説明

レンズ駆動装置

【課題】従来の定速オートズーム機能やスピードプリセットズーム機能のような定速制御機能の利点を兼ね備えてズームの定速制御機能の利便性を向上させることができるレンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るレンズ駆動装置は、定速制御機能である定速オートズームスイッチ44が押されて、ズームを定速移動させる場合に、操作者がズームを電動操作するためのシーソースイッチ20の状態に応じて、2種類の定速制御が実行される。シーソースイッチ20を所定の操作量未満で操作している状態(0は含まない)で定速オートズームスイッチ44を押すと、そのときのズームの移動方向及び移動速度でズームを定速移動させることができる。一方、シーソースイッチ20を操作しない状態で定速オートズームスイッチ44を押すと、前回定速移動させた際の移動方向及び移動速度でズームを定速移動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンズ駆動装置に係り、特に放送用又は業務用のテレビカメラ等に使用される撮影レンズのズームを定速移動させる(定速制御する)定速制御機能を備えたレンズ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放送用又は業務用のテレビカメラに使用されるレンズ装置において、撮影レンズ(撮影光学系)に組み込まれた可動のレンズ群や絞り装置等をモータにより駆動して撮影レンズのフォーカス(焦点位置)やズーム(焦点距離)等の光学調整を電動で行うためのレンズ駆動装置を備えたものが使用されている。このようなレンズ駆動装置を使用して操作者がマニュアル操作により撮影レンズの光学調整を行う場合に、操作者が電動用のマニュアル操作部材の操作をすると、そのマニュアル操作部材の操作がレンズ駆動装置に与えられ、その操作にしたがってフォーカスやズーム等の位置や速度がレンズ駆動装置によって制御されるようになっている。
【0003】
例えば、テレビカメラで使用される撮影レンズのタイプとして、主に取材等に携帯するハンディカメラ(ENGカメラ)用のENGレンズと呼ばれるレンズ装置が知られている。ENGレンズは、レンズ鏡胴にフォーカス、ズーム等の操作リングが設けられており、そのレンズ鏡胴には各操作リングを電動で回動させるためのモータを搭載した駆動ユニットと呼ばれるレンズ駆動装置が標準的に装着されている。駆動ユニットの筐体にはシーソースイッチ(ズームシーソーコントロールスイッチ)と呼ばれる電動用のマニュアル操作部材が設けられており、操作者がそのシーソースイッチを操作することでズーム用の操作リングをモータで回動させて撮影レンズのズームを電動で移動させることができるようになっている。
【0004】
また、主にスタジオで架台に固定されて使用されるEFPレンズと呼ばれる箱型のカバー内に撮影レンズが収められたレンズ装置が知られている。EFPレンズでは、ENGレンズのような操作リングを介すことなく可動のレンズ群をモータの動力で駆動するための動力伝達機構とモータを制御する制御回路とが内蔵されると共に、ケーブルを介してコントローラが接続され、それらの動力伝達機構、制御回路、コントローラによって上記のようなレンズ駆動装置が構成されるようになっている。ENGレンズに接続されるコントローラには、フォーカス用のコントローラやズーム用のコントローラ等があり、それらのコントローラに設けられた電動用のマニュアル操作部材を操作者が操作することによって、フォーカスやズーム等を電動で移動させることができるようになっている。
【0005】
このようなレンズ駆動装置において、従来、位置プリセット機能や定速制御機能等のズーム制御機構を搭載したものが知られている。
【0006】
位置プリセット機能は、所望のズーム位置をプリセット位置として記憶させておくことによって、所定のスイッチ操作によりズームを任意の位置からプリセット位置に移動させることができる機能であり、例えば、特許文献1においてファストポジションプリセット機能として開示されている。これによれば、ズーム用のマニュアル操作部材によりズームをプリセット位置として記憶させたい位置に設定した後、プリセットズームスイッチとメモリスイッチの両方を押す(オンする)と、そのときのズーム位置をプリセット位置として記憶させることができる。そして、所望時にプリセットズームスイッチのみを押すと、ズームが任意の位置からプリセット位置に移動するようになっている。
【0007】
なお、本明細書では、プリセットズームスイッチに相当するスイッチ(再生用のスイッチ)をプリセットオンスイッチ(又は、単にオンスイッチ)といい、メモリスイッチに相当するスイッチ(記憶用のスイッチ)をプリセットメモスイッチ(又は、単にメモスイッチ)というものとする。
【0008】
一方、定速制御機能は、ズームを一定速度(定速)で移動させる定速制御を行う機能であり、具体的には、定速オートズーム機能(又はオートクルージングズーム機能)と呼ばれるものと、スピードプリセットズーム機能と呼ばれるものとが知られている。
【0009】
定速オートズーム機能は、例えば、特許文献2に開示されている機能であり、ズーム用のマニュアル操作部材(ズーム操作部材)によりズームを所望の移動方向及び移動速度で移動させている際に、所定のスイッチ操作を行うと、その時の移動方向及び移動速度でズームを定速移動させることができる機能である。
【0010】
スピードプリセットズーム機能は、所望のズームの移動方向及び移動速度をプリセット方向及びプリセット速度として記憶させておくことによって、所定のスイッチ操作によりズームをプリセット方向及びプリセット速度の条件で定速移動させることができる機能であり、例えば、特許文献1に開示されている。これによれば、ズーム操作部材によりズームをプリセット方向及びプリセット速度として記憶させたい移動方向及び移動速度で移動させた状態でメモスイッチを押すと、そのときのズームの移動方向及び移動速度をプリセット方向及びプリセット速度として記憶させることができる。そして、所望時にプリセットズームスイッチを押すと、ズームがプリセット方向及びプリセット速度の条件で定速移動するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−287672号公報
【特許文献2】特開2000−290068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記の定速オートズーム機能とスピードプリセットズーム機能とは、主にズーム操作部材の操作では難しい低速でのズームの定速移動を行いたい場合に効果的に使用される機能であり、その点で類似した定速制御機能である。
【0013】
一方、定速オートズーム機能では、操作者がズーム操作部材により実際に設定しているズームの移動方向及び移動速度をそのまま保持して定速制御を行うため、例えば撮影本番時において、操作者が定速制御時のズームの移動方向や移動速度を状況に応じて適宜調整できるという利点がある。これに対して、スピードプリセットズーム機能では、事前に記憶されているプリセット方向及びプリセット速度の条件によりズームの定速制御を行うため、定速制御を開始する際に操作者がズーム操作部材を操作してズームを定速制御の際の移動方向及び移動速度で移動させる必要がなく、また、何度でも同じ条件でズームを定速移動させることができるという利点がある。
【0014】
したがって、これらの両方の利点を併せ持つような定速制御機能を提供することができれば定速制御機能の利便性が向上しユーザにとって有益なものとなる。即ち、従来の定速オートズーム機能においてズームを何度でも同じ条件で定速移動させることができれば有益である。
【0015】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ズームの定速制御機能の利便性を向上させることができるレンズ駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するために、本発明に係るレンズ駆動装置は、操作者の操作にしたがって撮影光学系のズームの移動方向及び移動速度、又は、ズームの移動位置を指示する操作信号を出力する電動用操作手段と、前記電動用操作手段から出力された操作信号に基づいて前記ズームを制御するズーム制御手段と、オン状態とオフ状態とで切り替えられる指示スイッチと、前記ズーム制御手段により制御されている前記ズームの状態が少なくとも停止している状態を含まない第1状態であるか、又は、少なくとも前記第1状態を含まない第2状態であるかを判別するズーム状態判別手段と、前記ズーム状態判別手段により前記第1状態であると判別され、且つ、前記指示スイッチがオン状態であることを検出した場合に、該検出時における現在の前記ズームの移動方向及び移動速度で前記ズームを定速移動させると共に、該移動方向及び移動速度をプリセット方向及びプリセット速度として記憶する第1定速制御手段と、前記ズーム状態判別手段により前記第2状態であると判別され、且つ、前記指示スイッチがオン状態であることを検出した場合に、前記第1定速制御手段により記憶されたプリセット方向及びプリセット速度で前記ズームを定速移動させる第2定速制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0017】
本発明によれば、第1定速制御手段により従来の定速オートズーム機能と同様の定速移動を行わせることができる。即ち、操作者は、指示スイッチをオンした際に、そのときに操作者が電動用操作手段により実際にズームを移動させている移動方向及び移動速度でズームを定速移動させることができる。一方、第2定速制御手段により従来のスピードプリセットズーム機能と同様の定速移動を行わせることができる。即ち、第1定速制御手段によりズームを定速移動させたときに自動的に記憶されたプリセット方向及びプリセット速度でズームを移動させることができ、第1定速制御手段又は第2定速制御手段により前回の定速移動させたときと同じ条件でズームを定速移動させることができる。したがって、本発明に係るレンズ駆動装置は、従来の定速オートズーム機能とスピードプリセットズーム機能の両方の利点を兼ね備えた定速制御機能であり、適宜、操作者がいずれの態様の定速制御を実行させるかを選択することができる。そして、従来の定速オートズーム機能と比較して何度でも同じ条件でズームを定速移動させることが容易に行えるようになるという利点を有している。
【0018】
本発明では、前記第2状態は、前記ズームが停止した状態であり、前記第1状態は、前記ズームが停止した状態を含まない状態であって、前記ズームが所定の判定速度未満の移動速度で移動している状態であることが望ましい。本形態は指示スイッチをオン状態にした際に第1定速制御手段と第2定速制御手段のいずれの定速制御を実行されるかを半部得するズームの状態を具体的に示したものである。
【0019】
本発明では、前記ズーム状態判別手段は、前記電動用操作手段から出力された操作信号に基づいて前記ズームの状態が前記第1状態であるか、又は、前記第2状態であるかを判別することが望ましい。本形態は、ズームの状態を判別するための一形態であり、電動用操作手段からの出力されている操作信号に基づいてズームの状態が第1状態であるか第2状態であるかを判別するようにしている。
【0020】
本発明では、前記電動用操作手段は、操作者の操作により操作方向と操作量が変化する操作部材を備え、該操作部材の操作方向及び操作量に対応する前記ズームの移動方向及び移動速度を指示する操作信号を出力する操作手段である形態を採用できる。本形態は、電動用操作手段としてシーソースイッチのような操作部材によりズームの移動方向と移動速度を指示する操作信号を出力する操作手段を想定したものである。
【0021】
このような電動用操作手段を採用した場合において、以下のような形態を採用できる。
【0022】
前記ズーム状態判別手段は、前記電動用操作手段から出力された操作信号に基づいて前記操作部材の操作量を検出し、該検出した操作量に基づいて前記第1状態であるか、又は、前記第2状態であるかを判別することができる。
【0023】
また、前記ズーム状態判別手段は、前記検出した前記操作部材の操作量の最大操作量に対する割合が0より大きく、且つ、所定の判定割合未満であることを検出した場合に、前記第1状態であると判別し、前記割合が0であることを検出した場合に、前記第2状態であると判別することができる。前記判定割合を50パーセントとすることが望ましい。
【0024】
また、前記第1定速制御手段及び前記第2定速制御手段は、前記ズームを定速移動させている際に、前記電動用操作手段から出力された操作信号に基づいて前記操作部材の操作量を検出し、前記割合が所定の判定割合以上となる操作を検出した場合に、前記ズームの定速移動を停止することが望ましい。前記判定割合を50パーセントとすることが望ましい。本形態は、定速移動を停止させるための操作の一形態を示す。
【0025】
また、前記第1定速制御手段及び前記第2定速制御手段は、前記ズームを定速移動させている際に、前記電動用操作手段から出力された操作信号に基づいて前記操作部材の操作方向を検出し、該検出した操作方向が、前記ズームの定速移動の移動方向と反対の移動方向への移動を指示する場合には、前記ズームの定速移動の移動方向を反転させて前記ズームを定速移動させることが望ましい。本形態は定速移動の方向を反転させる操作の一形態を示す。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ズームの定速制御機能の利便性を向上させることができる
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明が適用された駆動ユニットが装着されたENGレンズの外観を示した平面図
【図2】本発明が適用された駆動ユニットが装着されたENGレンズの外観を示した後面図
【図3】本発明が適用されたレンズ駆動装置の内部構成を示したブロック図
【図4】定速オートズーム機能に関するCPUの処理手順を示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に従って本発明に係るレンズ駆動装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0029】
図1及び図2は、本発明が適用された駆動ユニットが装着されたENGレンズの外観を示した平面図及び後面図である。これらの図に示すENGレンズ1は、ENGカメラ等の放送用テレビカメラに用いられるインナーフォーカス式ズームレンズであり、レンズ鏡胴2には、フォーカスリング4、ズームリング6及びアイリスリング8が設けられ、アイリスリング8の後部にはエクステンダ装置10が設けられている。レンズ鏡胴2の後端部には撮像素子等を搭載したカメラ本体(カメラヘッド)のレンズマウントに着脱可能に装着されるマウント部12が設けられている。
【0030】
また、レンズ鏡胴2の側部には前記フォーカスリング4、ズームリング6及びアイリスリング8をモータで駆動するための駆動ユニット14が取り付けられている。
【0031】
レンズ鏡胴2の内部構成については詳細な説明を省略するが、周知の如く、レンズ鏡胴2内に支持される撮影光学系として、前方(被写体側)から順に、固定フォーカスレンズ群、移動フォーカスレンズ(単にフォーカスレンズ群という)、変倍レンズ群(ズームレンズ群)、絞り(絞り装置)、及びリレーレンズ群等が配置されている。そして、フォーカスリング4を回動することによりフォーカスレンズ群が光軸に沿って前後移動して撮影光学系のフォーカス(焦点位置)が至近側又は無限遠側に移動し、ズームリング6を回動することによりズームレンズ群が光軸に沿って前後移動して撮影光学系のズーム(焦点距離)がワイド側又はテレ側に移動し、アイリスリング8を回動することにより絞りの開口径が変化し、撮影光学系の絞り値が増加又は減少するようになっている。
【0032】
駆動ユニット14はケース18を有し、このケース18はビス19、19によりレンズ鏡胴2の側部に取り付けられている。
【0033】
ケース18内には、後述の図3に示すフォーカス駆動用モータ、ズーム駆動用モータ、アイリス駆動用モータが配置されている。フォーカス駆動用モータは、図示せぬギヤ伝達機構を介してフォーカスリング4に連結されており、このフォーカス駆動用モータの動力によりフォーカスリング4が回動するようになっている。尚、駆動ユニット14にフォーカス駆動用モータが搭載されていないものもあり、本実施の形態では、フォーカス駆動用モータが搭載されていなくてもよい。
【0034】
また、ズーム駆動用モータは、図示せぬギヤ伝達機構を介してズームリング6に連結されており、ズーム駆動用モータの動力によりズームリング6が回動するようになっている。同様にアイリス駆動用モータは、図示せぬギヤ伝達機構を介してアイリスリング8に連結されており、このアイリス駆動用モータの動力によりアイリスリング8が回動するようになっている。
【0035】
ケース18の上面にはズームシーソーコントロールスイッチ20(以下、シーソースイッチ20という)、絞りのオート/マニュアルモード切替スイッチ22、アイリスモーメンタリースイッチ24、リターンスイッチ26等が設けられている。また、取付用ビス19、19の近くには、プリセットオンスイッチ30(又は、単にオンスイッチ30という)及びプリセットメモスイッチ32(又は、単にメモスイッチ32という)が設けられている。なお、スイッチ22、24、26は周知の機能に使用されるスイッチであり説明を省略する。
【0036】
シーソースイッチ20は、ズーム用且つ電動用の操作部材であり、非操作時に所定の中立位置に自動復帰し、押込み操作を行う位置によって正側と負側に揺動(回動)するように設けられている。シーソースイッチ20の正側と負側の各々の揺動方向は、ズームをテレ側に移動させる操作方向とワイド側に移動させる操作方向とに対応付けられており、シーソースイッチ20の操作方向が例えばテレ側となるように押込み操作を行うと、ズーム駆動用モータによってズームリング6がテレ側に回動し、撮影レンズのズーム(ズームレンズ群)がテレ側に移動するようになっている。また、そのときのシーソースイッチ20の押込み量(操作量)によってズーム(ズームレンズ群)の移動速度(ズーム速度)を調整することができ、操作量が大きいほどズームの移動速度が速くなる。
【0037】
プリセットオンスイッチ30(オンスイッチ30)及びプリセットメモスイッチ32(メモスイッチ32)は、位置プリセット機能に使用されるスイッチである。位置プリセット機能は、所望のズーム位置をプリセット位置として記憶させておくことによって、所定のスイッチ操作によりズームを任意の位置からプリセット位置に移動(再生)させることができる機能である。オンスイッチ30とメモスイッチ32の両方を押すと(オン状態すると)、そのときのズーム位置がプリセット位置として記憶される。一方、オンスイッチ30のみを押すと(メモスイッチ32はオフ状態)、ズームがプリセット位置に移動するようになっている。
【0038】
ケース18の側面にはグリップバンド40が設けられている。操作者(カメラマン)はこのグリップバンド40の中に右手(親指以外の4本の指)を挿入してレンズ鏡胴2を保持することができるようになっている。
【0039】
ケース18の後面にはVTRスイッチ42及び定速オートズームスイッチ44が設けられている(図2参照)。VTRスイッチ42は、撮影中の映像をビデオテープに記録(録画)する際の録画開始/終了を操作するためのスイッチである。
【0040】
定速オートズームスイッチ44は、定速オートズーム機能を実行するためのスイッチである。詳細は後述するが、本実施の形態における定速オートズーム機能は、従来の定速オートズーム機能のように、シーソースイッチ20の操作している際に定速オートズームスイッチ44を押すと、ズームをそのときの移動方向及び移動速度で定速移動させる定速制御が開始される。定速制御が開始されると、シーソースイッチ20の操作を解除(非操作時の状態)又は変化させた場合であっても定速制御が継続され、ズームの定速移動が継続する。一方、定速制御が行われている際に、例えばスイッチ32を再度押すと、定速制御が停止し、シーソースイッチ20の操作にしたがってズームが移動するようになる。
【0041】
また、シーソースイッチ20を操作していない状態で定速オートズームスイッチ44を押すと、前回実行された定速制御時の移動方向及び移動速度と同じ条件で定速制御が行われるようになっている。
【0042】
ケース18の後面には、ズーム最大スピード調節ツマミ46が設けられ、このツマミ46を回動操作することによって、シーソースイッチ20の操作量(押込み量)に対するズームの移動速度を適宜変更することができるようになっている。即ち、シーソースイッチ20をテレ側又はワイド側に最も深く押込み操作したときの最大操作量において、ズームが最大速度でテレ側又はワイド側に移動するが、そのズームの最大速度をズーム最大スピード調節ツマミ46で調整することができる。なお、位置プリセット機能によるプリセット位置の再生時のズームの移動速度もこのズーム最大スピード調節ツマミ46の設定位置に応じて可変される。
【0043】
また、図2に示した符号48はエクステンダー切替レバーであり、該レバー48を回動操作することによって、2倍のエクステンダレンズを光路中に挿脱することができるようになっている。
【0044】
図3は、上記ENGレンズ1の駆動ユニット14の内部構成を示したブロック図であり、主として駆動ユニット14の定速オートズーム機能に関連する構成部を示したブロック図である。
【0045】
同図には、図1に示したレンズ鏡胴2のフォーカスリング4、ズームリング6、アイリスリング8の回動によって動作するフォーカスレンズ群FL、ズームレンズ群ZL、絞りIが示されると共に、フォーカスリング4、ズームリング6、アイリスリング8の各々に連結された駆動ユニット14内のフォーカス駆動用モータFM、ズーム駆動用モータZM、アイリス駆動用モータIMが示されている。各モータFM、ZM、IMの動力をフォーカスレンズ群FL、ズームレンズ群ZL、絞りIに伝達するフォーカスリング4、ズームリング6、アイリスリング8等の動力伝達機構は同図では省略されている。
【0046】
また、駆動ユニット14内には、同図に示すように、CPU60、D/A変換器62、A/D変換器64、フォーカスアンプFA、ズームアンプZA、アイリスアンプIA等の制御系を構成する各種回路部品が搭載されている。
【0047】
CPU60は、フォーカスレンズ群FL、ズームレンズ群ZL、絞りIを各モータFM、ZM、IMにより駆動して、撮影光学系のフォーカス、ズームを移動させ、絞り値を変更する際に、各モータFM、ZM、IMを回転させる速度(方向及び速度)に対応した値の駆動信号を出力している。その駆動信号は、D/A変換器62によりデジタル信号からアナログ信号に変換された後、各アンプFA、ZA、IAに入力される。そして、各アンプFA、ZA、IAにより駆動信号を増幅した駆動電圧が各モータFM、ZM、IMに印加され、駆動信号に値に対応した回転速度で各モータFM、ZM、IMが回転するようになっている。これにより、フォーカスレンズ群FL、ズームレンズ群ZL、絞りIが各々に連結された各モータFM、ZM、IMの回転速度、即ち、CPU60からの駆動信号に基づく速度で動作するようになっている。したがって、CPU60は、駆動信号の値によってフォーカス、ズームの移動速度や絞り値の変化速度を制御することができる。
【0048】
また、駆動ユニット14内には、フォーカスレンズ群FL、ズームレンズ群ZL、絞りIの現在位置を検出するためのポテンショメータが設けられており、それらのポテンショメータは、例えば各モータFM、ZM、IMの回転軸に連結されている。同図には、ズームレンズ群ZLの位置を検出するためのズーム用ポテンショメータZPのみが例示されている。各ポテンショメータから出力される位置信号は、A/D変換器64を介してCPU60に与えられるようになっている。したがって、CPU60は、位置信号を参照しながら各モータFM、ZM、IMの回転速度を駆動信号により制御することによって、フォーカスレンズ群FL、ズームレンズ群ZL、絞りIの位置を制御することができ、フォーカス位置、ズーム位置、絞り値を制御することができる。
【0049】
同図に示すカメラ本体(カメラヘッド)70は、ENGレンズ1が装着されるカメラ本体であり、駆動ユニット14とカメラ本体70とはケーブルにより電気的に接続されるようになっている。これにより、CPU60はカメラ本体70と、シリアルコミュニケーションインターフェース(SCI)66を介してシリアル通信を行って各種情報のやり取りを行うことができる。また、A/D変換器68を介してカメラ本体70からのアナログ信号を読み込むことによってアナログ信号を含むパラレル信号による情報のやり取りをカメラ本体70との間で行うことができるようになっている。例えば、絞りIを設定する位置はカメラ本体70からCPU60に与えられるようになっており、CPU60は、カメラ本体70から与えられた位置を目標位置として絞りIの位置を制御する。
【0050】
以下、CPU60におけるズームの制御について説明すると、同図には、図1に示した駆動ユニット14のケース18に設けられたシーソースイッチ20、定速オートズームスイッチ44が示されている。
【0051】
シーソースイッチ20は、上記のように非操作時に所定の中立位置に自動復帰し、押込み操作を行う位置によってテレ側とワイド側に揺動方向(操作方向)を変更することができるスイッチであり、例えばポテンショメータの回転軸に連結されている。CPU60には、そのポテンショメータの出力信号がシーソースイッチ20の操作信号として与えられるようになっており、CPU60において、その操作信号によりシーソースイッチ20の操作方向と操作量(中立位置を0とした押込み量)とが検知されるようになっている。
【0052】
CPU60は、通常のズーム制御時には、シーソースイッチ20からの操作信号に基づいてズーム駆動用モータZMによりズームレンズ群ZLを移動させ、シーソースイッチ20の操作に対応した速度でズームを移動させる。即ち、シーソースイッチ20の操作方向がテレ側の場合にはズームをテレ側に移動させると共に、その操作量に対応した移動速度でズームを移動させる。一方、シーソースイッチ20の操作方向がワイド側の場合にはズームをワイド側に移動させると共に、その操作量に対応した移動速度でズームを移動させる。
【0053】
定速オートズームスイッチ44は、上記のように定速オートズーム機能に使用されるスイッチであり、非操作時にオフ状態に自動復帰し、操作者が押下操作しているときにオン状態となるオン/オフスイッチである。定速オートズームスイッチ44のオン/オフ状態はCPU60により読み取られるようになっている。
【0054】
CPU60は、操作者が定速オートズームスイッチ44を押すことによって定速オートズームスイッチ44がオン状態になったことを検出すると、定速オートズーム機能の処理を実行し、そのときのシーソースイッチ20の操作量に応じて次のような処理を実行する。
【0055】
定速オートズームスイッチ44がオン状態になったときのシーソースイッチ20の中立位置からの操作量Sが、次式(1)、
0(パーセント)<S<50(パーセント)・・・(1)
の条件を満たしている場合、そのときのシーソースイッチ20の操作方向及び操作量に基づく移動方向及び移動速度でズームを定速移動させる定速制御を開始する。なお、操作量Sは、シーソースイッチ20の操作量の最大操作量に対する割合を百分率で表したときの値を示す。
【0056】
これによれば、従来の定速オートズーム機能と同様に操作者がシーソースイッチ20を操作してズームを所望の操作方向及び移動速度で移動させている際に、定速オートズームスイッチ44を押すと、そのときの操作方向及び移動速度でズームの定速移動が開始される。なお、通常、定速オートズーム機能は、低速でズームを定速移動させたい場合に利用される機能であるため、操作量Sが50パーセント未満の場合にのみ定速制御が開始されるようになっており、このような限定があっても特別な不具合は生じない。ただし、50パーセント以外の数値であっても良い。また、上式(1)において、0パーセントという数値はシーソースイッチ20が操作されていない状態か否かを判別するための値であり、誤差等を考慮して0ではない大きさの値としても良い。
【0057】
また、定速オートズームスイッチ44がオン状態になったときのシーソースイッチの操作量Sが上式(1)の条件を満たし、定速制御を開始する場合、CPU60は、そのときの現在のズームの移動方向及び移動速度を図示しないメモリにプリセット方向及びプリセット速度として記憶する。このとき記憶するズームの移動方向及び移動速度の情報として、例えばシーソースイッチ20からの現在の操作信号の値、又は、これに基づいてCPU60がズーム駆動用モータZMを駆動するために出力している現在の駆動信号の値を記憶する。なお、ズーム用ポテンショメータZPからの位置信号の単位時間当たりの変化量に基づいて算出されるズームの移動方向及び移動速度をプリセット方向及びプリセット速度として記憶してもよいし、ズーム駆動用モータZMの回転軸に速度センサを連結してズームの移動方向及び移動速度を直接的に検出するようにし、速度センサにより検出されたズームの移動方向及び移動速度をプリセット方向及びプリセット速度として記憶するようにしてもよい。
【0058】
一方、定速オートズームスイッチ44がオン状態になったときのシーソースイッチの操作量Sが0(パーセント)の場合、上記のように記憶しているプリセット方向及びプリセット速度でズームを定速移動させる。これによれば、操作者は、シーソースイッチ20を操作せずに定速オートズームスイッチ44を押すと、前回実行された定速制御時におけるズームの移動方向及び移動速度と同じ条件でズームを定速移動させることができる。即ち、操作者は、シーソースイッチ20を上式(1)の条件を満たす範囲で操作しながら定速オートズームスイッチ44を押してズームの定速制御を実行させると、自動的にそのときのズームの移動方向及び移動速度がプリセット方向及びプリセット速度として記憶される。そしてその後、操作者はシーソースイッチ20を操作することなく定速オートズームスイッチ44を押すだけで、前回実行させた定速制御と同じ条件で定速制御を実行させることができるようになる。したがって、何度でも同じ条件で定速制御を実行させることができるようになる。
【0059】
なお、CPU60は、定速制御中において、操作量Sが50パーセントを超えるようなシーソースイッチ20の操作(所定の判定速度を超えるような移動速度での移動を指示する操作)が行われると、又は、再度、定速オートズームスイッチ44が押されると、定速制御を停止する。
【0060】
また、定速制御中に、定速移動しているズームの移動方向と反対の移動方向を指示する操作がシーソースイッチ20が操作された場合にはズームの移動方向を反転して定速制御を継続するようにしてもよい。このときのシーソースイッチ20の操作は、定速制御を停止させる操作との混同を防止するために操作量Sが50パーセント以下となる範囲での操作に限定しても良いし、このような限定を無くして、定速制御を停止させる場合のシーソースイッチ20の操作方向をズームが移動している移動方向のみに限定してもよい。
【0061】
以上の定速オートズーム機能に関するCPU60の処理手順(ズームの制御に関する処理)を図4のフローチャートに示す。
【0062】
所要の初期設定を行った後のステップS10では、シーソースイッチ20から出力される操作信号に基づいてシーソースイッチ20の操作量Sを検出し、シーソースイッチ20の操作量Sが0パーセントか否かを判定する。NOと判定した場合にはステップS12に移行し、YESと判定した場合にはステップS26に移行する。
【0063】
ステップS12では、シーソースイッチ20の操作量Sが、上式(1)の条件、即ち、
0(パーセント)<S<50(パーセント)・・・(1)
の条件を満たすか否かを判定する。YESと判定した場合にはステップS14に移行し、NOと判定した場合にはステップS28に移行する。
【0064】
ステップS14では、定速オートズームスイッチ44が押されたか(オン状態となったか)否かを判定する。YESと判定した場合にはステップS16に移行し、NOと判定した場合にはステップS28に移行する。
【0065】
ステップS16では、現在のズームの移動方向及び移動速度をプリセット方向及びプリセット速度として記憶する。即ち、シーソースイッチ20の操作量Sが上式(1)の条件を満たした状態で定速オートズームスイッチ44が押されたときに、そのときのズームの移動方向及び移動速度をプリセット方向及びプリセット速度としてメモリに記憶する。この処理の後、ステップS18に移行する。
【0066】
ステップS18では、プリセット方向及びプリセット速度をメモリから読み出して、その条件でズームを定速移動させる。この処理の後、ステップS20に移行する。
【0067】
ステップS20では、シーソースイッチ20の操作量Sが、50(パーセント)を超えているか否かを判定する。NOと判定した場合にはステップS22に移行し、YESと判定した場合にはステップS24に移行する。
【0068】
ステップS22では、ズームがテレ端又はワイド端に到達したか否かを判定する。NOと判定した場合にはステップS18に戻り、YESと判定した場合にはステップS24に移行する。即ち、ズームがレ端又はワイド端のいずれにも到達せず、シーソースイッチ20の操作量Sが50パーセントを超えない状態のときには、ステップS18の処理が繰り返され、ズームの定速移動が継続される。
【0069】
ステップS24では、定速制御の処理を停止し、ズームを停止させる。即ち、定速制御時において、シーソースイッチ20の操作量Sが50パーセントを越えた場合、又は、ズームがテレ端又はワイド端のいずれかに到達した場合には、ズームの定速制御を停止して、ズームを停止させる。そして、ステップS10に戻る。なお、操作量Sが50パーセントを超えるようにシーソースイッチ20が操作されて定速制御の処理を停止した後、シーソースイッチ20の操作量Sが一端、0となるまでは通常のズーム制御(シーソースイッチ20の操作に基づくズーム制御)には戻らずズームを停止させておくようにしてもよいし、定速制御の処理を停止した後、すぐに通常の制御に戻るようにしてもよい。
【0070】
ステップS10でYESと判定した場合のステップS26では、定速オートズームスイッチ44が押されたか否かを判定する。YESと判定した場合にはステップS18に移行し、NOと判定した場合にはステップS28に移行する。即ち、シーソースイッチ20が操作されていない状態で、定速オートズームスイッチ44が押されると、上記ステップS18に移行し、上記のようにそのときのズームの移動方向及び移動速度をプリセット方向及びプリセット速度として記憶する。
【0071】
ステップS28では、通常のズーム制御の処理を実行する。即ち、ステップS12においてシーソースイッチ20の操作量Sが上式(1)を満たさないと判定した場合、又は、ステップS14、ステップS26において定速オートズームスイッチ44が押されていないと判定した場合には、通常のズーム制御の処理を実行し、シーソースイッチ20の操作方向及び操作量に応じた移動方向及び移動速度で移動させる。この処理の後、ステップS10に戻る。
【0072】
以上、上記実施の形態では、定速オートズームスイッチ44がオン状態となったときのシーソースイッチ20の操作量Sによって現在のズームの移動方向及び移動速度でズームを定速移動させるか、前回の定速制御時と同じ移動方向及び移動速度(即ち、プリセット方向及びプリセット速度)でズームを定速移動させるかを判別するようにしているが、シーソースイッチ20の操作量Sによる判別は、ズームの状態による判別の一形態と考えることができる。即ち、定速オートズームスイッチ44がオン状態となったときのズームの移動速度を検出し、その移動速度によって上記判別を行うようにしてもよい。上記実施の形態では、ズームの移動速度をシーソースイッチ20の操作量Sにより間接的に検出したものと考えることができる。
【0073】
具体的には、ズームの移動速度が0より大きく、かつ、前記判定速度未満のときに定速オートズームスイッチ44が押された場合には、現在のズームの移動方向及び移動速度でズームを定速移動させ、ズームの移動速度が0のときに定速オートズームスイッチ44が押された場合には、前回の定速制御時と同じ移動方向及び移動速度でズームを定速移動させるようにしてもよい。上記実施の形態は、ズームの移動速度をシーソースイッチ20の操作量Sにより間接的に検出したものと考えることができる。また、シーソースイッチ20のようにズームの移動方向や移動速度を指示する操作手段ではなく、ズームの移動位置を指示する操作手段が使用される場合であってもその操作手段から出力される操作信号に基づいてズームの状態を間接的に検出して上記の判別を同様に行うことができる。
【0074】
また、上記実施の形態では、上記実施の形態では、ENGレンズ1の駆動ユニット14に操作手段(シーソースイッチ20、定速オートズームスイッチ44)が設けられたレンズ駆動装置に本発明を適用した場合について説明したが、図3と同様の構成を有するレンズ駆動装置であればどのようなシステム構成によって構築されるレンズ駆動装置であっても本発明を適用できる。例えば、駆動ユニット14に接続されたコントローラに操作手段が設けられているものや、EFPレンズのように操作手段を備えたコントローラをレンズ装置に接続して構築されるレンズ駆動装置に対しても適用できる。
【符号の説明】
【0075】
1…ENGレンズ、2…レンズ鏡胴、4…フォーカスリング、6…ズームリング、8…アイリスリング、12…マウント部、14…駆動ユニット、20…シーソースイッチ(ズームシーソーコントロールスイッチ)、44…定速オートズームスイッチ、60…CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者の操作にしたがって撮影光学系のズームの移動方向及び移動速度、又は、ズームの移動位置を指示する操作信号を出力する電動用操作手段と、
前記電動用操作手段から出力された操作信号に基づいて前記ズームを制御するズーム制御手段と、
オン状態とオフ状態とで切り替えられる指示スイッチと、
前記ズーム制御手段により制御されている前記ズームの状態が少なくとも停止している状態を含まない第1状態であるか、又は、少なくとも前記第1状態を含まない第2状態であるかを判別するズーム状態判別手段と、
前記ズーム状態判別手段により前記第1状態であると判別され、且つ、前記指示スイッチがオン状態であることを検出した場合に、該検出時における現在の前記ズームの移動方向及び移動速度で前記ズームを定速移動させると共に、該移動方向及び移動速度をプリセット方向及びプリセット速度として記憶する第1定速制御手段と、
前記ズーム状態判別手段により前記第2状態であると判別され、且つ、前記指示スイッチがオン状態であることを検出した場合に、前記第1定速制御手段により記憶されたプリセット方向及びプリセット速度で前記ズームを定速移動させる第2定速制御手段と、
を備えたことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記第2状態は、前記ズームが停止した状態であり、前記第1状態は、前記ズームが停止した状態を含まない状態であって、前記ズームが所定の判定速度未満の移動速度で移動している状態であることを特徴とする請求項1のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記ズーム状態判別手段は、前記電動用操作手段から出力された操作信号に基づいて前記ズームの状態が前記第1状態であるか、又は、前記第2状態であるかを判別することを特徴とする請求項1、又は2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記電動用操作手段は、操作者の操作により操作方向と操作量が変化する操作部材を備え、該操作部材の操作方向及び操作量に対応する前記ズームの移動方向及び移動速度を指示する操作信号を出力する操作手段であることを特徴とする請求項3に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記ズーム状態判別手段は、前記電動用操作手段から出力された操作信号に基づいて前記操作部材の操作量を検出し、該検出した操作量に基づいて前記第1状態であるか、又は、前記第2状態であるかを判別することを特徴とする請求項4に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記ズーム状態判別手段は、前記検出した前記操作部材の操作量の最大操作量に対する割合が0より大きく、且つ、所定の判定割合未満であることを検出した場合に、前記第1状態であると判別し、前記割合が0であることを検出した場合に、前記第2状態であると判別することを特徴とする請求項5に記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記ズーム状態判別手段は、前記判定割合を50パーセントとすることを特徴とする請求項6に記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
前記第1定速制御手段及び前記第2定速制御手段は、前記ズームを定速移動させている際に、前記電動用操作手段から出力された操作信号に基づいて前記操作部材の操作量を検出し、前記割合が所定の判定割合以上となる操作を検出した場合に、前記ズームの定速移動を停止することを特徴とする請求項4、5、6、又は7に記載のレンズ駆動装置。
【請求項9】
前記第1定速制御手段及び前記第2定速制御手段は、前記判定割合を50パーセントとすることを特徴とする請求項8に記載のレンズ駆動装置。
【請求項10】
前記第1定速制御手段及び前記第2定速制御手段は、前記ズームを定速移動させている際に、前記電動用操作手段から出力された操作信号に基づいて前記操作部材の操作方向を検出し、該検出した操作方向が、前記ズームの定速移動の移動方向と反対の移動方向への移動を指示する場合には、前記ズームの定速移動の移動方向を反転させて前記ズームを定速移動させることを特徴とする請求項4〜9のうちのいずれか1項に記載のレンズ駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−50684(P2013−50684A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189934(P2011−189934)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】