説明

レジ袋

【課題】
腕をねじらなくても手提げでき、肩掛けとしても使用でき、レジの横にセットできるレジ袋を提供する。
【解決手段】
対面の対で有する吊壁1の側方へ対面の対で有する屈壁2を延設して角筒形状を成し、該角筒形状の下部を閉じて袋部3を形成する。該屈壁2の中央を天地に貫く線で屈線12を設け、該屈壁2を平らにすることで該袋部3の下部は平面状に広がって矩形の底壁4となる。該袋部3の吊壁1の上部へ持ち手5を延設し、該持ち手5はV折帯6の頂部の合着稜線7を合着して形成し、該合着稜線7の線上と該底壁4の長底辺8の線上とが直角に交差した位置関係で設ける。屈壁2の上辺を押し広げて袋部3を開口するので、持ち手5の裾が広がって持ち手5は外へ倒れ、レジ横にセットして、精算済みの商品を詰込んでもらえる。長底辺8が持つ人の体に接する方向に位置しているので、腕をねじらなくても手提げでき、肩掛けもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケットなどで使用するレジ袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレジ袋は、底部を矩形に広げた状態で、短辺である襠面方向から手を通して持つ構造であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−131250号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
腕をねじらないでバッグを手提げする場合、布製のバッグ、例えばトートバッグは持ち歩く人の前後方向に襠面があるのに対し、従来のレジ袋は、持ち歩く人の左右方向に襠面が位置していた。前記のような構造のため、手提げでレジ袋を持ち歩く場合は、腕を九十度程ねじって、襠面を人体の前後方向へ方向転換する必要があった。又、肩に掛けて持ち歩くショルダーバッグとしての利用は、狭い方の面である襠面側から腕を通すので、体から袋が大きく突出するので不安定になり、実質的には肩掛けはできない構造であった。又、袋の座りが悪く、持ち手が袋部から上に突出しているので、レジ籠にセットして、精算済みの商品をレジ店員が直接詰込み難い構造であった。本発明では、前記のような問題の解決を課題にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
持ち手の形成構造は従来のレジ袋と同じであり、その構造を述べるならば、角筒形の襠面となる面をV字に谷折し、線状に折り重なった角筒形の上辺を合着して合着稜線を形成し、該合着稜線の中央部と襠面のV字折された上部領域とを切り取って吊穴を形成し、該吊穴の形成によってV折帯の頂部が合着稜線となった持ち手が形成される。角筒形の底辺は閉じられて袋部と成り、該袋部の底面は矩形に広がる底壁を成し、該底壁の長底辺は該合着稜線と直角に交差する位置関係で設ける。
【発明の効果】
【0006】
持ち手の合着稜線と直角に交差する位置関係で底壁の長底辺が設けられているので、合着稜線の合着によって形成される吊穴は長底辺の上に位置し、バッグを持ち歩く人の体に長底辺が接するので、腕をねじって手提げする必要が無くなり、ショルダーバッグとしても安定した状態で肩に掛ける事ができる。底壁の短底辺上部の屈壁上部を外側へ押し広げて袋部を開口するので、持ち手の裾が広がることで持ち手が外へ倒れ、持ち手が邪魔にならない状態でレジ横にセットでき、精算済み商品をレジ店員が直接詰込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】置き状態の斜視図である。(実施例1)
【図2】長底辺形成過程を示した斜視図である。
【図3】持ち手倒し開口状態要部透視斜視図である。
【図4】折り畳み状態正面斜視図である。
【図5】畳み状態要部透視剥離正面斜視図である。(実施例2)
【図6】巻き過程を示す要部透視斜視図である。
【図7】畳紙折り過程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
持ち手の合着稜線と直角方向に底壁の長底辺を位置付けることで、腕をねじらなくても手提げでき、安定した状態で肩掛けでき、レジ横にセットできるレジ袋を実現した。
【実施例1】
【0009】
図1は、置き状態の斜視図である。折線は一点鎖線で表示し、透視線は破線で表示し、谷折山折で表示する折線方向は外側からを基準にして表示する。吊壁1の面を正面とし、屈壁2の面を側面とする。本発明物の形成素材は限定ではなく、布や不織布または紙であっても良いが、人工樹脂膜であることが望ましく、該人工樹脂膜はビニールであっても良いが、ポリエステル(以降ポリと称する)である事が望ましい。
【0010】
対面の対で有する吊壁1の両側へ対面の対で有する屈壁2を延設して角筒を形成し、該角筒の底辺へ矩形の底壁4を連接して袋部3を形成する。吊壁1の上部へ持ち手5を延設し、該持ち手5は外側を袋折したV字帯6の頂部を合着して形成し、前記頂部の合着箇所を合着稜線7とする。該合着方法は限定ではなく、接着や縫合、場合によっては嵌合であっても良いが、ポリ素材が望ましいことから、ポリ素材の望ましい合着方法として溶着であることが望ましい。該溶着とは、ポリやビニールなどの人工樹脂素材を、高周波ミシンや超音波ミシンなどで連結する箇所を一時的に溶かして固める加工方法である。吊壁1の天縁中央から合着稜線7の内側を繋ぐ領域は切り離されて吊穴15を形成し、該吊穴15の形成によって持ち手5は輪の形状を成す。屈壁2の中央を天地に貫く折線で屈線12を入れる。屈壁2の天縁中央を天方向へ突出させて結び片14を設ける。
【0011】
底壁4は長底辺8と短底辺16とで矩形を成し、吊壁1の底辺を長底辺8にし、屈壁2の底辺を短底辺16にする。短底辺16と合着稜線7は平行な位置関係を成していることから、長底辺8と合着稜線7の延長線上は直角に交差した位置関係を成している。
【0012】
図2は、長底辺形成過程を示した斜視図である。持ち手5の形成方法は従来のレジ袋と同じ方法であることが望ましく、その形成方法を以下に述べる。吊壁1の中央を天地に貫く領域を襠面跡9とし、該襠面跡9の外側隣接領域を側域10とする。該襠面跡9を跡と称しているのは、使用時には襠面の役割を果たさないからである。襠面跡9の中央を天地へ貫く中折線17を谷折し、襠面跡9と側域10との境界線である襠折線18を山折して襠面跡9をM字に折り畳む。襠面跡9をM字に折り畳んだ事で対面の屈壁2どうしは重合し、前後面がM字折り畳み状態のM折角筒となる。該M折角筒状態で下縁を合着して閉じ、該M折角筒状態の上部に於いては屈壁2の上辺を合着すると同時、或いは適宜な時間差を設けて合着稜線7を含む屈壁2の上部領域を概略矩形で切り抜く。襠面跡9の中折線17領域を屈壁2と折り重なる領域へ適宜に食み出してM字に折り畳み、該屈壁2上部の切り抜きを行うことで吊穴15を形成する。屈壁2上部領域の矩形切抜きは、切り残された屈壁2の上辺が直線になる状態で行っても良いが、天地に細長い半楕円形或いは矩形や台形で切り残して結び片14を設けることが望ましい。
【0013】
襠折線18はV折帯6の袋折線と同一線上に位置し、該V折帯6と概略同寸幅で側域10を設けることが望ましい。襠折線18が角地に成った角筒体の袋部3では、合着稜線7と平行に屈壁2が長手方向になっており、襠折線18を伸ばして襠面跡9と側域10とを同一面にして吊壁1を形成することで、屈壁2と直角に隣接する吊壁1が長手方向になる。該吊壁1を一つの面にしたことで下部領域に台形片11の余り領域が生じ、該台形片11と該吊壁1との境界線を長底辺8にする。該長底辺8の線上を合着して切断、或いは溶着して切断する溶断であっても良いが、該長底辺8を山折して該台形片11を底壁4へ折り重ね、台形片11の周囲を溶着して固定する構造が望ましい。
【0014】
V折帯6の切り縁線を垂直に下へ延長する側折線19を直角に山折にして矩形の底壁4を形成するのが望ましいのであるが、該側折線19を設ける箇所は限定ではなく、該側折線19の位置移動によって底壁4の長さ比率を変化させても良く、該側折線19が屈壁2方向へ移動するに従って、屈壁2の幅は狭くなるし、袋部3の高さは少しずつ低くなる。
【0015】
図3は、持ち手倒し開口状態要部透視斜視図である。側折線19の上端どうしを外側へ引っ張って吊壁1の上辺を一直線状に張ることで、持ち手5は裾が広がった状態で外へ倒れる。持ち手5は裾が広がった状態で外へ倒れているので平たく畳まれた状態になり、袋部3から上へ突出していない。結び片14は内側へ折り倒しているが、外側へ折り倒しても良い。図示のように持ち手5と結び片14とは倒れているので、袋部3の上に突出している箇所は無くて邪魔になる箇所は無いので、レジで精算した商品を袋部3へ直接詰込み易くできる。袋部3が開口状態で自立し易くするため、本発明物の形成素材は少し厚みがあって腰のあるポリであることが望ましい。
【0016】
図3の状態から折り畳むのであり、屈壁2中央の屈線12を谷折してM字状に折り込んでも良いが、該屈線12を山折して外側へ折り出す方法が望ましい。屈壁2の下部に天地逆V字形状の山折線を介して三角側底域20を区分している。該三角側底域20の底辺両角は屈壁2の底角と同じ場所に位置し、該三角側底域20の頂点は屈線12の線上に位置して直角或いは直角に近い角度を成していることが望ましい。屈線12の上部は山折線であるが、該三角側底域20の頂点を境にする屈線12の下部領域は側底線域21と称して谷折線にすることが望ましい。
【0017】
図4は折り畳み状態斜視図である。結び片14は上方へ突出して図示しているが、実際には袋体3の中或いは外へ折れ曲がって屈壁2へ寄り添っている状態が望ましい。屈線12の上部を深く山折して袋折状態にすることで側折線19の折れ曲がりは少なくなって平らに伸びる。三角側底域20斜辺の斜め線24は深く山折されることで短底辺16の折れ曲がりは浅くなって、最終的には底板4と三角側底域20とは一つの概略平面になり、横長の六角形になる。長底辺8は深く山折されて袋部3は平らに折り畳まれている。平らに折り畳まれた袋部3は底壁4を底折線13で二つ折りにし、二つ折りになった底壁4を芯にして袋部3を巻き、畳紙と同じように三つ折して、一方の端を他方の端へ挟み込んだ矩形で固定する。
【実施例2】
【0018】
図5は畳み状態要部透視剥離正面斜視図である。実施例1では角筒形を基本にして加工していた。実施例2でも角筒形を基本にして加工できるが、平シートを基本にして加工することが望ましい。平シートをW字形状に折り曲げて、中央の天地逆V字領域を適宜に低くしたW字折体を形成する。該W字折体中央の天地逆V字領域を底壁4とし、前後両方の領域を外壁22とする。
【0019】
底壁4の底折線13を谷折して折り込んだW字折体の両側縁を屈線12とし、該屈線12を溶着によって合着することが望ましい。外壁22は矩形であっても良いが、上方を広くした台形の袋部3であっても良く、屈線12を少しだけ傾けて溶着することで容易に加工できる。情報を広くした台形の袋部3にすることによって、外壁22の上辺を広くできるので詰込み易くなり、大きくすれば、レジ籠の上辺へ被せることもできる。外壁22の中央部を天地に貫く領域で襠面跡9があり、該襠面跡9をM字に折り畳んで、実施例1と同様の方法で持ち手5と結び片14を形成する。該外壁22は両側の屈線12の間で底壁4を除く広い領域であり、側域10を含む吊壁1と側壁2を含んでいる。
【0020】
実施例2では屈線12の下端は外壁22の下辺まで達しており、折底線13の稜線折線よりも下の領域を重合線23とする。該重合線23と側底線域21は概略同寸であり、該側底線域21の内端から下へ垂らす折線を短底辺16とする。該短底辺16と外壁22との接点から、重合線23と側底線域21との接点を繋ぐ谷折線を斜め線24とする。該斜め線24を境界線として、上の領域を三角側底域20とし、下の領域を重合面25とする。該三角側底域20と該重合面25は斜め線24を中心線とする概略線対称形であり、側底線域21を上から押圧すると斜め線24が谷折されて三角側底域20と重合面25とが重なり合い、底壁4が広がって立体的になる。
【0021】
図6は巻き過程を示す要部透視斜視図である。結び片14の収納は袋部3の中へ入れるのが望ましいが、それは使用する人の自由で、外へ出した状態で折り曲げ収納しても良い。底壁4を芯にして、下から袋部3を巻いて行く過程が望ましく、巻く回数は限定ではないが、底壁4の広さに対応すれば良く、三つ折程度に巻く構造が望ましい。
【0022】
図7は畳紙折り過程を示す斜視図である。畳紙は「たとう」と読み、和装の懐紙、和服の収納に用いる伝統的な折り畳み構造である。袋部3を三つ折に巻いた後、一方の端から三分の二程度を背方へ折り曲げて正面まで回転させて図示の状態にする。正面まで回された同じ一方の端から前記と同程度の領域である三分の一程度の領域を、他方の端に有している隙間26へ挟み込んで、畳紙の折り畳み状態を固定する。畳紙折りする面は限定ではないが、持ち手5を内側へ巻き込む構造で折り畳むのが望ましい。畳紙と同じ構造で折り畳みができるので、通い袋として複数回使用でき、一度使用の使い捨てレジ袋よりもゴミの量を減らす事ができて、環境に優しくなる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明物はレジ袋としての使用を目的としているが、ゴミ袋としての使用もできる。又、レジ袋として使用した後、ゴミ袋として使用することもできる。
【符号の説明】
【0024】
1 吊壁
2 屈壁
3 袋部
4 底壁
5 持ち手
6 V折帯
7 合着稜線
8 長底辺
9 襠面跡
10 側域
11 台形片
12 屈線
13 底折線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対面の対で有する吊壁(1)の側方へ対面の対で有する屈壁(2)を延設して角筒形状を成し、該角筒形状の下部を閉じて袋部(3)を形成し、該屈壁(2)の中央を天地に貫く線で屈線(12)を設け、該屈壁(2)を平らにすることで該袋部(3)の下部は平面状に広がって矩形の底壁(4)となり、該袋部(3)の上部へ持ち手(5)を延設し、該持ち手(5)はV折帯(6)の頂部の合着稜線(7)を合着して形成し、該合着稜線(7)の線上と該底壁(4)の長底辺(8)の線上とが直角に交差する位置関係で設けたことを特徴とするレジ袋。
【請求項2】
合着稜線(7)と長底辺(8)とを直角に交差する位置関係にする構造として、従来と同じレジ袋に形成した後、襠面跡(9)と、その外側に位置する側域(10)との下部領域を折り曲げることで台形片(11)を形成し、該台形片(11)の基部折り曲げ箇所を長底辺(8)として設けたことを特徴とする請求項1記載のレジ袋。
【請求項3】
合着稜線(7)と長底辺(8)とを直角に交差する位置関係にする構造として、長底辺(8)と平行に底壁(4)の中央を貫く線で底折線(13)を設け、該底折線(13)を内方へ折込み、該底折線(13)の両端を屈線(12)の合着によって固定したことを特徴とする請求項1または請求項2記載のレジ袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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