説明

ローストビーフ作成機

【課題】小型で、どこにでも移動でき、組立・設置が可能で、家庭電源の有無に関わりなく、また炭火あるいはガスの熱源の種類に関わりなく使用できるローストビーフを作成することを可能とする。
【解決手段】
ギアドモーターの出力軸に、冶具を介して接続させた金属製串棒に肉塊を刺し、肉塊空転防止用補助串を取り付けて、直火で肉塊を焼く手段において、DC6〜24V電源と、地面と水平になるよう装着された回転可能な金属製串棒を持つフレーム構造と、このフレーム構造とは独立した移動可能な火床とを備え、火床直上において直火で、1分間に20rpm以下の低速度で回転させながらローストビーフを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DCギアドモーターを用い、炭火、ガスなどの熱源を利用して屋外、屋内どこでも煙や焼肉臭をほとんど発生させることなく肉塊を回転させながら焼くローストビーフ作成機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
歳暮や中元の時期には真空パックしたローストビーフが販売店に溢れており、広く好まれている食品である。しかし、高価なためか、家庭用食品というより贈答用品として重宝がられている食品の一つである。惣菜の一つの肉料理として頻繁に食されるものではない。
どの調理本を見ても、ローストビーフの作成方法は、ガスレンジやオーブンにより、固定された閉鎖系の調理器で作られるのが一般的である。アウトドア料理として作られる場合には、ダッチオーブン等が用いられるのが一般的なようである。炭火やガスの直火により家庭内や屋外で簡単に使えるような、ローストビーフ作成機は見当たらない。
【0003】
家庭で手軽にローストビーフが作れる調理機があれば、肉料理のバライエティを増やし、味を向上させ、またホームパーティ等に重宝がられることは間違いない。
ホームパーティ等では、炭やガスによる焼肉が一般的はある。しかし、この焼肉方式では、焼肉時の煙や臭いの放散が激しく、室内では使いにくく、またベランダやテラスですら焼肉禁止となっている集合住宅等も多い。
【0004】
どこにでも持ち運びでき、屋内外で簡単に利用できるような小型で、回転させて、直火で焼く方式のローストビーフ作成機は見当たらない。ローストビーフに関しては、肉塊焼成後の処理や保存に関する技術が散見される程度である。
【0005】
家庭、あるいはアウトドアで直火を用いローストビーフを作成する際、小型で、どこにでも移動させて設置でき、家庭電源の有無に関わりなく使用可能で、また火源として炭火、ガス(カセットコンロを含む)いずれでも利用でき、焼成時の煙や臭いの放出がほとんどなく、手軽にローストビーフが作れる作成機の開発に鋭意努力してきた。
【0006】
図1はこのローストビーフ作成機の機能と形態を示すための説明図である。
DCギアドモーター1の出力軸の回転を、Dカットした金属製串棒3に伝達する冶具2に金属製串棒3を接続する工程と、金属製串棒3に肉塊を刺し肉塊の空転を防止する補助串4を固定する工程と、DCギアドモーターに接続した金属棒をフレーム5に取り付け固定する工程と、回転している肉塊を炭、ガス等の直火火床6上で焼く工程と、DCギアドモーターに電源7から電力を供給する工程と、肉塊を回転させながら均質に焼成する工程から構成される。
【0007】
DCギアドモーターの回転数は1分間に20回転以下が望ましく、肉塊を保持する金属棒はDカットとし、Dカットに対応した肉塊空転防止用補助串4をもつ止め具を付け、肉塊の空転を防止する。熱源としては、炭、ガス(都市ガス、カセットコンロ)などいずれをも使用することができる。DCギアドモーターは24V以下が望ましく、電源としてはAC/DCアダプターを介して、あるいは直接車両用バッテリまたは乾電池等により電力を供給する。
本発明方式によると、ローストビーフ作成時、驚くことに肉汁はほとんど出ず、コンロ内に肉汁が垂れることもほとんどない。このため油煙もほとんど発生がなく、燃焼臭の発散も少ない。
【特許文献1】特開H06−217736号公報
【特許文献1】特開H07−008164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、小型で、どこにでも移動でき、組立・設置が可能で、家庭電源の有無に関わりなく、また炭火あるいはガスの熱源の種類に関わりなく使用できるローストビーフ作成機が存在しないことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ギアドモーターの出力軸に、冶具を介して接続させた金属製串棒に肉塊を刺し、肉塊空転防止用補助串を取り付けて、直火で肉塊を焼く手段において、DC6〜24V電源でギアドモーターを駆動し、移動可能な火床内の炭火あるいはガスの直火上で、肉塊を回転させながらローストビーフを作成することを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のローストビーフ作成機は、小型で、どこにでも移動でき、組立・設置が可能で、家庭電源の有無に関わりなく、また炭火あるいはガスの熱源の種類に関わりなく使用できるという利点がある。
【0011】
また、DCギアドモーターの回転数は1分間で20回転以下とゆっくり回転させるため、肉塊の表面を短時間で十分に焼きしめてしまい、肉汁を肉塊外に漏出することが少なく、肉汁の燃焼による油炎や煙の発生はほとんどなく、臭いの発生も少ないという利点がある。
【0012】
さらに、単3型電池4本だけで、屋内外を問わず、6Vのギアドモーター組込みの該機で30回以上ローストビーフ(生肉重で約500g)が作成できるという経済性と利便性がある。
【0013】
さらに加えて、車両用バッテリを使用することも可能で、12V,あるいは24Vに対応するギアドモーターを用いれば、きわめて多数会ローストビーフを作成することができる。キャンプ等に行く場合の電源としては、最も望ましく、大きな利点となる。
【0014】
AC/DCアダプターを使用することも可能で、6V,12V,あるいは24Vに対応するギアドモーターを用いれば、何回でもローストビーフを作成することができる。ホームパーティ等での電源としては、非常に便利で大きな利点となる。
【0015】
熱源としてガスボンベを使用する場合、一般的なガスボンベ(正味250g)1本で、4.5回の作成が可能で、高い経済性と利便性がある。
【0016】
炭を使用する場合、着火のしやすいバーベキュー用炭約200gでローストビーフ(生肉重で約500g)が作成できるという経済性と利便性がある。この場合、火床として、市販されているステンレス製深型バット等を利用することができるのは大きな利点である。
【0017】
一方、肉塊を刺す金属製串棒3を正円ではなくD型にし、肉塊空転防止用補助串4を用いることにより、焼く肉塊の大きさ、形、重さに変化があっても、常に肉塊を火の中央部に固定することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
小型で、どこにでも移動でき、組立・設置が可能で、家庭電源の有無に関わりなく、また炭火あるいはガスの熱源の種類に関わりなくローストビーフを作成するという目的を、出力軸をもつDCギアドモーター、Dカットした肉塊保持棒、ギアドモーターと肉塊保持棒とを接続する接続冶具、Dカットに対応した肉塊空転防止用補助串、電源および熱源と最小限の部品点数で実現した。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明装置の1実施例の図であって、1はDCギアドモーター、2はモーター回転伝達冶具、3は肉塊を保持する金属棒、4は肉塊空転防止用補助串、5はフレームを、6は肉塊を焼成する熱源を、7はDCギアドモーターに電力を供給する電源、8はローストビーフ対象の肉塊である。
【0020】
2の冶具および4の肉塊を固定する串には、3のD型串棒に固定するネジが装備されており、強く締め付けて使用する。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明のローストビーフ作成機は、小型で、どこにでも移動でき、組立・設置が可能で、家庭電源の有無に関わりなく、また炭火あるいはガスの熱源の種類に関わりなく使用できる。このため、都市ガスやカセットコンロを用いれば室内で、炭火あるいはカセットコンロを利用すれば屋外でのローストビーフを楽しむことが可能である。
さらに、驚いたことに、高級な霜降りの多い肉塊を焼成する場合でも肉汁の垂れがなく、煙もほとんど出ず、臭いの発散も少ない。白壁の室内での使用も問題ない。ローストビーフ作成機自体の汚れもほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】ロースト肉塊焼成機の実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【符号の説明】
【0023】
1 ギアドモーター
2 モーター回転伝達冶具と固定ネジ
3 肉塊を保持する金属棒
4 肉塊空転防止用補助串と固定ネジ
5 フレーム
6 肉塊を焼成する熱源
7 DC電源
8 ローストビーフ対象肉塊

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギアドモーターの出力軸に、冶具を介して接続させた金属製串棒に肉塊を刺し、肉塊空転防止用補助串を取り付けて、直火で肉塊を焼く手段において、DC6〜24V電源と、地面と水平になるよう装着された回転可能な串棒を持つフレーム構造と、このフレーム構造とは独立した移動可能な火床とを備え、ギアドモーターを駆動させ20rpm/分以下の低速度で回転させながら火床直上において直火で肉塊を焼くことを特徴とするローストビーフ作成機

【図1】
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【公開番号】特開2010−131092(P2010−131092A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308081(P2008−308081)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(399009055)
【Fターム(参考)】