説明

レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法

【課題】ラインエッジラフネスに優れたレジストパターンを製造し得るレジスト組成物を提供すること。
【解決手段】フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位を有し、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる樹脂と、酸分解性基を有する酸発生剤と、両性イオン化合物とを含むレジスト組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の微細加工に利用される光リソグラフィー技術にはレジスト組成物が用いられている。このようなレジスト組成物として、例えば、特許文献1には、ヘキサデシルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド分子内塩と、酸分解性基を有する樹脂と、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタン−1−スルホナートとを含有するレジスト組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−122011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のレジスト組成物を、電子線や超紫外線(EUV)を露光源とする光リソグラフィに用いたとき、得られるレジストパターンのラインエッジラフネス(LER)が満足できない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕 フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位を有し、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる樹脂と、
酸分解性基を有する酸発生剤と、
両性イオン化合物とを含むレジスト組成物。
〔2〕 前記両性イオン化合物が、式(I−1)又は式(I−2)で表される化合物である請求項1記載のレジスト組成物。

[式(I−1)中、
i1、Ri2及びRi3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表す。
i1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜17の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
−Aは、−COO又は−SOを表す。]

[式(I−2)中、
m及びnは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
i4及びRi5は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7のアシル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。
mが2以上の場合、複数存在するRi4は、互いに同一又は相異なる。
nが2以上の場合、複数存在するRi5は、互いに同一又は相異なる。]
〔3〕 前記酸発生剤が、式(B3)又は式(B4)で表される化合物である前記〔1〕又は〔2〕記載のレジスト組成物。

[式(B3)中、
は、酸分解性基を有する有機カチオンを表す。
は、酸分解性基を有さない有機スルホン酸アニオンを表す。]

[式(B4)中、
は、酸分解性基を有さない有機カチオンを表す。
は、酸分解性基を有する有機スルホン酸アニオンを表す。]
〔4〕 前記酸分解性基が、式(1)又は式(2)で表される基である前記〔1〕〜〔3〕のいずれか一つ記載のレジスト組成物。

[式(1)中、
a1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。*は結合手を表す。]

[式(2)中、
a1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。該1価の炭化水素基及び該2価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子に置き換わってもよい。*は結合手を表す。]
〔5〕さらに溶剤を含有する前記〔1〕〜〔4〕のいずれか一つ記載のレジスト組成物。
〔6〕(1)前記〔1〕〜〔5〕のいずれか一つ記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
〔7〕前記(3)が、組成物層に電子線又はEUVを露光する工程である前記〔6〕記載のレジストパターンの製造方法。
【0006】
本発明は、以下の発明をも含む。
〔8〕前記酸発生剤が、
前記式(B3)のAが、式(b3−1)で表される有機カチオンの化合物である前記〔3〕記載のレジスト組成物。

[式(b3−1)中、
d1、Rd2及びRd3はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又は式(b3−1−1)で表される基を表す。該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は3〜18の脂環式炭化水素基に置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は3〜18の脂環式炭化水素基に置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は3〜18の脂環式炭化水素基に置換されていてもよい。ただし、Rd1〜Rd3のうち少なくとも1つは、式(b3−1−1)

(式(b3−1−1)中、
d4は炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該2価の脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わってもよい。
d5は、炭素数1〜5のアルキル基を表す。
m3は0〜2の整数を表し、m3が2である場合、2つ存在するRd5は同一又は相異なる。
は、酸分解性基を表す。
*は硫黄原子との結合手を表す。)
で表される基である。
d1〜Rd3のうち1つが、式(b3−1−1)で表される基である場合、残りの2つが互いに結合し、これらが結合する硫黄原子とともに環を形成してもよい。]
〔9〕前記酸発生剤が、
前記式(B4)のXが、式(b4−1)で表される有機スルホン酸アニオンの化合物である前記〔3〕記載のレジスト組成物。

[式(b4−1)中、
及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b13及びLb14は、単結合又は炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、該2価の脂肪族飽和炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
b1は、炭素数1〜5のアルキル基を有していてもよいフェニレン基又は単結合を表す。
b1は、酸分解性基を表す。]
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、特に、電子線やEUVを露光源とする光リソグラフィに用いた場合に、優れたラインエッジラフネス(LER)を有するレジストパターンを製造し得るレジスト組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、フェノール性ヒドロキシ基を含有する構造単位を有し、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に溶解し得る樹脂(以下、場合により「樹脂(A)」という。)と、酸分解性基を有する酸発生剤と、両性イオン化合物とを含有するレジスト組成物(以下、場合により「本レジスト組成物」という。)を提供する。
さらに、本レジスト組成物は、溶剤(以下、場合により「溶剤(D)」という。)を含有することが好ましい。
さらに、本レジスト組成物は、必要に応じて塩基性化合物(以下、場合により「塩基性化合物(C)」という。)を含有してもよい。
【0009】
本明細書では、特に断りのない限り、炭素数を適宜選択しながら、以下の置換基の例示は、同様の置換基を有するいずれの化学構造式においても適用される。脂肪族炭化水素基のうち、アルキル基のように直鎖状又は分岐状をとることができるものは、そのいずれをも含む。立体異性体が存在する場合は、全ての立体異性体を包含する。以下の置換基の例示において、「C」に付して記載した数値は、各々の基の炭素数を示すものである。
さらに、本明細書において、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」並びに「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
【0010】
炭化水素基とは、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基を包含する。
脂肪族炭化水素基は、鎖式及び環式の双方を含み、特に定義しない限り、鎖式及び脂環式の脂肪族炭化水素基が組み合わせられたものをも包含する。また、これら脂肪族炭化水素基は、その一部に炭素−炭素二重結合を含んでいてもよいが、飽和の基(脂肪族飽和炭化水素基)が好ましい。
【0011】
鎖式の脂肪族炭化水素基のうち1価のものとしては、典型的にはアルキル基が挙げられる。該アルキル基の具体例は、メチル基(C)、エチル基(C)、プロピル基(C)、ブチル基(C)、ペンチル基(C)、ヘキシル基(C)、ヘプチル基(C)、オクチル基(C)、デシル基(C10)、ドデシル基(C12)、ヘキサデシル基(C14)、ペンタデシル基(C15)、ヘキシルデシル基(C16)、ヘプタデシル基(C17)及びオクタデシル基(C18)などである。
鎖式の脂肪族炭化水素基のうち2価のものとしては、アルキル基から水素原子を1個取り去ったアルカンジイル基が挙げられる。アルカンジイル基の具体例は、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基などである。
【0012】
環式の脂肪族炭化水素基(以下、場合により「脂環式炭化水素基」という。)は、単環式及び多環式のいずれをも包含する。
【0013】
1価の単環式の脂環式炭化水素基は、例えば、以下の式(KA−1)〜(KA−7)で表されるシクロアルカンから水素原子を1個取り去った基である。

【0014】
1価の多環式の脂肪族炭化水素基は、以下の式(KA−8)〜(KA−19)で表されるシクロアルカンの水素原子を1個取り去った基である。

【0015】
脂環式炭化水素基のうち2価のものとしては、式(KA−1)〜式(KA−19)の脂環式炭化水素から水素原子を2個取り去った基が挙げられる。
【0016】
脂肪族炭化水素基は置換基を有していてもよい。このような置換基としては、そのつど定義するが、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アリール基、アラルキル基及びアリールオキシ基が挙げられる。
【0017】
アルコキシ基としては、メトキシ基(C)、エトキシ基(C)、プロポキシ基(C)、ブトキシ基(C)、ペンチルオキシ基(C)、ヘキシルオキシ基(C)、ヘプチルオキシ基(C7)、オクチルオキシ基(C8)、デシルオキシ基(C10)及びドデシルオキシ基(C12)などが挙げられる。
アシル基としては、アセチル基(C)、プロピオニル基(C)、ブチリル基(C)、バレイル基(C)、ヘキサノイル基(C)、ヘプタノイルル基(C7)、オクタノイル基(C8)、デカノイル基(C10)及びドデカノイル基(C12)などのアルキル基とカルボニル基とが結合したもの、並びにベンゾイル基(C7)などのアリール基とカルボニル基とが結合したものが挙げられる。
アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基及びイソブチリルオキシ基などが挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基(C7)、フェネチル基(C8)、フェニルプロピル基(C9)、ナフチルメチル基(C11)及びナフチルエチル基(C12)などが挙げられる。
アリールオキシ基としては、フェニルオキシ基(C)、ナフチルオキシ基(C10)、アントニルオキシ基(C14)、ビフェニルオキシ基(C12)、フェナントリルオキシ基(C14)及びフルオレニルオキシ基(C13)などのアリール基と酸素原子とが結合したものが挙げられる。
【0018】
1価の芳香族炭化水素基としては、典型的には、アリール基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基(C)、ナフチル基(C10)、アントニル基(C14)、ビフェニル基(C12)、フェナントリル基(C14)及びフルオレニル基(C13)などが挙げられる。2価の芳香族炭化水素基は例えば、ここに例示したアリール基から、さらに水素原子1個と取り去ったアリーレン基を挙げることができる。
【0019】
芳香族炭化水素基も置換基を有することがある。このような置換基はそのつど定義するが、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基、アルキル基及びアリールオキシ基を挙げることができる。これらのうち、アルキル基は、鎖式脂肪族炭化水素基として例示したものと同じであり、芳香族炭化水素基に任意に有する置換基のうち、アルキル基以外のものは、脂肪族炭化水素基の置換基として例示したものと同じものを含む。
【0020】
<両性イオン化合物>
両性イオン化合物とは、分子内に酸性の原子団及び塩基性の原子団を有する化合物であり、分子内に正に荷電しているカチオン部と、負に荷電しているアニオン部との両者を有する化合物を意味する。好ましい両性イオン化合物としては、例えば、式(I−1)で表される化合物(以下、場合により「両性イオン化合物(I−1)」という。)及び式(I−2)で表される化合物(以下、場合により「両性イオン化合物(I−2)」という。)が挙げられる。

[式(I−1)中、
i1、Ri2及びRi3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表す。
i1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜17の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
−Aは、−COO又は−SOを表す。]
この両性イオン化合物(I−1)は、分子内に、正に荷電している窒素原子と、負に荷電している−COO又は−SOとを有するものである。
【0021】

[式(I−2)中、
m及びnは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
i4及びRi5は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7のアシル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。
mが2以上の場合、複数存在するRi4は、互いに同一又は相異なる。
nが2以上の場合、複数存在するRi5は、互いに同一又は相異なる。]
この両性イオン化合物(I−2)は、分子内に、正に荷電しているヨウ素原子と、負に荷電している−COOとを有するものである。
【0022】
前記の式(I−1)及び式(I−2)において、炭化水素基、脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、アシル基及びアシルオキシ基の具体例は、各々の炭素数の範囲において、すでに例示したものを含む。
アルコキシカルボニル基としては、すでに例示したアルコキシ基にカルボニル基が結合した基が挙げられる。
前記式(I−1)のLi1である2価の脂肪族炭化水素基は、置換基を有してもよく、当該置換基としては、ヒドロキシ基、アミノ基及びアシルオキシ基が好ましい。
前記式(I−2)のRi4及びRi5がハロゲン原子である場合、当該ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子が好ましい。
【0023】
両性イオン化合物(I−1)の好適例を、以下に示す。

両性イオン化合物(I−1)は、公知の製造技術により製造してもよく、市場から入手できるものであってもよい。これらの中でも、入手がより容易であるか、製造がより容易である点で、式(I−1−1)、式(I−1−2)及び式(I−1−8)でそれぞれ表される両性イオン化合物がより好ましい。
【0024】
両性イオン化合物(I−2)の好適例を、以下に示す。

両性イオン化合物(I−2)は、公知の製造技術により製造してもよく、市場から入手できるものであってもよい。これらの中でも、入手がより容易であるか、製造がより容易である点で、式(I−2−1)、式(I−2−3)及び式(I−2−4)でそれぞれ表される両性イオン化合物がより好ましい。
【0025】
<酸分解性基を有する酸発生剤>
本レジスト組成物は少なくとも1種の、酸分解性基を有する酸発生剤を含有する。ここでいう「酸分解性基」とは、脱離基を有し、酸と接触すると分解(脱離基が脱離)して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸分解性基としては、例えば、式(1)で表される基(以下、場合により「酸分解性基(1)」という。)、式(2)で表される基(以下、場合により「酸分解性基(2)」という。)などが挙げられる。

[式(1)中、
a1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。*は結合手を表す。]
【0026】

[式(2)中、
a1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。該1価の炭化水素基及び該2価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子に置き換わってもよい。*は結合手を表す。]
【0027】
酸分解性基(1)のRa1〜Ra3のアルキル基及び脂環式炭化水素基は、各々の炭素数の範囲において、すでに例示したものを含む。ただし、該脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜16の範囲である。
【0028】
a1及びRa2が互いに結合して2価の炭化水素基を形成する場合の−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)で表される基としては、例えば、以下に示す基が挙げられる。該2価の炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜12の範囲である。

【0029】
酸分解性基(1)としては例えば、1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1〜Ra3がアルキル基である基、好ましくはtert−ブチル基)、2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2が結合することで、アダマンチル環を形成し、Ra3がアルキル基である基)及び1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基である基)などが挙げられる。
【0030】
酸分解性基(2)のRa1’〜Ra3’の炭化水素基は例えば、アルキル基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基又はこれらのうち2種以上を組み合わせた基などである。
a1'及びRa2'のうち少なくとも1つは水素原子が好ましい。
【0031】
酸分解性基(2)の具体例としては、以下の基が挙げられる。

【0032】
本レジスト組成物に含有される、酸分解性基を有する酸発生剤は、好ましくは以下の式(B3)で表される化合物(以下、場合により「酸発生剤(B3)」という。)、又は式(B4)で表される化合物(以下、場合により「酸発生剤(B4)」という。)である。なお、以下の説明において、この酸発生剤(B3)及び酸発生剤(B4)のうち、正電荷を有するものを「有機カチオン」といい、該有機カチオンを除去してなる負電荷を有するものを「スルホン酸アニオン」ということがある。
【0033】
<酸発生剤(B3)>

[式(B3)中、
は、酸分解性基を有する有機カチオンを表す。
は、酸分解性基を有さない有機スルホン酸アニオンを表す。]
【0034】
酸発生剤(B3)中の有機カチオン(A+)は、酸分解性基(好ましくは、酸分解性(1)又は酸分解性基(2))を有する有機カチオンである。このような有機カチオン(A+)は例えば、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及び有機ホスホニウムカチオンなどであり、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンが好ましく、有機スルホニウムカチオンがさらに好ましい。有機スルホニウムカチオンの中でも、カチオン中心である硫黄原子に少なくとも1つのアリール基が結合したアリールスルホニウムカチオンが特に好ましい。
【0035】
有機カチオン(A+)は、以下の式(b3−1)で表される有機カチオン[以下、場合により「カチオン(b3−1)」という。]が好ましい。

[式(b3−1)中、
d1、Rd2及びRd3はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又は式(b3−1−1)で表される基を表す。該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基に置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は3〜18の脂環式炭化水素基に置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は3〜18の脂環式炭化水素基に置換されていてもよい。ただし、Rd1〜Rd3のうち少なくとも1つは、式(b3−1−1)

(式(b3−1−1)中、
d4は炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該2価の脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わってもよい。
d5は、炭素数1〜5のアルキル基を表す。
m3は0〜2の整数を表し、m3が2である場合、2つ存在するRd5は同一又は相異なる。
は、酸分解性基を表す。
*は硫黄原子との結合手を表す。)
で表される基である。
d1〜Rd3のうち1つが、式(b3−1−1)で表される基である場合、残りの2つは互いに結合してこれらが結合する硫黄原子とともに環を形成してもよい。]
【0036】
カチオン(b3−1)の中でも、Rd1〜Rd3のうちの1つが、式(b3−1−1)で表される基であるものが好ましい。このようなカチオン(b3−1)を有する酸発生剤(B3)は製造し易いという利点がある。また、Xの酸分解性基は、上述の酸分解性基(1)又は酸分解性基(2)が好ましく、酸分解性基(1)がさらに好ましい。
【0037】
カチオン(b3−1)は、式(b3−2)で表されるカチオンが好ましい。

[式(b3−2)中、Rd6及びRd7は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基に置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は3〜18の脂環式炭化水素基に置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は3〜18の脂環式炭化水素基に置換されていてもよい。
d4、Rd5、X及びm3は、上記と同じ意味を表す。]
【0038】
カチオン(b3−1)としては、例えば、以下の式(b3−1−1−1)〜式(b3−1−1−6)でそれぞれ表されるものが挙げられる。中でも、式(b3−1−1−1)〜式(b3−1−1−3)でそれぞれ表されるものが好ましく、式(b3−1−1−1)で表されるものがさらに好ましい。以下の式において、各符号は上記と同じ意味を表す。

【0039】
酸発生剤(B3)の有機スルホン酸アニオン(X)は、例えば、式(x1)又は式(x2)で表されるものを挙げることができる。

[式(x1)中、
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、炭素数1〜17の2価の脂肪族炭化水素基又は単結合を表し、該2価の脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。]
【0040】
式(x1)のQ1及びQ2におけるペルフルオロアルキル基とは、すでに例示した炭素数1〜6のアルキル基に含まれる水素原子の全部がフッ素原子に置換されたものであり、その具体例は、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基などである。以上のように、ペルフルオロアルキル基の具体例を挙げたが、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、好ましくはペルフルオロメチル基又はフッ素原子であり、Q1及びQ2がともにフッ素原子であると、さらに好ましい。
【0041】
b1の脂肪族炭化水素基は、すでに例示したアルカンジイル基、上述の式(KA−1)〜式(KA−19)の脂環式炭化水素から水素原子を2個取り去った基(2価の脂環式炭化水素基)、これらアルカンジイル基と2価の脂環式炭化水素基との組み合わせである2価の基が挙げられる。
【0042】
b1の脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基が、酸素原子又はカルボニル基に置き換わったものとしては、例えば、以下の式(b1−1)〜式(b1−7)のいずれかで表される基が挙げられる。なお、結合手を表す2つの*は、その左右を式(x1)に合わせて記載しており、左側の結合手は、C(Q1)(Q2)と結合し、右側の結合手はYと結合している。以下の式(b1−1)〜式(b1−6)の具体例も同様である。

式(b1−1)〜式(b1−7)中、
b2は、単結合又は炭素数1〜15の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
b3は、単結合又は炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
b4は、炭素数1〜13の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。但しLb3及びLb4の合計炭素数の上限は13である。
b5は、炭素数1〜15のの脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
b6及びLb7は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基を表し、これらの脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。但しLb6及びLb7の合計炭素数の上限は16である。
b8は、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
b9及びLb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜11の脂肪族炭化水素基を表し、これらの脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。但しLb9及びLb10の合計炭素数の上限は12である。
b11は、炭素数1〜14のの脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
b12は、単結合又は炭素数1〜13の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。但しLb11及びLb12の合計炭素数の上限は14である。
【0043】
b1は、式(b1−1)で表される基が好ましく、*−CO−*又は*−CO−O−Lb2−*がさらに好ましい。
【0044】
式(b1−1)で表される基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0045】
式(b1−2)で表される基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0046】
式(b1−3)で表される基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0047】
式(b1−4)で表される基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0048】
式(b1−5)で表される基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0049】
式(b1−6)で表される基としては、例えば以下のものが挙げられる。

【0050】
式(b1−7)で表される基としては、例えば以下のものが挙げられる。

【0051】
Yのアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、その具体例は炭素数1〜6の範囲ですでに例示したものを含む。脂環式炭化水素基の炭素数は、3〜17の範囲が好ましく、その具体例は、炭素数がこの範囲で、すでに例示したものを含む。
Yのアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数2〜4のアシル基、グリシジルオキシ基又は−(CH2j2−O−CO−Rb1基(式中、Rb1は、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。j2は、0〜4の整数を表す。)などが挙げられる。
Yの脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のヒドロキシ基含有アルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基、グリシジルオキシ基又は−(CH2j2−O−CO−Rb1基(式中、Rb1は、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。j2は、0〜4の整数を表す。)などが挙げられる。
なお、ヒドロキシ基含有アルキル基とは、少なくとも1つのヒドロキシ基を有するアルキル基であり、例えば、ヒドロキシメチル基及びヒドロキシエチル基などが挙げられる。
【0052】
Yの脂環式炭化水素基を構成するメチレン基が、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わった基としては例えば、環状エーテル基(脂環式炭化水素基を構成するメチレン基の1つ又は2つが酸素原子に置き換わった基)、環状ケトン基(脂環式炭化水素基を構成するメチレン基の1つ又は2つがカルボニル基に置き換わった基)、スルトン環基(脂環式炭化水素基を構成するメチレン基のうち隣り合う2つのメチレン基が、それぞれ、酸素原子及びスルホニル基に置き換わった基)及びラクトン環基(脂環式炭化水素基を構成するメチレン基のうち隣り合う2つのメチレン基が、それぞれ、酸素原子及びカルボニル基に置き換わった基)などが挙げられる。
【0053】
Yの脂環式炭化水素基の具体例は、式(Y1)〜式(Y11)でそれぞれ表される基であり、メチレン基が、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わった基の具体例は、式(Y12)〜式(Y26)でそれぞれ表される基である。

これらの中でも、好ましくは式(Y1)〜式(Y19)でそれぞれ表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y14)、式(Y15)及び式(Y19)でそれぞれ表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)及び式(Y14)でそれぞれ表される基である。これらの基は、上記の置換基を有していてもよい。
【0054】
Yの置換基を有する脂環式炭化水素基としては、例えば以下のものが挙げられる。

【0055】
なお、Yがアルキル基であり、かつLb1が炭素数1〜17の2価の直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基である場合、該2価の脂肪族炭化水素基のYとの結合位置にある−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていることが好ましい。この場合、Yのアルキル基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わらない。Yのアルキル基及び/又はLb1の2価の直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子が置換基で置換されている場合も同様である。
【0056】
式(x1)で表されるアニオンとしては、例えば、式(b1−1−1)〜式(b1−1−1−9)でそれぞれ表されるスルホン酸アニオンが挙げられる。これらの式においては、Q、Q及びLb2は前記と同義であり、Rb2及びRb3は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基(好ましくは、メチル基)を表す。

これらの有機スルホン酸アニオンは例えば、特開2010−204646号公報に記載されている。
【0057】

[式(x2)中、
Raは、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素に含まれる水素原子は、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素に含まれる水素原子は、炭素数1〜10アルコキシ基、−CO−O−Rb、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基又は炭素数1〜15のアルキル基で置換されていてもよい。Rbは、炭素数1〜11の脂肪族炭化水素基を表す。]
【0058】
Ra及びRbの脂肪族炭化水素基は、鎖式でも環式でもこれらの組み合わせでもよい。
Raの脂肪族炭化水素基の具体例は炭素数が1〜20の範囲において、すでに例示したアルキル基、脂環式炭化水素基及びそれらの組み合わせが挙げられる。該脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子が好ましい。
Raの芳香族炭化水素基の具体例は炭素数が6〜20の範囲において、すでに例示したものを含む。該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、アルキル基又はハロゲン原子が好ましい。
【0059】
式(x2)で表されるアニオンとしては、例えば、下記のアニオンが挙げられる。

【0060】
酸発生剤(B3)は、有機カチオン(Aa)と、有機スルホン酸アニオン(X)との組み合わせであり、これらは任意に組み合わせることができる。ここで、具体的に、好ましい酸発生剤(B3)を例示する。

【0061】
酸発生剤(B3)は例えば、特開2011−6400号公報記載の製造方法により製造することができる。
【0062】
<酸発生剤(B4)>

[式(B4)中、
は、酸分解性基を有さない有機カチオンを表す。
は、酸分解性基を有する有機スルホン酸アニオンを表す。]
【0063】
酸発生剤(B4)中の有機スルホン酸アニオン(X)は、好ましくは、酸分解性(1)又は酸分解性基(2)を有するものであり、より好ましくは、式(b4−1)又は式(b4−2)で表されるものである。

式(b4−1)中、
及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b13及びLb14は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、該2価の脂肪族飽和炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
b1は、炭素数1〜5のアルキル基を有していてもよいフェニレン基又は単結合を表す。
b1は、酸分解性基、好ましくは、酸分解性基(1)又は酸分解性基(2)を表す。
【0064】

式(b4−2)中、
b2は、前記式(b4−1)と同様に、酸分解性基、好ましくは、酸分解性基(1)又は酸分解性基(2)を表す。
m4は1又は2の整数を表す。m4が2である場合、2つのXb2は互いに同一又は相異なる。
【0065】
式(b4−1)のQ及びQにおけるペルフルオロアルキル基とは、前記式(x1)のQ1及びQ2で説明したものと同じであり、その具体例も同じである。中でも、Q及びQは、それぞれ独立に、好ましくはペルフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはQ及びQがともにフッ素原子である。
【0066】
b13及びLb14の脂肪族炭化水素基は、すでに例示したアルカンジイル基、上述の式(KA−1)〜式(KA−19)の脂環式炭化水素から水素原子を2個取り去った基(2価の脂環式炭化水素基)、これらアルカンジイル基と2価の脂環式炭化水素基との組み合わせである2価の基が挙げられる。
【0067】
b13及びLb14の脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基が、酸素原子又はカルボニル基に置き換わったものとしては、例えば、すでに例示した式(b1−1)〜式(b1−7)でそれぞれ表される基が挙げられる。なお、式(b1−1)〜式(b1−7)における結合手を表す2つの*のうち、左側の結合手は、Lb13の場合はC(Q)(Q)と結合し、Lb14の場合はYb1と結合する。
【0068】
b13は、それぞれ独立に、式(b1−1)、式(b1−2)又は式(b1−7)で表される基が好ましい。また、Lb14は式(b1−4)で表される基が好ましい。
【0069】
有機スルホン酸アニオン(X)の具体例を以下に示す。
なお、ここに示す有機スルホン酸アニオン(X)の具体例において、Ra1〜Ra3は前記式(1)におけるものと同義であり、Ra1'〜Ra3'は前記式(2)におけるものと同義であり、Q及びQは、前記式(b4−1)におけるものと同義である。また、Lb2、Lb4、Lb6及びLb11はそれぞれ、前記の式(b1−1)、式(b1−2)、式(b1−4)及び式(b1−7)におけるものと同義である。Ra4は炭素数1〜5のアルキル基であり、sは0〜3の整数を表す。

【0070】
酸発生剤(B4)において、有機カチオン(A)は、有機オニウムカチオンが好ましい。有機オニウムカチオンとしては例えば、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及び有機ホスホニウムカチオンなどが挙げられ、中でも有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンが好ましく、有機スルホニウムカチオンがさらに好ましい。有機スルホニウムカチオンの中でも、カチオン中心である硫黄原子に少なくとも1つのアリール基が結合したアリールスルホニウムカチオンが特に好ましい。
【0071】
有機カチオン(A)は、好ましくは式(b2−1)〜式(b2−4)でそれぞれ表されるカチオンである。以下、式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表される有機カチオンを、その式番号に応じて「カチオン(b2−1)」などという。

【0072】
式(b2−1)〜式(b2−4)において、
b4、Rb5及びRb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。Rb4とRb5とは、互いに結合し、これらが結合している炭素原子とともに環を形成してもよい。前記アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
【0073】
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m2が2以上の整数である場合、複数のRb7は互いに同一であるか相異なり、n2が2以上の整数である場合、複数のRb8は互いに同一であるか相異なる。
【0074】
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。Rb9とRb10とは、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子とともに3員環〜12員環(好ましくは、3員環〜7員環)を形成していてもよく、これらの環を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
b11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
b9〜Rb11のアルキル基は、炭素数1〜12が好ましく、脂環式炭化水素基は、炭素数3〜18が好ましく、炭素数4〜12がさらに好ましい。
b12は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。前記芳香族炭化水素基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
b11とRb12とは、互いに結合してこれらが結合する−CH−CO−とともに3員環〜12員環(好ましくは、3員環〜7員環)を形成していてもよく、これらの環を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
【0075】
b13〜Rb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上の整数である場合、複数のRb13は互いに同一か相異なり、p2が2以上の場合、複数のRb14は互いに同一か相異なり、s2が2以上の場合、複数のRb17は互いに同一か相異なり、u2が2以上の場合、複数のRb18は互いに同一か相異なる。q2が2以上の場合、複数のRb15は互いに同一か相異なり、r2が2以上の場合、複数のRb16は互いに同一か相異なる。
【0076】
b12のアルキルカルボニルオキシ基としては、すでに例示したアシル基と酸素原子とが結合したものである。
【0077】
b9〜Rb12のアルキル基の好適例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基などである。
b9〜Rb11の脂環式炭化水素基の好適例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキル−2−アダマンチル基、1−(1−アダマンチル)−1−アルキル基及びイソボルニル基などである。
b12の芳香族炭化水素基の好適例は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基などである。
b12の芳香族炭化水素基とアルキル基が結合したものは、典型的にはアラルキル基である。
b9とRb10とが結合して形成する環としては例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環及び1,4−オキサチアン−4−イウム環などが挙げられる。
b11とRb12とが結合して形成する環としては例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環などが挙げられる。
【0078】
b4とRb5とが一緒になって形成してもよい硫黄原子を含む環としては、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよく、硫黄原子を1以上含むものであれば、さらに、1以上の硫黄原子及び/又は1以上の酸素原子を含んでいてもよい。該環としては、炭素数3〜18の環が好ましく、炭素数4〜18の環がより好ましい。
【0079】
カチオン(b2−1)、カチオン(b2−2)、カチオン(b2−3)及びカチオン(b2−4)の具体例は、特開2010−204646号公報に記載されたものを挙げることができる。
【0080】
例示した有機カチオンの中でも、式(b2−1)で表されるものが好ましく、以下の式(b2−1−1)で表される有機カチオン〔以下、「カチオン(b2−1−1)」という。〕がより好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=0である。)がさらに好ましい。

式(b2−1−1)中、
b19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
このアルキル基の炭素数は1〜12が好ましく、脂環式炭化水素基の炭素数は4〜18が好ましい。
前記アルキル基は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。
前記脂環式炭化水素基は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRb19は同一でも異なっていてもよく、w2が2以上のとき、複数のRb20は同一でも異なっていてもよく、x2が2以上のとき、複数のRb21は同一でも異なっていてもよい。
なかでも、Rb19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。
【0081】
酸発生剤(B4)は、有機スルホン酸アニオン(X)と、有機カチオン(A)との組み合わせであり、これらは任意に組み合わせることができる。ここで酸発生剤(B4)の具体例を以下に示す。

【0082】

【0083】
酸発生剤(B4)の製造方法を、式(B4−a)、式(B4−b)又は式(B4−c)で表される化合物を例にして説明する。以下の説明において、各符号は前記と同義である。
【0084】
式(B4−a)で表される化合物(以下、場合により「酸発生剤(B4−a)」という)は、式(b4−1−1)で表される有機スルホン酸アニオンを含む酸発生剤(B4)であり、その製造方法を以下に示す。

まず、式(B4−a−1)で表される化合物と、式(B4−a−2)で表される化合物とを、塩基触媒の存在下、溶媒中で反応させることにより、式(B4−a−3)で表される化合物を製造する。

式中、Xは、ハロゲン原子を表し、当該ハロゲン原子の中でも塩素原子が好ましい。
この反応で用いる溶媒は、ジメチルホルムアミドなどである。塩基触媒としては、トリエチルアミンなどが用いられる。
【0085】
別途、式(B4−a−4)で表される化合物と、式(B4−a−5)で表される化合物とを反応させることにより、式(B4−a−6)で表される化合物を製造する。なお、式(B4−a−4)で表される化合物は例えば、特開2008−127367号公報に記載された方法で製造することができる。

【0086】
かくして得られた式(B4−a−3)で表される化合物と、式(B4−a−6)で表される化合物とを、溶媒中で反応させることにより酸発生剤(B4−a)を製造することができる。この反応で用いる溶媒は、アセトニトリルなどである。

【0087】
式(B4−b)で表される化合物(以下、場合により「酸発生剤(B4−b)」という)は、式(b4−1−2)で表される有機スルホン酸アニオンを含む酸発生剤(B4)であり、その製造方法を以下に示す。

まず、式(B4−b−1)で表される化合物と、式(B4−b−2)で表される化合物とを塩基触媒の存在下、溶媒中で反応させることにより、式(B4−b−3)で表される化合物を製造する。

この反応で用いる溶媒は、ジメチルホルムアミドなどである。塩基触媒としては、トリエチルアミンなどが用いられる。
【0088】
かくして得られた式(B4−b−3)で表される化合物を、式(B4−a−3)に置き換えた以外は、塩(B4−a)と同じ製造方法を実施することにより、酸発生剤(B4−b)は製造することができる。
【0089】
式(B4−c)で表される化合物(以下、場合により「酸発生剤(B4−c)」という)は、式(b4−1−4)で表される有機スルホン酸アニオンを含む酸発生剤(B4)であり、その製造方法を以下に示す。

酸発生剤(B4−c)は、式(B4−b−2)で表される化合物と、式(B4−c−1)で表される化合物とを、溶媒中、触媒存在下で反応させることにより製造できる。

この反応で用いる溶媒は、ジメチルホルムアミドなどであり、触媒としては、炭酸カリウム及びヨウ化カリウムなどが用いられる。
【0090】
式(B4−c−1)で表される化合物は、例えば、式(B4−c−2)で表される化合物と、式(B4−c−3)で表される化合物とを、溶媒中、酸触媒の存在下で反応させることにより製造することができる。この反応を反応式の形式で表すと以下のとおりである。この反応で用いる溶媒は、モノクロロベンゼンなどである。酸触媒としては、トリフルオロ酢酸などが用いられる。なお、式(B4−c−2)で表される化合物は、例えば、特開2006−257078号公報に記載された方法で合成することができる。

【0091】
式(B4−d)で表される化合物は、式(b4−1−5)で表される有機スルホン酸アニオンを含む酸発生剤(B4)であり、その製造方法を以下に示す。

式(B4−d)で表される化合物は、式(B4−a−2)で表される化合物と、式(B4−c−1)で表される化合物とを、触媒の存在下、溶媒中で反応させることにより製造できる。

この反応で用いる溶媒は、ジメチルホルムアミドなどであり、触媒としては、炭酸カリウム及びヨウ化カリウムなどが用いられる。
【0092】
<その他の酸発生剤>
本レジスト組成物には、酸分解性基を有する酸発生剤以外の酸発生剤(すなわち、酸分解性基を有さない酸発生剤;以下、場合により「酸発生剤(B)」という。)をさらに含有してもよい。酸発生剤(B)としては、酸分解性基を有さないものであれば特に限定されず、公知の酸発生剤を利用できる。このような酸発生剤としては、イオン性酸発生剤でも、非イオン性発生剤でもよいが、イオン性酸発生剤が好ましい。イオン性酸発生剤としては、例えば、式(B5)で表される化合物が挙げられる。

式(B5)中、A及びXは、前記と同義である。
【0093】
酸発生剤(B)としては、例えば、式(B1−1)〜式(B1−20)でそれぞれ表されるものが挙げられる。中でもトリフェニルスルホニウムカチオン、トリトリルスルホニウムカチオンを含むものが好ましく、式(B1−1)、式(B1−2)、式(B1−3)、式(B1−6)、式(B1−11)、式(B1−12)、式(B1−13)及び式(B1−14)でそれぞれ表されるものがさらに好ましい。

【0094】

【0095】

【0096】

【0097】
<樹脂(A)>
樹脂(A)は上述のとおり、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる特性を有するものである。なお、「酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る」とは、「酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となる」ことを意味する。
【0098】
樹脂(A)は、その分子内に酸分解性基、好ましくは酸分解性基(1)又は酸分解性基(2)を有する。このような樹脂(A)は、酸分解性基を有するモノマー(以下、このモノマーを場合により「モノマー(a1)」といい、モノマー(a1)に由来する構造単位を「構造単位(a1)」という。)を重合することによって製造できる。樹脂(A)を製造する際には、モノマー(a1)を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0099】
モノマー(a1)は、酸分解性基と炭素−炭素二重結合とを有するモノマーが好ましく、酸分解性基を有する(メタ)アクリル系モノマーがさらに好ましい。
【0100】
なかでも、酸分解性基(1)及び/又は酸分解性基(2)を有するモノマー(a1)が好ましく、酸分解性基(1)及び/又は酸分解性基(2)を有するを有する(メタ)アクリル系モノマーが特に好ましい。
【0101】
酸分解性基を有する(メタ)アクリル系モノマーのうち、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有するモノマー(a1)が好ましい。このようなモノマー(a1)を用いて得られる樹脂(A)は、脂環式炭化水素基のような嵩高い構造を有するものとなるので、該樹脂(A)を含有する本レジスト組成物の解像度が一層良好となる傾向がある。
【0102】
<好適な構造単位(a1)>
樹脂(A)は、好ましくは、式(a1−1)で表される構造単位(以下、場合により「構造単位(a1−1)」という。)又は式(a1−2)で表される構造単位(以下、場合により「構造単位(a1−2)」という。)からなる群から選ばれる少なくとも一種を有する。樹脂(A)は、構造単位(a1−1)を単独種で有していてもよく、複数種有していてもよく、構造単位(a1−2)を単独種で有していてもよく、複数種有していてもよく、構造単位(a1−1)と構造単位(a1−2)とを合わせて有していてもよい。

[式(a1−1)中、
a1は、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。)で表される基を表す。
a4は、水素原子又はメチル基を表す。
a6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
式(a1−2)中、
a2は、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−(k1は前記と同義である。)で表される基を表す。
a5は、水素原子又はメチル基を表す。
a7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
【0103】
a1及びLa2は、好ましくは、酸素原子又は、k1が1〜4の整数である*−O−(CH2k1−CO−O−で表される基であり、より好ましくは酸素原子又は*−O−CH2−CO−O−であり、さらに好ましくは酸素原子である。
a4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a6及びRa7の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜8の脂環式炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜6の脂環式炭化水素基である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
【0104】
構造単位(a1−1)としては、式(a1−1−1)〜式(a1−1−8)でそれぞれ表される構造単位が好ましく、式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)でそれぞれ表される構造単位がより好ましい。
【0105】


【0106】

【0107】
これらの構造単位(a1−1)を誘導し得るモノマー(a1)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたものなどが挙げられる。
【0108】
構造単位(a1−2)としては、好ましくは、式(a1−2−1)〜式(a1−2−6)でそれぞれ表される構造単位であり、より好ましくは、式(a1−2−3)、式(a1−2−4)、式(a1−2−7)及び式(a1−2−8)でそれぞれ表される構造単位であり、さらに好ましくは、式(a1−2−3)及び式(a1−2−7)で表される構造単位である。

【0109】
構造単位(a1−2)を誘導し得るモノマー(a1)としては、例えば、1−エチルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘキサン−1−イル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘプタン−1−イル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレート及び1−イソプロピルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0110】
樹脂(A)が構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を有する場合、これらの合計含有割合は、該樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、10〜95モル%が好ましく、15〜90モル%がより好ましく、20〜85モル%が一層好ましく、20〜60モル%が特に好ましい。
また、構造単位(a1)として、アダマンチル基を有する構造単位(a1)(特に好ましくは、構造単位(a1−1))を有する場合には、樹脂(A)中の構造単位(a1)の合計に対して、アダマンチル基を有する構造単位(a1)が15モル%以上であることが好ましい。このような含有割合でアダマンチル基を有する構造単位(a1)を有する樹脂(A)は、該樹脂(A)を含有するレジスト組成物から製造されるレジストパターンのドライエッチング耐性が良好となる傾向がある。
【0111】
<その他の構造単位(a1)>
構造単位(a1)としては、例えば、以下の式(a1−3)で表されるモノマー(以下、場合により「モノマー(a1−3)」という。)に由来する構造単位も挙げられる。樹脂(A)がモノマー(a1−3)に由来する構造単位を有すると、その主鎖に剛直なノルボルナン環を含むものとなるので、このような樹脂(A)を含有する本レジスト組成物は、ドライエッチング耐性に優れたレジストパターンを製造できる傾向がある。

式(a1−3)中、
a9は、水素原子、置換基(例えばヒドロキシ基)を有していてもよい炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基、シアノ基、又は−COORa13で表される基を表し、Ra13は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子はヒドロキシ基などに置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。Ra10、Ra11及びRa12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基を表すか、或いはRa10及びRa11は互いに結合して環を形成している。該脂肪族炭化水素基及に含まれる水素原子はヒドロキシ基などで置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
【0112】
a9の置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基は典型的には、置換基を有していてもよいアルキル基であり、かかるアルキル基のうち、置換基を有さないアルキル基は、その炭素数が1〜8の範囲ですでに例示したものを含む。置換基、特にヒドロキシ基を有する脂肪族炭化水素基(アルキル基)としては例えば、ヒドロキシメチル基及び2−ヒドロキシエチル基などである。Ra13としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基及び2−オキソ−オキソラン−4−イル基などが挙げられる。
【0113】
a10〜Ra12の脂肪族炭化水素基も典型的には、アルキル基であり、その具体例はRa9の場合と同じである。Ra10とRa11とが結合し、これらが結合する炭素原子とともに形成される環は、シクロへキサン環及びアダマンタン環などである。
【0114】
モノマー(a1−3)としては例えば、特開2010−204646号公報に記載されたものが用いられる。これらの中でも、以下の式(a1−3−1)、式(a1−3−2)、式(a1−3−3)及び式(a1−3−4)でそれぞれ表されるモノマーが好ましく、式(a1−3−2)又は(a1−3−4)で表されるモノマーがより好ましく、式(a1−3−2)で表されるモノマーがさらに好ましい。

【0115】
樹脂(A)が、モノマー(a1−3)に由来する構造単位を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位に対して、10〜95モル%が好ましく、15〜90モル%がより好ましく、20〜85モル%がさらに好ましい。
【0116】
構造単位(a1)としては、以下の式(a1−4)で表されるモノマー(以下「モノマー(a1−4)」という場合がある。)に由来する構造単位も挙げられる。

式(a1−4)中、
10は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
は0〜4の整数を表す。
11は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表し、lが2以上である場合、複数のR11は互いに同一であっても異なってもよい。
12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
a2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基又は単結合を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又は−N(R)−(ただし、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す)で表される基に置き換わっていてもよい。
a3は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。
【0117】
「ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基」のうち、アルキル基としては、炭素数が1〜6の範囲ですでに例示したものを含む。ハロゲン原子を有するアルキル基としては、フッ素原子を有するアルキル基が好ましい。フッ素原子を有するアルキル基は、例えば、ペルフルオロアルキル基などである。
10は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基及びエチル基がより好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
11のアルコキシ基は、炭素数1〜6の範囲において、すでに例示したものを含むが、中でも、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
11のアシル基及びアシルオキシ基も、その炭素数が2〜4の範囲において、すでに例示したものを含む。
12及びR13の炭化水素基は、その炭素数が1〜12の範囲において、Ya3の炭化水素基は、その炭素数が1〜18の範囲において、すでに例示した脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれかを含む。
a2の脂肪族炭化水素基は2価の鎖式炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基又は、鎖式炭化水素基と脂環式炭化水素基とが組み合わさった2価の基であり、炭素数1〜17の範囲ですでに例示した基を適宜組み合わせた基を挙げることができる。
【0118】
モノマー(a1−4)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。中でも、式(a1−4−1)〜式(a1−4−7)でそれぞれ表されるモノマーが好ましく、式(a1−4−1)〜式(a1−4−5)でそれぞれ表されるモノマーがより好ましい。

【0119】
樹脂(A)がモノマー(a1−4)に由来する構造単位を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位に対して、10〜95モル%が好ましく、15〜90モル%がより好ましく、20〜85モル%が特に好ましい。
【0120】
構造単位(a1)としては、以下の式(a1−5)で表されるモノマー(以下、場合により「モノマー(a1−5)」という。)に由来する構造単位も挙げられる。

式(a1−3)中、
a8は、水素原子又はメチル基を表す。
は、単結合、酸素原子又はカルボニル基を表す。
は炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
a1〜Ra3は、前記と同義である。
【0121】
構造単位(a1−5)のRa1〜Ra3はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基及びヘキシル基であるか、Ra1及びRa2が互いに結合して2価の炭化水素基を形成していることが好ましい。Ra1及びRa2が互いに結合して2価の炭化水素基を形成することにより、それらが結合する炭素原子とともに形成される環は、炭素数3〜12の環であることが好ましく、アダマンタン環又はシクロヘキサン環がより好ましい。
のアルカンジイル基の具体例は、炭素数が1〜6の範囲で、すでに例示したものを含む。
【0122】
構造単位(a1−5)の具体例は例えば、以下に示すものである。

【0123】
樹脂(A)が、構造単位(a1−5)を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位に対して、3〜80モル%が好ましく、5〜70モル%がより好ましく、5〜60モル%が特に好ましい。
【0124】
<フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位>
樹脂(A)は、フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位(以下、場合により「構造単位(h)」という。)を有することにより、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)を露光源とする露光、電子線あるいはEUV光などの高エネルギー線を露光源とする光リソグラフィに用いる場合に有用である。
フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位(以下、場合により「構造単位(h)」という。)としては、以下の式(a2−0)で表されるもの(以下、場合により「構造単位(a2−0)」という。)が挙げられる。

式(a2−0)中、
a30は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は同一でも異なっていてもよい。
【0125】
a30の「ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基」としては、式(a1−4)R10と同様の基が挙げられる。
a30は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基及びエチル基がより好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
a31のアルコキシ基の具体例は、炭素数1〜6の範囲で、すでに例示したものを含む。これらのうち、Ra31は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
【0126】
構造単位(a2−0)の中でも、以下の式(a2−0−1)、式(a2−0−2)、式(a2−0−3)及び式(a2−0−4)でそれぞれ表されるものが好ましい。かかる構造単位を誘導し得るモノマーは、例えば、特開2010−204634号公報に記載されている。

【0127】
酸安定構造単位(a2−0)を含む樹脂(A)は、構造単位(a2−0)を誘導するモノマーが有するフェノール性ヒドロキシ基を例えば、アセチル基等の保護基で保護した後、この保護されたモノマーを用いて重合し、次いで、前記保護基を脱保護処理することにより、製造することが好ましい。また、脱保護処理を実施する際、構造単位(a1)が有する酸分解性基を著しく損なわないように、塩基で行うことがより好ましい。
【0128】
構造単位(a2−0)の含有割合は、樹脂(A)の全構造単位に対して、5〜90モル%が好ましく、10〜85モル%がより好ましく、15〜80モル%がさらに好ましい。
【0129】
<酸分解性基を有さない構造単位>
樹脂(A)は、構造単位(a1)及び構造単位(h)に加え、酸分解性基及び/又はフェノール性ヒドロキシ基を有さない構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位」といい、酸安定構造単位を誘導し得るモノマーを、「酸安定モノマー」という。)を有していることが好ましい。該樹脂(A)は、酸安定構造単位は1種のみを有していてもよく、複数種を有していてもよい。
【0130】
樹脂(A)が酸安定構造単位を有する場合、構造単位(a1)の含有割合を基準にして、酸安定性構造単位の含有割合を定めるとよい。構造単位(a1)の含有割合と酸安定性構造単位の含有割合とのモル比(〔構造単位(a1)〕/〔酸安定構造単位〕)は、好ましくは10:90〜80:20であり、より好ましくは20:80〜60:40である。このようにすると、樹脂(A)を含有する本レジスト組成物から得られるレジストパターンのドライエッチング耐性がより一層良好になる傾向がある。
【0131】
酸安定構造単位は、ヒドロキシ基又はラクトン環を有する構造単位が好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位(a2)」という。)及び/又はラクトン環を有する酸安定構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位(a3)」という。)を有する樹脂(A)は、当該樹脂(A)を含有する本レジスト組成物を基板に塗布したとき、基板上に形成される塗布膜、又は塗布膜から得られる組成物層が基板との間に優れた密着性を発現し易くなり、この本レジスト組成物は良好な解像度で、レジストパターンを製造することができる。
【0132】
<酸安定構造単位(a2)>
酸安定構造単位(a2)としては、アルコール性ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位が挙げられ、ArFエキシマレーザ(波長:193nm)を露光源とする光リソグラフィに有用である。このように、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は各々、レジストパターンを製造する際の露光源によって好ましいものを選ぶことができるが、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)1種のみを有していてもよく、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)2種以上を有していてもよく、或いは、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)と、それ以外の酸安定構造単位(a2)とを組み合わせて有していてもよい。
【0133】
アルコール性ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(a2)としては、以下の式(a2−1)で表されるもの(以下、場合により「酸安定構造単位(a2−1)」という。)が挙げられる。

式(a2−1)中、
a3は、酸素原子又は−O−(CH2k2−CO−O−(k2は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。)で表される基を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
【0134】
a3は、好ましくは、酸素原子又は、k2が1〜4の整数である−O−(CH2k2−CO−O−で表される基であり、より好ましくは、酸素原子又は、−O−CH2−CO−O−であり、さらに好ましくは酸素原子である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
【0135】
酸安定構造単位(a2−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0136】
酸安定構造単位(a2−1)を誘導するモノマーは、例えば、特開2010−204646号公報に記載されている。これらの中でも、式(a2−1−1)、式(a2−1−2)、式(a2−1−3)及び式(a2−1−4)でそれぞれ表される構造単位がより好ましく、式(a2−1−1)又は(a2−1−3)で表される構造単位がさらに好ましい。
【0137】
樹脂(A)が酸安定構造単位(a2−1)を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位に対して、3〜45モル%が好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜35モル%がさらに好ましい。
【0138】
<酸安定構造単位(a3)>
酸安定構造単位(a3)が有するラクトン環は例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環及びδ−バレロラクトン環のような単環式でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
【0139】
酸安定構造単位(a3)は好ましくは、以下の式(a3−1)、式(a3−2)又は式(a3−3)で表されるものである。樹脂(A)は、これらのうち1種のみを有していてもよく、2種以上を有していてもよい。なお、以下の説明においては、式(a3−1)で示されるものを「酸安定構造単位(a3−1)」といい、式(a3−2)で示されるものを「酸安定構造単位(a3−2)」といい、式(a3−3)で示されるものを「酸安定構造単位(a3−3)」という。

[式(a3−1)中、
a4は、酸素原子又は−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a18は、水素原子又はメチル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
a21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、p1が2以上の場合、複数のRa21は互いに同一又は相異なる。
式(a3−2)中、
a5は、酸素原子又は−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
q1は、0〜3の整数を表す。
a19は、水素原子又はメチル基を表す。
a22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、q1が2以上の場合、複数のRa22は互いに同一又は相異なる。
式(a3−3)中、
a6は、酸素原子又は−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a20は、水素原子又はメチル基を表す。
r1は、0〜3の整数を表す。
a23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、r1が2以上の場合、複数のRa23は互いに同一又は相異なる。]
【0140】
式(a3−1)〜式(a3−3)において、La4〜La6は、式(a2−1)のLa3で説明したものと同じものが挙げられる。
a4〜La6は、それぞれ独立に、酸素原子又は、k3が1〜4の整数である*−O−(CH2k3−CO−O−で表される基が好ましく、酸素原子及び、*−O−CH2−CO−O−がより好ましく、さらに好ましくは酸素原子である。
a18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。なお、p1が2である場合、2つのRa21は互いに同一又は相異なり、q1が2である場合、2つのRa22は互いに同一又は相異なり、r1が2である場合、2つのRa23は互いに同一又は相異なる。
【0141】
酸安定構造単位(a3−1)の好適例は、以下の式(a3−1−1)、式(a3−1−2)、式(a3−1−3)及び式(a3−1−4)でそれぞれ表されるものである。

【0142】
酸安定構造単位(a3−2)の好適例は、以下の式(a3−2−1)、式(a3−2−2)、式(a3−2−3)及び式(a3−2−4)でそれぞれ表されるものである。

【0143】
酸安定構造単位(a3−3)の好適例は、以下の式(a3−3−1)、式(a3−3−2)、式(a3−3−3)及び式(a3−3−4)でそれぞれ表されるものである。

【0144】
酸安定構造単位(a3−1)、酸安定構造単位(a3−2)及び酸安定構造単位(a3−3)を誘導するモノマーは、例えば、特開2010−204646号公報に記載さてる。上記の酸安定構造単位(a3)の具体例の中でも、式(a3−1−1)〜式(a3−1−2)、式(a3−2−3)〜式(a3−2−4)で表される構造単位がより好ましく、式(a3−1−1)又は式(a3−2−3)で表される構造単位がさらに好ましい。
【0145】
樹脂(A)が、酸安定構造単位(a3)を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位に対して、5〜70モル%が好ましく、10〜65モル%がより好ましく、10〜60モル%がさらに好ましい。
【0146】
その他の酸安定構造単位としては、疎水性の酸安定構造単位が挙げられる。
具体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、4-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート又はテトラシクロドデセニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素基含有(メタ)アクリル系モノマーなどに由来する構造単位が挙げられる。これらのうち、スチレン系モノマーに由来する構造単位が好ましい。
【0147】
樹脂(A)が、このような疎水性の酸安定構造単位を有する場合、その含有割合は、該樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜60モル%の範囲が好ましく、3〜50モル%の範囲がより好ましく、5〜40モル%の範囲がさらに好ましい。
【0148】
樹脂(A)は、上述の構造単位以外に、さらに、レジスト分野で周知の構造単位を有していてもよい。
【0149】
<樹脂(A)の製造方法>
樹脂(A)は、構造単位(a1)と構造単位(h)とを有するものであり、好ましくは、構造単位(a1)とと構造単位(h)と酸安定構造単位とを有するものである。構造単位(a1)は、好ましくは、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)であり、酸安定構造単位は、酸安定構造単位(a2)及び/又は酸安定構造単位(a3)である。
樹脂(A)は、樹脂(A)を構成する各構造単位を誘導するモノマーを用いて、上述したようなモノマーを公知の重合法(例えばラジカル重合法)に供し、重合(共重合)することにより製造できる。
樹脂(A)に含まれる各構造単位の含有割合は、樹脂(A)を製造するために用いる各モノマーの使用割合によって調整できる。
【0150】
樹脂(A)の具体例を構造単位の組み合わせで例示すると、下記(A−1)〜(A-8)の樹脂が挙げられる。
【0151】

【0152】
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,500以上50,000以下であり、より好ましくは3,000以上30,000以下である。なお、ここでいう重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものである。この分析の詳細な分析条件は、本願の実施例に記載する。
【0153】
<塩基性化合物(C)>
塩基性化合物(C)は、レジスト分野でクエンチャーと呼ばれるものであり、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物であり、例えばアミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。塩基性化合物(C)は、好ましくは、式(C1)〜式(C8)又は式(C1−1)で表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(C1−1)で表される化合物が挙げられる。
【0154】

[式(C1)中、
c1、Rc2及びRc3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
【0155】

[式(C1−1)中、
c2及びRc3は、前記と同義である。
c4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4は、互いに同一又は相異なる。]
【0156】

[式(C2)、式(C3)及び式(C4)中、
c5、Rc6、Rc7及びRc8は、それぞれ独立に、Rc1と同義である。
c9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜6のアルカノイル基を表す。
n3は0〜8の整数を表し、n3が2以上のとき、複数のRc9は、互いに同一又は相異なる。]
【0157】

[式(C5)及び式(C6)中、
c10、Rc11、Rc12、Rc13及びRc16は、それぞれ独立に、Rc1と同義である。
c14、Rc15及びRc17は、それぞれ独立に、Rc4と同義である。
o3及びp3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、o3が2以上であるとき、複数のRc14は互いに同一又は相異なる。p3が2以上であるとき、複数のRc15は互いに同一又は相異なる。
c1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
【0158】

[式(C7)及び式(C8)中、
c18、Rc19及びRc20は、それぞれ独立に、Rc4と同義である。
q3、r3及びs3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、q3が2以上であるとき、複数のRc18は互いに同一又は相異なる。r3が2以上であるとき、複数のRc19は互いに同一又は相異なる。s3が2以上であるとき、複数のRc20は互いに同一又は相異なる。
c2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
【0159】
式(C1)〜式(C8)及び式(C1−1)においては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシ基及びアルカンジイル基の具体例は、各々の炭素数の範囲ですでに例示したものを含む。
アルカノイル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基及び2,2−ジメチルプロピオニル基などが挙げられる。
【0160】
式(C1)で表される化合物としては、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミンエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン及び4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタンなどが挙げられ、好ましくはジイソプロピルアニリンが挙げられ、特に好ましくは2,6−ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
【0161】
式(C2)で表される化合物としては、ピペラジンなどが挙げられる。
式(C3)で表される化合物としては、モルホリンなどが挙げられる。
式(C4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
式(C5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリンなどが挙げられる。
式(C6)で表される化合物としては、イミダゾール及び4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
式(C7)で表される化合物としては、ピリジン及び4−メチルピリジンなどが挙げられる。
式(C8)で表される化合物としては、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン及びビピリジンなどが挙げられる。
【0162】
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリチラート及びコリンなどが挙げられる。
【0163】
<溶剤(D)>
本レジスト組成物が溶剤(D)を含有する場合、当該溶剤(D)は、両性イオン化合物、酸分解性基を有する酸発生剤や樹脂(A)などの種類及びその量に応じ、さらに後述するレジストパターンの製造において、基板上に本レジスト組成物を塗布する際の塗布性が良好となるという点から適宜、最適なものを選ぶことができる。
【0164】
溶剤(D)としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類;γ−ブチロラクトン等の環状エステル類などを挙げることができる。溶剤(D)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を含有してもよい。
【0165】
<その他の成分>
本レジスト組成物はさらに上述の成分のその他の成分(以下、場合により「成分(F)」という。)を含有してもよい。かかる成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で慣用の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料などが挙げられる。
【0166】
<本レジスト組成物の調製方法>
本レジスト組成物は、両性イオン化合物、酸分解性基を有する酸発生剤、樹脂(A)、並びに、必要に応じて用いられる酸発生剤(B)、溶剤(D)、塩基性化合物(C)及び成分(F)を混合することにより調製できる。かかる混合において、その混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、両性イオン化合物などの種類や両性イオン化合物などの溶剤(D)に対する溶解度などに応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合などを用いることができる。
本レジスト組成物を調製する際に用いる各成分の含有割合は、それらの使用量により調節することができる。
各成分を混合した後は、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
【0167】
本レジスト組成物における樹脂(A)の含有量は、レジスト組成物の固形分の総量に対して、80質量%以上99質量%以下が好ましい。本明細書において「レジスト組成物の固形分」とは、レジスト組成物から溶剤(D)を除いた成分の合計を意味する。レジスト組成物の固形分及び本レジスト組成物に含まれる各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
【0168】
溶剤(D)の含有量は、本レジスト組成物総質量に対して好ましくは90質量%以上、より好ましくは92質量%以上、さらに好ましくは94質量%以上、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99.5質量%以下、さらに好ましくは99質量%以下である。ここで、溶剤(D)の含有量が90質量%である本レジスト組成物では、組成物中の固形分の含有量は10質量%に相当する。
溶剤(D)の含有量が上記範囲内であると、例えば後述するレジストパターンの製造方法において、厚み30〜300nm程度の組成物層を形成しやすいという利点がある。
【0169】
酸発生剤の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上35質量部以下であり、より好ましくは3質量部以上30質量部以下である。なお、ここでいう酸発生剤の含有量とは、酸分解性基を有する酸発生剤(好ましくは、酸発生剤(B3)及び酸発生剤(B4))と、任意に用いる酸発生剤(B)との総量をいう。
【0170】
両性イオン化合物の含有量は、本レジスト組成物の固形分の総質量に対して、好ましくは、0.01〜5質量%であり、より好ましく0.05〜3質量%であり、さらに好ましく0.10〜2質量%である。
【0171】
本レジスト組成物に塩基性化合物(C)を含有させる場合、その含有割合は、本レジスト組成物の固形分の総質量に対して、0.01〜3質量%程度が好ましい。
【0172】
なお、成分(F)を本レジスト組成物に用いる場合には、当該成分(F)の種類に応じて、適切な含有量を調節することができる。
【0173】
<レジストパターンの製造方法>
本レジスト組成物を用いるレジストパターンの製造方法は、
(1)本レジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を、現像する工程
を含む製造方法である。以下、ここに示す工程の各々を、「工程(1)」〜「工程(5)」のようにいう。
【0174】
工程(1)における本レジスト組成物の基板上への塗布は、スピンコーターなど、半導体の微細加工のレジスト材料塗布用として広く用いられている塗布装置によって行うことができる。かくして基板上にレジスト組成物からなる塗布膜が形成される。当該塗布装置の条件(塗布条件)を種々調節することで、該塗布膜の膜厚は調整可能であり、適切な予備実験等を行うことにより、所望の膜厚の塗布膜になるように塗布条件を選ぶことができる。本レジスト組成物を塗布する前の基板は、微細加工を実施しようとする種々のものを選ぶことができる。なお、本レジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄したり、反射防止膜を形成したりしてもよい。この反射防止膜の形成には例えば、市販の有機反射防止膜用組成物を用いることができる。
【0175】
工程(2)においては、基板上に塗布された本レジスト組成物、すなわち塗布膜を乾燥させることにより溶剤を除去する。このような乾燥は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いた加熱手段(いわゆるプリベーク)、又は減圧装置を用いた減圧手段により、或いはこれらの手段を組み合わせて、該塗布膜から溶剤を蒸発させることにより行われる。加熱手段や減圧手段の条件は、本レジスト組成物に含まれる溶剤(D)の種類等に応じて選択でき、例えばホットプレートの場合、該ホットプレートの表面温度を50〜200℃程度の範囲にすることが好ましい。また、減圧手段では、適当な減圧乾燥機の中に、塗布膜が形成された基板を封入した後、該減圧機の内部圧力を1〜1.0×10Pa程度にすればよい。かくして塗布膜から溶剤を除去することにより、該基板上には組成物層が形成される。
【0176】
工程(3)は、好ましくは、組成物層に露光機を用いて露光する工程である。露光機の露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの;超紫外光(EUV)(波長13.5nm)を放射するもの;電子線(EB)を放射するもの;固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの等、種々のものを用いることができる。本明細書において、これらの放射線を照射することを総称して「露光」という場合がある。
露光は、通常、微細加工を実施しようとする所望のパターンが形成されたマスク(フォトマスク)を介して行われる。露光光源が電子線の場合は、マスクを用いずに直接描画を行ってもよい。また、露光機は液浸露光機(液浸媒体としては、超純水などが用いられる。)であってもよい。
これらの露光方法の中でも、本レジスト組成物は、電子線又は超紫外光露光によりレジストパターンを製造すると、極めて良好なラインエッジラフネス(LER)を有するレジストパターンを製造できる。そのため、本レジスト組成物は、電子線照射用又は超紫外光露光用のレジスト組成物として特に好適である。
【0177】
工程(5)は、加熱後の組成物層を現像する工程であり、好ましくは、加熱後の組成物層を現像装置により現像するものである。現像方法としては、ディップ法、パドル法、スプレー法、ダイナミックディスペンス法等が挙げられる。現像温度は、例えば5〜60℃が好ましく、現像時間は、例えば5〜300秒が好ましい。
【0178】
現像液の種類を選択することにより、ポジ型レジストパターン又はネガ型レジストパターンを製造できる。
本レジスト組成物からポジ型レジストパターンを製造する場合は、現像液としてアルカリ水溶液を用いる。前記アルカリ水溶液としては、「アルカリ現像液」と称される本技術分野で公知のものを用いることができる。該アルカリ水溶液としては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液や(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液などが挙げられる。アルカリ現像液には、界面活性剤等の添加剤が含まれていてもよい。
現像後、好ましくは超純水などでリンス処理を行ってレジストパターンを洗浄し、さらに基板及びレジストパターン上に残存している水分を除去することが好ましい。
【0179】
本レジスト組成物からネガ型レジストパターンを製造する場合は、現像液として有機溶剤を含む現像液(以下「有機系現像液」という場合がある)を用いる。
有機系現像液に含まれる有機溶剤としては、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル溶剤;酢酸ブチル等のエステル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;アニソール等の芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
有機系現像液中、有機溶剤の含有率は、90質量%以上100質量%以下が好ましく、95質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に有機溶剤のみであることがさらに好ましい。
中でも、有機系現像液としては、酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンを含む現像液が好ましい。有機系現像液中、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンの合計含有率は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンのみであることがさらに好ましい。
有機系現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。また、有機系現像液には、微量の水分が含まれていてもよい。
現像の際、有機系現像液とは異なる種類の溶剤に置換することにより、現像を停止してもよい。
【0180】
現像後のレジストパターンをリンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、レジストパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができ、好ましくはアルコール溶剤又はエステル溶剤である。
洗浄後は、基板及びパターン上に残ったリンス液を除去することが好ましい。
【0181】
<用途>
本レジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線照射用のレジスト組成物(電子線用レジスト組成物)又はEUV露光用のレジスト組成物(EUV用レジスト組成物)などに有用である。特に、電子線又はEUVを露光源とする光リソグラフィーに用いると、極めて良好なラインエッジラフネスのレジストパターンを製造できる。
【実施例】
【0182】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。
実施例及び比較例中、含有量及び使用量を表す「%」及び「部」は、特記ないかぎり質量基準である。
以下の実施例において、化合物の構造は、質量分析(LC;Agilent製1100型、MASS;Agilent製LC/MSD型)で確認した。
重量平均分子量は、下記条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。
装置:HLC−8120GPC型(東ソー株式会社製)
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
【0183】
酸分解性基を有する酸発生剤の合成
合成例1(酸発生剤(B3);B3−2の合成)

式(B3−1−4)で表される化合物1.21部を含む溶液に、クロロホルム4.79部と式(B3−2−1)で表される化合物1.50部の混合物を添加し、12時間撹拌した。反応混合物をイオン交換水による分液操作により洗浄した後、得られた混合物に活性炭1.0部を加えて攪拌した。ろ過により活性炭を除去し、得られたろ液を濃縮した。残渣に、酢酸エチル10部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣にtert−ブチルメチルエーテル10部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、濃縮して、式(B3−2)で表される酸発生剤1.65部を得た。これを、B3−2とする。
MS(ESI(+)Spectrum):M 393.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 339.1
【0184】
合成例2(酸発生剤(B4);B4−4の合成)

式(B4−1−4)で表される化合物を、特開2008−127367号公報に記載された方法で合成した。
式(B4−1−4)で表される化合物2.99部及びアセトニトリル15.00部を反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌した後、式(III)で表される化合物1.30部を添加した。その後、70℃まで昇温し、同温度で2時間攪拌した。得られた反応混合物を23℃まで冷却した後、不溶物をろ過により除去し、式(III−1)で表される化合物を含む溶液を得た。
かくして得られた式(III−1)で表される化合物を含む溶液に、式(B4−4−1)で表される化合物9.19部を加え、23℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物に、クロロホルム100部及びイオン交換水50部を仕込み、攪拌・静置・分液を行った。回収された有機層に、イオン交換水50部を仕込み、攪拌・静置・分液するという水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層に活性炭1.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。ろ液を濃縮した後、得られた濃縮物に、アセトニトリル50部を添加して溶解し、濃縮した。次に、得られた濃縮物に、酢酸エチル50部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。続いて、得られた濃縮物にtert−ブチルメチルエーテル50部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。最後に、得られた濃縮物をクロロホルムに溶解し、濃縮した。得られた濃縮物を、カラム分取(固定相:メルク製シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1(体積比))することにより、式(B4−4)で表される酸発生剤16.84部を得た。これをB4−4とする。
MS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 559.2
【0185】
樹脂(A)の合成
樹脂(A)の合成に使用した化合物(モノマー)を下記に示す。


以下、これらの化合物をその式符号に応じて、「モノマーA」などという。
【0186】
合成例3〔樹脂A1の合成〕
モノマーB11.18部、p−アセトキシスチレン14.60部、及びモノマーC3.55部に、1,4−ジオキサン28.82部を加えて溶液とし、この溶液を87℃まで昇温した。開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2.96部を添加し、87℃で6時間保温した。冷却後、反応溶液をメタノール291.41部とイオン交換水124.89部の混合溶媒に注いで、樹脂を沈殿させ、これをろ過した。得られた樹脂及び4−ジメチルアミノピリジン2.93部を、当該樹脂と同量のメタノールに加えて15時間加熱還流した。冷却後、得られた反応溶液に、氷酢酸2.16部を加え中和した後、大量の水に注いで沈殿させた。析出した樹脂をろ別した。ろ過した樹脂をアセトンに溶解させた後、大量の水に注いで沈殿させるという再沈殿操作を3回繰り返して精製し、重量平均分子量が約3.4×10の樹脂27.71部を得た。この樹脂を樹脂A1とする。なお、樹脂A1は以下の構造単位を有するものである。

【0187】
合成例4〔樹脂A2の合成〕
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、1,4−ジオキサンを92.8部及びモノマーA16.7部仕込み、85℃まで昇温した。そこへp−(1−エトキシエトキシ)スチレン60.0部、モノマーA39.0部、モノマーC9.22部、スチレン4.06部、モノマーD26.6部及びアゾビスイソブチロニトリル11.5部を1,4−ジオキサン138.5部に溶解した溶液を、1時間かけて滴下した。その後85℃を保ったまま6時間攪拌を継続した。反応溶液を40℃に冷却後、メタノール1609部及び水402部の混合溶液を十分冷却し、ここに反応溶液を注ぐことにより、樹脂を析出させた。得られた樹脂をメチルイソブチルケトンに溶解し、p−トルエンスルホン酸3.09部及び水309.4部を加え6時間攪拌した。静置・分液して回収された有機層を、3回程度水洗した後、水洗後の有機層をn−ヘプタン2010部に注ぎ樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾取し減圧乾燥して、重量平均分子量5.2×10の樹脂を129部得た。この樹脂を樹脂A2とする。この樹脂A2は、以下の構造単位を有するものである。

【0188】
合成例5〔樹脂A3の合成〕
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、1,4−ジオキサン15.1部を仕込み、85℃まで昇温した。そこへp−(1−エトキシエトキシ)スチレン12.0部、モノマーB4.65部、モノマーE5.85部、モノマーF1.39、スチレン1.30部及びアゾビスイソブチロニトリル1.84部を1,4−ジオキサン22.7部に溶解した溶液を、1時間かけて滴下した。その後85℃を保ったまま6時間攪拌を継続した。反応溶液を40℃に冷却後、メタノール262部及び水65部の混合溶液を十分冷却し、ここに反応溶液を注ぐことにより、樹脂を析出させた。得られた樹脂をメチルイソブチルケトンに溶解し、p−トルエンスルホン酸0.50部及び水50.4部を加え6時間攪拌した。静置・分液して回収された有機層を、3回程度水洗した後、水洗後の有機層をn−ヘプタン327部に注ぎ樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾取し減圧乾燥して、重量平均分子量4.9×10の樹脂を18.1部得た。この樹脂を樹脂A3とする。この樹脂A3は、以下の構造単位を有するものである。

【0189】
実施例及び比較例
(レジスト組成物の調製)
表1に示す各成分を混合して溶解し、さらに後述の溶剤に溶解した後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターでろ過して、レジスト組成物を調製した。
【0190】
<酸分解性基を有する酸発生剤>
B3−2:

B4−4:

B4−5:特開2011−126869号に記載された方法で合成した。

B4−6:特開2011−46694号公報に記載された方法で合成した。

B5−1:トリフェニルスルフォニウム 1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロ−1−ブタンスルフォネート(アルドリッチ社製)

<樹脂>
A1:樹脂A1
A2:樹脂A2
A3:樹脂A3
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 150.0部
γ−ブチロラクトン 5.0部
<両性イオン化合物>
I−1−1:無水ベタイン(東京化成工業(株)製)

I−1−8:ヘキサデシルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド分子内塩(東京化成工業(株)製)

I−2−1:ジフェニルヨードニウム−2−カルボキシラート(東京化成工業(株)製)

【0191】
【表1】

【0192】
(電子線露光によるレジストパターンの製造;電子線用レジスト組成物としての評価)
シリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上にて、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理した。このシリコンウェハに、レジスト組成物を、組成物層の膜厚が0.04μmとなるようにスピンコートした。その後、ダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして組成物層を形成した。ウェハ上に形成された組成物層に、電子線描画機〔(株)日立製作所製の「HL−800D 50keV」を用いて、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを直接描画により露光した。
露光後、ホットプレート上にて表1の「PEB」欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行ってレジストパターンを得た。
得られたレジストパターン(ラインアンドスペースパターン)を走査型電子顕微鏡で観察した。
【0193】
ラインエッジラフネス評価(LER):100nmのラインアンドスペースパターンのスペース幅とライン幅が1:1となる露光量で露光して製造されたレジストパターンの壁面を走査型電子顕微鏡で観察し、レジストパターンの側壁の凹凸の振れ幅(単位;nm)を測定してラインエッジラフネスとした。その結果を表2に示す。
【0194】
【表2】

【0195】
実施例14
(EUV露光によるレジストパターンの製造;EUV用レジスト組成物としての評価)
シリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上にて、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理した。このシリコンウェハに、実施例1のレジスト組成物を組成物層の膜厚が0.04μmとなるようにスピンコートした。
その後、ダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして組成物層を形成した。ウェハ上に形成された組成物層に、EUV露光機を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後、ホットプレート上にて表1の「PEB」欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行ってレジストパターンを得た。
【0196】
ラインエッジラフネス評価(LER):30nmのラインアンドスペースパターンのスペース幅とライン幅とが1:1となる露光量で露光して製造されたレジストパターンの壁面を走査型電子顕微鏡で観察し、レジストパターンの側壁の凹凸の振れ幅(単位;nm)を測定してラインエッジラフネスとした。その結果を表3に示す。
【0197】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0198】
本レジスト組成物を用いれば、優れたラインエッジラフネス(LER)を有するレジストパターンを製造することができる。そのため、本レジスト組成物は半導体の微細加工などに極めて有用であり、産業上の価値は高いものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位を有し、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる樹脂と、
酸分解性基を有する酸発生剤と、
両性イオン化合物とを含むレジスト組成物。
【請求項2】
前記両性イオン化合物が、式(I−1)又は式(I−2)で表される化合物である請求項1記載のレジスト組成物。

[式(I−1)中、
i1、Ri2及びRi3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表す。
i1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜17の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
−Aは、−COO又は−SOを表す。]

[式(I−2)中、
m及びnは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
i4及びRi5は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7のアシル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。
mが2以上の場合、複数存在するRi4は、互いに同一又は相異なる。
nが2以上の場合、複数存在するRi5は、互いに同一又は相異なる。]
【請求項3】
前記酸発生剤が、式(B3)又は式(B4)で表される化合物である請求項1又は2記載のレジスト組成物。

[式(B3)中、
は、酸分解性基を有する有機カチオンを表す。
は、酸分解性基を有さない有機スルホン酸アニオンを表す。]

[式(B4)中、
は、酸分解性基を有さない有機カチオンを表す。
は、酸分解性基を有する有機スルホン酸アニオンを表す。]
【請求項4】
前記酸分解性基が、式(1)又は式(2)で表される請求項1〜3のいずれか一項記載のレジスト組成物。

[式(1)中、
a1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。*は結合手を表す。]

[式(2)中、
a1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。該1価の炭化水素基及び該2価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子に置き換わってもよい。*は結合手を表す。]
【請求項5】
さらに溶剤を含有する請求項1〜4のいずれか一項記載のレジスト組成物。
【請求項6】
(1)請求項1〜5のいずれか一項記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
【請求項7】
前記(3)が、組成物層に電子線又はEUVを露光する工程である請求項6記載のレジストパターンの製造方法。

【公開番号】特開2013−92755(P2013−92755A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−210440(P2012−210440)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】