説明

レーザ導入窓部のクリーニング装置

【課題】 処理室の本体のレーザ導入窓部の片側にのみ位置させて、クリーニング室が形成されているため、長期間にわたつて1枚の光透過部材を連続的に使用することができない。
【解決手段】 本体4aのレーザ導入窓部7の両側に位置させて、それぞれ形成するクリーニング室19,20と、主輸送管13bと複数の分岐輸送管13aとからなり、主輸送管13bがラジカル発生源12及び分岐輸送管13aに接続し、分岐輸送管13aが、それぞれ開閉バルブ14を有して各クリーニング室19,20の凹所19a,20aに接続する輸送管13と、各クリーニング室19,20の凹所19a,20aに接続し、排気ポンプ15によつて排気される排気用配管16と、前記光透過部材2を、レーザ導入窓部7を覆う位置と前記クリーニング室19,20の凹所19a,20aを覆う位置との間で移動させる移動装置24とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ導入窓部のクリーニング装置に関し、詳しくは、処理室内の被処理体にレーザ光により処理を行うレーザアニール処理装置におけるレーザ導入窓部のクリーニング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザアニール処理装置は、多結晶半導体薄膜の製造等の各種用途に使用されており、例えば上記薄膜製造に際しては、非晶質半導体薄膜にレーザ光を照射して該薄膜を多結晶化している。従来のレーザアニール処理装置の一例を図5に示す。同図に示すレーザアニール処理装置は、処理室4内に設置される基台10と、被処理体8を載置して該基台10上を直交するX,Y方向に移動する被処理体載置台9と、レーザ処理室4内にレーザ光を導入する光学系及びレーザ発振器からなるレーザ部1と、レーザ導入窓部7を覆う光透過部材102とを有している。
【0003】
このレーザアニール処理装置は、レーザ部1で発生したレーザ5をレーザ導入窓部7の光透過部材102を通して処理室4内に導入し、これを載置台9上の被処理体8に照射して該被処理体8をアニーリングする。アニール中の雰囲気としては窒素雰囲気(大気圧)と真空雰囲気とがあるが、真空雰囲気の場合にアニーリングすることによつて光透過部材102が汚れる。
【0004】
このような被処理体8のアニーリングにより、光透過部材102に次第に汚れが堆積する。そのメカニズムについて説明する。レーザ光5を被処理体8の表面に照射すると、被処理体8のレーザ処理部分でアブレーション(Ablation)を起こし、蒸発物質6が発生する。この蒸発物質6は略垂直方向に上昇しレーザ導入窓部部の光透過部材102の内面に付着し、光透過部材102を汚してしまう。そして、レーザアニール処理の繰り返しにより光透過部材102の汚れ度合いが進むと、レーザ光105の透過率が低下して利用できるエネルギが減少し、処理効率が低下するという問題点がある。そこで、上記問題を避けるために、光透過部材102を新たなものと交換、又は光透過部材102を取り外してクリーニングを行つていた。しかしながら、この交換及びクリーニング作業は手間がかかり、その結果スループットが悪くなり生産コストが高くなつてしまうという技術的課題があつた。
【0005】
このため、ラジカル種を利用したダウンストリーム法を用い、レーザ導入窓部の光透過部材を効率的にクリーニングするレーザ導入窓部のクリーニング装置も提案されている。ダウンストリーム法の特徴は、ラジカル種(活性種)を生成するプラズマ部とクリーニング処理を行う反応室とを物理的に分離して輸送管で接続し、ラジカル種が通過する下流側の反応室において、エッチング機能により、光透過部材のクリーニングを行う。プラズマ部の放電には、マイクロ波や高周波が良く利用される。プラズマ部では電子、イオン、中性ラジカル種などが生成されるが、寿命の短いラジカル種や荷電粒子は途中の輸送管内で早期に死滅してしまうため、反応室のプロセスに関与し難い。輸送管での消滅度合いを示す式として次の関係式が提案されている。
【0006】
(内壁の再結合による係数)×(ラジカル源からの距離)
(原子濃度の消滅)∝
(圧力)×(ガス流量)
この式より、輸送管内壁による再結合過程が、良好なクリーニング作用を得る上で重要となることが分かる。
【0007】
この種のエッチング機能によるレーザ導入窓部のクリーニング装置として、特許文献1に提案されるものが知られている。これは、図6,図7に示すように、ホルダ406にセットした被処理体401に、レーザ導入窓部444を気密に覆う光透過部材415を通してレーザ光416を照射する。レーザ光416が被処理体401の半導体膜403に照射されると、シリコンの一部が揮発し、処理室443の内面に堆積し、その一部が光透過部材415の内面に堆積し、レーザ光416の光透過率を低下させる。
【0008】
光透過率の低下が許容値を超えたとき、処理室443の減圧状態を維持したまま、光透過部材415をクリーニング室450の方向に、汚染部分がクリーニング室450の上面を覆うまでスライドさせる。この光透過部材415の移動は、レーザ光416の照射タイミングとは無関係に、光透過部材415のレーザ導入窓部444を覆う部分が汚れたとき随時に行つてよい。
【0009】
クリーニング室450におけるクリーニングは、排出口455からクリーニング室450を排気しながら、エッチングガスボンベ426のバルブを開き、マスフローコントローラ425を介して流量を調節しながらプラズマ発生室420にCF4ガスを300SCCM、O2ガスを800SCCM流入させ、更に輸送管421を通つてクリーニング室450に導入する。
【0010】
一方、プラズマ発生室420に通電してエッチングガスのプラズマを発生させ、同時にマイクロ波発振器424にパワーを印加して導波路423を介してプラズマを励起する。これによつてプラズマは長寿命化される。長寿命化されたプラズマは輸送管421を通つてクリーニング室450に導入され、光透過部材415に堆積したシリコンをエッチングし、除去する。441はシャッタ、445は排気管、451はスライドガイド、452はクリーニング室450への窒素ガスの噴射管、454はヒータ、407はX−Yステージである。
【特許文献1】特開2002−57120
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載される従来技術にあつては、次の技術的課題を有している。
(1)処理室443の本体のレーザ導入窓部444の片側にのみ位置させて、クリーニング室450が形成されているため、長期間にわたつて1枚の光透過部材415を連続的に使用することができないという技術的課題がある。すなわち、光透過部材415のクリーニングを速やかに行うことにより、光透過部材415の非クリーニング部分を使用してレーザ光416を照射する被処理体401への処理が連続的に可能であるが、光透過部材415へのクリーニングを繰り返し行ううちに非クリーニング部分の汚染が進行し、汚染が進行した非クリーニング部分のクリーニングの必要又は光透過部材415自体の交換の必要を生じ、そのクリーニング又は交換作業に労力を要するのみならず、被処理体401への連続処理が中断され、スループットが低下する。
【0012】
(2)一般に、処理室443内に導入させるレーザ光416は、長辺及び短辺を有して長方形をなし、クリーニング室450もこれに対応して長辺及び短辺を有して長方形をなす開口部を有する凹所を区画している。そして、輸送管421がクリーニング室450の凹所の中央下部に接続している。また、排出口455は、クリーニング室450の凹所の長辺方向の両端部にそれぞれ接続し、クリーニング室450の両側から排気する構造である。このため、クリーニング室450に中央下部から流入したラジカル種が、クリーニング室450の長辺方向の両側に分かれて流動する乱流を生じるため、光透過部材415に対するクリーニングを効果的に行うことができないという技術的課題がある。更に、クリーニング室450の両側に排出口455を要して構造が複雑になる。
【0013】
(3)処理室443の減圧状態を維持したまま、光透過部材415をクリーニング室450の方向に、汚染部分がクリーニング室450の上面を覆うまでスライドガイド451に誘導させてスライドさせる。このため、レーザ導入窓部444の空間及び処理室443の減圧状態の維持と光透過部材415の円滑な移動とを良好に両立させ難いという技術的課題がある。
【0014】
本発明は、このような従来装置の課題を解決するためになされたものであり、レーザ光をレーザ導入窓部の光透過部材からアニール処理室内に導入させるレーザアニール処理装置において、光透過部材のクリーニングに好適なクリーニング装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、このような従来の技術的課題に鑑みてなされたもので、その構成は、次の通りである。
請求項1の発明は、処理室4の本体4aのレーザ導入窓部7を覆う光透過部材2から処理室4内に導入させるレーザ光5により、処理室4内の被処理体8に処理を行う処理装置において、
前記本体4aのレーザ導入窓部7の両側に位置させて、それぞれ形成するクリーニング室19,20と、
主輸送管13bと複数の分岐輸送管13aとからなり、主輸送管13bがラジカル発生源12及び分岐輸送管13aに接続し、分岐輸送管13aが、それぞれ開閉バルブ14を有して各クリーニング室19,20の凹所19a,20aに接続する輸送管13と、
各クリーニング室19,20の凹所19a,20aに接続し、排気ポンプ15によつて排気される排気用配管16と、
前記光透過部材2を、レーザ導入窓部7を覆う位置と前記クリーニング室19,20の凹所19a,20aを覆う位置との間で移動させる移動装置24と、を有し、
被処理体8への処理によつて堆積物が付着して汚染面を形成したレーザ導入窓部7の光透過部材2を、移動装置24によつて前記クリーニング室19,20のいずれかに移動させ、
ラジカル発生源12によつて発生させたラジカル種を、対応する輸送管13を介して汚染面を形成した光透過部材2が位置するクリーニング室19,20に導入し、排気用配管16から排出させながら、光透過部材2の汚染面をクリーニングし、クリーニングの終了した光透過部材2を移動装置24によつて前記レーザ導入窓部7に移動させることを特徴とするレーザ導入窓部のクリーニング装置である。
請求項2の発明は、前記排気用配管16が、排気用主配管16bと複数の排気用分岐配管16aとからなり、排気用主配管16bの一端部が排気ポンプ15に接続し、排気用主配管16bの他端部が、それぞれ排気用開閉バルブ17を備える排気用分岐配管16aを介して各クリーニング室19,20に接続していることを特徴とする請求項1のレーザ導入窓部のクリーニング装置である。
請求項3の発明は、前記クリーニング室19,20がレーザ導入窓部7の両側に対称配置され、前記光透過部材2が、前記光透過部材2の汚染面を形成した箇所を移動装置24によつて前記クリーニング室19,20のいずれか一方に移動させたとき、前記クリーニング室19,20のいずれか他方で清浄された前記光透過部材2の清浄面がレーザ導入窓部7を覆う大きさに設定されていることを特徴とする請求項1又は2のレーザ導入窓部のクリーニング装置である。
請求項4の発明は、処理室4の本体4aのレーザ導入窓部7を覆う光透過部材2から処理室4内に導入させる長辺及び短辺を有して長方形をなすレーザ光5により、処理室4内の被処理体8に処理を行う処理装置において、
長辺及び短辺を有して長方形をなす開口部19b,20bを有する凹所19a,20aを区画する少なくとも1個のクリーニング室19,20と、
前記クリーニング室19,20の凹所19a,20aの前記長辺方向の一端部に接続し、ラジカル発生源12からのラジカル種が供給される輸送管13と、
前記クリーニング室19,20の凹所19a,20aの前記長辺方向の他端部に接続し、排気ポンプ15によつて排気される排気用配管16と、
前記光透過部材2を、レーザ導入窓部7を覆う位置とクリーニング室19,20の凹所19a,20aの開口部19b,20bを覆う位置との間で移動させる移動装置24と、を設け、
被処理体8への処理に伴つて堆積物が付着して汚染面を形成したレーザ導入窓部7の光透過部材2を、移動装置24によつて前記クリーニング室19,20に移動させ、
ラジカル発生源12によつて発生させたラジカル種を、前記輸送管13を介してクリーニング室19,20の凹部19a,20aに一端部から導入し、排気用配管16から排出させながら、光透過部材2の汚染面をクリーニングし、クリーニングの終了した光透過部材2を、移動装置24によつて前記レーザ導入窓部7に移動させることを特徴とするレーザ導入窓部のクリーニング装置である。
請求項5の発明は、前記輸送管13が前記長辺方向に延在してクリーニング室19,20に接続し、かつ、輸送管13のクリーニング室19,20の開口部19b,20bに近接する辺13cが、該開口部19b,20bと平行をなしていることを特徴とする請求項4のレーザ導入窓部のクリーニング装置である。
請求項6の発明は、前記排気用配管16が前記長辺方向に延在してクリーニング室19,20に接続し、かつ、排気用配管16のクリーニング室19,20の開口部19b,20bに近接する辺16cが、該開口部19b,20bと平行をなしていることを特徴とする請求項4又は5のレーザ導入窓部のクリーニング装置である。
請求項7の発明は、前記レーザ導入窓部7に、開閉可能なバルブ21a,22aを備える配管21,22によつて真空ポンプ25及び窒素供給源26が切換え可能に接続されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6のレーザ導入窓部のクリーニング装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るレーザ導入窓部のクリーニング装置によれば、次の効果を奏することができる。
請求項1によれば、主輸送管を介してラジカル発生源に接続する分岐輸送管が、それぞれ開閉バルブを有して各クリーニング室の凹所に接続するので、ラジカル発生源を1個として適宜に開閉バルブを開いて、レーザ導入窓部の両側に設ける各クリーニング室により、レーザ導入窓部を覆つて汚染面を形成した光透過部材に対し、効率良くクリーニングを施すことが可能になる。このため、構造簡素としながら、クリーニングのための被処理体への連続処理の中断や光透過部材自体の交換の必要を生じ難くなり、光透過部材を長期にわたり連続使用すことが可能になる。また、被処理体への処理時間を有効活用して、光透過部材に対するクリーニングを連続的に行うことが可能になる。その結果、クリーニングによるアニール処理のスループットの悪化への影響が低減でき、生産性を向上することができる。
【0017】
請求項2によれば、排気用配管が、排気用主配管と複数の排気用分岐配管とからなり、排気用主配管の他端部が、それぞれ排気用開閉バルブを備える排気用分岐配管を介して各クリーニング室に接続しているので、排気用主配管の一端部に接続させる排気ポンプを1個とし、構造簡素とすることができる。
【0018】
請求項3によれば、レーザ導入窓部の両側に対称配置されるクリーニング室を用いることにより、光透過部材の汚染面をクリーニング室のいずれか一方に移動させたとき、クリーニング室のいずれか他方で清浄にされた光透過部材の清浄面がレーザ導入窓部を覆うようになるので、光透過部材の汚染面をクリーニングしながら、光透過部材の清浄面を通してレーザ光を導入する処理を行うことが良好に両立する。
【0019】
請求項4によれば、ラジカル発生源によつて発生させたラジカル種を、輸送管を介してクリーニング室の凹部に長辺方向の一端部から導入し、クリーニング室の凹所の長辺方向の他端部に接続する排気用配管から排出させながら、光透過部材の汚染面をクリーニングするので、ラジカル種に、クリーニング室の延在方向に沿う層流を生じさせ、クリーニングを短時間で効率的に行うことができる。
【0020】
請求項5によれば、輸送管が長辺方向に延在してクリーニング室に接続し、かつ、輸送管のクリーニング室の開口部に近接する辺が、該開口部と平行をなしているので、輸送管を介してクリーニング室の凹部に長辺方向の一端部から導入するラジカル種が、光透過部材の汚染面に全面的かつ均一に接触するようになり、クリーニングを更に短時間で効率的に行うことが可能になる。
【0021】
請求項6によれば、排気用配管が長辺方向に延在してクリーニング室に接続し、かつ、排気用配管のクリーニング室の開口部に近接する辺が、該開口部と平行をなしているので、排気用配管を介してクリーニング室の凹部の長辺方向の他端部から流出するラジカル種が、光透過部材の汚染面に全面的かつ均一に接触するようになり、クリーニングを更に短時間で効率的に行うことが可能になる。
【0022】
請求項7によれば、移動装置によつて光透過部材に昇降動作を与えながら、光透過部材に所定の移動を与えることが可能になる。すなわち、窒素供給源から供給される窒素により、レーザ導入窓部を大気圧に上昇させることにより、レーザ導入窓部の下面側を遮蔽バルブによつて気密に閉塞して処理室の真空度を維持した状態で、光透過部材の移動装置による上昇及び水平移動が容易に可能となる。また、光透過部材を移動装置によつて水平移動させた後に下降させてレーザ導入窓部を気密に覆つた状態で、真空ポンプにより、レーザ導入窓部を減圧雰囲気にさせることにより、レーザ導入窓部を処理室の減圧雰囲気に合わせることができ、処理室の減圧状態を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1〜図4は、レーザアニール処理装置に適用した本発明に係るレーザ導入窓クリーニング装置の1実施の形態を示す。レーザアニール処理装置は、レーザ発振器からなるレーザ部1からのレーザ光5を導入する真空容器からなるレーザアニール処理のための処理室4を有する。処理室4は、箱状の本体4aによつて区画され、真空ポンプ(図示せず)によつて減圧・真空にされる。本体4aには、レーザ光5を導入させるレーザ導入窓部7及び被処理体8を搬入又は搬出させるためのゲートバルブ30,31が形成されている。処理室4の内底部の基台10上に移動可能に設けた載置台9の上に被処理体8を載置する。被処理体8は、半導体ウエハ、ガラス基板等である。
【0024】
レーザ導入窓部7の上面は、石英製の1つの光透過部材2によつて気密に覆われて閉塞され、レーザ導入窓部7の下面側は、遮蔽バルブ3によつて気密に閉塞することが可能になつている。遮蔽バルブ3は、レーザ導入窓部7を覆つた状態の光透過部材2よりも下方に位置し、レーザ導入窓部7を開閉する。また、レーザ導入窓部7には、開閉可能なバルブ21a,22aを備える配管21,22によつて真空ポンプ25及び窒素供給源26が切換え可能に接続されている。
【0025】
レーザ部1は、エキシマレーザ発生装置で発生したパルスレーザを出力調整した後、ホモジナイザーを通して長方形に成形し、対物レンズを透過させて集束させるものであり、集束させた長辺及び短辺を有する長方形のレーザ光5が、長方形のレーザ導入窓部7の光透過部材2を透過して、被処理体8に照射されて処理が行われる。
【0026】
しかして、レーザ光5を被処理体8に照射させるレーザアニール処理により、被処理体8から生ずる蒸発物質6(主にシリコン)がレーザ導入窓部7を覆う光透過部材2の内面に付着し、汚染物質となり、この汚染物質がレーザ導入窓部7のレーザ光5の透過率を低下させる。
【0027】
このため、処理室4の本体4aに、レーザ導入窓部7の付近としてクリーニング装置を付属させる。このクリーニング装置は、本体4aのレーザ導入窓部7の短辺方向の両側に位置させて、クリーニング室19,20をそれぞれ形成して構成される。2つのクリーニング室19,20は、それぞれ長辺及び短辺を有して長方形をなす開口部19b,20bを上端に有する凹所19a,20aを区画し、レーザ導入窓部7の両側に対称配置されている。1つの光透過部材2は、光透過部材2を単一の移動装置24によつて移動させ、光透過部材2の汚染面を形成した箇所をいずれか一方のクリーニング室19,20に移動させたとき、クリーニング室19,20のいずれか他方で清浄された光透過部材2の清浄面がレーザ導入窓部7を覆う大きさ以上に設定されている。
【0028】
各クリーニング室19,20の凹所19a,20aの一端部には、輸送管13を接続させる。輸送管13は、主輸送管13bと複数の分岐輸送管13aとからなり、主輸送管13bがラジカル発生源12及び分岐輸送管13aの一端部に接続し、分岐輸送管13aの他端部が、それぞれ開閉バルブ17を有して各クリーニング室19,20の凹所19a,20aの長辺方向の一端部に接続している。従つて、主輸送管13b及び開閉バルブ17は、1つのラジカル発生源12にて発生するラジカル種を、複数の分岐輸送管13aひいてはクリーニング室19,20に選択的に供給する機能を有している。
【0029】
なお、輸送管13の各分岐輸送管13aの他端部は、長辺方向に延在して各クリーニング室19,20に個別に接続し、かつ、各分岐輸送管13aのクリーニング室19,20の開口部19b,20bに近接する上側の辺13cが、図4に示すようにクリーニング室19,20の開口部19b,20bと平行をなしている。実際には、各分岐輸送管13aのクリーニング室19,20への接続口が矩形断面をなし、上側の辺13cが開口部19b,20bに可及的に段差を形成することなく接続している。
【0030】
ラジカル発生源12にはクリーニング用ガス18が一系統或いは複数系統(CF4 +O2 )導入され、このラジカル発生源12の内部にてラジカル種を生成させる。ラジカル発生源12は、ラジカル種(活性種)を死滅させ難いように、アルミナ製放電管とした。輸送管13は、ラジカル種を死滅させ難いように、金属製の配管で形状を変化させ、断面積を次第に増大させて各クリーニング室19,20の凹所19a,20aに接続させると共に、内面にテフロン(登録商標)のコーティングを施した。
【0031】
また、各クリーニング室19,20の凹所19a,20aの長辺方向の他端部には、排気用配管16の一端部を接続させ、排気用配管16の他端部には、排気ポンプ15を接続させてある。排気用配管16は、排気用主配管16bと複数の排気用分岐配管16aとからなり、排気用主配管16bの一端部が排気ポンプ15に接続し、排気用主配管16bの他端部が、それぞれ排気用開閉バルブ17を備える排気用分岐配管16aを介して各クリーニング室19,20の凹所19a,20aに接続している。各排気用分岐配管16aの他端部は、図4に示すように長辺方向に延在してクリーニング室19,20に接続し、かつ、各排気用分岐配管16aのクリーニング室19,20の開口部19b,20bに近接する上側の辺16cが、クリーニング室19,20の開口部19b,20bと平行をなしている。実際には、各排気用分岐配管16aのクリーニング室19,20への接続口が矩形断面をなし、上側の辺16cが開口部19b,20bに可及的に段差を形成することなく接続している。
【0032】
また、光透過部材2を移動させる移動装置24を設ける。移動装置24は、光透過部材2の所定箇所を、レーザ導入窓部7を覆う位置とクリーニング室19,20の凹所19a,20aの開口部19b,20bを覆う位置との間で移動させる。実際には、移動装置24は、レーザ導入窓部7を気密に覆う位置の光透過部材2を上昇させた後に水平移動させ、クリーニング室19,20の開口部19b,20bの上方位置を採らせた後に下降させ、光透過部材2によつて開口部19b,20b及びレーザ導入窓部7を覆う。
【0033】
光透過部材2の上昇により、レーザ導入窓部7を覆う汚染部分及びクリーニング室19,20の開口部19b,20bを覆う清浄部分が上昇し、光透過部材2の水平移動により、光透過部材2の汚染部分が一方のクリーニング室19,20の開口部19b,20bの上方に移動し、光透過部材2の清浄部分がレーザ導入窓部7の上方に移動し、光透過部材2の下降により、光透過部材2の清浄部分がレーザ導入窓部7を気密に覆い、光透過部材2の汚染部分が一方のクリーニング室19,20の開口部19b,20bを覆う。
【0034】
このように、光透過部材2を移動装置24によつて上昇させるため、レーザ導入窓部7の下面側を遮蔽バルブ3によつて気密に閉塞して処理室4の真空度を維持した状態で、光透過部材2の上昇が可能となるように、レーザ導入窓部7には、上述したように開閉可能なバルブ22aを備える配管21によつて窒素供給源26が切換え可能に接続されている。バルブ22aを開くことによつて窒素供給源26から供給される窒素は、レーザ導入窓部7の光透過部材2と遮蔽バルブ3との間の空間をほぼ大気圧にまで上昇させる。また、レーザ導入窓部7には、上述したように開閉可能なバルブ21aを備える配管21によつて真空ポンプ25が切換え可能に接続され、光透過部材2を移動装置24によつて下降させてレーザ導入窓部7を気密に覆い、かつ、レーザ導入窓部7の下面側を遮蔽バルブ3によつて気密に閉塞した状態で、バルブ21aを開いて真空ポンプ25を駆動することによつてレーザ導入窓部7の空間を処理室4の減圧雰囲気に合わせることができようになつている。
【0035】
しかして、被処理体8への処理によつて堆積物が付着して汚染面を形成したレーザ導入窓部7の光透過部材2を、移動装置24によつてクリーニング室19,20のいずれかの方向に移動させ、ラジカル発生源12によつて発生させたラジカル種を、対応する輸送管13を介して光透過部材2の汚染面が位置するクリーニング室19,20に導入し、排気用配管16から排出させながら、光透過部材2の汚染面をクリーニングすることができる。クリーニングの終了した光透過部材2は、その後、適当な時期に移動装置24によつてレーザ導入窓部7に移動させ、繰り返し使用することができる。クリーニング室19,20の凹所19a,20aに導入されるラジカル種は、排気ポンプ15の駆動により、排気用配管16から排気される。
【0036】
次に、作用について説明する。
レーザ導入窓部7を覆う光透過部材2は、遮蔽バルブ3を開いて行うアニール処理の実行に伴い、レーザ光5が照射された被処理体8から蒸発した蒸発物質6が図3(A)(C)(E)に示すように付着、堆積することにより透過率が次第に低下し、アニール処理に利用できるエネルギーが減少するので、光透過部材2の汚れ具合を監視する。光透過部材2の汚れ具合の監視は、光学系モニターで検出し、或いは被処理体8の処理数の計数で行い、クリーニングの必要性を判断する。
【0037】
光透過部材2の汚れ度合いが基準値を超えたときには、1つの被処理体8へのアニール処理の終了後に、遮蔽バルブ3を作動させてレーザ導入窓部7を遮蔽バルブ3によつて閉塞させ、レーザ導入窓部7の空間と処理室4とを分離する。処理室4の減圧状態は、遮蔽バルブ3の閉塞によつて維持される。次に、バルブ22aを開け、遮蔽バルブ3及び光透過部材2によつて仕切られたレーザ導入窓部7の空間に、窒素供給源26からの窒素を導入することにより、レーザ導入窓部7を大気圧開放させる。
【0038】
レーザ導入窓部7の空間を大気圧開放させたなら、移動装置24により、光透過部材2を上昇及び水平移動を順次に行わせ、光透過部材2のアニーリングで汚れた箇所をレーザ導入窓部7を覆う位置から一方のクリーニング室19又は20の凹所19a,20aを覆う位置の上方にまで移動させる。レーザ導入窓部7がほぼ大気圧開放されているので、光透過部材2は容易に上昇する。これにより、レーザ導入窓部7の上方には、光透過部材2のクリーニング済箇所が移動する。
【0039】
光透過部材2は、移動装置24により、所定箇所をレーザ導入窓部7、クリーニング室19又は20の各位置に移動させた後、下降させ、レーザ導入窓部7の空間はバルブ21aを開けて真空引きを行つて処理室4と同雰囲気に変更させ、遮蔽バルブ3を開放する。これにより、処理室4は、アニール処理可能な状態となるので、未処理の被処理体8に対する処理を開始する。遮蔽バルブ3は、光透過部材2を上昇する前に閉塞し、光透過部材2を下降させた後に開放する。
【0040】
このような光透過部材2の移動動作の間に処理済みの被処理体8と未処理の被処理体8との入れ替えをして、未処理の被処理体8へのアニール処理を開始する。処理済みの被処理体8と未処理の被処理体8との入れ替えは、ゲートバルブ30,31を開いて行う。従つて、被処理体8の入れ替えは、遮蔽バルブ3の閉塞状態で行う。
【0041】
未処理の被処理体8に対する処理の開始とほぼ同時に、排気ポンプ15及びラジカル発生源12を駆動すると共に、光透過部材2の汚染部分が移動した箇所に対応するバルブ14、17を開き、排気用配管16及び輸送管13を介し、クリーニング室19又は20を真空排気する。
【0042】
ラジカル発生源12では、クリーニング用ガス18が少なくとも一系統(CF4 +O2 )導入され、この発生源12の内部にて生成されたラジカル種が、排気ポンプ15によつて吸引されながら減圧方向に移動させられ、輸送管13を介し、光透過部材2の汚染面が位置する一方のクリーニング室19又は20へと供給される。この供給されたラジカル種が光透過部材2に堆積した汚染物と反応し、光透過部材2から蒸発物質6がエッチングされて除去される。
【0043】
ラジカル発生源12による実際のラジカル発生条件は、次の通りである。
マイクロ波 パワー:80〜200W(2450MHz)
圧力 :10〜60Pa
ガス種 :CF4+O2
ガス流速比 :O2/CF4流速比(0〜60%)
ガス流量 :CF4 8〜12sccm
クリーニングレート:200〜400nm/min
【0044】
クリーニング室19,20の凹所19a,20aの長辺方向の一端部には、ラジカル発生源12からのラジカル種が供給される輸送管13が接続し、クリーニング室19,20の凹所19a,20aの長辺方向の他端部には、排気ポンプ15によつて排気される排気用配管16が接続している。このため、ラジカル種が、輸送管13から凹所19a,20aの比較的狭幅の一端部から導入されて光透過部材2の汚染部分の一端部側から良好にエッチングが行われ、また、クリーニング室19,20の凹所19a,20aを長辺方向に直線的に層流状態で流動し、光透過部材2の汚染部分の全面を均一かつ効率的にエッチングを行つた後、凹所19a,20aの比較的狭幅の他端部から排気用配管16に流出する。
【0045】
また、輸送管13が長辺方向に延在してクリーニング室19,20に接続しているので、ラジカル種が、輸送管13から凹所19a,20aの狭幅の一端部から直線的に導入されて光透過部材2の汚染部分の一端部側から良好にエッチングを行う。また、排気用配管16が長辺方向に延在してクリーニング室19,20に接続しているので、ラジカル種が、凹所19a,20aの狭幅の他端部から排気用配管16に直線的に流出し、光透過部材2の汚染部分の他端部側をも良好にエッチングを行う。
【0046】
更に、輸送管13のクリーニング室19,20の開口部19b,20bに近接する辺13cが、開口部19b,20bと平行をなしているので、ラジカル種が、輸送管13から凹所19a,20aの狭幅の開口部19b,20bの一端部に沿つて、つまり光透過部材2の汚染部分に沿つて導入され、光透過部材2の汚染部分の一端部側から良好にエッチングを行う。また、排気用配管16のクリーニング室19,20の開口部19b,20bに近接する辺16cが、開口部19b,20bと平行をなしているので、ラジカル種が、凹所19a,20aの狭幅の開口部19b,20bの他端部に沿つて、つまり光透過部材2の汚染部分に沿つて排気用配管16に排出され、光透過部材2の汚染部分の他端部側をも良好にエッチングを行う。
【0047】
クリーニングに必要な予め設定した時間の経過により、開いたバルブ14、17を閉じ、ラジカル発生源12及び排気ポンプ15を停止させ、次のクリーニングまで待機する。その間、処理室4内の被処理体8に対する処理が継続して行われる。
【0048】
このように、処理室4内の未処理の被処理体8に対する処理中に、光透過部材2の汚染部分のクリーニングを終了させ、光透過部材2を所定位置に移動させることが可能であるので、1枚の被処理体8に対する処理が終了する毎に、光透過部材2の汚染部分のクリーニングを行うことも可能である。
【0049】
図3には、図3(A)に示すように光透過部材2の右半部の汚染部分を一方のクリーニング室19に移動させてクリーニングを行い、光透過部材2の左半部の清浄部分を使用してアニール処理を行い、その後、図3(B)(C)に示すように光透過部材2を上昇、水平移動及び下降させ、光透過部材2の左半部の汚染部分を他方のクリーニング室20に移動させてクリーニングを行い、光透過部材2の右半部の清浄部分を使用してアニール処理を行い、その後、図3(D)(E)に示すように光透過部材2を上昇、水平移動及び下降させて図3(A)に示すと同様のクリーニング及びアニール処理を繰り返し行うものを示した。しかしながら、光透過部材2をより大きいものとすることにより、光透過部材2の左右いずれか一方の半部にそれぞれ複数の汚染部分を形成しながら、光透過部材2の左右いずれか他方の半部にクリーニングを行つて複数の清浄部分を形成することも可能である。
【0050】
このようなレーザアニール処理と並行して行うクリーニング処理は、クリーニング室19,20がレーザ導入窓部7の両側に対称配置され、光透過部材2が、光透過部材2の汚染面を形成した箇所を移動装置24によつてクリーニング室19,20のいずれか一方に移動させたとき、クリーニング室19,20のいずれか他方で清浄された光透過部材2の清浄面がレーザ導入窓部7を覆う大きさに設定されていることにより、実現可能である。光透過部材2の左右いずれか一方の半部に複数の汚染部分を形成しながら、光透過部材2の左右いずれか他方の半部に複数の清浄部分を形成する動作を繰り返すことにより、光透過部材2の左右いずれか一方の半部に1つの汚染部分を形成しながら、光透過部材2の左右いずれか他方の半部に1つの清浄部分を形成する場合と比較して、光透過部材2の劣化が生じ難くなり、更に長期にわたり、処理室4内の被処理体8に対する処理を継続して行うことができる。
【0051】
ところで、上記1実施の形態にあつては、レーザ導入窓部7の両側に位置させて、クリーニング室19,20をそれぞれ本体4aに形成したが、クリーニング室19,20は、少なくとも本体4aに1箇所形成されれば良く、光透過部材2を移動装置24によつて移動させ、光透過部材2の汚染面を形成した箇所を1個のクリーニング室19(又は20)に移動させたとき、光透過部材2の清浄面がレーザ導入窓部7を覆うことが可能な大きさに設定されていれば良い。但し、その場合には、光透過部材2の汚染面のクリーニングに際し、レーザ導入窓部7が光透過部材2によつて覆われていない状態を惹起する。すなわち、図3(A)において一方のクリーニング室20を省略し、光透過部材2の汚染面が1個のクリーニング室19から遠い側(図上で左端部)に生じたとき、この光透過部材2の汚染面を1個のクリーニング室19にまで移動させてクリーニングを行うことになり、レーザ導入窓部7が光透過部材2によつて覆われない状態が生じ、処理室4での被処理体8に対する処理を中断させざるを得ないことになる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の1実施の形態に係るレーザ導入窓部のクリーニング装置を示す平面図。
【図2】同じく断面で示す側面図。
【図3】同じく作用説明図。
【図4】同じく要部を示す斜視図。
【図5】従来のレーザアニール処理装置を示す断面図。
【図6】従来のレーザ導入窓部のクリーニング装置を備えるレーザアニール処理装置を示す断面図。
【図7】同じくレーザアニール処理装置を示す平面図。
【符号の説明】
【0053】
1:レーザ部、2:光透過部材、3:遮蔽バルブ、4:処理室、4a:本体、5:レーザ光、7:レーザ導入窓部、8:被処理体、12:ラジカル発生源、13:輸送管、13a:分岐輸送管、13b:主輸送管、14:開閉バルブ、15:排気ポンプ、16:排気用配管、16a:排気用分岐配管、16b:排気用主配管、17:排気用開閉バルブ、19,20:クリーニング室、19a,20a:凹所、19b,20b:開口部、24:移動装置、25:真空ポンプ、26:窒素供給源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理室(4)の本体(4a)のレーザ導入窓部(7)を覆う光透過部材(2)から処理室(4)内に導入させるレーザ光(5)により、処理室(4)内の被処理体(8)に処理を行う処理装置において、
前記本体(4a)のレーザ導入窓部(7)の両側に位置させて、それぞれ形成するクリーニング室(19,20)と、
主輸送管(13b)と複数の分岐輸送管(13a)とからなり、主輸送管(13b)がラジカル発生源(12)及び分岐輸送管(13a)に接続し、分岐輸送管(13a)が、それぞれ開閉バルブ(14)を有して各クリーニング室(19,20)の凹所(19a,20a)に接続する輸送管(13)と、
各クリーニング室(19,20)の凹所(19a,20a)に接続し、排気ポンプ(15)によつて排気される排気用配管(16)と、
前記光透過部材(2)を、レーザ導入窓部(7)を覆う位置と前記クリーニング室(19,20)の凹所(19a,20a)を覆う位置との間で移動させる移動装置(24)と、を有し、
被処理体(8)への処理によつて堆積物が付着して汚染面を形成したレーザ導入窓部(7)の光透過部材(2)を、移動装置(24)によつて前記クリーニング室(19,20)のいずれかに移動させ、
ラジカル発生源(12)によつて発生させたラジカル種を、対応する輸送管(13)を介して汚染面を形成した光透過部材(2)が位置するクリーニング室(19,20)に導入し、排気用配管(16)から排出させながら、光透過部材(2)の汚染面をクリーニングし、クリーニングの終了した光透過部材(2)を移動装置(24)によつて前記レーザ導入窓部(7)に移動させることを特徴とするレーザ導入窓部のクリーニング装置。
【請求項2】
前記排気用配管(16)が、排気用主配管(16b)と複数の排気用分岐配管(16a)とからなり、排気用主配管(16b)の一端部が排気ポンプ(15)に接続し、排気用主配管(16b)の他端部が、それぞれ排気用開閉バルブ(17)を備える排気用分岐配管(16a)を介して各クリーニング室(19,20)に接続していることを特徴とする請求項1のレーザ導入窓部のクリーニング装置。
【請求項3】
前記クリーニング室(19,20)がレーザ導入窓部(7)の両側に対称配置され、前記光透過部材(2)が、前記光透過部材(2)の汚染面を形成した箇所を移動装置(24)によつて前記クリーニング室(19,20)のいずれか一方に移動させたとき、前記クリーニング室(19,20)のいずれか他方で清浄された前記光透過部材(2)の清浄面がレーザ導入窓部(7)を覆う大きさに設定されていることを特徴とする請求項1又は2のレーザ導入窓部のクリーニング装置。
【請求項4】
処理室(4)の本体(4a)のレーザ導入窓部(7)を覆う光透過部材(2)から処理室(4)内に導入させる長辺及び短辺を有して長方形をなすレーザ光(5)により、処理室(4)内の被処理体(8)に処理を行う処理装置において、
長辺及び短辺を有して長方形をなす開口部(19b,20b)を有する凹所(19a,20a)を区画する少なくとも1個のクリーニング室(19,20)と、
前記クリーニング室(19,20)の凹所(19a,20a)の前記長辺方向の一端部に接続し、ラジカル発生源(12)からのラジカル種が供給される輸送管(13)と、
前記クリーニング室(19,20)の凹所(19a,20a)の前記長辺方向の他端部に接続し、排気ポンプ(15)によつて排気される排気用配管(16)と、
前記光透過部材(2)を、レーザ導入窓部(7)を覆う位置とクリーニング室(19,20)の凹所(19a,20a)の開口部(19b,20b)を覆う位置との間で移動させる移動装置(24)と、を設け、
被処理体(8)への処理に伴つて堆積物が付着して汚染面を形成したレーザ導入窓部(7)の光透過部材(2)を、移動装置(24)によつて前記クリーニング室(19,20)に移動させ、
ラジカル発生源(12)によつて発生させたラジカル種を、前記輸送管(13)を介してクリーニング室(19,20)の凹部(19a,20a)に一端部から導入し、排気用配管(16)から排出させながら、光透過部材(2)の汚染面をクリーニングし、クリーニングの終了した光透過部材(2)を、移動装置(24)によつて前記レーザ導入窓部(7)に移動させることを特徴とするレーザ導入窓部のクリーニング装置。
【請求項5】
前記輸送管(13)が前記長辺方向に延在してクリーニング室(19,20)に接続し、かつ、輸送管(13)のクリーニング室(19,20)の開口部(19b,20b)に近接する辺(13c)が、該開口部(19b,20b)と平行をなしていることを特徴とする請求項4のレーザ導入窓部のクリーニング装置。
【請求項6】
前記排気用配管(16)が前記長辺方向に延在してクリーニング室(19,20)に接続し、かつ、排気用配管(16)のクリーニング室(19,20)の開口部(19b,20b)に近接する辺(16c)が、該開口部(19b,20b)と平行をなしていることを特徴とする請求項4又は5のレーザ導入窓部のクリーニング装置。
【請求項7】
前記レーザ導入窓部(7)に、開閉可能なバルブ(21a,22a)を備える配管(21,22)によつて真空ポンプ(25)及び窒素供給源(26)が切換え可能に接続されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6のレーザ導入窓部のクリーニング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−114740(P2006−114740A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−301378(P2004−301378)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)