レンズシート、透過型スクリーン、及びレンズシートの生産方法
【課題】凸部の先端の潰れを低減し、レンズの変形防止と破損防止をいずれも高いレベルで満足させるレンズシートの提供。
【解決手段】本実施形態のレンズシートは、レンズシートの一面に形成され、複数の凹凸を含むレンズ層と、複数の凹凸の反対側からレンズ層を支持する基材と、レンズ層と基材の間に設けられ、レンズ層及び基材よりも貯蔵弾性率が小さい軟質中間層とを備える。レンズ層は凹凸の谷部が軟質中間層に達することによって複数の領域に分離されており、複数の領域のそれぞれは軟質中間層に独立して支持されている。
【解決手段】本実施形態のレンズシートは、レンズシートの一面に形成され、複数の凹凸を含むレンズ層と、複数の凹凸の反対側からレンズ層を支持する基材と、レンズ層と基材の間に設けられ、レンズ層及び基材よりも貯蔵弾性率が小さい軟質中間層とを備える。レンズ層は凹凸の谷部が軟質中間層に達することによって複数の領域に分離されており、複数の領域のそれぞれは軟質中間層に独立して支持されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一面に複数の凹凸を有するレンズシート、当該レンズシートを備える透過型スクリーン、及びレンズシートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高分子材料からなるフレネルレンは、他の部材と接触した場合にレンズ面の凸部分の先端が変形しやすいという課題がある。この課題を解決する為に、レンズを形成する樹脂の硬度を上げると、変形量が減る一方で、凸部分の先端に破損が生じ易くなる。このため、レンズの変形と破損をいずれも防止する高分子材料を開発する試みがなされていた(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−84101号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、レンズの変形防止と破損防止をいずれも高いレベルで満足させることが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態は、光を透過させるレンズシートであって、レンズシートの一面に形成され、複数の凹凸を含むレンズ層と、複数の凹凸の反対側からレンズ層を支持する基材と、レンズ層と基材の間に設けられ、レンズ層及び基材よりも貯蔵弾性率が小さい軟質中間層とを備えるレンズシートを提供する。これにより、凸部の先端に外力が加わる場合に、軟質中間層が変形することにより応力が分散される。このようなレンズシートによれば、凸部の先端の潰れが低減され、レンズの変形防止と破損防止をいずれも高いレベルで満足させることができる。
【0005】
上記のレンズシートは、レンズ層は凹凸の谷部が軟質中間層に達することによって複数の領域に分離されており、複数の領域のそれぞれは軟質中間層に独立して支持されていてもよい。このようなレンズシートによれば、レンズ層の領域毎の動きの自由度が増すので、凸部の先端の潰れが一層低減される。
【0006】
レンズ層及び軟質中間層は高分子材料からなり、軟質中間層のガラス転移点温度は、レンズ層のガラス転移点温度よりも低くてもよい。このようなレンズシートによれば、レンズ層が傷つきにくい。
【0007】
軟質中間層の厚みは、レンズシートの周縁部において、レンズシートの中央部分よりも厚くてもよい。このようなレンズシートによれば、軟質中間層の形態安定性を確保しつつ、周縁部の凹凸の変形追従性を向上することができる。従って、レンズシートの周縁部を加圧して保持する場合に、凸部の先端の潰れを一層低減することができる。
【0008】
本発明の第2の形態は、透過型スクリーンであって、レンズシートの一面に形成され、複数の凹凸を含むレンズ層、複数の凹凸の反対側からレンズ層を支持する基材、及びレンズ層と基材の間に設けられ、レンズ層及び基材よりも貯蔵弾性率が小さい軟質中間層を有するレンズシートと、レンズ層の複数の凹凸に対向して設けられ、軟質中間層よりも貯蔵弾性率が高い他の光学部材と、レンズ層の複数の凹凸と他の光学部材とを当接させた状態で、レンズシート及び他の光学部材を保持する保持部材とを備える透過型スクリーンを提供する。このような透過型スクリーンによれば、レンズ層の凹凸の先端と他の光学部材とが接触する部分の損傷を低減することができる。
【0009】
本発明の第3の形態は、樹脂からなる複数の凹凸を一面に有するレンズシートの生産方法であって、シート状の透明な基材を準備し、当該基材の一方の面に、硬化時の貯蔵弾性率が複数の凹凸を形成する樹脂よりも低い粘着剤からなる軟質中間層を積層する軟質中間層準備工程と、複数の凹凸を成形する型に、硬化時の貯蔵弾性率が軟質中間層よりも高い硬質紫外線硬化性樹脂を未硬化の状態で充填する充填工程と、基材の軟質中間層が積層された面を硬質紫外線硬化性樹脂に密着させた状態で基材を型に対して加圧する加圧工程と、加圧工程後に基材側から紫外線を照射することにより硬質紫外線硬化樹脂を硬化させる硬化工程と、基材、軟質中間層、及び凹凸形状に硬化した硬質紫外線硬化樹脂を型から離脱させる脱型工程とを備える。これにより、硬質紫外線硬化樹脂からなる凹凸の先端の潰れが少ないレンズシートを効率よく生産できる。
【0010】
上記の生産方法において、軟質中間層準備工程は、基材の一方の面における、レンズシートの中心部を含む領域に、粘着剤を積層させる工程と、レンズシートの周縁部を含む領域に、レンズシートの中心部よりも厚く粘着剤を積層させる工程とを含んでもよい。これにより、レンズシートの中心部における軟質中間層の形態安定性を確保しつつ、周縁部の凹凸の変形追従性を一層向上するレンズシートを効率よく生産できる。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、本実施形態に係るリアプロジェクション・ディスプレイ800の構成を示す。リアプロジェクション・ディスプレイ800は、光学エンジン700と、鏡600と、スクリーン500とを備える。光学エンジン700から出力された光学像は鏡600で反射され、スクリーン500に入射する。スクリーン500は、入射した光学像を拡散させて観察者側に出射することにより、適切な観察領域を実現する。
【0014】
図2は、図1のスクリーン500におけるA部の詳細な構成を示す。スクリーン500は、フレネルレンズ200、レンチキュラレンズ100、及び前面板300を互いに平行に近接あるいは密接して備える。フレネルレンズ200は、複数のプリズム20を有し、光学エンジン700から出射された光の進行方向をプリズム20によってスクリーン500とほぼ垂直な方向にそろえる。レンチキュラレンズ100は、複数のカマボコ状の単レンズ10を有し、入射した光を単レンズ10で拡散して出射する。前面板300は、レンチキュラレンズ100を保護すると共に、表面に施されたアンチグレア(AG)処理又は反射防止(AR)処理により外光の反射を低減する。プリズム20及び単レンズ10は、レンズ層における複数の凹凸の一例である。レンチキュラレンズ100は、フライアイレンズであってもよい。
【0015】
保持部材400は、プリズム20と単レンズ10とを対向させた状態でフレネルレンズ200、レンチキュラレンズ100、及び前面板300の縁端部を保持する。保持部材400は、例えば、スクリーン500の周縁部における上下左右4カ所に設けられる。保持部材400は、例えばバネ性を有する金属又は樹脂で形成される。尚、スクリーン500は、本発明における透過型スクリーンの一例である。レンチキュラレンズ100及びフレネルレンズ200は、本発明におけるレンズシートの一例である。レンチキュラレンズ100及びフレネルレンズ200の一方をレンズシートの一例とした場合、レンチキュラレンズ100及びフレネルレンズ200の他方は、本発明における他の光学部材の一例である。レンズシートは、複数のドーム状の単レンズを備えるフライアイレンズシートであってもよい。この場合、複数のドーム状の単レンズは、本発明のレンズ層における複数の凹凸の一例である。レンズシートと対向して設けられる他の光学部材は、スクリーン500の用途に応じて、フライアイレンズ、レンチキュラレンズ、拡散板、偏光板、位相差板などが用いられる。
【0016】
図3は、フレネルレンズ200の平面図を示す。図4は、フレネルレンズ200の断面図を示す。フレネルレンズ200は、プリズム20が同心円状に隙間無く配列されている。また、フレネルレンズ200の外形はスクリーン500の用途に応じた縦横比で形成される。例えば、リアプロジェクション・ディスプレイ800の用途で用いられる場合、図3の横方向と縦方向の比率は、約16:9である。横方向と縦方向の比率の他の例は、約4:3である。また、フレネルレンズ200を構成するプリズム20の高さは、図4に示すように外側に行くほど高く形成される。
【0017】
図5は、フレネルレンズ200の構成の第1実施例を示す断面図である。フレネルレンズ200は、基材24、レンズ層26、及び軟質中間層22を備える。レンズ層26及び軟質中間層22はいずれも透明な高分子材料で構成される。例えばレンズ層26は、紫外線硬化性のウレタンアクリレート樹脂である。また、軟質中間層22は非紫外線硬化性のアクリル系粘着剤である。基材24は、透明な高分子材料又は透明なガラスで構成される。レンズ層26は、フレネルレンズ200の一面に形成され、複数のプリズム20を含む。基材24は、複数のプリズム20の反対側からレンズ層26を支持する。軟質中間層22は、レンズ層26と基材24の間に設けられており、レンズ層26及び基材24よりも貯蔵弾性率が小さい。このような構成によれば、プリズム20の先端に外力が加わる場合に、軟質中間層22が変形してレンズ層26が撓むことによりプリズム20の先端の応力が分散される。これにより、プリズム20の先端の潰れが低減され、レンズの変形防止と破損防止をいずれも高いレベルで満足させることができる。
【0018】
ここで、軟質中間層22及びレンズ層26を構成する高分子材料の貯蔵弾性率は以下の方法で測定する。
・測定機器:動的粘弾性測定装置(DMA)
・測定方法:引張り測定
・昇温速度:3℃/分
・引張り速度:1Hz
・測定温度範囲:−20〜80℃
・読み取り方法:各温度における貯蔵弾性率(E’)を読む。
【0019】
図2の構成に於いて、レンズ層26と対向して組み付けられる単レンズ10の貯蔵弾性率は、少なくとも軟質中間層22の貯蔵弾性率以上である。あるいは、軟質中間層22のガラス転移点温度は、単レンズ10のガラス転移点温度以下である。これにより、透過型スクリーン500の組立て時又は搬送時に単レンズ10とレンズ層26が接触しても、軟質中間層22の緩衝作用により傷つくことがない。
【0020】
なお、軟質中間層22のガラス転移点温度は、レンズ層26のガラス転移点温度よりも低い。また、軟質中間層22の貯蔵弾性率は、レンチキュラレンズ100の貯蔵弾性率よりも低い。これにより、図2に示したように、保持部材400が、プリズム20と単レンズ10を対向させた状態でレンチキュラレンズ100とフレネルレンズ200を狭持する場合に、単レンズ10及びプリズム20に生じる損傷を低減することができる。
【0021】
レンズ層26は軟質中間層22の一面において複数の領域に分離され、複数の領域のそれぞれは軟質中間層22に独立して支持されていてもよい。この場合、レンズ層26の領域毎の動きの自由度が増すので、プリズム20の先端の潰れが一層低減される。この様な形態の一例を図6に示す。
図6は、フレネルレンズ200の構成の第2実施例を示す。本実施例は、レンズ層26において、複数のプリズム20のそれぞれが独立して軟質中間層22に支持されている点で前述の第1実施例と異なる。その他の点は第1実施例と同様なので説明を省略する。プリズム20の谷部は軟質中間層22に達しており、隣接するプリズム20同士は互いに分離されている。このような構成によれば、プリズム20は隣接するプリズム20に拘束されることなく自由に軟質中間層22の方向に沈み込むことができる。従って、プリズム20に局所的な外力が加わった場合におけるレンズ層26の変形追従性が向上する。これにより、プリズム20の先端の潰れが一層低減される。
【0022】
図7は、フレネルレンズ200の構成の第3実施例を示す。本実施例は、軟質中間層22の厚みが、フレネルレンズ200の周縁部においてフレネルレンズ200の中央部分よりも厚い点で第1実施例と異なる。その他の点は第1実施例と同様なので説明を省略する。本実施例の構成によれば、フレネルレンズ200の中央部分における軟質中間層22の形態安定性を確保しつつ、周縁部におけるレンズ層26の変形追従性を向上することができる。従って、フレネルレンズ200の周縁部を加圧して保持する場合に、プリズム20の先端の潰れを一層低減することができる。
【0023】
図8から図12は、フレネルレンズ200の生産方法の第1実施例を示す。本実施例におけるフレネルレンズ200の生産方法は、軟質樹脂準備工程、充填工程、加圧工程、硬化工程、及び脱型工程を含む。
【0024】
図8は、本実施例の軟質樹脂準備工程を示す。軟質樹脂準備工程は、基材24の一方の面に軟質中間層22を一様な厚さで積層する。基材24は、フレネルレンズ200の仕上がりの面積よりも広い面積を有する透明な樹脂板を用いる。基材24の材質は、MS等のスチレン系透明樹脂、ポリカーボネート、及びPET等である。
【0025】
軟質中間層22は、例えば粘着シートの状態で準備された透明なアクリル系粘着剤である。紫外線による硬化が生じない。あるいは他の例として、軟質中間層22はウレタンアクリレート樹脂等の透明な紫外線硬化性粘着剤であってもよい。軟質中間層22が紫外線硬化性粘着剤である場合、軟質樹脂準備工程で未硬化の紫外線硬化性樹脂を積層し、後述の硬化工程における紫外線の照射によって、軟質中間層22に変化する。軟質中間層22は、以下の物性を満足する。
【0026】
E’(貯蔵弾性率)=0.01〜1MPa(15℃〜40℃)
Tanδ(損失正接)=0.5以下(15℃〜40℃、1Hz、各温度毎に測定)
Tg(ガラス転移温度)=−70〜0℃
なお、Tanδ=E”/E’(E’:貯蔵弾性率、E”:損失弾性率)であり、樹脂の復元しやすさ、及び傷つきやすさを示す。例えばTanδの値が大きいほど、その樹脂は復元しやすく、傷つきにくい。Tgは、Tanδがピークを形成する温度であり、樹脂の硬さを示す。
【0027】
アクリル系粘着剤である軟質中間層22の貯蔵弾性率を低下させるには、軟質中間層22の架橋密度を低くする方法と、Tg(ガラス転移点温度)が低い材料を選択する方法とがある。このうち軟質中間層22の架橋密度を低くするには、例えばカルボキシル基等の官能基を側鎖に有するアクリレート系モノマーを共重合してなる主剤を使用する。官能基の量は、トータルモノマーに対して5%以下、より好ましくは1%以下に調整する。Tgが低い材料を選択する場合には、主剤として2−エチルヘキシルアクリレート系の材料、例えばカルボキシル基等の官能基を側鎖に有するアクリレート系モノマーを共重合してなる共重合体を使用する。前記官能基を有するモノマーの量は、トータルモノマーに対して5%以下、より好ましくは1%以下に調整する。Tgが低い材料を選択する場合には、例えば2−エチルヘキシルアクリレートを共重合してなる共重合体を使用する。架橋剤としては、トリレンジイソシアネート系、又はヘキサメチレンジイソシアネート系の化合物を前記共重合体固形分100に対して1%以下に配合することにより、貯蔵弾性率が低いアクリル系粘着剤を得ることができる。軟質中間層22の貯蔵弾性率を低下させる場合、プリズム20の傷つきにくさが向上する一方で、フレネルレンズ200における軟質中間層22の形態安定性が低下する。従って、軟質中間層22の貯蔵弾性率を調整する場合には、軟質中間層22の形態安定性と、プリズム20の傷つきにくさのバランスが最適となるように調整する。プリズム20の傷つきにくさを定量的に確認する方法については、図15を参照して後述する。
【0028】
図9は、本実施例の充填工程を示す。充填工程は、複数のプリズム20を成形する成形型30にレンズ用未硬化樹脂21をディスペンサ40を用いて未硬化の状態で充填する。レンズ用未硬化樹脂21は、硬化後の貯蔵弾性率が軟質中間層22よりも高い硬質紫外線硬化性樹脂の一例である。レンズ用未硬化樹脂21は、例えばウレタンアクリレート樹脂等の透明な紫外線硬化性樹脂(2P樹脂)である。本実施例における未硬化状態のレンズ用未硬化樹脂21は、粘度が高い粘性流体の状態である。レンズ用未硬化樹脂21がウレタンアクリレート樹脂である場合、硬化後に以下の物性を満足するグレードを準備する。なお、測定条件は上述の軟質中間層22と同一である。
【0029】
E’(貯蔵弾性率)=5〜2000MPa(15℃〜40℃)
Tanδ(損失正接)=0.01〜1.2(15℃〜40℃、1Hz、各温度毎に測定)
Tg(ガラス転移温度)=15〜60℃
【0030】
図10は、本実施例の加圧工程を示す。加圧工程は、基材24の軟質中間層22が積層された面をレンズ用未硬化樹脂21に密着させた状態で、基材24を成形型30に対して加圧する。例えば、成形型30の上面から基材24の上面までの距離がフレネルレンズ200におけるプリズム20の谷部から基材24の裏面までの距離になるようにロール42の高さを調節した状態で、基材24の一端から他端に向けてロール42を移動させる。尚、加圧工程は、成形型30の周りを減圧した真空槽の内部で行う。これによりレンズ用未硬化樹脂21が気泡を抱き込むことがなく、成形型30のキャビティの全体に確実に充填される。また、成形型30におけるプリズム20のキャビティの外側には、流れ止め32が形成されている。流れ止め32は、加圧工程において基材24の範囲からはみ出す余分なレンズ用未硬化樹脂21を受け止める。
【0031】
図11は、本実施例の硬化工程を示す。硬化工程は大気圧下で行う。硬化工程は、加圧工程後に基材24側から紫外線を照射することにより、レンズ用未硬化樹脂21を硬化させる。紫外線の照射には紫外線ランプ44を用いる。基材24の上方からレンズ用未硬化樹脂21を硬化させる為に十分な時間だけ紫外線ランプ44を発光させる。レンズ用未硬化樹脂21は硬化後にレンズ層26になる。尚、軟質中間層22の材料として紫外線硬化性粘着剤を用いる場合、図10に示した加圧工程の前に、軟質樹脂準備工程において基材24の一面に積層された未硬化の紫外線硬化性粘着剤に対して紫外線を照射することによって、紫外線硬化性粘着剤を硬化させてもよい。この場合、加圧工程の段階で既に、紫外線硬化性粘着剤の硬化が完了して軟質中間層22に変化しているので、加圧工程時の圧力に対して軟質中間層22の形状が安定的に保持される。
【0032】
図12は、本実施例の脱型工程を示す。脱型工程は、基材24、軟質中間層22、及びレンズ層26を成形型30から離脱させる。この場合、基材24の一端から他端に向けて基材24を撓ませながら脱型させる。脱型後、スクリーン500に使用する範囲を切り出すことにより、フレネルレンズ200が完成する。以上の生産方法によれば、硬質紫外線硬化樹脂からなるプリズム20の先端の潰れが少ないフレネルレンズ200を効率よく生産できる。
【0033】
図13及び図14は、フレネルレンズ200の生産方法の第2実施例を示す。本実施例の生産方法によれば、図7で説明したフレネルレンズ200の構成の第3実施例を生産することができる。本実施例に係るフレネルレンズ200の生産方法は、軟質樹脂準備工程、充填工程、加圧工程、硬化工程、及び脱型工程を含む。このうち、軟質樹脂準備工程と加圧工程が前述の実施例と異なる。
【0034】
図13は、本実施例における軟質樹脂準備工程を示す。本実施例の軟質樹脂準備工程は、基材24の一方の面における、フレネルレンズ200の中心部を含む領域に、アクリル系粘着剤である軟質中間層22を一様な厚さで積層させる工程と、フレネルレンズ200の周縁部を含む領域に、フレネルレンズ200の中心部よりも厚く軟質中間層22を積層させる工程とを含む。例えば、粘着シートの状態で準備された軟質中間層22を基材24の全体に一様な厚さで積層し、その後、フレネルレンズ200の周縁部を含む領域に部分的に軟質中間層22をさらに積層させる。充填工程は、第1実施例の充填工程(図9)と同様なので説明を省略する。
【0035】
図14は、本実施例における加圧工程を示す。本実施例の加圧工程は、フレネルレンズ200の周縁部を含む領域において、中心部よりも厚く軟質中間層22が積層した基材24を、第1実施例の加圧工程(図10)と同様の方法で成形型30に対して加圧する。以後の工程は、第1実施例の硬化工程(図11)、及び脱型工程(図12)と同様なので説明を省略する。本実施例の生産方法によれば、図7に示した第3実施例のフレネルレンズ200、即ち軟質中間層22の厚みがフレネルレンズ200の周縁部において、中央部分よりも厚いフレネルレンズ200を効率よく生産することができる。即ち、軟質中間層22の形態安定性を確保しつつ、周縁部のプリズム20の変形追従性を一層向上するフレネルレンズ200を効率よく生産できる。
【0036】
図15は、軟質中間層22の効果を定量的に確認する方法の一例を示す。本実施例では、2枚のガラス板46の間に、フレネルレンズ200のプリズム20とレンチキュラレンズ100の単レンズ10を密着させた状態で、全体を水平に保持する。次に、上側のガラス板46の上面から下方に荷重をかける。この場合、ガラス板46の平行度を確保しながらガラス板46の全体に均等に荷重をかけることが望ましい。例えば、ガラス板46の上面の四隅に均等な重りを載せることにより、レンチキュラレンズ100及びフレネルレンズ200の全体に均等に荷重をかける。ガラス板46にかける荷重を徐々に大きくすると、フレネルレンズ200のプリズム20がレンチキュラレンズ100から受ける外力が拡大し、やがて目視で確認できる程度の潰れがプリズム20の先端に発生する。プリズム20の先端に目視で確認できる潰れが発生する最小の荷重を測定することにより、外力に対するプリズム20の先端の潰れにくさを定量的に判断することができる。
【0037】
フレネルレンズ200における軟質中間層22の厚さと貯蔵弾性率を決定する場合には、両者の値を様々に変化させたサンプルを作成し、軟質中間層22の形態安定性と、プリズム20の傷つきにくさのバランスがとれたサンプルを選択することによって行う。なお、フレネルレンズ200のレンズ層26に対向させる光学部材は、スクリーン500において実際に組み付けられる光学部材を用いる。従って、本実施例のレンチキュラレンズ100の他にも、フライアイレンズ、拡散板、偏光板、及び位相差板などが想定される。
【0038】
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、レンズ層の凸部の先端に外力が加わる場合に、軟質中間層が変形することにより応力を分散することができる。これにより、凸部の先端の潰れが低減され、レンズの変形防止と破損防止をいずれも高いレベルで満足させることができる。
【0039】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態に係るリアプロジェクション・ディスプレイ800の構成を示す図である。
【図2】図1に示したスクリーン500のA部拡大図である。
【図3】フレネルレンズ200の平面図を示す図である。
【図4】フレネルレンズ200の断面図を示す図である。
【図5】フレネルレンズ200の構成の第1実施例を示す部分断面図である。
【図6】フレネルレンズ200の構成の第2実施例を示す部分断面図である。
【図7】フレネルレンズ200の構成の第3実施例を示す部分断面図である。
【図8】フレネルレンズ200の生産工程の一例を示す図である。
【図9】フレネルレンズ200の生産工程の一例を示す図である。
【図10】フレネルレンズ200の生産工程の一例を示す図である。
【図11】フレネルレンズ200の生産工程の一例を示す図である。
【図12】フレネルレンズ200の生産工程の一例を示す図である。
【図13】フレネルレンズ200の生産工程の他の例を示す図である。
【図14】フレネルレンズ200の生産工程の他の例を示す図である。
【図15】軟質中間層22の効果を確認する方法の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
10 単レンズ、20 プリズム、21 レンズ用未硬化樹脂、22 軟質中間層、24 基材、26 レンズ層、30 成形型、32 流れ止め、34 ディスペンサ、40 ディスペンサ、42 ロール、44 紫外線ランプ、46 ガラス板、100 レンチキュラレンズ、200 フレネルレンズ、300 前面板、400 保持部材、500 スクリーン、600 鏡、700 光学エンジン、800 リアプロジェクション・ディスプレイ
【技術分野】
【0001】
本発明は、一面に複数の凹凸を有するレンズシート、当該レンズシートを備える透過型スクリーン、及びレンズシートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高分子材料からなるフレネルレンは、他の部材と接触した場合にレンズ面の凸部分の先端が変形しやすいという課題がある。この課題を解決する為に、レンズを形成する樹脂の硬度を上げると、変形量が減る一方で、凸部分の先端に破損が生じ易くなる。このため、レンズの変形と破損をいずれも防止する高分子材料を開発する試みがなされていた(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−84101号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、レンズの変形防止と破損防止をいずれも高いレベルで満足させることが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態は、光を透過させるレンズシートであって、レンズシートの一面に形成され、複数の凹凸を含むレンズ層と、複数の凹凸の反対側からレンズ層を支持する基材と、レンズ層と基材の間に設けられ、レンズ層及び基材よりも貯蔵弾性率が小さい軟質中間層とを備えるレンズシートを提供する。これにより、凸部の先端に外力が加わる場合に、軟質中間層が変形することにより応力が分散される。このようなレンズシートによれば、凸部の先端の潰れが低減され、レンズの変形防止と破損防止をいずれも高いレベルで満足させることができる。
【0005】
上記のレンズシートは、レンズ層は凹凸の谷部が軟質中間層に達することによって複数の領域に分離されており、複数の領域のそれぞれは軟質中間層に独立して支持されていてもよい。このようなレンズシートによれば、レンズ層の領域毎の動きの自由度が増すので、凸部の先端の潰れが一層低減される。
【0006】
レンズ層及び軟質中間層は高分子材料からなり、軟質中間層のガラス転移点温度は、レンズ層のガラス転移点温度よりも低くてもよい。このようなレンズシートによれば、レンズ層が傷つきにくい。
【0007】
軟質中間層の厚みは、レンズシートの周縁部において、レンズシートの中央部分よりも厚くてもよい。このようなレンズシートによれば、軟質中間層の形態安定性を確保しつつ、周縁部の凹凸の変形追従性を向上することができる。従って、レンズシートの周縁部を加圧して保持する場合に、凸部の先端の潰れを一層低減することができる。
【0008】
本発明の第2の形態は、透過型スクリーンであって、レンズシートの一面に形成され、複数の凹凸を含むレンズ層、複数の凹凸の反対側からレンズ層を支持する基材、及びレンズ層と基材の間に設けられ、レンズ層及び基材よりも貯蔵弾性率が小さい軟質中間層を有するレンズシートと、レンズ層の複数の凹凸に対向して設けられ、軟質中間層よりも貯蔵弾性率が高い他の光学部材と、レンズ層の複数の凹凸と他の光学部材とを当接させた状態で、レンズシート及び他の光学部材を保持する保持部材とを備える透過型スクリーンを提供する。このような透過型スクリーンによれば、レンズ層の凹凸の先端と他の光学部材とが接触する部分の損傷を低減することができる。
【0009】
本発明の第3の形態は、樹脂からなる複数の凹凸を一面に有するレンズシートの生産方法であって、シート状の透明な基材を準備し、当該基材の一方の面に、硬化時の貯蔵弾性率が複数の凹凸を形成する樹脂よりも低い粘着剤からなる軟質中間層を積層する軟質中間層準備工程と、複数の凹凸を成形する型に、硬化時の貯蔵弾性率が軟質中間層よりも高い硬質紫外線硬化性樹脂を未硬化の状態で充填する充填工程と、基材の軟質中間層が積層された面を硬質紫外線硬化性樹脂に密着させた状態で基材を型に対して加圧する加圧工程と、加圧工程後に基材側から紫外線を照射することにより硬質紫外線硬化樹脂を硬化させる硬化工程と、基材、軟質中間層、及び凹凸形状に硬化した硬質紫外線硬化樹脂を型から離脱させる脱型工程とを備える。これにより、硬質紫外線硬化樹脂からなる凹凸の先端の潰れが少ないレンズシートを効率よく生産できる。
【0010】
上記の生産方法において、軟質中間層準備工程は、基材の一方の面における、レンズシートの中心部を含む領域に、粘着剤を積層させる工程と、レンズシートの周縁部を含む領域に、レンズシートの中心部よりも厚く粘着剤を積層させる工程とを含んでもよい。これにより、レンズシートの中心部における軟質中間層の形態安定性を確保しつつ、周縁部の凹凸の変形追従性を一層向上するレンズシートを効率よく生産できる。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、本実施形態に係るリアプロジェクション・ディスプレイ800の構成を示す。リアプロジェクション・ディスプレイ800は、光学エンジン700と、鏡600と、スクリーン500とを備える。光学エンジン700から出力された光学像は鏡600で反射され、スクリーン500に入射する。スクリーン500は、入射した光学像を拡散させて観察者側に出射することにより、適切な観察領域を実現する。
【0014】
図2は、図1のスクリーン500におけるA部の詳細な構成を示す。スクリーン500は、フレネルレンズ200、レンチキュラレンズ100、及び前面板300を互いに平行に近接あるいは密接して備える。フレネルレンズ200は、複数のプリズム20を有し、光学エンジン700から出射された光の進行方向をプリズム20によってスクリーン500とほぼ垂直な方向にそろえる。レンチキュラレンズ100は、複数のカマボコ状の単レンズ10を有し、入射した光を単レンズ10で拡散して出射する。前面板300は、レンチキュラレンズ100を保護すると共に、表面に施されたアンチグレア(AG)処理又は反射防止(AR)処理により外光の反射を低減する。プリズム20及び単レンズ10は、レンズ層における複数の凹凸の一例である。レンチキュラレンズ100は、フライアイレンズであってもよい。
【0015】
保持部材400は、プリズム20と単レンズ10とを対向させた状態でフレネルレンズ200、レンチキュラレンズ100、及び前面板300の縁端部を保持する。保持部材400は、例えば、スクリーン500の周縁部における上下左右4カ所に設けられる。保持部材400は、例えばバネ性を有する金属又は樹脂で形成される。尚、スクリーン500は、本発明における透過型スクリーンの一例である。レンチキュラレンズ100及びフレネルレンズ200は、本発明におけるレンズシートの一例である。レンチキュラレンズ100及びフレネルレンズ200の一方をレンズシートの一例とした場合、レンチキュラレンズ100及びフレネルレンズ200の他方は、本発明における他の光学部材の一例である。レンズシートは、複数のドーム状の単レンズを備えるフライアイレンズシートであってもよい。この場合、複数のドーム状の単レンズは、本発明のレンズ層における複数の凹凸の一例である。レンズシートと対向して設けられる他の光学部材は、スクリーン500の用途に応じて、フライアイレンズ、レンチキュラレンズ、拡散板、偏光板、位相差板などが用いられる。
【0016】
図3は、フレネルレンズ200の平面図を示す。図4は、フレネルレンズ200の断面図を示す。フレネルレンズ200は、プリズム20が同心円状に隙間無く配列されている。また、フレネルレンズ200の外形はスクリーン500の用途に応じた縦横比で形成される。例えば、リアプロジェクション・ディスプレイ800の用途で用いられる場合、図3の横方向と縦方向の比率は、約16:9である。横方向と縦方向の比率の他の例は、約4:3である。また、フレネルレンズ200を構成するプリズム20の高さは、図4に示すように外側に行くほど高く形成される。
【0017】
図5は、フレネルレンズ200の構成の第1実施例を示す断面図である。フレネルレンズ200は、基材24、レンズ層26、及び軟質中間層22を備える。レンズ層26及び軟質中間層22はいずれも透明な高分子材料で構成される。例えばレンズ層26は、紫外線硬化性のウレタンアクリレート樹脂である。また、軟質中間層22は非紫外線硬化性のアクリル系粘着剤である。基材24は、透明な高分子材料又は透明なガラスで構成される。レンズ層26は、フレネルレンズ200の一面に形成され、複数のプリズム20を含む。基材24は、複数のプリズム20の反対側からレンズ層26を支持する。軟質中間層22は、レンズ層26と基材24の間に設けられており、レンズ層26及び基材24よりも貯蔵弾性率が小さい。このような構成によれば、プリズム20の先端に外力が加わる場合に、軟質中間層22が変形してレンズ層26が撓むことによりプリズム20の先端の応力が分散される。これにより、プリズム20の先端の潰れが低減され、レンズの変形防止と破損防止をいずれも高いレベルで満足させることができる。
【0018】
ここで、軟質中間層22及びレンズ層26を構成する高分子材料の貯蔵弾性率は以下の方法で測定する。
・測定機器:動的粘弾性測定装置(DMA)
・測定方法:引張り測定
・昇温速度:3℃/分
・引張り速度:1Hz
・測定温度範囲:−20〜80℃
・読み取り方法:各温度における貯蔵弾性率(E’)を読む。
【0019】
図2の構成に於いて、レンズ層26と対向して組み付けられる単レンズ10の貯蔵弾性率は、少なくとも軟質中間層22の貯蔵弾性率以上である。あるいは、軟質中間層22のガラス転移点温度は、単レンズ10のガラス転移点温度以下である。これにより、透過型スクリーン500の組立て時又は搬送時に単レンズ10とレンズ層26が接触しても、軟質中間層22の緩衝作用により傷つくことがない。
【0020】
なお、軟質中間層22のガラス転移点温度は、レンズ層26のガラス転移点温度よりも低い。また、軟質中間層22の貯蔵弾性率は、レンチキュラレンズ100の貯蔵弾性率よりも低い。これにより、図2に示したように、保持部材400が、プリズム20と単レンズ10を対向させた状態でレンチキュラレンズ100とフレネルレンズ200を狭持する場合に、単レンズ10及びプリズム20に生じる損傷を低減することができる。
【0021】
レンズ層26は軟質中間層22の一面において複数の領域に分離され、複数の領域のそれぞれは軟質中間層22に独立して支持されていてもよい。この場合、レンズ層26の領域毎の動きの自由度が増すので、プリズム20の先端の潰れが一層低減される。この様な形態の一例を図6に示す。
図6は、フレネルレンズ200の構成の第2実施例を示す。本実施例は、レンズ層26において、複数のプリズム20のそれぞれが独立して軟質中間層22に支持されている点で前述の第1実施例と異なる。その他の点は第1実施例と同様なので説明を省略する。プリズム20の谷部は軟質中間層22に達しており、隣接するプリズム20同士は互いに分離されている。このような構成によれば、プリズム20は隣接するプリズム20に拘束されることなく自由に軟質中間層22の方向に沈み込むことができる。従って、プリズム20に局所的な外力が加わった場合におけるレンズ層26の変形追従性が向上する。これにより、プリズム20の先端の潰れが一層低減される。
【0022】
図7は、フレネルレンズ200の構成の第3実施例を示す。本実施例は、軟質中間層22の厚みが、フレネルレンズ200の周縁部においてフレネルレンズ200の中央部分よりも厚い点で第1実施例と異なる。その他の点は第1実施例と同様なので説明を省略する。本実施例の構成によれば、フレネルレンズ200の中央部分における軟質中間層22の形態安定性を確保しつつ、周縁部におけるレンズ層26の変形追従性を向上することができる。従って、フレネルレンズ200の周縁部を加圧して保持する場合に、プリズム20の先端の潰れを一層低減することができる。
【0023】
図8から図12は、フレネルレンズ200の生産方法の第1実施例を示す。本実施例におけるフレネルレンズ200の生産方法は、軟質樹脂準備工程、充填工程、加圧工程、硬化工程、及び脱型工程を含む。
【0024】
図8は、本実施例の軟質樹脂準備工程を示す。軟質樹脂準備工程は、基材24の一方の面に軟質中間層22を一様な厚さで積層する。基材24は、フレネルレンズ200の仕上がりの面積よりも広い面積を有する透明な樹脂板を用いる。基材24の材質は、MS等のスチレン系透明樹脂、ポリカーボネート、及びPET等である。
【0025】
軟質中間層22は、例えば粘着シートの状態で準備された透明なアクリル系粘着剤である。紫外線による硬化が生じない。あるいは他の例として、軟質中間層22はウレタンアクリレート樹脂等の透明な紫外線硬化性粘着剤であってもよい。軟質中間層22が紫外線硬化性粘着剤である場合、軟質樹脂準備工程で未硬化の紫外線硬化性樹脂を積層し、後述の硬化工程における紫外線の照射によって、軟質中間層22に変化する。軟質中間層22は、以下の物性を満足する。
【0026】
E’(貯蔵弾性率)=0.01〜1MPa(15℃〜40℃)
Tanδ(損失正接)=0.5以下(15℃〜40℃、1Hz、各温度毎に測定)
Tg(ガラス転移温度)=−70〜0℃
なお、Tanδ=E”/E’(E’:貯蔵弾性率、E”:損失弾性率)であり、樹脂の復元しやすさ、及び傷つきやすさを示す。例えばTanδの値が大きいほど、その樹脂は復元しやすく、傷つきにくい。Tgは、Tanδがピークを形成する温度であり、樹脂の硬さを示す。
【0027】
アクリル系粘着剤である軟質中間層22の貯蔵弾性率を低下させるには、軟質中間層22の架橋密度を低くする方法と、Tg(ガラス転移点温度)が低い材料を選択する方法とがある。このうち軟質中間層22の架橋密度を低くするには、例えばカルボキシル基等の官能基を側鎖に有するアクリレート系モノマーを共重合してなる主剤を使用する。官能基の量は、トータルモノマーに対して5%以下、より好ましくは1%以下に調整する。Tgが低い材料を選択する場合には、主剤として2−エチルヘキシルアクリレート系の材料、例えばカルボキシル基等の官能基を側鎖に有するアクリレート系モノマーを共重合してなる共重合体を使用する。前記官能基を有するモノマーの量は、トータルモノマーに対して5%以下、より好ましくは1%以下に調整する。Tgが低い材料を選択する場合には、例えば2−エチルヘキシルアクリレートを共重合してなる共重合体を使用する。架橋剤としては、トリレンジイソシアネート系、又はヘキサメチレンジイソシアネート系の化合物を前記共重合体固形分100に対して1%以下に配合することにより、貯蔵弾性率が低いアクリル系粘着剤を得ることができる。軟質中間層22の貯蔵弾性率を低下させる場合、プリズム20の傷つきにくさが向上する一方で、フレネルレンズ200における軟質中間層22の形態安定性が低下する。従って、軟質中間層22の貯蔵弾性率を調整する場合には、軟質中間層22の形態安定性と、プリズム20の傷つきにくさのバランスが最適となるように調整する。プリズム20の傷つきにくさを定量的に確認する方法については、図15を参照して後述する。
【0028】
図9は、本実施例の充填工程を示す。充填工程は、複数のプリズム20を成形する成形型30にレンズ用未硬化樹脂21をディスペンサ40を用いて未硬化の状態で充填する。レンズ用未硬化樹脂21は、硬化後の貯蔵弾性率が軟質中間層22よりも高い硬質紫外線硬化性樹脂の一例である。レンズ用未硬化樹脂21は、例えばウレタンアクリレート樹脂等の透明な紫外線硬化性樹脂(2P樹脂)である。本実施例における未硬化状態のレンズ用未硬化樹脂21は、粘度が高い粘性流体の状態である。レンズ用未硬化樹脂21がウレタンアクリレート樹脂である場合、硬化後に以下の物性を満足するグレードを準備する。なお、測定条件は上述の軟質中間層22と同一である。
【0029】
E’(貯蔵弾性率)=5〜2000MPa(15℃〜40℃)
Tanδ(損失正接)=0.01〜1.2(15℃〜40℃、1Hz、各温度毎に測定)
Tg(ガラス転移温度)=15〜60℃
【0030】
図10は、本実施例の加圧工程を示す。加圧工程は、基材24の軟質中間層22が積層された面をレンズ用未硬化樹脂21に密着させた状態で、基材24を成形型30に対して加圧する。例えば、成形型30の上面から基材24の上面までの距離がフレネルレンズ200におけるプリズム20の谷部から基材24の裏面までの距離になるようにロール42の高さを調節した状態で、基材24の一端から他端に向けてロール42を移動させる。尚、加圧工程は、成形型30の周りを減圧した真空槽の内部で行う。これによりレンズ用未硬化樹脂21が気泡を抱き込むことがなく、成形型30のキャビティの全体に確実に充填される。また、成形型30におけるプリズム20のキャビティの外側には、流れ止め32が形成されている。流れ止め32は、加圧工程において基材24の範囲からはみ出す余分なレンズ用未硬化樹脂21を受け止める。
【0031】
図11は、本実施例の硬化工程を示す。硬化工程は大気圧下で行う。硬化工程は、加圧工程後に基材24側から紫外線を照射することにより、レンズ用未硬化樹脂21を硬化させる。紫外線の照射には紫外線ランプ44を用いる。基材24の上方からレンズ用未硬化樹脂21を硬化させる為に十分な時間だけ紫外線ランプ44を発光させる。レンズ用未硬化樹脂21は硬化後にレンズ層26になる。尚、軟質中間層22の材料として紫外線硬化性粘着剤を用いる場合、図10に示した加圧工程の前に、軟質樹脂準備工程において基材24の一面に積層された未硬化の紫外線硬化性粘着剤に対して紫外線を照射することによって、紫外線硬化性粘着剤を硬化させてもよい。この場合、加圧工程の段階で既に、紫外線硬化性粘着剤の硬化が完了して軟質中間層22に変化しているので、加圧工程時の圧力に対して軟質中間層22の形状が安定的に保持される。
【0032】
図12は、本実施例の脱型工程を示す。脱型工程は、基材24、軟質中間層22、及びレンズ層26を成形型30から離脱させる。この場合、基材24の一端から他端に向けて基材24を撓ませながら脱型させる。脱型後、スクリーン500に使用する範囲を切り出すことにより、フレネルレンズ200が完成する。以上の生産方法によれば、硬質紫外線硬化樹脂からなるプリズム20の先端の潰れが少ないフレネルレンズ200を効率よく生産できる。
【0033】
図13及び図14は、フレネルレンズ200の生産方法の第2実施例を示す。本実施例の生産方法によれば、図7で説明したフレネルレンズ200の構成の第3実施例を生産することができる。本実施例に係るフレネルレンズ200の生産方法は、軟質樹脂準備工程、充填工程、加圧工程、硬化工程、及び脱型工程を含む。このうち、軟質樹脂準備工程と加圧工程が前述の実施例と異なる。
【0034】
図13は、本実施例における軟質樹脂準備工程を示す。本実施例の軟質樹脂準備工程は、基材24の一方の面における、フレネルレンズ200の中心部を含む領域に、アクリル系粘着剤である軟質中間層22を一様な厚さで積層させる工程と、フレネルレンズ200の周縁部を含む領域に、フレネルレンズ200の中心部よりも厚く軟質中間層22を積層させる工程とを含む。例えば、粘着シートの状態で準備された軟質中間層22を基材24の全体に一様な厚さで積層し、その後、フレネルレンズ200の周縁部を含む領域に部分的に軟質中間層22をさらに積層させる。充填工程は、第1実施例の充填工程(図9)と同様なので説明を省略する。
【0035】
図14は、本実施例における加圧工程を示す。本実施例の加圧工程は、フレネルレンズ200の周縁部を含む領域において、中心部よりも厚く軟質中間層22が積層した基材24を、第1実施例の加圧工程(図10)と同様の方法で成形型30に対して加圧する。以後の工程は、第1実施例の硬化工程(図11)、及び脱型工程(図12)と同様なので説明を省略する。本実施例の生産方法によれば、図7に示した第3実施例のフレネルレンズ200、即ち軟質中間層22の厚みがフレネルレンズ200の周縁部において、中央部分よりも厚いフレネルレンズ200を効率よく生産することができる。即ち、軟質中間層22の形態安定性を確保しつつ、周縁部のプリズム20の変形追従性を一層向上するフレネルレンズ200を効率よく生産できる。
【0036】
図15は、軟質中間層22の効果を定量的に確認する方法の一例を示す。本実施例では、2枚のガラス板46の間に、フレネルレンズ200のプリズム20とレンチキュラレンズ100の単レンズ10を密着させた状態で、全体を水平に保持する。次に、上側のガラス板46の上面から下方に荷重をかける。この場合、ガラス板46の平行度を確保しながらガラス板46の全体に均等に荷重をかけることが望ましい。例えば、ガラス板46の上面の四隅に均等な重りを載せることにより、レンチキュラレンズ100及びフレネルレンズ200の全体に均等に荷重をかける。ガラス板46にかける荷重を徐々に大きくすると、フレネルレンズ200のプリズム20がレンチキュラレンズ100から受ける外力が拡大し、やがて目視で確認できる程度の潰れがプリズム20の先端に発生する。プリズム20の先端に目視で確認できる潰れが発生する最小の荷重を測定することにより、外力に対するプリズム20の先端の潰れにくさを定量的に判断することができる。
【0037】
フレネルレンズ200における軟質中間層22の厚さと貯蔵弾性率を決定する場合には、両者の値を様々に変化させたサンプルを作成し、軟質中間層22の形態安定性と、プリズム20の傷つきにくさのバランスがとれたサンプルを選択することによって行う。なお、フレネルレンズ200のレンズ層26に対向させる光学部材は、スクリーン500において実際に組み付けられる光学部材を用いる。従って、本実施例のレンチキュラレンズ100の他にも、フライアイレンズ、拡散板、偏光板、及び位相差板などが想定される。
【0038】
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、レンズ層の凸部の先端に外力が加わる場合に、軟質中間層が変形することにより応力を分散することができる。これにより、凸部の先端の潰れが低減され、レンズの変形防止と破損防止をいずれも高いレベルで満足させることができる。
【0039】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態に係るリアプロジェクション・ディスプレイ800の構成を示す図である。
【図2】図1に示したスクリーン500のA部拡大図である。
【図3】フレネルレンズ200の平面図を示す図である。
【図4】フレネルレンズ200の断面図を示す図である。
【図5】フレネルレンズ200の構成の第1実施例を示す部分断面図である。
【図6】フレネルレンズ200の構成の第2実施例を示す部分断面図である。
【図7】フレネルレンズ200の構成の第3実施例を示す部分断面図である。
【図8】フレネルレンズ200の生産工程の一例を示す図である。
【図9】フレネルレンズ200の生産工程の一例を示す図である。
【図10】フレネルレンズ200の生産工程の一例を示す図である。
【図11】フレネルレンズ200の生産工程の一例を示す図である。
【図12】フレネルレンズ200の生産工程の一例を示す図である。
【図13】フレネルレンズ200の生産工程の他の例を示す図である。
【図14】フレネルレンズ200の生産工程の他の例を示す図である。
【図15】軟質中間層22の効果を確認する方法の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
10 単レンズ、20 プリズム、21 レンズ用未硬化樹脂、22 軟質中間層、24 基材、26 レンズ層、30 成形型、32 流れ止め、34 ディスペンサ、40 ディスペンサ、42 ロール、44 紫外線ランプ、46 ガラス板、100 レンチキュラレンズ、200 フレネルレンズ、300 前面板、400 保持部材、500 スクリーン、600 鏡、700 光学エンジン、800 リアプロジェクション・ディスプレイ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を透過させるレンズシートであって、
前記レンズシートの一面に形成され、複数の凹凸を含むレンズ層と、
前記複数の凹凸の反対側から前記レンズ層を支持する基材と、
前記レンズ層と前記基材の間に設けられ、前記レンズ層及び前記基材よりも貯蔵弾性率が小さい軟質中間層と
を備えるレンズシート。
【請求項2】
前記レンズ層は前記凹凸の谷部が前記軟質中間層に達することによって複数の領域に分離されており、
前記複数の領域のそれぞれは前記軟質中間層に独立して支持されている、請求項1に記載のレンズシート。
【請求項3】
前記レンズ層及び前記軟質中間層は高分子材料からなり、前記軟質中間層のガラス転移点温度は、前記レンズ層のガラス転移点温度よりも低い、請求項1に記載のレンズシート。
【請求項4】
前記軟質中間層の厚みは、前記レンズシートの周縁部において、前記レンズシートの中央部分よりも厚い、請求項1に記載のレンズシート。
【請求項5】
透過型スクリーンであって、
前記レンズシートの一面に形成され、複数の凹凸を含むレンズ層、前記複数の凹凸の反対側から前記レンズ層を支持する基材、及び前記レンズ層と前記基材の間に設けられ、前記レンズ層及び前記基材よりも貯蔵弾性率が小さい軟質中間層を有するレンズシートと、
前記レンズ層の前記複数の凹凸に対向して設けられ、前記軟質中間層よりも貯蔵弾性率が高い他の光学部材と、
前記レンズ層の前記複数の凹凸と前記他の光学部材とを当接させた状態で、前記レンズシート及び前記他の光学部材を保持する保持部材と
を備える透過型スクリーン。
【請求項6】
樹脂からなる複数の凹凸を一面に有するレンズシートの生産方法であって、
シート状の透明な基材を準備し、当該基材の一方の面に、貯蔵弾性率が前記複数の凹凸を形成する樹脂よりも低い粘着剤からなる軟質中間層を積層する軟質中間層準備工程と、
前記複数の凹凸を成形する型に、硬化時の貯蔵弾性率が前記軟質中間層よりも高い硬質紫外線硬化性樹脂を未硬化の状態で充填する充填工程と、
前記基材の前記軟質中間層が積層された面を前記硬質紫外線硬化性樹脂に密着させた状態で前記基材を前記型に対して加圧する加圧工程と、
前記加圧工程後に前記基材側から紫外線を照射することにより前記硬質紫外線硬化樹脂を硬化させる硬化工程と、
前記基材、前記軟質中間層、及び前記凹凸形状に硬化した前記硬質紫外線硬化樹脂を前記型から離脱させる脱型工程と
を備えるレンズシートの生産方法。
【請求項7】
前記軟質中間層準備工程は、前記基材の前記一方の面における、前記レンズシートの中心部を含む領域に、前記粘着剤を積層させる工程と、前記レンズシートの周縁部を含む領域に、前記レンズシートの前記中心部よりも厚く前記粘着剤を積層させる工程とを含む、請求項6に記載のレンズシートの生産方法。
【請求項1】
光を透過させるレンズシートであって、
前記レンズシートの一面に形成され、複数の凹凸を含むレンズ層と、
前記複数の凹凸の反対側から前記レンズ層を支持する基材と、
前記レンズ層と前記基材の間に設けられ、前記レンズ層及び前記基材よりも貯蔵弾性率が小さい軟質中間層と
を備えるレンズシート。
【請求項2】
前記レンズ層は前記凹凸の谷部が前記軟質中間層に達することによって複数の領域に分離されており、
前記複数の領域のそれぞれは前記軟質中間層に独立して支持されている、請求項1に記載のレンズシート。
【請求項3】
前記レンズ層及び前記軟質中間層は高分子材料からなり、前記軟質中間層のガラス転移点温度は、前記レンズ層のガラス転移点温度よりも低い、請求項1に記載のレンズシート。
【請求項4】
前記軟質中間層の厚みは、前記レンズシートの周縁部において、前記レンズシートの中央部分よりも厚い、請求項1に記載のレンズシート。
【請求項5】
透過型スクリーンであって、
前記レンズシートの一面に形成され、複数の凹凸を含むレンズ層、前記複数の凹凸の反対側から前記レンズ層を支持する基材、及び前記レンズ層と前記基材の間に設けられ、前記レンズ層及び前記基材よりも貯蔵弾性率が小さい軟質中間層を有するレンズシートと、
前記レンズ層の前記複数の凹凸に対向して設けられ、前記軟質中間層よりも貯蔵弾性率が高い他の光学部材と、
前記レンズ層の前記複数の凹凸と前記他の光学部材とを当接させた状態で、前記レンズシート及び前記他の光学部材を保持する保持部材と
を備える透過型スクリーン。
【請求項6】
樹脂からなる複数の凹凸を一面に有するレンズシートの生産方法であって、
シート状の透明な基材を準備し、当該基材の一方の面に、貯蔵弾性率が前記複数の凹凸を形成する樹脂よりも低い粘着剤からなる軟質中間層を積層する軟質中間層準備工程と、
前記複数の凹凸を成形する型に、硬化時の貯蔵弾性率が前記軟質中間層よりも高い硬質紫外線硬化性樹脂を未硬化の状態で充填する充填工程と、
前記基材の前記軟質中間層が積層された面を前記硬質紫外線硬化性樹脂に密着させた状態で前記基材を前記型に対して加圧する加圧工程と、
前記加圧工程後に前記基材側から紫外線を照射することにより前記硬質紫外線硬化樹脂を硬化させる硬化工程と、
前記基材、前記軟質中間層、及び前記凹凸形状に硬化した前記硬質紫外線硬化樹脂を前記型から離脱させる脱型工程と
を備えるレンズシートの生産方法。
【請求項7】
前記軟質中間層準備工程は、前記基材の前記一方の面における、前記レンズシートの中心部を含む領域に、前記粘着剤を積層させる工程と、前記レンズシートの周縁部を含む領域に、前記レンズシートの前記中心部よりも厚く前記粘着剤を積層させる工程とを含む、請求項6に記載のレンズシートの生産方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−209012(P2006−209012A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−24248(P2005−24248)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000155698)株式会社有沢製作所 (117)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000155698)株式会社有沢製作所 (117)
【Fターム(参考)】
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