説明

ロボットコントローラ

【課題】発生頻度が異なる複数のログデータについて個々の発生パターンを表示する。
【解決手段】ロボットコントローラ3は、発生頻度が異なるワーニングデータを発生順に記憶するワーニングデータ記憶領域7aとエラーデータを発生順に記憶するエラーデータ記憶領域7bとを別々に用意し、ログデータの表示要求が発生すると、それらワーニングデータ記憶領域7aに発生順に記憶されているワーニングデータとエラーデータ記憶領域7bに発生順に記憶されているエラーデータとを時系列に並替えて表示する。発生頻度の差に拘らず発生頻度が高いワーニングデータだけでなく発生頻度が低いエラーデータをも表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御処理実行中に異常が発生した場合に当該異常情報を判定して発生頻度が異なる第1のログデータ及び第2のログデータのうち何れかを択一的に生成し、それら生成した第1のログデータと第2のログデータとを表示するように構成されてなるロボットコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
ログデータを取得して表示する場合には、時系列で取得したログデータを記憶領域の許す限り記憶し、その記憶したログデータを表示するようになっていた(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−28509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に記載されている方法では、発生頻度が異なる複数のログデータを取得して表示する場合には、発生頻度が高いログデータばかりが記憶領域に残る一方で、発生頻度が低いログデータは記憶領域から消えてしまうことになり、その結果、直近のログデータの発生状況を表示するに止まり、発生頻度が高いログデータを偏って表示することになり、発生頻度が高いログデータ及び発生頻度が低いログデータについて個々の発生パターンを表示することが困難である。このような状況は発生頻度の差が大きいほど顕著となる。このような問題を解決するには記憶領域を拡大して全てのログデータを記憶するように構成すれば良いが、発生するログデータの個数は不明であり、記憶領域を無限に確保することは現実的に不可能であるので、現実的な方法ではない。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、発生頻度が異なる複数のログデータについて個々の発生パターンを表示することを可能とするロボットコントローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明によれば、ログデータ生成手段は、制御処理実行中に発生した情報を判定して発生頻度が異なる第1のログデータ及び第2のログデータのうち何れかを択一的に生成する。ログデータ生成手段が第1のログデータを生成すると、第1のログデータ記憶手段は、第1のログデータを当該第1のログデータに対応する情報が発生した発生順を特定可能な発生順情報と対応付け、第1のログデータを既に第1の所定数だけ記憶しているときに新たな第1のログデータを記憶しようとするときには当該既に記憶している第1のログデータのうち最古の第1のログデータを消去して当該新たな第1のログデータを記憶することで、第1のログデータを発生順が新しい側から第1の所定数だけ順次記憶する。一方、ログデータ生成手段が第2のログデータを生成すると、第2のログデータ記憶手段は、第2のログデータを当該第2のログデータに対応する情報が発生した発生順を特定可能な発生順情報と対応付け、第2のログデータを既に第2の所定数だけ記憶しているときに新たな第2のログデータを記憶しようとするときには当該既に記憶している第2のログデータのうち最古の第2のログデータを消去して当該新たな第2のログデータを記憶することで、第2のログデータを発生順が新しい側から第2の所定数だけ順次記憶する。
【0007】
ログデータの表示要求が発生すると、ログデータ表示制御手段は、第1のログデータ記憶手段に記憶されている複数の第1のログデータ及び第2のログデータ記憶手段に記憶されている複数の第2のログデータについて、一方の最新のログデータの発生順情報と他方の発生順が新しい側のログデータの発生順情報とを比較して一方の最新のログデータに対して発生順が直前の古い他方のログデータを特定し、一方の最新のログデータよりも新しい他方のログデータだけが発生順に連続する区間を特定して表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、次いで、一方のログデータのうち当該最新のログデータを除く残りのログデータの発生順情報と他方のログデータのうち当該最新のログデータよりも新しいログデータを除く残りのログデータの発生順情報とを発生順が新しい側から比較して一方のログデータ及び他方のログデータのうち何れかの最古のログデータを特定し、一方のログデータと他方のログデータとが混在して発生順に連続する区間を特定して表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、次いで、一方のログデータ及び他方のログデータのうち残った何れかだけを発生順に表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、表示用ログデータ記憶手段に記憶されているログデータを表示手段に表示させる。
【0008】
このものによれば、発生頻度が異なる第1のログデータを第1の所定数だけ発生順に記憶する記憶領域としての第1のログデータ記憶手段と第2のログデータを第2の所定数だけ発生順に記憶する記憶領域としての第2のログデータ記憶手段とを別々に用意し、ログデータの表示要求が発生すると、それら第1のログデータ記憶手段に発生順に記憶されている第1のログデータと第2のログデータ記憶手段に発生順に記憶されている第2のログデータとを時系列に並替えて表示するように構成したので、直近のログデータだけを記憶して表示する従来のものとは異なって、発生頻度の差に拘らず発生頻度が高いログデータだけでなく発生頻度が低いログデータをも所定数だけ表示することができ、発生頻度が異なる複数のログデータについて個々の発生パターンを表示することができる。
【0009】
また、このように一方のログデータと他方のログデータとが混在して発生順に連続する区間を特定して記憶させた後では、一方のログデータ及び他方のログデータのうち残った何れかだけを発生順に記憶させるように構成したので、一方のログデータ及び他方のログデータのうち残った何れかについては発生順情報を比較する処理を省略することができ、その分、ログデータを時系列に並替える処理を効率良く行うことができる。
【0010】
請求項2に記載した発明によれば、ログデータ生成手段は、制御処理実行中に発生した情報を判定して発生頻度が異なる第1のログデータ及び第2のログデータのうち何れかを択一的に生成する。ログデータ生成手段が第1のログデータを生成すると、第1のログデータ記憶手段は、第1のログデータを当該第1のログデータに対応する情報が発生した発生順を特定可能な発生順情報と対応付け、第1のログデータを既に第1の所定数だけ記憶しているときに新たな第1のログデータを記憶しようとするときには当該既に記憶している第1のログデータのうち最古の第1のログデータを消去して当該新たな第1のログデータを記憶することで、第1のログデータを発生順が新しい側から第1の所定数だけ順次記憶する。一方、ログデータ生成手段が第2のログデータを生成すると、第2のログデータ記憶手段は、第2のログデータを当該第2のログデータに対応する情報が発生した発生順を特定可能な発生順情報と対応付け、第2のログデータを既に第2の所定数だけ記憶しているときに新たな第2のログデータを記憶しようとするときには当該既に記憶している第2のログデータのうち最古の第2のログデータを消去して当該新たな第2のログデータを記憶することで、第2のログデータを発生順が新しい側から第2の所定数だけ順次記憶する。
【0011】
ログデータの表示要求が発生すると、ログデータ表示制御手段は、第1のログデータ記憶手段に記憶されている複数の第1のログデータ及び第2のログデータ記憶手段に記憶されている複数の第2のログデータについて、一方の最古のログデータの発生順情報と他方の発生順が古い側のログデータの発生順情報とを比較して一方の最古のログデータに対して発生順が直後の新しい他方のログデータを特定し、一方の最古のログデータよりも古い他方のログデータだけが発生順に連続する区間を特定して表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、次いで、一方のログデータのうち当該最古のログデータを除く残りのログデータの発生順情報と他方のログデータのうち当該最古のログデータよりも古いログデータを除く残りのログデータの発生順情報とを発生順が古い側から比較して一方のログデータ及び他方のログデータのうち何れかの最新のログデータを特定し、一方のログデータと他方のログデータとが混在して発生順に連続する区間を特定して表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、次いで、一方のログデータ及び他方のログデータのうち残った何れかだけを発生順に表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、表示用ログデータ記憶手段に記憶されているログデータを表示手段に表示させる。
【0012】
このものによれば、上記した請求項1に記載したものと同様にして、発生頻度が異なる第1のログデータを第1の所定数だけ発生順に記憶する記憶領域としての第1のログデータ記憶手段と第2のログデータを第2の所定数だけ発生順に記憶する記憶領域としての第2のログデータ記憶手段とを別々に用意し、ログデータの表示要求が発生すると、それら第1のログデータ記憶手段に発生順に記憶されている第1のログデータと第2のログデータ記憶手段に発生順に記憶されている第2のログデータとを時系列に並替えて表示するように構成したので、発生頻度の差に拘らず発生頻度が高いログデータだけでなく発生頻度が低いログデータをも所定数だけ表示することができ、発生頻度が異なる複数のログデータについて個々の発生パターンを表示することができる。
【0013】
また、この場合も、上記した請求項1に記載したものと同様にして、このように一方のログデータと他方のログデータとが混在して発生順に連続する区間を特定して記憶させた後では、一方のログデータ及び他方のログデータのうち残った何れかだけを発生順に記憶させるように構成したので、一方のログデータ及び他方のログデータのうち残った何れかについては発生順情報を比較する処理を省略することができ、その分、ログデータを時系列に並替える処理を効率良く行うことができる。
【0014】
請求項3に記載した発明によれば、ログデータ生成手段は、制御処理実行中に発生した情報を判定して発生頻度が異なる第1のログデータ及び第2のログデータのうち何れかを択一的に生成する。ログデータ生成手段が第1のログデータを生成すると、第1のログデータ記憶手段は、第1のログデータを当該第1のログデータに対応する情報が発生した発生順を特定可能な発生順情報と対応付け、第1のログデータを既に第1の所定数だけ記憶しているときに新たな第1のログデータを記憶しようとするときには当該既に記憶している第1のログデータのうち最古の第1のログデータを消去して当該新たな第1のログデータを記憶することで、第1のログデータを発生順が新しい側から第1の所定数だけ順次記憶する。一方、ログデータ生成手段が第2のログデータを生成すると、第2のログデータ記憶手段は、第2のログデータを当該第2のログデータに対応する情報が発生した発生順を特定可能な発生順情報と対応付け、第2のログデータを既に第2の所定数だけ記憶しているときに新たな第2のログデータを記憶しようとするときには当該既に記憶している第2のログデータのうち最古の第2のログデータを消去して当該新たな第2のログデータを記憶することで、第2のログデータを発生順が新しい側から第2の所定数だけ順次記憶する。
【0015】
ログデータの表示要求が発生すると、ログデータ表示制御手段は、第1のログデータ記憶手段に記憶されている複数の第1のログデータ及び第2のログデータ記憶手段に記憶されている複数の第2のログデータについて、一方の発生順が新しい側のログデータの発生順情報と他方の発生順が古い側のログデータの発生順情報とを比較して一方のログデータ及び他方のログデータのうち何れかの最新のログデータ或いは最古のログデータを特定し、一方のログデータと他方のログデータとが混在して発生順に連続する区間を特定して表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、次いで、一方のログデータ及び他方のログデータのうち残った何れかだけを発生順に表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、表示用ログデータ記憶手段に記憶されているログデータを表示手段に表示させる。
【0016】
このものによれば、上記した請求項1に記載したものと同様にして、発生頻度が異なる第1のログデータを第1の所定数だけ発生順に記憶する記憶領域としての第1のログデータ記憶手段と第2のログデータを第2の所定数だけ発生順に記憶する記憶領域としての第2のログデータ記憶手段とを別々に用意し、ログデータの表示要求が発生すると、それら第1のログデータ記憶手段に発生順に記憶されている第1のログデータと第2のログデータ記憶手段に発生順に記憶されている第2のログデータとを時系列に並替えて表示するように構成したので、発生頻度の差に拘らず発生頻度が高いログデータだけでなく発生頻度が低いログデータをも所定数だけ表示することができ、発生頻度が異なる複数のログデータについて個々の発生パターンを表示することができる。
【0017】
また、この場合も、上記した請求項1に記載したものと同様にして、このように一方のログデータと他方のログデータとが混在して発生順に連続する区間を特定して記憶させた後では、一方のログデータ及び他方のログデータのうち残った何れかだけを発生順に記憶させるように構成したので、一方のログデータ及び他方のログデータのうち残った何れかについては発生順情報を比較する処理を省略することができ、その分、ログデータを時系列に並替える処理を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】フローチャート(その1)
【図3】フローチャート(その2)
【図4】ログデータを表示用ログデータ記憶領域に記憶させる手順を示す図
【図5】図4相当図
【図6】図4相当図
【図7】図4相当図
【図8】従来の方法でログデータを表示用ログデータ記憶領域に記憶させる手順を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。ロボット制御システムの全体構成を機能ブロック図により示している。ロボット制御システム1は、例えば6軸の垂直多関節型ロボットからなるロボット2と、ロボット2の動作を制御するロボットコントローラ3と、作業者が操作するティーチングペンダンド4とを備えて構成されている。作業者がティーチングペンダンド4を操作して手動動作指令のキー入力を行うと、ティーチングペンダンド4からロボットコントローラ3に当該キー入力の内容が出力され、ロボットコントローラ3は、ティーチングペンダンド4から入力したキー入力の内容を判断してロボット2を手動動作により制御する。一方、作業者がティーチングペンダンド4を操作して自動動作指令のキー入力を行うと、ティーチングペンダンド4からロボットコントローラ3に当該キー入力の内容が出力され、ロボットコントローラ3は、ティーチングペンダンド4から入力したキー入力の内容を判断してロボット2を自動動作により制御する。
【0020】
ロボット2は、ロボットコントローラ3から位置情報出力指令を入力すると或いは一定周期にしたがった所定タイミングになると、自身の位置情報をロボットコントローラ3に出力する。ロボットコントローラ3は、制御部5(本発明でいうログデータ生成手段、ログデータ表示制御手段)と、通信インタフェース(IF)部6と、記憶部7とを備えて構成されている。制御部5は、CPU、RAM及びROMを含むマイクロコンピュータから構成されており、ロボットコントローラ3におけるデータ通信動作やデータ記憶動作を含めた動作全般を制御する。制御部5は、制御プログラムを実行したりティーチングペンダンド4からキー入力の内容を入力したりするなどの制御処理を実行中にあるときに、異常が発生したことを検知すると、その異常に関する異常情報を判定してレベルの高低を判定し、ワーニングデータ及びエラーデータのうち何れかをログデータとして択一的に生成する。
【0021】
この場合、制御部5は、自らで日時を計時する計時機能を有しており、ワーニングデータ及びエラーデータを択一的に生成する際には、それらワーニングデータ及びエラーデータが発生した日時を表す発生日時(異常発生日時)と、ワーニングデータ及びエラーデータの内容(異常情報)と、ワーニングデータ及びエラーデータが発生した順序を表す発生順序(異常発生順序)とを含むデータを単位としてワーニングデータ及びエラーデータを生成する。
【0022】
ワーニングデータは、主に作業者の操作ミスが原因で発生するログデータであり、特に設備を立ち上げる際に頻繁に発生し、作業者が解析する必要性が低く(レベルが低く)、エラーデータよりも発生頻度が高い性質を有するログデータである。一方、エラーデータは、主にロボット2の動作異常が原因で発生するログデータであり、作業者が解析する必要性が高く(レベルが高く)、ワーニングデータよりも発生頻度が低い性質を有するログデータである。尚、ここでいう発生日時及び発生順序は本発明でいう発生順情報である。発生日時はワーニングデータ同士、エラーデータ同士或いはワーニングデータとエラーデータとで重複する可能性がある値であるが、一方、発生順序は発生日時が重複した場合であっても重複する可能性がない(唯一の)値である。
【0023】
通信インタフェース部6は、ロボット2から出力された位置情報を入力する一方で、後述する表示用ログデータをティーチングペンダンド4に出力する。記憶部7は、制御部5が生成したワーニングデータを記憶するワーニングデータ記憶領域7a(本発明でいう第1のログデータ記憶手段)と、制御部5が生成したエラーデータを記憶するエラーデータ記憶領域7b(本発明でいう第2のログデータ記憶手段)と、通信インタフェース部6からティーチングペンダンド4に出力する表示用ログデータを記憶する表示用ログデータ記憶領域7c(本発明でいう表示用ログデータ記憶手段)とを備えている。
【0024】
ワーニングデータ記憶領域7aは、記憶可能なワーニングデータの個数が有限であり、制御部5が生成したワーニングデータを当該ワーニングデータが発生した順序を表す発生順情報と対応付けて記憶し、記憶しているワーニングデータの個数が記憶可能な最大数に達している状況では、最古のワーニングデータを消去して最新のワーニングデータを記憶するように構成されている。
【0025】
エラーデータ記憶領域7bは、ワーニングデータ記憶領域7aと同様にして、記憶可能なエラーデータの個数が有限であり、制御部5が生成したエラーデータを当該エラーデータが発生した順序を表す発生順情報と対応付けて記憶し、記憶しているエラーデータの個数が記憶可能な最大数に達している状況では、最古のエラーデータを消去して最新のエラーデータを記憶するように構成されている。尚、ワーニングデータ記憶領域7aがワーニングデータを記憶可能な最大数やエラーデータ記憶領域7bがエラーデータを記憶可能な最大数は作業者が任意に設定可能であり、作業者はログデータの発生状況を監視して各々に最適な最大数を設定すれば良い。
【0026】
表示用ログデータ記憶領域7cは、記憶可能な表示用ログデータの個数が有限であり、その個数は上記したワーニングデータ記憶領域7aが記憶可能なワーニングデータの最大数とエラーデータ記憶領域7bが記憶可能な最大数との和に等しい。換言すれば、上記したワーニングデータ記憶領域7a及びエラーデータ記憶領域7bは表示用ログデータ記憶領域7cを分割した記憶領域である。
【0027】
ティーチングペンダント4は、作業者が操作するための各種キーや各種スイッチからなる操作部4aと、各種表示情報を表示する表示部4b(本発明でいう表示手段)とを備えて構成されている。作業者がティーチングペンダンド4を操作してログデータ表示指令のキー入力を行うと、ティーチングペンダンド4からロボットコントローラ3に当該キー入力の内容が出力され、ロボットコントローラ3は、ティーチングペンダンド4から入力したキー入力の内容を判断し、ログデータを読出してティーチングペンダンド4の表示部4bに表示させる。
【0028】
次に、上記した構成の作用について、図2ないし図8を参照して説明する。制御部5は、制御処理を実行中にあるときに異常が発生したことを検知すると、ログデータを生成して記憶するログデータ記憶処理を割込みで行い、ティーチングペンダント4にてログデータ表示指令のキー入力が行われたことを検知すると、ログデータをティーチングペンダント4に出力して表示部4bに表示させるログデータ表示処理を割込みで行う。以下、これらの処理を順次説明する。
【0029】
(1)ログデータ記憶処理
制御部5は、制御処理を実行中にあるときに異常が発生したことを検知し、ログデータ記憶処理を割込みで開始すると、その異常に関する異常情報を取得し(ステップS1)、その取得した異常情報のレベルが所定レベル未満であるか所定レベル以上であるかを判定する(ステップS2)。ここでいう所定レベルとは、異常が発生したことでワーニングデータを生成するかエラーデータを生成するかを択一的に選択する選択基準である。
【0030】
ここで、制御部5は、異常情報のレベルが所定レベル未満であると判定すると、ワーニングデータを生成し(ステップS3)、その生成したワーニングデータを発生順情報と対応付けてワーニングデータ記憶領域7aに記憶させ(ステップS4)、ログデータ記憶処理を終了する。この場合、制御部5は、上記したように、その時点で記憶しているワーニングデータの個数が記憶可能な最大数に達している状況では、最古のワーニングデータを消去して最新のワーニングデータをワーニングデータ記憶領域7aに記憶させる。
【0031】
一方、制御部5は、異常情報のレベルが所定レベル以上であると判定すると、エラーデータを生成し(ステップS5)、その生成したエラーデータを発生順情報と対応付けてエラーデータ記憶領域7bに記憶させ(ステップS6)、ログデータ記憶処理を終了する。この場合、制御部5は、上記したように、その時点で記憶しているエラーデータの個数が記憶可能な最大数に達している状況では、最古のエラーデータを消去して最新のエラーデータをエラーデータ記憶領域7bに記憶させる。
【0032】
(2)ログデータ表示処理
制御部5は、ティーチングペンダント4にてログデータ表示指令のキー入力が行われたことを検知し、ログデータ表示処理を割込みで開始すると、その時点で表示用ログデータ記憶領域7cに記憶されている表示用ログデータを消去し(初期化し)、ワーニングデータ及びエラーデータを表示用ログデータとして新たに記憶する領域を確保する(ステップS11)。次いで、制御部5は、その時点でワーニングデータ記憶領域7aに記憶されているワーニングデータを読出し(ステップS12)、その時点でエラーデータ記憶領域7bに記憶されているエラーデータを読出し(ステップS13)、それら読出したワーニングデータ及びエラーデータを並替えて(ソートして)表示用ログデータを生成する。
【0033】
ここで、制御部5がワーニングデータ及びエラーデータを並替えて表示用ログデータを生成する手順について、図4ないし図8も参照して説明する。尚、ここでは、図4に示すように、ワーニングデータ記憶領域7aがワーニングデータを記憶可能な最大数が「5」であり、エラーデータ記憶領域7bがエラーデータを記憶可能な最大数が「15」であることを前提とする。また、図4ないし図8で示す「Wn」(nは自然数)はワーニングデータを表し、「En」はエラーデータを表す。nは発生順情報に相当し、その値が大きいほど発生順が新しいログデータであり、その値が小さいほど発生順が古いログデータである。また、ここでは、「E40」が発生した直後にログデータ表示処理を割込みで開始し、その時点でワーニングデータ記憶領域7aには「W33」…「W38」の5個のワーニングデータを記憶させており、エラーデータ記憶領域7bには「E2」…「E40」の15個のエラーデータを記憶させている仮定する。
【0034】
最初に、制御部5は、発生順が新しい側のワーニングデータの発生順情報と発生順が新しい側のエラーデータの発生順情報とを比較して一方の最新のログデータに対して発生順が直前の他方のログデータを特定し、一方の最新のログデータよりも新しい他方のログデータだけが発生順に連続する区間を特定し、その特定した分のログデータを表示用ログデータ記憶領域7cに記憶させる(ステップS14)。
【0035】
具体的には、制御部5は、ワーニングデータ及びエラーデータのうち発生頻度が相対的に高いログデータであるワーニングデータを判定対象とする場合であれば、ワーニングデータ記憶領域7aから読出した5個のワーニングデータのうち最新のワーニングデータである「W38」の発生順情報とエラーデータ記憶領域7bから読出した15個のエラーデータのうち最新のエラーデータである「E40」の発生順情報とを比較する。この場合、制御部5は、「W38」の発生順情報のうち異常発生日時と「E40」の発生順情報のうち異常発生日時とが異なれば、それらの異常発生日時を比較して「W38」と「E40」との新旧を特定し、一方、制御部5は、「W38」の発生順情報のうち異常発生日時と「E40」の発生順情報のうち異常発生日時とが同じであれば、それらの異常発生順序を比較して「W38」と「E40」との新旧を特定する。
【0036】
この場合、制御部5は、「E40」が「W38」よりも新しいと判定すると、「W38」の発生順情報と「E40」の直前に記憶させた「E39」の発生順情報とを同様にして比較する。次いで、制御部5は、「E39」が「W38」よりも新しいと判定すると、「W38」の発生順情報と「E39」の直前に記憶させた「E36」の発生順情報とを同様にして比較する。そして、制御部5は、「W36」が「W38」よりも古いと判定すると、最新のワーニングデータである「W38」よりも新しいエラーデータだけが発生順に連続する区間として「E40」、「E39」、「W38」の3個のログデータを特定し、その特定した3個のログデータを表示用ログデータ記憶領域7cに記憶させる。
【0037】
次いで、制御部5は、最新のワーニングデータを除く残りのワーニングデータの発生順情報と最新のワーニングデータよりも新しいエラーデータを除く残りのエラーデータの発生順情報とを発生順が新しい側から比較して一方のログデータ及び他方のログデータのうち何れかの最古のログデータを特定し、一方のログデータと他方のログデータとが混在して発生順に連続する区間を特定し、その特定した分のログデータを表示用ログデータ記憶領域7cに記憶させる(ステップS15)。
【0038】
具体的には、制御部5は、最新のワーニングデータである「W38」を除く「W37」、「W35」、「W34」、「W33」の発生順情報と最新のワーニングデータである「W38」よりも古いエラーデータである「E36」、「E32」、…、の発生順情報とを順次比較して最古のワーニングデータである「W33」を特定し、ワーニングデータとエラーデータとが混在して発生順に連続する区間として「W37」、「E36」、「W35」、「W34」、「W33」の5個のログデータを特定し、その特定した5個のログデータを先に特定した3個のログデータに連続して表示用ログデータ記憶領域7cに記憶させる。
【0039】
次いで、制御部5は、残りのログデータを表示用ログデータ記憶領域7cに記憶させる(ステップS16)。具体的には、制御部5は、「W33」よりも古いエラーデータである「E32」、「E28」、「E26」、「E20」、…、「E5」、「E2」の12個のログデータを先に特定した8個のログデータに連続して表示用ログデータ記憶領域7cに記憶させる。そして、制御部5は、このようにして表示用ログデータ記憶領域7cに記憶させた20個のログデータを通信インタフェース部6からティーチングペンダント4に出力させて表示部4bに表示させる(ステップS17)。
【0040】
図8は、本実施形態の比較対象として従来の方法で表示されるログデータを示している。従来の方法ではワーニングデータ及びエラーデータを単純に区別することなく時系列で発生順に表示用ログデータ記憶領域7cに記憶させて表示させる構成であるので、作業者が解析する必要性が低いワーニングデータを不要に表示させる分だけ、作業者が解析する必要性が高いエラーデータについては最古のエラーデータとして「E26」を表示させるに止まり、20個のログデータのうち6個のエラーデータを表示させるに止まる。しかしながら、本実施形態の方法ではワーニングデータを記憶する記憶領域とエラーデータを記憶する記憶領域とを別々に用意し、それらワーニングデータとエラーデータとを時系列に並替えて表示させる構成であるので、作業者が解析する必要性が低いワーニングデータを
5個だけ表示させる分、作業者が解析する必要性が高いエラーデータについては20個のログデータのうち15個のエラーデータを表示させることが可能になり、最古のエラーデータとして「E2」を表示させることが可能になる。
【0041】
ところで、以上は、ワーニングデータ及びエラーデータのうち発生頻度が相対的に高いログデータであるワーニングデータを判定対象としてワーニングデータの発生順情報とエラーデータの発生順情報とを比較する手順を説明したが、発生頻度が相対的に低いログデータであるエラーデータを判定対象としてワーニングデータの発生順情報とエラーデータの発生順情報とを比較するようにしても良い。
【0042】
また、以上は、発生順が新しい側のワーニングデータの発生順情報と発生順が新しい側のエラーデータの発生順情報とを比較する手順を説明したが、図5に示すように、発生順が古い側のワーニングデータの発生順情報と発生順が古い側のエラーデータの発生順情報とを比較するようにしても良い。その場合、図5に示すように、発生順が古い側のログデータから表示用ログデータ記憶領域7cに記憶されることになるが、表示用ログデータ記憶領域7cに最終的に記憶されるログデータの内容が相違することはない。
【0043】
さらに、以上は、発生順が新しい側のワーニングデータの発生順情報と発生順が新しい側のエラーデータの発生順情報とを比較する手順や発生順が古い側のワーニングデータの発生順情報と発生順が古い側のエラーデータの発生順情報とを比較する手順を説明したが、発生順が古い側のワーニングデータの発生順情報と発生順が新しい側のエラーデータの発生順情報とを比較するようにしても良いし、発生順が新しい側のワーニングデータの発生順情報と発生順が古い側のエラーデータの発生順情報とを比較するようにしても良い。
【0044】
すなわち、前者の場合では、制御部5は、図6に示すように、ワーニングデータ及びエラーデータのうち発生頻度が相対的に高いログデータであるワーニングデータを判定対象とする場合であれば、最初にワーニングデータ記憶領域7aから読出した5個のワーニングデータのうち最古のワーニングデータである「W33」の発生順情報とエラーデータ記憶領域7bから読出した15個のエラーデータのうち最新のエラーデータである「E40」の発生順情報とを比較し、これ以降、最古のワーニングデータである「W33」を「E32」まで比較してワーニングデータとエラーデータとが混在して発生順に連続する区間として「E40」、「E39」、「W38」、…、「W35」、「W34」、「W33」の8個のログデータを特定し、その特定した8個のログデータを表示用ログデータ記憶領域7cに記憶させる。そして、制御部5は、「W33」よりも古いエラーデータである「E32」、「E28」、「E26」、「E20」、…、「E5」、「E2」の12個のログデータを先に特定した8個のログデータに連続して表示用ログデータ記憶領域7cに記憶させる。この場合も、表示用ログデータ記憶領域7cに最終的に記憶されるログデータの内容が相違することはない。
【0045】
また、後者の場合では、制御部5は、図7に示すように、ワーニングデータ及びエラーデータのうち発生頻度が相対的に高いログデータであるワーニングデータを判定対象とする場合であれば、最初にワーニングデータ記憶領域7aから読出した5個のワーニングデータのうち最新のワーニングデータである「W38」の発生順情報とエラーデータ記憶領域7bから読出した15個のエラーデータのうち最新のエラーデータである「E2」の発生順情報とを比較し、これ以降、最新のワーニングデータである「W38」を「E39」まで比較してワーニングデータとエラーデータとが混在して発生順に連続する区間として「E2」、「E5」、「E6」、…、「E36」、「W37」、「W38」の18個のログデータを特定し、その特定した18個のログデータを表示用ログデータ記憶領域7cに記憶させる。そして、制御部5は、「W38」よりも新しいエラーデータである「E39」、「E40」の2個のログデータを先に特定した18個のログデータに連続して表示用ログデータ記憶領域7cに記憶させる。この場合も、表示用ログデータ記憶領域7cに最終的に記憶されるログデータの内容が相違することはない。
【0046】
要するに、ワーニングデータ記憶領域7aに発生順に記憶されているワーニングデータとエラーデータ記憶領域7bに発生順に記憶されているエラーデータとを時系列に並替える方法としては、ワーニングデータ及びエラーデータの双方で発生順が新しい側から発生順情報を比較しても良いし、ワーニングデータ及びエラーデータの双方で発生順が古い側から発生順情報を比較しても良いし、ワーニングデータ及びエラーデータのうち一方で発生順が古い側から且つ他方で発生順が新しい側から比較しても良く、何れの場合でも、表示用ログデータ記憶領域7cに最終的に記憶されるログデータの内容が相違することはない。
【0047】
以上に説明したように本実施形態によれば、ロボットコントローラ3において、発生頻度が異なるワーニングデータを発生順に記憶するワーニングデータ記憶領域7aとエラーデータを発生順に記憶するエラーデータ記憶領域7bとを別々に用意し、ログデータの表示要求が発生すると、それらワーニングデータ記憶領域7aに発生順に記憶されているワーニングデータとエラーデータ記憶領域7bに発生順に記憶されているエラーデータとを時系列に並替えて表示するように構成したので、発生頻度の差に拘らず発生頻度が高いワーニングデータだけでなく発生頻度が低いエラーデータをも表示することができ、発生頻度が異なるワーニングデータ及びエラーデータについて個々の発生パターンを表示することができる。
【0048】
また、このようにワーニングデータとエラーデータとが混在して発生順に連続する区間を特定して記憶させた後では、ワーニングデータ及びエラーデータのうち残った何れかだけを発生順に記憶させるように構成したので、ワーニングデータ及びエラーデータのうち残った何れかについては発生順情報を比較する処理を省略することができ、その分、ログデータを時系列に並替える処理を効率良く行うことができる。
【0049】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
制御部が択一的に生成するログデータは発生頻度が異なる3種類以上であっても良い。例えば発生頻度が異なる3種類の第1のログデータと第2のログデータと第3のログデータとを生成する場合であれば、第1のログデータを第1の所定数だけ発生順に記憶する第1のログデータ記憶領域と第2のログデータを第2の所定数だけ発生順に記憶する第2のログデータ記憶領域と第3のログデータを第3の所定数だけ発生順に記憶する第3のログデータ記憶領域とを別々に用意し、ログデータの表示要求が発生すると、第1のログデータ記憶領域に記憶されている第1のログデータの発生順と第2のログデータ記憶領域に記憶されている第2のログデータの発生順とを比較して時系列に並替え、次いで、第1のログデータと第2のログデータとを時系列に並替えたログデータの発生順と第3のログデータ記憶領域に記憶されている第3のログデータの発生順とを比較して時系列に並替えて表示するようにしても良い。
【符号の説明】
【0050】
図面中、2はロボット、3はロボットコントローラ、4bは表示部(表示手段)、5は制御部(ログデータ生成手段、ログデータ表示制御手段)、7aはワーニングデータ記憶領域(第1のログデータ記憶手段)、7bはエラーデータ記憶領域(第2のログデータ記憶手段)、7cは表示用ログデータ記憶領域(表示用ログデータ記憶手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御処理実行中に発生した情報を判定して発生頻度が異なる第1のログデータ及び第2のログデータのうち何れかを択一的に生成するログデータ生成手段と、
前記ログデータ生成手段が生成した第1のログデータを当該第1のログデータに対応する情報が発生した発生順を特定可能な発生順情報と対応付け、第1のログデータを既に第1の所定数だけ記憶しているときに新たな第1のログデータを記憶しようとするときには当該既に記憶している第1のログデータのうち最古の第1のログデータを消去して当該新たな第1のログデータを記憶することで、第1のログデータを発生順が新しい側から第1の所定数だけ順次記憶する第1のログデータ記憶手段と、
前記ログデータ生成手段が生成した第2のログデータを当該第2のログデータに対応する情報が発生した発生順を特定可能な発生順情報と対応付け、第2のログデータを既に第2の所定数だけ記憶しているときに新たな第2のログデータを記憶しようとするときには当該既に記憶している第2のログデータのうち最古の第2のログデータを消去して当該新たな第2のログデータを記憶することで、第2のログデータを発生順が新しい側から第2の所定数だけ順次記憶する第2のログデータ記憶手段と、
ログデータの表示要求が発生した場合に、前記第1のログデータ記憶手段に記憶されている複数の第1のログデータ及び前記第2のログデータ記憶手段に記憶されている複数の第2のログデータについて、一方の最新のログデータの発生順情報と他方の発生順が新しい側のログデータの発生順情報とを比較して一方の最新のログデータに対して発生順が直前の古い他方のログデータを特定し、一方の最新のログデータよりも新しい他方のログデータだけが発生順に連続する区間を特定して表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、次いで、一方のログデータのうち当該最新のログデータを除く残りのログデータの発生順情報と他方のログデータのうち当該最新のログデータよりも新しいログデータを除く残りのログデータの発生順情報とを発生順が新しい側から比較して一方のログデータ及び他方のログデータのうち何れかの最古のログデータを特定し、一方のログデータと他方のログデータとが混在して発生順に連続する区間を特定して表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、次いで、一方のログデータ及び他方のログデータのうち残った何れかだけを発生順に前記表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、前記表示用ログデータ記憶手段に記憶されているログデータを表示手段に表示させるログデータ表示制御手段とを備えたことを特徴とするロボットコントローラ。
【請求項2】
制御処理実行中に発生した情報を判定して発生頻度が異なる第1のログデータ及び第2のログデータのうち何れかを択一的に生成するログデータ生成手段と、
前記ログデータ生成手段が生成した第1のログデータを当該第1のログデータに対応する情報が発生した発生順を特定可能な発生順情報と対応付け、第1のログデータを既に第1の所定数だけ記憶しているときに新たな第1のログデータを記憶しようとするときには当該既に記憶している第1のログデータのうち最古の第1のログデータを消去して当該新たな第1のログデータを記憶することで、第1のログデータを発生順が新しい側から第1の所定数だけ順次記憶する第1のログデータ記憶手段と、
前記ログデータ生成手段が生成した第2のログデータを当該第2のログデータに対応する情報が発生した発生順を特定可能な発生順情報と対応付け、第2のログデータを既に第2の所定数だけ記憶しているときに新たな第2のログデータを記憶しようとするときには当該既に記憶している第2のログデータのうち最古の第2のログデータを消去して当該新たな第2のログデータを記憶することで、第2のログデータを発生順が新しい側から第2の所定数だけ順次記憶する第2のログデータ記憶手段と、
ログデータの表示要求が発生した場合に、前記第1のログデータ記憶手段に記憶されている複数の第1のログデータ及び前記第2のログデータ記憶手段に記憶されている複数の第2のログデータについて、一方の最古のログデータの発生順情報と他方の発生順が古い側のログデータの発生順情報とを比較して一方の最古のログデータに対して発生順が直後の新しい他方のログデータを特定し、一方の最古のログデータよりも古い他方のログデータだけが発生順に連続する区間を特定して表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、次いで、一方のログデータのうち当該最古のログデータを除く残りのログデータの発生順情報と他方のログデータのうち当該最古のログデータよりも古いログデータを除く残りのログデータの発生順情報とを発生順が古い側から比較して一方のログデータ及び他方のログデータのうち何れかの最新のログデータを特定し、一方のログデータと他方のログデータとが混在して発生順に連続する区間を特定して表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、次いで、一方のログデータ及び他方のログデータのうち残った何れかだけを発生順に前記表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、前記表示用ログデータ記憶手段に記憶されているログデータを表示手段に表示させるログデータ表示制御手段とを備えたことを特徴とするロボットコントローラ。
【請求項3】
制御処理実行中に発生した情報を判定して発生頻度が異なる第1のログデータ及び第2のログデータのうち何れかを択一的に生成するログデータ生成手段と、
前記ログデータ生成手段が生成した第1のログデータを当該第1のログデータに対応する情報が発生した発生順を特定可能な発生順情報と対応付け、第1のログデータを既に第1の所定数だけ記憶しているときに新たな第1のログデータを記憶しようとするときには当該既に記憶している第1のログデータのうち最古の第1のログデータを消去して当該新たな第1のログデータを記憶することで、第1のログデータを発生順が新しい側から第1の所定数だけ順次記憶する第1のログデータ記憶手段と、
前記ログデータ生成手段が生成した第2のログデータを当該第2のログデータに対応する情報が発生した発生順を特定可能な発生順情報と対応付け、第2のログデータを既に第2の所定数だけ記憶しているときに新たな第2のログデータを記憶しようとするときには当該既に記憶している第2のログデータのうち最古の第2のログデータを消去して当該新たな第2のログデータを記憶することで、第2のログデータを発生順が新しい側から第2の所定数だけ順次記憶する第2のログデータ記憶手段と、
ログデータの表示要求が発生した場合に、前記第1のログデータ記憶手段に記憶されている複数の第1のログデータ及び前記第2のログデータ記憶手段に記憶されている複数の第2のログデータについて、一方の発生順が新しい側のログデータの発生順情報と他方の発生順が古い側のログデータの発生順情報とを比較して一方のログデータ及び他方のログデータのうち何れかの最新のログデータ或いは最古のログデータを特定し、一方のログデータと他方のログデータとが混在して発生順に連続する区間を特定して表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、次いで、一方のログデータ及び他方のログデータのうち残った何れかだけを発生順に前記表示用ログデータ記憶手段に記憶させ、前記表示用ログデータ記憶手段に記憶されているログデータを表示手段に表示させるログデータ表示制御手段とを備えたことを特徴とするロボットコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−54784(P2013−54784A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−275685(P2012−275685)
【出願日】平成24年12月18日(2012.12.18)
【分割の表示】特願2008−284012(P2008−284012)の分割
【原出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】