説明

レーザクラッド加工方法および装置

【課題】加工部位から発生するヒュームおよび余剰粉末を速やかに加工部位およびシリンダヘッド内から除去できるようにし、もって生産性の向上と製造コストの低減とに大きく寄与するレーザクラッド加工方法および装置を提供する。
【解決手段】位置固定されたシリンダヘッド1の吸・排気ポート3に脱着可能な吸引管(吸引口)11を有するダクト12を用意し、シリンダヘッド1のバルブシート部2に,レーザ加工ヘッド6から金属粉末を供給しながらレーザビームを照射してクラッド加工するに際し、該ダクト12内を排気ファン14により吸気して、クラッド加工部位から発生するヒュームおよび余剰粉末をダクト12内に吸引し、所望によりダクト12内に配置した前段のフィルタ17により余剰粉末を捕捉すると共に、後段のフィルタ18によりヒュームを捕捉し、余剰粉末は粉末回収箱20に回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダヘッドのバルブシートをレーザビームを利用してクラッド加工するレーザクラッド加工方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリンダヘッドのバルブシート部に金属粉末を供給しながらレーザビームを照射してクラッド加工するレーザクラッド加工技術は、従来より知られている。このレーザクラッド加工においては、加工対象であるバルブシート部が円形であることから、レーザビームをバルブシート部に沿って円形に走査させる必要がある。このため、従来一般には、レーザヘッドを位置固定してシリンダヘッドをバルブシートの軸線周りに回転させるワーク回転方式が採用されていた(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。しかし、このワーク回転方式によれば、大型でかつ重量の重いシリンダヘッドを回転させなければならないため、設備の大型化、設置スペースの拡大が避けられず、そこで、最近では、シリンダヘッドを位置固定してレーザビームを回転させる、いわゆるビーム回転方式が採用されるようになっている(特許文献3参照)。
【0003】
ところで、この種のレーザクラッド加工においては、レーザビームの照射部位に金属粉末をタイミングよく供給する必要がある。このため、従来は、上記特許文献1、2に記載されるようにレーザビームの照射ヘッドの近傍に粉末供給ノズルを配置するか、あるいは上記特許文献3に記載されるようにレーザビームの照射口の周りに金属粉末の吐出口を同心に配した同軸ノズルを使用するかしていた。
【0004】
【特許文献1】特開平6−126475号公報
【特許文献2】特開2002−89358号公報
【特許文献3】特開2005−21908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、上記したレーザクラッド加工に際しては、加工部位(レーザ照射部位)からヒュームが発生し、このヒュームが粉末供給ノズル(粉末吐出口)に付着して、そのまま放置すると、これにレーザ反射光が吸収されてノズルが損傷してしまう。このため、従来は、粉末供給ノズルのクリーニング(メンテナンス)をかなりの頻度で行わなければならず、このことが生産性を低下させかつ製造コストを上昇させる要因になっていた。
【0006】
また、加工部位には、周辺への落下を見込んで多めに金属粉末を供給するが、落下した余剰の粉末がシリンダヘッド内に滞留して、次工程への搬送設備または次工程内の加工設備に落下する。このため、従来は、搬送設備や加工設備のクリーニング(メンテナンス)をかなりの頻度で行わなければならず、このこともまた、生産性を低下させかつ製造コストを上昇させる原因になっていた。
【0007】
さらに、搬送設備や加工設備に落下した余剰粉末は、回収しても多くの異物を含んでいるため、その再利用は不可能で、材料の無駄が多いという問題もあった。
【0008】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、その第1の課題とするところは、加工部位から発生するヒュームおよび余剰粉末を速やかに加工部位およびシリンダヘッド内から除去できるようにし、もって生産性の向上と製造コストの低減とに大きく寄与するレーザクラッド加工方法および装置を提供することにある。
また、第2の課題とするところは、上記第1の課題に加え、余剰粉末の再利用を可能にし、もって製造コストのより一層の低減に寄与するレーザクラッド加工方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記1の課題を解決するための第1の発明は、シリンダヘッドのバルブシートをレーザクラッド加工するに際し、吸・排気ポートから吸気して、加工部位から発生するヒュームおよび余剰粉末を吸引排出することを特徴とする。この第1の発明においては、加工部位から発生するヒュームおよび余剰粉末を吸・排気ポートから吸引排出することで、粉末吐出口に対するヒュームの付着が抑制され、かつシリンダヘッド内への余剰粉末の滞留が抑制される。
【0010】
また、上記第2の課題を解決するための第2発明は、上記第1の発明の構成に加え、吸引した気流中に含まれる余剰粉末を回収するようにしたことを特徴とする。この第2の発明においては、吸引した気流中から余剰粉末を回収することで、清浄な状態で余剰粉末を回収することができる。
以下に、本発明の態様をいくつか例示し、それらについて項分けして説明する。
【0011】
(1)シリンダヘッドのバルブシート部に金属粉末を供給しながらレーザ光を照射してクラッド加工するレーザクラッド加工方法において、クラッド加工中、前記バルブシートに直結する吸・排気ポートから吸気して、加工部位から発生するヒュームおよび余剰粉末を吸引排出することを特徴とするレーザクラッド加工方法。
【0012】
本(1)項記載のレーザクラッド加工方法においては、加工中のバルブシートに直結する吸・排気ポートから吸引することで、加工部位から発生するヒュームおよび余剰粉末を効率よくシリンダヘッド外へ吸引排出することができる。
【0013】
(2)吸引した気流中に含まれる余剰粉末を回収することを特徴とする(1)項に記載のレーザクラッド加工方法。
【0014】
本(2)項記載のレーザクラッド加工方法においては、吸引した気流中に含まれる余剰粉末を回収するので、清浄な状態で余剰粉末を回収することができ、その再利用が可能になる。
【0015】
(3)余剰粉末回収後の気流中に含まれるヒュームを捕集することを特徴とする(2)項に記載のレーザクラッド加工方法。
【0016】
本(3)項記載のレーザクラッド加工方法においては、吸引した気流中から、さらにヒュームを捕集するので、周囲へのヒュームの拡散が防止され、作業環境が改善される。
【0017】
(4)位置固定されたシリンダヘッドのバルブシート部に金属粉末を供給しながらレーザビームを照射してクラッド加工する加工ユニットと、前記シリンダヘッドの吸・排気ポートに脱着可能な吸引口を有するダクトと、該ダクト内を吸気する吸引手段とを備え、加工部位から発生するヒュームおよび余剰粉末を前記ダクト内に吸引することを特徴とするレーザクラッド加工装置。
(5)ダクトの吸気口が、シリンダヘッドの吸気ポートまたは排気ポートに対応して複数設けられることを特徴とする(4)項に記載のレーザクラッド加工装置。
【0018】
本(4)項記載のレーザクラッド加工装置においては、シリンダヘッドの吸・排気ポートからダクト内にヒュームおよび余剰粉末を吸引することにより、上記(1)項記載のレーザクラッド加工方法を簡単に実施できる。この場合、シリンダヘッドが位置固定されているので、その周りにダクトを配してもクラッド加工の障害になることはなく、シリンダヘッドの吸・排気ポートに対する吸引口の脱着も容易になる。
また、(5)項記載のレーザクラッド加工装置においては、シリンダヘッドの吸気ポートまたは排気ポートに対応してダクトの吸気口が複数設けられるので、シリンダヘッドに対してダクトを一度セットすれば、全気筒数のバルブシートのクラドッド加工が可能になる。
【0019】
(6)ダクト内に、ヒュームは通すが、金属粉末は通さない粉末用フィルタを配設すると共に、ダクトの周壁に、前記フィルタにより流動を阻止された金属粉末を外部へ排出するための粉末回収口を設けたことを特徴とする(4)または(5)項に記載のレーザクラッド加工装置。
【0020】
本(6)項記載のレーザクラッド加工装置においては、ダクト内に吸引した気流を粉末用フィルタに通すことで、該気流中に含まれる清浄な余剰粉末を効率よく回収することができ、上記(2)項記載のレーザクラッド加工方法を確実に実施できる。また、前記フィルタにより流動を阻止された金属粉末が粉末回収口から外部へ排出されるので、一箇所に溜めて回収することができる。
【0021】
(7)ダクト内の、粉末用フィルタの後段位置に、ヒュームを捕捉するヒューム用フィルタを配設したことを特徴とする(6)項に記載のレーザクラッド加工装置。
【0022】
本(7)項記載のレーザクラッド加工装置においては、粉末用フィルタを通過した気流をヒューム用フィルタに通すことで、気流中に含まれるヒュームを効率よく捕捉することができ、上記(3)項記載のレーザクラッド加工方法を確実に実施できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るレーザクラッド加工方法および装置によれば、加工部位から発生するヒュームおよび余剰粉末を速やかに加工部位およびシリンダヘッド内から除去できるので、粉末吐出口に対するヒュームの付着が抑制されると共に、シリンダヘッド内への余剰粉末の滞留が抑制され、加工ユニットはもとより、周辺の搬送設備や加工設備に対するメンテナンス回数の大幅な削減が可能になって、生産性の向上と製造コストの低減とを達成できる。
【0024】
また、吸引した気流中に含まれる余剰粉末をフィルタにより回収するようにした場合は、上記した効果に加え、余剰粉末の再利用が可能になって、製造コストのより一層の低減を達成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明に係るレーザクラッド加工装置の一つの実施形態を示したものである。本レーザクラッド加工装置は、自動車エンジン用シリンダヘッド1のバルブシート部2のクラッド加工を行うもので、シリンダヘッド1は、ここでは4気筒エンジン用として構成されている。バルブシート部2は、各気筒に対して吸気側バルブシート部2Iと排気側バルブシート部2Eとがそれぞれ2個設けられている。また、シリンダヘッド1の左・右側面には、前記バルブシート部2に連通する吸・排気ポート3が設けられている。この吸・排気ポート3は、吸気側バルブシート部2Iにそれぞれ直結する吸気ポート3Iと排気側バルブシート部2Eにそれぞれ直結する排気ポート3Eとが、シリンダヘッド1の左・右側面に振り分けて気筒数だけ設けられている。
【0026】
本レーザクラッド加工装置は、上記したシリンダヘッド1を位置決め支持するヘッド保持手段5と、バルブシート部2の加工部位に向けてレーザビームを照射すると共に金属粉末を吐出するレーザ加工ヘッド6とからなる加工ユニット7を備えている。この加工ユニット7はビーム回転方式として構成されており、そのヘッド保持手段5は、各バルブシート部2(2I、2E)の軸線が所定の鉛直軸Vと一致するようにシリンダヘッド1を加工位置に割出す機能を有している。また、レーザ加工ヘッド6は、レーザビームの照射口の周りに粉末の吐出口を同心に配した同軸ノズル6aを備えており、前記鉛直軸Vに対して傾斜して配置されると共に、該鉛直軸Vを中心に旋回可能となっている。なお、この加工ユニット7は、前記特許文献3(特開2005−21908号公報)に記載されたものと実質同じものであり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0027】
本レーザクラッド加工装置はまた、上記バルブシート部2の加工部位から発生するヒュームおよび余剰粉末を回収する回収装置10を備えている。回収装置10は、ここでは、ヘッド保持手段5上に支持されたシリンダヘッド1の左・右側面の側方に位置して2台配置されている。各回収装置10は、シリンダヘッド1の各吸・排気ポート3に脱着可能な複数の吸引管(吸引口)11を側部に有するダクト12を備えている。各ダクト12は、シリンダヘッド1の側面に沿って平行に延ばされ、その一端は端板13により閉じられている。各ダクトの他端部には排気ファン(吸引手段)14が配設されており、該排気ファン14の運転によりダクト12内には、吸引管11の吸引口から他端開口へ抜ける気流が生じるようになる。なお、各吸引管11の開口端には、弾性体からなる口部リング15が接合されている。
【0028】
本実施形態において、各ダクト12は、流体圧シリンダ16のピストンロッド16aに支持されている。流体圧シリンダ16は、上記ヘッド保持手段5に支持され、シリンダヘッド1と一体的に移動するようになっている。各ダクト12は、流体圧シリンダ16のピストンロッド16aの伸縮によりシリンダヘッド1の側面に垂直な方向へ平行移動し、ピストンロッド16aの伸長に応じてそれぞれの吸引管11を口部リング15を介してシリンダヘッド1の側面に密着させる。
【0029】
一方、各ダクト12の他端部には、ヒュームは通すが金属粉末は通さない粉末用フィルタ17とヒュームを捕捉するヒューム用フィルタ18とが、上・下流側に位置して2段に配置されている。また、各ダクト12の他端部の下側には、前記粉末用フィルタ17に近接する上流部位に一端が開口する粉末回収管(粉末回収口)19が設けられている。粉末回収管19の他端は、別途設けた粉末回収容箱20に接続されており、粉末用フィルタ17により通過を阻止された粉末(余剰粉末)は、粉末回収管19から粉末回収容箱20に回収されるようになっている。
【0030】
以下、上記のように構成したレーザクラッド加工装置によるレーザクラッド加工方法について説明する。
【0031】
レーザクラッド加工に際しては、ヘッド保持手段5にシリンダヘッド1を位置決め載置した後、流体圧シリンダ16のピストンロッド16aの伸長により各回収装置10のダクト12をシリンダヘッド1に対して前進させ、各ダクト12の吸引管11を口部リング15を介してシリンダヘッド1の側面に密着させる。その後、ヘッド保持手段5によって、バルブシート部2の一つが所定の鉛直軸Vと同心となるようにシリンダヘッド1が位置決めされ、この状態でレーザ加工ヘッド6が前記鉛直軸Vを中心に旋回駆動される。レーザ加工ヘッド6の同軸ノズル6aの先端からは、バルブシート部2の加工部位に向けてレーザビームが照射されかつ金属粉末が吐出されており、レーザ加工ヘッド6の旋回に応じてこの加工部位がバルブシート部2に沿って円形に移動し、これによってバルブシート部2の全周がクラッド加工される。
【0032】
しかして、上記クラッド加工の開始と同時に、回収装置10の排気ファン14の運転が開始されており、これによって、加工部位から発生するヒュームおよび余剰粉末が、該加工部位を含むバルブシート部2に直結する吸・排気ポート3から吸引管11を経てダクト12内に吸引される。一方、ダクト12内には、粉末用フィルタ17、ヒューム用フィルタ18を経てダクト12外へ流れる気流が生じており、先ず、粉末用フィルタ17によって、気流中に含まれる余剰粉末が捕捉され、続いて、ヒューム用フィルタ18によって、気流中に含まれるヒュームが捕捉される。そして、粉末用フィルタ17によって流動が阻止された余剰粉末は、該フィルタ17の直前部位に開口する粉末回収管19に落下し、そのまま粉末回収箱20に回収される。
【0033】
シリンダヘッド1に対するクラッド加工は、所定の加工順序に従って全てのバルブシート部2(2I,2E)を加工することによって終了し、この一連の加工の間、回収装置10によってヒュームおよび余剰粉末の回収が継続される。そして、加工終了後は、流体圧シリンダ16のピストンロッド16aが短縮されて、各回収装置10が元の待機位置に戻り、これと前後して排気ファン14の運転が停止される。
【0034】
このように、本レーザクラッド加工装置によるレーザクラッド加工においては、加工部位から発生するヒュームが、吸・排気ポート3からダクト12内に速やかに吸引排出されるので、レーザ加工ヘッド6の同心ノズル6aに設けられた粉末吐出口に対するヒュームの付着が著しく抑制される。この結果、同心ノズル6aに対するクリーニング回数(メンテナンス回数)は大幅に削減される。また、加工部位から発生する余剰粉末も、吸・排気ポート3からダクト12内に吸引排出されるので、シリンダヘッド1内への余剰粉末の滞留が著しく抑制される。この結果、クラッド加工終了後のシリンダヘッドの搬送中にまたは次工程の加工設備へのセット時に、シリンダヘッド1から落下する余剰粉末が大幅に削減され、これによって周辺の搬送設備や加工設備に対するクリーニング回数(メンテナンス回数)は大幅に削減される。
【0035】
一方、ダクト12内に吸引された気流が粉末用フィルタ17を通ることで、該気流中に含まれる余剰粉末が粉末回収箱20に効率よくかつ清浄な状態で回収される。この結果、余剰粉末の再使用が可能になり、材料歩留り大幅に向上する。因みに、余剰粉末は、通常、加工部位への供給量の10%程度存在するが、本実施形態においては、そのほぼ全量を回収することができる。さらに、本実施形態では、気流中に含まれるヒュームがフィルタ18に捕捉されるので、ヒュームが周辺に拡散することもなくなり、結果として作業環境が改善される。
【0036】
なお、上記実施形態においては、ダクト12に設けた複数の吸引管11を開放状態として、全ての吸引管11から一斉に吸引を行うようしたが、本発明は、各吸引管11にバルブを設けて、クラッド加工中のバルブシート部2に直結する吸引管11のみを開いて、選択的に吸引するようにしてもよいものである。この場合は、吸気効率が高まるので、小型の排気ファン14の使用が可能になり、その分、設備コストとランニングコストとが低減する。
【0037】
また、上記実施形態においては、シリンダヘッド1の左・右側面に対応して各独立に回収装置10を設けるようにしたが、本発明は、各ダクト12、12を1つのメインダクトから二又に分岐した分岐ダクトに設定して、メインダクトに設けた1つの吸引手段(排気ファン)を共用する構成としてよいものである。この場合は、吸引手段の共用により設備コストの低減を図ることができる。また、この場合は、上記したように各吸引管11に開閉弁を設けることに加え、吸引通路を2つのダクトに切換える切換弁を設けることにより、吸引効率の向上を図ることもできる。
【0038】
さらに、上記実施形態においては、ダクト12を平行移動させる手段として流体圧シリンダ16を用いたが、この平行移動させる手段は任意であり、モータを駆動源とする電動手段であってもよい。
また、レーザ加工ヘッド6は、同軸ノズル6aに代えて、レーザビームの照射ヘッドの近傍に粉末供給ノズルを別途配置した構成としてもよいことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係るレーザクラッド加工装置の一つの実施形態を一部断面としてかつ一部切欠いて示す斜視図である。
【図2】本レーザクラッド加工装置を構成する回収装置の外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1 シリンダヘッド
2 バルブシート部
3 吸・排気ポート
6 レーザ加工ヘッド
7 加工ユニット
10 回収装置
11 吸引管(吸引口)
12 ダクト
14 排気ファン
16 流体圧シリンダ
17 粉末用フィルタ
18 ヒューム用フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダヘッドのバルブシート部に金属粉末を供給しながらレーザ光を照射してクラッド加工するレーザクラッド加工方法において、クラッド加工中、前記バルブシートに直結する吸・排気ポートから吸気して、加工部位から発生するヒュームおよび余剰粉末を吸引排出することを特徴とするレーザクラッド加工方法。
【請求項2】
吸引した気流中に含まれる余剰粉末を回収することを特徴とする請求項1に記載のレーザクラッド加工方法。
【請求項3】
余剰粉末回収後の気流中に含まれるヒュームを捕集することを特徴とする請求項2に記載のレーザクラッド加工方法。
【請求項4】
位置固定されたシリンダヘッドのバルブシート部に金属粉末を供給しながらレーザビームを照射してクラッド加工する加工ユニットと、前記シリンダヘッドの吸・排気ポートに脱着可能な吸引口を有するダクトと、該ダクト内を吸気する吸引手段とを備え、加工部位から発生するヒュームおよび余剰粉末を前記ダクト内に吸引することを特徴とするレーザクラッド加工装置。
【請求項5】
ダクトの吸気口が、シリンダヘッドの吸気ポートまたは排気ポートに対応して複数設けられることを特徴とする請求項4に記載のレーザクラッド加工装置。
【請求項6】
ダクト内に、ヒュームは通すが金属粉末は通さない粉末用フィルタを配設すると共に、ダクトの周壁に、前記フィルタにより流動を阻止された金属粉末を外部へ排出するための粉末回収口を設けたことを特徴とする請求項4または5に記載のレーザクラッド加工装置。
【請求項7】
ダクト内の、粉末用フィルタの後段位置に、ヒュームを捕捉するヒューム用フィルタを配設したことを特徴とする請求項6に記載のレーザクラッド加工装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−188648(P2008−188648A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−26886(P2007−26886)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】