説明

ロボットの重力補償機構

【課題】重力補償を行うエアシリンダ用の可動空間を小さくする。
【解決手段】上下方向に移動可能に設けられたシャフト5を収納する密閉筒体13を備え、この密閉筒体13に該密閉筒体13内にエアを供給・排気するエア供給排気部28を設けるように構成したので、シャフト5と密閉筒体(シリンダ本体)13が一体化し、別途設けていた重力補償を行うエアシリンダ用の可動空間を不要にできるから、エアシリンダ用可動空間を小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アームの先端部に上下方向に移動可能に設けられたシャフトの重力補償を行うロボットの重力補償機構に関する。
【背景技術】
【0002】
スカラ型ロボット(水平4軸ロボット)においては、アームの先端部にシャフトを上下方向に移動可能、且つ、回転可能に設けている。アームの先端部の上面部におけるシャフトの近傍には、シャフトの上下方向の移動の重力補償を行うエアシリンダが上方へ向けて立設されている。尚、重力補償用のエアシリンダを備えたロボットの一例が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−60663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成の場合、エアシリンダがアームの上面部から上方へ突出しているので、アーム用可動空間とは別にエアシリンダ用可動空間が必要になる。尚、シャフトは上下方向に移動可能であるから、シャフトを下方へ移動させた状態で使用すれば、シャフト用可動空間は小さくすることができる。
【0005】
近年、ロボットは小型化が求められており、それは単にロボットのボディサイズを小型化するだけでなく、作業に直接関与しない余分な部材用の可動空間も極力小さくすることが要請されている。
【0006】
そこで、本発明の目的は、重力補償を行うエアシリンダ用の可動空間を小さくすることができるロボットの重力補償機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、上下方向に移動可能に設けられたシャフトを収納する密閉筒体を備え、この密閉筒体に前記密閉筒体内にエアを供給・排気するエア供給排気部を設け、前記シャフトのうちの手先を取り付ける側の端部と反対側の端部に設けられ、前記シャフトの外径寸法よりも小さい外径の結合部とそれに続くように形成され前記結合部の外径寸法と同じかそれよりも大きい外径の円板状部とから構成されたシャフトエンド部を備える構成としたので、シャフトと密閉筒体(エアシリンダ)が一体化し、別途設けていた重力補償を行うエアシリンダ用可動空間を不要にできるから、エアシリンダ用可動空間を小さくすることができる。
【0008】
請求項2の発明によれば、シャフトエンド部の円板状部の下部のシール部材が最も内側の筒の内周部に対して摺動するときの摺動抵抗は、複数の筒における隣接する筒との係合点にあるシール部材の摺動抵抗よりも小さくなるように構成したので、シャフトが上昇するときは、最初はシャフトだけが上昇し、複数の筒は動かない。そして、シャフトエンド部の円板状部の接触用のシール部材が、最も内側の筒の内周部の内径寸法が小さい上端側と接触する位置まで、シャフトが上昇すると、それ以降、シャフトの上昇に伴って、最も内側の筒が上昇し始め、その後、最も内側の筒の外側の筒も順次上昇する。
【0009】
逆に、シャフトを下降させるときは、シャフトエンド部の円板状部の接触用のシール部材と最も内側の筒の内周部の内径寸法が小さい上端側との摺動抵抗が、各筒のシール部材の摺動抵抗よりも大きく構成されているので、最初は各筒が下降することになり、シャフトと最も内側の筒との相対位置は変わらない。そして、複数の筒が限界まで下降した後で、初めてシャフトが最も内側の筒との相対位置を替えるように下降しはじめる。
【0010】
従って、シャフトが上昇するときは上記位置まで複数の筒は上昇しない。また、シャフトが下降するときは最初から複数の筒が下降するようになるので、密閉筒体の高さは、いつも必要最小限の高さとなり、余分な可動用空間をより一層削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、(a)はエアシリンダが最も伸びた状態を示すスカラ型ロボットの斜視図、(b)はエアシリンダが最も収縮した状態を示すスカラ型ロボットの斜視図
【図2】エアシリンダが最も収縮し、且つ、シャフトが最も下降した状態の縦断面図
【図3】エアシリンダが最も収縮し、且つ、シャフトだけが上昇する上限位置まで上昇した状態の縦断面図
【図4】シャフトおよび最内周筒が一体に上昇する状態を示す縦断面図
【図5】エアシリンダが最も伸び、且つ、シャフトが最も上昇した状態の縦断面図
【図6】シャフトおよび最内周筒が一体に下降し、複数の筒が下降し始める状態を示す縦断面図
【図7】シャフトおよび最内周筒が一体に下降し、複数の筒の下降の途中状態を示す縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図1ないし図7を参照して説明する。まず、図1は、本実施形態のスカラ型ロボットの外観構成を示す図である。この図1に示すように、スカラ型ロボットの本体1は、設置面に固定されるベース2と、このベース2の上部に垂直軸J1を中心に旋回可能に連結された第1アーム3と、この第1アーム3の先端部に垂直軸J2を中心に旋回可能に連結された第2アーム4と、第2アーム4の先端部に上下動可能で且つ回転可能に設けられたシャフト5とから構成されている。上記シャフト5の下端部に、ワーク(図示しない)を把持するクランプ等の手先を着脱可能に取付ける構成となっている。
【0013】
第2アーム4の先端部におけるシャフト5に隣接する部位には、シャフト5移動駆動用のラック6がシャフト5と一体に上下方向に移動可能に設けられている。ラック6は、第2アーム4の内部に配設されたモータ(図示しない)により回転駆動されるピニオンギア(図示しない)と噛み合うことにより、上下方向に移動駆動される構成となっている。
【0014】
第2アーム4の先端部の上面部におけるシャフト5に対応する部位には、シャフト5の上下方向の移動の重力補償を行うエアシリンダ7が配設されている。このエアシリンダ7は、図1(a)、(b)に示すように、上下方向に伸縮する構造、即ち、テレスコピック構造を有するテレスコ型エアシリンダである。以下、上記エアシリンダ7およびシャフト5の具体的構成について、図2ないし図7に従って説明する。
【0015】
まず、シャフト5の配設構造について説明する。図2に示すように、上下2個の円環状のシャフトハウジング8(上部側の1個のシャフトハウジング8だけを図示する)が第2アーム4の上下面にねじ止めされている。これらシャフトハウジング8には、シャフト支持筒9が軸受10を介して回転可能に支持されている。このシャフト支持筒9は、第2アーム4内に配設された図示しないモータにより回転駆動される。
【0016】
上記シャフト支持筒9内には、シャフト5が回り止め状態で上下方向に移動可能に支持されている。シャフト5は、ラック6(図1参照)と一体に上下方向に移動するように設けられており、第2アーム4の内部のモータによりピニオンギアおよびラック6を介して上下方向に移動駆動される。
【0017】
シャフト5の一端部である上端部には、外形寸法がシャフト5の本体部分よりも小さい結合部11aと、この結合部11aに続くように設けられ外形寸法が上記本体部分よりも若干大きい円板状部11bとから構成されたシャフトエンド部11が形成されている。
【0018】
さて、上部側のシャフトハウジング8の上部には、シリンダ本体(密閉容器)13がシャフト支持筒9の上端部を覆うように例えばねじ止めにより固定されている。シリンダ本体13は、上下方向に伸縮可能なテレスコピック型伸縮筒体から構成されていると共に、上昇するシャフト5を収容する機能を有している(図5参照)。
【0019】
具体的には、シリンダ本体13は、複数例えば3個の筒、具体的には、円筒状の固定筒14と、この固定筒14内に上下方向に移動可能に設けられ固定筒14よりも少し小径の中間筒15と、この中間筒15内に上下方向に移動可能に設けられ中間筒15よりも少し小径の最内周筒16とから構成されている。固定筒14の下端部には、径大なハウジング部17が形成されており、このハウジング部17をシャフトハウジング8の上部に固定している。ハウジング部17の内周部とシャフト支持筒9の外周部との間は、弾性部材製のシール部材18によりシール(密閉)されている。
【0020】
固定筒14の内周部と中間筒15の外周部との間には、弾性部材製のシール部材19、20が配設されており、これらシール部材19、20により中間筒15が上下移動可能にシールされている。シール部材19は、固定筒14の内周部の上端部に設けられている。シール部材20は、中間筒15の外周部の下端部に設けられている。中間筒15が上下移動するときに、シール部材19が中間筒15の外周部上を摺動し、シール部材20が固定筒14の内周部上を摺動する。
【0021】
中間筒15の内周部と最内周筒16の外周部との間には、弾性部材製のシール部材21、22が配設されており、これらシール部材21、22により最内周筒16が上下移動可能にシールされている。シール部材21は、中間筒15の内周部の上端部に設けられている。シール部材22は、最内周筒16の外周部の下端部に設けられている。最内周筒16が上下移動するときに、シール部材21が最内周筒16の外周部上を摺動し、シール部材22が中間筒15の内周部上を摺動する。
【0022】
最内周筒16の内周部とシャフト5のシャフトエンド部11の円板状部11bの外周部との間には、弾性部材製のシール部材23が配設されており、このシール部材23によりシャフトエンド部11が上下移動可能にシールされている。シール部材23は、シャフトエンド部11の円板状部11bの外周部の下端部に設けられている。シャフト5(シャフトエンド部11)が上下移動するときに、シール部材23が最内周筒16の内周部上を摺動する。
【0023】
最内周筒16の内周部の上端部分には、内径寸法が少しずつ小さくなる傾斜面部24が形成されている。シャフトエンド部11の円板状部11bの外周部の上端部には、上記傾斜面部24に当接する弾性部材製のシール部材25が設けられている(図3参照)。この場合、シャフト5が上昇すると、図3に示すように、シール部材25が最内周筒16の内周部の上端部の傾斜面部24に当接して密着するようになっている。
【0024】
また、最内周筒16の上端部は、閉塞部26により閉塞されている。最内周筒16の上端部には、例えば4個の通気口16aが形成されており、各通気口16aには塵埃や油等を除去するフィルタ27が設けられている。
【0025】
更に、固定筒14の下端部のハウジング部17には、エア供給排気連結管(エア供給排気部)28が連結されており、このエア供給排気連結管28にはいずれも図示しないエアホースまたはエア管が接続されている。この場合、図示しないエア供給装置から、上記エアホースおよびエア供給排気連結管28を介して固定筒14内(ひいてはシリンダ本体13内)にエアを供給することが可能なように構成されている。また、図示しないエア排気装置によって、上記エアホースおよびエア供給排気連結管28を介して固定筒14内(ひいてはシリンダ本体13内)のエアを排気することが可能なように構成されている。尚、エアの供給量(供給圧)や、エアの排気量(排気圧)は、図示しない制御装置によって制御可能な構成となっている。
【0026】
次に、上記した構成のシャフト5およびエアシリンダ7の動作について、図2ないし図7を参照して説明する。まず、図2に示す状態は、シャフト5を下限位置まで下降させた状態である。この状態で、ラック6を上昇させると共に、エア供給排気連結管28を介してシリンダ本体13内にエアを供給することにより、シャフト5を上昇させる。この場合、シール部材23と最内周筒16の内周部との摺動抵抗は小さく設定されているから、最内周筒16は上昇することがなく、シャフト5だけが上昇する。
【0027】
この後、図3に示すように、シャフト5のシャフトエンド部12(のシール部材25)が最内周筒16の内周部の上端部の傾斜面部24に当接すると、これ以降は、図4に示すように、ラック6の上昇力とエア供給排気管28から供給されるエアの圧力により、シャフト5および最内周筒16が一体に上昇する。この場合、シール部材22と中間筒15の内周部との摺動抵抗、および、シール部材21と最内周筒16の外周部との摺動抵抗は小さく設定されおり、中間筒15は上昇することなく、シャフト5および最内周筒16が上昇する。
【0028】
そして、最内周筒16の下端部のシール部材22が中間筒15の上端部のシール部材21に当接する位置まで、シャフト5および最内周筒16が上昇すると、これ以降は、ラック6の上昇力とエア供給排気管28から供給されるエアの圧力により、シャフト5、最内周筒16および中間筒15が一体に上昇する。この場合、シール部材20と固定筒14の内周部との摺動抵抗、および、シール部材19と中間筒15の外周部との摺動抵抗は小さく設定されおり、シャフト5、最内周筒16および中間筒15が上昇する。そして、シャフト5(ひいては最内周筒16および中間筒15)は、図5に示す上限位置まで上昇することができる。
【0029】
次に、図5に示す上限位置からシャフト5を下降させる動作について説明する。図5に示す状態で、ラック6の下降力とエア供給排気管28を通して排気されるエアの排気圧により、シャフト5および最内周筒16が一体に下降する。この場合、シール部材22と中間筒15の内周部との摺動抵抗、および、シール部材21と最内周筒16の外周部との摺動抵抗が小さく設定されていると共に、シャフト5のシャフトエンド部11のシール部材25が最内周筒16の内周部の上端部の傾斜面部24に当接して押圧することによりシール部材25が傾斜面部24に密着している密着力が上記各摺動抵抗よりも強く設定されている。このため、図6に示すように、シャフト5のシャフトエンド部11のシール部材25が最内周筒16の内周部の上端部の傾斜面部24に密着した状態のまま下降し、即ち、シャフト5および最内周筒16が一体に下降し、中間筒15内を最内周筒16(およびシャフト5)が下降する。このとき、中間筒15も固定筒14内を少し下降する。
【0030】
この後、図7に示すように、シャフト5および最内周筒16が一体に更に下降し、最内周筒16の上端部の鍔部が中間筒15の上端部に当接すると、シャフト5、最内周筒16および中間筒15が一体に下降し始める。この場合、シール部材20と固定筒14の内周部との摺動抵抗、および、シール部材19と中間筒15の外周部との摺動抵抗は小さく設定されていると共に、シャフト5のシャフトエンド部11のシール部材25が最内周筒16の内周部の上端部の傾斜面部24に密着している密着力が上記各摺動抵抗よりも強く設定されている。このため、図7に示すように、シャフト5のシャフトエンド部11のシール部材25が最内周筒16の内周部の上端部の傾斜面部24に密着した状態のまま下降し、即ち、シャフト5、最内周筒16および中間筒15が一体となって固定筒14内を下降する。
【0031】
そして、シャフト5、最内周筒16および中間筒15が更に下降し、中間筒15の下端部が固定筒14内の下部に突設されたリング部14a上に当接すると(図3参照)、シャフト5が最内周筒16内を下降開始する。この後、シャフト5が下限位置まで下降すると、図2に示す状態となる。
【0032】
このような構成の本実施形態によれば、エアシリンダ7のシリンダ本体13内に、シャフト5を収容してシャフト5を上下方向に移動可能に構成したので、従来構成とは異なり、エアシリンダ専用の移動空間を不要にすることができ、それだけ移動空間を小型化することができる。また、本実施形態においては、シリンダ本体13をテレスコピック構造、即ち、伸縮可能な構成としたので、シリンダ本体13を収縮させた状態では、シリンダ本体13の突出寸法をほぼ1/3程度に小さくすることができるから、エアシリンダ7用の移動空間を更に一層小型化することができる。
【0033】
また、上記実施形態においては、シャフトエンド部11の円板状部11bの下部のシール部材23が最内周筒16の内周部に対して摺動するときの摺動抵抗が、複数の筒14、15、16における隣接する筒との係合点にあるシール部材19、20、21、22の摺動抵抗よりも小さくなるように構成したので、シャフト5が上昇するときは、最初はシャフト5だけが上昇し、複数の筒15、16は動かない。そして、シャフトエンド部11の円板状部11bの上部のシール部材25が、最内周筒16の内周部の内径寸法が小さい上端側の傾斜面部24と接触する位置まで、シャフト5が上昇すると、それ以降、シャフト5の上昇に伴って、最内周筒16が上昇し始め、その後、最内周筒16の外側の中間筒15も順次上昇する。
【0034】
逆に、上記実施形態において、シャフト5を下降させるときは、シャフトエンド部11の円板状部11bの上部のシール部材25と最内周筒16の内周部の内径寸法が小さい上端側の傾斜面部24との密着力(摺動抵抗)が、各筒14、15、16のシール部材19、20、21、22の摺動抵抗よりも大きくなるように構成されているので、最初は各筒15、16が下降することになり、シャフト5と最内周筒16との相対位置は変わらない。そして、複数の筒1516が限界まで下降した後で、初めてシャフ5トが最内周筒16との相対位置を替えるように下降しはじめる。
【0035】
従って、上記実施形態では、シャフト5が上昇するときは上記位置(図3参照)まで複数の筒15、16は上昇しない。また、シャフト5が下降するときは最初から複数の筒15、16が下降するようになるので、シリンダ本体(密閉筒体)13の高さは、いつも必要最小限の高さとなり、余分な可動用空間をより一層削減することができる。
【0036】
尚、シリンダ本体13を3段の筒14、15、16から構成したが、これに限られるものではなく、1段の筒、2段の筒、または、4段以上の筒から構成しても良い。尚、シリンダ本体13を1段の筒で構成した場合、シリンダ本体は伸縮しないが、シリンダ本体内にシャフト5が収容される構成であるので、シリンダ本体専用の可動空間を別途必要としないので、従来構成に比べて、エアシリンダ用の可動空間を小さくすることができる。
【符号の説明】
【0037】
図面中、1は本体、3は第1アーム、4は第2アーム、5はシャフト、7はエアシリンダ、8はシャフトハウジング、9はシャフト支持筒、11aは結合部、11bは円板状部、11はシャフトエンド部、13はシリンダ本体(密閉筒体)、14は固定筒、15は中間筒、16は最内周筒、18はシール部材、19はシール部材、20はシール部材、21はシール部材、22はシール部材、23はシール部材、24は傾斜面部、25はシール部材、28はエア供給排気連結管を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スカラ型ロボットのアームと、
前記アームの先端部に上下方向に移動可能に設けられたシャフトと、
前記アームの先端部の上面部に設けられ、前記シャフトを収納する密閉筒体と、
前記密閉筒体に設けられ、前記密閉筒体内にエアを供給・排気するエア供給排気部と、
前記シャフトのうちの手先を取り付ける側の端部と反対側の端部に設けられ、前記シャフトの外径寸法よりも小さい外径の結合部とそれに続くように形成され前記結合部の外径寸法と同じかそれよりも大きい外径の円板状部とから構成されたシャフトエンド部と、を備えてなるロボットの重力補償機構。
【請求項2】
前記複数の筒のうちの最も内側の筒の上端側の内径寸法が、当該筒の下端側の内径寸法よりも小さく構成され、
前記複数の筒は、隣接する筒との係合点に弾性部材製のシール部材を有し、前記シール部材が摺動することで移動可能なように構成され、
前記シャフトエンド部の円板状部の外周部の下部における前記最も内側の筒の内周部との係合点に弾性部材製のシール部材が備えられ、前記シール部材が摺動することで前記シャフトエンド部の円板状部は前記最も内側の筒に対し移動可能なように構成され、
前記シャフトエンド部の円板状部の外周部の上部における前記最も内側の筒の内周部の内径寸法が小さい上端側との接触点に弾性部材製の接触用のシール部材が備えられ、前記シャフトが上方向に移動されて前記接触用のシール部材が前記最も内側の筒の内周部の上端側に接触すると、常に接触した密着状態となるように構成され、
前記シャフトエンド部の円板状部の下部のシール部材が前記最も内側の筒の内周部に対して摺動するときの摺動抵抗は、前記複数の筒における隣接する筒との係合点にあるシール部材の摺動抵抗よりも小さくなるように構成し、
前記シャフトエンド部の円板状部の接触用シール部材と前記最も内側の筒の内周部の内径寸法が小さい上端側との摺動抵抗は、前記各筒の前記シール部材の摺動抵抗よりも大きくなるように構成したことを特徴とする請求項1記載のロボットの重力補償機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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