ループ不織布ウェブ
本発明は複数個のループを含む不織布ウェブに関する。前記ループの少なくとも一つは約4:1を超えるループ基底長に対するループ円周長の比率を有する。ループは又0.5cm未満の基底長及びループの最大幅未満の基底長を有してよい。本発明は又不織布ウェブを含む使い捨て衛生物品及び拭き取り用品からなる群から選択される物品に関し、不織布ウェブの少なくとも一つの区域は不織布ウェブの表面積の少なくとも約10%においてループを含む。複数個のループを含む不織布ウェブを製造する方法も包含される。前記方法は不織布ウェブを提供する工程と、不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する手段を提供する工程と、不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する工程とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、不織布ウェブと不織布ウェブから作製される製品に関する。より具体的には、本発明はループを包含する非平坦不織布ウェブの取得に関する。ループウェブは種々の製品用途に使用されてよい。
【背景技術】
【0002】
多くの製品用途において、繊維ウェブは、嵩高な質感及び/又は柔軟性を有することが望ましい。例えば、テリークロスとして既知の織布は、嵩高な質感と柔軟性を有し、バスタオル、拭き取り布、よだれ掛け、衣類及び椅子張り用布帛に使用されることが多い。テリークロスは、レピア織機などの特別に作製された織機上で製織される。テリークロスはタフト化した糸のループを特徴とし、タフトは、ループの数及び密度を変更することができる。しかしながら、テリークロスは、それを製造するのに必要な比較的複雑で高価な織機のため、比較的高価である。テリークロスは、その費用のため、多くの用途、特に、使い捨て吸収性物品などの、限られた用途を対象とする物品用としては商業的に実施することができない。
【0003】
テリークロスの外観を有する不織布を製造する試みがなされてきた。例えば、米国特許第4,465,726号及び米国特許第4,379,799号(共にホームズ(Holmes)ら)には、特殊なフォーミングベルト上で繊維の流体交絡により製造される有孔のリブ付きのテリークロスのような不織布が記載されている。ホームズらの特許文献に開示された方法において開口を持たないことが可能であるとしても、流体交絡が、不織布ウェブ、特に使い捨て物品での使用を対象としたウェブを製造するには比較的高価なプロセスであることは周知である。更に、流体交絡により形成されたウェブは、典型的にはウェブの全区域に流体の力が加えられ、それ故、ウェブ全ての区域には流体の力の機械的エネルギーが印加される。
【0004】
嵩高な質感及び/又は柔軟性を提供する他の方法が知られている。一つの方法としては、弾性様挙動及び柔軟な布様質感を提供する方法を記載する米国特許第5,518,801号及び米国特許第5,650,214号並びに米国出願第2002−0,128,617−A1号が挙げられる。他の方法としては、特に米国特許第5,670,234号及び米国特許第4,674,591号に記載のPGIエーペックステクノロジー(Apex technology)が挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
なされた努力にもかかわらず、テリークロス様特性を有する不織布ウェブを製造することへの更なる要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は複数個のループを包含する少なくとも一つの区域を含む不織布ウェブに関する。少なくとも前記ループ部分は約4:1を超えるループ基底長に対するループ円周長の比率を有する。ループは又0.5cm未満の基底長及びループの最大幅未満の基底長を有してよい。又、本発明は不織布ウェブを含む使い捨て衛生物品及び拭き取り用品からなる群から選択される物品に関し、不織布ウェブの少なくとも一つの区域が不織布ウェブの表面積の少なくとも約10%においてループを含む。複数個のループを含む不織布ウェブを製造する方法も含まれる。その方法は不織布ウェブを提供する工程と、不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する手段を提供する工程と、不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する工程とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
テリークロスのように見え、テリークロス様特性の柔軟性と嵩の質感を有する不織布ウェブを作製することが望まれる。テリークロスは通常タオルなどの柔軟で吸収性の製品を作製するために使用される織布である。製織されるテリークロス製品のコストのため、テリークロス製品を多くの用途、特に使い捨て用途に使用することは実用的でない。従って、遠くからテリークロスのように見える不織布ウェブを作ることが望ましい。この外見を有するため、不織布ウェブはループを包含することが望ましい。
【0008】
不織布ウェブは一般に平面で、2つの表面を有する二次元ウェブである。ウェブは単一層であってもよいし、又は1枚を超える層を含んでいてもよい。ウェブはスパンボンド−メルトブロウン−スパンボンドウェブ(SMS)などの1枚を超える層を包含でき、層は互いに固着される。ウェブは別々の材料の積層体又は複合物であってよい。例えば、紙の層はメルトブロウン層と結合されてよい。SMSウェブは別の材料を包含してもよい。
【0009】
不織布ウェブはメルトブロウイング、スパンボンディング、ハイドロエンタングリング、スパンレーシング、エアレイイング及びカーディングなどの種々の形成方法並びに他の適した方法から製造されてよい。不織布ウェブの坪量は一般に約1gsmから1000gsmを超えるまでで、ウェブの用途によるが大部分の用途で約300gsm未満である。坪量には不織布ウェブ単位面積当りの全ての層の重量が考慮される。
【0010】
不織布ウェブは複数個の繊維が含まれてなる。ウェブは一般に縦方向(MD)及び幅方向(CD)を基準にしてランダムに向いた繊維が含まれてなる。繊維は短くても又長くてもよく、連続でも又短繊維でもよい。繊維は任意の適した直径及びデニールを有してよい。ウェブはナノ繊維及びスパンボンド繊維などの繊維寸法の混合物を含んでよい。ナノ繊維又はマイクロ繊維は1ミクロン未満の直径を有する繊維と考えられる。繊維は単一又は多構成成分であってよく及び単一又は多構成要素であってよい。繊維は、成形繊維、毛管路繊維又はその混合物などの円形又は非円形繊維であってよい。繊維はスプリット可能な繊維又はスプリット繊維であってよい。主断面寸法直径(円形繊維についての直径)は約0.01ミクロンから約500ミクロンである。繊維は2成分又は成形されたものであってよいが、繊維が糸又は多フィラメント束構造体であることは望ましくない。
【0011】
ループは1つ以上の繊維から作製される。ループは繊維束であってよい。一般的に、ループの繊維は全般的に整列されループ形状を形成する。ループ形状の例が図1、2に示される。ループ10が図1に示され、ループが不織布ウェブ11の平面から外に延出する2つの起点12、13でループは不織布ウェブ11から延出或いは不織布ウェブに接触する。ループ10は上にありウェブ11の平坦な表面から外に延出する。ループ形状は一般に修正された楕円形状である。馬蹄形状が図1に示され、閉じたループである涙滴形状が図2に示される。閉じたループ15では、ループ15はなお不織布ウェブ16から延出するが、それは単一の起点17にあるように見えるかもしれない。
【0012】
ループは、ループ円周長、ループ高、ループ幅及びループ基底長を有する。ループ円周長20は、図4に示され、ループ10がウェブ11の平面から延出する起点12からループ10がウェブ11の平面に戻って入り込む起点13までが測定される。ループ円周長20はループの経路又は周囲と定義される。ループ円周は形状が楕円形であっても、不規則な形状であってもよい。ループ高21は、図4に示され、ウェブ11の平面からループ10の頂点14までのループ10が出会う或いは延出するところから最も長い直線測定値である。ループ高21はウェブ11の平面に対して垂直に測定されてよい。ループ幅23、24は、図3に示され、ループ10の幅を横切る直線として測定される。最大ループ幅24はループ10が最も広い状態で測定される。ループ基底長22が図3に示される。ループ基底長22は、ウェブ11の平面に沿ってループが第一起点12でウェブ11の平面から延出するところからループ10が第二起点13でウェブ11の平面に戻って入り込むところまでが測定される。
【0013】
ループ基底長22はループの大きさ及び形状により変化する。一般に、ループ基底長は0.5cm未満、好ましくは0.3cm未満、より好ましくは0.2cm未満、及びしばしば0.1cm未満である。閉じたループについては図2で説明され示されたように、起点17でウェブ16から延出する繊維が起点17に接触し閉じたループ15を作るので、ループ基底長はゼロであってよい。
【0014】
不織布ウェブは又非平坦化に先立ちそれと関連する厚み或いは高さを有する。この不織布ウェブ高31は、図9に示され、ループ基底から離れた領域のループウェブで測定される。測定は不織布ウェブの平坦な表面に対して垂直に行われる。ループは1:1を超える不織布ウェブ高31に対するループ高21不織布ウェブ高31の比率を有する。好ましくはこの比率は約2:1を超え、より好ましくは約4:1を超える。
【0015】
ループは4:1を超えるループ基底長に対するループ円周長の比率を有する。好ましくは前記比率は約5:1を超え、より好ましくは約8:1を超え、最も好ましくは約10:1を超える。これはループが比較的狭い基底とより広いループ上部分を有することを意味する。ウェブから外に延出しループを形成する繊維が接触しているためループ基底長がゼロ或いは測定できない場合、ループ基底長に対するループ円周長の比率は無限大であってよい。これは閉じたループとして記載される場合がある。典型的に、ループを有さない他の非平坦不織布ウェブは広い「テント」、「隆起」、「泡」、又は半円様形状を有する。これらの形状は典型的に約2:1又は3:1のループ基底長に対するループ円周長の比率を有し、本発明によるとそれは望ましくない。
【0016】
ループ繊維ウェブの特性は50〜100倍の倍率範囲で特徴を測定するための撮像能力を有する任意の適した光学拡大システム又は走査型電子顕微鏡(SEM)で測定できる。一つの適した顕微鏡はニュージャージー州ウッドクリフレイク(Woodcliff Lake, New Jersey)にある米国のキーエンス社(Keyence Corporation)からのモデルVHX−100など内蔵型画像解析を備えるデジタル顕微鏡である。ループ繊維ウェブを長手方向軸線と共線の方向に拡大して見ることにより、測定のためのループ像が得られる。図6に示したように、像倍率に対して目盛られたスケールを使用し、ループ円周長20及びループ基底長22を得ることができる。タフト又は繊維の群がおよそ整列している場合、ループ円周長20はタフト又は整列された繊維の群内の繊維の中央値又は中心点として測定される。ループは複数個の繊維を含むため、平均ループ円周長、平均ループ高、平均ループ幅及び平均ループ基底長が計算できる。
【0017】
ループを測定するため、見る方向がループの長手方向軸線と共線になるようにループ繊維ウェブを配列する。一つのループが完全に見えるよう倍率を調節する。必要であれば、切断時ループの全体的な形状の保持に留意しながら、長手方向軸線に垂直なループをよく切れるはさみ又はレーザーブレードを使用し切断することによりループの横断面を得ることができる。第一起点12で測定を開始し、ループ繊維10の中央の経路に沿って進み、第二起点13で測定を終了することによりループ円周長20を測定、記録する。第一起点12と第二起点13の間のウェブ11平面と平行にループ基底長22を測定、記録する。ループ基底長はループが平面から突出する場所の近くでループ上の最も狭い点である。ループ基底長はウェブの平面と平行に測定され、ウェブの平面又はウェブの平面上で測定されてよい。ループはいかなる圧力又はひずみもないもとで測定される。正確にループ測定値を得るため、ループは「櫛を入れられ」又は立位にされてよい。測定するためのループの櫛入れ又は保持は、ループの形状を変化しループ高及びループ幅の測定値を変えるかもしれないが、ループ基底長及びループ円周長は変化させない。ループを基底で切断し(すなわち、セーターシェイヴァーの使用により)長さを測ることによりループ高又は円周長が測定されてよい。
【0018】
ループは狭い基底を有する。最大ループ幅はループ基底長を超えることが好ましい。好ましくはループ基底長に対する最大ループ幅の比率は、約1.2:1を超え、より好ましくは約1.5:1を超え、並びに更により好ましくは約2:1及び3:1を超える。ループが非常に狭い基底を有し、又はそれが閉じられたループの場合、ループ基底長がゼロに近付くにつれてこの比率は5:1から10:1を超え、又は無限大であってよい。基底長に対するループ高の比率はループの形状にもよるが一般に約2:1を超える。しばしば基底長に対するループ高の比率は約3:1を超え、好ましくは約5:1を超える。ループ基底長がゼロに近付くにつれてその比率は10:1を超えるか又は無限大でよい。ウェブから十分に延出しその形状を保持する背の高いループは、一般により狭い幅を有し、従って基底比率に対してより小さい幅と基底比率に対してより大きい高さを有する。垂れ下がり又はウェブから遠くに延出しないより短いずんぐりしたループは、より大きい最大ループ幅比率とより小さい高さ比率を有する。
【0019】
ループ中の空隙領域も測定できる。空隙領域はループ内部に包含される領域と定義される。図5は空隙領域19を断面陰影区域として示す。
【0020】
ループはウェブ平面の外に延出する。ループは一般にループの基底が位置するウェブにのみ接触する。ループの基底はそれがウェブに接触するループの底と定義される。ループは「垂れ下がり」及びループの他の点でウェブに接触してよい。ループの「持ちこたえ」の程度は、ループを作製するために使用される材料、ループの高さ、ループ円周長及び最大ループ幅、ループに印加される任意の応力又はひずみ、タフト中にいくつのループがあるか、並びに他の要因によって決まる。
【0021】
ループはウェブの平面から外に延出するように向いている。例えば、ウェブがテーブル上に全体的に平らにおかれる場合、ループは上向きに又は天井に向かって延出する。ウェブが衛生用製品に利用される場合、ループは製品の外側にあってよい。ループは製品の身体に面する側又は身体に面しない側にあってよい。
【0022】
ウェブ密度はキャリパーで除算された坪量を使用し計算され、キャリパーは27.58Pa(0.004psi)で測定される。ウェブ密度は典型的に約0.05グラム/cm3未満である。ループされるウェブの密度は同じ材料及び坪量で作製されたウェブの密度未満であろう。一般に、ループウェブの密度は、ループを包含しない同じウェブの約20%未満、好ましくは約25%未満、より好ましくは約30%未満、更により好ましくは約35%未満である。
【0023】
測定領域におけるループ数はSEMの使用により計算できる。一般に、ウェブ平方センチメートル当り少なくとも約10ループある。好ましくは、ウェブ平方センチメートル当り少なくとも約100ループ、より好ましくは200ループを超え及び最も好ましくは400ループを超える。各繊維はループとして計算され、従ってウェブ平方センチメートル当りのループ数は1000ループを超えてよい。
【0024】
ウェブ上のループ量を決定する他の測定値は、ループを包含するウェブ表面積のパーセントである。ウェブが概ね平ら或いは平面的位置にあるとき、ウェブの表面積を測定できる。ループウェブとして記載されるウェブの場合、少なくとも一つの区域でウェブはループを包含するその表面積の少なくとも約10%を有する。或いは、ループを包含するウェブ区域において、ループの10%が約4:1を超えるループ基底長に対するループ円周長の比率を有するループを有する。ループを包含しないウェブの領域は、ループを生じない方法で非平坦化される。ウェブは異なる又は多数の区域を包含してよい。異なる区域は、異なる質感又は異なる用途を有することが望まれるウェブ領域であってよい。ループを包含するウェブ区域は、ループを包含するその表面積の少なくとも約10%を有する。好ましくはウェブは、ループを包含するその表面積の少なくとも約25%、より好ましくは少なくとも約50%、及び最も好ましくは少なくとも約75%を有する。多くの場合、平面或いはトップダウン図が用いられるとき、ウェブ区域の表面積の100%にループが包含される。
【0025】
ループの作製に使用される方法、ウェブの望ましい用途、使用される材料及び他の特性によるが、ループの一部はカットループであってよい。これは意識的にカットループを形成するために行われてよい。カット繊維のように見えるかもしれない他のルーズな繊維ストランドは意識的にカットループを作ることなく形成できる。
【0026】
不織布ウェブのループは、類似の形状及び大きさであってよく、又は異なる大きさ及び形状を有していてよい。例えば、一部のループはより大きい高さを有し、丈の高いループと見なされてよい。これらのループは十分に「持ちこたえる」。他のループはより短く、より広いループであってよい。
【0027】
タフトは1つを超えるループを含む。ループの群はタフトを形成するために整列されても整列されなくてもよい。ループが整列されていない場合、ループは種々の配向になる。一般にループが整列されている場合、タフトはトンネル形状に見える。ループを形成する繊維間に生ずる結合があってよい。これは予備結合される出発不織布ウェブからであってよく、ループ形成時に生じる繊維の結合であってよく、又はループ内で繊維の結合を促進する後工程からであってよい。
【0028】
不織布ウェブはウェブの平面又は表面から延出するループを有する。平面はウェブが全般に平らな場合として説明される。ループは一般にウェブから垂直に延出する。ループ数及びループが互いにいかに近接しているかにもよるが、一方のループが他のループを支えていてもよいし、ループが接触していてもよい。ループはある角度でウェブの外に延出してよい。測定領域のループ数を数えることができる。
【0029】
不織布ウェブはウェブの用途により種々の範囲の坪量を有してよい。タオル又は洗い布としての用途の場合、ウェブは200gsmを超える坪量を有してよい。拭き取り用品の用途の場合、坪量は一般的に約20gsmから約100gsm及び好ましくは約40gsmから約80gsmである。衛生物品の構成成分としての用途の場合、坪量は6gsmから約90gsmの範囲であってよい。複合ウェブ用の典型的な坪量範囲は約5gsmから約300gsm、好ましくは約10gsmから約200gsm、より好ましくは約13gsmから約120gsm、及びさらにより好ましくは約20gsmから約100gsmである。
【0030】
図7〜9は本発明のループウェブの補足の図を示す。図7において、ループ10はウェブ11から突出していることがわかる。この図に示されたループ10は整列されたタフトを形成していることが示されている。図7に示されたウェブ11の実施形態からの代表的なループ10が図8において更なる拡大図で示される。図に示されるように複数個のループ10が形成される。空隙領域19も示される。図10ではループ円周長を計算するために使用される第一起点12及び第二起点13を有するループ10を示す。ループ10の頂点14も示される。図10、11はウェブ11のループ10の拡大SEM図である。空隙領域19は、図11と比較しよりそろったループ10を有する図10においてよりはっきり見える。図12は本発明のテリークロス様不織布ウェブの顕微鏡写真である。ループ10がウェブ11から突出しているのが観察される。
【0031】
出発又は前駆体不織布ウェブが処理されループを形成する。出発ウェブは繊維を包含する任意の不織布材料であってよい。不織布層は、紙ウェブ、予備成形されたフィルムなどのフィルムウェブ、非平坦フィルム、有孔フィルム、及び他のポリマー被膜、製織布地、編布地、発泡体、箔、又はいかなる他の層と結合されてよく、1枚以上の層が繊維性不織布ウェブを包含する限り不織布ウェブ複合物を形成する。不織布ウェブは1枚を超える層を含んでよい。不織布ウェブは、ループ形成前、ループ形成中又はループ形成後に孔があけられてよい。追加の層がループ不織布ウェブの上部を覆い、又は上部に蓋を設けてよい。
【0032】
出発繊維性不織布ウェブには非接着繊維、交絡繊維或いはトウ繊維(tow fiber)が含まれてよい。出発ウェブにはスパンボンド法で製造されてよい連続繊維又はカードウエブ中に存在してよい長さに切断された繊維が含まれてもよい。出発ウェブはメルトブロウイング又はエアレイイング若しくはウエットレイイング不織布ウェブにより製造されてよい。ウェブは熱固着され、水流交絡され、つむがれ(spunlaid)、化学的結合され、又は他の方法で絡ませられてよい。ウェブは熱固着されてよいが、ウェブは熱固着されないことが望ましい場合もある。ウェブのいかなる種類の結合もない或いはウェブの非常に軽い結合だけがおそらくループ形成を可能にするのに役立つかもしれない。繊維又は不織布ウェブは処理される前に着色され又は図若しくは印刷を包含してよい。特に定義されない限り、用語は当業者に使用されているようなそれらの従来の通常の意味を有する。
【0033】
不織布ウェブの繊維には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアミド類、ポリビニルアセテート類などのポリマー、及びそれらのブレンドが含まれてよい。用語「ポリマー」には、一般にホモポリマー、例えばブロック、グラフト、ランダム及び交互共重合体などのコポリマー、ターポリマー等、並びにそれらのブレンド及び改質が挙げられるが、これらに限定されない。更に、特に限定しない限り、用語「ポリマー」は、材料のあらゆる可能な幾何学的構成を含む。その構成としては、アイソタクチック、アタクチック、シンジオタクチック及びランダム対称が挙げられるが、これらに限定されない。繊維は、セルロース、レーヨン、綿若しくは他の天然材料、又はポリマー及び天然材料のブレンドを含み得る。繊維は又、ポリアクリレートなどの超吸収性材料、又は好適な材料のいかなる組み合わせをも含み得る。繊維は吸収性物質であってよく又は繊維性吸収性ゲル材料(繊維性AGMのような)が包含されてよい。繊維には熱可塑性樹脂又は非熱可塑性材料が含まれてよい。繊維は多価カルボン酸類(polyhydroxycarboxylic acids)、ポリブチレン類、ポリ乳酸類、熱可塑化(thermoplasticized)デンプン、デンプン組成物、脂肪族ポリエステル類、コポリエステル類、及び他の生分解性ポリマーなどの生分解性高分子物質から作製されてよいが、これらに限定されない。繊維及びウェブの製造にもよるが、ウェブの繊維は異なる組成物を含んでよい。
【0034】
ループを包含する不織布ウェブを作製するため延伸性材料又は弾性材が使用されてよい。しかしながら不織布ウェブを作製するため弾性材が使用される必要はなく、時として望ましくない。いくつかの用途において、ループが互いに押しつぶされより堅いループ構造を作製するようウェブが処理されるような弾性材料を使用し不織布ウェブを作製することが望ましい場合もある。ループを作製するこの方法は、一つの材料が他の材料よりもより弾性のあるような2つの異なる材料を必要とすることがある。ループは細くされてもよく、又は繊維はループに沿ったさまざまの位置でより小さい直径を有してよい。これは延伸性材料に見出すことができる。
【0035】
不織布ウェブの少なくとも一つの区域が不織布ウェブの表面積の少なくとも約10%においてループを含む、不織布ウェブを包含する種々の製品用途を予測することができる。おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁製品、生理用品、及びタンポンなどの使い捨て衛生物品はいくつかの潜在的用途である。不織布ウェブは衛生物品の1つ以上の構成成分として利用されてよい。例えば、ループを有する不織布ウェブはおむつ又は生理用製品のトップシート(身体に面する層)であってよい。ループ不織布ウェブは非平坦不織布ウェブが望まれるすべての用途で利用されてよい。不織布ウェブを拭き取り用品として使用してもよい。乳幼児拭き取り用品、女性ケア拭き取り用品、顔及び体拭き取り用品、個人用クレンジング、手拭き取り用品、家庭洗浄拭き取り用品、ダスティング拭き取り用品、布地拭き取り用品、及び自動車又は工業使用の拭き取り用品からなるすべての適した拭き取り用品の実用性を思い描くことができる。拭き取り用品はループを両面で有してもよく、片面のみで有してよい。拭き取り用品の用途にもよるが柔軟な可撓性ウェブが望まれる場合があり、又堅く強いウェブが洗浄又は微粒子ピックアップを補助するため利用できる。
【0036】
ループ不織布ウェブは、エアーフィルター、バッグフィルター、液体フィルター、真空フィルター、水排水フィルター及び微生物遮蔽フィルターなどの各種のフィルターシート;コンデンサ・セパレーター紙及びフロッピーディスク包装材料などの各種電気器具用シート;粘着性接着剤テープ基布、油吸収材及び紙フェルトなどの各種工業シート;硬い表面洗浄、床ケア及び他のホームケア用途などの各種乾燥又は予め湿らせた拭き取り用品;家、業務用及び医療処理用ワイパー、印刷ロールワイパー、複写機洗浄用ワイパー、ベビーワイパー及び光学システム用ワイパーなどの各種ワイパーシート;手術用ガウン、医療用ガウン、負傷ケア、カバー布、帽子、マスク、シート、タオル、ガーゼ、パップ剤用基布、おむつ、おむつライナー、おむつカバー、女性ナプキンカバー、女性ナプキン又はおむつ獲得層(カバー層の下)、おむつ芯、タンポンライナー、毛髪拭き取り用品又は毛髪ラップなどの毛髪用製品、接着石膏用基布、湿式タオル、紙タオル、ティッシュなどの各種医療及び衛生シート;パディング布、パッド、ジャンパーライナー及び使い捨て下着などの衣類用各種シート;人造皮革及び合成皮革用基布、テーブルトップ、壁紙、ブラインド、ラッピング、及び乾燥剤用包装、買い物袋、スーツカバー、及びまくらカバーなどの各種生活材料シート;土地カバー及び侵食制御装置、冷却及び太陽光遮蔽布、ライニングカーテン、総体的なカバーシート、光遮蔽シート、農薬ラッピング材及び種栽培用ポット下紙などの各種農業シート;煙霧防及びほこり止マスク、実験ガウン及びほこり防止衣類などの各種保護シート;ハウスラップ、排水管材料、フィルター媒質、分離材、覆い、屋根ふき材料、タフト及びカーペット基布、壁内装材料、防音又は振動減少シート及び硬化シートなどの土木建築物用各種シート;並びに床及びトランクマット、成型天井材料、頭置き及び内張り布、更にアルカリ電池のセパレーターシートなどの各種自動車内装シートを含む種々の用途で使用されてよい。ループ不織布基材の他の用途としてはタオル、手拭きタオル、洗い布、ローブ、衣類並びにテリークロス及びテリークロス様布地が使用される全ての他の用途が挙げられる。これら製品は使い捨て或いは一回を超え使用できる半耐久として使用可能である。又、ループ不織布ウェブは製品用のランディング領域又は他のものに付着させる場所として使用される。この機能におけるループ構造の補助は、望ましい材料を把持或いは接続できることでもある。
【0037】
本発明のループウェブを包含する製品は肉眼ではテリークロス製織材料が含まれているように見えることがある。不織布ウェブは製品が柔軟でふわふわした感覚を高めるかもしれない。ループ不織布ウェブは、不織布ウェブのかさばり又は高さを増し、ウェブ密度を減らし、柔軟性を高め、不織布ウェブの表面積を増し、質感を高め、浸透、吸収又は保持などの流体処理特性、及び各種の他の利益を高めることができる。ループは不織布ウェブをより高いかさばりに保持する特別な持ちこたえ或いは強度を付与できる。狭いループ基底のため、このかさばり或いは質感は他の非平坦化法よりより永続性があることもある。ループ基底は、狭く、繊維又は不織布ウェブはもとの形状に摺動し戻ることができないようにループを定位置にロック・保持することもある。乳幼児がおむつの上に座るなど製品が使用時に圧力を受けるときに、永続性のある質感は流体処理も補助できる。ループが整列されタフトを形成する場合、流体が側面から入ることができるトンネル様構造が形成されるので生じた不織布ウェブはより一層流体処理を補助することができる。
【0038】
本発明のループ不織布ウェブは種々の方法で作製されてよい。ループ不織布ウェブを作製する手段は出発不織布ウェブから多ループを形成することができるすべての方法である。ループを製造する手段は織物方法ではなく、ループ不織布ウェブ又は人工布地(engineered fabric)を製造する方法である。前記方法は、ループを形成する位置に繊維を移動するために利用され、布地又は不織布全体を移動する必要はない。選択される方法は、ウェブの最終用途、望ましい材料、ループの大きさ、及び多くの他の特性によって決まる。一つを超える方法を組み合わせ、又は種々の工程を利用することが望ましい場合もある。
【0039】
複数個のループを含む不織布ウェブを製造する方法は、不織布ウェブを提供する工程と、不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する手段を提供する工程と、不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する工程とを含んでなる。ループを製造する方法としてはニードルパンチング、クレーピング、水流交絡、形成ベルト上での沈積、噛合いロールを使用しての処理、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。更に、形状記憶材料又は弾性材が別個に又は方法の一つに使用されてよい。
【0040】
ニードルパンチングは一般に1枚以上の布地を機械的に絡ませるために使用される。又、ニードルパンチングは布地又は不織布基材の繊維を他に押し込み2つ以上の層を一体化するために使用されてよい。ニードルパンチングは改造され不織布ウェブからループを形成するため使用される。ニードルは選ばれた繊維をウェブの平面を通してZ方向に押し込みループを形成するよう平ら又はずんどうにされる必要があるかもしれない。一般のニードルパンチングプロセスはウェブを処理する際にオーバーラップを最小にするよう制御される必要がある。ニードルの空隙部も繊維の大きさや形成されるループの大きさにより最適化される必要がある。ニードルパンチング設備及び方法は不織布ウェブの繊維を予め有孔ウェブ又はスクリムを通して押し込み狭い基底を有するループの形成を補助するため修正されてよい。又、ニードルパンチングと類似の方法及び設備はニードルの代わりにピン、歯又は他の形状の金属構造体を用いて作製されてもよい。
【0041】
ループ構造を形成する他の方法はクレーピング又はひだ付け(corrugation)法の使用によるものである。クレーピングにはミクレックス法(Micrex process)によるなどの微小クレーピングが挙げられ、ひだ付けはループ又はトンネル様構造を作るため使用されてよい。狭い基底のループ又はタフトの生成を補助するため、弾性の、収縮可能な、又は予め伸ばされた材料を前記方法に使用することが望ましい場合もある。前記方法はループを形成する前か又は後かのいずれかでスリットを付ける方法(slitting process)と組合され、ループ又はトンネル構造が側面流体進入を可能にし、吸収性物品に有益であり得る。
【0042】
形状記憶又は他の特性を有する特殊材料がループを形成するため利用されてよい。材料が温度変化に曝され又は水と接触されたときにループに形成されてもよい。特殊材料はスクリム、有孔ウェブ、形成ベルト又は材料のストリップ上で更に層にされ、材料がタフトを形成するためのメカニズムを付与してもよい。
【0043】
ループを形成する他の可能性のある方法としては形成ベルトの使用が挙げられる。形成ベルトは三次元パターンを包含できループの形成を可能にする。樹脂がコーティングされた抄紙ベルトが使用されてよい。形成ベルトはその中に繊維が堆積される「ループ形状の」形態を有することができる。或いは、形成ベルトは開口を有することができ、繊維が形成ベルトの平面を通って延出することを可能にし、それによりループを作る。繊維はおそらくスパンボンド又はメルトブロウンであり、それで形成ベルト上に堆積される。ウエットレイイング或いはエアレイイング法が繊維及び不織布基材を形成ベルト上に形成するために更に使用されてもよい。基底でより広い非平坦不織布の形成と対比したループ形状の形成において、形成ベルトの形状及び使用される特殊な材料が重要になる。形成ベルトにはループの解除又は形成を補助するために、ラテックス、ローション、表面エネルギー変性剤、デンプン、接着剤、又は潤滑剤がコーティングされてよい。スクリム上にランディングしそしてスクリムを貫通しループ形状を形成する繊維を有することにより、スクリム又は有孔基材も形成ベルト上で利用されてよい。形成ベルトはこの方法において模様付けされてもよいしされなくてもよい。形成ベルト上にループの形成を補助するため真空或いは他の気圧手段が利用されてよい。ベルトの下を真空状態にし平面を通して繊維を引っ張ればループ形状はより簡単に形成できる。
【0044】
ループ不織布ウェブを形成するため水流交絡法も利用されてよい。水流交絡はそれ自身で或いは他の方法と組み合わせて利用できる。BBAからのナブテックス(Nub-tex)及びPGIからのミラテック(Miratec)など多くの模様付き水流交絡アプローチでは模様付きスクリーンを利用する。不織布ウェブの繊維が平面の外へ力が加えられそしてループ形状にされるようスクリーンが設計されてよい。具体的なスクリーンの設計は所望のループ形状により決められる。開口、材料のストリップ又は他のパターンを有するスクリーンが利用できる。繊維をループ形状に導くのを補助するためウォータージェットのスプレーは制御及び調節される必要があるかもしれない。更に、ウォータージェットがスクリムを通して繊維の押し込みを補助し狭い基底を有するループ形状を形成する際、ループの形成を補助するためスクリム又は有孔ウェブが利用されてよい。
【0045】
ループ不織布ウェブを形成する他の方法は噛み合いロールを使用することによる。図13について説明する。本発明のループ10を作製する装置と方法が示される。装置100は、各々が軸Aを中心として回転する一対の噛み合いロール102及び104を具備し、これら軸Aは同一平面内で平行である。ロール102は、ロール102の円周全体にとぎれずに延出する複数個の隆起部106と、対応する溝108とを具備する。ロール104はロール102に類似しているが、円周全体にとぎれずに延出する隆起部を有さず、ロール104は、ロール104の少なくとも一部分の周りに離間した関係で延出する、周囲方向に離間した歯110の列となるように修正された、周囲方向に延出する複数個の隆起部の列を具備する。ロール104の歯110の個々の列は、対応する溝112により分離される。作動中、ロール102及び104は、ロール102の隆起部106がロール104の溝112内まで延出し、ロール104の歯110がロール102の溝108内まで延出するように噛み合う。種々の異なるパターン及びループを作製するため、歯110は一列をなし、交互に配置され、又は一定の間隔で置かれてよい。
【0046】
図13において、装置100は、一つの模様付きロール、例えばロール104、及び一つの模様のない溝付きロール102を有する好ましい構成で示される。しかしながら、特定の実施形態において、それぞれのロールの同一の、又は異なる対応区域において、同一の、又は異なる模様を有する2つの模様付きロール104を使用することが好ましいこともある。そのような装置はウェブの両側から突出したループを有するウェブを製造できる。分当り約457メートル(約1500フィート)を超えるような速いラインスピードでウェブを製造するため噛み合いロールが利用されてよい。
【0047】
噛み合いロールの使用が記載された方法は、多くの点で本明細書に参照として組み込まれ、「弾性様挙動を示すウェブ材料」という名称の、「構造的弾性様フィルム」を意味する「セルフ(SELF)」ウェブとして、それに続く特許文献において参照される米国特許第5,518,801号に記載の方法と類似している。しかし、本発明の装置と上で明らかにされた米国特許第5,518,801号で開示された装置との間には相違がある。これらの相違が本発明のウェブの新しい狭い基底ループを説明する。下記に記載するように、ロール104の歯110は本質的にウェブのエンボスとは対照的に、歯、例えば歯110が実質的に出発ウェブ200を「パンチ」できる前縁及び後縁と関連づけられる具体的な形状を有する。本発明の装置100における差異は、結果として基本的に異なるウェブをもたらす。例えば、本発明のウェブは、広い基底を有しループの定義にふさわしくない先行技術SELFウェブの「テント様」リブ様構成要素とは異なるループを有するであろう。
【0048】
噛み合いロールを利用することによりループ不織布ウェブを製造する方法は弾性材を用いて行われてよい。弾性材は予め伸ばされていてよい。或いは、噛み合いロールを利用しループの形成を補助するため出発ウェブにはスクリム又は有孔不織布ウェブが含まれてよい。他の改造又は変更したロールが使用されてもよい。
【0049】
ループのより高い密度が結果として生じ又は互いに引っ張り及び繊維に平面から外に力を加えループを形成する材料によりループの形成を可能にするよう、その方法には予め伸ばされた弾性材又はウェブが使用されてよい。弾性材はループの形成を補助するため利用されてよいが、弾性材は必要ではなく、多くの場合好ましくない。従って、本発明のループは弾性材を使用せずに形成できる。
【0050】
開口を有するウェブ又はスクリムはループ形成に役立てるため利用できる。予め伸ばされたウェブ、有孔ウェブ又はスクリムが使用されてもよい。予め伸ばされたウェブ又はスクリムが解放されると、狭い基底を有するループが形成できる。又、ループはスクリム又は有孔ウェブを貫通する予め伸ばされたウェブ材料を利用することにより作製されてよい。予め伸ばされた材料が解放されるとき、有孔ウェブ又はスクリムを一緒に引っ張りループ形状の形成を援助してもよい。他の方法においては、ウェブ材料も有孔ウェブ又はスクリムもどちらも予め伸ばされる必要はない。有孔ウェブ材料は米国特許第4,528、097号及び米国特許第5,916,661号により作製される有孔不織布ウェブであってよい。
【0051】
ループ不織布ウェブ形成後、ウェブは追加の処理を行うことができる。これはローション、接着剤又はコーティングの適用、或いは不織布ウェブへの転写であってよい。又、ループはワイヤーブッシュウィール(wire bush wheel)、ナイフ、ブレード、スリッティング、又は高圧空気又は水での吹き出しなどの種々の処理により切断されてよい。従って、ループ不織布ウェブは中間体構造であってよい。
【0052】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、どの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
【0053】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】ループの断面図。
【図2】閉じたループの断面図。
【図3】種々の測定値を示すループの断面図。
【図4】種々の測定値を示すループの断面図。
【図5】空隙領域を示すループの断面図。
【図6】ループの顕微鏡写真。
【図7】ループウェブの斜視図。
【図8】ループウェブ部分の拡大図。
【図9】図8の断面3−3の断面図。
【図10】ループウェブ部分の顕微鏡写真。
【図11】ループウェブ部分の顕微鏡写真。
【図12】ループウェブ部分の顕微鏡写真。
【図13】ループウェブを形成するため使用されてよい装置の斜視図。
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、不織布ウェブと不織布ウェブから作製される製品に関する。より具体的には、本発明はループを包含する非平坦不織布ウェブの取得に関する。ループウェブは種々の製品用途に使用されてよい。
【背景技術】
【0002】
多くの製品用途において、繊維ウェブは、嵩高な質感及び/又は柔軟性を有することが望ましい。例えば、テリークロスとして既知の織布は、嵩高な質感と柔軟性を有し、バスタオル、拭き取り布、よだれ掛け、衣類及び椅子張り用布帛に使用されることが多い。テリークロスは、レピア織機などの特別に作製された織機上で製織される。テリークロスはタフト化した糸のループを特徴とし、タフトは、ループの数及び密度を変更することができる。しかしながら、テリークロスは、それを製造するのに必要な比較的複雑で高価な織機のため、比較的高価である。テリークロスは、その費用のため、多くの用途、特に、使い捨て吸収性物品などの、限られた用途を対象とする物品用としては商業的に実施することができない。
【0003】
テリークロスの外観を有する不織布を製造する試みがなされてきた。例えば、米国特許第4,465,726号及び米国特許第4,379,799号(共にホームズ(Holmes)ら)には、特殊なフォーミングベルト上で繊維の流体交絡により製造される有孔のリブ付きのテリークロスのような不織布が記載されている。ホームズらの特許文献に開示された方法において開口を持たないことが可能であるとしても、流体交絡が、不織布ウェブ、特に使い捨て物品での使用を対象としたウェブを製造するには比較的高価なプロセスであることは周知である。更に、流体交絡により形成されたウェブは、典型的にはウェブの全区域に流体の力が加えられ、それ故、ウェブ全ての区域には流体の力の機械的エネルギーが印加される。
【0004】
嵩高な質感及び/又は柔軟性を提供する他の方法が知られている。一つの方法としては、弾性様挙動及び柔軟な布様質感を提供する方法を記載する米国特許第5,518,801号及び米国特許第5,650,214号並びに米国出願第2002−0,128,617−A1号が挙げられる。他の方法としては、特に米国特許第5,670,234号及び米国特許第4,674,591号に記載のPGIエーペックステクノロジー(Apex technology)が挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
なされた努力にもかかわらず、テリークロス様特性を有する不織布ウェブを製造することへの更なる要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は複数個のループを包含する少なくとも一つの区域を含む不織布ウェブに関する。少なくとも前記ループ部分は約4:1を超えるループ基底長に対するループ円周長の比率を有する。ループは又0.5cm未満の基底長及びループの最大幅未満の基底長を有してよい。又、本発明は不織布ウェブを含む使い捨て衛生物品及び拭き取り用品からなる群から選択される物品に関し、不織布ウェブの少なくとも一つの区域が不織布ウェブの表面積の少なくとも約10%においてループを含む。複数個のループを含む不織布ウェブを製造する方法も含まれる。その方法は不織布ウェブを提供する工程と、不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する手段を提供する工程と、不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する工程とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
テリークロスのように見え、テリークロス様特性の柔軟性と嵩の質感を有する不織布ウェブを作製することが望まれる。テリークロスは通常タオルなどの柔軟で吸収性の製品を作製するために使用される織布である。製織されるテリークロス製品のコストのため、テリークロス製品を多くの用途、特に使い捨て用途に使用することは実用的でない。従って、遠くからテリークロスのように見える不織布ウェブを作ることが望ましい。この外見を有するため、不織布ウェブはループを包含することが望ましい。
【0008】
不織布ウェブは一般に平面で、2つの表面を有する二次元ウェブである。ウェブは単一層であってもよいし、又は1枚を超える層を含んでいてもよい。ウェブはスパンボンド−メルトブロウン−スパンボンドウェブ(SMS)などの1枚を超える層を包含でき、層は互いに固着される。ウェブは別々の材料の積層体又は複合物であってよい。例えば、紙の層はメルトブロウン層と結合されてよい。SMSウェブは別の材料を包含してもよい。
【0009】
不織布ウェブはメルトブロウイング、スパンボンディング、ハイドロエンタングリング、スパンレーシング、エアレイイング及びカーディングなどの種々の形成方法並びに他の適した方法から製造されてよい。不織布ウェブの坪量は一般に約1gsmから1000gsmを超えるまでで、ウェブの用途によるが大部分の用途で約300gsm未満である。坪量には不織布ウェブ単位面積当りの全ての層の重量が考慮される。
【0010】
不織布ウェブは複数個の繊維が含まれてなる。ウェブは一般に縦方向(MD)及び幅方向(CD)を基準にしてランダムに向いた繊維が含まれてなる。繊維は短くても又長くてもよく、連続でも又短繊維でもよい。繊維は任意の適した直径及びデニールを有してよい。ウェブはナノ繊維及びスパンボンド繊維などの繊維寸法の混合物を含んでよい。ナノ繊維又はマイクロ繊維は1ミクロン未満の直径を有する繊維と考えられる。繊維は単一又は多構成成分であってよく及び単一又は多構成要素であってよい。繊維は、成形繊維、毛管路繊維又はその混合物などの円形又は非円形繊維であってよい。繊維はスプリット可能な繊維又はスプリット繊維であってよい。主断面寸法直径(円形繊維についての直径)は約0.01ミクロンから約500ミクロンである。繊維は2成分又は成形されたものであってよいが、繊維が糸又は多フィラメント束構造体であることは望ましくない。
【0011】
ループは1つ以上の繊維から作製される。ループは繊維束であってよい。一般的に、ループの繊維は全般的に整列されループ形状を形成する。ループ形状の例が図1、2に示される。ループ10が図1に示され、ループが不織布ウェブ11の平面から外に延出する2つの起点12、13でループは不織布ウェブ11から延出或いは不織布ウェブに接触する。ループ10は上にありウェブ11の平坦な表面から外に延出する。ループ形状は一般に修正された楕円形状である。馬蹄形状が図1に示され、閉じたループである涙滴形状が図2に示される。閉じたループ15では、ループ15はなお不織布ウェブ16から延出するが、それは単一の起点17にあるように見えるかもしれない。
【0012】
ループは、ループ円周長、ループ高、ループ幅及びループ基底長を有する。ループ円周長20は、図4に示され、ループ10がウェブ11の平面から延出する起点12からループ10がウェブ11の平面に戻って入り込む起点13までが測定される。ループ円周長20はループの経路又は周囲と定義される。ループ円周は形状が楕円形であっても、不規則な形状であってもよい。ループ高21は、図4に示され、ウェブ11の平面からループ10の頂点14までのループ10が出会う或いは延出するところから最も長い直線測定値である。ループ高21はウェブ11の平面に対して垂直に測定されてよい。ループ幅23、24は、図3に示され、ループ10の幅を横切る直線として測定される。最大ループ幅24はループ10が最も広い状態で測定される。ループ基底長22が図3に示される。ループ基底長22は、ウェブ11の平面に沿ってループが第一起点12でウェブ11の平面から延出するところからループ10が第二起点13でウェブ11の平面に戻って入り込むところまでが測定される。
【0013】
ループ基底長22はループの大きさ及び形状により変化する。一般に、ループ基底長は0.5cm未満、好ましくは0.3cm未満、より好ましくは0.2cm未満、及びしばしば0.1cm未満である。閉じたループについては図2で説明され示されたように、起点17でウェブ16から延出する繊維が起点17に接触し閉じたループ15を作るので、ループ基底長はゼロであってよい。
【0014】
不織布ウェブは又非平坦化に先立ちそれと関連する厚み或いは高さを有する。この不織布ウェブ高31は、図9に示され、ループ基底から離れた領域のループウェブで測定される。測定は不織布ウェブの平坦な表面に対して垂直に行われる。ループは1:1を超える不織布ウェブ高31に対するループ高21不織布ウェブ高31の比率を有する。好ましくはこの比率は約2:1を超え、より好ましくは約4:1を超える。
【0015】
ループは4:1を超えるループ基底長に対するループ円周長の比率を有する。好ましくは前記比率は約5:1を超え、より好ましくは約8:1を超え、最も好ましくは約10:1を超える。これはループが比較的狭い基底とより広いループ上部分を有することを意味する。ウェブから外に延出しループを形成する繊維が接触しているためループ基底長がゼロ或いは測定できない場合、ループ基底長に対するループ円周長の比率は無限大であってよい。これは閉じたループとして記載される場合がある。典型的に、ループを有さない他の非平坦不織布ウェブは広い「テント」、「隆起」、「泡」、又は半円様形状を有する。これらの形状は典型的に約2:1又は3:1のループ基底長に対するループ円周長の比率を有し、本発明によるとそれは望ましくない。
【0016】
ループ繊維ウェブの特性は50〜100倍の倍率範囲で特徴を測定するための撮像能力を有する任意の適した光学拡大システム又は走査型電子顕微鏡(SEM)で測定できる。一つの適した顕微鏡はニュージャージー州ウッドクリフレイク(Woodcliff Lake, New Jersey)にある米国のキーエンス社(Keyence Corporation)からのモデルVHX−100など内蔵型画像解析を備えるデジタル顕微鏡である。ループ繊維ウェブを長手方向軸線と共線の方向に拡大して見ることにより、測定のためのループ像が得られる。図6に示したように、像倍率に対して目盛られたスケールを使用し、ループ円周長20及びループ基底長22を得ることができる。タフト又は繊維の群がおよそ整列している場合、ループ円周長20はタフト又は整列された繊維の群内の繊維の中央値又は中心点として測定される。ループは複数個の繊維を含むため、平均ループ円周長、平均ループ高、平均ループ幅及び平均ループ基底長が計算できる。
【0017】
ループを測定するため、見る方向がループの長手方向軸線と共線になるようにループ繊維ウェブを配列する。一つのループが完全に見えるよう倍率を調節する。必要であれば、切断時ループの全体的な形状の保持に留意しながら、長手方向軸線に垂直なループをよく切れるはさみ又はレーザーブレードを使用し切断することによりループの横断面を得ることができる。第一起点12で測定を開始し、ループ繊維10の中央の経路に沿って進み、第二起点13で測定を終了することによりループ円周長20を測定、記録する。第一起点12と第二起点13の間のウェブ11平面と平行にループ基底長22を測定、記録する。ループ基底長はループが平面から突出する場所の近くでループ上の最も狭い点である。ループ基底長はウェブの平面と平行に測定され、ウェブの平面又はウェブの平面上で測定されてよい。ループはいかなる圧力又はひずみもないもとで測定される。正確にループ測定値を得るため、ループは「櫛を入れられ」又は立位にされてよい。測定するためのループの櫛入れ又は保持は、ループの形状を変化しループ高及びループ幅の測定値を変えるかもしれないが、ループ基底長及びループ円周長は変化させない。ループを基底で切断し(すなわち、セーターシェイヴァーの使用により)長さを測ることによりループ高又は円周長が測定されてよい。
【0018】
ループは狭い基底を有する。最大ループ幅はループ基底長を超えることが好ましい。好ましくはループ基底長に対する最大ループ幅の比率は、約1.2:1を超え、より好ましくは約1.5:1を超え、並びに更により好ましくは約2:1及び3:1を超える。ループが非常に狭い基底を有し、又はそれが閉じられたループの場合、ループ基底長がゼロに近付くにつれてこの比率は5:1から10:1を超え、又は無限大であってよい。基底長に対するループ高の比率はループの形状にもよるが一般に約2:1を超える。しばしば基底長に対するループ高の比率は約3:1を超え、好ましくは約5:1を超える。ループ基底長がゼロに近付くにつれてその比率は10:1を超えるか又は無限大でよい。ウェブから十分に延出しその形状を保持する背の高いループは、一般により狭い幅を有し、従って基底比率に対してより小さい幅と基底比率に対してより大きい高さを有する。垂れ下がり又はウェブから遠くに延出しないより短いずんぐりしたループは、より大きい最大ループ幅比率とより小さい高さ比率を有する。
【0019】
ループ中の空隙領域も測定できる。空隙領域はループ内部に包含される領域と定義される。図5は空隙領域19を断面陰影区域として示す。
【0020】
ループはウェブ平面の外に延出する。ループは一般にループの基底が位置するウェブにのみ接触する。ループの基底はそれがウェブに接触するループの底と定義される。ループは「垂れ下がり」及びループの他の点でウェブに接触してよい。ループの「持ちこたえ」の程度は、ループを作製するために使用される材料、ループの高さ、ループ円周長及び最大ループ幅、ループに印加される任意の応力又はひずみ、タフト中にいくつのループがあるか、並びに他の要因によって決まる。
【0021】
ループはウェブの平面から外に延出するように向いている。例えば、ウェブがテーブル上に全体的に平らにおかれる場合、ループは上向きに又は天井に向かって延出する。ウェブが衛生用製品に利用される場合、ループは製品の外側にあってよい。ループは製品の身体に面する側又は身体に面しない側にあってよい。
【0022】
ウェブ密度はキャリパーで除算された坪量を使用し計算され、キャリパーは27.58Pa(0.004psi)で測定される。ウェブ密度は典型的に約0.05グラム/cm3未満である。ループされるウェブの密度は同じ材料及び坪量で作製されたウェブの密度未満であろう。一般に、ループウェブの密度は、ループを包含しない同じウェブの約20%未満、好ましくは約25%未満、より好ましくは約30%未満、更により好ましくは約35%未満である。
【0023】
測定領域におけるループ数はSEMの使用により計算できる。一般に、ウェブ平方センチメートル当り少なくとも約10ループある。好ましくは、ウェブ平方センチメートル当り少なくとも約100ループ、より好ましくは200ループを超え及び最も好ましくは400ループを超える。各繊維はループとして計算され、従ってウェブ平方センチメートル当りのループ数は1000ループを超えてよい。
【0024】
ウェブ上のループ量を決定する他の測定値は、ループを包含するウェブ表面積のパーセントである。ウェブが概ね平ら或いは平面的位置にあるとき、ウェブの表面積を測定できる。ループウェブとして記載されるウェブの場合、少なくとも一つの区域でウェブはループを包含するその表面積の少なくとも約10%を有する。或いは、ループを包含するウェブ区域において、ループの10%が約4:1を超えるループ基底長に対するループ円周長の比率を有するループを有する。ループを包含しないウェブの領域は、ループを生じない方法で非平坦化される。ウェブは異なる又は多数の区域を包含してよい。異なる区域は、異なる質感又は異なる用途を有することが望まれるウェブ領域であってよい。ループを包含するウェブ区域は、ループを包含するその表面積の少なくとも約10%を有する。好ましくはウェブは、ループを包含するその表面積の少なくとも約25%、より好ましくは少なくとも約50%、及び最も好ましくは少なくとも約75%を有する。多くの場合、平面或いはトップダウン図が用いられるとき、ウェブ区域の表面積の100%にループが包含される。
【0025】
ループの作製に使用される方法、ウェブの望ましい用途、使用される材料及び他の特性によるが、ループの一部はカットループであってよい。これは意識的にカットループを形成するために行われてよい。カット繊維のように見えるかもしれない他のルーズな繊維ストランドは意識的にカットループを作ることなく形成できる。
【0026】
不織布ウェブのループは、類似の形状及び大きさであってよく、又は異なる大きさ及び形状を有していてよい。例えば、一部のループはより大きい高さを有し、丈の高いループと見なされてよい。これらのループは十分に「持ちこたえる」。他のループはより短く、より広いループであってよい。
【0027】
タフトは1つを超えるループを含む。ループの群はタフトを形成するために整列されても整列されなくてもよい。ループが整列されていない場合、ループは種々の配向になる。一般にループが整列されている場合、タフトはトンネル形状に見える。ループを形成する繊維間に生ずる結合があってよい。これは予備結合される出発不織布ウェブからであってよく、ループ形成時に生じる繊維の結合であってよく、又はループ内で繊維の結合を促進する後工程からであってよい。
【0028】
不織布ウェブはウェブの平面又は表面から延出するループを有する。平面はウェブが全般に平らな場合として説明される。ループは一般にウェブから垂直に延出する。ループ数及びループが互いにいかに近接しているかにもよるが、一方のループが他のループを支えていてもよいし、ループが接触していてもよい。ループはある角度でウェブの外に延出してよい。測定領域のループ数を数えることができる。
【0029】
不織布ウェブはウェブの用途により種々の範囲の坪量を有してよい。タオル又は洗い布としての用途の場合、ウェブは200gsmを超える坪量を有してよい。拭き取り用品の用途の場合、坪量は一般的に約20gsmから約100gsm及び好ましくは約40gsmから約80gsmである。衛生物品の構成成分としての用途の場合、坪量は6gsmから約90gsmの範囲であってよい。複合ウェブ用の典型的な坪量範囲は約5gsmから約300gsm、好ましくは約10gsmから約200gsm、より好ましくは約13gsmから約120gsm、及びさらにより好ましくは約20gsmから約100gsmである。
【0030】
図7〜9は本発明のループウェブの補足の図を示す。図7において、ループ10はウェブ11から突出していることがわかる。この図に示されたループ10は整列されたタフトを形成していることが示されている。図7に示されたウェブ11の実施形態からの代表的なループ10が図8において更なる拡大図で示される。図に示されるように複数個のループ10が形成される。空隙領域19も示される。図10ではループ円周長を計算するために使用される第一起点12及び第二起点13を有するループ10を示す。ループ10の頂点14も示される。図10、11はウェブ11のループ10の拡大SEM図である。空隙領域19は、図11と比較しよりそろったループ10を有する図10においてよりはっきり見える。図12は本発明のテリークロス様不織布ウェブの顕微鏡写真である。ループ10がウェブ11から突出しているのが観察される。
【0031】
出発又は前駆体不織布ウェブが処理されループを形成する。出発ウェブは繊維を包含する任意の不織布材料であってよい。不織布層は、紙ウェブ、予備成形されたフィルムなどのフィルムウェブ、非平坦フィルム、有孔フィルム、及び他のポリマー被膜、製織布地、編布地、発泡体、箔、又はいかなる他の層と結合されてよく、1枚以上の層が繊維性不織布ウェブを包含する限り不織布ウェブ複合物を形成する。不織布ウェブは1枚を超える層を含んでよい。不織布ウェブは、ループ形成前、ループ形成中又はループ形成後に孔があけられてよい。追加の層がループ不織布ウェブの上部を覆い、又は上部に蓋を設けてよい。
【0032】
出発繊維性不織布ウェブには非接着繊維、交絡繊維或いはトウ繊維(tow fiber)が含まれてよい。出発ウェブにはスパンボンド法で製造されてよい連続繊維又はカードウエブ中に存在してよい長さに切断された繊維が含まれてもよい。出発ウェブはメルトブロウイング又はエアレイイング若しくはウエットレイイング不織布ウェブにより製造されてよい。ウェブは熱固着され、水流交絡され、つむがれ(spunlaid)、化学的結合され、又は他の方法で絡ませられてよい。ウェブは熱固着されてよいが、ウェブは熱固着されないことが望ましい場合もある。ウェブのいかなる種類の結合もない或いはウェブの非常に軽い結合だけがおそらくループ形成を可能にするのに役立つかもしれない。繊維又は不織布ウェブは処理される前に着色され又は図若しくは印刷を包含してよい。特に定義されない限り、用語は当業者に使用されているようなそれらの従来の通常の意味を有する。
【0033】
不織布ウェブの繊維には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアミド類、ポリビニルアセテート類などのポリマー、及びそれらのブレンドが含まれてよい。用語「ポリマー」には、一般にホモポリマー、例えばブロック、グラフト、ランダム及び交互共重合体などのコポリマー、ターポリマー等、並びにそれらのブレンド及び改質が挙げられるが、これらに限定されない。更に、特に限定しない限り、用語「ポリマー」は、材料のあらゆる可能な幾何学的構成を含む。その構成としては、アイソタクチック、アタクチック、シンジオタクチック及びランダム対称が挙げられるが、これらに限定されない。繊維は、セルロース、レーヨン、綿若しくは他の天然材料、又はポリマー及び天然材料のブレンドを含み得る。繊維は又、ポリアクリレートなどの超吸収性材料、又は好適な材料のいかなる組み合わせをも含み得る。繊維は吸収性物質であってよく又は繊維性吸収性ゲル材料(繊維性AGMのような)が包含されてよい。繊維には熱可塑性樹脂又は非熱可塑性材料が含まれてよい。繊維は多価カルボン酸類(polyhydroxycarboxylic acids)、ポリブチレン類、ポリ乳酸類、熱可塑化(thermoplasticized)デンプン、デンプン組成物、脂肪族ポリエステル類、コポリエステル類、及び他の生分解性ポリマーなどの生分解性高分子物質から作製されてよいが、これらに限定されない。繊維及びウェブの製造にもよるが、ウェブの繊維は異なる組成物を含んでよい。
【0034】
ループを包含する不織布ウェブを作製するため延伸性材料又は弾性材が使用されてよい。しかしながら不織布ウェブを作製するため弾性材が使用される必要はなく、時として望ましくない。いくつかの用途において、ループが互いに押しつぶされより堅いループ構造を作製するようウェブが処理されるような弾性材料を使用し不織布ウェブを作製することが望ましい場合もある。ループを作製するこの方法は、一つの材料が他の材料よりもより弾性のあるような2つの異なる材料を必要とすることがある。ループは細くされてもよく、又は繊維はループに沿ったさまざまの位置でより小さい直径を有してよい。これは延伸性材料に見出すことができる。
【0035】
不織布ウェブの少なくとも一つの区域が不織布ウェブの表面積の少なくとも約10%においてループを含む、不織布ウェブを包含する種々の製品用途を予測することができる。おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁製品、生理用品、及びタンポンなどの使い捨て衛生物品はいくつかの潜在的用途である。不織布ウェブは衛生物品の1つ以上の構成成分として利用されてよい。例えば、ループを有する不織布ウェブはおむつ又は生理用製品のトップシート(身体に面する層)であってよい。ループ不織布ウェブは非平坦不織布ウェブが望まれるすべての用途で利用されてよい。不織布ウェブを拭き取り用品として使用してもよい。乳幼児拭き取り用品、女性ケア拭き取り用品、顔及び体拭き取り用品、個人用クレンジング、手拭き取り用品、家庭洗浄拭き取り用品、ダスティング拭き取り用品、布地拭き取り用品、及び自動車又は工業使用の拭き取り用品からなるすべての適した拭き取り用品の実用性を思い描くことができる。拭き取り用品はループを両面で有してもよく、片面のみで有してよい。拭き取り用品の用途にもよるが柔軟な可撓性ウェブが望まれる場合があり、又堅く強いウェブが洗浄又は微粒子ピックアップを補助するため利用できる。
【0036】
ループ不織布ウェブは、エアーフィルター、バッグフィルター、液体フィルター、真空フィルター、水排水フィルター及び微生物遮蔽フィルターなどの各種のフィルターシート;コンデンサ・セパレーター紙及びフロッピーディスク包装材料などの各種電気器具用シート;粘着性接着剤テープ基布、油吸収材及び紙フェルトなどの各種工業シート;硬い表面洗浄、床ケア及び他のホームケア用途などの各種乾燥又は予め湿らせた拭き取り用品;家、業務用及び医療処理用ワイパー、印刷ロールワイパー、複写機洗浄用ワイパー、ベビーワイパー及び光学システム用ワイパーなどの各種ワイパーシート;手術用ガウン、医療用ガウン、負傷ケア、カバー布、帽子、マスク、シート、タオル、ガーゼ、パップ剤用基布、おむつ、おむつライナー、おむつカバー、女性ナプキンカバー、女性ナプキン又はおむつ獲得層(カバー層の下)、おむつ芯、タンポンライナー、毛髪拭き取り用品又は毛髪ラップなどの毛髪用製品、接着石膏用基布、湿式タオル、紙タオル、ティッシュなどの各種医療及び衛生シート;パディング布、パッド、ジャンパーライナー及び使い捨て下着などの衣類用各種シート;人造皮革及び合成皮革用基布、テーブルトップ、壁紙、ブラインド、ラッピング、及び乾燥剤用包装、買い物袋、スーツカバー、及びまくらカバーなどの各種生活材料シート;土地カバー及び侵食制御装置、冷却及び太陽光遮蔽布、ライニングカーテン、総体的なカバーシート、光遮蔽シート、農薬ラッピング材及び種栽培用ポット下紙などの各種農業シート;煙霧防及びほこり止マスク、実験ガウン及びほこり防止衣類などの各種保護シート;ハウスラップ、排水管材料、フィルター媒質、分離材、覆い、屋根ふき材料、タフト及びカーペット基布、壁内装材料、防音又は振動減少シート及び硬化シートなどの土木建築物用各種シート;並びに床及びトランクマット、成型天井材料、頭置き及び内張り布、更にアルカリ電池のセパレーターシートなどの各種自動車内装シートを含む種々の用途で使用されてよい。ループ不織布基材の他の用途としてはタオル、手拭きタオル、洗い布、ローブ、衣類並びにテリークロス及びテリークロス様布地が使用される全ての他の用途が挙げられる。これら製品は使い捨て或いは一回を超え使用できる半耐久として使用可能である。又、ループ不織布ウェブは製品用のランディング領域又は他のものに付着させる場所として使用される。この機能におけるループ構造の補助は、望ましい材料を把持或いは接続できることでもある。
【0037】
本発明のループウェブを包含する製品は肉眼ではテリークロス製織材料が含まれているように見えることがある。不織布ウェブは製品が柔軟でふわふわした感覚を高めるかもしれない。ループ不織布ウェブは、不織布ウェブのかさばり又は高さを増し、ウェブ密度を減らし、柔軟性を高め、不織布ウェブの表面積を増し、質感を高め、浸透、吸収又は保持などの流体処理特性、及び各種の他の利益を高めることができる。ループは不織布ウェブをより高いかさばりに保持する特別な持ちこたえ或いは強度を付与できる。狭いループ基底のため、このかさばり或いは質感は他の非平坦化法よりより永続性があることもある。ループ基底は、狭く、繊維又は不織布ウェブはもとの形状に摺動し戻ることができないようにループを定位置にロック・保持することもある。乳幼児がおむつの上に座るなど製品が使用時に圧力を受けるときに、永続性のある質感は流体処理も補助できる。ループが整列されタフトを形成する場合、流体が側面から入ることができるトンネル様構造が形成されるので生じた不織布ウェブはより一層流体処理を補助することができる。
【0038】
本発明のループ不織布ウェブは種々の方法で作製されてよい。ループ不織布ウェブを作製する手段は出発不織布ウェブから多ループを形成することができるすべての方法である。ループを製造する手段は織物方法ではなく、ループ不織布ウェブ又は人工布地(engineered fabric)を製造する方法である。前記方法は、ループを形成する位置に繊維を移動するために利用され、布地又は不織布全体を移動する必要はない。選択される方法は、ウェブの最終用途、望ましい材料、ループの大きさ、及び多くの他の特性によって決まる。一つを超える方法を組み合わせ、又は種々の工程を利用することが望ましい場合もある。
【0039】
複数個のループを含む不織布ウェブを製造する方法は、不織布ウェブを提供する工程と、不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する手段を提供する工程と、不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する工程とを含んでなる。ループを製造する方法としてはニードルパンチング、クレーピング、水流交絡、形成ベルト上での沈積、噛合いロールを使用しての処理、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。更に、形状記憶材料又は弾性材が別個に又は方法の一つに使用されてよい。
【0040】
ニードルパンチングは一般に1枚以上の布地を機械的に絡ませるために使用される。又、ニードルパンチングは布地又は不織布基材の繊維を他に押し込み2つ以上の層を一体化するために使用されてよい。ニードルパンチングは改造され不織布ウェブからループを形成するため使用される。ニードルは選ばれた繊維をウェブの平面を通してZ方向に押し込みループを形成するよう平ら又はずんどうにされる必要があるかもしれない。一般のニードルパンチングプロセスはウェブを処理する際にオーバーラップを最小にするよう制御される必要がある。ニードルの空隙部も繊維の大きさや形成されるループの大きさにより最適化される必要がある。ニードルパンチング設備及び方法は不織布ウェブの繊維を予め有孔ウェブ又はスクリムを通して押し込み狭い基底を有するループの形成を補助するため修正されてよい。又、ニードルパンチングと類似の方法及び設備はニードルの代わりにピン、歯又は他の形状の金属構造体を用いて作製されてもよい。
【0041】
ループ構造を形成する他の方法はクレーピング又はひだ付け(corrugation)法の使用によるものである。クレーピングにはミクレックス法(Micrex process)によるなどの微小クレーピングが挙げられ、ひだ付けはループ又はトンネル様構造を作るため使用されてよい。狭い基底のループ又はタフトの生成を補助するため、弾性の、収縮可能な、又は予め伸ばされた材料を前記方法に使用することが望ましい場合もある。前記方法はループを形成する前か又は後かのいずれかでスリットを付ける方法(slitting process)と組合され、ループ又はトンネル構造が側面流体進入を可能にし、吸収性物品に有益であり得る。
【0042】
形状記憶又は他の特性を有する特殊材料がループを形成するため利用されてよい。材料が温度変化に曝され又は水と接触されたときにループに形成されてもよい。特殊材料はスクリム、有孔ウェブ、形成ベルト又は材料のストリップ上で更に層にされ、材料がタフトを形成するためのメカニズムを付与してもよい。
【0043】
ループを形成する他の可能性のある方法としては形成ベルトの使用が挙げられる。形成ベルトは三次元パターンを包含できループの形成を可能にする。樹脂がコーティングされた抄紙ベルトが使用されてよい。形成ベルトはその中に繊維が堆積される「ループ形状の」形態を有することができる。或いは、形成ベルトは開口を有することができ、繊維が形成ベルトの平面を通って延出することを可能にし、それによりループを作る。繊維はおそらくスパンボンド又はメルトブロウンであり、それで形成ベルト上に堆積される。ウエットレイイング或いはエアレイイング法が繊維及び不織布基材を形成ベルト上に形成するために更に使用されてもよい。基底でより広い非平坦不織布の形成と対比したループ形状の形成において、形成ベルトの形状及び使用される特殊な材料が重要になる。形成ベルトにはループの解除又は形成を補助するために、ラテックス、ローション、表面エネルギー変性剤、デンプン、接着剤、又は潤滑剤がコーティングされてよい。スクリム上にランディングしそしてスクリムを貫通しループ形状を形成する繊維を有することにより、スクリム又は有孔基材も形成ベルト上で利用されてよい。形成ベルトはこの方法において模様付けされてもよいしされなくてもよい。形成ベルト上にループの形成を補助するため真空或いは他の気圧手段が利用されてよい。ベルトの下を真空状態にし平面を通して繊維を引っ張ればループ形状はより簡単に形成できる。
【0044】
ループ不織布ウェブを形成するため水流交絡法も利用されてよい。水流交絡はそれ自身で或いは他の方法と組み合わせて利用できる。BBAからのナブテックス(Nub-tex)及びPGIからのミラテック(Miratec)など多くの模様付き水流交絡アプローチでは模様付きスクリーンを利用する。不織布ウェブの繊維が平面の外へ力が加えられそしてループ形状にされるようスクリーンが設計されてよい。具体的なスクリーンの設計は所望のループ形状により決められる。開口、材料のストリップ又は他のパターンを有するスクリーンが利用できる。繊維をループ形状に導くのを補助するためウォータージェットのスプレーは制御及び調節される必要があるかもしれない。更に、ウォータージェットがスクリムを通して繊維の押し込みを補助し狭い基底を有するループ形状を形成する際、ループの形成を補助するためスクリム又は有孔ウェブが利用されてよい。
【0045】
ループ不織布ウェブを形成する他の方法は噛み合いロールを使用することによる。図13について説明する。本発明のループ10を作製する装置と方法が示される。装置100は、各々が軸Aを中心として回転する一対の噛み合いロール102及び104を具備し、これら軸Aは同一平面内で平行である。ロール102は、ロール102の円周全体にとぎれずに延出する複数個の隆起部106と、対応する溝108とを具備する。ロール104はロール102に類似しているが、円周全体にとぎれずに延出する隆起部を有さず、ロール104は、ロール104の少なくとも一部分の周りに離間した関係で延出する、周囲方向に離間した歯110の列となるように修正された、周囲方向に延出する複数個の隆起部の列を具備する。ロール104の歯110の個々の列は、対応する溝112により分離される。作動中、ロール102及び104は、ロール102の隆起部106がロール104の溝112内まで延出し、ロール104の歯110がロール102の溝108内まで延出するように噛み合う。種々の異なるパターン及びループを作製するため、歯110は一列をなし、交互に配置され、又は一定の間隔で置かれてよい。
【0046】
図13において、装置100は、一つの模様付きロール、例えばロール104、及び一つの模様のない溝付きロール102を有する好ましい構成で示される。しかしながら、特定の実施形態において、それぞれのロールの同一の、又は異なる対応区域において、同一の、又は異なる模様を有する2つの模様付きロール104を使用することが好ましいこともある。そのような装置はウェブの両側から突出したループを有するウェブを製造できる。分当り約457メートル(約1500フィート)を超えるような速いラインスピードでウェブを製造するため噛み合いロールが利用されてよい。
【0047】
噛み合いロールの使用が記載された方法は、多くの点で本明細書に参照として組み込まれ、「弾性様挙動を示すウェブ材料」という名称の、「構造的弾性様フィルム」を意味する「セルフ(SELF)」ウェブとして、それに続く特許文献において参照される米国特許第5,518,801号に記載の方法と類似している。しかし、本発明の装置と上で明らかにされた米国特許第5,518,801号で開示された装置との間には相違がある。これらの相違が本発明のウェブの新しい狭い基底ループを説明する。下記に記載するように、ロール104の歯110は本質的にウェブのエンボスとは対照的に、歯、例えば歯110が実質的に出発ウェブ200を「パンチ」できる前縁及び後縁と関連づけられる具体的な形状を有する。本発明の装置100における差異は、結果として基本的に異なるウェブをもたらす。例えば、本発明のウェブは、広い基底を有しループの定義にふさわしくない先行技術SELFウェブの「テント様」リブ様構成要素とは異なるループを有するであろう。
【0048】
噛み合いロールを利用することによりループ不織布ウェブを製造する方法は弾性材を用いて行われてよい。弾性材は予め伸ばされていてよい。或いは、噛み合いロールを利用しループの形成を補助するため出発ウェブにはスクリム又は有孔不織布ウェブが含まれてよい。他の改造又は変更したロールが使用されてもよい。
【0049】
ループのより高い密度が結果として生じ又は互いに引っ張り及び繊維に平面から外に力を加えループを形成する材料によりループの形成を可能にするよう、その方法には予め伸ばされた弾性材又はウェブが使用されてよい。弾性材はループの形成を補助するため利用されてよいが、弾性材は必要ではなく、多くの場合好ましくない。従って、本発明のループは弾性材を使用せずに形成できる。
【0050】
開口を有するウェブ又はスクリムはループ形成に役立てるため利用できる。予め伸ばされたウェブ、有孔ウェブ又はスクリムが使用されてもよい。予め伸ばされたウェブ又はスクリムが解放されると、狭い基底を有するループが形成できる。又、ループはスクリム又は有孔ウェブを貫通する予め伸ばされたウェブ材料を利用することにより作製されてよい。予め伸ばされた材料が解放されるとき、有孔ウェブ又はスクリムを一緒に引っ張りループ形状の形成を援助してもよい。他の方法においては、ウェブ材料も有孔ウェブ又はスクリムもどちらも予め伸ばされる必要はない。有孔ウェブ材料は米国特許第4,528、097号及び米国特許第5,916,661号により作製される有孔不織布ウェブであってよい。
【0051】
ループ不織布ウェブ形成後、ウェブは追加の処理を行うことができる。これはローション、接着剤又はコーティングの適用、或いは不織布ウェブへの転写であってよい。又、ループはワイヤーブッシュウィール(wire bush wheel)、ナイフ、ブレード、スリッティング、又は高圧空気又は水での吹き出しなどの種々の処理により切断されてよい。従って、ループ不織布ウェブは中間体構造であってよい。
【0052】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、どの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
【0053】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】ループの断面図。
【図2】閉じたループの断面図。
【図3】種々の測定値を示すループの断面図。
【図4】種々の測定値を示すループの断面図。
【図5】空隙領域を示すループの断面図。
【図6】ループの顕微鏡写真。
【図7】ループウェブの斜視図。
【図8】ループウェブ部分の拡大図。
【図9】図8の断面3−3の断面図。
【図10】ループウェブ部分の顕微鏡写真。
【図11】ループウェブ部分の顕微鏡写真。
【図12】ループウェブ部分の顕微鏡写真。
【図13】ループウェブを形成するため使用されてよい装置の斜視図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のループを包含する少なくとも一つの区域を含む不織布ウェブであって、少なくとも10%の前記ループが、ループ基底長に対するループ円周長の比率が4:1を超えることを特徴とする不織布ウェブ。
【請求項2】
前記ループが0.5cm未満の基底長を有することを特徴とする請求項1に記載の不織布ウェブ。
【請求項3】
前記ループがループの最大幅より短い基底長を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の不織布ウェブ。
【請求項4】
ループ基底長に対するループ高の比率が2:1を超えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項5】
平方センチメートル当り少なくとも10のループがあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項6】
ループ基底長に対する前記ループ円周長の比率が10:1を超えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項7】
前記不織布ウェブの表面積の少なくとも10%がループを包含することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項8】
不織布ウェブを含む使い捨て衛生物品及び拭き取り用品からなる群から選択される物品であって、前記不織布ウェブの少なくとも一つの区域が前記不織布ウェブの表面積の少なくとも10%においてループを含むことを特徴とする物品。
【請求項9】
複数個のループを含み、前記ループの少なくとも一つがループ基底長に対するループ円周長の比率が4:1を超える不織布ウェブを製造する方法であって、
a.不織布ウェブを提供する工程と、
b.前記不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する手段を提供する工程と、
c.前記不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する工程と、
からなることを特徴とする方法。
【請求項10】
複数個のループを含み、前記ループの少なくとも一つが最大ループ幅より短いループ基底長を有する不織布ウェブを製造する方法であって、
a.不織布ウェブを提供する工程と、
b.前記不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する手段を提供する工程と、
c.前記不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する工程と、
からなることを特徴とする方法。
【請求項1】
複数個のループを包含する少なくとも一つの区域を含む不織布ウェブであって、少なくとも10%の前記ループが、ループ基底長に対するループ円周長の比率が4:1を超えることを特徴とする不織布ウェブ。
【請求項2】
前記ループが0.5cm未満の基底長を有することを特徴とする請求項1に記載の不織布ウェブ。
【請求項3】
前記ループがループの最大幅より短い基底長を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の不織布ウェブ。
【請求項4】
ループ基底長に対するループ高の比率が2:1を超えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項5】
平方センチメートル当り少なくとも10のループがあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項6】
ループ基底長に対する前記ループ円周長の比率が10:1を超えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項7】
前記不織布ウェブの表面積の少なくとも10%がループを包含することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項8】
不織布ウェブを含む使い捨て衛生物品及び拭き取り用品からなる群から選択される物品であって、前記不織布ウェブの少なくとも一つの区域が前記不織布ウェブの表面積の少なくとも10%においてループを含むことを特徴とする物品。
【請求項9】
複数個のループを含み、前記ループの少なくとも一つがループ基底長に対するループ円周長の比率が4:1を超える不織布ウェブを製造する方法であって、
a.不織布ウェブを提供する工程と、
b.前記不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する手段を提供する工程と、
c.前記不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する工程と、
からなることを特徴とする方法。
【請求項10】
複数個のループを含み、前記ループの少なくとも一つが最大ループ幅より短いループ基底長を有する不織布ウェブを製造する方法であって、
a.不織布ウェブを提供する工程と、
b.前記不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する手段を提供する工程と、
c.前記不織布ウェブの繊維をループ形状に移動する工程と、
からなることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2008−503656(P2008−503656A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516818(P2007−516818)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/021754
【国際公開番号】WO2006/009997
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/021754
【国際公開番号】WO2006/009997
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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