説明

レンズ交換式デジタルカメラ

【課題】 ライブビュー機能を備えたレンズ交換式デジタルカメラにおいて、交換レンズをカメラ本体から取り外した状態では、ライブビュー動作を禁止することにより、撮像素子の受光面にゴミが付着することを抑制することが可能なレンズ交換式デジタルカメラを提供すること。
【解決手段】 交換レンズが着脱可能なカメラ本体と、交換レンズが、カメラ本体に装着されているか否かを検出する検知手段と、被写体光学像を光電変換して画像信号を生成する撮像手段と、撮像手段で生成された画像信号に基づき、画像を表示する表示手段と、表示手段に撮像手段で生成された画像信号に基づく撮影候補の画像表示を行わせるライブビューの作動を制御するライブビュー制御手段と、を有し、ライブビュー制御手段は、検知手段の検知結果に基づいて、ライブビューの作動を制御する様にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ交換式デジタルカメラに関し、詳しくはライブビュー機能を備えたレンズ交換式デジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ等の撮像装置では、CCD(Charge Coupled Device)に代表される撮像素子の高性能化が進展するに伴い、より高度な撮影動作を行うことができ、高い画質の撮影画像を得ることができるレンズ交換式デジタルカメラが一般的に実用化されている。
この様なデジタルカメラでは従来バルブ機構を備えており、通常、交換レンズをカメラ本体から取り外した状態であってもバルブ機構を用いることは可能である。すなわちシャッタを長時間開放状態に定めることができる。
【0003】
しかしながら、交換レンズをカメラ本体から取り外した状態で、シャッタを不用意に長時間開放にしておくと、撮像素子の受光面側にゴミが付着する恐れがある。撮像素子の受光面側にゴミが付着した状態で撮影が行われると、得られた被写体像にゴミの陰影が混入してしまう。
今日、この様なゴミが入力画像の写り込みに悪影響を与えることが問題となっている。従って、当該ゴミの付着を抑制することができる様にしたデジタルカメラが種々検討されてきた。
具体的には、レンズ交換式デジタルカメラにおいて、交換レンズをカメラ本体から取り外した状態では、バルブや、所定時間より長いシャッタスピードでの開動作を禁止することにより、シャッタを長時間開放し続けることを防止し、撮像素子にゴミが付着する恐れを回避するデジタルカメラの技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−153050号公報(段落0005等参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、レンズ交換式デジタルカメラでは、多機能、高画質化が進展するに伴い、光学ファインダーと同じ様に、撮影待機画像の視認や、微妙なフォーカス調整といった操作を表示装置で行いたいというニーズ対し、撮影待機画像を、LCDモニタ等に表示するライブビュー機能を備えたデジタルカメラが種々検討されている。
【0005】
この様なデジタルカメラにおいては、交換レンズをカメラ本体から取り外した状態で、誤ってライブビューモードに設定すると、シャッタが長時間開放し、撮像素子の受光面側にゴミが付着する恐れが増大する。そしてライブビュー機能を備えたレンズ交換式デジタルカメラにおいては、その問題は深刻であり、ゴミの付着を抑制することが可能なデジタルカメラが望まれていた。
前述の特許文献1においては、レンズ交換式デジタルカメラにおいて、交換レンズをカメラ本体から取り外した状態では、バルブや、低速シャッタスピード等のシャッタを長時間開放し続ける撮影動作を制限することにより、撮像素子にゴミの付着を抑制する様にしている。しかしながら前述のライブビュー動作時の対策を示唆するものではなかった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、ライブビュー機能を備えたレンズ交換式デジタルカメラにおいて、装置の複雑化や高価格化を招くことなく、交換レンズをカメラ本体から取り外した状態では、ライブビュー動作を禁止することにより、シャッタ、または、クイックリターンミラーを長時間開放し続けることを防止し、撮像素子の受光面にゴミが付着することを抑制することが可能なレンズ交換式デジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、下記の請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明によって達成される。
(請求項1)
交換レンズが着脱可能な、カメラ本体と、
前記交換レンズが、前記カメラ本体に装着されているか否かを検出する検知手段と、
被写体光学像を光電変換して画像信号を生成する撮像手段と、
前記撮像手段で生成された画像信号に基づき、画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に前記撮像手段で生成された画像信号に基づく撮影候補の画像表示を行わせるライブビューの作動を制御するライブビュー制御手段と、を有し、
前記ライブビュー制御手段は、
前記検知手段の検知結果に基づいて、ライブビューの作動を制御することを特徴とするレンズ交換式デジタルカメラ。
(請求項2)
前記ライブビュー制御手段は、
前記検知手段が、前記交換レンズの前記カメラ本体への非装着を検知した場合に、
ライブビューの実行を禁止することを特徴とする請求項1に記載のレンズ交換式デジタルカメラ。
(請求項3)
前記撮像手段への入射光路を開放又は遮断するシャッタと、
前記撮像手段への入射光路から退避可能に設けられた、該入射光路の方向を転換するクイックリターンミラーと、を有し、
前記ライブビュー制御手段は、ライブビュー実行時には、前記シャッタを開放させるとともに、前記クイックリターンミラーを入射光路から退避させることを特徴とする請求項1に記載のレンズ交換式デジタルカメラ。
【0007】
(請求項4)
前記撮像手段への入射光路を開放又は遮断するシャッタと、
前記撮像手段への入射光路から退避可能に設けられた、該入射光路の方向を転換するクイックリターンミラーと、
クリーニングモード設定手段とを有し、
前記ライブビュー制御手段は、前記クリーニングモード設定手段でクリーニングモードが設定され、かつ前記検知手段で前記交換レンズの前記カメラ本体への非装着を検知した場合に、前記シャッタを強制的に開放させるとともに、前記クイックリターンミラーを入射光路から強制的に退避させることを特徴とする請求項1または2記載のレンズ交換式デジタルカメラ。
【0008】
(請求項5)
警告音を発生するブザーを有し、
前記ブザーは、前記クリーニングモード設定手段でクリーニングモードが設定された際には、警告音を所定時間発生することを特徴とする請求項4に記載のレンズ交換式デジタルカメラ。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の本発明によれば、ライブビュー制御手段は、交換レンズがカメラ本体に装着されているか否かにより、ライブビューの作動を制御する様にしている。したがってライブビュー制御手段は、交換レンズがカメラ本体に装着されているか否かにより、ライブビュー動作の実行を許可、または禁止することができる様になる。
請求項2に記載の本発明によれば、ライブビュー制御手段は、交換レンズがカメラ本体に装着されていない場合には、ライブビューの実行を禁止する様にしている。したがって撮像素子の受光面側にゴミが付着することを確実に防止することができる様になる。
請求項3に記載の本発明によれば、ライブビュー実行時には、表示手段にて撮影候補の画像を視認することができる様になる。
請求項4に記載の本発明によれば、クリーニングモードを設定することにより、シャッタを強制的に開放させるとともに、クイックリターンミラーを入射光路から強制的に退避させることができる様にしている。したがってカメラ本体内部を掃除することができる様になる。
請求項5に記載の本発明によれば、クリーニングモードが設定された際には、警告音を発生する様にしている。したがって誤ってクリーニングモードを設定した場合においても、操作者は警告音により感知することができるので、意図しないクリーニング動作の実行によるゴミの進入を回避することができる様になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態に係わるレンズ交換式デジタルカメラについて説明する。
【0011】
最初に、図1を用いて、レンズ交換式デジタルカメラ1(以下、デジタルカメラ1と略称する。)の外観を説明する。図1(a)は、本発明に係るデジタルカメラ1の正面図、図1(b)は、背面図である。図1(a)に示す様に、デジタルカメラ1は、カメラ本体2、及び交換レンズ3から構成され、交換レンズ3は、カメラ本体2に着脱自在に取り付けられる。
交換レンズ3は、図示しないズーム光学系からなる撮影レンズ、絞り等から構成される。
【0012】
デジタルカメラ1は、レンズ交換が可能な一眼レフ型のデジタルカメラであり、LCD(Liquid Crystal Display;液晶表示素子)からなるLCDモニタ217、光学ファインダー216、及びデジタルカメラ1を図示しないパーソナルコンピュータに接続する外部接続端子を有しており、後述するCCDカラーエリアセンサ241(以下、CCD241と略称する。)で取り込まれた画像信号に所定の信号処理を施し、撮影待機画像のLCDモニタ217へのライブビュー表示や後述するメモリカード283等の記録媒体への画像記録、記録画像のLCDモニタ217への再生表示、あるいはパーソナルコンピュータへの画像の転送といった処理を行う。
図1(a)に示す様に、カメラ本体2の上面には、シャッタボタン201、露出モードダイアル202、露出補正ダイアル203、ホワイトバランス設定ダイアル204、及び必要時にホップアップされる内臓フラッシュ205が設けられている。
カメラ本体2の正面には、フォーカスモード設定ダイアル206、セルフタイマーランプ208、及びグリップ209にはグリップセンサ210が設けられている。
また、カメラ本体2の正面中央部には、交換レンズ3を装着する為の図示しない後述のレンズマウント231が設けられている。レンズマウント231の近傍には、カメラ本体2に装着された、交換レンズ3を取り外す為のレンズ取り外しボタン207が設けられている。また、レンズマウント231の内部には、交換レンズ3と交信を行う為の図示しない後述の交信端子BT1、BT2、BT3、及び、交換レンズ3の装着検知を行い本発明における検知手段に該当する後述のレンズ装着検知スイッチLSWが設けられている。
また、図1(b)に示す様に、カメラ本体2の背面上部には、デジタルカメラ1の電源ON/OFFを行うメインスイッチ211、測光モードダイアル212、AEロックボタン213、AF/MFコントロールボタン214、後ダイアル215、被写体光学像の視認を行う光学ファインダー216、及びライブビューモードの設定を行うライブビューボタン226が設けられている。
また、カメラ本体2の背面中央部には、撮影待機画像のライブビュー表示や記録画像の再生表示、及び各種情報表示等を行うLCDモニタ217が設けられている。すなわち、LCDモニタ217は、本発明に係るレンズ交換式デジタルカメラにおける表示手段として機能するものである。
【0013】
また、LCDモニタ217の近傍には、手ぶれ補正ボタン218、各種設定の選択を行うジョグダイアル(十字キー)219、及びジョグダイアル(十字キー)219で選択された設定を決定する決定ボタン220が設けられている。
ジョグダイアル(十字キー)219、及び決定ボタン220は、例えば後述のカメラ本体2の内部を掃除する際に用いるクリーニングモードを設定するものである。
具体的には、例えばLCDモニタ217で表示されるメニュー画面上で、ジョグダイアル(十字キー)219を操作して、クリーニングモードを選択する。そして決定ボタン220を操作することによりクリーニングモードが確定される。すなわち、ジョグダイアル(十字キー)219、及び決定ボタン220は、本発明に係るレンズ交換式デジタルカメラにおけるクリーニングモード設定手段として機能するものである。
また、カメラ本体2の背面下部には、メニューボタン221、表示切り換えボタン222、拡大ボタン223、消去ボタン224、及び再生モードの設定を行う再生ボタン225が設けられている。
この様な構成のデジタルカメラ1において、カメラ本体2の内部には、CCD241への入射光路の方向を転換するクイックリターンミラー232、及びCCD241への入射光路を開放、または遮断するシャッタ233を備えている。
ここで、クイックリターンミラー232、及びシャッタ233の動作を図2を用いて説明する。図2(a)は、撮影が行われていない時の、クイックリターンミラー232、及びシャッタ233の状態を示す断面模式図である。図2(b)は、ライブビュー時、撮影時、及びクリーニング時における、クイックリターンミラー232、及びシャッタ233の状態を示す断面模式図である。
図2(a)に示す様に、レンズ光軸L上には、クイックリターンミラー232が設けられている。クイックリターンミラー232は、図示された傾斜状態と、図2(b)に示す様に、上方へ回動した水平状態との間において回動自在である。クイックリターンミラー232の上方には図示しないピント板が設けられ、ピント板の上方にはペンタプリズム234が設けられている。ペンタプリズム234の後方には光学ファインダー216が設けられている。
【0014】
また、クイックリターンミラー232の後方には、シャッタ233が設けられ、シャッタ233の後方には、図示しない赤外カットフィルタと光学ローパスフィルタが設けられている。光学ローパスフィルタの後方にはCCD241が設けられている。すなわち、クイックリターンミラー232、シャッタ233、赤外カットフィルタ、光学ローパスフィルタ、CCD241は、レンズの光軸L上に配置されている。
クイックリターンミラー232の回転動作は、後述のミラー駆動回路248によって駆動され、シャッタ233の開閉動作は、シャッタ駆動回路247によって駆動される。ミラー駆動回路248とシャッタ駆動回路247は、後述のカメラ制御CPU291によって制御される。
通常、撮影が行われていない時には、図2(a)に示す様に、クイックリターンミラー232は傾斜状態に定められており、交換レンズ3から取込まれた光をペンタプリズム234側に導く。すなわち、入射光路Lの方向をペンタプリズム234の方向に転換している。このときシャッタ233は閉じており、CCD241に向かう光路を閉塞している。これに対しライブビュー時、撮影時、及びクリーニング時には、図2(b)に示す様に、クイックリターンミラー232はミラー駆動回路248の制御により上方に回動せしめられ、水平状態となる。このクイックリターンミラー232の回動すなわち入射光路Lからの退避に伴い、シャッタ233はシャッタ駆動回路247の制御により開口せしめられ、交換レンズ3から取込まれた光はCCD241の受光面に照射される。すなわち、受光面には交換レンズ3によって得られた被写体光学像が形成され、CCD241では、被写体光学像に対応した画像信号が生成される。
次に、デジタルカメラ1の制御系について図3を用いて説明する。図3は、本発明に係わるデジタルカメラ1の回路ブロック構成図である。なお、図3では、図1または図2に示した部材と同じ部材には同一の番号を付与した。
最初に交換レンズ3の回路ブロックについて説明する。交換レンズ3を、カメラ本体2内に設けられたレンズマウント231に装着すると、交換レンズ3に設けられた交信端子LT1、LT2、LT3と、カメラ本体2のレンズマウント231内に設けられた交信端子BT1、BT2、BT3とが夫々対応して当接し、交換レンズ3とカメラ本体2が電気的に接続される。
絞り352、フォーカス/ズームモータ353は、カメラ本体2内に設けられたカメラ制御CPU291から送られてくる制御信号に従って動作する。
レンズ制御CPU351は、各種レンズのレンズ位置情報を取得し、カメラ本体2内に設けられたカメラ制御CPU291と、フォーカス制御、またはズーム制御に必要な情報の交信を行う。
次に、カメラ本体2の回路ブロックについて説明する
CCD241は、R(赤)光、G(緑)光、B(青)光の各色透過フィルタをピクセル単位(画素単位)で市松模様状に配置させたカラーエリア撮像センサで、交換レンズ3により結像された被写体光像を、R(赤)光、G(緑)光、B(青)光の各色成分の画像信号(各画素単位で受光された画素信号の信号列からなる信号)に光電変換するものである。
【0015】
タイミングジェネレータ246は、後述の基準クロック発生部271から送信される基準クロックに基づいてCCD241の駆動制御信号を生成するものである。タイミングジェネレータ246で生成される駆動制御信号には、例えば、CCD241における露出開始、及び終了タイミングを制御する積分開始/終了のタイミング信号、各画素の受光信号の読出制御信号(水平同期信号、垂直同期信号、転送信号等)等のクロック信号が挙げられ、これらのクロック信号がCCD241に供給されるとCCD241では各クロック信号に対応した駆動制御が行われる。
信号処理回路242は、CDS回路243、AGC回路244より構成され、これらの構成部を介して画像信号に所定の処理が行われる。以下、信号処理回路242で行われる画像信号への所定の処理について説明する。
CDS(相関二重サンプリング)回路243は、CCD241から読み出された画像信号より読出し時に発生するノイズの低減や、OBクランプ動作による暗ノイズの補正を行うものである。
AGC(自動利得制御)回路244は、CDS回路243で処理された画像信号のゲイン調整を行うものである。
この様に信号処理回路242は、CCD241から読み出された画像信号に、アナログ信号処理を行うものである。
A/D変換器245は、AGC回路244から入力された画像信号を構成する各画素信号をデジタル信号に変換するものである。A/D変換器245は、基準クロック発生部271から入力されるA/D変換用クロックに基づき、アナログ信号の各画素信号を例えば14ビットのデジタル信号に変換する。
この様に、CCD241で読み出された画像信号は、信号処理回路242、及びA/D変換器245で所定の処理が施されて、デジタル画像信号に変換される。デジタル化された画像信号は、画像処理CPU261に取り込まれて所定の処理が行われる。
画像処理CPU261は、マイクロコンピュータからなり、デジタルカメラ1で行われる画像信号処理動作を統括的に制御するものである。以下、画像処理CPU261で行われるデジタル画像信号への処理について説明する。
【0016】
最初に、画像処理CPU261に取り込まれた画像信号は、CCD241から出力される画像信号の読出しに同期して画像メモリ281に書き込まれる。すなわち、画像処理CPU261で行われる処理に使用されるデジタル画像信号は、画像メモリ281にいったん記録したものを画像メモリ281から取り出し、各ブロックにおける処理に使用される。
画像処理CPU261は、図3に示す様に、例えば黒レベル補正部263、画素補間部264、解像度変換部265、ホワイトバランス制御部266、ガンマ補正部267、マトリックス演算部268、シェーディング補正部269、画像圧縮部270等からなる画像処理部262、及び基準クロック発生部271から構成され、画像処理部262は画像メモリ281より取り出したデジタル画像信号に周知の画像信号処理を施すものである。そして、これらの部位で所定の処理を施されたデジタル画像信号は、再度、画像メモリ281に格納される。
基準クロック発生部271は、デジタルカメラ1の駆動制御に使用される基準クロックを生成し、これを各回路に供給する回路である。本発明における基準クロックの具体例としては、タイミングジェネレータ246に使用される基準クロックや、A/D変換器245に使用されるA/D変換用クロックなどが挙げられ、基準クロック発生部271でこれらのクロックを生成する。
次に、LCDモニタ217は、CCD241で取り込まれた撮影待機画像のライブビュー表示や記録画像の再生表示、及び各種情報表示等を行うものである。
LCDドライバ285は、画像処理CPU261により画像メモリ281から読み出された画像信号を一時記憶するバッファメモリ(VRAM)を備えており、該画像信号をフィールド画像としてLCDモニタ217に画像表示させる。
次に、レンズ装着検知スイッチLSWは、カメラ本体2に、交換レンズ3が装着されているか否かを検知するスイッチである。
レンズ装着検知スイッチLSWは、図2(a)に示す様に、レンズマウント231の内側に設けられた、例えば機械式スイッチであり、交換レンズ3がカメラ本体2に装着されると、交換レンズ3の端部がレンズ装着検知スイッチLSWに当接する。これによりレンズ装着検知スイッチLSWがON状態となり、後述のカメラ制御CPU291には、交換レンズ3が、カメラ本体2に装着されていることを示す検知信号が入力される。
次に、カメラ制御CPU291は、マイクロコンピュータからなり、後述するスイッチ群295の各スイッチ操作に基づき、カメラ本体2、及び交換レンズ3を構成する各部材の駆動をシーケンシャルに制御してデジタルカメラ1の撮影動作を統括制御するものである。
また、カメラ制御CPU291は、交換レンズ3の装着検知を行うレンズ装着検知スイッチLSWの検知結果に基づき、デジタルカメラ1で行われるライブビュー動作を制御する。すなわち、カメラ制御CPU291は、カメラ本体2に交換レンズ3が装着されていない時(レンズ装着検知スイッチがOFFの時)は、ライブビューボタン226を操作することによる、ライブビュー動作の実行を禁止する。すなわち、カメラ制御CPU291は、本発明に係るレンズ交換式デジタルカメラにおけるライブビュー制御手段として機能するものである。
また、カメラ制御CPU291は、シャッタボタン201、または、ライブビューボタン226の操作に基づいてクイックリターンミラー232の回転動作、及び、シャッタ233の開閉動作を制御する。
さらに、デジタルカメラ1は、クリーニングモードを備えている。クリーニングモードは、カメラ本体2に交換レンズ3が装着されていない時に、カメラ本体内部を掃除する時に用いるモードである。カメラ制御CPU291は、カメラ本体2に交換レンズ3が装着されていない時は、シャッタボタン201を操作することによるクイックリターンミラー232の回転動作、及び、シャッタ233の開閉動作を禁止するが、クリーニングモードが設定されている時には、クイックリターンミラー232の回転動作、及び、シャッタ233の開閉動作を許可するものである。
また、ブザー293は、カメラ制御CPU291の制御により、各種告知音や警告音を発生するものであり、クリーニングモードが設定された際には、警告音を発生する。したがって誤ってクリーニングモードを設定した場合においても、操作者は警告音により感知することができるので、意図しないクリーニング動作の実行によるゴミの進入を回避することができる。
カメラ制御CPU291で行われる、ライブビュー動作制御、クリーニング動作制御、の詳細については後述する。
この様に、デジタルカメラ1では、画像処理CPU261においてCCD241より取り込まれた画像信号に前述の様な信号処理を行い、これらの処理を行った画像信号を画像メモリ281に記録するようになっている。
本発明に係るデジタルカメラ1は、スイッチ群295の各種操作スイッチで設定したモードの下でCCD241で取り込んだ画像信号を画像メモリ281に記録、あるいは、LCDモニタ217に表示する。
撮影待機状態(例えば、ライブビューボタン226で「ライブビューモード」に設定した状態)では、画像信号が例えば1/30秒毎等の所定間隔でCCD241より信号処理回路242、A/D変換器245を経て画像処理CPU261取り込まれている。取り込まれた画像信号は、前述の様に、画像処理CPU261中の画像処理部262の黒レベル補正部263からシェーディング補正部269にかけての部位で所定の信号処理が施され、その後、デジタル画像信号として画像メモリ281に記録される。そして、画像メモリ281に記録された画像信号を読み出し、読み出された画像信号をLCD駆動回路285を介してフィールド画像としてLCDモニタ217でライブビュー画像を表示する。
また、画像記録時は、設定された記録解像度の画像とするために画像信号を画像処理CPU261中の画像処理部262の画像圧縮部270で圧縮処理し、得られた圧縮画像はメモリカードドライバ282を介してメモリカード283に記録される。
再生時は、(例えば、再生ボタン225で「再生モード」に設定した状態)では、メモリカード283より読み出された画像信号は、画像処理CPU261で所定の信号処理を施し、LCD駆動回路285を介してLCDモニタ217に表示する。
なお、図3中のスイッチ群295は、図1のシャッタボタン201、メインスイッチ211、ジョグダイアルキー219、決定ボタン220、メニューボタン221、再生ボタン225、ライブビューボタン226等に対応するスイッチである。
ここで、本発明に係るデジタルカメラ1で行われるライブビュー動作制御、クリーニング動作制御について図4及び図5のフローチャート用いて詳細に説明する。
図4は、ライブビュー動作制御の流れを示すフローチャートである。図5は、クリーニング動作制御の流れを示すフローチャートである。
最初に、図4を用いてライブビュー動作制御について説明する。
ライブビューボタン226を操作してデジタルカメラ1をライブビューモードに設定する(ステップS1)。デジタルカメラ1がライブビューモードに設定されると、カメラ制御CPU291は、交換レンズ装着検知スイッチLSWの状態を確認する(ステップS2)。交換レンズ装着検知スイッチLSWがONになっていれば、すなわちカメラ本体2に交換レンズ3が装着されていれば(ステップS3;Yes)、カメラ制御CPU291は、クイックリターンミラー232を上方へ回動し水平状態に定める。また、シャッタ233を開放する(ステップS6)。そして、ライブビュー動作を実行する(ステップS7)。ステップS3において、交換レンズ装着検知スイッチLSWがOFFになっていれば、すなわちカメラ本体2に交換レンズ3が装着されていなければ(ステップS3;No)、カメラ制御CPU291は、クイックリターンミラー232、または、シャッタ233の作動を禁止する。すなわち、クイックリターンミラー232は下方で傾斜状態を維持し、また、シャッタ233は閉塞状態を維持する(ステップS4)。そして、ライブビュー動作を禁止する(ステップS5)。この様にカメラ制御CPU291は、交換レンズ3がカメラ本体2に装着されていない場合には、ライブビューの実行を禁止する様にしている。したがって撮像素子の受光面側にゴミが付着することを確実に防止することができる様になる。
次に、図5を用いてクリーニング動作制御について説明する。
ジョグダイアル(十字キー)219、及び、決定ボタン220を操作してデジタルカメラ1をクリーニングモードに設定する(ステップS11)。デジタルカメラ1がクリーニングモードに設定されると、カメラ制御CPU291は、ブザー293を起動して警告音を所定時間発生させる(ステップS12)。この様にクリーニングモードが設定された際には、警告音を発生する様にしている。したがって誤ってクリーニングモードを設定した場合においても、操作者は警告音により感知することができるので、意図しないクリーニング動作の実行によるゴミの進入を回避することができる様になる。
次に、シャッタボタン201をONすると(ステップS13)、カメラ制御CPU291は、交換レンズ装着検知スイッチLSWの状態を確認する(ステップS14)。交換レンズ装着検知スイッチLSWがONになっていれば、すなわちカメラ本体2に交換レンズ3が装着されていれば(ステップS15;Yes)、カメラ制御CPU291は、クイックリターンミラー232、および、シャッタ233を制御して、通常の撮影動作を実行する(ステップS19)。ステップS15において、交換レンズ検知スイッチLSWがOFFになっていれば、すなわちカメラ本体2に交換レンズ3が装着されていなければ(ステップS15;No)、カメラ制御CPU291は、クイックリターンミラー232を上方へ回動し水平状態に定める。また、シャッタ233を開放する(ステップS16)。すなわち操作者は、シャッタボタン201を押すことによって、クイックリターンミラー232を上方へ回動し水平状態に定め、また、シャッタ233を開放することができる様になるので、この状態を維持しながらCCD241の受光面を掃除することができる。そして掃除が終わると、シャッタボタン201をOFFすることにより(ステップS17)、カメラ制御CPU291は、クイックリターンミラー232を下方に回動し傾斜状態に復帰し、また、シャッタ233を閉塞状態にする(ステップS18)。
この様に、本発明に係るレンズ交換式デジタルカメラでは、交換レンズをカメラ本体から取り外した状態では、ライブビュー動作を禁止することにより、クイックリターンミラー、または、シャッタを長時間開放し続けることを回避する様にしているので、撮像素子の受光面にゴミが付着することを確実に防止することができる様になる。
また、交換レンズをカメラ本体から取り外した状態においては、クリーニングモードにおいてのみ、クイックリターンミラーが退避可能に、また、シャッタが開放可能であるので、撮像素子に対するゴミの付着をより確実に防止することができる様になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るレンズ交換式デジタルカメラの外観模式図である。
【図2】本発明に係るレンズ交換式デジタルカメラの断面模式図である。
【図3】本発明に係るレンズ交換式デジタルカメラの回路ブロック構成図である。
【図4】本発明に係るレンズ交換式デジタルカメラにおけるライブビュー動作制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明に係るレンズ交換式デジタルカメラにおけるクリーニング動作制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0018】
1 デジタルカメラ
2 カメラ本体
201 シャッタボタン
202 露出モードダイアル
203 露出補正ダイアル
204 ホワイトバランス設定ダイアル
205 内臓フラッシュ
206 フォーカスモード設定ダイアル
207 レンズ取り外しボタン
208 セルフタイマーランプ
209 グリップ
210 グリップセンサ
211 メインスイッチ
212 測光モードダイアル
213 AEロックボタン
214 AF/MFコントロールボタン
215 後ろダイアル
216 光学ファインダー
217 LCDモニタ
218 手ぶれ補正ボタン
219 ジョグダイアル(十字キー)
220 決定ボタン
221 メニューボタン
222 表示切り換えボタン
223 拡大ボタン
224 消去ボタン
225 再生ボタン
226 ライブビューボタン
231 レンズマウント
232 クイックリターンミラー
233 シャッタ
234 ペンタプリズム
241 CCDカラーエリアセンサ
242 信号処理回路
243 CDS回路
244 AGC回路
245 A/D変換器
246 タイミングジェネレータ
247 シャッタ駆動回路
248 ミラー駆動回路
249 絞り駆動回路
250 フォーカス/ズームモータ駆動回路
261 画像処理CPU
262 画像処理部
263 黒レベル補正部
264 画素補完部
265 解像度変換部
266 ホワイトバランス制御部
267 ガンマ補正部
268 マトリックス演算部
269 シェーディング補正部
270 画像圧縮部
271 基準クロック発生部
281 画像メモリ
282 メモリカードドライバ
283 メモリカード
284 外部通信I/F
285 LCD駆動回路
291 カメラ制御CPU
292 フラッシュ制御回路
293 ブザー
295 スイッチ群(シャッタボタン他)
3 交換レンズ
351 レンズ制御CPU
352 絞り
353 フォーカス/ズームモータ
L レンズ光軸
LT1、LT2、LT3 交信端子(レンズ側)
LSW レンズ装着検出スイッチ
BT1、BT2、BT3 交信端子(カメラ側)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換レンズが着脱可能な、カメラ本体と、
前記交換レンズが、前記カメラ本体に装着されているか否かを検出する検知手段と、
被写体光学像を光電変換して画像信号を生成する撮像手段と、
前記撮像手段で生成された画像信号に基づき、画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に前記撮像手段で生成された画像信号に基づく撮影候補の画像表示を行わせるライブビューの作動を制御するライブビュー制御手段と、を有し、
前記ライブビュー制御手段は、
前記検知手段の検知結果に基づいて、ライブビューの作動を制御することを特徴とするレンズ交換式デジタルカメラ。
【請求項2】
前記ライブビュー制御手段は、
前記検知手段が、前記交換レンズの前記カメラ本体への非装着を検知した場合に、
ライブビューの実行を禁止することを特徴とする請求項1に記載のレンズ交換式デジタルカメラ。
【請求項3】
前記撮像手段への入射光路を開放又は遮断するシャッタと、
前記撮像手段への入射光路から退避可能に設けられた、該入射光路の方向を転換するクイックリターンミラーと、を有し、
前記ライブビュー制御手段は、ライブビュー実行時には、前記シャッタを開放させるとともに、前記クイックリターンミラーを入射光路から退避させることを特徴とする請求項1に記載のレンズ交換式デジタルカメラ。
【請求項4】
前記撮像手段への入射光路を開放又は遮断するシャッタと、
前記撮像手段への入射光路から退避可能に設けられた、該入射光路の方向を転換するクイックリターンミラーと、
クリーニングモード設定手段とを有し、
前記ライブビュー制御手段は、前記クリーニングモード設定手段でクリーニングモードが設定され、かつ前記検知手段で前記交換レンズの前記カメラ本体への非装着を検知した場合に、前記シャッタを強制的に開放させるとともに、前記クイックリターンミラーを入射光路から強制的に退避させることを特徴とする請求項1または2記載のレンズ交換式デジタルカメラ。
【請求項5】
警告音を発生するブザーを有し、
前記ブザーは、前記クリーニングモード設定手段でクリーニングモードが設定された際には、警告音を所定時間発生することを特徴とする請求項4に記載のレンズ交換式デジタルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−313250(P2006−313250A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135992(P2005−135992)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】