説明

ロジック回路及び電圧検出回路

【課題】ハイレベルまたはローレベルのいずれの出力論理が選択されたとしても、消費電流が抑えられる論理選択回路を備えたロジック回路及び電圧検出回路を提供する。
【解決手段】電源端子と出力端子の間に接続された第1のヒューズ101,201と、接地端子と出力端子の間に接続された第2のヒューズ102,202と、を備え、出力論理の選択時に第1のヒューズ101,201と第2のヒューズ102,202のいずれかが必ず切断される論理選択回路100,200を備えたロジック回路及び電圧検出回路。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒューズを有無によって、ハイレベルまたはローレベルを出力する論理選択回路を備えたロジック回路及び電圧検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図3は、従来の論理選択回路を備えた電圧検出回路を示す回路図である。従来の論理選択回路を備えた電圧検出回路は、論理選択回路500及び600と、検出電圧発生回路700と、基準電圧発生回路800と、コンパレータ900とを備える。論理選択回路500は、電源端子と出力端子V5との間に接続された抵抗551と、接地端子と出力端子V5との間に接続されたヒューズ501とを備える。論理選択回路600は、電源端子と出力端子V6との間に接続された抵抗651と、接地端子と出力端子V6との間に接続されたヒューズ601とを備える。検出電圧発生回路700は、抵抗701、702、703、704と、NMOSトランジスタ751、752とを備える。基準電圧発生回路800は、抵抗801と、ツェナーダイオード811とを備える。
【0003】
論理選択回路500の出力端子V5の電圧は、ヒューズ501が切断されなければローレベルになり、ヒューズ501が切断されればハイレベルになる。論理選択回路600も同様である。検出電圧発生回路700は、抵抗701、702、703、704により、電源電圧から検出電圧VAを生成する。この例の場合は、トランジスタ751と752が論理選択回路500と600の出力端子V5とV6の電圧によってオンオフが選択されることで、検出電圧VAを調整することが出来る。基準電圧発生回路800は、基準電圧VREFを生成する。コンパレータ900は、検出電圧VAと基準電圧VREFとを比較して、出力端子VOUTにハイレベルまたはローレベルを出力する。
【0004】
以上のように構成された電圧検出回路では、電源電圧が低く検出電圧VAが基準電圧VREFよりも低いときはローレベルを出力し、電源電圧が高く検出電圧VAが基準電圧VREFよりも高いときはハイレベルを出力する。このようにして、電圧検出回路は電源電圧の上昇または下降を検出することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−98105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の論理選択回路では、ローレベルを出力する場合に、ヒューズが切断されないため、論理選択回路に電流が流れてしまうという課題がある。従って、図3に示すような電圧検出回路では、検出電圧VAの調整によって消費電流が多くなってしまう。また、論理選択回路の数が多いほど、消費電流が多くなる可能性が高くなってしまう、という課題がある。
【0007】
また、抵抗551、651の抵抗値を大きくすることにより、論理選択回路の消費電流を抑えることが出来るが、抵抗の面積が大きくなってしまうという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、論理選択回路によって検出電圧が設定される電圧検出回路であって、前記論理選択回路は、電源端子と出力端子との間に接続された第1のヒューズと、接地端子と出力端子との間に接続された第2のヒューズと、前記電源端子と前記接地端子との間の電流経路に設けられたインピーダンス回路と、を備え、前記論理選択回路は、前記第1のヒューズか第2のヒューズのどちらかが切断されることを特徴とする電圧検出回路、を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の論理選択回路を備えた電圧検出回路では、論理選択回路の出力レベルによらず、2つのヒューズのいずれか一方が必ず切断されるため、電源端子と接地端子との間の電流経路が切断される。従って、消費電流が少ない電圧検出回路及び半導体装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の論理選択回路を備えた電圧検出回路を示す回路図である。
【図2】本実施形態の論理選択回路を備えたロジック回路を示す回路図である。
【図3】従来の論理選択回路を用いた電圧検出回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の論理選択回路を備えた電圧検出回路を示す回路図である。
電圧検出回路は、論理選択回路100及び200と、検出電圧発生回路700と、基準電圧発生回路800と、コンパレータ900とを備える。論理選択回路100は、インピーダンス素子である抵抗150と、ヒューズ101及び102を備える。論理選択回路200は、インピーダンス素子である抵抗250と、ヒューズ201及び202を備える。検出電圧発生回路700は、スイッチ素子であるMOSトランジスタ751及び752と、抵抗701、702、703、704を備える。基準電圧発生回路800は、抵抗801と、ツェナーダイオード811とを備える。
【0012】
論理選択回路100は、電源端子と接地端子の間に抵抗150とヒューズ101及び102が直列に接続され、ヒューズ101とヒューズ102の接点は出力端子V1に接続される。論理選択回路200は、電源端子と接地端子の間に抵抗251とヒューズ201及び202が直列に接続され、ヒューズ201とヒューズ202の接点は出力端子V2に接続される。検出電圧発生回路700は、電源端子と接地端子の間に抵抗701、702、703、704が直列に接続され、一例として、MOSトランジスタ751が抵抗702と並列に接続され、MOSトランジスタ752が抵抗703と並列に接続される。また、抵抗703と704の接続点は出力端子VAに接続される。基準電圧発生回路800は、電源端子と接地端子の間に抵抗801とツェナーダイオード811が直列に接続され、抵抗801とツェナーダイオード811の接続点は出力端子VREFに接続される。コンパレータ900は、非反転入力端子に検出電圧発生回路700の出力端子VAが接続され、反転入力端子に基準電圧発生回路800の出力端子VREFが接続され、出力端子は電圧検出回路の出力端子VOUTに接続される。
【0013】
次に、本実施形態の論理選択回路を備えた電圧検出回路の動作を、図面を参照して説明する。
電圧検出回路は、一例として、電源電圧を分圧した電圧を出力する検出電圧発生回路700の出力端子VAの電圧と、基準電圧発生回路800の出力端子VREFの基準電圧を、コンパレータ900が比較した検出結果を出力端子VOUTに出力する。即ち、電圧検出回路は、電源電圧が所望の電圧になったこと検出する。検出電圧発生回路700の出力端子VAの電圧は、例えば抵抗701、702、703、704からなる分圧抵抗によって設定される。所望の検出電圧に調整するために、分圧抵抗は論理選択回路100及び200でトリミングされる。
【0014】
論理選択回路100は、初期状態では端子V1にローレベルを出力する。そして、ヒューズ101が切断されるとローレベルを出力し、ヒューズ102が切断されるとハイレベルを出力する。従って、論理選択回路100は、ヒューズ101または102が切断されることによって出力論理が選択される。論理選択回路200も同様である。
【0015】
従って、論理選択回路100及び200が初期状態では、端子V1と端子V2はともにローレベルであるため、MOSトランジスタ751及びMOSトランジスタ752はともにオフしている。このとき、検出電圧発生回路700の出力電圧は、電源電圧と抵抗701、702、703、704によって生成される。
【0016】
ここで、端子V1がハイレベル、端子V2がローレベルに設定される場合を考える。論理選択回路100は、ヒューズ102が切断される。検出電圧発生回路700のスイッチ752がオンするので、抵抗703はショートされる。論理選択回路200は、ヒューズ201が切断される。検出電圧発生回路700のスイッチ751はオフしたままである。従って、検出電圧発生回路700の出力電圧は、電源電圧と抵抗701、702、704によって生成される。
【0017】
このとき、端子V2がローレベルに設定される論理選択回路200は、端子V2と電源端子の間に設けられたヒューズ201が切断されるので、電流経路が遮断され、電流を消費しない。
【0018】
以上説明したように、本実施形態の論理選択回路を用いた電圧検出回路は、論理選択回路の選択する論理にかかわらずどちらかのヒューズが切断されることにより、電源端子と接地端子との間の電流経路が切断されるため、論理選択回路で電流を消費することはない。
【0019】
尚、本実施形態の電圧検出回路では、検出電圧発生回路700を調整するように構成したが、基準電圧発生回路800を調整するように構成してもよい。
また、検出電圧発生回路700や基準電圧発生回路800は、論理選択回路によって出力される電圧が調整されればどのような回路であっても良く、図1に示す回路に限定されない。
【0020】
また、論理選択回路は調整する回路に応じて設けられればよく、図1のように2つに限定されることはない。
また、論理選択回路の抵抗150及び250は、電流が制限されるインピーダンス素子であればよく、ゲートとソースが接続されたデプレッショントランジスタで構成された電流源などであっても良い。また、電源端子と接地端子との間であれば、どちら側に設けられても良い。
【0021】
図2は、本実施形態の論理選択回路を備えたロジック回路を示す回路図である。
本実施形態のロジック回路3は、論理選択回路100及び200と、機能選択回路300とを備える。論理選択回路100及び200の構成は、図1の電圧検出回路を同様である。機能選択回路300は、第1の入力端子に論理選択回路100の出力端子V1が接続され、第2の入力端子に論理選択回路200の出力端子V2が接続される。
【0022】
ロジック回路3は、例えば、4つの異なった機能を有する。即ち、機能選択回路300の第1の入力端子と第2の入力端子のレベルによって、4つの機能のうちいずれかが選択される。例えば、ロジック回路3を備えた図1の電圧検出回路において、ロジック回路3の信号によって、電圧検出時の出力電圧をハイレベルとローレベルのどちらかに選択する。このように、ロジック回路3の機能選択に論理選択回路100及び200を用いた場合においても、電流を消費しない構成とすることが出来る。
【0023】
以上説明したように、本実施形態の論理選択回路を用いたロジック回路では、ロジック回路の機能を選択するときに、いずれの論理を選択する場合であっても、電源端子と接地端子との間の電流経路が切断されるため、消費電流が小さくなる。
【符号の説明】
【0024】
100、200、500、600 論理選択回路
101、102、201、202 ヒューズ
150、250 インピーダンス回路
300 機能選択回路
700 検出電圧発生回路
800 基準電圧発生回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
論理選択回路によって検出電圧が設定される電圧検出回路であって、
前記論理選択回路は、
電源端子と出力端子との間に接続された第1のヒューズと、
接地端子と出力端子との間に接続された第2のヒューズと、
前記電源端子と前記接地端子との間の電流経路に設けられたインピーダンス回路と、を備え、
前記論理選択回路は、前記第1のヒューズか第2のヒューズのどちらかが切断されることを特徴とする電圧検出回路。
【請求項2】
論理選択回路によって機能が設定されるロジック回路であって、
前記論理選択回路は、
電源端子と出力端子との間に接続された第1のヒューズと、
接地端子と出力端子との間に接続された第2のヒューズと、
前記電源端子と前記接地端子との間の電流経路に設けられたインピーダンス回路と、を備え、
前記論理選択回路は、前記第1のヒューズか第2のヒューズのどちらかが切断されることを特徴とするロジック回路。
【請求項3】
請求項2に記載のロジック回路を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電圧検出回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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