説明

レール取り付け装置

【課題】 耐久性の高いレール取り付け装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、レール取り付け装置本体1の下部のレール取り付け機構2に、側面にレールを係止するための係止爪3bを有し、レール取り付け装置本体1の下部に垂直方向に形成された第1の部分4aと、第1の部分4aと直交する方向に対して所定の角度で斜め方向に延びる第2の部分4bとを有する係止部4を設ける。そして、この係止部4及びレール取り付け装置本体1の下部に形成された水平方向のガイドレール7に引金具6を取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レール取り付け装置に関し、特に、端子台、リレー、タイマー、カウンタ、制御盤などの機器をレールに取り付けるためのレール取り付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
端子台、リレー、タイマー、カウンタ、制御盤などの機器をレールへ取り付けるためのレール取り付け装置は、一体構造の樹脂で形成され、その下部に樹脂のたわみを利用して、レール係止爪を移動させてレール取り付け部を開き、レールに取り付ける構造が採用されているものがある。
【0003】
図5は、レールに取り付けられる端子台などを格納するレール取り付け装置を示す図である。同図において、ドライバなどの工具を工具挿入部101に挿し込み、レール取り付け装置本体100を支点として、てこの原理により工具挿入部101に対して略水平方向に力を加えることにより、レールに取り付けるためのレール係止爪102aを樹脂の弾性を利用して外側水平方向に拡げる。これにより、レール係止爪102a、102bにより把持されたレール(図示せず)からレール取り付け装置本体1を取り外すことができるようになる(非特許文献1参照)。
【非特許文献1】春日電機株式会社 レール式クラッチロック端子台 (http://www.kasuga.jp/products/index.html)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レール取り付け装置が小さい場合には、工具挿入部101に係る力も小さいため、工具挿入部101が破損することはないが、レール取り付け装置自体が大型化すると、当該工具挿入部101にかかる力も大きくなるため、工具挿入部101が破損してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、耐久性の高いレール取り付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点によれば、レール取り付け装置本体と、側面にレールを係止するための係止爪を有し、前記レール取り付け装置本体の下部に垂直方向に形成された第1の部分と、前記第1の部分と直交する方向に対して所定の角度で斜め方向に延びる第2の部分とを有する係止部と、前記レール取り付け装置本体の下部に形成され、前記第1の部分と直交する方向に形成されたガイドレールと、レール取り付け装置を前記レールから取り外すための工具を挿入するための挿入穴が形成され、前記第2の部分の一端に取り付けられ、かつ前記ガイドレールによってガイドされて前記第1の部分と直交する方向に移動可能なように前記ガイドレールに取り付けられた金属部材とを具備することを特徴とするレール取り付け装置、である。
【0007】
本発明の第2の観点によれば、第1の観点において、前記第2の部分の一端と、前記係止爪とは同一平面上に形成されている。本発明の第3の観点によれば、第1の観点において、一端が前記レール取り付け装置本体の下部に取り付けられ、他端が前記第2の部分に取り付けられた補強部材をさらに具備する。
【0008】
本発明の第4の観点によれば、第1の観点において、前記レール取り付け装置本体の下部に垂直方向に形成され、前記第1の部分が所定範囲以上たわむことを防止するためのストッパーをさらに具備する。本発明の第5の観点によれば、第1の観点において、前記レール装置本体、係止部及びガイドレールは樹脂製であり一体成形されている。本発明の第6の観点によれば、第1の観点において、前記挿入穴は、前記金属部材が前記第2の部分及び前記ガイドレールに取り付けられた際に、前記レール取り付け装置本体の側面よりも突出した部分に形成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、耐久性の高いレール取り付け装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るレール取り付け装置について説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係るレールに取り付けられる端子台としてのレール取り付け装置の斜視図である。図2は、図1のレールに取り付けられたレール取り付け装置に工具を挿入した場合を示す図である。図3は、レール取り付け装置の引金具を取り外した場合の斜視図である。図4は、レール取り付け装置の引金具を取り外した場合の側面図である。
【0012】
図1乃至図4に示すように、レール取り付け装置本体1の下部には、レール11を取り付けるためのレール取り付け機構2が設けられている。このレール取り付け機構2の一部は、レール取り付け装置本体1と一体で樹脂により形成されている。
【0013】
係止爪3a、3bは、レール11を樹脂の弾性を利用して挟むことにより、レール取り付け装置本体1をレール11に係止するものであり、レール取り付け装置本体1の下部に互いに対向するように形成される。
【0014】
係止爪3bは、係止部4の一部を形成する。係止部4は、側面にレール11を係止するための係止爪3bを有し、レール取り付け装置本体1の下部に垂直方向に形成された第1の部分4aと、第1の部分4aと直交する方向に対して所定の角度で斜め上方向に延びる第2の部分4bとを有する。
【0015】
第2の部分4bの一端には、金属製(例えば、鉄)の引金具6に嵌め込まれ、係止部4と引金具6とを結合するための樹脂製の引金具係止部5が形成されている。この引金具係止部5は、第2の部分4bの他の部分の径よりも太く形成され、引金具6に嵌め込まれたときに、引金具6が係止部4から外れるのを防止するものである。
【0016】
レール取り付け装置本体1の下部には、水平方向にガイドレール7が形成されている。そして、引金具6をこのガイドレール7に取り付け、かつ引金具係止部5に嵌め込むことにより、引金具6をガイドレール7によりガイドして、水平方向、すなわち、第1の部分4aと直交する方向に移動可能にする。
【0017】
引金具6には、係止部4に取り付けた際に、レール取り付け装置本体1の側面よりも突出する部分に、ドライバーなどの取り外し工具12を挿入するための六角穴6bが形成されている。なお、取り外し工具12を挿入することができれば、穴の形状は、六角形状でなくても良いことはいうまでもない。
【0018】
係止爪3bと、第2の部分4bの一端に形成された引金具係止部5とは略同一平面上の高さに形成されている。これにより、工具12を六角穴6bに挿入し、レール取り付け装置本体1の側面を支点として、てこの原理により、引金具6を水平方向に移動させると、係止爪3bが開くように効率的に力が加わり、レール取り付け装置本体1をレール11から取り外すことが可能となる。
【0019】
すなわち、引金具6を水平方向に移動させることにより、係止部4全体をたわませることになるが、係止爪3bと第2の部分4bの一端に形成された引金具係止部5とを略同一平面の高さで形成し、かつ係止部4の第2の部分4bを斜め上方向に延びるように形成していることから、樹脂製の係止部4に過大な応力がかかるのを防止することができる。
【0020】
また、引金具6は金属製であるので、レール取り付け装置が大型のもので、大きな力を加える必要があるものであっても、従来のレール取り付け装置のように、樹脂製の工具挿入部に工具を挿入する場合に比して、レール取り付け機構2が破損することがない。
【0021】
レール取り付け装置本体1の下部であって、係止部4の第1の部分4aの近傍には、垂直方向に第1の部分4aが所定範囲以上にたわむことを防止するためのストッパー8が形成されている。このストッパー8は、レール取り付け装置本体1と一体的に形成されるものであって、樹脂製である。
【0022】
さらに、取り付け装置本体1の下部と係止部4の第2の部分4bとの間には、梁9が形成されている。この梁9も、ストッパー8と同様に、レール取り付け装置本体1と一体的に形成されるものであって、樹脂製である。このように、梁9が形成されていることにより、係止爪3a、3bによるレール11の取り付け強度を増すことができる。
【0023】
したがって、本発明の実施の形態に係るレール取り付け装置によれば、レール取り付け装置自体が大型化して、レールから取り外すのに大きな力が必要となる場合であっても、レール取り付け装置が破損することがない。
【0024】
すなわち、取り外し工具12を使用する部分に金属製の引金具6を使用することにより、取り外し工具12を使用する部分が破損するのを防止することができる。また、引金具6はレール取り付け装置本体1の下部に形成されたガイドレール7によって、水平方向のみに移動可能であり、係止爪3bと、第2の部分4bの一端に形成された引金具係止部5とは略同一平面上の高さに形成されていることから、係止部4に過大な力が加わわることなく、樹脂製の係止部が破損することもない。
【0025】
さらに、係止部4の第1の部分4aの近傍には垂直方向にストッパー8が形成されていることから、第1の部分4aが所定範囲以上にたわむことを防止することができる。
【0026】
また、取り付け装置本体1の下部と係止部4の第2の部分4bとの間には、梁9が形成されていることから、係止爪3a、3bによるレール11の取り付け強度を増すことができる。
【0027】
なお、本願発明は、上記各実施形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係るレールに取り付けられる端子台としてのレール取り付け装置の斜視図である。
【図2】図1のレールに取り付けられたレール取り付け装置に工具を挿入した場合を示す図である。
【図3】レール取り付け装置の引金具を取り外した場合の斜視図である。
【図4】レール取り付け装置の引金具を取り外した場合の側面図である。
【図5】レールに取り付けられる端子台などを格納するレール取り付け装置を示す図である。
【符号の説明】
【0029】
1…レール取り付け装置本体、2…レール取り付け機構、3a、3b…係止爪、4…係止部、5…引金具係止部、6…引金具、7…ガイドレール、8…ストッパー、9…梁、11…レール、12…工具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール取り付け装置本体と、
側面にレールを係止するための係止爪を有し、前記レール取り付け装置本体の下部に垂直方向に形成された第1の部分と、前記第1の部分と直交する方向に対して所定の角度で斜め方向に延びる第2の部分とを有する係止部と、
前記レール取り付け装置本体の下部に形成され、前記第1の部分と直交する方向に形成されたガイドレールと、
レール取り付け装置を前記レールから取り外すための工具を挿入するための挿入穴が形成され、前記第2の部分の一端に取り付けられ、かつ前記ガイドレールによってガイドされて前記第1の部分と直交する方向に移動可能なように前記ガイドレールに取り付けられた金属部材と
を具備することを特徴とするレール取り付け装置。
【請求項2】
前記第2の部分の一端と、前記係止爪とは同一平面上に形成されていることを特徴とする請求項1記載のレール取り付け装置。
【請求項3】
一端が前記レール取り付け装置本体の下部に取り付けられ、他端が前記第2の部分に取り付けられた補強部材をさらに具備することを特徴とする請求項1記載のレール取り付け装置。
【請求項4】
前記レール取り付け装置本体の下部に垂直方向に形成され、前記第1の部分が所定範囲以上たわむことを防止するためのストッパーをさらに具備することを特徴とする請求項1記載のレール取り付け装置。
【請求項5】
前記レール装置本体、係止部及びガイドレールは樹脂製であり一体成形されていることを特徴とする請求項1記載のレール取り付け装置。
【請求項6】
前記挿入穴は、前記金属部材が前記第2の部分及び前記ガイドレールに取り付けられた際に、前記レール取り付け装置本体の側面よりも突出した部分に形成されていることを特徴とする請求項1記載のレール取り付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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