説明

ローダ

【課題】車両が危険な動作状態または荷重状態に近づくほど漸進的に機能を減速させるローダを提供する。
【解決手段】液圧操作式伸張アームと、荷重状態をモニタリングするためのセンサ66と、前記伸張アームおよび/または前記伸張アームに取り付けられた用具を作動させるための液圧機構36とを備え、前記液圧機構36は、少なくとも1つの液圧作動式制御デバイス42と、前記少なくとも1つの制御デバイス42のための液圧制御圧力信号を発生するための液圧機械式作動デバイス34と、電子制御ユニット64と、制御圧力を変化させるための手段62を備え、これらの手段は、前記センサ66によって供給されるセンサ信号に応じて、前記作動デバイス34によって発生する制御圧力を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローダであって、液圧作動式伸張アームと、ローダにおける荷重状態をモニタリングするためのセンサと、伸張アームおよび/または伸張アームに取り付けられた用具を作動させるための液圧機構とを有し、前記液圧機構は、少なくとも1つの液圧シリンダと、この少なくとも1つの液圧シリンダを制御するための少なくとも1つの液圧作動式制御デバイスと、前記少なくとも1つの制御デバイス用の液圧制御圧信号を発生させるための液圧機械式作動デバイスと、液圧源と、液圧タンクと、電子制御ユニットとを示すローダに関する。
【背景技術】
【0002】
積込み車両またはテレスコープ式ローダなどのローダの分野では、車両が危険な荷重状態に陥ることを防護するシステムが、以前に開示されている。危険な荷重状態は、例えば車両の質量の中心が前方へ移行する結果として車両が前部車軸を越えて転覆するときに発生する。これらのシステムでは、液圧機能が制動されて、車両が傾きの前兆を示していることをセンサが検出するとすぐに停止状態にされる。いったん液圧アクチュエータが停止すると、なお動作させることができる機能は、車両を安全な状態に戻すこと、例えば伸張アームを上げること、用具または荷重の傾きを戻すこと、および伸長アームを引っ込めることだけである。
【0003】
この種のシステムでは、伸張アームの動きを突然停止しないことが賢明である。というのは突然停止させると、荷重および伸張アームの慣性によって車両を転覆に導く可能性があるからである。車両が危険な動作状態または荷重状態に近づくほど漸進的に機能を減速させることが賢明である。
【0004】
特許文献WO2004/007339A1は、この種のシステムを開示する。ここでは、車体に作用する転倒モーメントがセンサによって検出され、電子制御ユニットに伝達される。また、テレスコープ式伸張アームの持ち上げ、下げ、および入れ子式伸縮、ならびに液圧シリンダの電気液圧式作動のために、いくつかの液圧シリンダが備えられる。このシステムは、液圧シリンダが完全に停止に至る前に、設定された転覆モーメントのしきい値に近づくと、液圧シリンダを減速操作するための液圧機能をもたらす。この場合、例えば荷重信号は電子的に処理され、使用者による操作の可能性は減少し、および/または操作は妨げられる。技術が例えば電子制御ユニットの使用によってさらに進歩するほど、電子装置による介入はさらに容易になる。
【0005】
機械的制御式制御デバイスを備えた液圧機械式システムに関しては、WO2004/007339A1に開示された特性を表す特徴では用途は見つからない。そのわけは、液圧式パイロット制御システムの介入が、適当な電子装置がないために、機能的にこのような簡単な手段による制御方式では不可能であるからである。
【特許文献1】WO2004/007339A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の根底にある目的は、上記の欠点を解決する、冒頭に示した種類のローダを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明によれば特許請求項1の特徴を表す特色によって達成される。本発明のさらなる有利な実施形態およびさらなる発展形態は、従属請求項から理解することができる。
【0008】
本発明によれば、冒頭に記載した種類のローダが、制御圧を変えるための手段が作動デバイスと制御デバイスとの間を通る少なくとも1つの制御圧管路に連結され、この手段によって、センサによって供給されるセンサ信号に応じて、作動デバイスによって発生した制御圧を変えることができるように、構成される。液圧によって制御される制御デバイスの運転性は、制御圧管路の中の圧力が低下するように制御圧を変えるための手段を介して影響され、こうして、制御デバイスにおける操作量、およびしたがって制御デバイスを介して調整される液圧シリンダ用の液圧流体の体積流量は減少する。制御圧管路の中の制御圧はこうして、電子制御ユニットによって設定された荷重状態の危険値に近づくほど大きく低下する。運転者が車両を、最終的には車両の転覆に至ることもある危険な状態にすることが可能になることを防ぐために、こうして液圧シリンダの機能を最初は減速させ、次いで完全に停止に至らせる。
【0009】
制御圧を変えるための手段が、電子制御ユニットによって作動可能である少なくとも1つの電気液圧式過圧弁から構成されることは好ましい。電気液圧式過圧弁は、センサおよび/または過荷重信号によって供給される荷重信号に応じて、漸進的に開かれることが可能である。所定のしきい値に近づくほど、車両の転覆のおそれはより大きくなり、過圧弁はより少なく調節される。結果的に低下する制御圧に基づいて、制御デバイスの弁ゲートはより少なく偏向し、この結果として、制御デバイスはより少ない体積流量を液圧シリンダに送り、この結果、液圧シリンダはさらにゆっくり停止に至る。制御デバイスをいつものとおり反対移動方向に作動させることができる。もちろん、いくつかの液圧シリンダを配置して液圧機構とし、したがっていくつかの制御デバイスを、液圧式に調節することによって液圧シリンダの制御のために使用可能にすることを考えることができる。したがって、いくつかの制御デバイスといくつかの液圧シリンダを使用する場合には、いくつかの電気液圧式過圧弁を使用することができ、これらの過圧弁はセンサ信号に応じて電子制御ユニットによって調節される。
【0010】
一代替実施形態では、制御圧を変えるための手段は、電子制御ユニットによって作動可能な少なくとも1つの電気液圧式減圧弁を含み、電子制御ユニットは制御デバイスの弁ゲートのための圧力制御管路の中に直接配置されている。電気液圧式減圧弁は、センサによって供給される荷重信号および/または過荷重信号に応じて作動可能である。所定のしきい値に近く接近するほど、車両転覆のおそれは大きくなり、弁ゲートのための制御圧は減圧弁によって多く絞られ、または減圧される。結果として低下する制御圧に基づいて、制御デバイスの弁ゲートは僅かに偏向され、この結果として、制御デバイスはより少ない体積流量を液圧シリンダに送り、したがって液圧シリンダは徐々に減速して停止に至る。制御デバイスは通例の移動方向とは反対の移動方向に作動可能である。もちろん、いくつかの液圧シリンダを配置して液圧機構とし、したがって、いくつかの制御デバイスを、液圧シリンダの制御のために液圧式に調節可能にすることも考えることができる。したがって、いくつかの制御デバイスといくつかの液圧シリンダを使用する場合には、いくつかの電気液圧式減圧弁を使用することができ、これらの減圧弁はセンサ信号に応じて電子制御ユニットによって調節される。
【0011】
したがって、車両が危険な動作状態に陥ることができないように、伸張アームの動きを制限することが可能であり、これに関連してオペレータは、ローダの運転台において何らかの方法で発生する警報信号に加えて、その調節の初期設定値にかかわらず伸張アームは停止に至るまで次第に減速して動いていることに気づかされる。
【0012】
液圧機械式作動デバイスはジョイスティックとして構成されることが好ましい。この場合、制御レバーの対応する機械的偏向によって弁が作動され、これらの弁は液圧源と制御圧管路に連結され、液圧シリンダの制御デバイスのための制御圧を発生させる。
【0013】
ローダは、テレスコープ式ローダとして構成されることが好ましく、これに関連して、伸張アームは、その迎え角に関しては第1液圧シリンダを介して変わることができ、その長さに関しては第2液圧シリンダを介して変わることができ、これに関連して、第3液圧シリンダが備えられ、これによって伸張アームの上に配置された用具を旋回させることができる。こうして、例えば掘削物を満たした積込みショベルの後方傾斜が危険荷重状態を少なくすることもできるが、伸張アームは移動していない。いずれにしても、制御デバイスの制御圧管路に配置された過圧弁または減圧弁が、運転者によって決定された動きの緩やかな実施をもたらすので、しきい値範囲の近傍においてローダの転覆を誘発する可能性のある、積込み掘削物または伸張アームの破壊的な慣性質量効果が発生することはない。
【0014】
別の一実施形態では、ローダは前部積込み機を含み、この前部積込み機の中に伸張アームが前部積込み機の積込みアームとして構成され、積込みアームは第1液圧シリンダを介して、または第1液圧シリンダと第2液圧シリンダとを介して迎え角に関して変化することが可能である。第3液圧シリンダを備えることができ、これによって、伸張アームの上に備えられた用具、例えば積込みショベルまたは積込みフォークを旋回させることができる。
【0015】
もちろん、その他の通常の積込み用具はすべて、例えばバケット、梱掴み機などを、テレスコープ式ローダと前記積込み機を備えたローダの両方で使用することができる。
【0016】
ローダに関する危険荷重状態が検出可能であるように、センサを構成して配置することは好ましい。センサを例えば車両の軸の上に配置することができ、同様にひどく不安定な荷重の場合には危険荷重状態を示すことができる。例えばひずみ計または力変換器がこの場合に用途を見つけることができる。センサをある別の適当な点に位置付けて、車両フレームの車両軸に対する傾斜を危険荷重状態の量として定義することも考えられる。
【0017】
本発明と、本発明のさらなる利点および有利なさらなる展開と実施形態を、本発明の例証的実施形態を示す図面を参照してさらに詳しく以下に記載し説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1に、ローダ10をテレスコープ式ローダの形で示す。テレスコープ式ローダはフレーム12を有し、フレーム12には伸張アーム14は連結される。フレームは、対応する前部車輪20と後部車輪22を有する前部車軸16と後部車軸18とによって支持されている。
【0019】
伸張アーム14はテレスコープ式伸張アームとして構成され、フレーム12に関する迎え角に対して調節可能に液圧シリンダ24に連結されている。第2液圧シリンダ(図示せず)が伸張アーム14の内部に配置され、伸張アームの短縮および/または延長(入れ子式動作)を可能にする。第3液圧シリンダが伸張アーム14の自由端部の内部に配置され、積込み用具26の振動および/または傾斜を可能にする。
【0020】
ローダ10は液圧源28と液圧タンク30とを有し、これらは車両の車体の下に配置され、液圧構成部分に液圧を供給する目的を果す。
【0021】
運転台32の中に配置された液圧機械式ジョイスティックの形の操作デバイス34が、液圧構成部分を作動させる目的を果す。液圧構成部分を図2に要点的に示す。
【0022】
ローダ10のために構想された液圧機構36を図2に示す。液圧機構36は液圧シリンダ24と、必要性が生じる場合には、伸張アームの入れ子式動作と積込み用具の傾斜のために配置された液圧シリンダ(図示せず)とを含む。液圧シリンダ24は第1および第2液圧供給管路38、40を介して液圧作動式制御デバイス42に連結され、液圧作動式制御デバイス42を介して、供給管路38、40の液圧ポンプ28と液圧タンク30への連結を行うことができる。
【0023】
荷重保持弁44が、液圧シリンダ24の持ち上げ側のチャンバと関連する供給管路40の中に配置されている。荷重保持弁は、制御デバイス42の方向に開かれることが可能な圧力制限弁46を含み、この圧力制限弁は供給管路40の中に配置され、制御圧管路48、50を介して開かれることが可能であり、制御圧管路は供給管路38、40の両方に連結され、また荷重保持弁は、バイパス管路の中に配置されて液圧シリンダ24の方向に開く逆止弁52も含む。荷重保持弁44は、液圧シリンダ24の持ち上げ側でパイプが破断した場合に、液圧流体が逃げることができず、液圧シリンダ24がその位置を維持することを確実にする働きをする。
【0024】
制御デバイス42は3つのゲート位置を含み、1つは持ち上げのため、1つは下降させるため、さらなる1つは液圧シリンダを保持するためである。制御デバイス42は液圧作動式比例弁として構成され、また液圧によって作動し、または対応する制御圧管路54、56を介して調節されることが可能である。この場合の制御圧力は、ジョイスティックとして実行される液圧機械式操作デバイス34によって発生する。
【0025】
操作デバイス34は、液圧ポンプ28の制御圧管路54、56との係合または制御圧管路54、56からの離脱をもたらす、例えばジョイスティックを動かすことによって機械的に作動される弁58、60を有する。機械的に作動される弁58、60は減圧弁として構成されることが好ましい。例えば、操作デバイス34の上にあるジョイスティックまたは作動レバーは前方に押され、この結果、弁58が作動させる。次に制御圧管路56は、液圧ポンプ28によって生成される液圧を受け、これによって制御デバイス42はその持ち上げ位置に変位し、液圧シリンダ24は持ち上げ側で液圧流体によって満たされ、すなわち液圧シリンダは伸張する。反対方向における作動レバーの対応する作動が弁60の作動をひき起こし、これによって制御圧管路54は液圧流体によって満たされ、制御圧力弁42は下降位置に変位し、すなわち液圧シリンダ24は下降される。
【0026】
図2に示す例証的な実施形態では、制御圧管路54は、液圧タンク30に連結された電気液圧式過圧弁62を備える。過圧弁62によって、制御圧管路54の中に行き渡る制御圧力は低下する。制御圧力が所定の限界圧力に達するか、これを超過した場合には、過圧弁62が次第に開くので、液圧タンク30の中に流れ込む液圧流体の量は増加し、この結果、制御デバイス42の変位は制御圧管路54によって減少され、結果的に、液圧シリンダ24の作動、この場合は液圧シリンダ24の下降が減速される。もちろん、別の制御圧管路56をこの種の過圧弁62に連結することもできる。この場合には、次いで液圧シリンダ24の持ち上げが減速される。
【0027】
過圧弁62の制御は電子制御ユニット64によって行われ、電子制御ユニット64は、その役割として荷重ケースセンサ66からの制御信号を受信する。荷重状態に応じて、センサ66はおおよその危険荷重状態を示す。危険荷重状態に近づくと、過圧弁62を調節するために電子制御ユニット64によって伝達される制御入力も強化され、次いでこれは弁をますます開くので、液圧流体は制御圧管路54からますます流れ、制御圧力は低下する。この場合の制御入力の調節または増加は、センサによって提供される信号に比例して行われることが好ましい。
【0028】
センサは、ローダ10の後部車軸18の上に配置されることが好ましい。例えば、センサ66はひずみ計として構成され、後部車軸18の片寄りを自記または記録する。次いで、片寄りの信号値から後部車軸18上の荷重の適用と除去に関する結論に至ることが可能である。後部車軸18の上の荷重をますます減少すべきである場合には、すなわち遅くとも、荷重をもはや後部車軸18の上で検出または表示すべきではない場合には、これは危険荷重状態の存在を指摘することができる。この場合、ローダ10は転覆し始める。同様の手法を前部車軸16についても考えることもできる。
【0029】
図2に示す例証的な実施形態は、単一液圧シリンダ24のみの機構の代表的表示を提供する。上述のように、さらなる複数の液圧シリンダ(図示せず)を並列に使用することができ、これらのシリンダは作動デバイス34と同じ方式で作動可能であり、また図2に示す種類の液圧機構36の中に組み込まれている。さらに、液圧シリンダ24の収縮の制限および/または減速のみならず、および/または液圧シリンダ24の下降も可能である。当然、例えば伸張アーム14の伸張を回避してテレスコープ式ローダの転覆を防止するために、必要に応じて伸張を制限および/または減速することを考えることもできる。この場合、制御デバイス42の位置の持ち上げとこれに伴う液圧シリンダ24の持ち上げを作動させる制御圧管路56が、電気液圧式過圧弁62を備えるか、またはこれに連結されている。
【0030】
図2aは、液圧機構の例証的な代替実施形態を示し、ここで制御圧管路54は電気液圧式減圧弁62’を備え、これに関連して、図2の例証敵実施例で設けた液圧タンク30への連結管路は省かれている。ここではまた、減圧弁62’が、制御圧管路54の中に行き渡る制御圧力を低下させるか絞る。制御圧力が所定の限界圧力に達したかまたは超過した場合には、減圧弁62’は閉じるので、制御圧管路54内の制御圧力は低下し、この結果、制御デバイス42の変位は制御圧管路54によって減少し、結果的に、液圧シリンダ24の作動が、この場合には液圧シリンダ24の下降が減速される。もちろん、他の制御圧管路56もこの種の減圧弁62’に接続することができる。この場合、次いで液圧シリンダ24の持ち上げが減速される。
【0031】
ここでさらに、過圧弁の制御が電子制御ユニット64を通じて行われ、電子制御ユニット64はこの部分のために荷重ケースセンサ66からの制御信号を受信する。荷重状態に応じて、センサ66は多少の危険荷重状態を指示する。危険荷重状態に近づくと、過圧弁62’を調節するために電子制御ユニット64によって伝達される制御入力も強化され、次いでこれは弁をますます閉じるので、制御圧力は低下する。この場合の制御入力の調節または増加は、センサによって提供される信号に比例して行われることが好ましい。
【0032】
この場合もまたセンサは、ローダ10の後部車軸18の上に配置されることが好ましく、図2に示す例証的な実施形態と類似の方式で構成される。
【0033】
図2aに示す例証的な実施形態も、単一液圧シリンダ24のみの機構の代表的表示を提供する。この場合もやはり、さらなる複数の液圧シリンダ(図示せず)を並列に使用することができ、これらのシリンダは作動デバイス34と同じ方式で作動可能であり、また図2aに示す種類の液圧機構36の中に組み込まれている。さらに、液圧シリンダ24の収縮の制限および/または減速のみならず、および/または液圧シリンダ24の下降も可能である。当然、例えば伸張アーム14の伸張を回避してテレスコープ式ローダの転覆を防止するために、必要に応じて伸張を制限および/または減速することを考えることもできる。この場合、制御デバイス42の位置の持ち上げとこれに伴う液圧シリンダ24の持ち上げを作動させる制御圧管路56が、電気液圧式過圧弁62’を備えるか、またはこれに連結されている。
【0034】
図3は、さらに別の例証的実施形態として、前部積込み機70を備えたトラクタ68の形を呈するローダ10を示し、これに関連して、フレーム12、前部車軸16、後部車軸18、車輪20、22、積込み用具26、運転台32など、ローダ10の同じ構成部分には同じ参照記号が使用されている。この場合には、トラクタ68のいずれの側にも配置される積込みアーム70は伸張アームを示し、この作動は、特定の状況および過剰積込みの場合には、ローダ10の危険荷重状態をひき起こす可能性がある。積込みアーム70を作動させるために備えられた液圧シリンダ74とローダ用具26を作動させるために備えられた液圧シリンダ76は、この場合には図2に示す液圧機構36と類似の方式で操作される。
【0035】
ここでは本発明を単一の実施形態を参照してのみ説明したが、さまざまな種類の多くの代替形態、変更形態、および変形形態が本発明の範囲の中に入ることは、上記の説明と図面に照らして当業者には明白になろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】液圧機構を有するテレスコープ式ローダとして構成されてローダの概略側面図である。
【図2】液圧機構の概略回路図である。
【図2a】図2の液圧機構の代替実施形態の概略回路図である。
【図3】液圧機構を有する前部積込み機を示すローダの概略側面図である。
【符号の説明】
【0037】
10 ローダ
12 フレーム
14 液圧操作式伸張アーム
16 前部車軸
18 後部車軸
20 前部車輪
22 後部車輪
24 液圧シリンダ
26 積込み用具
28 液圧源、液圧ポンプ
30 液圧タンク
32 運転台
34 操作デバイス
36 液圧機構
38 第1液圧供給管路
40 第2液圧供給管路
42 液圧作動式制御デバイス
44 荷重保持弁
46 圧力制限弁
48 制御圧管路
50 制御圧管路
52 逆止弁
54 制御圧管路
56 制御圧管路
58 弁
60 弁
62 電気液圧式過圧弁
62’ 電気液圧式減圧弁
64 電子制御ユニット
66 荷重ケースセンサ
68 トラクタ
70 前部積込み機
72 液圧操作式伸張アーム
74 液圧シリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧操作式伸張アーム(14、72)と、ローダ(10)における荷重状態をモニタリングするためのセンサ(66)と、前記伸張アーム(14、72)および/または前記伸張アーム(14、72)に取り付けられた用具(26)を作動させるための液圧機構(36)とを備え、前記液圧機構(36)は、少なくとも1つの液圧シリンダ(24)と、前記少なくとも1つの液圧シリンダ(24)を制御するための少なくとも1つの液圧作動式制御デバイス(42)と、前記少なくとも1つの制御デバイス(42)のための液圧制御圧力信号を発生するための液圧機械式作動デバイス(34)と、液圧源(28)と、液圧タンク(30)と、電子制御ユニット(64)とを備えるローダであって、制御圧力を変化させるための手段(62、62’)が、前記作動デバイス(34)と前記制御デバイス(42)との間を通る少なくとも1つの制御圧管路(54、56)に連結され、前記手段によって、前記センサ(66)によって供給されるセンサ信号に応じて、前記作動デバイス(34)によって発生する制御圧力を変化させることが可能であることを特徴とするローダ。
【請求項2】
制御圧力を変化させるための前記手段(62)が、前記電子制御ユニット(64)によって作動可能な少なくとも1つの電気液圧式過圧弁から構成されることを特徴とする請求項1に記載のローダ。
【請求項3】
制御圧力を変化させるための前記手段(62’)が、前記電子制御ユニット(64)によって作動可能な少なくとも1つの電気液圧式減圧弁から構成されることを特徴とする請求項1に記載のローダ。
【請求項4】
前記液圧機械式作動デバイス(34)が、ジョイスティックまたは作動レバーとして構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のローダ。
【請求項5】
テレスコープ式ローダとして構成されたローダ(10)であり、前記伸張アーム(14)は、その迎え角に関しては第1液圧シリンダ(24)を介して変化可能であり、その長さに関しては第2液圧シリンダを介して変化可能であり、これに関連して第3液圧シリンダを備えてもよく、これによって前記伸張アーム(14)に配置された用具(26)の旋回を起こさせることができることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のローダ。
【請求項6】
前部積込み機(70)で構成されたローダ(10)であり、前記伸張アームは、前部積込み機(70)の積込みアーム(72)として構成され、前記積込みアーム(72)はその迎え角に関しては第1液圧シリンダまたは第1および第2液圧シリンダ(24)を介して変化可能であり、これに関連して第3液圧シリンダを備えることができ、これによって前記積込みアーム(72)の上に備えられた用具(26)の旋回を起こさせることができることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のローダ。
【請求項7】
前記センサ(66)が、ローダ(10)に関する危険荷重状態が検出可能であるように構成され配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のローダ。
【請求項8】
前記センサ(66)がローダ(10)の車両車軸(16、18)に配置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のローダ。

【図1】
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【図2】
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【図2a】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−63935(P2008−63935A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−186396(P2007−186396)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(591005165)ディーア・アンド・カンパニー (109)
【氏名又は名称原語表記】DEERE AND COMPANY
【Fターム(参考)】