説明

レターオープナ

【課題】通常はレターオープナとして使用される構造であり、かつ動作部を動かすことによりカッターとしても使用することができるレターオープナを提供する。
【解決手段】本体の側面に開口を設けるとともに切断刃を移動可能に構成してカッターとしても使用できるように前記開口から本体の外に突出させる構造である。また、本発明のレターオープナは、本体と、回動自在な動作部と、一端に刃が設けられ他端を動作部に係合された切断刃と、前記動作部を付勢するバネからなる弾性体と、からなり、本体側面に溝と開口が設けられ、レターオープナとして使用する溝の底部に切断刃が位置する構成であるとともに、動作部を回動させることにより、切断刃がカッターとして使用できるように開口から突出する構造でもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封筒等を簡単に開封することができるレターオープナに関し、特に切断刃を移動させることによりレターオープナでありながらカッターとしても使用することができるレターオープナに関する。
【背景技術】
【0002】
封筒を開封するためのレターオープナについては構造の異なる各種の機器が数多く販売されている。レターオープナは、切断刃が本体より突出しており、切断刃を封筒の端に引っ掛けてからスライドさせることにより開封する構造のものが多い。ただし、切断刃が表面に突出している状態は危険である為、開封操作時以外は刃が表面に出ないような安全上の工夫がされている。刃を本体内の溝に収納設置しておいて開封するレターを溝の中に導入する構造の機器も開発されている。しかも、従来のレターオープナは、封筒を開封するのみの機能を持ち、それ以外の用途には使用することができなかった。封筒を開封する機能だけしか使わないので、使う機会が限られてしまい、レターオープナの存在すら忘れてしまうことがあった。
そこで、新たな機能を追加したレターオープナの開発が待たれていた。
【特許文献1】実用新案登録第3101046号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記問題を解決するために通常はレターオープナとして使用される構造であり、かつ動作部を動かすことによりカッターとしても使用することができるレターオープナを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために本発明に係るレターオープナは、封筒をスライド切開する切断刃が本体に切欠された溝の底部に設けられている構成のレターオープナであって、本体の側面に開口を設けるとともに切断刃を移動可能に構成してカッターとしても使用できるように前記開口から本体の外に突出させる構造である。
【0005】
また、本発明のレターオープナは、本体と、回動自在な動作部と、一端に刃が設けられ他端を動作部に係合された切断刃と、前記動作部を付勢するバネからなる弾性体と、からなり、本体側面に溝と開口が設けられ、レターオープナとして使用する溝の底部に切断刃が位置する構成であるとともに、動作部を回動させることにより、切断刃がカッターとして使用できるように開口から突出する構造でもある。
さらに、封筒をスライド切開する際に封筒の側端を確実に切開するように、封筒の側端中央に切断刃を当接させるための保持部材が、本体の溝に両側面から封筒を挟持できるように突面のある一対の板バネ状に形成され、対向する保持部材の突面が接触するように配置されている構造でもある。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係るレターオープナは、上記詳述した通りの構成であるので、以下のような効果がある。
1 簡単な移動操作によりレターオープナとして使用できるだけでなく、カッターとしても使用することが可能である。
2 切断刃を回動させるように係合している動作部を回動自在とした構成により、簡単に切断刃を開口から突出させることが可能となった。また、カッターとして使用しない時に刃を本体内に安全に収納することが可能である。
3 一対の保持部材を溝に配置したため、確実に封筒の側端中央を切断することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明にかかるレターオープナを図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。図1はレターオープナの全体を示す斜視図であり、図2は本体の溝に切断刃が通常の作動位置に設置されている状態の断面図であり、図3は切断刃を回動させて開口から突出させた状態の断面図であり、図4はレターオープナの側面図である。図5は別の実施例のレターオープナの全体を示す斜視図であり、図6は別の実施例のレターオープナの構造を示す斜視図であり、さらに、図7は別の実施例のレターオープナのカッター仕様の構造を示す斜視図である。
【実施例1】
【0008】
本発明のレターオープナ10は、本体20と、動作部30と、切断刃40と、弾性体50とからなる。
本体20は、この実施例では略台形状であり、底部22には図4に示す側面図に表されるように溝24が設けられている。この溝24は書簡等の封入された封書が入る程度の広さを有していれば良く、広さの間隔には限定はないが指や手が容易に切断刃に届く(接触する)ことが避けられる程度の巾である事が望ましい。また、底部22の溝24に切断刃40を突出させる構成により、切断刃40が開封動作の待機状態であっても切断刃40に直接触れることがない安全な構造である。
【0009】
本体20の内部には、動作部30と切断刃40と弾性体50が装備されており、動作部30は手動で操作ができるダイヤル状の回動部であり、本体には動作部30より一回り大きい孔25が形成されている。また、本体の傾斜側面には開口26が設けられている。この開口26は、カッター仕様とする際に切断刃40を突出させるための孔である。
【0010】
動作部30は、この実施例では回動自在な円形部材であり、動作部30の表面には切断刃40に設けられた孔44と嵌合する突起32と、弾性体50の一端52を係止する突起34が形成されている。
【0011】
切断刃40は板状の刃体であり、この実施例では一端に刃42が形成されており、他端付近に動作部30の突起32と嵌合する孔44が穿孔されている。
【0012】
弾性体50は、この実施例ではばねを使用しており、弾性体50の一端52は動作部30の突起34に係止されている。また、弾性体50の中心円54は固定されており、弾性体50の他端56は本体20の側壁に当接接触している。
【0013】
本発明のレターオープナの動作を詳細に説明する。
レターオープナとして使用する際には、弾性体50が弛緩した状態で開いており、切断刃40が本体20の底部22の溝24に位置しており、開封動作可能な状態で待機している。開封されるレターは側端部が図2の右方向から本体20の底部の溝24に導入され切断刃40の刃42によって切断開封される。
【0014】
一方、カッター仕様として使用する際には、動作部30を回動させることにより、切断刃40が本体20の傾斜側面に形成された開口26から突出することにより、カッターとして使用することができる。また、この実施例では図示していないが、本体20と動作部30とが係合して固定させることが出来るように係止用の凹凸を設けることも考えられる。
動作部30を回動させることにより、動作部30の突起34が弾性体50を押した状態としてカッターとして使用することができ、弾性体50を弛緩開放することにより、弾性体50が開き切断刃40は待機状態に戻る構成である。
【実施例2】
【0015】
また、図5に示す分解図は別の実施例の分解図であり、動作部30の形状が実施例1とは異なる構造である。
このレターオープナは、切断刃を確実に保持できるように、切断刃保持部70が形成されており、切断刃に穿孔された孔44に嵌入する突起72が2つ形成されている。保持体に形成される突起の数は限定されず、また形状も限定されない。
【0016】
図5に示すように、このレターオープナにはカッター状態を保持するための保持機構が設けられている。図6及び図7で示すように、動作部30を回転させ、カッター仕様として使用する際に、ストッパー60の係合片62が動作部30の係合突起36と係合し、カッター状態を保持する。ストッパー60は、本体内部の凹部28に係合突部64が回動自在に軸支されており、ストッパー上部の押圧部66を押圧することにより、係合片62と係合突起36の係合が解除され、待機状態のレターオープナの状態に戻る。
【0017】
弾性体50は、本体に設けられた突起29に固定されており、弾性体50の端部52、56は、一方の端部56が動作部30の円筒突起38に当接し、他方の端部52がストッパー下部68に当接しているため、カッター仕様の際に弾性体50が押圧状態となり、ストッパー60の押圧部66を押圧することにより、係合片62と係合突起36の係合が解除され、弾性体50の復元により待機状態のレターオープナの状態に戻り、弾性体50も開放状態となる。
【0018】
さらに、この実施例では封筒の側端中央に切断刃が当接するための保持部材80が、本体の溝に側面から封筒を挟持できるように突面が設けられた板バネ状に形成され、溝に両側面から一対の保持部材の突面が接触するように配置されている構造である。これにより、封筒をスライド開封する際に封筒の側端中央を確実に開封することが可能となる。
カッターとして使用しない時は切断刃を元の待機位置へ戻しておく事により、切断刃を本体内に収納した状態となるので、取扱い等が簡易であり、かつ外部に刃が触れる事がないので安全である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】レターオープナの全体を示す斜視図
【図2】本体の溝に切断刃が待機している状態の断面図
【図3】切断刃を回動させて開口から突出させた状態の断面図
【図4】レターオープナの側面図
【図5】別の実施例のレターオープナの全体を示す斜視図
【図6】別の実施例のレターオープナの構造を示す斜視図
【図7】別の実施例のレターオープナのカッター仕様の構造を示す斜視図
【符号の説明】
【0020】
10 レターオープナ
20 本体
22 底部
24 溝
25 孔
26 開口
28 凹部
29 突起
30 動作部
32,34 突起
36 係合突起
38 円筒突起
40 切断刃
42 刃
44 孔
50 弾性体
52,56 端部
54 中心円
60 ストッパー
62 係合片
64 係合突部
66 押圧部
70 切断刃保持部
72 突起
80 保持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
封筒をスライド切開する切断刃が本体に切欠された溝の底部に設けられている構成のレターオープナにおいて、本体の側面に開口を設けるとともに切断刃を移動可能に構成してカッターとしても使用できるように前記開口から本体の外に突出させることを特徴とするレターオープナ
【請求項2】
前記請求項1記載のレターオープナは、本体と、回動自在な動作部と、一端に刃が設けられ他端を動作部に係合された切断刃と、前記動作部を付勢するバネからなる弾性体と、からなり、本体側面に溝と開口が設けられ、レターオープナとして使用する溝の底部に切断刃が位置する構成であるとともに、動作部を回動させることにより、切断刃がカッターとして使用できるように開口から突出することを特徴とするレターオープナ
【請求項3】
封筒をスライド切開する際に封筒の側端を確実に切開するように、封筒の側端中央に切断刃を当接させるための保持部材が、本体の溝に両側面から封筒を挟持できるように突面のある一対の板バネ(80a、80b)で形成され、対向する保持部材の突面が接触するように配置されていることを特徴とする請求項1記載のレターオープナ

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−212351(P2008−212351A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−53159(P2007−53159)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(507070238)有限会社 ミズタニ (1)
【出願人】(593157220)サンスター文具株式会社 (21)
【出願人】(500588097)株式会社ケーティーエフ (11)
【Fターム(参考)】