説明

ロータリアクチュエータ

【課題】ロータリアクチュエータの薄型化を達成する。
【解決手段】アクチュエータ本体11には、ピニオン22に噛み合うラック20,21が往復動自在に組み付けられる。また、アクチュエータ本体11には環状の外輪部材37が固定されており、この外輪部材37の内側には、内輪部39、ピニオン22およびテーブル12を一体に備える回動部材35が配置されている。さらに、外輪部材37と内輪部39には軌道溝37a,39aが形成され、対向する軌道溝37a,39aの間に複数の転動体40が組み込まれる。このように、アクチュエータ本体11に固定される外輪部材37によって、直接的に回動部材35を支持するようにしたので、テーブル12とピニオン22との間に独立した軸受を組み込む必要がなく、ロータリアクチュエータ10の薄型化を達成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルを回動させるようにしたロータリアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
空気などの作動流体によって駆動されるロータリアクチュエータには、円筒形のハウジング内に収められた回転軸にベーンを組み付け、ハウジングに作動流体を供給して回転軸を回転させるようにしたベーン型のロータリアクチュエータや、シリンダ室に対する作動流体の供給によって作動するピストンの直線運動を、変換機構によって回転運動に変換するようにしたピストン型のロータリアクチュエータなどがある。
【0003】
また、ピストン型のロータリアクチュエータには、直線運動を回転運動に変換する機構として、ラックおよびピニオンを組み込むようにしたラックピニオン型のロータリアクチュエータがある(たとえば、特許文献1参照)。このラックピニオン型のロータリアクチュエータは、作動流体の漏れ箇所が少なく長時間の位置保持に適していることなどから、様々な用途に幅広く用いられている。
【0004】
ラックピニオン型のロータリアクチュエータは、並列となった2つのシリンダ室を有しており、それぞれのシリンダ室に対してピストンが往復動自在に収容されている。また、それぞれのピストンにはラックが設けられており、対面するラック間には双方のラックに噛み合うピニオンが設けられている。そして、双方のシリンダ室に対して交互に作動流体を供給し、それぞれのラックを逆方向に往復させることにより、ピニオンを所定角度で回動させることが可能となる。
【0005】
また、特許文献1に記載されるように、ピニオンの軸部には、ハウジングに嵌合する軸受が組み付けられるとともに、ワークや治具などが装着されるテーブルが連結されている。このテーブルに対して治具などを取り付けた上で、双方のシリンダ室に交互に作動流体を供給することにより、ワークや治具などを回動させて所定の作業を実行させることが可能となる。
【特許文献1】特開2002−130208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなラックピニオン型のロータリアクチュエータは、様々な生産装置等に取り付けて使用されており、生産装置に対する取付性を向上させるためにも更なる薄型化が望まれている。しかしながら、ピニオンとテーブルとの間に軸受を組み付けるようにすると、ロータリアクチュエータが高さ方向に増大することになるため、ロータリアクチュエータの薄型化を図ることが困難となっていた。
【0007】
本発明の目的は、ロータリアクチュエータの薄型化を達成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のロータリアクチュエータは、ラックが往復動自在に組み込まれるアクチュエータ本体と、前記アクチュエータ本体に組み付けられる外輪部材に、転動体を介して回転自在に支持される回動部材とを有し、前記回動部材は、前記転動体に転がり接触する内輪部と、前記内輪部に一体に形成されて前記ラックに噛み合うピニオンと、前記内輪部に一体に形成されて回動力を出力するテーブルとを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明のロータリアクチュエータは、前記アクチュエータ本体に形成されるシリンダ室に往復動自在に収容されるピストンを有し、前記ピストンによって前記ラックが駆動されることを特徴とする。
【0010】
本発明のロータリアクチュエータは、前記外輪部材、前記転動体および前記回動部材により、クロスローラ軸受が形成されることを特徴とする。
【0011】
本発明のロータリアクチュエータは、前記回動部材には軸方向に延びる貫通孔が形成されることを特徴とする。
【0012】
本発明のロータリアクチュエータは、前記回動部材のテーブルには吸着具が取り付けられ、前記吸着具には前記貫通孔を介して真空供給源に接続される真空供給孔が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、アクチュエータ本体に組み付けられる外輪部材に、転動体を介して回動部材を回転自在に支持するようにしたので、アクチュエータ本体と回動部材との間に独立した軸受を組み込む必要がなく、ロータリアクチュエータの薄型化を達成することが可能となる。つまり、回動部材を構成するピニオンとテーブルとの間に独立した軸受を組み込む必要がないため、ロータリアクチュエータの高さ寸法を抑制することが可能となる。
【0014】
しかも、外輪部材によって直接的に回動部材を支持することにより、アクチュエータ本体に対する回動部材の取付精度や取付剛性を向上させることが可能となる。つまり、独立した軸受の内輪によって回動部材を支持するのではなく、内輪よりも大径となる外輪部材によって回動部材を支持することにより、回動部材の取付精度や取付剛性を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1(A)は本発明の一実施の形態であるロータリアクチュエータ10を示す平面図である。また、図1(B)はロータリアクチュエータ10を示す側面図であり、図1(C)はロータリアクチュエータ10を示す底面図である。図1(A)〜(C)に示すように、ロータリアクチュエータ10は、ほぼ直方体形状のアクチュエータ本体11を有しており、アクチュエータ本体11には、回動力を出力するテーブル12が上部から突き出すように組み付けられている。そして、複数のネジ孔13を備えるテーブル12には、真空圧により吸着パッドでワークを吸着する吸着具や、正圧によりワークを把持するハンドなどの治具が取り付けられており、このテーブル12を所定角度で回動させることによって、ワーク等の移動作業や位置決め作業を実行することが可能となっている。なお、アクチュエータ本体11を構成するハウジング14の上面14a、下面14b、側面14c,14dには、複数のネジ孔15やボルト挿入孔16が形成されており、様々な方向から生産装置等に対してロータリアクチュエータ10を取り付けることが可能である。
【0017】
図2は図1(B)のa−a線に沿ってロータリアクチュエータ10を示す拡大断面図である。図2に示すように、図示するロータリアクチュエータ10は、ラック20,21の直線運動をピニオン22の回転運動に変換するようにしたラックピニオン型のロータリアクチュエータである。アクチュエータ本体11を構成するハウジング14には、ほぼ平行となる2つのシリンダ室23,24が長手方向に形成されており、ハウジング14の両端にはシリンダ室23,24を閉塞するエンドプレート25,26が取り付けられている。また、シリンダ室23,24を密閉するため、ハウジング14とエンドプレート25,26との間にはOリング27が組み付けられている。
【0018】
アクチュエータ本体11内のシリンダ室23,24には、円柱材料の一部を切り欠いて形成されるラック20,21が往復動自在に収容されており、このラック20,21の両端部にはピストン20a,20b,21a,21bが一体に形成されている。つまり、それぞれのラック20,21の両側に位置するように、ピストン20a,20b,21a,21b、ハウジング14、エンドプレート25,26によって作動圧室23a,23b,24a,24bが区画されており、この作動圧室23a,23b,24a,24bに対して空気などの作動流体を給排制御することにより、シリンダ室23,24内でラック20,21を往復移動させることが可能となっている。また、これらの作動圧室23a,23b,24a,24bに作動流体を供給するため、エンドプレート25には作動圧室23a,24bに連通する給排ポート28と、作動圧室23b,24aに連通する給排ポート29とが形成されている。
【0019】
また、ハウジング14のほぼ中央にはピニオン22を回転自在に収容する収容室30が形成されており、このピニオン22は双方のラック20,21に噛み合うとともに前述したテーブル12と一体に回転するようになっている。このようにラック20,21とピニオン22とを噛み合わせることにより、給排ポート28に作動流体を供給したときには、ラック20を矢印a方向に移動させるとともにラック21を矢印b方向に移動させ、ピニオン22およびテーブル12を矢印R1方向に回動させることが可能となる。一方、給排ポート29に作動流体を供給したときには、ラック21を矢印a方向に移動させるとともにラック20を矢印b方向に移動させ、ピニオン22およびテーブル12を矢印R2方向に回動させることが可能となる。
【0020】
なお、ラック20,21には位置検出用のマグネット31,32が取り付けられており、このマグネット31,32に対向するようにハウジング14の側面14c,14dにはセンサ取付溝33が形成されている。このセンサ取付溝33に対して磁気センサを装着することにより、ラック20,21の移動位置つまりテーブル12の回動角度を検出することができ、給排ポート28,29に対する作動流体の供給制御を的確に実行することが可能となる。また、一方のエンドプレート26にはゴムダンパ34が取り付けられており、エンドプレート26にラック20,21が突き当たる際の衝撃を吸収するようにしているが、このゴムダンパ34に限られることはなく、オイル抵抗を利用して衝撃を吸収させるようにしたショックアブソーバを取り付けるようにしても良い。
【0021】
続いて、ピニオン22およびテーブル12を備える回動部材35の構造について説明する。ここで、図3は図1(B)のb−b線に沿ってロータリアクチュエータ10を示す拡大断面図である。図3に示すように、ハウジング14の上面14aに開口する嵌合口36には、フランジ状の外輪部材37がネジ部材38を用いて組み付けられており、環状に形成される外輪部材37の内側には、内輪部39、ピニオン22およびテーブル12が一体に形成される回動部材35が組み込まれている。また、外輪部材37の内周面と内輪部39の外周面とのそれぞれには軌道溝37a,39aが形成されており、対向する軌道溝37a,39aの間に円筒形状の転動体40が組み込まれている。
【0022】
また、外輪部材37と内輪部39との間に配列される複数の転動体40にあっては、隣り合う転動体40の回転中心が直角に交差するようになっており、回動部材35に作用する一方向のスラスト荷重は1つおきに配置される半数の転動体40によって支持され、逆方向のスラスト荷重は残り半数の転動体40によって支持される。つまり、回動部材35、外輪部材37および転動体40によってクロスローラ軸受が形成されており、ハウジング14に対する回動部材35の取付剛性が高められるようになっている。
【0023】
なお、回動部材35のピニオン22から延びる軸部41にはハウジング14に嵌合する軸受42が取り付けられており、ハウジング14に対する回動部材35の取付剛性が更に高められている。また、外輪部材37には軌道溝37aに開口する図示しない挿入口が形成されており、外輪部材37と回動部材35との間に転動体40を組み込む際には、外輪部材37の挿入口から転動体40が組み込まれるようになっている。なお、転動体40を組み込んだ後には、図示しないプラグによって挿入口が塞がれることになる。
【0024】
また、図3に示すように、回動部材35には軸方向に沿って貫通孔43が形成されており、回動部材35の上端面および下端面には貫通孔43が開口するようになっている。前述したように、回動部材35はピニオン22からテーブル12にかけて一体に形成されるため、貫通孔43の内壁面にはつなぎ目による隙間がないので、貫通孔43を作動流路として機能させることが可能となる。つまり、テーブル12に装着される治具等に対して貫通孔43から空気圧や負圧を供給することが可能であり、回動する治具等に対して新たにエアチューブ等を取り付ける必要がないため、アクチュエータ周りの簡素化を達成することが可能となる。なお、貫通孔43を作動流路として機能させるだけでなく、治具等に配索される配線や配管を貫通孔43からテーブル12に向けて案内することにより、アクチュエータ周りの簡素化を図るようにしても良い。
【0025】
これまで説明したように、ハウジング14に組み付けられる外輪部材37によって、直接的に回動部材35を回転自在に支持するようにしたので、ハウジング14と回動部材35との間に独立した軸受を組み込む必要がなく、ロータリアクチュエータ10の薄型化を図ることが可能となる。つまり、従来のロータリアクチュエータにあっては、ハウジングに対してピニオンおよびテーブルを回転自在に支持するため、テーブルとピニオンとの間に軸部を形成した上で、テーブル、ピニオン、軸受を厚み方向に重ねて配置する必要がある。しかしながら、本発明のロータリアクチュエータ10にあっては、テーブル12を軸受の一部を構成する内輪部39に対して一体に形成し、外輪部材37によって回動部材35を直接的に支持するようにしたので、テーブル12とピニオン22との間に独立した軸受を組み付ける必要がなく、ロータリアクチュエータ10の厚み寸法を抑制することが可能となる。
【0026】
また、ハウジング14に組み付けられる外輪部材37によって直接的に回動部材35を支持するようにしたので、ハウジング14に対する回動部材35の取付精度や取付剛性を向上させることが可能となる。つまり、独立した軸受の内輪によって回動部材35を支持するのではなく、このような内輪よりも大径となる外輪部材37によって回動部材35を支持することにより、回動部材35の取付精度や取付剛性を高めることが可能となる。これにより、ラック20,21とピニオン22との噛み合い精度を高めることができるだけでなく、テーブル12に対して幅方向から外力が作用した場合であってもテーブル12の振れなどを防止することができる。しかも、テーブル12、ピニオン22および内輪部39を一体に形成するようにしたので、テーブル12やピニオン22をネジ部材やキー部材などを用いて連結する必要がなく、回動部材35の大型化を回避するとともに回動部材35の剛性や精度を向上させることが可能となる。
【0027】
続いて、本発明の他の実施の形態であるロータリアクチュエータ50について説明する。図4は本発明の他の実施の形態であるロータリアクチュエータ50を示す断面図であり、ロータリアクチュエータ50が生産装置等の取付プレート51に取り付けられた状態を図示している。また、図3に示すロータリアクチュエータ10と同一の部材については同一の符号を付してその説明を省略する。なお、図4に示すロータリアクチュエータ50を実際に使用する際には、吸着パッド55が下向きになるように、図示する状態から上下を反転させて使用するようにしている。同様に、後述する図5、図6、図7、図8のロータリアクチュエータ65,75を実際に使用する際にも、吸着パッド55が下向きになるように、図示する状態から上下を反転させて使用するようにしている。
【0028】
図4に示すように、生産装置等の取付プレート51には、ロータリアクチュエータ50が下面を突き当てて取り付けられている。また、取付プレート51には、真空供給孔51aが形成されるとともに、図示しない真空ポンプやエジェクタ等の真空供給源に接続されるチューブ継手52が取り付けられている。さらに、ロータリアクチュエータ50の回動部材53を構成するテーブル54には、複数の吸着パッド55を備えた吸着ユニット(吸着具)56が取り付けられており、吸着ユニット56のユニット本体57には、各吸着パッド55に連通する真空流路57aが形成されている。
【0029】
このように、真空供給源に接続される真空供給孔51aと、吸着パッド55に連通する真空流路57aとは、回動部材53に形成される貫通孔58を介して連通するようになっている。そして、吸着パッド55でワークWを吸着した状態のもとで真空供給源を作動させることにより、吸着パッド55によってワークWを吸着固定することが可能となる。また、空気の漏れを防止するため、回動部材53の軸部59を回転自在に支持するハウジング60の支持孔60aにはOリング61等の封止部材が組み付けられており、吸着パッド55内の真空状態を保つことが可能となっている。このように、回動部材53の貫通孔58を真空流路として機能させることにより、吸着ユニット56に対してエアチューブ等を取り付ける必要がないため、アクチュエータ周りの簡素化を達成することが可能となる。
【0030】
また、図4に示す場合には、取付プレート51を介してロータリアクチュエータ50にチューブ継手52を接続するようにしているが、これに限られることはなく、ロータリアクチュエータ50に対して直接的にチューブ継手52を接続するようにしても良い。ここで、図5はチューブ継手52が直接的に接続されたロータリアクチュエータ65を示す断面図であり、図4に示す部材と同一の部材については同一の符号を付してその説明を省略する。図5に示すように、ハウジング60の下面にはチューブ継手52を備えるアダプタ66が組み付けられており、このアダプタ66の真空供給孔66aを介してチューブ継手52と回動部材53の貫通孔58とは連通するようになっている。このように、チューブ継手52を含めてロータリアクチュエータ65のユニット化を図ることにより、ロータリアクチュエータ65の取付作業の簡易化を達成することが可能となる。
【0031】
また、生産装置等の取付プレート67に対してロータリアクチュエータ65を取り付ける際に、取付プレート67に対してハウジング60の下面を突き当てるだけでなく、ハウジング60の上面や側面を突き当てるようにしても良い。ここで、図6および図7はロータリアクチュエータ65の他の取付例を示す断面図であり、図5に示す部材と同一の部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0032】
まず、図1(A)〜(C)に示すように、ハウジング14の上面14a、下面14b、側面14c,14dには、複数のネジ孔15やボルト挿入孔16が形成されており、様々な方向から取付プレートに対してロータリアクチュエータ10を取り付けることが可能となっている。これらのネジ孔15やボルト挿入孔16はハウジング60に対しても形成されており、ハウジング60に形成されるネジ孔やボルト挿入孔を使用することによって、図6および図7に示すように、取付プレート68に対してハウジング60の側面を突き当てて取り付けたり、取付プレート69に対してハウジング60の上面を突き当てて取り付けたりすることが可能となる。このように、様々な方向からロータリアクチュエータ65を取り付けることができるため、ロータリアクチュエータ65を設置する際の自由度を増すことが可能となる。なお、図7に示す場合には、取付プレート69から吸着ユニット70が突き出るように、吸着ユニット70のユニット本体71に軸部71aが形成されているが、取付プレート69の開口部69aを拡大することにより、図4〜図6に示す吸着ユニット56を組み付けるようにしても良い。
【0033】
また、図5〜図7に示すロータリアクチュエータ65には、1つの真空供給孔66aを備えるアダプタ66を介してチューブ継手52が接続されているが、このようなアダプタに対して複数の真空流路を形成するようにしても良い。ここで、図8(A)は本発明の他の実施の形態であるロータリアクチュエータ75を示す断面図であり、図8(B)は(A)のa−a線に沿ってロータリアクチュエータ75を示す断面図である。なお、図5〜図7に示す部材と同一の部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0034】
図8(A)および(B)に示すように、ハウジング60と取付プレート76との間には配管プレート77が組み込まれており、この配管プレート77には4つの給排ポート78と回動部材53の貫通孔58とを連通する4本の真空流路79が形成されている。このように、複数の給排ポート78を備える配管プレート77を組み込むことにより、様々な方向からエアチューブをロータリアクチュエータ75に接続することができ、ロータリアクチュエータ75を設置する際の自由度を高めることが可能となる。
【0035】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、図示する場合には、アクチュエータ本体11に逆向きに駆動する一対のラック20,21が組み込まれているが、いずれか一方のラックを組み込むことによってピニオン22を回動させるようにしても良い。また、一対のラック20,21を組み込んだ状態のもとで、いずれか一方のラックに対して空気圧を供給するようにしても良い。
【0036】
また、図示する場合には、回動部材35,53、外輪部材37および転動体40によってクロスローラ軸受が形成されているが、このクロスローラ軸受に代えて単列深溝玉軸受などを形成するようにしても良い。
【0037】
また、図4〜図8に示す状態にあっては、吸着ユニット56,70が上方を向くように、取付プレート51,67〜69や配管プレート77に対してロータリアクチュエータ50,65,75が取り付けられているが、この取付方向に限られることはなく、吸着ユニット56,70が下方や側方を向くようにしても良い。
【0038】
なお、ロータリアクチュエータ10,50,65,75のテーブル12,54に取り付けられる治具としては、吸着ユニット56,70に限られることはなく、作業内容に応じて正圧によりワークを把持するハンドなどの様々な治具が取り付けられることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】(A)は本発明の一実施の形態であるロータリアクチュエータを示す平面図であり、(B)はロータリアクチュエータを示す側面図であり、(C)はロータリアクチュエータを示す底面図である。
【図2】図1(B)のa−a線に沿ってロータリアクチュエータを示す拡大断面図である。
【図3】図1(B)のb−b線に沿ってロータリアクチュエータを示す拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態であるロータリアクチュエータを示す断面図である。
【図5】チューブ継手が直接的に接続されたロータリアクチュエータを示す断面図である。
【図6】取付プレートに対するロータリアクチュエータの他の取付例を示す断面図である。
【図7】取付プレートに対するロータリアクチュエータの他の取付例を示す断面図である。
【図8】(A)は本発明の他の実施の形態であるロータリアクチュエータを示す断面図であり、(B)は(A)のa−a線に沿ってロータリアクチュエータを示す断面図である。
【符号の説明】
【0040】
10 ロータリアクチュエータ
11 アクチュエータ本体
12 テーブル
13 ネジ孔
14 ハウジング
14a 上面
14b 下面
14c,14d 側面
15 ネジ孔
16 ボルト挿入孔
20,21 ラック
20a,20b ピストン
21a,21b ピストン
22 ピニオン
23,24 シリンダ室
23a,23b 作動圧室
24a,24b 作動圧室
25,26 エンドプレート
27 Oリング
28,29 給排ポート
30 収容室
31,32 マグネット
33 センサ取付溝
34 ゴムダンパ
35 回動部材
36 嵌合口
37 外輪部材
37a 軌道溝
38 ネジ部材
39 内輪部
39a 軌道溝
40 転動体
41 軸部
42 軸受
43 貫通孔
50 ロータリアクチュエータ
51 取付プレート
51a 真空供給孔
52 チューブ継手
53 回動部材
54 テーブル
55 吸着パッド
56 吸着ユニット(吸着具)
57 ユニット本体
57a 真空流路
58 貫通孔
59 軸部
60 ハウジング
60a 支持孔
61 Oリング
65 ロータリアクチュエータ
66 アダプタ
66a 真空供給孔
67〜69 取付プレート
69a 開口部
70 吸着ユニット(吸着具)
71 ユニット本体
71a 軸部
75 ロータリアクチュエータ
76 取付プレート
77 配管プレート
78 給排ポート
79 真空流路
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックが往復動自在に組み込まれるアクチュエータ本体と、
前記アクチュエータ本体に組み付けられる外輪部材に、転動体を介して回転自在に支持される回動部材とを有し、
前記回動部材は、前記転動体に転がり接触する内輪部と、前記内輪部に一体に形成されて前記ラックに噛み合うピニオンと、前記内輪部に一体に形成されて回動力を出力するテーブルとを備えることを特徴とするロータリアクチュエータ。
【請求項2】
請求項1記載のロータリアクチュエータにおいて、前記アクチュエータ本体に形成されるシリンダ室に往復動自在に収容されるピストンを有し、前記ピストンによって前記ラックが駆動されることを特徴とするロータリアクチュエータ。
【請求項3】
請求項1または2記載のロータリアクチュエータにおいて、前記外輪部材、前記転動体および前記回動部材により、クロスローラ軸受が形成されることを特徴とするロータリアクチュエータ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータリアクチュエータにおいて、前記回動部材には軸方向に延びる貫通孔が形成されることを特徴とするロータリアクチュエータ。
【請求項5】
請求項4記載のロータリアクチュエータにおいて、前記回動部材のテーブルには吸着具が取り付けられ、前記吸着具には前記貫通孔を介して真空供給源に接続される真空供給孔が設けられていることを特徴とするロータリアクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−127160(P2007−127160A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−318568(P2005−318568)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(000145611)株式会社コガネイ (142)
【Fターム(参考)】