レンズ製造システム、レンズアレイおよびLED照明装置
【課題】製造されるレンズアレイのバリエーションとして、レンズ要素の数が異なるレンズアレイを製造する場合であっても、加工すべきレンズ要素形成部の増加を抑えることができる、レンズ製造システムを提供することを課題とすること。
【解決手段】少なくとも1つのレンズ要素を有する第1レンズ形成体を成形する第1成形型と、第1レンズ形成体を内周部に配置可能であり、少なくとも2つのレンズ要素を有する第2レンズ形成体を成形する第2成形型とを有するレンズ製造システム。
【解決手段】少なくとも1つのレンズ要素を有する第1レンズ形成体を成形する第1成形型と、第1レンズ形成体を内周部に配置可能であり、少なくとも2つのレンズ要素を有する第2レンズ形成体を成形する第2成形型とを有するレンズ製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ製造システム、レンズアレイおよびLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)照明装置は、エネルギー効率が高いことで注目されているが、1灯あたり(1発光部あたり)の光量は少ない。そのため、複数のLEDを集積して配置することで光量を多くした照明装置が知られている。かかる照明装置に、LEDから出射する照射光を集光あるいは発散させるためのレンズを備える場合には、LEDの配置と併せて、レンズを集積して配置する必要がある。
【0003】
そして、従来、複数のレンズ要素が1つのレンズ形成体として形成される、いわゆるレンズアレイが特許文献1に開示されている。かかるレンズアレイは、レンズアレイに形成されるレンズ要素の数に応じて、それぞれ別々の金型を用いて製造される。たとえば、レンズ要素が10個形成されるレンズアレイと、レンズ要素が20個形成されるレンズアレイは、それぞれ別々の金型を用いて製造される。つまり、レンズアレイの製造に際しては、レンズ要素の数が異なるレンズアレイそれぞれについて金型を必要としている。なお、以下の説明において、説明の簡略化のため、レンズ要素の数が異なるレンズアレイのことを、種類の異なるレンズアレイと記載することがある。
【0004】
また、各レンズ要素は、金型に形成されるレンズ要素形成部により形成される。このレンズ要素形成部は、成形対象とするレンズアレイに形成されるレンズ要素毎に設けられている。すなわち、金型には、成形対象のレンズアレイに形成されるレンズ要素の数と同数のレンズ要素形成部が形成されている。
【0005】
【特許文献1】特開2010−44922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、レンズ要素形成部は、レンズ要素(レンズアレイ)の光学特性に大きな影響を与える部分であり、金型の製造において、レンズ要素形成部については、極めて精密な加工が要求される。したがって、製造されるレンズアレイのバリエーションとして、レンズ要素の数が異なるレンズアレイを製造する際に、バリエーションを増やすと、その分、レンズ要素形成部の数も増え、金型の加工工数が増えたり、あるいは、金型の製造工程が複雑になるという問題点がある。
【0007】
そこで、本発明は、製造されるレンズアレイのバリエーションとして、レンズ要素の数が異なるレンズアレイを製造する場合であっても、加工すべきレンズ要素形成部の増加を抑えることができる、レンズ製造システムを提供することを課題とする。また、組み立てが容易なレンズアレイを提供することを課題とする。また、レンズアレイの組み立てが容易なLED照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、本発明のレンズ製造システムは、少なくとも1つのレンズ要素を有する第1レンズ形成体を成形する第1成形型と、光軸方向に貫通する孔部が形成され、孔部内に第1レンズ形成体を配置可能であり、少なくとも2つのレンズ要素を有する第2レンズ形成体を成形する第2成形型とを有することとする。
【0009】
上述の課題を解決するため、本発明のレンズアレイは 少なくとも1つのレンズ要素を有する第1レンズ形成体と、光軸方向に貫通する孔部が形成され、孔部内に第1レンズ形成体を配置可能であり、少なくとも2つのレンズ要素を有する第2レンズ形成体とを有し、第1レンズ形成体の外周部と第2レンズ成形体の孔部の周縁部とには、第1レンズ形成体を第2レンズ形成体の孔部内に配置した状態で、レンズアレイの光軸方向において互いに当接する第1当接部と、光軸と交差する方向で互いに当接する第2当接部とが設けられていることとする。
【0010】
上記発明に加えて、第1レンズ形成体の外周部と第2レンズ成形体の孔部の周縁部とには、第1レンズ形成体を第2レンズ形成体の孔部内に配置した状態で、第1レンズ形成体と第2レンズ形成体とが互いに光軸周りについて位置決めを行うことができる位置決め手段が設けられていることとする。
【0011】
上述の課題を解決するため、LED照明装置は、上述のレンズアレイと、このレンズアレイが取り付けられる基板とを備え、第1レンズ形成体または第2レンズ形成体は、第1当接部において光軸方向前方に位置する当接部を有する側が基板に対して固定されることとする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るLED照明装置の平面図である。
【図2】図1に示す切断線A−Aにおける段面の概略の構成を示す断面図である。
【図3】図1に示す内側レンズの平面図である。
【図4】図3に示す切断線B−Bにおける段面の概略の構成を示す断面図である。
【図5】図1に示す環状レンズの平面図である。
【図6】図5に示す切断線C−Cにおける段面の概略の構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るLED照明装置の平面図である。
【図8】図7に示す切断線D−Dにおける段面の概略の構成を示す断面図である。
【図9】図7に示す内側レンズの平面図である。
【図10】図9に示す切断線E−Eにおける段面の概略の構成を示す断面図である。
【図11】図7に示す環状レンズの平面図である。
【図12】図11に示す切断線F−Fにおける段面の概略の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について、図面を参照しながら説明をする。
【0014】
(LED照明装置1の全体構成)
図1および図2は、本発明の実施の形態に係るLED照明装置1の構成を示す図である。以下の説明において、図2中、矢印Xで示す方向を前方(LED照明装置1の照明光の出射方向であって光軸XA1に沿う方向)とし、また、光軸XA1に直交する方向であって、光軸XA1に向かう方向を内側、光軸XA1から離れる方向を外側として説明を行う。図1は、LED照明装置1を、前方から見た平面図である。図2は、図1における切断線A−Aにおける断面の概略の構成を示す断面図である。
【0015】
LED照明装置1は、レンズアレイ2と複数のLED3と、これらのLED3が搭載される基板4とを有する。LED3は、後述するレンズ要素8毎に備えられている。レンズアレイ2は、第1レンズ形成体としての内側レンズ5と、第2レンズ形成体としての環状レンズ6とを有する。図3は、内側レンズ5を光軸XA2(図4参照)の前方から見た平面図である。図4は、図3における切断線B−Bにおける断面の概略の構成を示す断面図である。また、図5は、環状レンズ6を光軸XA3(図6参照)方向の前方から見た平面図である。図6は、図5における切断線C−Cにおける断面の概略の構成を示す断面図である。内側レンズ5および環状レンズ6は、環状レンズ6の孔部7に内側レンズ5を組み込み、図1,2に示すレンズアレイ2として構成したときに、光軸XA2と光軸XA3とが一致し、光軸XA1となるように構成されている。
【0016】
(内側レンズ5の構成)
内側レンズ5は、複数のレンズ要素8が形成されるレンズアレイとして形成されている。本実施の形態においては、内側レンズ5は、図3に示すように、1つのレンズ要素8Aを中心に、その周囲に6つのレンズ要素8Bが均一間隔で配置されている。また、内側レンズ5は、平面視において外周の輪郭が円形を呈している。
【0017】
各レンズ要素8は、透明材料により充実されたバルクレンズであり、レンズ要素8の側面9は、後方側に頂部が設定されるほぼ放物面を呈している。また、レンズ要素8の後端部には、LED3が収容される凹部10が形成されている。LED3から出射した光は、凹部10の内周面11からレンズ要素8に入射する。内周面11からレンズ要素8に入射した光の一部は、側面9で全反射されレンズ要素8の前面12から出射し、また、他の光の一部は、前面12から直接出射するものもある。そして、内周面11からレンズ要素8に入射した光は、側面9の面形状等に応じた所定の配光にて前面12から出射する。なお、本実施の形態では、側面9は、ほぼ放物面とされているが、所望の配光に応じた形状に形成することができる。
【0018】
隣接するレンズ要素8は、前面12の周囲に形成される連結部13にて互いに連結されることで、全体として一体の内側レンズ5が構成される。内側レンズ5には、位置決め部14および取り付け部15が設けられている。位置決め部14および取り付け部15は、連結部13に対して一体的に形成されている。つまり、内側レンズ5は、レンズ要素8、連結部13、位置決め部14および取り付け部15が一体に構成されている。
【0019】
(位置決め部14の構成)
位置決め部14は、内側レンズ5を基板4に対して、前後方向および光軸XA1と直交する方向について位置決めを行う機能を有する。位置決め部14は、光軸XA2の周囲に均等の間隔で3箇所(すなわち、120度間隔で)に配置されている。位置決め部14は、ボス16と位置決め面17とを有している。位置決め面17は、後方に向いている面である。ボス16は位置決め面17から後方に向けて突出している。
【0020】
(取り付け部15の構成)
取り付け部15は、内側レンズ5を基板4に対して固定する機能を有する。取り付け部15は、筒部18と、筒部18の後端部に形成され筒部18の内周側に延設される底面19とを有している。底面19の中心には、ねじ20(図1,2参照)を挿通するねじ挿通孔21が形成されている。筒部18の前方は、開口部22として開口されている。
【0021】
(嵌合部23の構成)
図3に示すように、内側レンズ5は、平面視において円形を呈している。内側レンズ5の外周には、外周に沿って嵌合部23が形成されている。嵌合部23は、内側レンズ5を、後述する環状レンズ6の孔部7内に配置したときに、孔部7の内周縁に形成される嵌合部24に対して嵌合する。嵌合部23と嵌合部24とが嵌合することにより、内側レンズ5と環状レンズ6とは相互に位置決めされるように構成されている。
【0022】
嵌合部23は、光軸XA2を中心とする小径部25および大径部26を有している。大径部26の外周面27は、内側レンズ5の最外周面として形成されている。外周面27は、その母線が光軸XA2に平行な面として形成されている。一方、小径部25は、大径部26の下側に大径部26の直径よりも小さな外径で形成され、小径部25の外周面は段面28として形成される。段面28も、その母線が光軸XA2に平行な面として形成されている。段面28から外周側にフランジ状に突出した大径部26の後側の面は、フランジ面29として形成されている。また、段面28には、外側に膨出する3つの突起部30が、光軸XA2の周囲に120度間隔で形成されている。
【0023】
(環状レンズ6の構成)
環状レンズ6も内側レンズ5と同様に、複数のレンズ要素8が形成されるレンズアレイとして形成されている。環状レンズ6は、図5に示すように、本実施の形態では、光軸XA3(図6参照)を中心に12個のレンズ要素8が環状に均一間隔(30度間隔)で配置され、平面視において光軸XA3方向に貫通する孔部7が形成される円環状を呈している。孔部7の内側は、図1,2に示されるように、内側レンズ5が配置可能とされている。各レンズ要素8は、内側レンズ5に形成されるレンズ要素8(レンズ要素8A、8B)と同様の構成であり、内周面11からレンズ要素8に入射した光は、側面9の面形状等に応じた所定の配光にて前面12から出射する。
【0024】
隣接するレンズ要素8は、前面12の周囲に形成される連結部31にて互いに連結されることで、全体として一体の環状レンズ6が構成される。環状レンズ6には、位置決め部32が設けられている。位置決め部32は、連結部31に対して一体的に形成されている。つまり、環状レンズ6は、レンズ要素8、連結部31、位置決め部32が一体に構成されている。
【0025】
(位置決め部32の構成)
位置決め部32は、環状レンズ6を基板4に対して、前後方向および光軸XA1と直交する方向について位置決めを行う機能を有する。位置決め部32は、光軸XA3の周囲に均等の間隔で3箇所(すなわち、120度間隔で)に配置されている。位置決め部32は、ボス33と位置決め面34とを有している。位置決め面34は、後方に向いている面である。ボス33は位置決め面34から後方に向けて突出している。
【0026】
(嵌合部24の構成)
図5に示すように、環状レンズ6は、平面視において孔部7を有する環状を呈している。環状レンズ6には、孔部7の周縁に沿って嵌合部24が形成されている。嵌合部24は、上述したように、孔部7内に内側レンズ5が配置されたときに、内側レンズ5の外周に形成される嵌合部23に対して嵌合することで、内側レンズ5と環状レンズ6とが相互に位置決めされるように構成されている。
【0027】
嵌合部24は、孔部7における直径が異なる小径部35および大径部36を有している。小径部35の内周面37は、環状レンズ6の最内周面として形成されている。内周面37は、その母線が光軸XA3に平行な面として形成されている。一方、大径部36における孔部7の直径は、小径部35における孔部7の直径よりも大きな直径に形成され、大径部36の内周面は、段面38として形成される。段面38も、その母線が、光軸XA3に平行な面として形成されている。段面38から孔部7の内周側にフランジ状に突出した小径部35の前側の面は、フランジ面39として形成されている。また、環状レンズ6の大径部36の内周面37には、内側レンズ5に形成される突起部30が嵌合することができる凹部40が、光軸XA2の周囲に120度間隔で形成されている。
【0028】
(嵌合部23および嵌合部24の関係)
内側レンズ5の大径部26の外周面27における外径26Lと、環状レンズ6の大径部36の段面38における内径36Lとは、環状レンズ6の孔部7内に内側レンズ5が配置されたときに、段面38の内側に外周面27がガタ無く嵌るように設定されている。また、環状レンズ6の小径部35の内周面37における内径35Lと、内側レンズ5の段面28における外形25Lとは、環状レンズ6の孔部7内に内側レンズ5を配置することができるように構成されている。また、内側レンズ5の大径部26に形成されるフランジ面29と、環状レンズ6の小径部35に形成されるフランジ面39とは、内側レンズ5を環状レンズ6の孔部7内に配置したときに、光軸XA1に沿う方向において互いに重なるように構成されている。さらに、凹部40と突起部30とは、凹部40に突起部30が嵌合することで、内側レンズ5と環状レンズ6との光軸XA1の周方向についての相対位置を位置決めすることができるように構成されている。
【0029】
(基板4の構成)
基板4は、たとえば、エポキシ基板等を使用することができ、基板4上には、複数のLED3が実装されている。基板4のLED3が実装される面(実装面4A)は、レンズアレイ2(内側レンズ5、環状レンズ6)が実装される面でもある。基板4には、内側レンズ5のボス16および環状レンズ6のボス33が嵌合するボス孔4Bと、内側レンズ5を固定するためのねじ20を結合することができるねじ孔4Cとが形成されている。LED3は、内側レンズ5および環状レンズ6を、後述するように、基板4に対して所定の位置に取り付けたときに、各レンズ要素8の凹部10に収容される位置に配置されている。
【0030】
(LED照明装置1の組み立て)
次に、以上の構成を有するLED照明装置1の組み立てについて説明する。先ず、環状レンズ6を、基板4の実装面4Aの所定位置に配置する。具体的には、基板4に形成されているボス孔4Bに、環状レンズ6のボス33が挿入されるように、環状レンズ6を基板4上に配置する。環状レンズ6を、基板4の実装面4Aの面の所定位置に配置したときに、各レンズ要素8の凹部10内にそれぞれ、LED3が収容されるように、ボス孔4B、ボス33、LED3等は配置されている。
【0031】
ボス33のボス孔4Bへの挿入に当たっては、位置決め面34に基板4が当接するまで、ボス33をボス孔4Bに挿入する。ボス33がボス孔4Bに挿入されるように環状レンズ6を配置することで、環状レンズ6の基板4の面に沿った方向(光軸XA1と直交する方向)についての位置決めが行われる。また、位置決め面34が基板4に当接するように、ボス33をボス孔4Bに嵌合することで、環状レンズ6の光軸XA1方向についての位置決めが行われる。位置決め面34と連結部31との間の長さ32Lは、レンズ要素8の前後方向の位置が、LED3に対して所定の位置となるように設定されている。該所定の位置は、レンズ要素8から出射される照明光の照度分布等に応じた位置である。
【0032】
次に、環状レンズ6が基板4に対して上述のように位置決めされた状態で、内側レンズ5を、前方から環状レンズ6の孔部7内に配置する。その際、内側レンズ5に形成される突起部30を環状レンズ6に形成される凹部40に嵌合させると共に、基板4に対して内側レンズ5の位置決めを行う。凹部40に突起部30を嵌合することで、内側レンズ5と環状レンズ6との光軸XA1の周方向について、相対的な位置決めを行うことができる。基板4に対する内側レンズ5の位置決めは、基板4に形成されているボス孔4Bに、ボス16が挿入されるように内側レンズ5を基板4上に配置することで行うことができる。突起部30が凹部40に嵌合され、基板4に対して内側レンズ5が位置決めされた状態で、内側レンズ5の各レンズ要素8の凹部10内にそれぞれ、LED3が収容される。
【0033】
ボス孔4Bへのボス16の挿入に当たっては、位置決め面17に基板4が当接するまで、ボス16をボス孔4Bに挿入する。ボス16がボス孔4Bに挿入されるように内側レンズ5を配置することで、内側レンズ5の基板4の面に沿った方向(光軸XA1と直交する方向)についての位置決めが行われる。また、位置決め面17が基板4に当接するように、ボス16をボス孔4Bに嵌合することで、内側レンズ5の光軸XA2方向についての位置決めが行われる。位置決め面17と連結部13との間の長さ14Lは、レンズ要素8の前後方向の位置が、LED3に対して所定の位置となるように設定されている。該所定の位置は、レンズ要素8から出射される照明光の照度分布等に応じた位置である。
【0034】
ボス16とボス孔4Bとによる位置決めが行われるように内側レンズ5を、環状レンズ6の孔部7内に配置すると、嵌合部23と嵌合部24とが互いに嵌合する。つまり、環状レンズ6の大径部36の内側に内側レンズ5の大径部26が配置されると共に、環状レンズ6の小径部25の内側に内側レンズ5の小径部35が配置される。また、嵌合部23のフランジ面29が嵌合部24のフランジ面39に対して前方から当接する。
【0035】
次いで、上述のように、嵌合部23と嵌合部24とが互いに嵌合している状態で、取り付け部15の開口部22からねじ20を挿入し、内側レンズ5を基板4に対して固定する。内側レンズ5のフランジ面29が、環状レンズ6のフランジ面39に前方から当接することで、環状レンズ6の前方への移動が規制される。また、ボス33がボス孔4Bに挿入されると共に、嵌合部23と嵌合部24とが嵌合することにより、環状レンズ6は、光軸XA1と直交する方向について移動が規制される。そして、内側レンズ5が基板4に対して固定されることで、環状レンズ6も内側レンズ5を介して固定される。なお、内側レンズ5を基板4に固定したときに、環状レンズ6がフランジ面39において、内側レンズ5のフランジ面29と基板4との間にガタ無く挟み込まれるように、位置決め部14の長さ14Lおよび位置決め部32の長さ32L等が設定されている。
【0036】
つまり、内側レンズ5を基板4にねじ20により固定することにより、環状レンズ6についても基板4に固定された状態となる。したがって、たとえば、環状レンズ6についてもねじ20により基板4に固定する場合に比べて、組み立て工数を減らすことができ、組み立ての容易化を図ることができる。
【0037】
(レンズアレイ2の製造システムについて)
レンズアレイ2は、たとえば、光学ガラスやポリメタクリル酸メチル(PMMA)などの透明樹脂を金型成形することによって作成することができる。上述のように、レンズアレイ2は、内側レンズ5と環状レンズ6とが別体で構成されている。このため、内側レンズ5と環状レンズ6とを金型成形する場合には、内側レンズ5と環状レンズ6とそれぞれ異なる金型で製造することができる。
【0038】
つまり、内側レンズ5は、内側レンズ5を成形する第1成形型としての内側レンズ成形用の金型により成形することができる。また、環状レンズ6は、環状レンズ6を成形する第2成形型としての環状レンズ用の金型により成形することができる。そして、内側レンズ用の金型で成形された内側レンズ5を、上述したように、環状レンズ用の金型で成形された環状レンズ6の孔部7内に配置することでレンズアレイ2を構成することができる。
【0039】
一方、内側レンズ5および環状レンズ6は、それぞれ単独で、レンズアレイとして用いることができる。したがって、レンズ製造システムを、内側レンズ5を成形する内側レンズ成形用の金型と、内側レンズ5を内周部に配置可能な環状レンズ6を成形する環状レンズ成形用の金型とを有する構成とすることで、内側レンズ5単独、環状レンズ6単独、内側レンズ5および環状レンズ6を組み合わせたレンズアレイ2の3つのレンズアレイを製造することが可能となる。
【0040】
(本実施の形態における主な効果)
上述の実施の形態におけるレンズアレイ2は、7個のレンズ要素8を有する第1レンズ形成体としての内側レンズ5と、光軸XA1方向に貫通する孔部7が形成され、12個のレンズ要素8が光軸XA1の周りに環状に配置される第2レンズ形成体としての環状レンズ6を有している。そして、レンズアレイ2は、環状レンズ6の孔部7内に、内側レンズ5が配置可能に構成されている。また、内側レンズ5の外周部に形成される嵌合部23と、環状レンズ6の孔部7の周縁部に形成される嵌合部24とには、内側レンズ5を環状レンズ6の孔部7内に配置した状態で、光軸XA1方向において互いに当接する第1当接部の一方当接部として機能するフランジ面29と、他方当接部として機能するフランジ面39とを有している。つまり、内側レンズ5を環状レンズ6の孔部7内に配置した状態で、フランジ面29とフランジ面39とは、光軸XA1方向に対して互いに当接する。そのため、内側レンズ5と環状レンズ6とは、光軸XA2,XA3の方向について互いに相対的な位置決めを行うことができる。
【0041】
また、嵌合部23と嵌合部24とには、光軸XA1と交差する方向で互いに当接する第2当接部の一方当接部として機能する内側レンズ5の外周面27と、他方当接部として機能する環状レンズ6の段面38とを有している。つまり、内側レンズ5を環状レンズ6の孔部7内に配置した状態で、外周面27と段面38とは、光軸XA1に直交する方向で互いに当接する。そのため、内側レンズ5と環状レンズ6とは、光軸XA1と直交する方向について、お互いに相対的な位置決めを行うことができる。
【0042】
嵌合部23は、内側レンズ5の外周の全周に亘って設けられ、また、嵌合部24も、環状レンズ6の内周の全周に亘って設けられている。つまり、外周面27と段面38とは、内側レンズ5の外周と環状レンズ6の内周の全周に亘って互いに当接することができる。したがって、内側レンズ5と環状レンズ6との光軸XA1と直交する方向についての位置決めをより確実なものとすることができる。また、フランジ面29とフランジ面39についても、内側レンズ5の外周と環状レンズ6の内周の全周に亘って互いに当接することができる。したがって、内側レンズ5と環状レンズ6との光軸XA2,XA3の方向についての位置決めをより確実なものとすることができる。
【0043】
LED照明装置1において、内側レンズ5の外周面27および段面28、また環状レンズ6の段面38および内周面37は、それぞれ母線が光軸XA1と平行な配置となっている。各母線が、光軸XA1に対して傾斜する場合には、LED3から照射された光のうち、外周面27、段面28、内周面37、段面38で基板4側に戻り光として反射される光量が多くなる。その結果、嵌合部23,24の部分において暗部が生ずる虞がある。一方、外周面27、段面28、内周面37、段面38の各母線を光軸XA1と平行な配置とすることで、該戻り光の光量を減らすことができ、該暗部の発生を抑えることができる。
【0044】
なお、外周面27と段面38とに換えて、内側レンズ5の段面28と環状レンズ6の内周面37とを第2当接部として機能するようにしてもよい。つまり、内側レンズ5の段面28における外形25Lと、環状レンズ6の小径部35の内周面37における内径35Lとは、環状レンズ6の孔部7内に内側レンズ5が配置されたときに、内周面37の内側に段面28がガタ無く嵌るように設定することで、内側レンズ5および環状レンズ6の光軸XA1と直交する方向についての位置決めを行うようにしてもよい。
【0045】
また、LED照明装置1においては、内側レンズ5のフランジ面29が、環状レンズ6のフランジ面39に対して前方に配置されている。また、外周面27と段面38とが光軸XA1と直交する方向に互いに当接している。また、内側レンズ5の外周部である段面28に形成される突起部30と、環状レンズ6の大径部36に形成される凹部40とが互いに嵌合している。
【0046】
そのため内側レンズ5を基板4に固定することで、環状レンズ6の前方への移動をフランジ面29とフランジ面39との当接により規制することができ、また、環状レンズ6の光軸XA1と直交する方向への移動を、外周面27と段面38との当接により規制することができる。さらに、内側レンズ5を基板4に固定することで、突起部30と凹部40との嵌合により内側レンズ5と環状レンズ6同士の光軸XA1の周りについて相対的な移動を規制することができる。つまり、内側レンズ5を基板に固定することで、環状レンズ6については直接基板に固定を行わなくても内側レンズ5を介して固定される。そのため、LED照明装置1の組み立てを容易なものとすることができる。
【0047】
上述したLED照明装置1においては、環状レンズ6が位置決め部32により基板4に位置決めされているが、位置決め部32を設けない構成としてもよい。環状レンズ6は、段面38が内側レンズ5の外周面27に当接している。また、環状レンズ6は、凹部10に内側レンズ5の突起部30が嵌合している。したがって、位置決め部32を設けなくても、内側レンズ5を介して環状レンズ6を基板4に対して固定することができる。しかしながら、位置決め部32を設けることで、より確実に、環状レンズ6を基板4に位置決めすることができる。
【0048】
内側レンズ5および環状レンズ6は、内側レンズ5を成形する内側レンズ成形用の金型と、内側レンズ5を孔部7に配置可能な環状レンズ6を成形する環状レンズ成形用の金型とを有するレンズ製造システムにより製造することができる。そして、内側レンズ5を、環状レンズ6の孔部7内に配置することでレンズアレイ2が構成される。
【0049】
金型のレンズ要素8に対応する部分(レンズ要素8部分を成形する部分)は、レンズ要素8の光学特性に大きな影響を与える。そのため、金型の製造にあたっては、レンズ要素8に対応する部分については、精密な加工が要求される。この点に関し、たとえば、内側レンズ5、環状レンズ6、レンズアレイ2をそれぞれ、別々の金型で成形する場合、金型の製造において、レンズ要素8に対応する部分として加工する加工箇所の延べ数は、内側レンズ5、環状レンズ6、レンズアレイ2のレンズ要素8の個数と同数となる。
【0050】
本実施の形態では、内側レンズ5、環状レンズ6、レンズアレイ2のレンズ要素8の数は、それぞれ7個、12個、19個であるので、該加工箇所の延べ数は38箇所となる。これに対し、レンズ製造システムを、内側レンズ5を成形することができる内側レンズ成形用の金型と、内側レンズ5を内周部に配置可能な環状レンズ6を成形することができる環状レンズ成形用の金型とを有する構成とすることで、該加工箇所の延べ数は19箇所で足りる。つまり、金型の製造に際してレンズ要素8に対応する部分の加工箇所の増加を抑えることができる。
【0051】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について、図面を参照しながら説明をする。
【0052】
(LED照明装置50の全体構成)
図7および図8は、本発明の第2の実施の形態に係るLED照明装置50の構成を示す図である。以下の説明において、上述の第1の実施の形態に係るLED照明装置1の構成と同様の構成部分については、同一の符号を付しその説明を省略または簡略化する。図7は、LED照明装置50を、前方から見た平面図である。図8は、図7における切断線D−Dにおける断面の概略の構成を示す断面図である。
【0053】
LED照明装置50は、レンズアレイ51と複数のLED3と、これらのLED3が搭載される基板52と、基板52を支持する筐体53とを有する。LED3は、レンズ要素8毎に備えられている。レンズアレイ51は、第1レンズ形成体としての内側レンズ54と、第2レンズ形成体としての環状レンズ55とを有する。図9は、内側レンズ54を光軸XB2(図10参照)の前方から見た平面図である。図10は、図9における切断線E−Eにおける断面の概略の構成を示す断面図である。また、図11は、環状レンズ55を光軸XB3(図12参照)方向の前方から見た平面図である。図12は、図11における切断線F−Fにおける断面の概略の構成を示す断面図である。内側レンズ54および環状レンズ55は、環状レンズ55の孔部56に内側レンズ54を組み込み、図7,8に示すレンズアレイ51として構成されたときに、光軸XB2と光軸XB3とが一致し、レンズアレイ51の光軸XB1となるように構成されている。
【0054】
(内側レンズ54の構成)
内側レンズ54は、複数のレンズ要素8が形成されるレンズアレイとして形成されている。本実施の形態においては、内側レンズ54は、図9に示すように、1つのレンズ要素8Cを中心に、その周囲に6つのレンズ要素8Dが均一間隔で配置されている。内側レンズ54は、平面視において外周の輪郭が円形を呈している。
【0055】
隣接するレンズ要素8は、前面12の周囲に形成される連結部57にて互いに連結されることで、全体として一体の内側レンズ54が構成される。
【0056】
(嵌合部58の構成)
図9に示すように、内側レンズ54は、平面視において円形を呈している。内側レンズ54の外周には、外周に沿って嵌合部58が形成されている。嵌合部58は、内側レンズ54を、環状レンズ55の孔部56内に配置したときに、孔部56の内周縁に形成される嵌合部59に対して嵌合する。嵌合部58と嵌合部59とが嵌合することにより、内側レンズ54と環状レンズ55とは相互に位置決めされるように構成されている。
【0057】
嵌合部58は、光軸XB2を中心とする小径部60および大径部61を有している。大径部61の外周面62は、内側レンズ54の最外周面として形成されている。外周面62は、その母線が光軸XB2に平行な面として形成されている。一方、小径部60は、大径部61の上側に大径部61の直径よりも小さな外径で形成され、小径部60の外周面は段面63として形成される。段面63も、その母線が光軸XB2に平行な面として形成されている。段面63から外周側にフランジ状に突出した大径部61の前側の面は、フランジ面64として形成されている。また、大径部61の外周面62には、環状レンズ55に形成される後述の突起部72が嵌合する3つの凹部65が、光軸XB2の周囲に120度間隔で形成されている。
【0058】
(環状レンズ55の構成)
環状レンズ55も内側レンズ54と同様に、複数のレンズ要素8が形成されるレンズアレイとして形成されている。環状レンズ55は、図11に示すように、本実施の形態では、光軸XB3(図12参照)を中心に12個のレンズ要素8が環状に均一間隔(30度間隔)で配置され、平面視において光軸XB3方向に貫通する孔部56が形成される円環状を呈している。孔部56の内側には、図11,12に示されるように、内側レンズ54が配置可能とされている。隣接するレンズ要素8は、前面12の周囲に形成される連結部66にて互いに連結されることで、全体として一体の環状レンズ55が構成される。
【0059】
(嵌合部59の構成)
図11に示すように、環状レンズ55は、平面視において孔部56を有する環状を呈している。環状レンズ55には、孔部56の周縁に沿って嵌合部59が形成されている。嵌合部59は、上述したように、孔部56内に内側レンズ54が配置されたときに、内側レンズ54の外周に形成される嵌合部58に対して嵌合することで、内側レンズ54と環状レンズ55とが相互に位置決めされるように構成されている。
【0060】
嵌合部59は、孔部56における直径が異なる小径部67および大径部68を有している。小径部67の内周面69は、環状レンズ55の最内周面として形成されている。内周面69は、その母線が光軸XB3に平行な面として形成されている。一方、大径部68における孔部56の直径は、小径部67における孔部56の直径よりも大きな直径に形成され、大径部68の内周面は、段面70として形成される。段面70も、その母線が、光軸XB3に平行な面として形成されている。段面70から孔部56の内周側にフランジ状に突出した小径部67の後側の面は、フランジ面71として形成されている。また、環状レンズ55の大径部68の段面70には、内側レンズ54に形成される凹部65に嵌合することができる突起部72が、光軸XB3の周囲に120度間隔で形成されている。
【0061】
(フランジ部73の構成)
環状レンズ55の外周部には、環状レンズ55を筐体53に支持するためのフランジ部73が設けられている。また、フランジ部73には、外側に膨出する3つの突起部74が、光軸XB3の周囲に120度間隔で形成されている。
【0062】
(筐体53の構成)
図7,8に示すように、筐体53は、基板52が取り付けられる基板取付面75と、レンズアレイ51が取り付けられるレンズ支持部76とを有する。レンズ支持部76は、光軸XB1を中心とし、母線が光軸XB1と平行な円筒状を呈している。基板取付面75は、光軸XB1に対して直交する面である。レンズ支持部76は、基板取付面75から前方に向かって立設し、光軸XB1の周囲に設けられ、前方に開口部77が形成されている。
【0063】
レンズ支持部76の内周側は、レンズアレイ51が収容されるレンズ収容部78として形成されている。レンズ支持部76の内周面には、前方に面が向けられている段面79が形成されている。段面79は、レンズ収容部78に収容されるレンズアレイ51のフランジ部73を支持することができるように構成されている。また、レンズ支持部76の内周面には、光軸XB1の周囲に120度間隔で、凹部80が形成されている。凹部80は、レンズ収容部78にレンズアレイ51が収容されたときに、環状レンズ55に形成されている突起部74が嵌合することができるように形成されている。
【0064】
(基板52の構成)
基板52は、たとえば、エポキシ基板等を使用することができ、基板52上には、複数のLED3が実装されている。そして、基板52は、図7,8に示すように、筐体53の基板取付面75に取り付けられる。
【0065】
(嵌合部58および嵌合部59の関係)
内側レンズ54の小径部60の段面63における外径60Lと、環状レンズ55の小径部67の内周面69における内径67Lとは、環状レンズ55の孔部56内に内側レンズ54が配置されたときに、段面63の内側に内周面69がガタ無く嵌るように設定されている。また、環状レンズ55の大径部68の段面70における内径68Lと、内側レンズ54の大径部61の外周面62における外径61Lとは、環状レンズ55の孔部56内に内側レンズ54を配置することができるように構成されている。また、内側レンズ54の外径部61に形成されるフランジ面64と、環状レンズ55の小径部67に形成されるフランジ面71とは、内側レンズ54を環状レンズ55の孔部56内に配置したときに、フランジ面64とフランジ面71とが、光軸XB1に沿う方向において互いに重なるように構成されている。さらに、突起部72と凹部65とは、突起部72が凹部65に嵌合することで、内側レンズ54と環状レンズ55との光軸XB1の周方向についての相対位置を位置決めすることができるように構成されている。
【0066】
(LED照明装置50の組み立て)
以上の構成を有するLED照明装置50の組み立てについて説明する。先ず、内側レンズ54を、筐体53の開口部77からレンズ収容部78内に収容し、基板取付面75に取り付けられている基板52上に載置する。
【0067】
次に、環状レンズ55をレンズ収容部78内に収容する。環状レンズ55のレンズ収容部78内への収容は、基板52上に載置されている内側レンズ54が、孔部56に配置されるように、かつ、フランジ部73が段面79に支持されるように行う。内側レンズ54を環状レンズ55の孔部56内に配置する際には、嵌合部58と嵌合部59とを嵌合させる。すなわち、環状レンズ55の小径部67の内側に内側レンズ54の小径部60を配置させると共に、環状レンズ55の大径部68の内側に内側レンズ54の大径部61を配置させ、また、突起部72と凹部65とを嵌合させる。嵌合部58と嵌合部59とが嵌合した状態では、嵌合部59のフランジ面71が嵌合部58のフランジ面64に対して前方から当接する。
【0068】
また、フランジ部73を段面79に支持される際には、環状レンズ55の突起部74とレンズ支持部76の凹部80とを嵌合させる。凹部80に突起部74を嵌合することで、環状レンズ55のレンズ支持部76に対する光軸XB1の周方向についての移動を規制することができる。
【0069】
なお、基板52のLED3が実装されている面(実装面52A)と段面79との距離79Lは、環状レンズ55が段面79に支持された状態で、レンズ要素8の前後方向の位置が、LED3に対して所定の位置となるように設定されている。該所定の位置は、レンズ要素8から出射される照明光の照度分布等に応じた位置である。なお、また、嵌合部58と嵌合部59とが嵌合するように内側レンズ54が環状レンズ55の孔部56内に配置されると共に、環状レンズ55の突起部74がレンズ支持部76の凹部80に嵌合するように、環状レンズ55がレンズ収容部78内に収容されている状態で、各レンズ要素8の凹部10内にLED3が配置されるように、LED3等の配置が設定されている。
【0070】
次いで、上述のように、嵌合部58と嵌合部59とが互いに嵌合されていると共に、環状レンズ55が段面79に支持されている状態で、レンズ支持部76の大径部81にねじリング82を取り付ける。そして、環状レンズ55のフランジ部73を段面79とねじリング82との間に挟持することで、環状レンズ55をレンズ支持部76に固定する。ねじリング82と大径部81との間には不図示のねじ構造が形成され、このねじ構造により、ねじリング82を光軸XB1方向に沿って進退させることができる。
【0071】
環状レンズ55のフランジ面71が、内側レンズ54のフランジ面64に前方から当接することで、内側レンズ54の前方への移動が規制される。また、嵌合部58と嵌合部59とが嵌合することにより、内側レンズ54は、光軸XB1と直交する方向について移動が規制される。したがって、環状レンズ55がレンズ支持部76に対して固定されることで、内側レンズ54も環状レンズ55を介して固定される。なお、環状レンズ55をレンズ支持部76に固定したときに、内側レンズ54がフランジ面64において、環状レンズ55のフランジ面71と基板52との間にガタ無く挟み込まれるように、段面79の距離79L等が設定されている。
【0072】
つまり、環状レンズ55をレンズ支持部76にねじリング82により固定することにより、内側レンズ54についても筐体53に固定された状態とすることができる。したがって、たとえば、内側レンズ54についてもねじ等により基板52に固定する場合に比べて、組み立て工数を減らすことができ、組み立ての容易化を図ることができる。
【0073】
(レンズアレイ51の製造システムについて)
レンズアレイ51も、上述したレンズアレイ2と同様に金型成形することによって作成することができる。レンズアレイ51は、内側レンズ54と環状レンズ55とが別体で構成されている。このため、内側レンズ54と環状レンズ55とを金型成形する場合には、内側レンズ54と環状レンズ55とをそれぞれ異なる金型で製造することができる。したがって、レンズアレイ51についても、レンズアレイ2と同様に、内側レンズ54を成形する内側レンズ成形用の金型と、内側レンズ54を内周部に配置可能な環状レンズ55を成形する環状レンズ成形用の金型とを有するレンズ製造システムを用いて製造することができる。内側レンズ用の金型で成形された内側レンズ54を、上述したように、環状レンズ用の金型で成形された環状レンズ55の孔部56内に配置することでレンズアレイ51が構成される。
【0074】
(本実施の形態における主な効果)
上述の実施の形態におけるレンズアレイ51は、7個のレンズ要素8を有する第1レンズ形成体としての内側レンズ54と、光軸XB1方向に貫通する孔部56が形成され、12個のレンズ要素8が光軸XB3の周りに環状に配置される第2レンズ形成体としての環状レンズ55を有している。そして、レンズアレイ51は、環状レンズ55の孔部56内に、内側レンズ54が配置可能に構成されている。また、内側レンズ54の外周部に形成される嵌合部57と、環状レンズ55の孔部56の周縁部に形成される嵌合部57とには、内側レンズ54を環状レンズ55の孔部56内に配置した状態で、光軸XB1方向において互いに当接する第1当接部の一方当接部として機能するフランジ面64と、他方当接部として機能するフランジ面71とを有している。つまり、内側レンズ54を環状レンズ55の孔部56内に配置した状態で、フランジ面64とフランジ71とは、光軸XB1方向に対して互いに当接する。
【0075】
そのため、内側レンズ54と環状レンズ55とは、光軸XB1方向について互いに相対的な位置決めを行うことができる。また、嵌合部58と嵌合部59とには、光軸XB1と交差する方向で互いに当接する第2当接部の一方当接部として機能する環状レンズ55の内周面69と、他方当接部として機能する内側レンズ54の段面63とを有している。つまり、環状レンズ55の孔部56内に内側レンズ54を配置した状態で、内周面69と段面63とは、光軸XB1に直交する方向で互いに当接する。そのため、内側レンズ54と環状レンズ55とは、光軸XB1と直交する方向について、お互いに相対的な位置決めを行うことができる。
【0076】
嵌合部58は、内側レンズ54の外周の全周に亘って設けられ、また、嵌合部59も、環状レンズ55の内周の全周に亘って設けられている。つまり、段面63と内周面69とは、内側レンズ54の外周と環状レンズ55の内周の全周に亘って互いに当接することができる。したがって、内側レンズ54と環状レンズ55との光軸XB1と直交する方向についての位置決めをより確実なものとすることができる。また、フランジ面64とフランジ面71についても、内側レンズ54の外周と環状レンズ55の内周の全周に亘って互いに当接することができる。したがって、内側レンズ54と環状レンズ55との光軸XB2,XB3の方向についての位置決めをより確実なものとすることができる。
【0077】
LED照明装置50において、内側レンズ54の外周面62および段面63、また環状レンズ55の段面70および内周面69は、それぞれ母線が光軸XB1と平行な配置となっている。各母線が、光軸XB1に対して傾斜する場合には、LED3から照射された光のうち、外周面62、段面63、内周面69、段面70で基板52側に戻り光として反射される光量が多くなる。その結果、嵌合部58,59の部分において暗部が生ずる虞がある。一方、外周面62、段面63、内周面69、段面70の各母線を光軸XB1と平行な配置とすることで、該戻り光の光量を減らすことができ、該暗部の発生を抑えることができる。
【0078】
なお、内周面69と段面63とに換えて、内側レンズ54の外周面62と環状レンズ55の段面70とを第2当接部として機能するようにしてもよい。つまり、内側レンズ54の外周面62における外形61Lと、環状レンズ55の大径部68の断面70における内径68Lとは、環状レンズ55の孔部7内に内側レンズ54が配置されたときに、段面70の内側に外周面62がガタ無く嵌るように設定することで、内側レンズ54および環状レンズ55の光軸XA1と直交する方向についての位置決めを行うようにしてもよい。
【0079】
また、LED照明装置50においては、環状レンズ55のフランジ面71が内側レンズ54のフランジ面64に対して前方に配置されている。また、内周面69と段面63とが光軸XB1と直交する方向に互いに当接している。また、内側レンズ54の外周面62に形成される凹部65と、環状レンズ55の段面70に形成される突起部72とが互いに嵌合している。
【0080】
そのため、環状レンズ55をレンズ支持部76に固定することで、内側レンズ54の前方への移動をフランジ面64とフランジ面71との当接により規制することができ、また、内側レンズ54の光軸XB1と直交する方向への移動を、内周面69と段面63との当接により規制することができる。環状レンズ55は、レンズ支持部76に対して、環状レンズ55の突起部74をレンズ支持部76の凹部80に嵌合させた状態でレンズ支持部76に固定される。したがって、環状レンズ55は、レンズ支持部76に対する光軸XB1の周方向についても移動が規制される。つまり、環状レンズ55をレンズ支持部76に固定することで、内側レンズ54については筐体53に直接固定を行わなくても環状レンズ55を介して固定される。そのため、LED照明装置50の組み立てを容易なものとすることができる。
【0081】
内側レンズ54および環状レンズ55は、内側レンズ54を成形する内側レンズ成形用の金型と、内側レンズ54を孔部56に配置可能な環状レンズ55を成形する環状レンズ成形用の金型とを有するレンズ製造システムにより製造することができる。そして、内側レンズ54を、環状レンズ55の孔部56内に配置することでレンズアレイ51が構成される。
【0082】
金型のレンズ要素8に対応する部分(レンズ要素8部分を成形する部分)は、レンズ要素8の光学特性に大きな影響を与える。そのため、金型の製造にあたっては、レンズ要素8に対応する部分については、精密な加工が要求される。この点に関し、たとえば、内側レンズ54、環状レンズ55、レンズアレイ51をそれぞれ、別々の金型で成形する場合は、金型の製造において、レンズ要素8に対応する部分として加工する加工箇所の延べ数は、内側レンズ54、環状レンズ55、レンズアレイ51のレンズ要素8の個数と同数となる。
【0083】
本実施の形態では、内側レンズ54、環状レンズ55、レンズアレイ51のレンズ要素8の数は、それぞれ7個、12個、19個であるので、該加工箇所の延べ数は38箇所となる。これに対し、レンズ製造システムを、内側レンズ54を成形することができる内側レンズ成形用の金型と、内側レンズ54を内周部に配置可能な環状レンズ55を成形することができる環状レンズ成形用の金型とを有する構成とすることで、該加工箇所の延べ数は19箇所で足りる。つまり、金型の製造に際してレンズ要素8に対応する部分の加工箇所の増加を抑えることができる。
【0084】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではない。たとえば、上述の各実施の形態は、2つのレンズアレイの組み合わせ、すなわち内側レンズ5と環状レンズ6の組み合わせ、あるいは内側レンズ54と環状レンズ55の組み合わせの例を示しているが、環状レンズ6あるいは環状レンズ55の外周にさらに、環状レンズを配置する構成としてもよい。また、上述の各実施の形態は、レンズ要素8およびLED3が、光軸XA1,XB1に対象に配置されているが、非対称の配置としてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1,50 … LED照明装置
2,51 … レンズアレイ
4,52 …基板
5,54 … 内側レンズ(第1レンズ形成体)
6,55 … 環状レンズ(第2レンズ形成体)
7,56 … 孔部
8 … レンズ要素
27 … 外周面(第2当接部)
29,39,64,71 … フランジ面(第1当接部)
30 … 突起部(位置決め手段)
38 … 段面(第2当接部)
40 … 凹部(位置決め手段)
63 … 段面(第2当接部)
65 … 凹部(位置決め手段)
69 … 内周面(第2当接部)
72 … 突起部(位置決め手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ製造システム、レンズアレイおよびLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)照明装置は、エネルギー効率が高いことで注目されているが、1灯あたり(1発光部あたり)の光量は少ない。そのため、複数のLEDを集積して配置することで光量を多くした照明装置が知られている。かかる照明装置に、LEDから出射する照射光を集光あるいは発散させるためのレンズを備える場合には、LEDの配置と併せて、レンズを集積して配置する必要がある。
【0003】
そして、従来、複数のレンズ要素が1つのレンズ形成体として形成される、いわゆるレンズアレイが特許文献1に開示されている。かかるレンズアレイは、レンズアレイに形成されるレンズ要素の数に応じて、それぞれ別々の金型を用いて製造される。たとえば、レンズ要素が10個形成されるレンズアレイと、レンズ要素が20個形成されるレンズアレイは、それぞれ別々の金型を用いて製造される。つまり、レンズアレイの製造に際しては、レンズ要素の数が異なるレンズアレイそれぞれについて金型を必要としている。なお、以下の説明において、説明の簡略化のため、レンズ要素の数が異なるレンズアレイのことを、種類の異なるレンズアレイと記載することがある。
【0004】
また、各レンズ要素は、金型に形成されるレンズ要素形成部により形成される。このレンズ要素形成部は、成形対象とするレンズアレイに形成されるレンズ要素毎に設けられている。すなわち、金型には、成形対象のレンズアレイに形成されるレンズ要素の数と同数のレンズ要素形成部が形成されている。
【0005】
【特許文献1】特開2010−44922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、レンズ要素形成部は、レンズ要素(レンズアレイ)の光学特性に大きな影響を与える部分であり、金型の製造において、レンズ要素形成部については、極めて精密な加工が要求される。したがって、製造されるレンズアレイのバリエーションとして、レンズ要素の数が異なるレンズアレイを製造する際に、バリエーションを増やすと、その分、レンズ要素形成部の数も増え、金型の加工工数が増えたり、あるいは、金型の製造工程が複雑になるという問題点がある。
【0007】
そこで、本発明は、製造されるレンズアレイのバリエーションとして、レンズ要素の数が異なるレンズアレイを製造する場合であっても、加工すべきレンズ要素形成部の増加を抑えることができる、レンズ製造システムを提供することを課題とする。また、組み立てが容易なレンズアレイを提供することを課題とする。また、レンズアレイの組み立てが容易なLED照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、本発明のレンズ製造システムは、少なくとも1つのレンズ要素を有する第1レンズ形成体を成形する第1成形型と、光軸方向に貫通する孔部が形成され、孔部内に第1レンズ形成体を配置可能であり、少なくとも2つのレンズ要素を有する第2レンズ形成体を成形する第2成形型とを有することとする。
【0009】
上述の課題を解決するため、本発明のレンズアレイは 少なくとも1つのレンズ要素を有する第1レンズ形成体と、光軸方向に貫通する孔部が形成され、孔部内に第1レンズ形成体を配置可能であり、少なくとも2つのレンズ要素を有する第2レンズ形成体とを有し、第1レンズ形成体の外周部と第2レンズ成形体の孔部の周縁部とには、第1レンズ形成体を第2レンズ形成体の孔部内に配置した状態で、レンズアレイの光軸方向において互いに当接する第1当接部と、光軸と交差する方向で互いに当接する第2当接部とが設けられていることとする。
【0010】
上記発明に加えて、第1レンズ形成体の外周部と第2レンズ成形体の孔部の周縁部とには、第1レンズ形成体を第2レンズ形成体の孔部内に配置した状態で、第1レンズ形成体と第2レンズ形成体とが互いに光軸周りについて位置決めを行うことができる位置決め手段が設けられていることとする。
【0011】
上述の課題を解決するため、LED照明装置は、上述のレンズアレイと、このレンズアレイが取り付けられる基板とを備え、第1レンズ形成体または第2レンズ形成体は、第1当接部において光軸方向前方に位置する当接部を有する側が基板に対して固定されることとする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るLED照明装置の平面図である。
【図2】図1に示す切断線A−Aにおける段面の概略の構成を示す断面図である。
【図3】図1に示す内側レンズの平面図である。
【図4】図3に示す切断線B−Bにおける段面の概略の構成を示す断面図である。
【図5】図1に示す環状レンズの平面図である。
【図6】図5に示す切断線C−Cにおける段面の概略の構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るLED照明装置の平面図である。
【図8】図7に示す切断線D−Dにおける段面の概略の構成を示す断面図である。
【図9】図7に示す内側レンズの平面図である。
【図10】図9に示す切断線E−Eにおける段面の概略の構成を示す断面図である。
【図11】図7に示す環状レンズの平面図である。
【図12】図11に示す切断線F−Fにおける段面の概略の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について、図面を参照しながら説明をする。
【0014】
(LED照明装置1の全体構成)
図1および図2は、本発明の実施の形態に係るLED照明装置1の構成を示す図である。以下の説明において、図2中、矢印Xで示す方向を前方(LED照明装置1の照明光の出射方向であって光軸XA1に沿う方向)とし、また、光軸XA1に直交する方向であって、光軸XA1に向かう方向を内側、光軸XA1から離れる方向を外側として説明を行う。図1は、LED照明装置1を、前方から見た平面図である。図2は、図1における切断線A−Aにおける断面の概略の構成を示す断面図である。
【0015】
LED照明装置1は、レンズアレイ2と複数のLED3と、これらのLED3が搭載される基板4とを有する。LED3は、後述するレンズ要素8毎に備えられている。レンズアレイ2は、第1レンズ形成体としての内側レンズ5と、第2レンズ形成体としての環状レンズ6とを有する。図3は、内側レンズ5を光軸XA2(図4参照)の前方から見た平面図である。図4は、図3における切断線B−Bにおける断面の概略の構成を示す断面図である。また、図5は、環状レンズ6を光軸XA3(図6参照)方向の前方から見た平面図である。図6は、図5における切断線C−Cにおける断面の概略の構成を示す断面図である。内側レンズ5および環状レンズ6は、環状レンズ6の孔部7に内側レンズ5を組み込み、図1,2に示すレンズアレイ2として構成したときに、光軸XA2と光軸XA3とが一致し、光軸XA1となるように構成されている。
【0016】
(内側レンズ5の構成)
内側レンズ5は、複数のレンズ要素8が形成されるレンズアレイとして形成されている。本実施の形態においては、内側レンズ5は、図3に示すように、1つのレンズ要素8Aを中心に、その周囲に6つのレンズ要素8Bが均一間隔で配置されている。また、内側レンズ5は、平面視において外周の輪郭が円形を呈している。
【0017】
各レンズ要素8は、透明材料により充実されたバルクレンズであり、レンズ要素8の側面9は、後方側に頂部が設定されるほぼ放物面を呈している。また、レンズ要素8の後端部には、LED3が収容される凹部10が形成されている。LED3から出射した光は、凹部10の内周面11からレンズ要素8に入射する。内周面11からレンズ要素8に入射した光の一部は、側面9で全反射されレンズ要素8の前面12から出射し、また、他の光の一部は、前面12から直接出射するものもある。そして、内周面11からレンズ要素8に入射した光は、側面9の面形状等に応じた所定の配光にて前面12から出射する。なお、本実施の形態では、側面9は、ほぼ放物面とされているが、所望の配光に応じた形状に形成することができる。
【0018】
隣接するレンズ要素8は、前面12の周囲に形成される連結部13にて互いに連結されることで、全体として一体の内側レンズ5が構成される。内側レンズ5には、位置決め部14および取り付け部15が設けられている。位置決め部14および取り付け部15は、連結部13に対して一体的に形成されている。つまり、内側レンズ5は、レンズ要素8、連結部13、位置決め部14および取り付け部15が一体に構成されている。
【0019】
(位置決め部14の構成)
位置決め部14は、内側レンズ5を基板4に対して、前後方向および光軸XA1と直交する方向について位置決めを行う機能を有する。位置決め部14は、光軸XA2の周囲に均等の間隔で3箇所(すなわち、120度間隔で)に配置されている。位置決め部14は、ボス16と位置決め面17とを有している。位置決め面17は、後方に向いている面である。ボス16は位置決め面17から後方に向けて突出している。
【0020】
(取り付け部15の構成)
取り付け部15は、内側レンズ5を基板4に対して固定する機能を有する。取り付け部15は、筒部18と、筒部18の後端部に形成され筒部18の内周側に延設される底面19とを有している。底面19の中心には、ねじ20(図1,2参照)を挿通するねじ挿通孔21が形成されている。筒部18の前方は、開口部22として開口されている。
【0021】
(嵌合部23の構成)
図3に示すように、内側レンズ5は、平面視において円形を呈している。内側レンズ5の外周には、外周に沿って嵌合部23が形成されている。嵌合部23は、内側レンズ5を、後述する環状レンズ6の孔部7内に配置したときに、孔部7の内周縁に形成される嵌合部24に対して嵌合する。嵌合部23と嵌合部24とが嵌合することにより、内側レンズ5と環状レンズ6とは相互に位置決めされるように構成されている。
【0022】
嵌合部23は、光軸XA2を中心とする小径部25および大径部26を有している。大径部26の外周面27は、内側レンズ5の最外周面として形成されている。外周面27は、その母線が光軸XA2に平行な面として形成されている。一方、小径部25は、大径部26の下側に大径部26の直径よりも小さな外径で形成され、小径部25の外周面は段面28として形成される。段面28も、その母線が光軸XA2に平行な面として形成されている。段面28から外周側にフランジ状に突出した大径部26の後側の面は、フランジ面29として形成されている。また、段面28には、外側に膨出する3つの突起部30が、光軸XA2の周囲に120度間隔で形成されている。
【0023】
(環状レンズ6の構成)
環状レンズ6も内側レンズ5と同様に、複数のレンズ要素8が形成されるレンズアレイとして形成されている。環状レンズ6は、図5に示すように、本実施の形態では、光軸XA3(図6参照)を中心に12個のレンズ要素8が環状に均一間隔(30度間隔)で配置され、平面視において光軸XA3方向に貫通する孔部7が形成される円環状を呈している。孔部7の内側は、図1,2に示されるように、内側レンズ5が配置可能とされている。各レンズ要素8は、内側レンズ5に形成されるレンズ要素8(レンズ要素8A、8B)と同様の構成であり、内周面11からレンズ要素8に入射した光は、側面9の面形状等に応じた所定の配光にて前面12から出射する。
【0024】
隣接するレンズ要素8は、前面12の周囲に形成される連結部31にて互いに連結されることで、全体として一体の環状レンズ6が構成される。環状レンズ6には、位置決め部32が設けられている。位置決め部32は、連結部31に対して一体的に形成されている。つまり、環状レンズ6は、レンズ要素8、連結部31、位置決め部32が一体に構成されている。
【0025】
(位置決め部32の構成)
位置決め部32は、環状レンズ6を基板4に対して、前後方向および光軸XA1と直交する方向について位置決めを行う機能を有する。位置決め部32は、光軸XA3の周囲に均等の間隔で3箇所(すなわち、120度間隔で)に配置されている。位置決め部32は、ボス33と位置決め面34とを有している。位置決め面34は、後方に向いている面である。ボス33は位置決め面34から後方に向けて突出している。
【0026】
(嵌合部24の構成)
図5に示すように、環状レンズ6は、平面視において孔部7を有する環状を呈している。環状レンズ6には、孔部7の周縁に沿って嵌合部24が形成されている。嵌合部24は、上述したように、孔部7内に内側レンズ5が配置されたときに、内側レンズ5の外周に形成される嵌合部23に対して嵌合することで、内側レンズ5と環状レンズ6とが相互に位置決めされるように構成されている。
【0027】
嵌合部24は、孔部7における直径が異なる小径部35および大径部36を有している。小径部35の内周面37は、環状レンズ6の最内周面として形成されている。内周面37は、その母線が光軸XA3に平行な面として形成されている。一方、大径部36における孔部7の直径は、小径部35における孔部7の直径よりも大きな直径に形成され、大径部36の内周面は、段面38として形成される。段面38も、その母線が、光軸XA3に平行な面として形成されている。段面38から孔部7の内周側にフランジ状に突出した小径部35の前側の面は、フランジ面39として形成されている。また、環状レンズ6の大径部36の内周面37には、内側レンズ5に形成される突起部30が嵌合することができる凹部40が、光軸XA2の周囲に120度間隔で形成されている。
【0028】
(嵌合部23および嵌合部24の関係)
内側レンズ5の大径部26の外周面27における外径26Lと、環状レンズ6の大径部36の段面38における内径36Lとは、環状レンズ6の孔部7内に内側レンズ5が配置されたときに、段面38の内側に外周面27がガタ無く嵌るように設定されている。また、環状レンズ6の小径部35の内周面37における内径35Lと、内側レンズ5の段面28における外形25Lとは、環状レンズ6の孔部7内に内側レンズ5を配置することができるように構成されている。また、内側レンズ5の大径部26に形成されるフランジ面29と、環状レンズ6の小径部35に形成されるフランジ面39とは、内側レンズ5を環状レンズ6の孔部7内に配置したときに、光軸XA1に沿う方向において互いに重なるように構成されている。さらに、凹部40と突起部30とは、凹部40に突起部30が嵌合することで、内側レンズ5と環状レンズ6との光軸XA1の周方向についての相対位置を位置決めすることができるように構成されている。
【0029】
(基板4の構成)
基板4は、たとえば、エポキシ基板等を使用することができ、基板4上には、複数のLED3が実装されている。基板4のLED3が実装される面(実装面4A)は、レンズアレイ2(内側レンズ5、環状レンズ6)が実装される面でもある。基板4には、内側レンズ5のボス16および環状レンズ6のボス33が嵌合するボス孔4Bと、内側レンズ5を固定するためのねじ20を結合することができるねじ孔4Cとが形成されている。LED3は、内側レンズ5および環状レンズ6を、後述するように、基板4に対して所定の位置に取り付けたときに、各レンズ要素8の凹部10に収容される位置に配置されている。
【0030】
(LED照明装置1の組み立て)
次に、以上の構成を有するLED照明装置1の組み立てについて説明する。先ず、環状レンズ6を、基板4の実装面4Aの所定位置に配置する。具体的には、基板4に形成されているボス孔4Bに、環状レンズ6のボス33が挿入されるように、環状レンズ6を基板4上に配置する。環状レンズ6を、基板4の実装面4Aの面の所定位置に配置したときに、各レンズ要素8の凹部10内にそれぞれ、LED3が収容されるように、ボス孔4B、ボス33、LED3等は配置されている。
【0031】
ボス33のボス孔4Bへの挿入に当たっては、位置決め面34に基板4が当接するまで、ボス33をボス孔4Bに挿入する。ボス33がボス孔4Bに挿入されるように環状レンズ6を配置することで、環状レンズ6の基板4の面に沿った方向(光軸XA1と直交する方向)についての位置決めが行われる。また、位置決め面34が基板4に当接するように、ボス33をボス孔4Bに嵌合することで、環状レンズ6の光軸XA1方向についての位置決めが行われる。位置決め面34と連結部31との間の長さ32Lは、レンズ要素8の前後方向の位置が、LED3に対して所定の位置となるように設定されている。該所定の位置は、レンズ要素8から出射される照明光の照度分布等に応じた位置である。
【0032】
次に、環状レンズ6が基板4に対して上述のように位置決めされた状態で、内側レンズ5を、前方から環状レンズ6の孔部7内に配置する。その際、内側レンズ5に形成される突起部30を環状レンズ6に形成される凹部40に嵌合させると共に、基板4に対して内側レンズ5の位置決めを行う。凹部40に突起部30を嵌合することで、内側レンズ5と環状レンズ6との光軸XA1の周方向について、相対的な位置決めを行うことができる。基板4に対する内側レンズ5の位置決めは、基板4に形成されているボス孔4Bに、ボス16が挿入されるように内側レンズ5を基板4上に配置することで行うことができる。突起部30が凹部40に嵌合され、基板4に対して内側レンズ5が位置決めされた状態で、内側レンズ5の各レンズ要素8の凹部10内にそれぞれ、LED3が収容される。
【0033】
ボス孔4Bへのボス16の挿入に当たっては、位置決め面17に基板4が当接するまで、ボス16をボス孔4Bに挿入する。ボス16がボス孔4Bに挿入されるように内側レンズ5を配置することで、内側レンズ5の基板4の面に沿った方向(光軸XA1と直交する方向)についての位置決めが行われる。また、位置決め面17が基板4に当接するように、ボス16をボス孔4Bに嵌合することで、内側レンズ5の光軸XA2方向についての位置決めが行われる。位置決め面17と連結部13との間の長さ14Lは、レンズ要素8の前後方向の位置が、LED3に対して所定の位置となるように設定されている。該所定の位置は、レンズ要素8から出射される照明光の照度分布等に応じた位置である。
【0034】
ボス16とボス孔4Bとによる位置決めが行われるように内側レンズ5を、環状レンズ6の孔部7内に配置すると、嵌合部23と嵌合部24とが互いに嵌合する。つまり、環状レンズ6の大径部36の内側に内側レンズ5の大径部26が配置されると共に、環状レンズ6の小径部25の内側に内側レンズ5の小径部35が配置される。また、嵌合部23のフランジ面29が嵌合部24のフランジ面39に対して前方から当接する。
【0035】
次いで、上述のように、嵌合部23と嵌合部24とが互いに嵌合している状態で、取り付け部15の開口部22からねじ20を挿入し、内側レンズ5を基板4に対して固定する。内側レンズ5のフランジ面29が、環状レンズ6のフランジ面39に前方から当接することで、環状レンズ6の前方への移動が規制される。また、ボス33がボス孔4Bに挿入されると共に、嵌合部23と嵌合部24とが嵌合することにより、環状レンズ6は、光軸XA1と直交する方向について移動が規制される。そして、内側レンズ5が基板4に対して固定されることで、環状レンズ6も内側レンズ5を介して固定される。なお、内側レンズ5を基板4に固定したときに、環状レンズ6がフランジ面39において、内側レンズ5のフランジ面29と基板4との間にガタ無く挟み込まれるように、位置決め部14の長さ14Lおよび位置決め部32の長さ32L等が設定されている。
【0036】
つまり、内側レンズ5を基板4にねじ20により固定することにより、環状レンズ6についても基板4に固定された状態となる。したがって、たとえば、環状レンズ6についてもねじ20により基板4に固定する場合に比べて、組み立て工数を減らすことができ、組み立ての容易化を図ることができる。
【0037】
(レンズアレイ2の製造システムについて)
レンズアレイ2は、たとえば、光学ガラスやポリメタクリル酸メチル(PMMA)などの透明樹脂を金型成形することによって作成することができる。上述のように、レンズアレイ2は、内側レンズ5と環状レンズ6とが別体で構成されている。このため、内側レンズ5と環状レンズ6とを金型成形する場合には、内側レンズ5と環状レンズ6とそれぞれ異なる金型で製造することができる。
【0038】
つまり、内側レンズ5は、内側レンズ5を成形する第1成形型としての内側レンズ成形用の金型により成形することができる。また、環状レンズ6は、環状レンズ6を成形する第2成形型としての環状レンズ用の金型により成形することができる。そして、内側レンズ用の金型で成形された内側レンズ5を、上述したように、環状レンズ用の金型で成形された環状レンズ6の孔部7内に配置することでレンズアレイ2を構成することができる。
【0039】
一方、内側レンズ5および環状レンズ6は、それぞれ単独で、レンズアレイとして用いることができる。したがって、レンズ製造システムを、内側レンズ5を成形する内側レンズ成形用の金型と、内側レンズ5を内周部に配置可能な環状レンズ6を成形する環状レンズ成形用の金型とを有する構成とすることで、内側レンズ5単独、環状レンズ6単独、内側レンズ5および環状レンズ6を組み合わせたレンズアレイ2の3つのレンズアレイを製造することが可能となる。
【0040】
(本実施の形態における主な効果)
上述の実施の形態におけるレンズアレイ2は、7個のレンズ要素8を有する第1レンズ形成体としての内側レンズ5と、光軸XA1方向に貫通する孔部7が形成され、12個のレンズ要素8が光軸XA1の周りに環状に配置される第2レンズ形成体としての環状レンズ6を有している。そして、レンズアレイ2は、環状レンズ6の孔部7内に、内側レンズ5が配置可能に構成されている。また、内側レンズ5の外周部に形成される嵌合部23と、環状レンズ6の孔部7の周縁部に形成される嵌合部24とには、内側レンズ5を環状レンズ6の孔部7内に配置した状態で、光軸XA1方向において互いに当接する第1当接部の一方当接部として機能するフランジ面29と、他方当接部として機能するフランジ面39とを有している。つまり、内側レンズ5を環状レンズ6の孔部7内に配置した状態で、フランジ面29とフランジ面39とは、光軸XA1方向に対して互いに当接する。そのため、内側レンズ5と環状レンズ6とは、光軸XA2,XA3の方向について互いに相対的な位置決めを行うことができる。
【0041】
また、嵌合部23と嵌合部24とには、光軸XA1と交差する方向で互いに当接する第2当接部の一方当接部として機能する内側レンズ5の外周面27と、他方当接部として機能する環状レンズ6の段面38とを有している。つまり、内側レンズ5を環状レンズ6の孔部7内に配置した状態で、外周面27と段面38とは、光軸XA1に直交する方向で互いに当接する。そのため、内側レンズ5と環状レンズ6とは、光軸XA1と直交する方向について、お互いに相対的な位置決めを行うことができる。
【0042】
嵌合部23は、内側レンズ5の外周の全周に亘って設けられ、また、嵌合部24も、環状レンズ6の内周の全周に亘って設けられている。つまり、外周面27と段面38とは、内側レンズ5の外周と環状レンズ6の内周の全周に亘って互いに当接することができる。したがって、内側レンズ5と環状レンズ6との光軸XA1と直交する方向についての位置決めをより確実なものとすることができる。また、フランジ面29とフランジ面39についても、内側レンズ5の外周と環状レンズ6の内周の全周に亘って互いに当接することができる。したがって、内側レンズ5と環状レンズ6との光軸XA2,XA3の方向についての位置決めをより確実なものとすることができる。
【0043】
LED照明装置1において、内側レンズ5の外周面27および段面28、また環状レンズ6の段面38および内周面37は、それぞれ母線が光軸XA1と平行な配置となっている。各母線が、光軸XA1に対して傾斜する場合には、LED3から照射された光のうち、外周面27、段面28、内周面37、段面38で基板4側に戻り光として反射される光量が多くなる。その結果、嵌合部23,24の部分において暗部が生ずる虞がある。一方、外周面27、段面28、内周面37、段面38の各母線を光軸XA1と平行な配置とすることで、該戻り光の光量を減らすことができ、該暗部の発生を抑えることができる。
【0044】
なお、外周面27と段面38とに換えて、内側レンズ5の段面28と環状レンズ6の内周面37とを第2当接部として機能するようにしてもよい。つまり、内側レンズ5の段面28における外形25Lと、環状レンズ6の小径部35の内周面37における内径35Lとは、環状レンズ6の孔部7内に内側レンズ5が配置されたときに、内周面37の内側に段面28がガタ無く嵌るように設定することで、内側レンズ5および環状レンズ6の光軸XA1と直交する方向についての位置決めを行うようにしてもよい。
【0045】
また、LED照明装置1においては、内側レンズ5のフランジ面29が、環状レンズ6のフランジ面39に対して前方に配置されている。また、外周面27と段面38とが光軸XA1と直交する方向に互いに当接している。また、内側レンズ5の外周部である段面28に形成される突起部30と、環状レンズ6の大径部36に形成される凹部40とが互いに嵌合している。
【0046】
そのため内側レンズ5を基板4に固定することで、環状レンズ6の前方への移動をフランジ面29とフランジ面39との当接により規制することができ、また、環状レンズ6の光軸XA1と直交する方向への移動を、外周面27と段面38との当接により規制することができる。さらに、内側レンズ5を基板4に固定することで、突起部30と凹部40との嵌合により内側レンズ5と環状レンズ6同士の光軸XA1の周りについて相対的な移動を規制することができる。つまり、内側レンズ5を基板に固定することで、環状レンズ6については直接基板に固定を行わなくても内側レンズ5を介して固定される。そのため、LED照明装置1の組み立てを容易なものとすることができる。
【0047】
上述したLED照明装置1においては、環状レンズ6が位置決め部32により基板4に位置決めされているが、位置決め部32を設けない構成としてもよい。環状レンズ6は、段面38が内側レンズ5の外周面27に当接している。また、環状レンズ6は、凹部10に内側レンズ5の突起部30が嵌合している。したがって、位置決め部32を設けなくても、内側レンズ5を介して環状レンズ6を基板4に対して固定することができる。しかしながら、位置決め部32を設けることで、より確実に、環状レンズ6を基板4に位置決めすることができる。
【0048】
内側レンズ5および環状レンズ6は、内側レンズ5を成形する内側レンズ成形用の金型と、内側レンズ5を孔部7に配置可能な環状レンズ6を成形する環状レンズ成形用の金型とを有するレンズ製造システムにより製造することができる。そして、内側レンズ5を、環状レンズ6の孔部7内に配置することでレンズアレイ2が構成される。
【0049】
金型のレンズ要素8に対応する部分(レンズ要素8部分を成形する部分)は、レンズ要素8の光学特性に大きな影響を与える。そのため、金型の製造にあたっては、レンズ要素8に対応する部分については、精密な加工が要求される。この点に関し、たとえば、内側レンズ5、環状レンズ6、レンズアレイ2をそれぞれ、別々の金型で成形する場合、金型の製造において、レンズ要素8に対応する部分として加工する加工箇所の延べ数は、内側レンズ5、環状レンズ6、レンズアレイ2のレンズ要素8の個数と同数となる。
【0050】
本実施の形態では、内側レンズ5、環状レンズ6、レンズアレイ2のレンズ要素8の数は、それぞれ7個、12個、19個であるので、該加工箇所の延べ数は38箇所となる。これに対し、レンズ製造システムを、内側レンズ5を成形することができる内側レンズ成形用の金型と、内側レンズ5を内周部に配置可能な環状レンズ6を成形することができる環状レンズ成形用の金型とを有する構成とすることで、該加工箇所の延べ数は19箇所で足りる。つまり、金型の製造に際してレンズ要素8に対応する部分の加工箇所の増加を抑えることができる。
【0051】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について、図面を参照しながら説明をする。
【0052】
(LED照明装置50の全体構成)
図7および図8は、本発明の第2の実施の形態に係るLED照明装置50の構成を示す図である。以下の説明において、上述の第1の実施の形態に係るLED照明装置1の構成と同様の構成部分については、同一の符号を付しその説明を省略または簡略化する。図7は、LED照明装置50を、前方から見た平面図である。図8は、図7における切断線D−Dにおける断面の概略の構成を示す断面図である。
【0053】
LED照明装置50は、レンズアレイ51と複数のLED3と、これらのLED3が搭載される基板52と、基板52を支持する筐体53とを有する。LED3は、レンズ要素8毎に備えられている。レンズアレイ51は、第1レンズ形成体としての内側レンズ54と、第2レンズ形成体としての環状レンズ55とを有する。図9は、内側レンズ54を光軸XB2(図10参照)の前方から見た平面図である。図10は、図9における切断線E−Eにおける断面の概略の構成を示す断面図である。また、図11は、環状レンズ55を光軸XB3(図12参照)方向の前方から見た平面図である。図12は、図11における切断線F−Fにおける断面の概略の構成を示す断面図である。内側レンズ54および環状レンズ55は、環状レンズ55の孔部56に内側レンズ54を組み込み、図7,8に示すレンズアレイ51として構成されたときに、光軸XB2と光軸XB3とが一致し、レンズアレイ51の光軸XB1となるように構成されている。
【0054】
(内側レンズ54の構成)
内側レンズ54は、複数のレンズ要素8が形成されるレンズアレイとして形成されている。本実施の形態においては、内側レンズ54は、図9に示すように、1つのレンズ要素8Cを中心に、その周囲に6つのレンズ要素8Dが均一間隔で配置されている。内側レンズ54は、平面視において外周の輪郭が円形を呈している。
【0055】
隣接するレンズ要素8は、前面12の周囲に形成される連結部57にて互いに連結されることで、全体として一体の内側レンズ54が構成される。
【0056】
(嵌合部58の構成)
図9に示すように、内側レンズ54は、平面視において円形を呈している。内側レンズ54の外周には、外周に沿って嵌合部58が形成されている。嵌合部58は、内側レンズ54を、環状レンズ55の孔部56内に配置したときに、孔部56の内周縁に形成される嵌合部59に対して嵌合する。嵌合部58と嵌合部59とが嵌合することにより、内側レンズ54と環状レンズ55とは相互に位置決めされるように構成されている。
【0057】
嵌合部58は、光軸XB2を中心とする小径部60および大径部61を有している。大径部61の外周面62は、内側レンズ54の最外周面として形成されている。外周面62は、その母線が光軸XB2に平行な面として形成されている。一方、小径部60は、大径部61の上側に大径部61の直径よりも小さな外径で形成され、小径部60の外周面は段面63として形成される。段面63も、その母線が光軸XB2に平行な面として形成されている。段面63から外周側にフランジ状に突出した大径部61の前側の面は、フランジ面64として形成されている。また、大径部61の外周面62には、環状レンズ55に形成される後述の突起部72が嵌合する3つの凹部65が、光軸XB2の周囲に120度間隔で形成されている。
【0058】
(環状レンズ55の構成)
環状レンズ55も内側レンズ54と同様に、複数のレンズ要素8が形成されるレンズアレイとして形成されている。環状レンズ55は、図11に示すように、本実施の形態では、光軸XB3(図12参照)を中心に12個のレンズ要素8が環状に均一間隔(30度間隔)で配置され、平面視において光軸XB3方向に貫通する孔部56が形成される円環状を呈している。孔部56の内側には、図11,12に示されるように、内側レンズ54が配置可能とされている。隣接するレンズ要素8は、前面12の周囲に形成される連結部66にて互いに連結されることで、全体として一体の環状レンズ55が構成される。
【0059】
(嵌合部59の構成)
図11に示すように、環状レンズ55は、平面視において孔部56を有する環状を呈している。環状レンズ55には、孔部56の周縁に沿って嵌合部59が形成されている。嵌合部59は、上述したように、孔部56内に内側レンズ54が配置されたときに、内側レンズ54の外周に形成される嵌合部58に対して嵌合することで、内側レンズ54と環状レンズ55とが相互に位置決めされるように構成されている。
【0060】
嵌合部59は、孔部56における直径が異なる小径部67および大径部68を有している。小径部67の内周面69は、環状レンズ55の最内周面として形成されている。内周面69は、その母線が光軸XB3に平行な面として形成されている。一方、大径部68における孔部56の直径は、小径部67における孔部56の直径よりも大きな直径に形成され、大径部68の内周面は、段面70として形成される。段面70も、その母線が、光軸XB3に平行な面として形成されている。段面70から孔部56の内周側にフランジ状に突出した小径部67の後側の面は、フランジ面71として形成されている。また、環状レンズ55の大径部68の段面70には、内側レンズ54に形成される凹部65に嵌合することができる突起部72が、光軸XB3の周囲に120度間隔で形成されている。
【0061】
(フランジ部73の構成)
環状レンズ55の外周部には、環状レンズ55を筐体53に支持するためのフランジ部73が設けられている。また、フランジ部73には、外側に膨出する3つの突起部74が、光軸XB3の周囲に120度間隔で形成されている。
【0062】
(筐体53の構成)
図7,8に示すように、筐体53は、基板52が取り付けられる基板取付面75と、レンズアレイ51が取り付けられるレンズ支持部76とを有する。レンズ支持部76は、光軸XB1を中心とし、母線が光軸XB1と平行な円筒状を呈している。基板取付面75は、光軸XB1に対して直交する面である。レンズ支持部76は、基板取付面75から前方に向かって立設し、光軸XB1の周囲に設けられ、前方に開口部77が形成されている。
【0063】
レンズ支持部76の内周側は、レンズアレイ51が収容されるレンズ収容部78として形成されている。レンズ支持部76の内周面には、前方に面が向けられている段面79が形成されている。段面79は、レンズ収容部78に収容されるレンズアレイ51のフランジ部73を支持することができるように構成されている。また、レンズ支持部76の内周面には、光軸XB1の周囲に120度間隔で、凹部80が形成されている。凹部80は、レンズ収容部78にレンズアレイ51が収容されたときに、環状レンズ55に形成されている突起部74が嵌合することができるように形成されている。
【0064】
(基板52の構成)
基板52は、たとえば、エポキシ基板等を使用することができ、基板52上には、複数のLED3が実装されている。そして、基板52は、図7,8に示すように、筐体53の基板取付面75に取り付けられる。
【0065】
(嵌合部58および嵌合部59の関係)
内側レンズ54の小径部60の段面63における外径60Lと、環状レンズ55の小径部67の内周面69における内径67Lとは、環状レンズ55の孔部56内に内側レンズ54が配置されたときに、段面63の内側に内周面69がガタ無く嵌るように設定されている。また、環状レンズ55の大径部68の段面70における内径68Lと、内側レンズ54の大径部61の外周面62における外径61Lとは、環状レンズ55の孔部56内に内側レンズ54を配置することができるように構成されている。また、内側レンズ54の外径部61に形成されるフランジ面64と、環状レンズ55の小径部67に形成されるフランジ面71とは、内側レンズ54を環状レンズ55の孔部56内に配置したときに、フランジ面64とフランジ面71とが、光軸XB1に沿う方向において互いに重なるように構成されている。さらに、突起部72と凹部65とは、突起部72が凹部65に嵌合することで、内側レンズ54と環状レンズ55との光軸XB1の周方向についての相対位置を位置決めすることができるように構成されている。
【0066】
(LED照明装置50の組み立て)
以上の構成を有するLED照明装置50の組み立てについて説明する。先ず、内側レンズ54を、筐体53の開口部77からレンズ収容部78内に収容し、基板取付面75に取り付けられている基板52上に載置する。
【0067】
次に、環状レンズ55をレンズ収容部78内に収容する。環状レンズ55のレンズ収容部78内への収容は、基板52上に載置されている内側レンズ54が、孔部56に配置されるように、かつ、フランジ部73が段面79に支持されるように行う。内側レンズ54を環状レンズ55の孔部56内に配置する際には、嵌合部58と嵌合部59とを嵌合させる。すなわち、環状レンズ55の小径部67の内側に内側レンズ54の小径部60を配置させると共に、環状レンズ55の大径部68の内側に内側レンズ54の大径部61を配置させ、また、突起部72と凹部65とを嵌合させる。嵌合部58と嵌合部59とが嵌合した状態では、嵌合部59のフランジ面71が嵌合部58のフランジ面64に対して前方から当接する。
【0068】
また、フランジ部73を段面79に支持される際には、環状レンズ55の突起部74とレンズ支持部76の凹部80とを嵌合させる。凹部80に突起部74を嵌合することで、環状レンズ55のレンズ支持部76に対する光軸XB1の周方向についての移動を規制することができる。
【0069】
なお、基板52のLED3が実装されている面(実装面52A)と段面79との距離79Lは、環状レンズ55が段面79に支持された状態で、レンズ要素8の前後方向の位置が、LED3に対して所定の位置となるように設定されている。該所定の位置は、レンズ要素8から出射される照明光の照度分布等に応じた位置である。なお、また、嵌合部58と嵌合部59とが嵌合するように内側レンズ54が環状レンズ55の孔部56内に配置されると共に、環状レンズ55の突起部74がレンズ支持部76の凹部80に嵌合するように、環状レンズ55がレンズ収容部78内に収容されている状態で、各レンズ要素8の凹部10内にLED3が配置されるように、LED3等の配置が設定されている。
【0070】
次いで、上述のように、嵌合部58と嵌合部59とが互いに嵌合されていると共に、環状レンズ55が段面79に支持されている状態で、レンズ支持部76の大径部81にねじリング82を取り付ける。そして、環状レンズ55のフランジ部73を段面79とねじリング82との間に挟持することで、環状レンズ55をレンズ支持部76に固定する。ねじリング82と大径部81との間には不図示のねじ構造が形成され、このねじ構造により、ねじリング82を光軸XB1方向に沿って進退させることができる。
【0071】
環状レンズ55のフランジ面71が、内側レンズ54のフランジ面64に前方から当接することで、内側レンズ54の前方への移動が規制される。また、嵌合部58と嵌合部59とが嵌合することにより、内側レンズ54は、光軸XB1と直交する方向について移動が規制される。したがって、環状レンズ55がレンズ支持部76に対して固定されることで、内側レンズ54も環状レンズ55を介して固定される。なお、環状レンズ55をレンズ支持部76に固定したときに、内側レンズ54がフランジ面64において、環状レンズ55のフランジ面71と基板52との間にガタ無く挟み込まれるように、段面79の距離79L等が設定されている。
【0072】
つまり、環状レンズ55をレンズ支持部76にねじリング82により固定することにより、内側レンズ54についても筐体53に固定された状態とすることができる。したがって、たとえば、内側レンズ54についてもねじ等により基板52に固定する場合に比べて、組み立て工数を減らすことができ、組み立ての容易化を図ることができる。
【0073】
(レンズアレイ51の製造システムについて)
レンズアレイ51も、上述したレンズアレイ2と同様に金型成形することによって作成することができる。レンズアレイ51は、内側レンズ54と環状レンズ55とが別体で構成されている。このため、内側レンズ54と環状レンズ55とを金型成形する場合には、内側レンズ54と環状レンズ55とをそれぞれ異なる金型で製造することができる。したがって、レンズアレイ51についても、レンズアレイ2と同様に、内側レンズ54を成形する内側レンズ成形用の金型と、内側レンズ54を内周部に配置可能な環状レンズ55を成形する環状レンズ成形用の金型とを有するレンズ製造システムを用いて製造することができる。内側レンズ用の金型で成形された内側レンズ54を、上述したように、環状レンズ用の金型で成形された環状レンズ55の孔部56内に配置することでレンズアレイ51が構成される。
【0074】
(本実施の形態における主な効果)
上述の実施の形態におけるレンズアレイ51は、7個のレンズ要素8を有する第1レンズ形成体としての内側レンズ54と、光軸XB1方向に貫通する孔部56が形成され、12個のレンズ要素8が光軸XB3の周りに環状に配置される第2レンズ形成体としての環状レンズ55を有している。そして、レンズアレイ51は、環状レンズ55の孔部56内に、内側レンズ54が配置可能に構成されている。また、内側レンズ54の外周部に形成される嵌合部57と、環状レンズ55の孔部56の周縁部に形成される嵌合部57とには、内側レンズ54を環状レンズ55の孔部56内に配置した状態で、光軸XB1方向において互いに当接する第1当接部の一方当接部として機能するフランジ面64と、他方当接部として機能するフランジ面71とを有している。つまり、内側レンズ54を環状レンズ55の孔部56内に配置した状態で、フランジ面64とフランジ71とは、光軸XB1方向に対して互いに当接する。
【0075】
そのため、内側レンズ54と環状レンズ55とは、光軸XB1方向について互いに相対的な位置決めを行うことができる。また、嵌合部58と嵌合部59とには、光軸XB1と交差する方向で互いに当接する第2当接部の一方当接部として機能する環状レンズ55の内周面69と、他方当接部として機能する内側レンズ54の段面63とを有している。つまり、環状レンズ55の孔部56内に内側レンズ54を配置した状態で、内周面69と段面63とは、光軸XB1に直交する方向で互いに当接する。そのため、内側レンズ54と環状レンズ55とは、光軸XB1と直交する方向について、お互いに相対的な位置決めを行うことができる。
【0076】
嵌合部58は、内側レンズ54の外周の全周に亘って設けられ、また、嵌合部59も、環状レンズ55の内周の全周に亘って設けられている。つまり、段面63と内周面69とは、内側レンズ54の外周と環状レンズ55の内周の全周に亘って互いに当接することができる。したがって、内側レンズ54と環状レンズ55との光軸XB1と直交する方向についての位置決めをより確実なものとすることができる。また、フランジ面64とフランジ面71についても、内側レンズ54の外周と環状レンズ55の内周の全周に亘って互いに当接することができる。したがって、内側レンズ54と環状レンズ55との光軸XB2,XB3の方向についての位置決めをより確実なものとすることができる。
【0077】
LED照明装置50において、内側レンズ54の外周面62および段面63、また環状レンズ55の段面70および内周面69は、それぞれ母線が光軸XB1と平行な配置となっている。各母線が、光軸XB1に対して傾斜する場合には、LED3から照射された光のうち、外周面62、段面63、内周面69、段面70で基板52側に戻り光として反射される光量が多くなる。その結果、嵌合部58,59の部分において暗部が生ずる虞がある。一方、外周面62、段面63、内周面69、段面70の各母線を光軸XB1と平行な配置とすることで、該戻り光の光量を減らすことができ、該暗部の発生を抑えることができる。
【0078】
なお、内周面69と段面63とに換えて、内側レンズ54の外周面62と環状レンズ55の段面70とを第2当接部として機能するようにしてもよい。つまり、内側レンズ54の外周面62における外形61Lと、環状レンズ55の大径部68の断面70における内径68Lとは、環状レンズ55の孔部7内に内側レンズ54が配置されたときに、段面70の内側に外周面62がガタ無く嵌るように設定することで、内側レンズ54および環状レンズ55の光軸XA1と直交する方向についての位置決めを行うようにしてもよい。
【0079】
また、LED照明装置50においては、環状レンズ55のフランジ面71が内側レンズ54のフランジ面64に対して前方に配置されている。また、内周面69と段面63とが光軸XB1と直交する方向に互いに当接している。また、内側レンズ54の外周面62に形成される凹部65と、環状レンズ55の段面70に形成される突起部72とが互いに嵌合している。
【0080】
そのため、環状レンズ55をレンズ支持部76に固定することで、内側レンズ54の前方への移動をフランジ面64とフランジ面71との当接により規制することができ、また、内側レンズ54の光軸XB1と直交する方向への移動を、内周面69と段面63との当接により規制することができる。環状レンズ55は、レンズ支持部76に対して、環状レンズ55の突起部74をレンズ支持部76の凹部80に嵌合させた状態でレンズ支持部76に固定される。したがって、環状レンズ55は、レンズ支持部76に対する光軸XB1の周方向についても移動が規制される。つまり、環状レンズ55をレンズ支持部76に固定することで、内側レンズ54については筐体53に直接固定を行わなくても環状レンズ55を介して固定される。そのため、LED照明装置50の組み立てを容易なものとすることができる。
【0081】
内側レンズ54および環状レンズ55は、内側レンズ54を成形する内側レンズ成形用の金型と、内側レンズ54を孔部56に配置可能な環状レンズ55を成形する環状レンズ成形用の金型とを有するレンズ製造システムにより製造することができる。そして、内側レンズ54を、環状レンズ55の孔部56内に配置することでレンズアレイ51が構成される。
【0082】
金型のレンズ要素8に対応する部分(レンズ要素8部分を成形する部分)は、レンズ要素8の光学特性に大きな影響を与える。そのため、金型の製造にあたっては、レンズ要素8に対応する部分については、精密な加工が要求される。この点に関し、たとえば、内側レンズ54、環状レンズ55、レンズアレイ51をそれぞれ、別々の金型で成形する場合は、金型の製造において、レンズ要素8に対応する部分として加工する加工箇所の延べ数は、内側レンズ54、環状レンズ55、レンズアレイ51のレンズ要素8の個数と同数となる。
【0083】
本実施の形態では、内側レンズ54、環状レンズ55、レンズアレイ51のレンズ要素8の数は、それぞれ7個、12個、19個であるので、該加工箇所の延べ数は38箇所となる。これに対し、レンズ製造システムを、内側レンズ54を成形することができる内側レンズ成形用の金型と、内側レンズ54を内周部に配置可能な環状レンズ55を成形することができる環状レンズ成形用の金型とを有する構成とすることで、該加工箇所の延べ数は19箇所で足りる。つまり、金型の製造に際してレンズ要素8に対応する部分の加工箇所の増加を抑えることができる。
【0084】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではない。たとえば、上述の各実施の形態は、2つのレンズアレイの組み合わせ、すなわち内側レンズ5と環状レンズ6の組み合わせ、あるいは内側レンズ54と環状レンズ55の組み合わせの例を示しているが、環状レンズ6あるいは環状レンズ55の外周にさらに、環状レンズを配置する構成としてもよい。また、上述の各実施の形態は、レンズ要素8およびLED3が、光軸XA1,XB1に対象に配置されているが、非対称の配置としてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1,50 … LED照明装置
2,51 … レンズアレイ
4,52 …基板
5,54 … 内側レンズ(第1レンズ形成体)
6,55 … 環状レンズ(第2レンズ形成体)
7,56 … 孔部
8 … レンズ要素
27 … 外周面(第2当接部)
29,39,64,71 … フランジ面(第1当接部)
30 … 突起部(位置決め手段)
38 … 段面(第2当接部)
40 … 凹部(位置決め手段)
63 … 段面(第2当接部)
65 … 凹部(位置決め手段)
69 … 内周面(第2当接部)
72 … 突起部(位置決め手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのレンズ要素を有する第1レンズ形成体を成形する第1成形型と、
光軸方向に貫通する孔部が形成され、上記孔部内に上記第1レンズ形成体を配置可能であり、少なくとも2つのレンズ要素を有する第2レンズ形成体を成形する第2成形型と、
を有する、
ことを特徴とするレンズ製造システム。
【請求項2】
少なくとも1つのレンズ要素を有する第1レンズ形成体と、
光軸方向に貫通する孔部が形成され、上記孔部内に上記第1レンズ形成体を配置可能であり、少なくとも2つのレンズ要素を有する第2レンズ形成体と、
を有し、
上記第1レンズ形成体の外周部と上記第2レンズ成形体の上記孔部の周縁部とには、上記第1レンズ形成体を上記第2レンズ形成体の上記孔部内に配置した状態で、
上記レンズアレイの光軸方向において互いに当接する第1当接部と、
上記光軸と交差する方向で互いに当接する第2当接部と、
が設けられている、
ことを特徴とするレンズアレイ。
【請求項3】
請求項2に記載のレンズアレイにおいて、
前記第1レンズ形成体の外周部と前記第2レンズ成形体の前記孔部の周縁部とには、前記第1レンズ形成体を前記第2レンズ形成体の前記孔部内に配置した状態で、前記第1レンズ形成体と前記第2レンズ形成体とが互いに光軸周りについて位置決めを行うことができる位置決め手段が設けられている、
ことを特徴とするレンズアレイ。
【請求項4】
請求項2または3に記載するレンズアレイと、
前記レンズアレイが取り付けられる基板と、
を備えるLED照明装置において、
前記第1レンズ形成体または前記第2レンズ形成体は、前記第1当接部において光軸方向前方に位置する当接部を有する側が上記基板に対して固定される、
ことを特徴とするLED照明装置。
【請求項1】
少なくとも1つのレンズ要素を有する第1レンズ形成体を成形する第1成形型と、
光軸方向に貫通する孔部が形成され、上記孔部内に上記第1レンズ形成体を配置可能であり、少なくとも2つのレンズ要素を有する第2レンズ形成体を成形する第2成形型と、
を有する、
ことを特徴とするレンズ製造システム。
【請求項2】
少なくとも1つのレンズ要素を有する第1レンズ形成体と、
光軸方向に貫通する孔部が形成され、上記孔部内に上記第1レンズ形成体を配置可能であり、少なくとも2つのレンズ要素を有する第2レンズ形成体と、
を有し、
上記第1レンズ形成体の外周部と上記第2レンズ成形体の上記孔部の周縁部とには、上記第1レンズ形成体を上記第2レンズ形成体の上記孔部内に配置した状態で、
上記レンズアレイの光軸方向において互いに当接する第1当接部と、
上記光軸と交差する方向で互いに当接する第2当接部と、
が設けられている、
ことを特徴とするレンズアレイ。
【請求項3】
請求項2に記載のレンズアレイにおいて、
前記第1レンズ形成体の外周部と前記第2レンズ成形体の前記孔部の周縁部とには、前記第1レンズ形成体を前記第2レンズ形成体の前記孔部内に配置した状態で、前記第1レンズ形成体と前記第2レンズ形成体とが互いに光軸周りについて位置決めを行うことができる位置決め手段が設けられている、
ことを特徴とするレンズアレイ。
【請求項4】
請求項2または3に記載するレンズアレイと、
前記レンズアレイが取り付けられる基板と、
を備えるLED照明装置において、
前記第1レンズ形成体または前記第2レンズ形成体は、前記第1当接部において光軸方向前方に位置する当接部を有する側が上記基板に対して固定される、
ことを特徴とするLED照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−42670(P2012−42670A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183227(P2010−183227)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000227364)日東光学株式会社 (151)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000227364)日東光学株式会社 (151)
【Fターム(参考)】
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