説明

ロータリ耕耘作業機

【課題】簡易な構成で、ロータリアタッチメントの姿勢を容易に調整できるロータリ耕耘作業機を提供する。
【解決手段】ロータリ耕耘爪軸12に耕耘爪15を取付けて耕耘部14を構成し、前記耕耘部14の上方を覆うロータリカバー16と、前記耕耘部14の後方を覆うとともに前記ロータリカバー16の後部にヒンジで連結されて上下方向に揺動可能に設けられたリヤカバーと、前記耕耘部14の上方を覆うとともに前記ロータリ耕耘爪軸12を中心に回動可能なロータリ回動カバー28と、ロータリアタッチメント24と、前記ロータリアタッチメント24を取り付ける取付部20と、を有するロータリ耕耘作業機1において、前記取付部20は、前記ロータリ回動カバー28に設けられていることを特徴とする

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリ耕耘作業機に係り、特に、培土機等のロータリアタッチメントの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
サイドドライブ式のロータリ耕耘作業機において、チェーンケースに内装されたチェーン伝動機構に連結されて回転するロータリ耕耘爪軸に耕耘爪を取付けて耕耘部を構成し、この耕耘部の上方を覆うメインカバーの両側部にサイドカバーを固設し、耕耘部の後方を覆うとともにメインカバーに対してヒンジを介して上下方向に揺動可能に支持したリヤカバーには、その両側部にリヤサイドカバーを固設し、進行方向前方から見てリヤサイドカバーは、サイドカバーの外側方になるように配置して、耕耘部の左右後側方からの土飛散の防止等を図るようにしたものがある。
【0003】
従来、上記したトラクター作業機において、サイドスキ、サイドディスクや培土機等のロータリアタッチメントを装着する場合、ロータリカバーにデプスビームを取り付け、このデプスビームにロータリアタッチメントを装着していた。又は、ロータリサイドサポートに装着ブラケットを介してロータリアタッチメントを装着していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術では、トラクターとロータリ耕耘機の機種毎に、作業姿勢が異なるため、各機種毎にロータリアタッチメント装着ブラケットを準備せざるをえず、部品点数が多くなるという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、簡易な構成で、部品点数の少ない即ちロータリアタッチメントを共用化することのできるロータリ耕耘作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ロータリ耕耘爪軸に耕耘爪を取付けて耕耘部を構成し、前記耕耘部の上方を覆うロータリカバーと、前記耕耘部の後方を覆うとともに前記ロータリカバーの後部にヒンジで連結されて上下方向に揺動可能に設けられたリヤカバーと、前記耕耘部の上方を覆うとともに前記ロータリ耕耘爪軸を中心に回動可能なロータリ回動カバーと、ロータリアタッチメントと、前記ロータリアタッチメントを取り付ける取付部と、を有するロータリ耕耘作業機において、前記取付部は、前記ロータリ回動カバーに設けられていることを特徴とするロータリ耕耘作業機を提供する。
【0007】
上記構成によれば、ロータリアタッチメントを取り付ける取付部がロータリ回動カバーに設けられているので、ロータリ回動カバーの動きに合わせてロータリアタッチメントを追従させることができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記ロータリアタッチメントは、培土機であることを特徴とする請求項1記載のロータリ耕耘作業機を提供する。
【0009】
上記構成によれば、ロータリアタッチメントである培土機の動きをロータリ回動カバーの動きに追従させつつ培土作業を行わせることが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明により、簡易な構成で、部品点数の少ない即ちロータリアタッチメントを共用化することのできるロータリ耕耘作業機を提供することができる。
請求項2に係る発明により、簡易な構成で、部品点数の少ない即ちロータリアタッチメントである培土機を共用化することのできるロータリ耕耘作業機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係るロータリ耕耘作業機の実施例を図1乃至図3を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係るロータリ耕耘作業機を示す側面図である。図2は、本発明に係るロータリ耕耘作業機におけるロータリアタッチメント及びその取付構造を示す一部拡大側面図である。図3は、本発明に係るロータリ耕耘作業機におけるロータリアタッチメント及びその取付構造を示す一部拡大平面図である。
【0012】
ロータリ耕耘作業機1は、トラクタ2の後方に、トップリンク3が1本、ロワリンク4が2本を持つ3点リンク機構等の連結機構を介して昇降及び左右傾動自在に装着される。中央上部に配置されたべベルギヤボックス5の上方にマスト6が設けられ、べベルギヤボックス5から左右両側方(図の紙面に垂直方向)に延出されたメインビーム7の各中途部には支持プレート8が固設されて、マスト6の前端にトップリンク3の後端が枢支され、各支持プレート8の前端にロワリンク4の後端が各々枢支されている。
【0013】
トップリンク3、各ロワリンク4は油圧装置に連携しており、ロータリ耕耘作業機1は、油圧装置によって昇降作動されるようになっている。支持プレート8の後端にはデプスフレーム9が枢支されている。また、トラクタ2のPTO軸(動力取出し軸)がユニバーサルジョイント付ドライブ軸を介してべベルギヤボックス5に突設された入力軸10に連結され、PTO軸からの動力が入力軸10に伝達されるようになっている。
【0014】
べベルギヤボックス5内には、べベルギヤ群が設けられ、べベルギヤボックス5から一側方に延出したメインビーム7の端部にチェーンケース11が取付けられ、他側方に延出したメインビーム7の端部にはサイドフレームが取付けられている。また、チェーンケース11の下部とサイドフレームの下部との間に、各々軸受を介してロータリ耕耘爪軸12が回動自在に軸架されている。
【0015】
チェーンケース11には、入力スプロケット、チェーン及び出力スプロケット等からなるチェーン伝導機構が内装され、その入力スプロケットはべベルギヤ群のギヤ出力を伝動する伝動軸に固定され、出力スプロケットはロータリ耕耘爪軸12に連携する出力スプロケット軸に固定されている。
【0016】
このようにして、ロータリ耕耘爪軸12は、トラクタ2のPTO軸からの動力により、入力軸10、べベルギヤ群、伝動軸13及びチェーン伝動機構等を介して回転駆動されるようになっている。このロータリ耕耘爪軸12には、複数の耕耘爪15が放射状に取付けられて耕耘部14が構成されている。そして、耕耘爪15がA―A矢印方向に回動することになる。
【0017】
耕耘部の直上方には、この耕耘部14の上方を覆うロータリカバー16が設けられている。ロータリカバー16は、両側板部の部分でチェーンケース11の内側及びサイドフレームに、各々ボルト締結等により固定されている。ロータリカバー16の前方には、耕耘部の前方を覆うフロントカバー17が、メインビーム7から延出されたステー22にボルト締結により取付けられている。
【0018】
また、ロータリカバー16の後部上面にはボルト締結によりブラケット23が斜め後方上方に向けて取付けられ、このブラケット23の上端部即ち当該ブラケット23及びロータリカバー16等を介して作業機本体側に設けられた摺動部18とリヤカバーの後方寄りの上面側との間に、ハンガーロッド19が、リヤカバーを釣支するように設けられている。ハンガーロッド19の一端はリヤカバーの後方寄りの上面側に枢支され、他端側は摺動自在に支持されており、リヤカバーと連動してハンガーロッド19が摺動する。
【0019】
また、耕耘部14の上方に、ロータリ回動カバー28がロータリ耕耘爪軸12を中心に回動可能に設けられている。このロータリ回動カバー28の側面後方側にロータリアタッチメントの取付部である取付プレート20が設けられている。この取付プレート20の外側上面にロータリアタッチメントである培土機24の取付軸25が装着板21によって取り付けられている。
【0020】
次に、上記構成を有する本発明に係るロータリ耕耘作業機1の作用を説明する。
ロータリ耕耘爪軸12が、トラクタ2のPTO軸(動力取出し軸)からの動力により、入力軸10、べベルギヤ群、伝動軸13及びチェーン伝動機構等を介して回転駆動される。このロータリ耕耘爪軸12に取付けられた複数の耕耘爪15が回転し耕耘作業が行われていく。これらの耕耘爪15の回転により、耕耘された土はロータリアタッチメントである培土機24により、培土作業が行われていく。
【0021】
上述した如く、本発明に係るロータリ耕耘作業機1は、ロータリアタッチメントである培土機24がロータリ耕耘爪軸12を中心に回動可能に設けられたロータリ回動カバー28に取付プレート20を介して取り付けられているので、ロータリアタッチメントである培土機24がロータリ耕耘爪軸12中心に動くことができる。従って、作業姿勢を容易に変更することができる。
【0022】
また、ロータリアタッチメントである培土機24の作業姿勢の調整もこの回動カバーの調整ハンドル26で容易に可能となる。
【0023】
このように、本発明に係るロータリ耕耘作業機1は、ロータリアタッチメントである培土機24がロータリ耕耘爪軸12を中心に回動可能であるロータリ回動カバー20に取付プレート20を介して取り付けられ、調整ハンドル26を有しているので、作業姿勢が容易に変更可能である。さらに、ロータリアタッチメントである培土機24上に設けられている調整ハンドル27によって、培土機24の傾きを詳細に設定することができる。
従って、トラクタ2とロータリ耕耘作業機1の機種毎に、作業姿勢が異なっても、共通のロータリアタッチメントである培土機24で対応することができるので、部品点数が少なくなる。
上記実施例においては、ロータリアタッチメント24として、培土機を使用したが、サイドスキやサイドディスクを使用することの可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るロータリ耕耘作業機を示す側面図。
【図2】本発明に係るロータリ耕耘作業機におけるロータリアタッチメント及びその取付構造を示す一部拡大側面図。
【図3】本発明に係るロータリ耕耘作業機におけるロータリアタッチメント及びその取付構造を示す一部拡大平面図。
【符号の説明】
【0025】
1 ロータリ耕耘作業機
2 トラクタ
3 トップリンク
4 ロワリンク
5 べベルギヤボックス
6 マスト
7 メインビーム
8 支持プレート
9 デプスフレーム
10 入力軸
11 チェーンケース
12 ロータリ耕耘爪軸
13 伝動軸
14 耕耘部
15 耕耘爪
16 ロータリカバー
17 フロントカバー
18 摺動部
19 ハンガーロッド
20 取付部(取付プレート)
21 装着板
22 ステー
23 ブラケット
24 ロータリアタッチメント(培土機)
25 取付軸
26 調整ハンドル
27 調整ハンドル
28 ロータリ回動カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリ耕耘爪軸に耕耘爪を取付けて耕耘部を構成し、前記耕耘部の上方を覆うロータリカバーと、前記耕耘部の後方を覆うとともに前記ロータリカバーの後部にヒンジで連結されて上下方向に揺動可能に設けられたリヤカバーと、前記耕耘部の上方を覆うとともに前記ロータリ耕耘爪軸を中心に回動可能なロータリ回動カバーと、ロータリアタッチメントと、前記ロータリアタッチメントを取り付ける取付部と、を有するロータリ耕耘作業機において、前記取付部は、前記ロータリ回動カバーに設けられていることを特徴とするロータリ耕耘作業機。
【請求項2】
前記ロータリアタッチメントは、培土機であることを特徴とする請求項1記載のロータリ耕耘作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−50955(P2006−50955A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−234886(P2004−234886)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】