説明

レーザ熱転写装置及びラミネータ並びにレーザ熱転写装置を用いたレーザ熱転写方法

【課題】ローラーを使用せずにラミネーションが行えるようにする。
【解決手段】少なくとも一つの第1下部通気孔120aを有し,第1下部通気孔120aを通じて下部基板Aを吸着可能な下部基板載置部120と;下部基板載置部120の上方に上部基板Dを支持可能に配設されて,少なくとも一つの第1上部通気孔130aを有し,第1上部通気孔130aを通じて上部基板Dを加圧して下部基板A上に密着させる上部基板支持部130と;下部基板Aと密着された上部基板D上にレーザを照射するレーザ照射装置155と;を含んで構成されるようにした。また,下部基板載置部120は,下部基板Aの縁部外側に位置する少なくとも一つの第2下部通気孔120bをさらに含み,第2下部通気孔120bを通じて上部基板Dを下部基板Aに対して密着させるかまたは離隔させるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,レーザ熱転写装置及びラミネータ並びにレーザ熱転写装置を用いたレーザ熱転写方法にかかり,さらに詳しくは,ドナーフィルムをアクセプタ基板にラミネートしてレーザを照射することによりドナーフィルムの転写層をアクセプタ基板に熱転写させるレーザ熱転写装置及びラミネータ並びにレーザ熱転写装置を用いたレーザ熱転写方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に,レーザ熱転写方法は,少なくともレーザ照射装置を含んで構成され,アクセプタ基板及びドナーフィルムを必要とする。上記ドナーフィルムは,一般的には,基材フィルム,光−熱変換層,及び転写層を含むことができる。そして,上記レーザ熱転写方法においては,先ず,ドナーフィルムの転写層がアクセプタ基板と対向する向きにドナーフィルムをアクセプタ基板上にラミネーションする。次に,アクセプタ基板上にラミネーションされたドナーフィルムの基材フィルム側からレーザビームを照射する。すると,上記基材フィルム上に照射されたレーザビームはドナーフィルムの光−熱変換層に吸収されて熱エネルギーに変換され,上記熱エネルギーによってドナーフィルムの転写層がアクセプタ基板上に転写される。このようにして,上記レーザ熱転写方法では,アクセプタ基板上に所定の転写層のパターンを形成することができる(例えば,特許文献1,2及び3参照。)。
【0003】
ここで,上記レーザ熱転写方法においてドナーフィルムをアクセプタ基板上にラミネーションすることは,アクセプタ基板上に位置付けされたドナーフィルムをローラで加圧することによりなされる。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,998,085号明細書
【特許文献2】米国特許第6,214,520号明細書
【特許文献3】米国特許第6,114,088号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし,上記のようにローラーを使用してドナーフィルムをアクセプタ基板にラミネーションする場合,均一にラミネーションを行うのが困難であるという問題があった。すなわち,均一なラミネーションのためには,ローラーの機構的な精度が高く,上記ローラーを均一に加圧し,ローラーの移送と回転運動を正確に同期化させる精密な制御が必要であった。更に,このような複雑で大きなローラー機構全体を熱転写システムに設けることは困難であり問題となっていた。
【0006】
そこで,本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので,その目的は,ローラーを使用せずにラミネーションが行えるレーザ熱転写装置及びラミネータ並びにレーザ熱転写装置を用いたレーザ熱転写方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,少なくとも一つの第1下部通気孔を有し,上記第1下部通気孔を通じて下部基板を吸着可能な下部基板載置部(チャック)と;上部基板が上記下部基板載置部の上方に位置するように上記上部基板を支持可能に配設されて,少なくとも一つの第1上部通気孔を有し,上記第1上部通気孔を通じて上記上部基板を加圧して上記下部基板上に密着させる上部基板支持部(キャップ)と;上記下部基板と密着された上記上部基板上にレーザを照射するレーザ照射装置と;を含んで構成されることを特徴とするレーザ熱転写装置が提供される。
【0008】
このような本発明にかかるレーザ熱転写装置によれば,ローラを使用せずにラミネーションを行うことができる。すなわち,下部基板載置部に載置された下部基板は,上記第1下部通気孔を通じて吸着されることにより,下部基板載置部上で移動しないように堅固に支持される。そして,上部基板支持部により支持された上部基板は,上記第1上部通気孔を通じて下部基板に対して加圧されることにより,上部基板が下部基板に密着されてラミネーションが行われる。このとき,上部基板支持部は,上部基板の面方向の位置を固定するように上部基板を支持して,上部基板が下部基板載置部の上方に位置するようにすることができる。その後,上記ラミネーションされた上部基板と下部基板の上部基板側からレーザ照射装置でレーザを照射することによりレーザ熱転写が行われる。このようにして,レーザが照射された部分の上部基板の転写層が下部基板に転写されて,下部基板に所定のパターンを形成することができる。また,上記レーザ熱転写装置によれば,ラミネーション工程及びレーザ照射工程を同一装備内で行うことができる。
【0009】
このとき,上記第1上部通気孔は上記上部基板支持部の中央部に位置するように構成するのがよい。かかる構成とすることにより,ラミネーション過程において,上部基板の中央部から下部基板に対する加圧が行われるので,下部基板と上部基板との間にバブルが含まれてラミネーション不良が発生するのを抑制することができる。
【0010】
また,上記下部基板載置部は,上記下部基板の縁部外側に位置する少なくとも一つの第2下部通気孔をさらに含み,上記第2下部通気孔を通じて上記上部基板を上記下部基板に対して密着させるかまたは離隔させるように構成されるのがよい。かかる構成とすることにより,下部基板の外側において,上記第2下部通気孔を通じて上部基板を下部基板載置部に吸着させることができるので,上部基板を下部基板に対してより強く密着させることができる。また,レーザの照射が完了した後に,上記第2下部通気孔を通じて上部基板を下部基板から容易に離隔させることができる。
【0011】
また,上記上部基板支持部は,第2上部通気孔をさらに含み,上記第2上部通気孔を通じて上記上部基板を上記上部基板支持部の方向に吸引するように構成されるのがよい。かかる構成とすることにより,例えば上部基板を下部基板の上方に位置付けさせる際に,柔軟性のある上部基板が垂れ下がって下部基板と接触して転写層が損傷されるなどの不具合を防止することができる。
【0012】
また,上記上部基板支持部は,Z軸方向(上記上部基板を上記下部基板に対して近接または離隔させる方向)に移動可能に構成される。これにより,上部基板を下部基板の上方に位置付けさせた後に,上記上部基板支持部を下部基板に対して近接させてからラミネーションを行うことができる。
【0013】
ここで,上記上部基板はフレームにより支持され,上記上部基板支持部は上記フレームを支持するように構成されるのがよい。この場合,上記上部基板支持部は,上部基板の面方向の位置を固定するように上記フレームを支持して,上部基板が下部基板載置部の上方に位置するようにすることができる。またこのとき,上記フレームを上記下部基板載置部に対して加圧するフレーム加圧手段をさらに含むようにするのがよい。これにより,上記フレームは,上記フレーム加圧手段により上記下部基板載置部に対して密着されるようになる。
【0014】
また,上記下部基板載置部の周辺部に位置する弾性材をさらに含むようにすることもできる。かかる弾性材を設けることにより,上記上部基板支持部及び/または上記フレームが上記下部基板載置部に密着されるとき,かかる密着によって形成される空間をシーリングして密閉することができる。
【0015】
ここで,上記レーザ熱転写装置は,上記下部基板載置部を支持するステージをさらに含むことができる。このとき,上記ステージはラミネーション領域とレーザ照射領域を含み,上記上部基板支持部は上記ラミネーション領域の上方に位置し,上記レーザ照射装置は上記レーザ照射領域の上方に位置するように構成されるのがよい。
【0016】
また,上記ステージは,上記下部基板載置部をX軸方向に移動させるように案内するガイド部(チャックガイド)を含むことができる。このとき,上記ステージはラミネーション領域とレーザ照射領域を含み,上記上部基板支持部は上記ラミネーション領域の上方に位置し,上記レーザ照射装置は上記レーザ照射領域の上方に位置し,上記下部基板載置部は上記ガイド部に沿って上記ラミネーション領域と上記レーザ照射領域との間で移動するように構成されるのがよい。
【0017】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,上部基板を支持し,少なくとも一つの第1上部通気孔を有し,上記第1上部通気孔を通じて上記上部基板を加圧して下部基板上に密着させる上部基板支持部(キャップ)と;少なくとも一つの第1下部通気孔及び少なくとも一つの第2下部通気孔を有し,上記下部基板を上記第1下部通気孔を通じて吸着し,上記上部基板を上記第2下部通気孔を通じて上記下部基板上に密着させる下部基板載置部(チャック)と;上記下部基板と密着された上記上部基板上にレーザを照射するレーザ照射装置と;を含んで構成されることを特徴とするレーザ熱転写装置が提供される。
【0018】
このような本発明にかかるレーザ熱転写装置によれば,ローラを使用せずにラミネーションを行うことができる。すなわち,下部基板載置部に載置された下部基板は,上記第1下部通気孔を通じて吸着されることにより,下部基板載置部上で移動しないように堅固に支持される。そして,上部基板支持部により支持された上部基板は,上記第1上部通気孔を通じて下部基板に対して加圧されることにより,上部基板が下部基板に密着されてラミネーションが行われる。このとき,上部基板支持部は,上部基板の面方向の位置を固定するように上部基板を支持して,上部基板が下部基板載置部の上方に位置するようにすることができる。そして,下部基板載置部に載置された下部基板の外側において,上記第2下部通気孔を通じて上部基板を下部基板載置部に吸着させることにより,上部基板を下部基板に対してより強く密着させることができる。その後,上記ラミネーションされた上部基板と下部基板の上部基板側からレーザ照射装置でレーザを照射することによりレーザ熱転写が行われる。そして,レーザの照射が完了した後は,上記第2下部通気孔を通じて上部基板を下部基板から容易に離隔させることができる。このようにして,レーザが照射された部分の上部基板の転写層が下部基板に転写されて,下部基板に所定のパターンを形成することができる。また,上記レーザ熱転写装置によれば,ラミネーション工程及びレーザ照射工程を同一装備内で行うことができる。
【0019】
このとき,上記第1上部通気孔は上記上部基板支持部の中央部に位置するように構成するのがよい。かかる構成とすることにより,ラミネーション過程において,上部基板の中央部から下部基板に対する加圧が行われるので,下部基板と上部基板との間にバブルが含まれてラミネーション不良が発生するのを抑制することができる。
【0020】
また,上記上部基板支持部は,第2上部通気孔をさらに含み,上記第2上部通気孔を通じて上記上部基板を上記上部基板支持部の方向に吸引するように構成されるのがよい。かかる構成とすることにより,例えば上部基板を下部基板の上方に位置付けさせる際に,柔軟性のある上部基板が垂れ下がって下部基板と接触して転写層が損傷されるなどの不具合を防止することができる。
【0021】
ここで,上記上部基板はフレームにより支持され,上記上部基板支持部は上記フレームを支持するように構成されるのがよい。この場合,上記上部基板支持部は,上部基板の面方向の位置を固定するように上記フレームを支持して,上部基板が下部基板載置部の上方に位置するようにすることができる。またこのとき,上記フレームを上記下部基板載置部に対して加圧するフレーム加圧手段をさらに含むようにするのがよい。これにより,上記フレームは,上記フレーム加圧手段により上記下部基板載置部に対して密着されるようになる。
【0022】
また,上記下部基板載置部の周辺部に位置する弾性材をさらに含むようにすることもできる。かかる弾性材を設けることにより,上記上部基板支持部及び/または上記フレームが上記下部基板載置部に密着されるとき,かかる密着によって形成される空間をシーリングして密閉することができる。
【0023】
また,上記上部基板支持部は,Z軸方向(上記上部基板を上記下部基板に対して近接または離隔させる方向)に移動可能に構成される。これにより,上部基板を下部基板の上方に位置付けさせた後に,上記上部基板支持部を下部基板に対して近接させてからラミネーションを行うことができる。
【0024】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,少なくとも一つの第1下部通気孔を有し,上記第1下部通気孔を通じて下部基板を吸着する下部基板載置部(チャック)と;上部基板が上記下部基板載置部の上方に位置するように上記上部基板を支持可能に配設されて,少なくとも一つの第1上部通気孔を有し,上記第1上部通気孔を通じて上記上部基板を加圧して上記下部基板上に密着させる上部基板支持部(キャップ)と;を含むことを特徴とするラミネータが提供される。
【0025】
このような本発明にかかるラミネータによれば,ローラを使用せずにラミネーションを行うことができる。すなわち,下部基板載置部に載置された下部基板は,上記第1下部通気孔を通じて吸着されることにより,下部基板載置部上で移動しないように堅固に支持される。そして,上部基板支持部により支持された上部基板は,上記第1上部通気孔を通じて下部基板に対して加圧されることにより,上部基板が下部基板に密着されてラミネーションを行うことができる。
【0026】
このとき,上記第1上部通気孔は上記上部基板支持部の中央部に位置するように構成するのがよい。かかる構成とすることにより,ラミネーション過程において,上部基板の中央部から下部基板に対する加圧が行われるので,下部基板と上部基板との間にバブルが含まれてラミネーション不良が発生するのを抑制することができる。
【0027】
また,上記上部基板支持部は,第2上部通気孔をさらに含み,上記第2上部通気孔を通じて上記上部基板を上記上部基板支持部の方向に吸引するように構成されるのがよい。かかる構成とすることにより,例えば上部基板を下部基板の上方に位置付けさせる際に,柔軟性のある上部基板が垂れ下がって下部基板と接触して転写層が損傷されるなどの不具合を防止することができる。
【0028】
ここで,上記上部基板はフレームにより支持され,上記上部基板支持部は上記フレームを支持するように構成されるのがよい。また,上記下部基板載置部の周辺部に位置する弾性材をさらに含むようにすることもできる。かかる弾性材を設けることにより,上記上部基板支持部及び/または上記フレームが上記下部基板載置部に密着されるとき,かかる密着によって形成される空間をシーリングして密閉することができる。
【0029】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,下部基板載置部に下部基板を載置する下部基板載置段階と;少なくとも光熱変換層及び転写層を含む上部基板を,上記転写層が上記下部基板と対向するように位置させる上部基板位置付け段階と;上記上部基板の上部空間の気体圧を上記上部基板の下部空間の気体圧より大きくして上記上部基板を上記下部基板に対して密着させる基板密着段階と;上記下部基板上に密着された上記上部基板の上部にレーザを照射して上記転写層の少なくとも一部を上記下部基板上に転写させる転写段階と;を含むことを特徴とするレーザ熱転写方法が提供される。
【0030】
このような本発明にかかるレーザ熱転写方法によれば,ローラを使用せずにラミネーションを行うことができる。すなわち,下部基板載置部に下部基板を載置し(下部基板載置段階),上部基板を上記下部基板に対して位置付け(上部基板位置付け段階)させた後に,上部基板の上部空間の気体圧を上部基板の下部空間の気体圧よりも大きくすることにより,上部基板を下部基板に対して密着させてラミネーションを行う(基板密着段階)ことができる。そして,上記ラミネーションされた下部基板と上部基板の上部基板側からレーザを照射することにより,上部基板の転写層の少なくとも一部を下部基板上に転写させる(転写段階)ことができる。このようにして,ローラを使用せずに下部基板に所定のパターンを形成することができる。
【0031】
このとき,上記下部基板載置部は第1下部通気孔を含み,上記下部基板載置段階は,上記第1下部通気孔を通じて真空を形成することにより上記下部基板を上記下部基板載置部に吸着させる段階をさらに含むようにするのがよい。すなわち,下部基板は,上記第1下部通気孔を通じて吸着されることにより,下部基板載置部上で移動しないように堅固に支持される。
【0032】
また,上記上部基板支持部は第1上部通気孔を含み,上記上部基板の上部空間の気体圧を上記上部基板の下部空間の気体圧より大きくすることは,上記第1上部通気孔を通じて圧縮ガスを注入することによりなされるようにするのがよい。このようにすることにより,上記上部基板支持部により支持された上部基板は,上記第1上部通気孔を通じて下部基板に対して加圧されて,上部基板が下部基板に密着されてラミネーションを行うことができる。
【0033】
また,上記上部基板支持部は上記第2上部通気孔をさらに含み,上記上部基板位置付け段階は,上記第2上部通気孔を通じて真空を形成することにより上記上部基板を上記上部基板支持部の方向に吸引する段階をさらに含むようにするのがよい。これにより,上部基板を下部基板の上方に位置付けさせる際に,柔軟性のある上部基板が垂れ下がって下部基板と接触して転写層が損傷されるなどの不具合を防止することができる。
【0034】
また,上記下部基板載置部は上記下部基板の縁部外側に位置する第2下部通気孔をさらに含み,上記基板密着段階は,上記第2下部通気孔を通じて真空を形成することにより上記上部基板を上記下部基板に対して密着させる段階をさらに含むようにするのがよい。これにより,下部基板載置部に載置された下部基板の外側において,上記第2下部通気孔を通じて上部基板を下部基板載置部に吸着させることにより,上部基板を下部基板に対してより強く密着させることができる。
【0035】
また,上記下部基板載置部は上記下部基板の縁部外側に位置する第2下部通気孔をさらに含み,上記転写段階の後に,上記第2下部通気孔を通じて圧縮ガスを注入することにより上記上部基板を上記下部基板から離隔させる段階をさらに含むようにするのがよい。これにより,レーザ照射による転写が完了した後に,上記第2下部通気孔を通じて上部基板を下部基板から容易に離隔させることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば,ローラーを使用せずに上部基板を下部基板上に良好にラミネーションを行うことができるレーザ熱転写装置及びラミネータ並びにレーザ熱転写装置を用いたレーザ熱転写方法を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0038】
以降の説明において,層がほかの層または基板“上”にあると説明する場合は,ほかの層または基板上に直接形成されることもでき,それらの間に第3層が介在されることもできることを意味する。
【0039】
先ず,本発明の実施の形態にかかるレーザ熱転写装置について説明する。図1は,本発明の実施の形態によるレーザ熱転写装置の構成を概略的に示す斜視図である。図2は,図1のI−I´線に沿った断面図である。
【0040】
図1及び図2に示すように,レーザ熱転写装置100は,ラミネーション領域110a及びレーザ照射領域110bを有するステージ110を含む。ステージ110には下部基板載置部(チャック)120が配設される。ステージ110は,下部基板載置部120をステージ110の面に沿って図1のX方向に移動させるように下部基板載置部120を案内するガイド部(チャックガイド)115を含む。したがって,下部基板載置部120はガイド部115に沿ってラミネーション領域110aとレーザ照射領域110bとの間で往復移動することができる。
【0041】
下部基板載置部120は,下部基板(アクセプター基板)Aを吸着するための少なくとも一つの第1下部通気孔(ventilation hole)120aを有する。また,下部基板載置部120は,下部基板Aの縁部外側(周縁)に位置する少なくとも一つの第2下部通気孔120bをさらに有することができる。第1下部通気孔120a及び第2下部通気孔120bは,第1下部真空ポンプ143及び第2下部真空ポンプ144とそれぞれ連結される。一方,下部基板載置部120は凹状に窪んだウェル120wを有することができる。この場合,第1下部通気孔120a及び第2下部通気孔120bは,ウェル120wの底面に位置し,下部基板Aはウェル120w内に位置する。
【0042】
ラミネーション領域110aの上部には上部基板支持部(キャップ)130が位置する。下部基板載置部120がラミネーション領域110aに位置するとき,上部基板支持部130は下部基板載置部120の上部に位置することになる。上部基板支持部130は上部基板(ドナーフィルム)Dが下部基板載置部120の上方に位置するように上部基板Dを支持することができる。このとき,上部基板Dがフレーム160によって支持される場合,上部基板支持部130はフレーム160を支持することにより,上部基板Dを支持することができる。
【0043】
上部基板支持部130は,上部基板Dを加圧して上部基板Dを下部基板A上に密着させるための少なくとも一つの第1上部通気孔130aを有する。第1上部通気孔130aは上部基板支持部130の中央部に位置するように配設されることができる。このとき,下部基板載置部120に設けられた第2下部通気孔120bも,上部基板Dを下部基板Aに密着させる役割りを果たすことができる。一方,第2下部通気孔120bは,上部基板Dが下部基板Aと密着された後,下部基板A上に密着された上部基板Dを下部基板Aから離隔させる役割りを果たすことこもできる。
【0044】
また,上部基板支持部130は,上部基板Dを上部基板支持部130の方向に密着させるための第2上部通気孔130bをさらに含むことができる。第1上部通気孔130a及び第2上部通気孔130bは第1上部真空ポンプ142及び第2上部真空ポンプ141とそれぞれ連結されて,上部基板Dを上部基板支持部130の方向に吸引することができる。
【0045】
上部基板支持部130は下部基板載置部120に対して凹状に窪んだウェル130wを含むことができる。この場合,第1上部通気孔130a及び第2上部通気孔130bは,ウェル130wの底面に位置する。また,上部基板Dはウェル130wの上記底面とは接触しないように上部基板支持部130により支持される。このとき,上部基板支持部130は,上部基板Dを下部基板Aに対して近接または離隔させる方向(図1のZ軸方向)に移動することができる。したがって,上部基板支持部130は,下部基板載置部120と密着されるかまたは離隔されることができる。このように,上部基板支持部130は,ラミネーション領域110aにおいて,上部基板DのX軸方向及びY軸方向の位置を固定しつつZ軸方向には移動可能に上部基板Dを支持することができる。
【0046】
上部基板支持部130の周辺には,上部基板支持部130から所定の距離だけ離隔されるようにフレーム加圧手段135を配設することができる。フレーム加圧手段135は,フレーム160を下部基板載置部120上に密着させるための手段である。
【0047】
下部基板載置部120の周辺には弾性材を設けることができる。上記弾性材は,上部基板支持部130及び/またはフレーム160が下部基板載置部120上に密着されるとき,密着によって形成される空間をシーリングして密閉する役割りを果たすことができる。
【0048】
レーザ照射領域110bの上部にはレーザ照射装置155が位置する。レーザ照射装置155はレーザガイドバー150に装着される。レーザ照射装置155はレーザガイドバー150に沿ってステージ110の面に対して平行(図1のY軸方向)に移動することができる。ここで,下部基板載置部120がレーザ照射領域110bに位置するとき,レーザ照射装置155は下部基板載置部120の上部に位置することになる。
【0049】
上記のように,本発明の実施の形態にかかるレーザ熱転写装置によれば,ラミネーション工程を行うラミネータ及びレーザ照射工程を行うレーザ照射装置を同一装備内に設けることができる。
【0050】
一方,上述した本発明の実施の形態においては,ラミネータとレーザ照射装置が同一装備内に設けられるレーザ熱転写装置を例として挙げて説明した。しかし,本発明は,下部基板載置部120及び上部基板支持部130を含むラミネータ部分だけにより構成される装置(ラミネータ)とすることも可能である。
【0051】
次に,本発明の実施の形態にかかるレーザ熱転写装置を用いたレーザ熱転写方法について説明する。図3a〜3fは,図1のI−I´線に沿った断面図であって,レーザ熱転写装置を用いたレーザ熱転写方法を説明するための図である。
【0052】
先ず,図3aに示すように,下部基板載置部120上に下部基板Aを載置する下部基板載置段階が実行される。下部基板載置部120がウェル120wを含む場合は,ウェル120wの底面上に下部基板Aを位置させる。
【0053】
図4aは図3aの下部基板Aの一部領域A_P1を拡大して示した断面図であって,下部基板Aが有機電界発光素子基板の場合を示した図である。図4aに示すように,基板10上の所定領域に半導体層20が位置する。半導体層20は,非晶質シリコン膜,または非晶質シリコン膜を結晶化させた多結晶シリコン膜であることができる。半導体層20上にはゲート絶縁膜25が位置する。ゲート絶縁膜25上には,半導体層20と重畳する位置にゲート電極30が位置する。ゲート電極30上には,半導体層20及びゲート電極30を覆う第1層間絶縁膜35が位置する。第1層間絶縁膜35上には,第1層間絶縁膜35及びゲート絶縁膜25を貫通して半導体層20の両端部とそれぞれ接続するドレイン電極41及びソース電極43が位置する。半導体層20,ゲート電極30,ドレイン電極41,及びソース電極43は,薄膜トランジスタTを構成する。ドレイン電極41及びソース電極43の上には,ドレイン電極41及びソース電極43を覆う第2層間絶縁膜50が位置する。第2層間絶縁膜50は,薄膜トランジスタTを保護するためのパッシベーション膜及び/または薄膜トランジスタによる段差を緩和するための平坦化膜を含むことができる。第2層間絶縁膜50上には,第2層間絶縁膜50を貫通してドレイン電極41と接続する画素電極55が位置する。画素電極55は,たとえばITO(Indium Tin Oxide)膜またはIZO(Indium Zinc Oxide)膜であることができる。画素電極55上には,画素電極の一部を露出させる開口部60aを有する画素定義膜(pixel defining layer)60が位置することができる。
【0054】
また,図3aに示すように,下部基板Aを下部基板載置部120に位置させた後,ウェル120wの底面に位置する第1下部通気孔120aに連結された第1下部真空ポンプ143(図1)を作動させる。すると,下部基板Aと下部基板載置部120との間には真空が形成され,その結果,下部基板Aは下部基板載置部120の方向に吸着される。上記のように,下部基板載置段階は,第1下部通気孔120aを通じて真空を形成することにより下部基板Aを下部基板載置部120aに吸着させる段階をさらに含むことができる。ここで,本明細書の全般において,「真空」とは外部より低い圧力を意味する。
【0055】
次に,上部基板Dを下部基板Aに対して位置付けする上部基板位置付け段階が実行される。このとき,上部基板Dは,少なくとも光熱変換層71及び転写層77を含み(詳細後述),転写層77が下部基板Aと対向するように配置される。
【0056】
図4bは,上部基板Dの一部領域D_Pを拡大して示した断面図である。図4bに示すように,上部基板Dは,ベース基板70,及びベース基板70上に順に積層された光熱変換層71及び転写層77を含むことができる。ベース基板70は,ポリエチレンテレフタルレート(PET:PolyEthylene Terephthalate)などの透明性高分子有機材料で形成された基板であることができる。光熱変換層71は,入射光を熱に変換させる膜であり,光吸水性物質であるアルミニウム酸化物,アルミニウム硫化物,カーボンブラック,黒鉛,または赤外線染料を含むことができる。転写層77は,下部基板Aが有機電界発光素子基板の場合,電界発光性有機膜であることができる。また,転写層77は正孔注入性有機膜,正孔輸送性有機膜,正孔抑制性有機膜,電子輸送性有機膜,及び電子注入性有機膜からなる群より選ばれる少なくとも一つの膜をさらに含むことができる。
【0057】
上部基板位置付け段階においては,先ず,下部基板載置部120と下部基板載置部120上に位置する上部基板支持部130との間の空間で上部基板Dが移送される。このとき,図3aに示すように,上部基板Dは,転写層77が下部基板Aと対向するように配置される。上部基板Dが移送されるとき,上部基板Dはフレーム160によって支持されることができる。
【0058】
ここで,上部基板Dは,一般的には,ベース基板70が高分子材料で形成された柔軟性基板である。従って,上部基板Dがフレーム160に支持されていても,図3aに示すように,上部基板Dの中央部分は重力により垂れ下がってしまうことが多い。
【0059】
次に,図3bに示すように,上部基板支持部130が下部基板載置部120と近接する方向(Z軸方向)に沿って下向きに移動してフレーム160と結合される。その結果,フレーム160は上部基板支持部130に固定される。また,フレーム160に支持される上部基板Dも上部基板支持部130に固定されるように支持される。このとき,上部基板Dと上部基板支持部130との間には両者を相互に所定の距離だけ隔離させる第1隔離空間S1が形成される。
【0060】
そして,上部基板支持部130の第2上部通気孔130bと連結された第2上部真空ポンプ141(図1)が作動する。その結果,空間S1内には真空が形成され,図3aに示すように中央部分が下方に垂れていた上部基板Dは,図3bのように上部基板支持部130の方向に密着される。これにより,上部基板Dの転写層77が下部基板Aと接触して望まない損傷を被ることを防止することができる。
【0061】
次に,図3cに示すように,フレーム160を固定する上部基板支持部130がZ軸方向に沿って下向きにさらに移動して下部基板載置部120に密着される。そしてこのとき,引き続き,上部基板支持部130に圧力が加えられるようにするのがよい。例えば,図3cに示すように,フレーム加圧手段135を下部に移動させて上部基板支持部130に固定されたフレーム160に密着させて,フレーム160を加圧するようにすることができる。したがって,上部基板支持部130及びフレーム160は下部基板載置部120上にさらに密着される。このとき,密着された下部基板載置部120と上部基板Dとの間には第2隔離空間S2が形成される。そして,上部基板支持部130及びフレーム160が下部基板載置部120上に密着されるとき,下部基板載置部120の周辺に位置した弾性材125は収縮されて第2隔離空間S2をシーリングすることができる。上記のようにして,上部基板Dが下部基板Aに対して位置付けされる。
【0062】
次に,上部基板Dを下部基板Aに対して密着させる基板密着段階が実行される。先ず,上部基板支持部130の第1上部通気孔130aを介して圧縮ガスが注入される。その結果,第1隔離空間S1内の圧力が上昇し,かかる圧力によって上部基板Dを下部基板A上に密着させることができる。望ましくは,第1上部通気孔130aは上部基板支持部130の中央部に位置する。このようにすれば,上部基板Dをその中央部から下部基板Aに密着させることができ,その後,徐々に上部基板Dの周縁部を下部基板Aに密着させるようにすることができる。その結果,上部基板Dはバブル等が混入されることなく下部基板A上に良好にラミネーションされる。ここで,第1上部通気孔130aを介して流入される圧縮ガスの圧力は,第2隔離空間S2の内部圧力よりも大きく設定されるのがよい。すなわち,上部基板Dは,上部基板Dの上部空間(第1隔離空間S1)の気体圧と上部基板Dの下部空間(第2隔離空間S2)の気体圧の差により,下部基板Aと密着されることができる。
【0063】
ここで,下部基板載置部120が第2下部通気孔120bを含む場合,第2下部通気孔120bと連結された第2下部真空ポンプ144(図1)を作動させることで,第2隔離空間S2内に真空を形成することができる。その結果,上部基板Dは,下部基板Aの縁部の外側において第2下部通気孔120bを通じて下部基板載置部120に吸着されて,下部基板A上にさらに密着されることができる。このように,第2下部通気孔120bを更に設けることにより,第1上部通気孔130aを介して流入される圧縮ガスの圧力を低めることができる。この際,弾性材125は第2隔離空間S2をシーリングして真空を維持するようにする。
【0064】
上記のようにして,上部基板Dの上部空間(第1隔離空間S1)の気体圧を上部基板Dの下部空間(第2隔離空間S2)の気体圧よりも大きくして上部基板Dを下部基板Aに対して密着(ラミメーション)させる基板密着段階が行われる。このとき,第1上部通気孔130aを介した圧縮ガスの流入と,第2下部通気孔120bを介した真空の形成は,どちらが先に行われてもよく,また,同時に行うこともできる。
【0065】
次に,図3dに示すように,上部基板支持部130は,下部基板載置部120から離隔される方向(Z軸方向)に沿って上向きに移動することにより,フレーム160から離隔される。このとき,フレーム加圧手段135は,引き続きフレーム160を下部基板載置部120上に加圧した状態に保たれるため,加圧によりシーリングされた第2隔離空間S2は第2下部通気孔120bにより真空を維持することができる。したがって,上部基板Dと下部基板Aとがラミネーションされた状態(密着された状態)を容易に維持することができる。
【0066】
次に,下部基板A上に密着された上部基板Dの上部にレーザを照射して転写層77の少なくとも一部を下部基板A上に転写させる転写段階が実行される。先ず,ラミネーションされた上部基板Dと下部基板Aとが載置された下部基板載置部120は,ガイド部(チャックガイド)115(図1)に案内されて下部基板載置部120の面に沿ってX軸方向に移動してレーザ照射装置155の下側に位置される。レーザ照射装置155はレーザガイドバー150(図1)に沿ってY軸方向に移動しながらレーザを上部基板D上に照射することができる。引き続き,下部基板載置部120はレーザ照射領域110b内でガイド部115(図1)に沿ってX軸方向に一ピッチだけ移動させる。そして,レーザ照射装置155をレーザガイドバー150(図1)に沿ってY軸方向に移動させながらレーザを上部基板D上に照射する。上記のような,下部基板載置部120のX軸方向の移動と,レーザ照射装置155をY軸方向に移動させつつレーザを照射する過程とを繰り返し行うことで,上部基板Dの全体にレーザを照射することができる。この際,レーザの照射された領域は,光熱変換層71(図4b)がレーザ光を吸収して熱を発生させ,熱が発生された光熱変換層71(図4b)の下部の転写層77は,熱によって光熱変換層71との接着力が変化することにより,下部基板A上に転写される。結果的に,下部基板A上にはパターニングされた転写層77aが形成される。
【0067】
次に,図3eに示すように,フレーム加圧手段135による加圧が維持された状態において,第2下部通気孔120bを介して圧縮ガスを注入する。その結果,第2隔離空間S2内の圧力が上昇して,上部基板Dは下部基板Aから剥離されて離隔されることができる。
【0068】
図3fに示すように,上部基板Dが下部基板Aから完全に離隔されると,フレーム加圧手段135による加圧は中断され,フレーム加圧手段135は上部に移動される。また,フレーム160も上部に移動する。その結果,下部基板Aのパターニングされた転写層77aは外部に露出することになる。
【0069】
図5は,パターニングされた転写層77aを有する下部基板Aの一部領域を拡大して示した断面図である。図5に示すように,図4aに基づいて説明した有機電界発光素子の開口部60a内で露出した画素電極55上に転写層パターン77aが位置する。転写層パターン77aは有機発光層であることができる。また,転写層パターン77aは,正孔注入層,正孔輸送層,正孔抑制層,電子輸送層,及び電子注入層からなる群より選ばれる少なくとも一層をさらに含むことができる。本発明によるレーザ熱転写装置は,有機電界発光表示装置の有機発光層をパターニングする以外にも,例えば配線などの様々な部分のパターンを形成するのに用いることができる。
【0070】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は,レーザ熱転写装置及びラミネータ並びにレーザ熱転写装置を用いたレーザ熱転写方法に適用可能であり,特に,ドナーフィルムをアクセプタ基板にラミネートしてレーザを照射することによりドナーフィルムの転写層をアクセプタ基板に熱転写させるレーザ熱転写装置及びラミネータ並びにレーザ熱転写装置を用いたレーザ熱転写方法に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態にかかるレーザ熱転写装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1のI−I´線に沿った断面図である。
【図3a】図1のI−I´線に沿った断面図であって,チャック上に下部基板を位置させた状態を示す。
【図3b】図1のI−I´線に沿った断面図であって,キャップがZ軸方向に沿って下向きに移動してフレームと結合した状態を示す。
【図3c】図1のI−I´線に沿った断面図であって,フレームを固定するキャップがZ軸方向に沿って下向きにさらに移動してチャックに密着された状態を示す。
【図3d】図1のI−I´線に沿った断面図であって,キャップがZ軸方向に沿って上向きに移動してフレームから離隔された状態を示す。
【図3e】図1のI−I´線に沿った断面図であって,第2下部通気孔を介して圧縮ガスを注入することにより,第2隔離空間内の圧力が上昇し,上部基板が下部基板から離隔された状態を示す。
【図3f】図1のI−I´線に沿った断面図であって,フレーム加圧手段による加圧が中断され,フレーム加圧手段が上部に移動するとともにフレームも上部に移動した状態を示す。
【図4a】図3aの一部領域を拡大して示した断面図である。
【図4b】図3aの他の領域を拡大して示した断面図である。
【図5】図3fの一部領域を拡大して示した断面図である。
【符号の説明】
【0073】
A 下部基板
D 上部基板
70 ベース基板
71 光熱変換層71
77 転写層
100 レーザ熱転写装置
110a ラミネーション領域
110b レーザ照射領域
110 ステージ
115 ガイド部(チャックガイド)
120 下部基板載置部(チャック)
120a 第1下部通気孔
120b 第2下部通気孔
120w ウェル
125 弾性材
130 上部基板支持部(キャップ)
130a 第1上部通気孔
130b 第2上部通気孔
130w ウェル
141 第2上部真空ポンプ
142 第1上部真空ポンプ
143 第1下部真空ポンプ
144 第2下部真空ポンプ
160 フレーム
135 フレーム加圧手段
155 レーザ照射装置
S1 第1隔離空間
S2 第2隔離空間
10 基板
20 半導体層
25 ゲート絶縁膜
30 ゲート電極
35 第1層間絶縁膜
41 ドレイン電極
43 ソース電極
50 第2層間絶縁膜
55 画素電極
60 画素定義膜
60a 開口部
T 薄膜トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの第1下部通気孔を有し,前記第1下部通気孔を通じて下部基板を吸着可能な下部基板載置部と;
上部基板が前記下部基板載置部の上方に位置するように前記上部基板を支持可能に配設されて,少なくとも一つの第1上部通気孔を有し,前記第1上部通気孔を通じて前記上部基板を加圧して前記下部基板上に密着させる上部基板支持部と;
前記下部基板と密着された前記上部基板上にレーザを照射するレーザ照射装置と;
を含んで構成されることを特徴とするレーザ熱転写装置。
【請求項2】
前記第1上部通気孔は前記上部基板支持部の中央部に位置することを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項3】
前記下部基板載置部は,前記下部基板の縁部外側に位置する少なくとも一つの第2下部通気孔をさらに含み,前記第2下部通気孔を通じて前記上部基板を前記下部基板に対して密着させるかまたは離隔させることを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項4】
前記上部基板支持部は,第2上部通気孔をさらに含み,前記第2上部通気孔を通じて前記上部基板を前記上部基板支持部の方向に吸引することを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項5】
前記上部基板支持部は,Z軸方向に移動可能なことを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項6】
前記上部基板はフレームにより支持され,前記上部基板支持部は前記フレームを支持することを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項7】
前記フレームを前記下部基板載置部に対して加圧するフレーム加圧手段をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項8】
前記下部基板載置部の周辺部に位置する弾性材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項9】
前記下部基板載置部を支持するステージをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項10】
前記ステージはラミネーション領域とレーザ照射領域を含み,前記上部基板支持部は前記ラミネーション領域の上方に位置し,前記レーザ照射装置は前記レーザ照射領域の上方に位置することを特徴とする請求項9に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項11】
前記ステージは,前記下部基板載置部をX軸方向に移動させるように案内するガイド部を含むことを特徴とする請求項9に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項12】
前記ステージはラミネーション領域とレーザ照射領域を含み,前記上部基板支持部は前記ラミネーション領域の上方に位置し,前記レーザ照射装置は前記レーザ照射領域の上方に位置し,前記下部基板載置部は前記ガイド部に沿って前記ラミネーション領域と前記レーザ照射領域との間で移動することを特徴とする請求項11に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項13】
上部基板を支持し,少なくとも一つの第1上部通気孔を有し,前記第1上部通気孔を通じて前記上部基板を加圧して下部基板上に密着させる上部基板支持部と;
少なくとも一つの第1下部通気孔及び少なくとも一つの第2下部通気孔を有し,前記下部基板を前記第1下部通気孔を通じて吸着し,前記上部基板を前記第2下部通気孔を通じて前記下部基板上に密着させる下部基板載置部と;
前記下部基板と密着された前記上部基板上にレーザを照射するレーザ照射装置と;
を含んで構成されることを特徴とするレーザ熱転写装置。
【請求項14】
前記第1上部通気孔は前記上部基板支持部の中央部に位置することを特徴とする請求項13に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項15】
前記上部基板支持部は,第2上部通気孔をさらに含み,前記第2上部通気孔を通じて前記上部基板を前記上部基板支持部の方向に吸引することを特徴とする請求項13に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項16】
前記上部基板はフレームにより支持され,前記上部基板支持部は前記フレームを支持することを特徴とする請求項13に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項17】
前記フレームを前記下部基板載置部に対して加圧するフレーム加圧手段をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項18】
前記下部基板載置部の周辺部に位置する弾性材をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項19】
前記上部基板支持部は,Z軸方向に移動可能なことを特徴とする請求項13に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項20】
少なくとも一つの第1下部通気孔を有し,前記第1下部通気孔を通じて下部基板を吸着する下部基板載置部と;
上部基板が前記下部基板載置部の上方に位置するように前記上部基板を支持可能に配設されて,少なくとも一つの第1上部通気孔を有し,前記第1上部通気孔を通じて前記上部基板を加圧して前記下部基板上に密着させる上部基板支持部と;
を含むことを特徴とするラミネータ。
【請求項21】
前記第1上部通気孔は前記上部基板支持部の中央部に位置することを特徴とする請求項20に記載のラミネータ。
【請求項22】
前記上部基板支持部は,第2上部通気孔をさらに含み,前記第2上部通気孔を通じて前記上部基板を前記上部基板支持部の方向に吸引することを特徴とする請求項20に記載のラミネータ。
【請求項23】
前記上部基板はフレームにより支持され,前記上部基板支持部は前記フレームを支持することを特徴とする請求項20に記載のラミネータ。
【請求項24】
前記下部基板載置部の周辺部に位置する弾性材をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載のラミネータ。
【請求項25】
下部基板載置部に下部基板を載置する下部基板載置段階と;
少なくとも光熱変換層及び転写層を含む上部基板を,前記転写層が前記下部基板と対向するように位置させる上部基板位置付け段階と;
前記上部基板の上部空間の気体圧を前記上部基板の下部空間の気体圧より大きくして前記上部基板を前記下部基板に対して密着させる基板密着段階と;
前記下部基板上に密着された前記上部基板の上部にレーザを照射して前記転写層の少なくとも一部を前記下部基板上に転写させる転写段階と;
を含むことを特徴とするレーザ熱転写方法。
【請求項26】
前記下部基板載置部は第1下部通気孔を含み,
前記下部基板載置段階は,前記第1下部通気孔を通じて真空を形成することにより前記下部基板を前記下部基板載置部に吸着させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項25に記載のレーザ熱転写方法。
【請求項27】
前記上部基板支持部は第1上部通気孔を含み,
前記上部基板の上部空間の気体圧を前記上部基板の下部空間の気体圧より大きくすることは,前記第1上部通気孔を通じて圧縮ガスを注入することによりなされることを特徴とする請求項25に記載のレーザ熱転写方法。
【請求項28】
前記上部基板支持部は前記第2上部通気孔をさらに含み,
前記上部基板位置付け段階は,前記第2上部通気孔を通じて真空を形成することにより前記上部基板を前記上部基板支持部の方向に吸着させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項27に記載のレーザ熱転写方法。
【請求項29】
前記下部基板載置部は前記下部基板の縁部外側に位置する第2下部通気孔をさらに含み,
前記基板密着段階は,前記第2下部通気孔を通じて真空を形成することにより前記上部基板を前記下部基板に対して密着させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項27に記載のレーザ熱転写方法。
【請求項30】
前記下部基板載置部は前記下部基板の縁部外側に位置する第2下部通気孔をさらに含み,
前記転写段階の後に,前記第2下部通気孔を通じて圧縮ガスを注入することにより前記上部基板を前記下部基板から離隔させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項25に記載のレーザ熱転写方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−179465(P2006−179465A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−306188(P2005−306188)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】