようにする。
【解決手段】縦回転で全体の半数のピースを一度で反転させ、本体4の形状を円柱形としコーナーキューブを設けない構造とし、完成形の色の配列を立体的とする。また分解・組立が容易にできる構造にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体回転パズルに関するものであり、パズルの完成形に至るまでの手順の予見を困難にすることにより、考える楽しさ・完成したときの達成感を増大させるとともに、完成形を立体的で美しく見せるものである。また、本体を分解・組立が簡単にできる構造にすることにより、分解したピースで造形パズルを楽しむなど、他のパズルに転用できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種の回転立体パズルは代表的なものに、1975年エルノー・ルービック氏が発明したルービックキューブがあるが、またその他類似の物が多数商品化されている。
【特許文献1】 特開 平成5年−15664号 公報
【非特許文献1】 秋山久義著、「キューブパズル読本」 新紀元社出版 2004年7月12日発行 P107〜P196
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のような立体回転パズルでは、完成形は色をそれぞれの面で揃えること、また、各ピースはそのピースの隣には移動できない構造であること等から完成までの手順の予見が比較的容易で、攻略本、ウエブサイトなどで完成までの手順が公開されているのが現状である。従って、完成したときの達成感が薄く、また、完成形は色の配置が平面的で必ずしも美しいとは言えない。また、他のパズルに転用できない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するための請求項1の考案は縦回転の際、一度の操作で全体の半数の7ピースをまとめて反転するようにする。(図9参照)
【0005】
また、上段と下段の図6−5のような突条を有する各ピースは、それぞれ図5−1のような中段の条溝を介して上段と下段の間のどの位置にも自由に移動するようにする。
【0006】
本体の円柱面の円周上の6列は、各列同一色に並び、かつ、両隣の色が異なる配色になるとことをパズルの完成形とする。また、中段ピースに設けられた図7−2のような回転軸を抜き差しすることにより、本体を分解・組立が簡単にできるようにした。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、動かしたいピースを移動する際、動かしたくない多くのピースまで同時に移動してしまうことになり、また、上段と下段の各ピースは所定の位置が定まらず、手順の予見が持ちにくくなり、完成までの手順の予見が複雑化できる。また、完成形は立体的に見えて美しい。
【0008】
また、本体を簡単に分解・組立ができるようにすることにより、分解した各ピースを造形パズルとして使用できる。(図10参照)
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図7と図9は、中段に設けた回転軸を介して縦方向に同時に7個のピースをまとめて反転する様子を示した図である。また、回転軸で中段のピース同士を連結する。
【0010】
また、各ピースが本体から分離することを防止するため、中段ピースの表面と裏面に図5−1のような条溝を設け、この条溝と下段の突条が互いに滑合することにより本体を保持し、また、上段と下段の各ピースはこの中段の条溝を介して移動することとする。(図8参照)
【0011】
また、本体の保持をより確実にするため、中段ピースの回転面に1000ガウス程度の図5の3のような永久磁石をもうけ、磁石どうしが互いに引きあうことにより、中段ピース同士を平行に保つようにする。
【0012】
本体の円柱面の円周上の6列は、各列同一色に並び、かつ、両隣の色が異なる配色になることをパズルの完成形とする。
【0013】
また、中段の図7の2のような回転軸をぬきさしできるようにし、分解・組立が簡単にできるようにする。
【社会的な需要の可能性】
【0014】
1980年代にルービックキューブが日本でブームになったように、本考案の立体回転パズルの特長を多くの人々に周知すれば需要の高まりが期待できる。
【0015】
また、本発明の材料は、プラスチック・金属・木材など、加工可能な素材であれば、なんでもよいが、人、環境面への配慮、また使ったときの手触り感のよさなどから、木材とするのが望ましい。
【0016】
本発明のルービックキューブ式多目的円柱形回転パズルは、工業的にも量産が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 本発明に係る本体の前方から見た外観図である。
【図2】 本発明に係る上段ピースの集合体の平面図である。(上段ピースは、下段ピースと形状は同じ形状である。)
【図3】 本発明に係る中段ピースの図2におけるA−A’線の断面図である。
【図4】 本発明に係る中段ピースの平面図である。
【図5】 本発明に係る図4におけるB−B’線の断面図である。
【図6】 本発明に係る上段ピースの立面図である。
【図7】 本発明に係る中段ピースの立面図である。
【図8】 本発明に係る図1におけるC−C’線の断面図である。
【図9】 本発明に係る上段・中段・下段のピースが反転するときのようす示した立面図である。
【図10】 本発明に係る各ピースを造形パズルとして使用したときの造形例ある。
【符号の説明】
【0018】
1 条溝
2 回転軸
3 永久磁石
4 本体
5 突条

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の形状が、円柱形で3等分に輪切りした三層構造(以下 上から上段・中段・下段という。)にしてあり上下段はそれぞれ中心角60度に分割した6個の扇状の単位立体(以下ピースという。)の合計12個からなり、中段は半円形に分割した2個のピースからなり、その断面の中心に設けた1本の回転軸で連結してある。
また、上下段の合計12個のピースは2個一組でその全面を6色に色分けしてあり中段のピースはその円柱面の円周上に上下段のピースと同色の6色で縦に等分の一色ずつで色分けしてある。
また、上下段の各ピースに設けた突条と中段の各ピースの表面と裏面に設けた条溝で上下段のピースと中段のピースを滑合させることにより、本体の保持及び各ピースの移動を可能にする。また、中段に設けた一本の回転軸で本体を構成する全体の半数に相当する7個のピースをまとめて反転させることから、上下段の各ピースは上段と下段の間を自由に移動する。以上のごとく、本体の形、構造を工夫したことによりパズルの完成までの手順の予見を困難にしていることを特長とする立体回転パズル。
【請求項2】
本体の円柱面の円周上の6列は、各列同一色に並び、かつ、両隣の色が異なる配色になるとパズルとして完成形となる。完成形ができたとき、美しく見えるようにした請求項1に記載の立体回転パズル。
【請求項3】
中段のピースに設けた回転軸を引き抜くと、簡単に本体が分解でき、分解した各ピースで造形パズルが楽しめ、また本体の復元(組立)も簡単にできることにした請求項1に記載の立体回転パズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−229288(P2008−229288A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−107587(P2007−107587)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(507086712)
【Fターム(参考)】