説明

ロッドの連結構造

【課題】 第1ロッドと第2ロッドを雄雌嵌合して連結するに際し、両ロッドをガタなく連結すること。
【解決手段】 ロッド10、20の連結構造であって、ガイド溝22が、第1ロッド10と第2ロッド20の挿入過程で係合突起33を径方向に徐々に変位させ得るテーパ状をなすもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロッドの連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
掃除具の柄、つえの柄等のロッドの連結構造として、特許文献1、2に記載の如く、第1ロッドと第2ロッドを雄雌嵌合して連結するに際し、第1ロッドの径方向に弾発される係合突起を該第1ロッドの周面に設けるとともに、第2ロッドの周面に第1ロッドの係合突起が嵌合係止する係合孔と、該係合突起を案内するように先端縁部から係合孔に延在されるガイド溝を設けたものがある。第1ロッドの係合突起を第2ロッドのガイド溝によって押上げつつ案内して第2ロッドの係合孔に弾発的に嵌合係止することで、両ロッドを連結するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-317513
【特許文献2】特開2003-102664
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2の従来技術には以下の問題点がある。
(1)第1ロッドと第2ロッドは、それらの係合突起と係合孔の嵌合係止により連結状態が維持されるものであるが、嵌合関係にある突起と孔の間には必然的に隙間を伴なう。このため、第1ロッドと第2ロッドは、連結状態で、それらの隙間に基づく軸方向及び周方向のガタを生ずる。
【0005】
(2)第1ロッドの係合突起は第2ロッドのガイド溝によって押上げられて弾発力をためた後、第2ロッドの係合孔に弾発的に嵌合係止する。このため、係合孔に対する係合突起の係入深さは、係合突起がガイド溝を押上げられてこれを乗り越える高さより大きくすることができず、比較的小さい。これによっても、第1ロッドと第2ロッドは、連結状態で、それらの軸方向及び周方向にガタを生じ易い。
【0006】
本発明の課題は、第1ロッドと第2ロッドを雄雌嵌合して連結するに際し、両ロッドをガタなく連結することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、第1ロッドと第2ロッドを雄雌嵌合して連結するに際し、第1ロッドの径方向に弾発される係合突起を該第1ロッドの周面に設けるとともに、第2ロッドの周面に第1ロッドの係合突起が嵌合係止する係合孔と、該係合突起を案内するように先端縁部から係合孔に延在されるガイド溝を設けたロッドの連結構造であって、第1ロッドと第2ロッドの一方に回り止め用リブを、他方に回り止め用切欠を設け、第1ロッドの係合突起が第2ロッドの係合孔に嵌合係止したと同時に、両ロッドの回り止め用リブと回り止め用切欠を両ロッドの少なくとも周方向で互いに係合可能にしてなり、前記ガイド溝が、第1ロッドと第2ロッドの挿入過程で係合突起を径方向に徐々に変位させ得るテーパ状をなすようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は実施例1のロッド連結構造を示す斜視図である。
【図2】図2はロッド及び連結部品を示し、(A)は第1ロッドを示す断面図、(B)は連結具を示す断面図、(C)は第2ロッドを示す断面図である。
【図3】図3は第1ロッドと第2ロッドの連結前状態を示し、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図4】図4は第1ロッドと第2ロッドの連結初期過程を示し、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図5】図5は第1ロッドと第2ロッドの連結中間過程を示し、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図6】図6は第1ロッドと第2ロッドの連結済状態を示し、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図7】図7は回り止め用リブと回り止め用切欠の変形例を示す模式図である。
【図8】図8は実施例2のロッドの連結構造を示す斜視図である。
【図9】図9は第1ロッドと第2ロッドの連結前状態を示す断面図である。
【図10】図10は第1ロッドと第2ロッドの連結済状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施例1)
図1は掃除具の柄の一部を構成する第1ロッド10と第2ロッド20を、第1ロッド10に設けた連結具30の介在下で、互いに挿入し、雄雌嵌合して連結するものである。尚、第2ロッド20は柄の先端部分を構成するものであって掃除ヘッド取付部20Aを備える。
【0010】
第1ロッド10は、パイプ材からなり、図2(A)に示す如く、パイプ材の一端側の周壁に連結具30のための取付孔11を貫通させて備えるとともに、パイプ材の一端側の先端縁部の周方向複数位置(本実施例では180度間隔をなす2位置、但し単一位置でも可)に回り止め用切欠12を設けてある。回り止め用切欠12は軸方向の外方に向けて開くU字状をなす。
【0011】
第1ロッド10に組付けられる連結具30は、図2(B)に示す如く、概ね全体ストレート状(ストレート部30A)をなし、基端側の概ね半周部分に軸方向の外方に向けてテーパ状に拡開する拡開部31を備えた短筒材からなる。連結具30は、基端側の内周であって、拡開部31に相対するストレート部30Aの内面に係合突起33を備える。連結具30は、ストレート部30Aの周方向における係合突起33の対向部を通り、ストレート部30Aの全長に渡るスリット34を備える。連結具30は、係合突起33を取付孔11に嵌合する状態で、第1ロッド10の一端側の外周に組付けられる。連結具30は、第1ロッド10に組付けられた自由状態で、スリット34により割られた両側壁の弾発的な縮径習性により第1ロッド10の外周に概ね隙間なく抱き着き、係合突起33を取付孔11から第1ロッド10の径方向の内方に突出し、拡開部31を第1ロッド10の外周面から離隔する(図3)。
【0012】
連結具30は、第1ロッド10に組付けられた状態で、拡開部31が第1ロッド10の外周面に引き寄せられると、スリット34を挟む両側壁を第1ロッド10の外周に抱き着かせたまま弾性的に拡幅変形し、係合突起33の取付孔11から第1ロッド10の径方向の内方への突出量を減じ、同時に該係合突起33を取付孔11から第1ロッド10の径方向の内方へ再び突出させようとする弾発力を一時的に貯える(図5)。即ち、第1ロッド10は、連結具30が組付けられた状態で、径方向の内方に弾発される係合突起33を該第1ロッド10の内周面に備えるものになる。
【0013】
第2ロッド20は、パイプ材からなり、図2(C)に示す如く、第1ロッド10の係合突起33が嵌合係止する係合孔21をパイプ材の一端側の周壁に貫通して備えるとともに、係合突起33を案内するように先端縁部から係合孔21にまで延在されるガイド溝22を外周面に備える。ガイド溝22の溝幅は、係合突起33の横幅(第1ロッド10の周方向に沿う幅)をガタなく嵌合し得る大きさに設定される。ガイド溝22は、第1ロッド10と第2ロッド20の挿入過程で、係合突起33を径方向の外方に徐々に変位させ得る(拡開部31は第1ロッド10の外周面に徐々に引き寄せられる)テーパ状の溝底面を備える(図5)。
【0014】
第2ロッド20は、パイプ材の一端側の係合孔21より奥側(先端縁部から軸方向に離れる側)の外周面の周方向複数位置(本実施例では180度間隔をなす2位置、但し単一位置でも可)に突条の回り止め用リブ23を設けてある。回り止め用リブ23は、第1ロッド10のU字状回り止め用切欠12に隙間なく嵌まるU字状をなす。これにより、第1ロッド10の係合突起33が第2ロッド20の係合孔21に嵌合係止したと同時に、両ロッド10、20の回り止め用切欠12と回り止め用リブ23が両ロッド10、20の軸方向及び周方向で互いに係合可能になるように設定される。
【0015】
回り止め用リブ23は、回り止め用切欠12と少なくとも周方向で係合し合う形状であれば良いが、図7(A)に示す如く、回り止め用切欠12に挿入される先端面を円弧状としたり、先端に向って横幅を狭くする(テーパ状)ことができる。また、回り止め用リブ23は、図7(B)に示す如く、横断面視で、上面よりも底面を広幅とすることもできる。
【0016】
回り止め用リブ23としては、両者の嵌合面が少なくとも周方向で隙間なく嵌合するものであれば、両者の嵌合面が全面密着していても、密着していなくても良い。また、回り止め用リブ23としては、両者の嵌合面の加工精度に多少の誤差があっても周方向で隙間なく嵌合し合う。また、回り止め用リブ23としては、両者の嵌合面を互いにすり合わせて削り合い、又は弾性変形させあって周方向で隙間なく嵌合し合う。
【0017】
従って、第1ロッド10と第2ロッド20は以下の手順で連結される。
(1)連結具30が組付けられた第1ロッド10を第2ロッド20に挿入する(図3、図4)。第1ロッド10の係合突起33の先端斜面33Aと第2ロッド20のガイド溝22の溝底の先端斜面22Aが接触することで(図4)、係合突起33がガイド溝22に案内開始され、第1ロッド10と第2ロッド20が周方向で位置合せされる。
【0018】
(2)第1ロッド10と第2ロッド20を軸方向に押し進めると、第1ロッド10の係合突起33は第2ロッド20のガイド溝22のテーパ状溝底面にのって徐々に押上げられて弾発力をためた後、該溝底面を乗り越えて第2ロッド20の係合孔21に弾発的に落ち込み、嵌合係止する(図5、図6)。
【0019】
(3)上述(2)で、第1ロッド10の係合突起33が第2ロッド20の係合孔21に弾発的に落ち込むとき、両ロッド10、20の軸方向には、回り止め用切欠12を回り止め用リブ23に衝突せしめるように衝合する。この結果、回り止め用リブ23のリブ幅を回り止め用切欠12の横幅(第1ロッド10の周方向に沿う幅)より大きく設定し合ったり、又は回り止め用リブ23と回り止め用切欠12の中心軸を互いにずらして回り止め用リブ23の片側エッジが回り止め用切欠12の開口エッジに衝突するように設定してあるとき(第1ロッド10と第2ロッド20に2組の回り止め用切欠12、回り止め用リブ23を設けたときには第1ロッド10と第2ロッド20の軸方向視で左右いずれか同じ側にずらし、第1ロッド10と第2ロッド20に1組の回り止め用切欠12、回り止め用リブ23を設けたときには係合孔21と係合突起33の隙間より大きくずらす)、回り止め用切欠12と回り止め用リブ23はそれらの衝合面を互いに変形させたり、削り合う等して、軸方向及び周方向で隙間なく係合し合う。回り止め用切欠12と回り止め用リブ23が同一材質からなるときには変形させ合い、異材質からなるときには硬質材が軟質材を削る。
【0020】
(4)第1ロッド10と第2ロッド20を分離するときには、連結具30の拡開部31を操作者の手指により第1ロッド10の外周面に引き寄せ、係合突起33を第2ロッド20の係合孔21から外し、第2ロッド20を引き抜く。手指を離せば、連結具30は弾発的な縮径習性により再び第1ロッド10に抱き着く。
【0021】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)第1ロッド10と第2ロッド20の挿入端で、第1ロッド10の係合突起33が第2ロッド20の係合孔21に嵌合係止したと同時に、両ロッド10、20の回り止め用リブ23と回り止め用切欠12を両ロッド10、20の周方向で互いに係合する。即ち、係合突起33が係合孔21に弾発的に嵌合する係止力により両ロッド10、20が互いに軸方向に引き込み合う抜け止め状態下で、回り止め用リブ23と回り止め用切欠12は軸方向で隙間なく係合し合い、かつ周方向でも隙間なく係合し合う。これにより、両ロッド10、20は軸方向及び周方向でガタなく連結するものになる。
【0022】
(b)第1ロッド10と第2ロッド20の挿入過程で、第1ロッド10の係合突起33は第2ロッド20のガイド溝22のテーパ状溝底面にのって徐々に押上げられて弾発力をためた後、第2ロッド20の係合孔21に弾発的に嵌合係止する。これによって両ロッド10、20の軸方向に作用する弾発的な係止力は、回り止め用リブ23と回り止め用切欠12を衝突せしめるように衝合させる。回り止め用リブ23と回り止め用切欠12は、それらの衝合面を互いに変形させたり、削り合う等して、軸方向及び周方向で確実に隙間なく係合し合うものになる。
【0023】
(c)回り止め用リブ23の形状を、回り止め用切欠12と係合する先端面を円弧状、又は先端に向って横幅を狭くするものとしたから、回り止め用リブ23と回り止め用切欠12の係合をスムーズなものとしている。
【0024】
(実施例2)
図8は掃除具の柄の一部を構成する第1ロッド110と第2ロッド120を、第1ロッド110に組付けた連結具130の介在下で、互いに挿入し、雄雌嵌合して連結するものである。
【0025】
第1ロッド110は、パイプ材からなり、パイプ材の一端側の周壁に連結具130のための環状取付溝111A及び取付孔111Bを備えるとともに、パイプ材の一端側の取付孔111Bより奥側に突条の回り止め用リブ112を設けてある。
【0026】
第1ロッド110に組付けられる連結具130は、第1ロッド110の取付溝111Aの半周分より広い範囲に弾発的な縮径習性をもって概ね隙間なく抱き着くC字状の係着リング131と、係着リング131の両端にピン結合される円弧状の操作リング132とからなる。連結具130は、第1ロッド110に組付けられた状態で、係着リング131の内面の周方向中央部に設けてある係合突起133を取付孔111Bから第1ロッド110の径方向の内方に突出し、操作リング132を第1ロッド110の取付溝111Aから径方向の外方に離隔する。連結具130は、第1ロッド110に組付けられた状態で、操作リング132が取付溝111Aに引き寄せられると、係着リング131の両側壁を取付溝111Aの外周に抱き着かせたまま弾性的に拡幅変形させ、係合突起133は取付孔111Bから第1ロッド110の径方向の内方への突出量を減じ、同時に該係合突起133を取付孔111Bから第1ロッド110の径方向の内方へ再び突出させようとする弾発力を一時的に貯える。即ち、第1ロッド110は、連結具130が組付けられた状態で、径方向の内方に弾発される係合突起133を該第1ロッド110の内周面に備えるものになる。
【0027】
第2ロッド120は、パイプ材からなり、第1ロッド110の係合突起133が嵌合係止する係合孔121をパイプ材の一端側の周壁に貫通して備えるとともに、係合突起133を案内するように先端縁部から係合孔121にまで延在されるガイド溝122を外周面に備える。ガイド溝122の溝幅は、係合突起133の横幅(第1ロッド110の周方向に沿う幅)をガタなく嵌合し得る大きさに設定される。ガイド溝122は、第1ロッド110と第2ロッド120の挿入過程で、係合突起133を径方向の外方に徐々に変位させ得る(操作リング132は取付溝111Aに徐々に引き寄せられる)テーパ状の溝底面を備えても良い。
【0028】
第2ロッド120は、パイプ材の一端側に回り止め用切欠123を設けてある。回り止め用切欠123は、本実施例においてガイド溝122と兼用され、第1ロッド110の回り止め用リブ112に隙間なく嵌まる。これにより、第1ロッド110の係合突起133が第2ロッド120の係合孔121に嵌合係止したと同時に、両ロッド110、120の回り止め用リブ112と回り止め用切欠123が両ロッド110、120の周方向で互いに係合可能となるように設定される。
【0029】
従って、第1ロッド110と第2ロッド120は以下の手順で連結される。
(1)連結具130が組付けられた第1ロッド110を第2ロッド120に挿入する(図9)。第1ロッド110の係合突起133の先端斜面133Aと第2ロッド120のガイド溝122の溝底の先端斜面122Aが接触することで、係合突起133がガイド溝122に案内開始され、第1ロッド110と第2ロッド120が周方向で位置合せされる。
【0030】
(2)第1ロッド110と第2ロッド120を軸方向に押し進めると、第1ロッド110の係合突起133は第2ロッド120のガイド溝122の溝底面にのって押上げられて弾発力をためた後、該溝底面を乗り越えて第2ロッド120の係合孔121に弾発的に落ち込み、嵌合係止する(図10)。
【0031】
(3)上述(2)で、第1ロッド110の係合突起133が第2ロッド120の係合孔121に弾発的に落ち込むとき、両ロッド110、120の軸方向には、回り止め用リブ112を回り止め用切欠123に衝突せしめるように衝合する。この結果、回り止め用切欠123のリブ幅を回り止め用リブ112の横幅(第1ロッド110の周方向に沿う幅)より大きく設定し合ったり、回り止め用切欠123と回り止め用リブ112の中心軸を互いにずらして回り止め用切欠123の片側エッジが回り止め用リブ112の開口エッジに衝突するように設定してあるとき(第1ロッド110と第2ロッド120に2組の回り止め用リブ112、回り止め用切欠123を設けたときには第1ロッド110と第2ロッド120の軸方向視で左右いずれか同じ側にずらし、第1ロッド110と第2ロッド120に1組の回り止め用リブ112、回り止め用切欠123を設けたときには係合孔121と係合突起133の隙間より大きくずらす)、回り止め用リブ112と回り止め用切欠123はそれらの衝合面を互いに変形させたり、削り合う等して、軸方向及び周方向で隙間なく係合し合う。回り止め用リブ112と回り止め用切欠123が同一材質からなるときには変形させ合い、異材質からなるときには硬質材が軟質材を削る。
【0032】
(4)第1ロッド110と第2ロッド120を分離するときには、連結具130の操作リング132を操作者の手指により第1ロッド110の外周面に引き寄せ、係合突起133を第2ロッド120の係合孔121から外し、第2ロッド120を引き抜く。手指を離せば、連結具130は弾発的な縮径習性により再び第1ロッド110に抱き着く。
【0033】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)第1ロッド110と第2ロッド120の挿入端で、第1ロッド110の係合突起133が第2ロッド120の係合孔121に嵌合係止したと同時に、両ロッド110、120の回り止め用切欠123と回り止め用リブ112を両ロッド110、120の周方向で互いに係合する。即ち、係合突起133が係合孔121に弾発的に嵌合する係止力により両ロッド110、120が互いに軸方向に引き込み合う抜け止め状態下で、回り止め用切欠123と回り止め用リブ112は隙間なく係合し合う。これにより、両ロッド110、120はガタなく連結するものになる。
【0034】
(b)第1ロッド110と第2ロッド120の挿入過程で、第1ロッド110の係合突起133は第2ロッド120のガイド溝122の溝底面にのって押上げられて弾発力をためた後、第2ロッド120の係合孔121に弾発的に嵌合係止する。これによって両ロッド110、120の軸方向に作用する弾発的な係止力は、回り止め用切欠123と回り止め用リブ112を衝突せしめるように衝合させる。回り止め用切欠123と回り止め用リブ112は、それらの衝合面を互いに変形させたり、削り合う等して、確実に隙間なく係合し合うものになる。
【0035】
(c)第2ロッド120に設けるガイド溝122を回り止め用切欠123として兼用することにより、加工及び構造を簡易化できる。
【0036】
本発明において、第1ロッドに設ける係合突起は、第1ロッドそのものに内蔵するものでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、第1ロッドと第2ロッドを雄雌嵌合して連結するに際し、第1ロッドの径方向に弾発される係合突起を該第1ロッドの周面に設けるとともに、第2ロッドの周面に第1ロッドの係合突起が嵌合係止する係合孔と、該係合突起を案内するように先端縁部から係合孔に延在されるガイド溝を設けたロッドの連結構造であって、第1ロッドと第2ロッドの一方に回り止め用リブを、他方に回り止め用切欠を設け、第1ロッドの係合突起が第2ロッドの係合孔に嵌合係止したと同時に、両ロッドの回り止め用リブと回り止め用切欠を両ロッドの少なくとも周方向で互いに係合可能にしてなり、前記ガイド溝が、第1ロッドと第2ロッドの挿入過程で係合突起を径方向に徐々に変位させ得るテーパ状をなすようにしたものである。これにより、第1ロッドと第2ロッドを雄雌嵌合して連結するに際し、両ロッドをガタなく連結することができる。
【符号の説明】
【0038】
10、110 第1ロッド
11 取付孔
12、123 回り止め用切欠
20、120 第2ロッド
21、121 係合孔
22、122 ガイド溝
23、112 回り止め用リブ
30、130 連結具
31 拡開部
33、133 係合突起
34 スリット
111A 取付溝
111B 取付孔
131 係着リング
132 操作リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ロッドと第2ロッドを雄雌嵌合して連結するに際し、
第1ロッドの径方向に弾発される係合突起を該第1ロッドの周面に設けるとともに、
第2ロッドの周面に第1ロッドの係合突起が嵌合係止する係合孔と、該係合突起を案内するように先端縁部から係合孔に延在されるガイド溝を設けたロッドの連結構造であって、
第1ロッドと第2ロッドの一方に回り止め用リブを、他方に回り止め用切欠を設け、第1ロッドの係合突起が第2ロッドの係合孔に嵌合係止したと同時に、両ロッドの回り止め用リブと回り止め用切欠を両ロッドの少なくとも周方向で互いに係合可能にしてなり、
前記ガイド溝が、第1ロッドと第2ロッドの挿入過程で係合突起を径方向に徐々に変位させ得るテーパ状をなすロッドの連結構造。
【請求項2】
前記第1ロッドに、前記係合突起を備える連結具が組付けられてなる請求項1に記載のロッドの連結構造。
【請求項3】
前記連結具が、筒材の基端側の概ね半周部分に拡開部を備え、筒材の基端側の内周であって拡開部に相対する内面に係合突起を備え、筒材の周方向における係合突起の対向部にスリットを備え、この係合突起を第1ロッドに備える取付孔に嵌合する状態で該第1ロッドの外周に組付けられ、筒材のスリットにより割られた両側壁の弾発的な縮径習性により第1ロッドの外周に抱き着き、係合突起を上記取付孔から第1ロッドの径方向の内方に突出し、拡開部を第1ロッドの外周面から離隔してなる請求項2に記載のロッドの連結構造。
【請求項4】
前記連結具が、第1ロッドに設けた取付溝の半周分より広い範囲に弾発的な縮径習性をもって抱き着くC字状の係着リングと、係着リングの両端にピン結合される円弧状の操作リングとからなり、第1ロッドに組付けられた状態で、係着リングの内面に設けてある係合突起を第1ロッドに備える取付孔から第1ロッドの径方向の内方に突出し、操作リングを第1ロッドの取付溝から径方向の外方に離隔してなる請求項2に記載のロッドの連結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−58637(P2011−58637A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275637(P2010−275637)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【分割の表示】特願2003−431455(P2003−431455)の分割
【原出願日】平成15年12月25日(2003.12.25)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】