説明

レバー機構

【課題】本発明は、第1レバーに押圧手段で摩擦付勢された第2レバーを設け、第1、第2レバーを互いに独立作動可能とし、軸方向形状を小型化することを目的とする。
【解決手段】本発明によるレバー機構は、第1軸(1)の第1レバー(4)の基部(6)内に位置するレバークランク(8)を有する第2レバー(7)と、前記第2レバー(7)の摩擦板(9)に接合する第1プレート(10)に押付力を付勢する第1押圧手段(18)とを備え、第1レバー(4)と第2レバー(7)とを独立して作動可能とする構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバー機構に関し、特に、第2、第3レバーに押圧手段により摩擦を与え、第1レバーにはこの第1レバーとは独立して回動できるように前記第2レバーを設け、第1レバー回動時には第2レバーは摩擦により停止して連動することのないようして軸長を短縮するための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種のレバー機構としては、社内製作のみであり、その構造を示す特許文献等は開示していないが、複数のレバーに対して、軸方向に独立して他のレバーを設け、この他のレバーは前述の複数のレバーとは独立して回動できるように構成され、この複数のレバーを回動する時は、他のレバーは連動しないように構成されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のレバー機構は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、複数のレバーに対して他のレバーを同一軸上に並設しなければならず、レバー機構自体の軸方向長さが大型化し、小型化への要求に応じることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によるレバー機構は、第1軸に回動自在に設けられた第1レバーと、前記第1レバーの基部内に位置し前記第1レバーとは独立して回動すると共に第2レバーに連結されたレバークランクと、前記レバークランクに設けられた摩擦板と、前記第1レバーの基部を軸方向に貫通すると共に円弧状をなす案内孔と、前記摩擦板に接合する第1プレートと、前記基部の外側に位置して設けられ前記案内孔を貫通すると共に前記第1プレートに接続される第1ピンを有する第2プレートと、前記第2プレートの外側に設けられ皿ばね及びカムからなる第1、第2押圧手段と、前記第2押圧手段の外側に設けられ前記第1軸に回動自在に設けられ前記第2押圧手段により摩擦力を受ける第3レバーと、前記第2プレートに設けられ前記第1プレートに接続される第2、第3ピンとを備え、前記第1レバーの回動時には、前記摩擦板と第1プレートの摩擦により前記レバークランク及び第2レバーは回動せず、前記第2レバーを回動する場合は前記第2、第3レバーは連動して回動しないようにした構成であり、また、前記請求項1に記載のレバー機構が左右対称な状態で1組配設されている構成であり、また、前記基部は、断面U字型よりなる構成である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によるレバー機構は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、第1レバー内に第3レバーを設けているため、3本のレバー構成であるにも拘わらず、軸方向の長さを短くして小型化を達成することができる。
また、第1レバーを回動させた時に第2レバーが連れ回りすることのないように押圧手段によって摩擦をかけているため、第1、第2レバーの相互の独立回動が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、第2、第3レバーに押圧手段により摩擦を与え、第1レバーにはこの第1レバーとは独立して回動できる第2レバーを設け、第1レバー回動時には第2レバーは摩擦により停止して連動することのないようにし軸長を短縮したレバー機構を提供することを目的とする。
【実施例】
【0007】
以下、図面と共に本発明によるレバー機構の好適な実施の形態について説明する。
図1において符号100で示されるものはレバー機構であり、このレバー機構100は第1軸1上に互いに離間して軸受2、3を介して回動自在に設けられた第1、第3レバー4、5と第1レバー4に設けられた第2レバー7とから主として構成されている。
【0008】
前記第1レバー4の軸受3に近い基部6は、図2に示されるようにU字型の二又状に形成され、このU字型の空間6a内に第2レバー7のレバークランク8が前記軸受3を介して前記第1レバー4とは独立して回動できるように構成されている。
【0009】
前記レバークランク8は、図2では、前記基部6に組合わされている状態は点線で示されて第2レバー7と連結されているが、実際には分解図のように、実線で示されるように構成されている。
【0010】
前記レバークランク8の側部には、摩擦板9と第1プレート10が互いに接合して前記空隙6a内に配設されており、この第1プレート10には所定の間隔で3個の孔10aが形成され、前記基部6の中心孔6bの外側位置には、円弧状に形成された長孔からなる案内孔11が形成されている。
【0011】
前記基部6の側部には第1〜第3ピン12、13、14を有する第2プレート15が設けられ、この第1ピン12は前記案内孔11を貫通して前記第1プレート10の孔10aに接続され、他の第2、第3ピン13、14は前記基部6の外側をまたいだ状態で前記各孔10aに接続されている。
【0012】
前記第2プレート15の側部には、皿ばね16を介してカム17が設けられ、この第2プレート15、皿ばね16及びカム17により第1軸1に固定された第1押圧手段18を構成し、この第1押圧手段18の押付力Aが第2プレート15及び各ピン12、13、14を介して第1プレート10から摩擦板9に伝達され、レバークランク8と第1押圧手段18とが摩擦により結合される。
【0013】
前記第1軸1上に設けられた前記第1押圧手段18の側部には、カム20、皿ばね21及び第3プレート22とからなる第2押圧手段23が設けられ、この第2押圧手段23の外側位置には、前記第3レバー5が位置しており、この第3レバー5に設けられた摩擦板24に前記押圧手段23の押付力Bが付勢され、第3レバー5の回動に制動が加えられるように構成されている。
従って、前記各押圧手段18、23の押付力A、Bは、互いに逆方向となるように構成されている
【0014】
前述の構成において、第1レバー4は単独で矢印Cの方向に往復回動させることができ、この場合には、案内孔11内に位置する第1ピン12は第1レバー4と相対移動するため、第1ピン12は案内孔11内で停止している状態であり、第1レバー4のみの単独回動となり、第2レバー7の連動回動は第1押圧手段18の押付力Aによって停止された状態となると共に、第1、第2レバー4、7とは独立して第3レバー5のみを回動させることができる。
尚、前述の場合、第1、第3レバー4、5は、図示しないリンク手段を用いることによって同時に回動させることはできる。
【0015】
次に、前述の状態において、第2レバー7のみを回動させると、第1ピン12が案内孔11内で移動し、第1レバー4及び第3レバー5と連動させることなく単独で回動することができる。
【0016】
尚、前述の構成は、図1の右側に位置するレバー機構100について述べたが、このレバー機構100は図1の右側の構成のみで使うこともできるが、例えば、第1軸1上に、図1の左側に示されたレバー機構100Aを、レバー機構100に対称配置とし、レバー機構100Aの第3、第4、第5レバー4A、7A、5Aを前述の第1〜第3レバー4、7、5と同様の操作により6本レバー式のレバー機構100、100Aとして用いることもできる。
尚、図1のレバー機構100Aは、前記レバー機構100と構成が同一で、対称に配設されているだけであるため、前述の構成と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明によるレバー機構を示す断面図である。
【図2】図1の要部を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0018】
1 第1軸
2、3 軸受
4、4A 第1レバー
7、7A 第2レバー
5、5A 第3レバー
6 基部
8 レバークランク
9 摩擦板
10 第1プレート
11 案内孔
12 第1ピン
13 第2ピン
14 第3ピン
15 第2プレート
16 皿ばね
17 カム
18 第1押圧手段
20 カム
21 皿ばね
22 第3プレート
23 第2押圧手段
24 摩擦板
100、100A レバー機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸(1)に回動自在に設けられた第1レバー(4)と、前記第1レバー(4)の基部(6)内に位置し前記第1レバー(4)とは独立して回動すると共に第2レバー(7)に連結されたレバークランク(8)と、前記レバークランク(8)に設けられた摩擦板(9)と、前記第1レバー(4)の基部(6)を軸方向に貫通すると共に円弧状をなす案内孔(11)と、前記摩擦板(9)に接合する第1プレート(10)と、前記基部(6)の外側に位置して設けられ前記案内孔(11)を貫通すると共に前記第1プレート(10)に接続される第1ピン(12)を有する第2プレート(15)と、前記第2プレート(15)の外側に設けられ皿ばね(16,21)及びカム(17,20)からなる第1、第2押圧手段(18,23)と、前記第2押圧手段(23)の外側に設けられ前記第1軸(1)に回動自在に設けられ前記第2押圧手段(23)により摩擦力を受ける第3レバー(5)と、前記第2プレート(15)に設けられ前記第1プレート(10)に接続される第2、第3ピン(13,14)とを備え、
前記第1レバー(4)の回動時には、前記摩擦板(9)と第1プレート(10)の摩擦により前記レバークランク(8)及び第2レバー(7)は回動せず、前記第2レバーを回動する場合は前記第2、第3レバーは連動して回動しないようにしたことを特徴とするレバー機構。
【請求項2】
前記請求項1に記載のレバー機構が左右対称な状態で1組配設されていることを特徴とするレバー機構。
【請求項3】
前記基部は、断面U字型よりなることを特徴とする請求項1又は2記載のレバー機構。

【図1】
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【図2】
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