説明

ログファイル管理モジュールおよびログファイル管理方法

【課題】ログファイル格納部内の全部のログファイルに保存されるログデータの総量を確保しつつ、ログファイルを開く際のコンピュータリソースの消費を低減することが可能なログファイル管理方法を提供する。
【解決手段】許容サイズが一定の複数のログファイル6が格納されるログファイル格納部8のログファイル6を管理するログファイル管理方法では、ログデータの記録時に、最新のログファイル6のサイズが所定値以下であれば、このログファイル6にログデータを記録し、所定値を超えていれば、新たなログファイル6を作成して、作成した新たなログファイル6にログデータを記録する。また、新たなログファイル6を作成する際に、ログファイル格納部8に格納されているログファイル6の数が所定数以下であれば、そのまま新たなログファイル6を作成し、所定数を超えていれば、最も古いログファイル6を削除した後に新たなログファイル6を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ログファイルを管理するためのログファイル管理モジュールおよびログファイル管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ログファイルを管理するためのログファイル管理装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のログファイル管理装置では、所定の処理ごとに生成される複数のログファイルがログ格納ディレクトリに格納されている。また、このログファイル管理装置は、設定された周期で、ログ格納ディレクトリ内のログファイルに関する情報を取得し、設定数以上のログファイルがログ格納ディレクトリ内に存在する場合には、ログファイル数が設定数以下となるまで、古いログファイルから順番にログファイルを削除している。そのため、このログファイル管理装置では、ログ格納ディレクトリ内の全てのログファイルに保存されるログデータの総量を確保することが可能になるとともに、ログデータの総量が無制限に増加して、ログ格納ディレクトリの空き容量が不足するのを防止することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−215089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ログファイルにログデータを記録する際には、ログデータが記録されるログファイルを開く必要があるが、ログファイルのサイズが大きいと、ログファイルを開く際に、コンピュータリソースの消費が増大して(すなわち、ログファイルを開くための処理時間がかかって)、ログファイル管理装置を含むシステム全体の動作に影響を与える。しかしながら、特許文献1に記載のログファイル管理装置では、ログ格納ディレクトリに格納されるログファイルの数は管理されているが、各ログファイルのサイズは管理されていない。そのため、特許文献1に記載のログファイル管理装置の場合、ログファイルのサイズが大きくなって、ログファイルを開く際のコンピュータリソースの消費が増大するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、ログファイル格納手段に格納される全部のログファイルに保存されるログデータの総量を確保しつつ、ログファイルを開く際のコンピュータリソースの消費を低減することが可能なログファイル管理モジュールおよびログファイル管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明のログファイル管理モジュールは、ログデータが記録される複数のログファイルを格納可能なログファイル格納手段と、ログデータをログファイルに記録するとともにログファイル格納手段に格納されるログファイルを管理するログ記録管理手段とを備え、複数のログファイルの許容サイズは、一定であり、ログ記録管理手段は、ログデータの記録時に、ログファイル格納手段に格納されている複数のログファイルのうちの最新のログファイルのサイズが所定値以下である場合には、最新のログファイルにログデータを記録し、最新のログファイルのサイズが所定値を超えている場合であって、かつ、ログファイル格納手段に格納されているログファイルの数が所定数以下である場合には、そのまま、新たなログファイルを作成して、この作成した新たなログファイルにログデータを記録し、最新のログファイルのサイズが所定値を超えている場合であって、かつ、ログファイル格納手段に格納されているログファイルの数が所定数を超えている場合には、ログファイル格納手段に格納されている複数のログファイルのうちの最も古いログファイルを削除した後に新たなログファイルを作成して、この作成した新たなログファイルにログデータを記録すること、または、新たなログファイルを作成した後にログファイル格納手段に格納されている複数のログファイルのうちの最も古いログファイルを削除して、この作成した新たなログファイルにログデータを記録することを特徴とする。
【0007】
本発明のログファイル管理モジュールでは、許容サイズが一定の複数のログファイルがログファイル格納手段に格納可能となっており、ログ記録管理手段は、ログデータの記録時に、ログファイル格納手段に格納されている複数のログファイルのうちの最新のログファイルのサイズが所定値以下である場合には、最新のログファイルにログデータを記録し、最新のログファイルのサイズが所定値を超えている場合には、新たなログファイルを作成して、この作成したログファイルにログデータを記録している。そのため、ログデータが記録されるログファイルのサイズを小さくすることが可能になる。すなわち、ログデータの記録時に開かられるログファイルのサイズを小さくすることが可能になる。したがって、本発明では、ログファイルを開く際のコンピュータリソースの消費を低減することが可能になる。
【0008】
また、本発明では、ログ記録管理手段は、最新のログファイルのサイズが所定値を超えている場合であって、かつ、ログファイル格納手段に格納されているログファイルの数が所定数以下である場合には、そのまま、新たなログファイルを作成している。そのため、本発明では、ログファイル格納手段に所定数のログファイルを格納することが可能になり、ログファイルの許容サイズを小さくしても、ログファイル格納手段内の全部のログファイルに保存されるログデータの総量を確保することが可能になる。
【0009】
一方、本発明では、ログ記録管理手段は、最新のログファイルのサイズが所定値を超えている場合であって、かつ、ログファイル格納手段に格納されているログファイルの数が所定数を超えている場合には、ログファイル格納手段に格納されている複数のログファイルのうちの最も古いログファイルを削除した後に新たなログファイルを作成して、この作成した新たなログファイルにログデータを記録するか、または、新たなログファイルを作成した後にログファイル格納手段に格納されている複数のログファイルのうちの最も古いログファイルを削除して、この作成した新たなログファイルにログデータを記録している。そのため、本発明では、ログファイル格納手段内の全部のログファイルに保存されるログデータの総量が無制限に増加するのを防止することが可能になる。
【0010】
本発明において、複数のログファイルは、ログファイルの作成日順、または、ログファイルに記録されるログデータの更新日時順にログファイル格納手段に格納されていることが好ましい。このように構成すると、ログファイル格納手段の中から最新のログファイルを短時間で見つけることが可能になる。したがって、ログファイルを開く際のコンピュータリソースの消費をより低減することが可能になる。また、このように構成すると、ログファイル格納手段の中から最も古いログファイルを短時間で見つけることが可能になる。したがって、最も古いログファイルを削除する際のコンピュータリソースの消費を低減することが可能になる。
【0011】
本発明において、たとえば、ログファイルの許容サイズは、1MBであり、ログファイル格納手段には、50個のログファイルが格納可能である。
【0012】
また、上記の課題を解決するため、本発明のログファイル管理方法は、ログデータが記録されるとともに許容サイズが一定の複数のログファイルを格納可能なログファイル格納手段の中のログファイルを管理するログファイル管理方法であって、ログデータの記録時に、ログファイル格納手段に格納されている複数のログファイルのうちの最新のログファイルのサイズを確認するサイズ確認ステップと、サイズ確認ステップで、最新のログファイルのサイズが所定値以下であるときに、最新のログファイルにログデータを記録する第1ログデータ記録ステップと、サイズ確認ステップで、最新のログファイルのサイズが所定値を超えているときに、ログファイル格納手段に格納されているログファイルの数を確認するファイル数確認ステップと、ファイル数確認ステップで、ログファイル格納手段に格納されているログファイルの数が所定数以下であるときに、新たなログファイルをそのまま作成する第1ログファイル作成ステップと、ファイル数確認ステップで、ログファイル格納手段に格納されているログファイルの数が所定数を超えているときに、ログファイル格納手段に格納されている複数のログファイルのうちの最も古いログファイルを削除した後に新たなログファイルを作成する、または、新たなログファイルを作成した後にログファイル格納手段に格納されている複数のログファイルのうちの最も古いログファイルを削除する第2ログファイル作成ステップと、第1ログファイル作成ステップまたは第2ログファイル作成ステップで作成された新たなログファイルにログデータを記録する第2ログデータ記録ステップとを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明のログファイル管理方法では、許容サイズが一定の複数のログファイルがログファイル格納手段に格納可能となっており、サイズ確認ステップで、ログファイル格納手段に格納されている複数のログファイルのうちの最新のログファイルのサイズが所定値以下であれば、第1ログデータ記録ステップで、最新のログファイルにログデータを記録し、かつ、サイズ確認ステップで、最新のログファイルのサイズが所定値を超えていれば、第1ログファイル作成ステップまたは第2ログファイル作成ステップで、新たなログファイルを作成して、第2ログデータ記録ステップで、この作成した新たなログファイルにログデータを記録している。そのため、ログデータが記録されるログファイルのサイズを小さくすることが可能になる。すなわち、ログデータの記録時に開かられるログファイルのサイズを小さくすることが可能になる。したがって、本発明では、ログファイルを開く際のコンピュータリソースの消費を低減することが可能になる。
【0014】
また、本発明のログファイル管理方法では、ファイル数確認ステップで、ログファイル格納手段に格納されているログファイルの数が所定数以下であれば、第1ログファイル作成ステップで、新たなログファイルをそのまま作成している。そのため、本発明では、ログファイル格納手段に所定数のログファイルを格納することが可能になり、ログファイルの許容サイズを小さくしても、ログファイル格納手段内の全部のログファイルに保存されるログデータの総量を確保することが可能になる。
【0015】
一方、本発明のログファイル管理方法では、ファイル数確認ステップで、ログファイル格納手段に格納されているログファイルの数が所定数を超えていれば、第2ログファイル作成ステップで、ログファイル格納手段に格納されている複数のログファイルのうちの最も古いログファイルを削除した後に新たなログファイルを作成するか、または、新たなログファイルを作成した後にログファイル格納手段に格納されている複数のログファイルのうちの最も古いログファイルを削除している。そのため、本発明では、ログファイル格納手段内の全部のログファイルに保存されるログデータの総量が無制限に増加するのを防止することが可能になる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明のログファイル管理モジュールおよびログファイル管理方法では、ログファイル格納手段に格納される全部のログファイルに保存されるログデータの総量を確保しつつ、ログファイルを開く際のコンピュータリソースの消費を低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態にかかるログファイル管理モジュールを適用したシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すログファイル格納部に格納されるログファイルを説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるログデータの記録方法およびログファイルの管理方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
(ログファイル管理モジュールの構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるログファイル管理モジュールを適用したシステムの概略構成を示すブロック図である。図2は、図1に示すログファイル格納部8に格納されるログファイル6を説明するための図である。
【0020】
本形態のログファイル管理モジュールが適用されるシステムは、たとえば、現金自動預金払出機(ATM)や現金自動払出機(CD)であり、カードリーダ3を備えている。このシステムでは、アプリケーションプログラム1をホストコンピュータ2上で動作させてカードリーダ3を制御する。ホストコンピュータ2は、カードリーダ3を制御するための各種機能を提供するデバイスドライバ4およびライブラリ5を備えている。ライブラリ5は、カードリーダ3を制御するための各種機能を提供する独立した電子ファイルであり、ライブラリ5の実行に際して、ライブラリ5はアプリケーションプログラム1と同じメモリ空間上に展開され、アプリケーションプログラム1の一部として実行される。デバイスドライバ4は、アプリケーションプログラム1の下層で動作し、アプリケーションプログラム1がカードリーダ3にアクセスするための各種機能を提供する。
【0021】
また、ホストコンピュータ2は、アプリケーションプログラム1の一部として実行されるライブラリ5とは別に、ログデータの生成機能および記録機能とログファイル6(図2参照)の管理機能とを担うログ記録管理機能ファイル7を備えている。ホストコンピュータ2には、ログデータが記録される複数のログファイル6を格納可能なログファイル格納手段としてのログファイル格納部8が接続されている。ログファイル格納部8は、たとえば、ハードディスクドライブである。本形態では、ログ記録管理機能ファイル7と、ログ記録管理機能ファイル7を実行するホストコンピュータ2内のCPU等の実行手段によって、ログデータをログファイル6に記録するとともに、ログファイル格納部8に格納されるログファイル6を管理するログ記録管理手段が構成されている。また、本形態では、このログ記録管理手段とログファイル格納部8とによって、ログファイル管理モジュールが構成されている。
【0022】
ログファイル格納部8に格納可能な複数のログファイル6の許容サイズは、一定となっている。具体的には、ログファイル6の許容サイズは、ログファイル6を開く際の処理がログファイル管理モジュールが適用されるシステムの動作に影響を与えない程度の大きさとなっており、たとえば、ログファイル6の許容サイズは、1MB(メガバイト)となっている。また、ログファイル6には、ログファイル6の作成日付を含むファイル名が付けられている。たとえば、ログファイル6が作成された年月日を「yyyymmdd」とし、通し番号を「n」とすると、ログファイル6には、ファイル名「Logyyyymmdd_n.txt」が付されている。
【0023】
ログファイル格納部8には、たとえば、最大で50個のログファイル6が格納可能となっている。ログファイル格納部8に格納されている複数のログファイル6は、ログファイル格納部8内において、ログファイル6の作成日順、または、ログファイル6に記録されたログデータの更新日順にソートされて格納されている。また、ログファイル格納部8には、新たなログファイル6を作成することが可能になっている。ログファイル格納部8に、格納可能な最大数のログファイル6が格納されている状態(たとえば、50個のログファイル6が格納されている状態)で、ログファイル格納部8に新たなログファイル6が作成される場合には、後述のように、ログファイル格納部8に格納されている複数のログファイル6のうちの最も古いログファイル6が削除される。
【0024】
(ログデータの記録方法およびログファイルの管理方法)
図3は、本発明の実施の形態にかかるログデータの記録方法およびログファイル6の管理方法の手順を示すフローチャートである。
【0025】
ログファイル6にログデータを記録するときには、ホストコンピュータ2(具体的には、ホストコンピュータ2のログ記録管理手段)は、以下のように、ログファイル6にログデータを記録し、また、ログファイル6を管理する。すなわち、ホストコンピュータ2は、まず、ログファイル格納部8に格納されている複数のログファイル6のうちの最新のログファイル6のサイズ(ファイルサイズ)を確認し、最新のログファイル6のサイズが所定値以下であるか否かを判断する(ステップS1)。
【0026】
ステップS1で、最新のログファイル6のサイズが所定値以下である場合(ステップS1で“Yes”の場合)には、ホストコンピュータ2は、最新のログファイル6にログデータを記録する(ステップS2)。具体的には、最新のログファイル6のサイズが所定値以下であり、最新のログファイル6にログデータを記録してもログファイル6の許容サイズを超えない場合には、ホストコンピュータ2は、ステップS2において、最新のログファイル6の末尾にログデータを記録する。たとえば、図2において、「ログファイル(3)」が最新のログファイル6である場合、「ログファイル(3)」のサイズが所定値以下であれば、ホストコンピュータ2は、ステップS2において、「ログファイル(3)」の末尾にログデータを記録する。
【0027】
一方、ステップS1で、最新のログファイル6のサイズが所定値を超えている場合(ステップS1で“No”の場合)には、ホストコンピュータ2は、ログファイル格納部8に格納されているログファイル6の数を確認し、ログファイル6の数が所定数以下であるか否かを判断する(ステップS3)。具体的には、最新のログファイル6のサイズが所定値を超えており、最新のログファイル6にログデータを記録するとログファイル6の許容サイズを超えてしまう場合には、ホストコンピュータ2は、ステップS3において、ログファイル格納部8に格納されているログファイル6の数がログファイル格納部8に格納可能なログファイル6の数の上限値(最大数)となっているか否かを判断する。たとえば、ホストコンピュータ2は、ステップS3において、ログファイル格納部8に格納されているログファイル6の数が50個であるか否かを判断する。
【0028】
ステップS3で、ログファイル格納部8に格納されているログファイル6の数が所定数以下である場合(すなわち、上限値となっていない場合、ステップS3で“No”の場合)には、ホストコンピュータ2は、ログファイル格納部8に新たなログファイル6をそのまま作成し(ステップS4)、作成した新たなログファイル6にログデータを記録する(ステップS5)。たとえば、図2において、「ログファイル(3)」が最新のログファイル6であり、かつ、「ログファイル(3)」のサイズが所定値を超えている場合に、ログファイル格納部8に格納されているログファイル6の数が上限値となっていなければ、ホストコンピュータ2は、ステップS4において、ログファイル格納部8に新たなログファイル6として「ログファイル(4)」をそのまま作成し、作成した新たな「ログファイル(4)」にログデータを記録する。
【0029】
一方、ステップS3で、ログファイル格納部8に格納されているログファイル6の数が所定数を超えている場合(すなわち、上限値となっている場合、ステップS3で“Yes”の場合)には、ホストコンピュータ2は、ログファイル格納部8に格納されている複数のログファイル6のうちの最も古いログファイル6を削除してから(ステップS6)、ステップS4へ進む。すなわち、ホストコンピュータ2は、ログファイル格納部8に格納されているログファイル6の数が上限値となっている場合には、最も古いログファイル6を削除した後に新たなログファイル6を作成し、作成した新たなログファイル6にログデータを記録する。たとえば、図2において、「ログファイル(1)」が最も古いファイル6であり、また、「ログファイル(50)」が最新のログファイル6であり、かつ、「ログファイル(50)」のサイズが所定値を超えている場合に、ログファイル格納部8に格納されているログファイル6の数が上限値となっていれば、ホストコンピュータ2は、ステップS6において、「ログファイル(1)」を削除してから、ステップS4において、新たなログファイル6として「ログファイル(51)」を作成し、作成した新たな「ログファイル(51)」にログデータを記録する。
【0030】
本形態のステップS1は、ログデータの記録時に、ログファイル格納部8に格納されている複数のログファイル6のうちの最新のログファイル6のサイズを確認するサイズ確認ステップであり、ステップS2は、ステップS1で、最新のログファイル6のサイズが所定値以下であるときに、最新のログファイル6にログデータを記録する第1ログデータ記録ステップであり、ステップS3は、ステップS1で、最新のログファイル6のサイズが所定値を超えているときに、ログファイル格納部8に格納されているログファイル6の数を確認するファイル数確認ステップである。
【0031】
また、ステップS6を経ないステップS4は、ステップS3で、ログファイル格納部8に格納されているログファイル6の数が所定数以下であるときに、新たなログファイル6をそのまま作成する第1ログファイル作成ステップであり、ステップS6を経たステップS4は、ステップS3で、ログファイル格納部6に格納されているログファイル6の数が所定数を超えているときに、ログファイル格納部8に格納されている複数のログファイル6のうちの最も古いログファイル6を削除した後に新たなログファイル6を作成する第2ログファイル作成ステップである。さらに、ステップS5は、第1ログファイル作成ステップまたは第2ログファイル作成ステップであるステップS4で作成された新たなログファイル6にログデータを記録する第2ログデータ記録ステップである。
【0032】
なお、本形態では、たとえば、ログファイル6に、カードリーダ3の通常処理に関するログデータ、カードリーダ3の警告処理に関するログデータおよびカードリーダ3のエラー処理に関するログデータの全てが記録されるが、アプリケーションプログラム1において、警告処理に関するログデータおよびエラー処理に関するログデータのみがログファイル6に記録されるように設定されても良いし、エラー処理に関するログデータのみがログファイル6に記録されるように設定されても良い。また、アプリケーションプログラム1において、ログファイル6へログデータを記録するオン状態と、ログファイル6へログデータを記録しないオフ状態とが切替可能になるように設定されても良い。さらに、同じ内容のログデータが連続して生成される場合には、アプリケーションプログラム1において、たとえば、5回目等のn回目からのログデータがログファイル6へ記録されないように設定されても良い。このように記録されるログデータの内容を制限することで、より効果的にログデータを記録することも可能である。
【0033】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、許容サイズが一定の複数のログファイル6がログファイル格納部8に格納可能となっており、ログデータの記録時に、最新のログファイル6のサイズが所定値以下である場合には、最新のログファイル6にログデータが記録され、最新のログファイル6のサイズが所定値を超えている場合には、新たなログファイル6が作成されて、この作成された新たなログファイル6にログデータが記録されている。そのため、本形態では、ログデータが記録されるログファイル6のサイズを小さくすることが可能になる。すなわち、本形態では、ログデータの記録時に開かられるログファイル6のサイズを小さくすることが可能になる。したがって、本形態では、ログファイル管理モジュールが適用されるシステムにおいて、ログファイル6を開く際のコンピュータリソースの消費を低減することが可能になる。
【0034】
特に本形態では、ログファイル格納部8に格納されている複数のログファイル6は、ログファイル格納部8内に、ログファイル6の作成日順、または、ログファイル6に記録されたログデータの更新日順にソートされて格納されているため、ログファイル格納部8の中から最新のログファイル6を短時間で見つけることが可能になる。また、本形態では、ステップS2において、最新のログファイル6の末尾にログデータが記録されているため、ログデータを記録する際に、ログデータの記録位置を短時間で見つけることが可能になる。したがって、本形態では、ログファイル6を開く際のコンピュータリソースの消費をより低減することが可能になる。
【0035】
また、本形態では、ログファイル格納部8に格納されている複数のログファイル6は、ログファイル格納部8内に、ログファイル6の作成日順、または、ログファイル6に記録されたログデータの更新日順にソートされて格納されているため、ログファイル格納部8の中から最も古いログファイル6を短時間で見つけることが可能になる。したがって、本形態では、最も古いログファイル6を削除する際のコンピュータリソースの消費を低減することが可能になる。
【0036】
本形態では、新たなログファイル6が作成される際に、ログファイル格納部8に格納されているログファイル6の数が所定数以下であれば、そのまま、新たなログファイル6が作成されている。そのため、本形態では、ログファイル格納部8に所定数のログファイル6を格納することができ、ログファイル6の許容サイズを小さくしても、ログファイル格納部8内の全部のログファイル6に保存されるログデータの総量を確保することが可能になる。
【0037】
一方、本形態では、新たなログファイル6が作成される際に、ログファイル格納部8に格納されているログファイル6の数が所定数を超えていれば、最も古いログファイル6が削除された後に新たなログファイル6が作成されている。そのため、本形態では、ログファイル格納部8内の全部のログファイル6に保存されるログデータの総量が無制限に増加するのを防止することが可能になる。
【0038】
(他の実施の形態)
上述した形態および変形例は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0039】
上述した形態では、ステップS3で、ログファイル格納部8に格納されているログファイル6の数が所定数を超えている場合に、ホストコンピュータ2は、ログファイル格納部8に格納されている複数のログファイル6のうちの最も古いログファイル6を削除した後に新たなログファイル6を作成して、作成した新たなログファイル6にログデータを記録している。この他にもたとえば、ステップS3で、ログファイル格納部8に格納されているログファイル6の数が所定数を超えている場合に、ホストコンピュータ2は、新たなログファイル6を作成した後にログファイル格納部8に格納されている複数のログファイル6のうちの最も古いログファイル6を削除して、この作成した新たなログファイル6にログデータを記録しても良い。
【0040】
上述した形態では、ホストコンピュータ2は、ライブラリ5とは別に、ログ記録管理機能ファイル7を備えているが、ライブラリ5の中にログ記録管理機能ファイル7が含まれても良い。また、上述した形態では、ログファイル管理モジュールが適用されるシステムは、ATMやCDであるが、本発明のログファイル管理モジュールは、ATMやCD以外の各種のシステムに適用されても良い。
【符号の説明】
【0041】
6 ログファイル
7 ログ記録管理ファイル(ログ記録管理手段の一部)
8 ログファイル格納部(ログファイル格納手段)
S1 サイズ確認ステップ
S2 第1ログデータ記録ステップ
S3 ファイル数確認ステップ
S4 第1ログファイル作成ステップ、第2ログファイル作成ステップ
S5 第2ログデータ記録ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ログデータが記録される複数のログファイルを格納可能なログファイル格納手段と、前記ログデータを前記ログファイルに記録するとともに前記ログファイル格納手段に格納される前記ログファイルを管理するログ記録管理手段とを備え、
複数の前記ログファイルの許容サイズは、一定であり、
前記ログ記録管理手段は、前記ログデータの記録時に、
前記ログファイル格納手段に格納されている複数の前記ログファイルのうちの最新の前記ログファイルのサイズが所定値以下である場合には、最新の前記ログファイルに前記ログデータを記録し、
最新の前記ログファイルのサイズが前記所定値を超えている場合であって、かつ、前記ログファイル格納手段に格納されている前記ログファイルの数が所定数以下である場合には、そのまま、新たな前記ログファイルを作成して、この作成した新たな前記ログファイルに前記ログデータを記録し、
最新の前記ログファイルのサイズが前記所定値を超えている場合であって、かつ、前記ログファイル格納手段に格納されている前記ログファイルの数が前記所定数を超えている場合には、前記ログファイル格納手段に格納されている複数の前記ログファイルのうちの最も古い前記ログファイルを削除した後に新たな前記ログファイルを作成して、この作成した新たな前記ログファイルに前記ログデータを記録すること、または、新たな前記ログファイルを作成した後に前記ログファイル格納手段に格納されている複数の前記ログファイルのうちの最も古い前記ログファイルを削除して、この作成した新たな前記ログファイルに前記ログデータを記録することを特徴とするログファイル管理モジュール。
【請求項2】
複数の前記ログファイルは、前記ログファイルの作成日順、または、前記ログファイルに記録される前記ログデータの更新日時順に前記ログファイル格納手段に格納されていることを特徴とする請求項1記載のログファイル管理モジュール。
【請求項3】
前記ログファイルの許容サイズは、1MBであり、
前記ログファイル格納手段には、50個の前記ログファイルが格納可能であることを特徴とする請求項1または2記載のログファイル管理モジュール。
【請求項4】
ログデータが記録されるとともに許容サイズが一定の複数のログファイルを格納可能なログファイル格納手段の中の前記ログファイルを管理するログファイル管理方法であって、
前記ログデータの記録時に、前記ログファイル格納手段に格納されている複数の前記ログファイルのうちの最新の前記ログファイルのサイズを確認するサイズ確認ステップと、
前記サイズ確認ステップで、最新の前記ログファイルのサイズが所定値以下であるときに、最新の前記ログファイルに前記ログデータを記録する第1ログデータ記録ステップと、
前記サイズ確認ステップで、最新の前記ログファイルのサイズが前記所定値を超えているときに、前記ログファイル格納手段に格納されている前記ログファイルの数を確認するファイル数確認ステップと、
前記ファイル数確認ステップで、前記ログファイル格納手段に格納されている前記ログファイルの数が所定数以下であるときに、新たな前記ログファイルをそのまま作成する第1ログファイル作成ステップと、
前記ファイル数確認ステップで、前記ログファイル格納手段に格納されている前記ログファイルの数が前記所定数を超えているときに、前記ログファイル格納手段に格納されている複数の前記ログファイルのうちの最も古い前記ログファイルを削除した後に新たな前記ログファイルを作成する、または、新たな前記ログファイルを作成した後に前記ログファイル格納手段に格納されている複数の前記ログファイルのうちの最も古い前記ログファイルを削除する第2ログファイル作成ステップと、
前記第1ログファイル作成ステップまたは前記第2ログファイル作成ステップで作成された新たな前記ログファイルに前記ログデータを記録する第2ログデータ記録ステップとを備えることを特徴とするログファイル管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−25655(P2013−25655A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161496(P2011−161496)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】