説明

ロボットの関節構造、ロボットフィンガ及びロボットハンド

【課題】一つの駆動手段によって3つの関節をスムーズに駆動させることができて、小型化及び軽量化が容易、かつ基端部材が把持物体と接触しても先端側に位置する関節構造が把持物体をなじんで把持することが可能なロボットの関節構造、これを備えたロボットフィンガ及びロボットハンドを提供すること。
【解決手段】固定部材41と、基端部材42と、中間部材43と、先端部材44と、前記基端部材42と、前記中間部材43とを連結するとともに、駆動手段48の押圧力を分配して伝達する第1リンク部材と、前記基端部材42と前記先端部材44とを連結する第2リンク部材50とを備え、前記駆動手段48により、これら基端部材42、中間部材43及び先端部材44の3つの可動部材がそれぞれ回動される構成とされていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3つの関節を備えたロボットの関節構造、この関節構造を備えたロボットフィンガ及びロボットハンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
前述のロボットの関節構造としては、人間の指関節や腕関節の動作を元に構成されたものがある。このようなロボットの関節構造は、固定部材、基端部材、中間部材、先端部材の4つの部材と、固定部材と基端部材とを回動可能に接続する固定ヒンジ部、基端部材と中間部材とを回動可能に接続する第1ヒンジ部、中間部材と先端部材とを回動可能に接続する第2ヒンジ部の3つのヒンジ部(関節)とを備えている。
これら複数のヒンジ部(関節)を駆動させる方法として、例えば特許文献1では、各ヒンジ部(関節)にワイヤを巻回させて回転モータの動力を伝達して駆動させるものが提案されている。
また、特許文献2では、それぞれのヒンジ部(関節)に駆動手段を別途独立に設けたものが提案されている。
【特許文献1】特開2001−277175号公報
【特許文献2】特開2002−113681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1のようにワイヤを用いたロボットの関節構造においては、ワイヤの伸びや切れ等のトラブルが発生し、頻繁にワイヤ交換を行う必要がある。しかも、ワイヤはギアやプーリに巻回されているため、その取り外しや装着に非常な手間を要する。また、ワイヤの伸びに起因して関節を精度良く動作させることができない。さらに、ワイヤでは部材を牽引することで関節を駆動させることになるため、関節の屈曲動作、伸長動作を行うワイヤをそれぞれ配置する必要がある。
【0004】
また、特許文献2のように駆動手段を各関節ごとに設けたものでは、各関節または関節を中心として回動される部材に駆動手段を固定することになり、関節構造が大型化してしまう。一方、小型の駆動手段を使用すると、駆動力が小さくなって十分に関節を駆動させることができなくなり、把持力を確保することができなくなってしまう。
このように従来のロボットの関節構造においては、各関節に多くの機構を備える必要があり、小型化及び軽量化が困難であった。
また、従来のロボットの関節構造においては、リンクの動作が一義的に定まるために、基端部材が把持物体と接触すると中間部材や先端部材の動作が停止してしまい、関節構造を把持物体になじませて把持することが困難であった。
【0005】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであって、一つの駆動手段によって3つの関節をスムーズに駆動させることができて、小型化及び軽量化が容易、かつ基端部材が把持物体と接触しても先端側に位置する関節構造が把持物体をなじんで把持することが可能なロボットの関節構造、これを備えたロボットフィンガ及びロボットハンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために、本発明に係るロボットの関節構造は、一つの駆動手段が設けられた固定部材と、前記固定部材に固定ヒンジ部を介して一端が接続され、前記駆動手段によって前記固定ヒンジ部を中心として回動される基端部材と、前記基端部材の他端側に設けられた第1ヒンジ部に一端が接続されて前記第1ヒンジ部を中心に回動可能に配置された中間部材と、前記中間部材の他端側に設けられた第2ヒンジ部に一端が接続されて前記第2ヒンジ部を中心に回動可能に配置された先端部材と、前記基端部材と、前記中間部材と前記先端部材の少なくともいずれか一方とを連結するとともに、前記駆動手段の押圧力を前記基端部材と前記連結された部材とに分配して伝達する第1リンク部材と、前記基端部材と前記先端部材とを連結し、前記中間部材の回動に連動して前記先端部材を前記第2ヒンジ部回りに回動させる第2リンク部材とを備え、一つの前記駆動手段により、これら基端部材、中間部材及び先端部材の3つの可動部材が、前記固定ヒンジ部、前記第1ヒンジ部及び前記第2ヒンジ部の3つのヒンジ部回りにそれぞれ回動される構成とされていることを特徴とする。
【0007】
この構成のロボットの関節構造においては、駆動手段の押圧力を、基端部材と、中間部材と先端部材の少なくともいずれか一方とに分配して伝達するので、駆動手段の押圧力が基端部材と、中間部材と先端部材の少なくともいずれか一方に伝達され、基端部材がワークと接触して回動できない状態となっても中間部材と先端部材の少なくともいずれかは基端部材と独立して回動するのでワークになじんだ把持をすることができる。
また、一つの駆動手段によって基端部材、中間部材及び先端部材の3つの可動部材が連動して駆動されるので、関節ごとに2以上のワイヤを配置したり、駆動手段を配置したりする必要がなく、このロボットの関節構造を小型化することができる。
さらに、固定部材に駆動手段が設けられているので、基端部材、中間部材、先端部材を軽量化することができる。
【0008】
また、前記第1リンク部材は、一端が前記基端部材に接続される基端側リンクと、一端が前記基端側リンクの他端側に配されたリンク軸部に接続されて前記基端側リンクに対して回動自在とされるとともに、他端側が前記中間部材に接続される先端側リンクとを備え、前記基端側リンクに、前記押圧力を受ける押圧力受部を形成してもよい。
この場合、第1リンク部材に入力された押圧力は、基端側リンクを介して基端部材及び中間部材に配分して伝達され、基端部材を固定部材に対して回動させるとともに中間部材を基端部材に対して第1ヒンジ部回りに回動させるので、基端部材の回動が停止されても、中間部材、先端部材が回動される。
また、先端側リンクがリンク軸部を中心に基端側リンクに対して回動可能とされているので、基端部材がワークに接触して停止すると、先端側リンクと基端側リンクとの交差角度が拡がって駆動手段の前進がすべて中間部材に伝達されて、中間部材、先端部材の回動を継続する。
その結果、基端部材がワークに接触しても中間部材、先端部材がワークになじんでワークを安定して把持することができる。
【0009】
ここで、前記駆動手段、前記固定部材、前記基端部材、前記中間部材及び前記先端部材を、長手方向に縦列するように配置し、前記固定ヒンジ部、前記第1ヒンジ部及び前記第2ヒンジ部を、それぞれの回転軸線が前記長手方向に対して直交するとともに互いに平行となるように配置し、一つの前記駆動手段により、前記基端部材、前記中間部材及び前記先端部材を同一平面上で回動するように構成してもよい。
この場合には、駆動手段も縦列するように配置されるので、関節構造の一層の小型化を図ることができる。
【0010】
また、前記駆動手段としてリニアアクチュエータを用いてもよい。リニアアクチュエータのロッドを進退させることで、基端部材を押圧又は牽引して固定ヒンジ部回りに回動させることができる。ここで、リニアアクチュエータの推力を大きくすることで、把持力を大きくすることができる。
【0011】
また、これらの関節構造を適用してロボットフィンガを構成してもよい。さらに、このロボットフィンガを複数用いてロボットハンドを構成してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、一つの駆動手段によって3つの関節をスムーズに駆動させることができて、小型化及び軽量化が容易で、かつ基端部材が把持物体と接触しても先端側に位置する関節構造が把持物体をなじんで把持することが可能なロボットの関節構造、これを備えたロボットフィンガ及びロボットハンドを提供することができる。
また、駆動手段が一つであるから、各関節ごとに駆動手段を配した従来の技術に比して駆動手段の占有スペースがそれほど制限されず、故に、大型にして大出力の駆動手段を採用でき、結果、人間と同じ大きさのハンドで人間と同程度の握力を実現することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の第1の実施形態であるロボットの関節構造が適用されたロボットフィンガについて、図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態であるロボットフィンガ40は、図1に示すように、固定部材41と、基端部材42、中間部材43、先端部材44の3つの可動部材と、固定部材41と基端部材42とを回動可能に接続する固定ヒンジ部45、基端部材42と中間部材43とを回動可能に接続する第1ヒンジ部46、中間部材43と先端部材44とを回動可能に接続する第2ヒンジ部47の3つのヒンジ部(関節)とを備えている。
【0014】
固定部材41は、上方(図中矢印Zで示す)に向けて開口した概略「コ」の字状をなしており、その後端上部には、駆動手段であるリニアアクチュエータ48を揺動可能に軸支する支軸部41Aが設けられている。
また、固定部材41の先端側(図中、矢印Xで示す)には、基端部材42と連結される固定ヒンジ部45が形成されている。
この固定部材41に支持されるリニアアクチュエータ48は、概略円柱状をなすアクチュエータ本体48Aとアクチュエータ本体48Aに対して進退可能に動作するロッド48Bとを有し、ロッド48Bの先端部には、ロッド48Bの先端部から上方に伸びる係止部48Sが形成されている。
なお、本実施形態において、リニアアクチュエータ48は電動式にて、ロッド48Bの進退量を調節可能とされており、先端側に向かうにしたがい固定部材41に対して漸次上方側に傾斜する方向にロッド48Bが進退するように配置されている。
【0015】
基端部材42は、一対のプレートが互いに対向するように配置され、これら一対のプレートの下端部分が連結された構造とされており、その幅(図中矢印Y方向長さ)は、固定部材41の一対の支持部材41C同士の距離よりも狭くされている。基端部材42の後端上部には、後述する第1リンク部材49の一端が軸支される第1支軸部42Aが形成され、後述する基端側リンク49Aの一端に形成された支軸部49Dにより第1のリンク部材49が回動自在に接続されている。
【0016】
第1リンク部材49は、一端が基端部材42に接続されるとともに基端部材42を介して固定部材41に接続される基端側リンク49Aと、一端が基端側リンク49Aの他端側に配されたリンク軸部49Eに接続されて基端側リンク49Aと回動自在とされるとともに、他端が中間部材43に接続される先端側リンク49Bとを備え、第1リンク部材49は、基端部材42と、中間部材43とを連結するとともに、リニアアクチュエータ48の押圧力を基端部材42と中間部材43とに分配して伝達するようになっている。
【0017】
基端側リンク49Aには、押圧力を受ける押圧力受部材(押圧力受部)49Cが配置され、この押圧力受部材49Cの支軸部49D側にはリニアアクチュエータ48の係止部48Sが当接可能とされる受圧部(図示せず)が形成されている。
また、基端側リンク49Aには、支軸部49Dを挟んで押圧力受部材49Cと反対側にスプリング受部49Tが形成されている。
【0018】
スプリング受部49Tと、先端側リンク49Bの先端側上部とは、コイルスプリング60により接続されており、リニアアクチュエータ48のロッド48Bが後退した場合に第1リンク部材49の屈曲が復元するように構成されている。
また、リニアアクチュエータ48の係止部48Sが基端側リンク49Aの受圧部に当接してストッパーとして機能するため、基端部材42に対して中間部材43がワークWを把持するのとは反対方向に逆折れするのが防止されるとともに、基端部材42にワークWが接触した後に初めて中間部材43が屈曲を開始するようになっている。
【0019】
押圧力受部49Cは、基端側リンク49Aの略中央部に配置され、リニアアクチュエータ48の動作するロッド48Bの先端に形成された取付部が嵌合されて押圧力が伝達されるとともに、基端側リンク49Aが回動する方向に回動可能とされている。
【0020】
また、第1リンク部材49の厚さ(図中矢印Y方向長さ)は、前述の基端部材42の一対のプレート同士の間の距離よりも薄くされ、一対のプレート同士の間を移動できるように構成されている。
【0021】
基端部材42の先端側下部には、図2に示すように、中間部材43と連結される第1ヒンジ部46が、基端部材42の先端上部には、後述する第2リンク部材50の一端が軸支される第3支軸部53が形成されている。
また、基端部材42の後端側下部に形成された第5支軸部51は固定ヒンジ部45にて固定部材41と連結されている。
【0022】
中間部材43は、下側に向けて開口した断面「コ」の字状をなしており、その幅(図中矢印Y方向長さ)は、基端部材42の一対のプレートの幅よりも狭くされている。また、中間部材43の後端下部(一端)は、第1ヒンジ部46に連結されている。この第1ヒンジ部46の上側基端側には、前述の第1リンク部材49の他端、すなわち先端側リンク49Bの他端が軸支される第2支軸部52が形成されている。
また、中間部材43の先端側上部には、先端部材44が連結される第2ヒンジ部47が配設されている。
【0023】
先端部材44は、中間部材43と同様に下側に向けて開口した断面「コ」の字状をなしており、その基端上部が第2ヒンジ部47に連結されている。また、この第2ヒンジ部47の下側には、前述の第2リンク部材50の他端が軸支される第4支軸部54が形成されている。
【0024】
また、基端部材42に形成された第3支軸部53と先端部材44に形成された第4支軸部54とが、プレート状の第2リンク部材50によって連結されている。この第2リンク部材50は、中間部材43の両側に配置され、第2リンク部材50の厚さ(図中矢印Y方向長さ)は前述の基端部材42の内側空間の幅と中間部材43の外側の幅の1/2よりも薄くされている。第4支軸部54の軸部54Aは、第2のリンク部材50の先端側に形成された支軸部に挿通されており、第2のヒンジ部47は、先端部材44と中間部材43に挿通されている。
第2リンク部材50の回動に応じて先端部材44が第4支軸部54の軸部54A回りに回動するように構成されている。
【0025】
次に、このロボットフィンガ40の動作について説明する。
リニアアクチュエータ48のロッド48Bを前進させると、第1のリンク部材49の基端側リンク49Aに設けられた押圧力受部材49Cが押圧され、基端側リンク49Aが先端側に移動する。
基端側リンク49Aが先端側に移動すると、基端部材42の第1支軸部42Aが前進して基端部材42を固定ヒンジ部45の回りに回動させる。
また、これに伴って第1のリンク部材49を構成する先端側リンク49Bが先端側に移動するとともに、基端側リンク49Aと先端側リンク49Bとがリンク軸部49Eを中心とする角度が拡がる方向に回動することにより第2支軸部52が先端側に移動して中間部材43が第1ヒンジ部46回りに回動する。
また、中間部材43が第1ヒンジ部46回りに回動するのにあわせて第2リンク部材50に規制された先端部材44が第4支軸部54回りに回動し、中間部材43の第1ヒンジ部46回りの回動に伴って先端部材44も第1ヒンジ部46回りに移動しようとする。ここで、第4支軸部54は、第2リンク部材50によって基端部材42の第3支軸部53に連結されているので、第3支軸部53を中心とした円周方向に移動が規制される。これにより、第2リンク部材50が先端部材44を牽引して、先端部材44は第2ヒンジ部47を中心として回動することになる。
また、基端部材42がワークWと接触して固定ヒンジ45回りに回動することができなくなった場合、基端側リンク49Aと先端側リンク49Bとのリンク軸部49Eを中心とした角度が拡がる方向の回動のみが行なわれて、アクチュエータ48の押圧力が中間部材43に伝達されて第2支軸部52が先端側に移動して中間部材43が第1ヒンジ部46回りに回動する。
その結果、基端部材42がワークWと接触して固定ヒンジ45回りの回動ができなくなっても中間部材43を第1ヒンジ部46回りに回動させるとともに、先端部材44を第2ヒンジ部47回りに回転させて、ロボットフィンガ40を、図3のように屈曲させることができる。
【0026】
この構成のロボットフィンガ40によれば、第1リンク部材49が、基端側リンク49Aと、先端側リンク部49Bとを備え、押圧力受部材49Cを介して基端側リンク49Aに入力されたリニアアクチュエータ48からの押圧力が、基端部材42とともに中間部材43に分配して伝達されることで、基端部材42、中間部材43、先端部材44が、それぞれ固定ヒンジ部45、第1ヒンジ部46、第2ヒンジ部47回りに独立して回動されるので、基端部材42がワークWに接触した場合でも中間部材43及び先端部材44が屈曲してワークWになじんだ把持動作をすることができる。
したがって、ひとつのリニアアクチュエータ48によって、多種のワークWを安定して把持することができる。
【0027】
以上、本発明の実施形態であるロボットの関節構造を適用したロボットフィンガ40について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態に係る2つのロボットフィンガ40を対向するように配置してロボットハンドを構成してもよい。
また、ロボットの関節構造は、ロボットフィンガを構成するのみでなく、ロボットアームに適用してもよい。この場合には、固定ヒンジ部が肩関節に相当し、第1ヒンジ部がひじ関節に相当し、第2ヒンジ部が手首関節に相当することになる。
【0028】
また、駆動手段として、例えば電動のリニアアクチュエータを備えたものとして説明したが、駆動手段はこれに限定されることはなく、エアシリンダや油圧シリンダ等を利用することも可能である。但し、ロボットフィンガの屈曲状態を任意に変えたい場合は、出力ロッドの進退量を調節し得るアクチュエータとする必要がある。
さらに、固定部材、基端部材、中間部材、先端部材の個々の形状は、本実施形態に限定されることはなく、任意の形状とすることができる。ただし、固定ヒンジ部を中心とした基端部材の回動方向と第1支軸部を中心とした第2支軸部2回動方向とが異なるように、かつ、第1ヒンジ部を中心とした中間部材13の回動方向と第3支軸部を中心とした第4支軸部の回動方向とが異なるように構成する必要がある。
【0029】
また、第1の実施形態では、第1リンク部材49を構成する先端側リンク49Bの他端側が中間部材43に接続される場合について説明したが、例えば、先端側リンク49Bの他端側を中間部材43と先端部材44の双方に、又は先端部材44に接続する構成としてもよい。
また、固定ヒンジ部45、第1ヒンジ部46、第2ヒンジ部47のうちの1つ以上に、そのヒンジ部45、46、47に接続された可動部材が回動方向とは反対側に押圧力が作用した際に一定量揺動可能かつ押圧力が作用しなくなった場合に元の位置に復帰する倣い機構が設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施形態であるロボットフィンガの伸長した状態における斜視図である。
【図2】図1に示すロボットフィンガの側面図である。
【図3】図1に示すロボットフィンガを屈曲させてワークを把持した状態における側面図である。
【符号の説明】
【0031】
40 ロボットフィンガ
41 固定部材
42 基端部材
43 中間部材
44 先端部材
45 固定ヒンジ部
46 第1ヒンジ部
47 第2ヒンジ部
48 リニアアクチュエータ(駆動手段)
49 第1リンク部材
49A 基端側リンク
49B 先端側リンク
49C 押圧力受部材(押圧力受部)
49E リンク軸部
50 第2リンク部材
30、60、90 ロボットハンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの駆動手段が設けられた固定部材と、
前記固定部材に固定ヒンジ部を介して一端が接続され、前記駆動手段によって前記固定ヒンジ部を中心として回動される基端部材と、
前記基端部材の他端側に設けられた第1ヒンジ部に一端が接続されて前記第1ヒンジ部を中心に回動可能に配置された中間部材と、
前記中間部材の他端側に設けられた第2ヒンジ部に一端が接続されて前記第2ヒンジ部を中心に回動可能に配置された先端部材と、
前記基端部材と、前記中間部材と前記先端部材の少なくともいずれか一方とを連結するとともに、前記駆動手段の押圧力を前記基端部材と前記連結された部材とに分配して伝達する第1リンク部材と、
前記基端部材と前記先端部材とを連結し、前記中間部材の回動に連動して前記先端部材を前記第2ヒンジ部回りに回動させる第2リンク部材と、を備え、
一つの前記駆動手段により、これら基端部材、中間部材及び先端部材の3つの可動部材が、前記固定ヒンジ部、前記第1ヒンジ部及び前記第2ヒンジ部の3つのヒンジ部回りにそれぞれ回動される構成とされていることを特徴とするロボットの関節構造。
【請求項2】
前記第1リンク部材は、
一端が前記基端部材に接続される基端側リンクと、
一端が前記基端側リンクの他端側に配されたリンク軸部に接続されて前記基端側リンクに対して回動自在とされるとともに、他端側が前記中間部材に接続される先端側リンクと、を備え、
前記基端側リンクに、前記押圧力を受ける押圧力受部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のロボットの関節構造。
【請求項3】
前記駆動手段、前記固定部材、前記基端部材、前記中間部材及び前記先端部材は、長手方向に縦列するように配置され、前記固定ヒンジ部、前記第1ヒンジ部及び前記第2ヒンジ部は、それぞれの回転軸線が前記長手方向に対して直交するとともに互いに平行に配置されており、
一つの前記駆動手段により、前記基端部材、前記中間部材及び前記先端部材は、同一平面上で回動するように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロボットの関節構造。
【請求項4】
前記駆動手段がリニアアクチュエータであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロボットの関節構造。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のロボットの関節構造を備えたことを特徴とするロボットフィンガ。
【請求項6】
請求項5に記載されたロボットフィンガを複数備えたことを特徴とするロボットハンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−233790(P2009−233790A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83102(P2008−83102)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(390029805)THK株式会社 (420)
【Fターム(参考)】