説明

レンズ駆動装置

【課題】 付属ユニットを付加しても、光軸方向の寸法を必要最小限の寸法にとどめることのできるレンズ駆動装置を提供すること。
【解決手段】 本形態の付属ユニット8においては、シャッタ板駆動機構60およびフィルタ板駆動機構70のステータ61、71を構成するのに、矩形枠状の積層コア体が用いられ、シャッタ板81および減光フィルタ86は、積層コア体より被写体側に配置されているため、付属ユニット8の撮像素子30側には、その中央部分に空間80が形成されている。従って、移動レンズ体10が至近距離位置に移動した際、小径の先端部分15は、付属ユニット8の空間80内に入り込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラなどに用いられるレンズ駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラなどの携帯機器に搭載される撮像装置では、レンズを備えた移動レンズ体と、この移動レンズ体をレンズの光軸に沿って直線的に磁気駆動するためのレンズ駆動機構とを備えたレンズ駆動装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ステータによってロータを回転駆動し、その回転動作を直線的な動きに変換して、移動レンズ体をレンズの光軸に沿って直線的に磁気駆動するレンズ駆動装置も案出されている。
【特許文献1】特開平10−150759号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなレンズ駆動装置において、例えば、シャッタ機構などの付属ユニットを搭載すれば、デジタルカメラで撮像しようとした際の手ぶれを防止することができる。また、絞り機構などの付属ユニットを載すれば、太陽光が強い場合でも品位の高い画像を撮影することができるなど、機能を高めることができる。
【0005】
しかしながら、このような付属ユニットを被写体側に付加すると、移動レンズ体を被写体側の至近距離位置まで駆動した際の移動レンズ体と付属ユニットとの干渉を避ける必要がある。また、付属ユニットを被写体側とは反対側(撮像素子側)に配置すると、移動レンズ体を撮像素子側の無限遠位置まで駆動した際の移動レンズ体と付属ユニットとの干渉を避ける必要がある。それ故、付属ユニットを付加した場合、レンズ駆動装置の光軸方向の寸法は、付属ユニットの厚さ寸法と、付属ユニットと移動レンズ体の干渉を避けるための寸法との和に相当する寸法だけ、大型化してしまうという問題点がある。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、付属ユニットを付加しても、光軸方向の寸法を必要最小限の寸法にとどめることのできるレンズ駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では、レンズを備えた移動レンズ体と、該移動レンズ体を前記レンズの光軸に沿って往復移動させるためのレンズ駆動機構とを備えたレンズ駆動装置において、前記移動レンズ体に対して被写体側には、板状の光学部材、および当該光学部材を光路上に出現した位置と光路上から退避した位置との間で駆動する光学部材駆動機構を備えた付属ユニットが配置され、当該付属ユニットには、前記移動レンズ体が被写体側の至近距離位置側に移動した際、当該移動レンズ体の被写体側端部が入り込む空間を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明では、移動レンズ体が至近距離位置に移動した際、移動レンズ体の先端部分は付属ユニットの空間内に入り込むため、移動レンズ体に対して被写体側に付属ユニットを配置した場合でも、レンズ駆動装置の光軸方向における寸法が短くて済む。また、付属ユニットを移動レンズ体に対して光路の狭い被写体側に配置するため、光路が広い撮像素子側に付属ユニットをを配置した場合と比較して光学部材として小さなものを用いることができ、レンズ駆動装置の小型化に適している。
【0009】
本発明において、前記光学部材駆動機構は、積層コアと、該積層コアに巻回されたコイルと、該コイルによって回転駆動されるロータマグネットとを備え、当該ロータマグネットの回転によって前記光学部材を駆動するように構成され、前記光学部材は、前記積層コアより被写体側に配置されていることが好ましい。このように構成すると、積層コアの厚さを移動レンズ体が入り込む空間として有効利用できるので、レンズ駆動装置の光軸方向における寸法を短くできる。
【0010】
本発明において、前記付属ユニットは、例えば、少なくとも、前記光学部材としてシャッタ板、絞り板、色変換板、減光フィルタ板、赤外線フィルタ板(赤外線カットフィルタ板あるいは赤外線透過フィルタ)、および紫外線フィルタ板(紫外線カットフィルタ板あるいは紫外線透過フィルタ)から選ばれた1つの光学部材を備えている。
【0011】
本発明において、前記付属ユニットは、少なくとも、前記光学部材としてシャッタ板、絞り板、色変換板、減光フィルタ板、赤外線フィルタ板(赤外線カットフィルタ板あるいは赤外線透過フィルタ)、および紫外線フィルタ板(紫外線カットフィルタ板あるいは紫外線透過フィルタ)から選ばれた2つの光学部材を備えている場合があり、この場合、前記光学部材駆動機構として、前記2つの光学部材のうちの一方の光学部材を駆動する第1の光学部材駆動機構と、他方の光学部材を駆動する第2の光学部品駆動機構とを備えている。
【0012】
この場合も、前記第1の光学部品駆動機構は、第1の積層コア、および該第1の積層コアの一部分に巻回された第1のコイルを備えた第1のステータと、該第1のステータによって回転駆動される第1のロータマグネットとを備えるとともに、当該第1のロータマグネットの回転によって前記一方の光学部品を駆動するように構成され、前記第2の光学部品駆動機構は、第2の積層コア、および該第2の積層コアの一部分に巻回された第2のコイルを備えた第2のステータと、該第2のステータによって回転駆動される第2ロータマグネットとを備えるとともに、当該第2のロータマグネットの回転によって前記他方の光学部品を駆動するように構成され、前記第1の積層コアと前記第2のコアとは一体の積層コア体として構成され、前記一方の光学部品および前記他方の光学部品はいずれも、前記積層コア体より被写体側に配置されていることが好ましい。このように構成すると、積層コアの厚さを移動レンズ体が入り込む空間として有効利用できるので、レンズ駆動装置の光軸方向における寸法を短くできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、移動レンズ体が至近距離位置に移動した際、移動レンズ体の先端部分は付属ユニットの空間内に入り込むため、移動レンズ体に対して被写体側に付属ユニットを配置した場合でも、レンズ駆動装置の光軸方向における寸法が短くて済む。また、付属ユニットを移動レンズ体に対して光路の狭い被写体側に配置するため、光路が広い撮像素子側に付属ユニットをを配置した場合と比較して、光学部材として小さなものを用いることができ、レンズ駆動装置の小型化に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したレンズ駆動装置を説明する。
【0015】
(全体構成)
図1は、本発明を適用したレンズ駆動装置の要部の断面図である。図1において、本形態のレンズ駆動装置1は、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話機などの薄型カメラにおいて、3枚のレンズ16、17、18を光軸Lに沿って被写体(物体側)に近づくA方向、および被写体とは反対側(像側)に近づくB方向の双方向に移動させるためのものであり、レンズ駆動装置本体2は、概ね、3枚のレンズ16、17、18、および固定絞り19を円筒状のレンズホルダ11上に一体に保持した移動レンズ体10と、この移動レンズ体10を光軸Lに沿って移動させるレンズ駆動機構5と、レンズ駆動機構5および移動レンズ体10が搭載された固定部材20とを有している。本形態において、固定部材20は、像側で撮像素子30を保持するベース21と、被写体側に位置するケース22とから構成され、ベース21とケース22とはネジ(図示せず)や接着剤などで連結されている。
【0016】
(レンズ駆動機構5の構成)
レンズ駆動機構5は、ステータ50と回転体40とを備えたステッピングモータ構造を備えている。ステータ50は、環状の駆動コイル55を2つ備えており、2つの駆動コイル55は各々、2枚の環状のヨーク51の間に挟まれた状態にある。この状態で、ステータ50の下段側および上段側のいずれにおいても、2枚のヨーク51の極歯が周方向に交互に配置される。なお、2つの駆動コイル55から計4本のコイル端末線が引き出され、これらのコイル端末線は各々、端子81に接続されている。
【0017】
本形態のレンズ駆動機構5において、円筒状のステータ50の内側には、移動レンズ体10との間に円筒状の回転体40が同軸状に配置され、この回転体40は、2つの円筒状の駆動マグネット41と、円筒状の樹脂製のスリーブ42とを有している。駆動マグネット41の外周面には、S極とN極が周方向に交互に配列され、その内側にスリーブ42が接着固定されている。
【0018】
スリーブ42は、カバー22とベース21との間に、スラスト軸受23などによって光軸方向への移動が阻止された状態で光軸L周りに回転可能な状態にある。従って、2つの駆動コイル55に給電すると、駆動マグネット41とスリーブ42を備えた回転体40は、光軸L周りに回転することになる。
【0019】
ここで、スリーブ42の内周面には、駆動マグネット41の回転力を移動レンズ体10に伝達して移動レンズ体10を光軸Lに沿って移動させる駆動力伝達部としての雌ネジ43が形成されている。
【0020】
本形態のレンズ駆動装置1では、スリーブ42の内側に移動レンズ体10が同軸状に配置されている。移動レンズ体10においてレンズホルダ11の外周面には雄ネジ14が形成されており、移動レンズ体10は、雄ネジ14が雌ネジ43に係合することにより、スリーブ42に対して、光軸L周りに回転可能、かつ、光軸Lに沿って移動可能に支持されている。また、スリーブ42の雌ネジ43と移動レンズ体10の雄ネジ72とは、駆動マグネット41の回転によって移動レンズ体10を光軸Lに沿って移動させるための伝達機構を構成している。なお、本形態では、図示を省略するが、ケース22および回転体40のうちの一方には、光軸L方向に突出する複数本の突起が形成されている一方、他方側には、突起が嵌る凹部が形成されており、これらの突起および凹部によって、移動レンズ体10に雄ネジ14および雌ネジ43を介してスリーブ42の回転力が伝達されたときに移動レンズ体10の供回りを阻止する供回り阻止機構が構成されている。また、移動レンズ体10とケース22との間には、雄ネジ14および雌ネジ43との間のバックラッシュを防止するためのバネ59が配置されている。
【0021】
このように構成したレンズ駆動装置1では、駆動コイル55に給電すると、回転体40が光軸L周りに回転し、その回転は、雄ネジ14および雌ネジ43によって光軸に沿って動く直線運動に変換されて、移動レンズ体10は光軸Lに沿って移動し、オートフォーカス動作が行われる。図1には、一点鎖線L1によって、移動レンズ体10が最も被写体側の至近距離位置に移動した様子を示し、二点鎖線L2によって、移動レンズ体10が最も撮像素子30の側の無限遠位置に移動した様子を示してある。図1からわかるように、移動レンズ体10が至近距離位置に移動した状態で、移動レンズ体10の被写体側の小径の端部15は、ケース22の上面から突出することになる。
【0022】
(付属ユニットの構成)
図2、図3および図4はそれぞれ、本形態のレンズ駆動装置に用いた付属ユニットを被写体側からみたときの平面図、付属ユニットを被写体側からみたときの斜視図、および付属ユニットを撮像素子側からみたときの斜視図である。
【0023】
図1〜図4に示すように、本形態のレンズ駆動装置1において、レンズ移動体10に対して被写体側(レンズ駆動装置本体2やケース22に対して被写体側)には、シャッタ板81(板状の光学部材)および減光フィルタ板86(板状の光学部材)を備えた付属ユニット8が積層されており、この付属ユニット8において被写体側には、光路を確保するための開口260が形成されたカバー26が配置されている。ここで、シャッタ板81は1枚の平板から構成され、減光フィルタ板86は、1枚の平板を2箇所で90°に折り曲げた構造を有している。
【0024】
付属ユニット8において、シャッタ板81に対しては、シャッタ板81に連結された回転軸83を、光軸Lに平行な軸線L6周りに回転させてシャッタ板81を光路に出現した位置と光路から退避した位置とに駆動するシャッタ板駆動機構60(第1の光学部材駆動機構)が構成されている。シャッタ板駆動機構60は、コア板91およびコア板91に巻回されたコイル82を備えたステータ61と、このステータ61によって回転駆動されるロータマグネット84とを備えており、ロータマグネット84は回転軸83に固着されている。ここで、シャッタ板81は、シャッタ板駆動機構60より被写体側に配置されている。なお、ロータマグネット84は、周方向にN極とS極が形成されている。
【0025】
また、付属ユニット8において、減光フィルタ板86に対しては、減光フィルタ板86が連結された回転軸88を、光軸Lに平行な軸線L7周りに回転させて減光フィルタ板86を光路に出現した位置と光路から退避した位置とに駆動するフィルタ板駆動機構70(第2の光学部材駆動機構)が構成されている。フィルタ板駆動機構70は、コア板92およびコア板92に巻回されたコイル87を備えたステータ71と、このステータ71によって回転駆動されるロータマグネット89とを備えており、ロータマグネット89は回転軸88に固着されている。ここで、減光フィルタ板86は、フィルタ板駆動機構70より被写体側に配置されている。なお、ロータマグネット89は、周方向にN極とS極が形成されている。
【0026】
このようなシャッタ板駆動機構60およびフィルタ板駆動機構70において、本形態では、ケース22の上面に平伏した状態に配置された地板90の上層側に5枚のコア板95、96、97、99、99を積層した矩形枠状の積層コア体94が用いられており、この積層コア体94において、コア板95、96、97、99、99は各々、所定のパターンで分割されている。また、地板90および5枚のコア板95、96、97、99、99は、図2および図3に示すように、磁性材料からなる4本のボルト71、72、73、74で連結されている。
【0027】
さらに本形態では、シャッタ板駆動機構60では、積層コア体94の上から3枚目のコア板97の一部分が、コイル82を巻回したコア板91として利用され、矢印L60で示す磁路が構成されている。また、フィルタ板駆動機構70でも、積層コア体94の上から3枚目のコア板97の一部分がコイル87を巻回したコア板92として利用され、矢印70で示す磁路が構成されている。
【0028】
(本形態の主な効果)
図5(a)、(b)、(c)は、本形態の効果を説明するための説明図である。
【0029】
以上説明したように、本形態の付属ユニット8においては、シャッタ板駆動機構60およびフィルタ板駆動機構70のステータ61、71を構成するのに、ケース22の被写体側の面に平伏した姿勢で配置された矩形枠状の積層コア体94が用いられている。また、シャッタ板81および減光フィルタ86は、積層コア体94より被写体側に配置されている。このため、付属ユニット8の撮像素子30側には、その中央部分に空間80が形成されている。
【0030】
このため、本形態のレンズ駆動装置1では、図1および図5(a)に示すように、移動レンズ体10が至近距離位置に移動した際、被写体側の小径の端部15は、付属ユニット8の空間80内に入り込む。このため、本形態のレンズ駆動装置1では、レンズ駆動装置本体2の被写体側に付属ユニット8を重ねて機能を高めた場合でも、レンズ駆動装置1の光軸方向における寸法が短くて済む。
【0031】
また、本形態では、付属ユニット8をレンズ駆動装置本体2に対して被写体側に配置したため、シャッタ板81および減光フィルタ86としてサイズの小さなものを用いることができる。すなわち、本形態では、図5(b)に示すように、固定絞り19からみたとき、光路が狭い被写体側に付属ユニット8(シャッタ板81および減光フィルタ86)を配置したため、図5(c)に示すように、光路が広い撮像素子30側に付属ユニット8(シャッタ板および減光フィルタ)を配置した場合と比較して、シャッタ板81および減光フィルタ86として外径が小さなものを用いることができ、レンズ駆動装置1の小型化に適している。
【0032】
(その他の実施の形態)
なお、上記形態では、付属ユニット8にシャッタ板81および減光フィルタ板86を配置した例であったが、このような板状の光学部材として、シャッタ板81や減光フィルタ板86に代えて、絞り板や色変換板、赤外線フィルタ板(赤外線カットフィルタ板あるいは赤外線透過フィルタ)、紫外線フィルタ板(紫外線カットフィルタ板あるいは紫外線透過フィルタ)を付属ユニットに搭載したレンズ駆動装置に本発明を適用してもよい。コアに付いては積層構造を取らない一体構造のコアでも良い。
【0033】
また、上記形態では、付属ユニット8に2枚の光学部材(シャッタ板81および減光フィルタ板86)を配置した例であったが、いずれか1枚の光学部材を配置した場合に本発明を適用してもよい。
【0034】
さらに、上記形態では、ステータによってロータを回転駆動し、その回転動作を直線的な動きに変換して、移動レンズ体をレンズの光軸に沿って直線的に磁気駆動するレンズ駆動装置の例であったが、移動レンズ体をレンズの光軸に沿って直線的に磁気駆動するタイプのレンズ駆動装置に本発明を適用してもよい。
【0035】
さらにまた、上記形態では、オートフォーカス機能を有するレンズ駆動装置に本発明を適用した例を説明したが、オートフォーカス機能に代えてズーム機能を有するレンズ駆動装置あるいは、オートフォーカス機能およびズーム機能の双方を有するレンズ駆動装置に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明を適用したレンズ駆動装置の要部の断面図である。
【図2】図1に示す付属ユニットを被写体側からみたときの平面図である。
【図3】図1に示す付属ユニットを被写体側からみたときの斜視図である。
【図4】図1に示す付属ユニットを撮像素子側からみたときの斜視図である。
【図5】図1に示すレンズ駆動装置の効果を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1 レンズ駆動装置
5 レンズ駆動機構
8 付属ユニット
10 移動レンズ体
16、17、18 レンズ
19 固定絞り
20 固定部材
60 シャッタ板駆動機構(第1の光学部材駆動機構)
70 フィルタ板駆動機構(第2の光学部材駆動機構)
81 シャッタ板(板状の光学部材)
86 減光フィルタ板(板状の光学部材)
90 地板
94 積層コア体
95、96、97、99、99 コア板
L 光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを備えた移動レンズ体と、該移動レンズ体を前記レンズの光軸に沿って往復移動させるためのレンズ駆動機構とを備えたレンズ駆動装置において、
前記移動レンズ体に対して被写体側には、板状の光学部材、および当該光学部材を光路上に出現した位置と光路上から退避した位置との間で駆動する光学部材駆動機構を備えた付属ユニットが配置され、
当該付属ユニットには、前記移動レンズ体が被写体側の至近距離位置側に移動した際、当該移動レンズ体の被写体側端部が入り込む空間を備えていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
請求項1において、前記光学部材駆動機構は、積層コアと、該積層コアに巻回されたコイルと、該コイルによって回転駆動されるロータマグネットとを備え、当該ロータマグネットの回転によって前記光学部材を駆動するように構成され、
前記光学部材は、前記積層コアより被写体側に配置されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記付属ユニットは、少なくとも、前記光学部材としてシャッタ板、絞り板、色変換板、減光フィルタ板、赤外線フィルタ板、および紫外線フィルタ板から選ばれた1つの光学部材を備えていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項4】
請求項1において、前記付属ユニットは、少なくとも、前記光学部材としてシャッタ板、絞り板、色変換板、減光フィルタ板、赤外線フィルタ板、および紫外線フィルタ板から選ばれた2つの光学部材を備えているとともに、
前記光学部材駆動機構として、前記2つの光学部材のうちの一方の光学部材を駆動する第1の光学部材駆動機構と、他方の光学部材を駆動する第2の光学部品駆動機構とを備えていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項5】
請求項4において、前記第1の光学部品駆動機構は、第1の積層コア、および該第1の積層コアの一部分に巻回された第1のコイルを備えた第1のステータと、該第1のステータによって回転駆動される第1のロータマグネットとを備えるとともに、当該第1のロータマグネットの回転によって前記一方の光学部品を駆動するように構成され、
前記第2の光学部品駆動機構は、第2の積層コア、および該第2の積層コアの一部分に巻回された第2のコイルを備えた第2のステータと、該第2のステータによって回転駆動される第2ロータマグネットとを備えるとともに、当該第2のロータマグネットの回転によって前記他方の光学部品を駆動するように構成され、
前記第1の積層コアと前記第2のコアとは一体の積層コア体として構成され、
前記一方の光学部品および前記他方の光学部品はいずれも、前記積層コア体より被写体側に配置されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを備えた移動レンズ体と、該移動レンズ体を前記レンズの光軸に沿って往復移動させるためのレンズ駆動機構とを備えたレンズ駆動装置において、
前記移動レンズ体に対して被写体側には、板状の光学部材、および当該光学部材を光路上に出現した位置と光路上から退避した位置との間で駆動する光学部材駆動機構を備えた付属ユニットが配置され、
当該付属ユニットには、前記移動レンズ体が被写体側の至近距離位置側に移動した際、当該移動レンズ体の被写体側端部が入り込む空間を備えていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
請求項1において、前記光学部材駆動機構は、コイルを備えたステータと、該ステータによって回転駆動されるロータマグネットとを備え、当該ロータマグネットの回転によって前記光学部材を駆動するように構成され、
前記光学部材は、前記ステータより被写体側に配置されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項3】
請求項2において、前記ステータでは、前記コイルがコアに巻回され、
前記光学部材は、前記コアより被写体側に配置されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記付属ユニットは、少なくとも、前記光学部材としてシャッタ板、絞り板、色変換板、減光フィルタ板、赤外線フィルタ板、および紫外線フィルタ板から選ばれた1つの光学部材を備えていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項5】
請求項1において、前記付属ユニットは、少なくとも、前記光学部材としてシャッタ板、絞り板、色変換板、減光フィルタ板、赤外線フィルタ板、および紫外線フィルタ板から選ばれた2つの光学部材を備えているとともに、
前記光学部材駆動機構として、前記2つの光学部材のうちの一方の光学部材を駆動する第1の光学部材駆動機構と、他方の光学部材を駆動する第2の光学部品駆動機構とを備えていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項6】
請求項5において、前記第1の光学部品駆動機構は、第1のコイルを備えた第1のステータと、該第1のステータによって回転駆動される第1のロータマグネットとを備えるとともに、当該第1のロータマグネットの回転によって前記一方の光学部品を駆動するように構成され、
前記第2の光学部品駆動機構は、第2のコイルを備えた第2のステータと、該第2のステータによって回転駆動される第2のロータマグネットとを備えるとともに、当該第2のロータマグネットの回転によって前記他方の光学部品を駆動するように構成され、
前記一方の光学部品は、前記第1のステータよりも被写体側に配置され、
前記他方の光学部品は、前記第2のステータよりも被写体側に配置されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項7】
請求項6において、前記第1のステータでは、前記第1のコイルが第1のコアに巻回され、前記第2のステータでは、前記第2のコイルが第2のコアに巻回され、
前記第1のコアと前記第2のコアとは一体のコア体として構成され、
前記一方の光学部品および前記他方の光学部品はいずれも、前記コア体より被写体側に配置されていることを特徴とするレンズ駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−242994(P2006−242994A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−54427(P2005−54427)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】