説明

レーザ溶接システム

【課題】溶接品質を確保して、レーザ溶接システムのランニングコストを著しく向上させることができるレーザ溶接システムを提供する。
【解決手段】レーザトーチから照射されるレーザ光の入熱量を測定するときのレーザ発振器の出力の設定値を設定するレーザ出力設定部と、レーザ光の入熱量を測定するレーザ入熱量測定器と、溶接開始前にレーザトーチからレーザ入熱量測定器にレーザ光を照射して、このレーザ入熱量測定器の測定値とレーザ出力設定部の設定値との差に基づいて入熱量の低下比率を算出し、レーザトーチから照射されるレーザ光のエネルギが減衰して入熱量の低下比率が所定値以上のとき、以後の溶接を行わず、入熱量の低下比率が所定値以下のとき、レーザ発振器の設定値を補正して、レーザ入熱量測定器の測定値を補正前のレーザ発振器の設定値に修正して溶接を行うレーザ入熱量制御部とを備えたレーザ溶接システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被溶接物をレーザによって溶接するための改良されたレーザ溶接システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、半導体レーザ等を利用したレーザ溶接は、高エネルギ密度の熱源であるので、2[m/分]を超える高速溶接が可能である。図3は、一般的なレーザ溶接装置を示す図であり、図4はレーザトーチ内の集光レンズ光学系を示す図である。また、図3及び図4は、YAGレーザ又は半導体レーザを使用する場合を示している。
【0003】
図3おいて、レーザトーチ1がマニピュレータ2のアーム3の先端に取り付けられている。レーザ発振器4から出力されたレーザ光5は、光ファイバ6によってレーザトーチ1に伝送される。図4において、レーザトーチ1に伝送されたレーザ光5は、集光レンズ光学系7のコリメートレンズ8によって平行光に変換される。そして、平行光に変換されたレーザ光5は、集光レンズ9によって被溶接物10に焦点が生じるように収束されて照射される。
【0004】
図3おいて、ティーチペンダント11からロボット制御装置12に動作指令信号S1が出力される。そして、ロボット制御装置12から動作制御信号S2がマニピュレータ2に入力されて、第1軸乃至第6軸から成る6つの軸を回転させて、レーザトーチ1のレーザ照射位置が制御される。ロボット制御装置12からレーザ発振器4に、レーザ出力制御信号S3が出力されて、レーザ光5の出力値が制御される。
【0005】
図4に示す保護ガラス13は、レーザ溶接によって発生するヒュームや火花が、集光レンズ光学系7に付着することを防止するために設けられている。この保護ガラス13にヒュームや火花が付着して放置しておくと、レーザ光5が照射されたときに、この付着物の温度が上昇して、保護ガラス13が破壊されることがある。また、被溶接物10に照射されるレーザ光5のエネルギが、付着物に吸収されて、被溶接物10への入熱量が低下される。その結果、適切な溶接結果を得ることができない。従って、保護ガラス13が汚れた場合、交換する必要がある。(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
従来、この保護ガラスが汚れたことを検出する方法として、例えば、レーザトーチの外周に検出器を設けて、この検出器で保護ガラスのレーザ光が透過する面を観察し、保護ガラスに付着した粒子上でレーザ光が散乱して生じる散乱照射の強度を測定する。そして、この測定値が基準値を超えている場合に、異常と判別して、運転を停止するシーケンスを選択する方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】特開2005−224836号公報
【特許文献2】特開2002−361452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した方法は、単に、保護ガラスの汚れ度合いの基準値を設定して、検出値がその基準値以下の場合、運転を継続し、その基準値以上の場合、運転を停止する。そのために、検出器の感度を低く設定して、保護ガラスの汚れ度合いが少ないとき、異常と判別することなく、レーザ光の入熱量が低下しているという状態のままで、運転を継続することになる。その結果、溶接品質を確保することができない場合がある。逆に、検出器の感度を高く設定した場合、異常と判別して運転を停止するシーケンスを頻繁に選択することになり、生産性が低下するといった不具合があった。
【0009】
さらに、レーザトーチから出力されるレーザ光の入熱量が低下する原因としては、上述した保護ガラスが汚れることの他に、レーザ発振器、光ファイバ又はレーザトーチ等の機器の性能低下が原因の場合もある。これらの機器の全ての故障をセンサ等で確認することは、非常に困難である。
【0010】
本発明は、溶接品質を確保して、ランニングコストを著しく向上させることができるレーザ溶接システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、第1の発明は、
レーザ発振器から出力されたレーザ光をレーザトーチによって被溶接物へ照射するレーザ溶接システムにおいて、
前記レーザトーチから照射される前記レーザ光の入熱量を測定するときの前記レーザ発振器の出力の設定値を設定するレーザ出力設定部と、
前記レーザ光の入熱量を測定するレーザ入熱量測定器と、
溶接開始前に前記レーザトーチから前記レーザ入熱量測定器に前記レーザ光を照射してこのレーザ入熱量測定器の測定値と前記レーザ出力設定部の設定値との差に基づいて入熱量の低下比率を算出し前記レーザトーチから照射される前記レーザ光のエネルギが減衰して前記入熱量の低下比率が所定値以上のとき以後の溶接を行わず前記入熱量の低下比率が前記所定値以下のとき前記レーザ発振器の設定値を補正して前記レーザ入熱量測定器の測定値を補正前の前記レーザ発振器の設定値に修正して溶接を行うレーザ入熱量制御部と、
を備えたことを特徴とするレーザ溶接システムである。
【0012】
第2の発明は、
第1の発明記載のレーザ出力設定部の設定値を前記レーザ入熱量測定器の測定入熱量の定格値以下とすることを特徴とするレーザ溶接システムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明のレーザ溶接システムは、溶接開始前に、レーザトーチ1から出力されるレーザ光5の被溶接物10への入熱量を測定して、入熱量低下比率を算出する。そして、この入熱量低下比率が、運転継続しきい値よりも小さいときに、運転を継続する。そして、この入熱量低下比率が、運転継続しきい値と運転停止しきい値との間のとき、レーザ発振器4の設定値を補正して、レーザ入熱量測定器15の測定値を補正前のレーザ発振器4の設定値に修正して、溶接を行う。そして、この入熱量低下比率が、運転停止しきい値よりも大きいとき、運転を停止して、保護ガラス13を交換している。従って、高価な消耗品である保護ガラス13を交換する頻度を低減することができ、溶接品質を確保して、レーザ溶接システムのランニングコストを著しく向上させることができる。
【0014】
また、レーザトーチから出力されるレーザ光の入熱量が低下する原因としては、上述した保護ガラスが汚れることの他に、レーザ発振器、光ファイバ又はレーザトーチ等の機器の性能低下が原因の場合もある。この場合、レーザ発振器メーカ等の機器メーカによって点検又は修理を行うことになる。その場合でも、それまでの一時的な応急対策としてレーザ出力補正を行うことによって、溶接品質を確保して、生産ラインを停止させることがなく、生産性の低下を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
図1は、本発明のレーザ溶接システムの構成を示す図である。同図において、レーザトーチ1がマニピュレータ2のアーム3の先端に取り付けられている。ティーチペンダント11からロボット制御装置12に動作指令信号S1が入力される。そして、ロボット制御装置12からの動作制御信号S2がマニピュレータ2に出力されて、第1軸乃至第6軸から成る6つの軸を回転させて、レーザトーチ1のレーザ照射位置が制御される。ロボット制御装置12内の運転回数設定回路14は、レーザ光5の被溶接物10への入熱量を測定するまでの、例えば、同一形状の被溶接物10の溶接が終わるまでの運転回数を設定する。
【0016】
レーザ入熱量測定器15は、レーザトーチ1から照射されるレーザ光5の入熱量を測定する。レーザ入熱量制御装置16内のレーザ出力設定回路17は、レーザトーチから照射されるレーザ光の入熱量を測定するときのレーザ発振器の出力の設定値を設定する。入熱量低下比率算出回路18は、レーザ入熱量測定器15の測定値とレーザ出力設定回路17の設定値との差に基づいて、入熱量の低下比率を算出する。入熱量低下比率しきい値設定回路19は、運転継続シーケンスとレーザ出力補正シーケンスと運転停止シーケンスとからなる3つのシーケンスを判別するための入熱量低下比率のしきい値が、予め設定される。即ち、出力補正しきい値と運転停止しきい値とが設定される。
【0017】
シーケンス選択回路20は、入熱量低下比率算出回路18の算出値を入熱量低下比率のしきい値と比較して、3つのシーケンスのいずれかのシーケンスを選択する。即ち、入熱量低下比率算出回路18で算出された入熱量低下比率が、出力補正しきい値以下のときは、運転継続シーケンスを選択して、レーザ溶接システムの運転を継続する。入熱量低下比率が、出力補正しきい値以上で運転停止しきい値以下のときは、出力補正シーケンスを選択する。そして、入熱量低下比率が、運転停止しきい値以上のときは、運転停止シーケンスを選択して、運転停止指令信号を、ロボット制御装置12とレーザ発振器4に出力して、レーザ溶接システムの運転を停止する。
【0018】
レーザ出力加算値設定回路21は、入熱量低下比率に対応したレーザ出力加算値が、予め設定される。レーザ出力補正回路22は、シーケンス選択回路20によってレーザ出力補正シーケンスが選択されたときに、被溶接物10への入熱量がレーザ出力設定回路17の設定値となるように、レーザ出力設定回路の出力が補正される。即ち、入熱量低下比率算出回路18によって算出された入熱量低下比率に対応したレーザ出力加算値が、レーザ出力設定回路の出力に加算されて、この加算された設定値がレーザ出力補正値として、レーザ発振器4に出力される。レーザ入熱量制御装置16は、レーザ出力設定回路17、入熱量低下比率算出回路18、入熱量低下比率しきい値設定回路19、シーケンス選択回路20、レーザ出力加算値設定回路21及びレーザ出力補正回路22からなる。
【0019】
レーザ発振器4から出力されたレーザ光5は、光ファイバ6によってレーザトーチ1に伝送される。図4に示した集光レンズ光学系7によって被溶接物10に焦点が生じるように収束されて照射される。
【0020】
以下、図2の本発明のレーザ溶接システムの動作を示すフローチャート図を参照して、実施例の動作を説明する。同図に示すステップL1において、レーザ入熱量制御装置16内のレーザ出力設定回路17によって、レーザトーチから照射されるレーザ光の入熱量を測定するときのレーザ発振器の出力の設定値が設定される。例えば、レーザ発振器の設定値が2,000Wに設定される。
【0021】
ステップL2において、ロボット制御装置12内の運転回数設定回路14によって、レーザ光5の入熱量を測定するまでの運転回数が設定される。例えば、15回に設定される。
【0022】
ステップL3において、入熱量低下比率しきい値設定回路19によって、運転継続シーケンスとレーザ出力補正シーケンスと運転停止シーケンスとからなる3つのシーケンスを判別するための、入熱量低下比率のしきい値が予め設定される。即ち、出力補正しきい値と運転停止しきい値とが設定される。例えば、出力補正しきい値が5%に、運転停止しきい値が10%に設定される。
【0023】
ステップL4において、ティーチペンダント11からロボット制御装置12に動作指令信号S1が出力される。そして、ロボット制御装置12からの動作制御信号S2がマニピュレータ2に出力されて、第1軸乃至第6軸から成る6つの軸を回転させて、レーザトーチ1のレーザ照射位置が制御される。また、ロボット制御装置12からレーザ入熱量制御装置16へレーザ出力指令信号S4が出力されて、レーザ出力設定回路17で設定されたレーザ出力制御信号S5が、レーザ入熱量制御装置16からレーザ発振器4へ出力される。そして、レーザ発振器4からレーザ光5が出力される。
【0024】
ステップL5において、運転回数が15回に達するまで被溶接物10の溶接が継続されて、15回に達したとき、マニピュレータ2によってレーザトーチ1がレーザ入熱量測定器15に移動される。そして、レーザ光5の被溶接物10への入熱量を測定するために、レーザ入熱量測定器15にレーザ光5が照射されて、入熱量が測定される。そして、レーザ入熱量測定器15から、入熱量測定値信号S6が入熱量低下比率算出回路18へ出力される。ここで、例えば、1,963Wの入熱量の信号S6が出力される。
【0025】
ステップL6において、入熱量低下比率算出回路18によって、(入熱量低下比率)=[{(入熱量測定値)−(レーザ出力設定値)}÷(レーザ出力設定値)]×100が算出される。即ち、(入熱量低下比率)=[{(1,963)−(2,000)}÷(2,000)]×100=−1.85%が算出される。
【0026】
ステップL7において、シーケンス選択回路20によって、上記の算出された入熱量低下比率の1.85%が、出力補正しきい値の5%及び運転停止しきい値の10%と比較されて、出力補正しきい値の5%よりも小さいので、運転継続シーケンスが選択される。
【0027】
再び、ステップL4に戻り、運転回数が15回に達するまで被溶接物10の溶接が継続されて、15回に達したとき、マニピュレータ2によってレーザトーチ1がレーザ入熱量測定器15に移動されて、レーザ入熱量測定器15にレーザ光5が照射されて、入熱量が測定される。そして、レーザ入熱量測定器15から、入熱量測定値信号S6が入熱量低下比率算出回路18へ出力される。ここで、例えば、1,870Wの入熱量の信号S6が出力される。
【0028】
ステップL6において、入熱量低下比率算出回路18によって、(入熱量低下比率)=[{(1,870)−(2,000)}÷(2,000)]100=−6.5%が算出される。
【0029】
ステップL7及びL8において、シーケンス選択回路によって、上記の算出された入熱量低下比率の6.5%が、出力補正しきい値の5%及び運転停止しきい値の10%と比較されて、出力補正しきい値の5%よりも大きく、運転停止しきい値の10%よりも小さいので、出力補正シーケンスが選択される。
【0030】
ステップL9において、レーザ出力加算値設定回路21によって、被溶接物10への入熱量が2,000Wになるように、130Wのレーザ出力加算値が設定される。そして、レーザ出力補正回路22において、レーザ出力設定値の2,000Wにレーザ出力加算値の130Wが加算されて、この加算された設定値の2,130Wがレーザ出力補正値として、レーザ発振器4に出力される。
【0031】
再び、ステップL4に戻り、運転回数が15回に達するまで被溶接物10の溶接が継続されて、15回に達したとき、マニピュレータ2によって、レーザトーチ1がレーザ入熱量測定器15に移動されて、レーザ入熱量測定器15にレーザ光5が照射されて、入熱量が測定される。そして、レーザ入熱量測定器15から、入熱量測定値信号S6が入熱量低下比率算出回路18へ出力される。ここで、例えば、1,770Wの入熱量の信号が出力される。
【0032】
ステップL6において、入熱量低下比率算出回路18によって、(入熱量低下比率)=[{(1,770)−(2,000)}÷(2,000)]×100=−11.5%が算出される。
【0033】
ステップL7及びL8において、シーケンス選択回路20によって、上記の算出された入熱量低下比率の11.5%が、出力補正しきい値の5%及び運転停止しきい値の10%と比較されて、運転停止しきい値の10%よりも大きいので、運転停止シーケンスが選択される。
【0034】
ステップL10において、シーケンス選択回路20からロボット制御装置12に動作停止指令信号S7が出力される。そして、ロボット制御装置12からの動作制御信号S2がマニピュレータ2に出力されて、マニピュレータ2の動作が停止する。また、レーザ入熱量制御装置16からレーザ出力制御信号S5が、レーザ発振器4へ出力されて、レーザ発振器4の出力が停止される。
【0035】
ステップL11において、作業者によって、レーザ光5の被溶接物10への入熱量の低下の原因がレーザトーチ1に取り付けられている保護ガラス13の汚れと判断されると、保護ガラス13が交換される。そして、運転が再開される。
【0036】
上述したように、本発明のレーザ溶接システムは、溶接開始前に、レーザトーチ1から出力されるレーザ光5の被溶接物10への入熱量を測定して、入熱量低下比率を算出する。そして、この入熱量低下比率が、運転継続しきい値よりも小さいときに、運転を継続する。そして、この入熱量低下比率が、運転継続しきい値と運転停止しきい値との間のとき、レーザ発振器4の設定値を補正して、レーザ入熱量測定器15の測定値を補正前のレーザ発振器4の設定値に修正して、溶接を行う。そして、この入熱量低下比率が、運転停止しきい値よりも大きいとき、運転を停止して、保護ガラス13を交換している。従って、高価な消耗品である保護ガラス13を交換する頻度を低減することができ、溶接品質を確保して、レーザ溶接システムのランニングコストを著しく向上させることができる。
【0037】
なお、レーザトーチ1から照射されるレーザ光の入熱量を測定するときのレーザ発振器4の出力の設定値を、本溶接のときの設定値としてもよい。又は、レーザ入熱量測定器15の測定入熱量の定格値が、レーザ出力設定回路17の設定値よりも小さいときは、レーザ出力設定回路17の設定値をレーザ入熱量測定器15の測定入熱量の定格値以下としてもよい。
【0038】
また、レーザトーチから出力されるレーザ光の入熱量が低下する原因としては、上述した保護ガラスが汚れることの他に、レーザ発振器、光ファイバ又はレーザトーチ等の機器の性能低下が原因の場合もある。この場合、レーザ発振器メーカ等の機器メーカによって点検又は修理を行うことになる。その場合でも、それまでの一時的な応急対策としてレーザ出力補正を行うことによって、溶接品質を確保して、生産ラインを停止させることがなく、生産性の低下を防ぐことができる。
【0039】
また、入熱量低下比率の出力補正しきい値を設けずに、運転停止しきい値のみを設けて、入熱量低下比率が、運転停止しきい値以上のときに運転を停止する。そして、入熱量低下比率が運転停止しきい値以下のとき、レーザ発振器4の設定値を補正して、レーザ入熱量測定器15の測定値を補正前のレーザ発振器4の設定値に修正して溶接を行ってもよい。
【0040】
また、本発明は、レーザ溶接のみに適用されるだけでなく、アーク溶接トーチと組み合わせたレーザ照射アーク溶接装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明のレーザ溶接システムの構成を示す図である。
【図2】本発明のレーザ溶接システムの動作を示すフローチャート図である。
【図3】一般的なレーザ溶接装置を示す図である。
【図4】レーザトーチ内の集光レンズ光学系を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 レーザトーチ
2 マニピュレータ
3 アーム
4 レーザ発振器
5 レーザ光
6 光ファイバ
7 集光レンズ光学系
8 コリメートレンズ
9 集光レンズ
10 被溶接物
11 ティーチペンダント
12 ロボット制御装置
13 保護ガラス
14 運転回数設定回路
15 レーザ入熱量測定器
16 レーザ入熱量制御装置(レーザ入熱量制御部)
17 レーザ出力設定回路(レーザ出力設定部)
18 入熱量低下比率算出回路
19 入熱量低下比率しきい値設定回路
20 シーケンス選択回路
21 レーザ出力加算値設定回路
22 レーザ出力補正回路
L1〜L10 動作ステップ
S1 動作指令信号
S2 動作制御信号
S3 レーザ出力制御信号
S4 レーザ出力指令信号
S5 レーザ出力制御信号
S6 入熱量測定値信号
S7 動作停止指令信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ発振器から出力されたレーザ光をレーザトーチによって被溶接物へ照射するレーザ溶接システムにおいて、
前記レーザトーチから照射される前記レーザ光の入熱量を測定するときの前記レーザ発振器の出力の設定値を設定するレーザ出力設定部と、
前記レーザ光の入熱量を測定するレーザ入熱量測定器と、
溶接開始前に前記レーザトーチから前記レーザ入熱量測定器に前記レーザ光を照射してこのレーザ入熱量測定器の測定値と前記レーザ出力設定部の設定値との差に基づいて入熱量の低下比率を算出し前記レーザトーチから照射される前記レーザ光のエネルギが減衰して前記入熱量の低下比率が所定値以上のとき以後の溶接を行わず前記入熱量の低下比率が前記所定値以下のとき前記レーザ発振器の設定値を補正して前記レーザ入熱量測定器の測定値を補正前の前記レーザ発振器の設定値に修正して溶接を行うレーザ入熱量制御部と、
を備えたことを特徴とするレーザ溶接システム。
【請求項2】
請求項1記載のレーザ出力設定部の設定値を前記レーザ入熱量測定器の測定入熱量の定格値以下とすることを特徴とするレーザ溶接システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−203312(P2007−203312A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−22331(P2006−22331)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】