説明

ローマンシェード

【課題】
ヘッドレールからそれぞれ垂下するスクリーンを備えたローマンシェードであって、ヘッドレールの前後幅がスリムであり、ヘッドレールを設置した状態で、ストッパのメンテナンスを実施することができるローマンシェードを提供する。
【解決手段】
ヘッドレールに上縁部が取り付けられて昇降可能に垂下するスクリーンと、一端部がスクリーンの下縁部に係止され、他端部がヘッドレールの一端部から垂下する昇降コードと、ヘッドレールに取り付けられて内部を貫通する昇降コードを操作してロックするストッパとを備えたローマンシェードにおいて、ヘッドレールに脱着可能に固定されるケースに、ストッパを下から脱着可能に内装する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降コードを操作してスクリーンを開閉しロックするローマンシェードに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドレールの前後面から垂下する第1及び第2スクリーンを昇降コード操作により開閉・ロックするローマンシェードは、実用新案公報第2580414号、及び特開2001−211993号に開示されている。前者は第1昇降コードを第1スクリーンの後に、第2昇降コードを第2スクリーンの前にそれぞれ垂下し、後者は第1昇降コードを第1スクリーンの後に、第2昇降コードを第2スクリーンの後にそれぞれ垂下するが、両者とも、第1及び第2ストッパは、前後に並んでヘッドレールから露出し、ヘッドレールに直接固定され、第1及び第2昇降コードは、ヘッドレールの側面に出て垂下する方式であった。
【特許文献1】実用新案公報第2580414号
【特許文献2】特開2001−211993号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの従来例は、ストッパが前後に並ぶため、ヘッドレールの前後幅広くなり、スクリーンの室内側への出が大き過ぎるという問題があった。また、設置したヘッドレールを取り外さないと、ストッパの保全ができないため、メンテナンスが容易ではないという問題があった。さらに、ストッパや昇降コードが側方に露出して外観がすっきりしないという問題もあった。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その課題は、次の通りである。
1.ヘッドレールの前後面からそれぞれ垂下する第1及び第2スクリーンを備えたローマンシェードであって、ヘッドレールの前後幅がスリムなものを提供する。
2.ヘッドレールを設置した状態で、ストッパのメンテナンスを実施することができるローマンシェードを提供する。
3.ストッパや昇降コードが側方から露出しない外観の良好なローマンシェードを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明が採用する手段は、ヘッドレールの前後面にそれぞれ上縁部が取り付けられて昇降可能に垂下する第1及び第2スクリーンと、一端部が第1及び第2スクリーンの下縁部にそれぞれ係止され、他端部がヘッドレールの一端部からそれぞれ独立に垂下する第1及び第2昇降コードと、ヘッドレールに取り付けられて内部を貫通する第1及び第2昇降コードをそれぞれ独立に操作してロックする第1及び第2ストッパとを備えたローマンシェードにおいて、ヘッドレールにガイドを設けてヘッドレール内を通る第1及び第2昇降コードを上下に並べ、ヘッドレールに端面から挿入されて脱着可能に固定されるケースに、第1及び第2ストッパを下から又は端面から脱着可能に内装し、ケース内において第1及び第2ストッパは左右又は上下に整列させることである。
【0006】
この手段により、ヘッドレールの前後幅をスリムとなり、設置したヘッドレールを取り外さなくても、ストッパのメンテナンスが可能になる。
【0007】
ケースに内装する第1及び第2ストッパをは左右に整列させるときは、ケースに下方に開放するカバーケを軸着し、そのカバーに昇降コードが通るコード溝を設け、カバーを開くと、コード溝から昇降コードが外れ、ストッパは容易に下からケースに脱着できるようにすることが好ましい。
【0008】
ケースから垂下する第1及び第2昇降コードは、セパレータ介してそれぞれ分離して縺れを防止することが好ましい。セパレータとしては、間隔を開けて2つの円筒体が並列する形状のものが好ましい。
【0009】
スクリーンがヘッドレールの片面のみに設けられるローマンシェードにおいても、ストッパは、ヘッドレールに固定されるケースに下から脱着可能に内装し、そのケースに下方に開放するカバーを軸着し、そのカバーに昇降コードが通るコード溝を設ける。
【発明の効果】
【0010】
上記のとおり、本発明の前後両面からスクリーンを垂下するローマンシェードは、ヘッドレール内を通る第1及び第2昇降コードをガイドロールを介して上下に並べ、ヘッドレールに取り付けたケースを介して第1及び第2ストッパを左右に並べて下から又は上下に並べて側方から脱着可能に収容する方式であるから、従来例のヘッドレール内を通る第1及び第2昇降コードを前後に並べ、第1及び第2ストッパを前後に並べて露出した状態でヘッドレールに側方から直接取り付ける方式のものとは異なり、次のような優れた効果を奏する。
1.ヘッドレールの前後幅がスリムになり、スクリーンの室内側への出が少なくなる。
2.ヘッドレールを設置した状態で、ストッパを簡単に脱着することができるから、メンテナンスが容易になる。
3.ストッパや昇降コードが側方に露出しないため、ローマンシェ−ドの外観が良好になる。
【0011】
本発明の片面からスクリーンを垂下するローマンシェードは、ヘッドレールに取り付けたケースにストッパを上下方向に脱着可能に収容る方式であるから、ヘッドレールを設置した状態で、ストッパを簡単に脱着することができるから、メンテナンスが容易になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を図面に示す第1実施例に基づいて説明する。図1は、実施例ローマンシェードの要部正面図であり、理解を容易にするため、第1スクリーンとヘッドレールの一部を切り欠いて示す。図2は実施例ローマンシェードの要部側面図、図3は、ケースの正面図であり、カバーを開いてをストッパを脱着する状態を示す。図4は、ケースの縦断面図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、ローマンシェードは、底面が開口するヘッドレール1と、そのヘッドレール1の前後面にそれぞれ上縁部が取り付けられて昇降可能に垂下する第1及び第2スクリーン61,62と、一端部が第1及び第2スクリーンの下縁部にそれぞれ係止され、他端部がヘッドレール1の片側からそれぞれ独立に垂下する第1及び第2昇降コード41,42と、ヘッドレール1に取り付けられて内部を貫通する第1及び第2昇降コード41,42をそれぞれ独立に操作してロックする第1及び第2ストッパとを備える。ヘッドレール1は、図外のブラケットを介して窓枠などに設置される。
【0014】
ヘッドレール1の一方の端部には、ケース2が端面から挿入され、止めねじ15を介してヘッドレール1に固定される。カバー3はピンを介してケース2に軸着され、下方に開くことができる。ケース2の内部には左右に並ぶ第1及び第2ストッパが収容される。ケース2とカバー3の前後幅は、ヘッドレール1と面一になるか又はそれに近い幅である。
【0015】
第1昇降コード41の他端部は、第1スクリーン61の裏面において、ヘッドレール1の底面から内部に垂直に入り、ヘッドレール1に内装されたたガイド8の一方のガイドピン11を回り、水平に進行してケース2に入る。次に、ケース2内の一方のガイドロール12を回り、垂下して第1ストッパを通る。それから、カバー3のコード溝を経てケース2から抜け、ついで、セパレータ7の一方の孔を通り一方のつまみ9に止着される。セパレータ7は、間隔を開けて2つの円筒体を並列に結合した形状である。つまみ9は一方の操作コード10を介して第1昇降コード41の一端部に連結される。
【0016】
第2昇降コード42の他端部は、スクリーンコード孔13を介して第2スクリーン62の裏面から表面に出る。そこで、ヘッドレール1の底面から内部に垂直に入り、ヘッドレール1に内装されたたガイド8の他方のガイドロール11を回り、水平に進行してケース2に入る。次に、ケース2内の他方のガイドロール12を回り、垂下して第2ストッパを通る。それから、カバー3のコード溝を経てケース2から抜け、ついで、セパレータ7の他方の孔を通り他方のつまみ9に止着される。他方のつまみ9は他方の操作コード10を介して第2昇降コード42の一端部に連結される。
【0017】
図3及び図4に示すように、ケース2は、ヘッドレールの底面開口にはまる水平板部16と、その水平板部の前後及び外端縁部から上下にそれぞれ延長する上枠部17及び下枠部18とを有する。上枠部17の内部には、第1及び第2昇降コード41、42を案内する上下2個のガイドロール12が回転自在に軸受けされる。水平板部16には、第1及び第2昇降コード41、42を通す2つの左右に並ぶコード孔19と、ヘッドレールに固定する止めねじ15を通す固定孔が開けられる。下枠部18には、カバー3とカバー止め20がそれぞれピンを介して回動可能に軸着される。
【0018】
カバー3は、下枠部18に部分的に外嵌してその内端面及び底面の開口を覆う形状である。カバー3を閉じたとき、カバー3は下枠部18と弾性的に又は凹凸を介して又はその双方により結合する。閉じたカバー3にカバー止め20を外嵌すると、カバー3の開放は制止される。カバー3の底部にはコード溝14が形成され、このコード溝14から昇降コードを引き出す。カバー3を開くと、第1及び第2昇降コード41、42はコード溝14から外れる。カバー3の開閉を容易にするノブ21が一体に設けられる。
【0019】
ケース2の下枠部18内おいて左右に並ぶ第1及び第2ストッパ51、52は、上下に開口するストッパケース22と、ストッパケース22内上面に形成される歯形テーパ面23と、ストッパケース22内に上下動自在に収容されるベース24と、ベース24に回転自在に軸受けされされた一方のロール25と、ベース24に揺動自在に支持されたアーム26と、そのアーム26に転自在に軸受けされされた他方のロール25とからなる。
【0020】
第1ストッパ51内の一組のロール25、25間を上下に通る第1昇降コード41が上方(スクリーン下降方向)に引かれると、一組のロール25、25はべース24と共に上昇して歯形テーパ面23に当たって間隙が狭まり、第1昇降コード41をロックする。逆に、下方(スクリーン上昇方向)に引かれると、一組のロール25、25はべース24と共に下降して歯形テーパ面23から離れ、ロール間隙が開くから、第1昇降コード41はロール間隙のロックから開放される。同様に、第2ストッパ52内を通る第2昇降コード42も、スクリーン下降に引かれると、ロックされ、スクリーン上昇方向に引かれると、ロックから開放される。この方式のストッパは公知である。
【0021】
このローマンシェードは、ヘッドレール1の内部において、第1及び第2昇降コード41,42は上下に並び、ヘッドレール1と面一のケース2内において、第1及び第2ストッパ51、52は左右に並ぶから、従来例のヘッドレールの内部において、第1及び第2昇降コード前後に並ぶもの、又は、第1及び第2ストッパが前後に並ぶものに比較すると、ヘッドレール1の前後幅は格段にスリムとなる。
【0022】
このローマンシェードは、カバー3からカバー止め20を外し、ついでカバー3を回して開くと、垂下する第1及び第2昇降コード41,42はカバー3から外れ、ケース2の下枠部18内おいて左右に並ぶ第1及び第2ストッパ51、52は、容易に下から脱着することができるから、ヘッドレール1を外さずに第1及び第2ストッパ51、52のメンテナンスを実施することができる。さらに、止めねじ15を外すと、設置したままのヘッドレール1から、第1及び第2ストッパ51、52は、ケース2と共に脱着することができる。
【0023】
このローマンシェードは、ストッパ51、52がケース2に内装されて外部に露出せず、第1及び第2昇降コード41、42はヘッドレール1の内側に垂下して側方に飛び出ないから、、従来例のストッパが外部に露出し、第1及び第2昇降コード41、42がヘッドレールから側方に飛び出すものに比べると、外観に優れる。
【0024】
ヘッドレール1から垂下する第1及び第2昇降コード41,42は、セパレータ7により分離されるから、相互に絡み合うおそれは少ない。
【実施例】
【0025】
次に、図面に示す別の実施例について説明する。図5及び図6は、第2及び第3実施例ローマンシェードの部分切り欠き要部正面図である。
【0026】
図5に示すように、ヘッドレール1にガイド8が取り付けられ、ガイド8には2つのガイドロール11が上下に設けられる。上下のガイドロール11は、ヘッドレール内を通る第1及び第2昇降コード41,42を上下に隔離する。
【0027】
へッドレール1の一方の端部には、ケース2aが端面から挿入され、止めねじ15を介してヘッドレール1に固定される。カバー3aはピンを介してケース2aに軸着され、側方に開くことができる。ケース2aの内部には上下に並ぶ第1及び第2ストッパ51,52が収容される。
【0028】
ケース2aは、内側板部27と、その上下から外方に延長する上下板部28、29とを有する枠体であり、上板部28はヘッドレールの端面より外へ出るが、下板部29はそれより短かい。内側板部27には、第1及び第2昇降コード41、42を通す2つの上下に並ぶコード孔19が設けられ、下板部29には止めねじ15が通される。上板部28には、
カバー3aがピンを介して回動可能に軸着される。カバー3aは、ヘッドレール1の端面開口を覆う形状である。ケース2a内に挿入された第1及び第2ストッパ51、52は上下に整列する。
【0029】
第1及び第2ストッパ51、52内において、一組のロール25の間を左右に通る第1及び第2昇降コード41、42が左側(スクリーン下降方向)に引かれると、一組のロール25はべース24と共に左側へ移動して歯形テーパ面23に当たり、逆に、右側(スクリーン上昇方向)に引かれると、一組のロール25はべース24と共に右側に移動して歯形テーパ面23から離れ、ロール間隙が開くから、第1及び第2昇降コード41、42はロール間隙のロックから開放される。
【0030】
一組のロール25の間を通過した第1及び第2昇降コード41、42は、ケース2a又はストッパケースに設けられたそれぞれのガイドロール30を回り、ヘッドレール1の端面部の底面開口から左右に並んで垂下する。
【0031】
第2実施例は、カバー3aを開くと、ケース2a内おいて上下に並ぶ第1及び第2ストッパ51、52は、容易に側方から脱着することができるから、ヘッドレール1を外さずに第1及び第2ストッパ51、52のメンテナンスを実施することができる。さらに、止めねじ15を外すと、設置したままのヘッドレール1から、第1及び第2ストッパ51、52は、ケース2aと共に脱着することができる。上記以外の構成及び効果は第1実施例と同じである。
【0032】
図6に示すように、ヘッドレール1の一方の端部には、ケース2bが端面から挿入され、止めねじ15を介してヘッドレール1に固定される。ケース2bの内部には上下に並ぶ第1及び第2ストッパ51,52が収容される。
【0033】
ケース2bは、上下に重合する2つの枠体31,32からなり、第1及び第2昇降コード41、42を通すコード孔19を左端部に、開口33を右端部にそれぞれ備える。下枠体31には第1ストッパ51が、上枠体32には第2ストッパ52が内装される。第1及び第2昇降コード41、42はヘッドレール1から上下枠体32、31のそれぞれのコード孔19を通り、第1及び第2ストッパ51,52に入る。第1ストッパ51を通過した第1昇降コード41は下方のガイドロール30を回って下枠体31の開口33を抜け、第2ストッパ52を通過した第2昇降コード42は上方のガイドロール30を回って上下枠体32、31の開口33を抜け、左右に並列して垂下する。
【0034】
第3実施例は、設置したままのヘッドレール1から第1及び第2ストッパ51、52をメンテナンスのために取り外すとき、止めねじ15を外してケース2bと共に脱着する。上記以外の構成及び効果は第2実施例と同じである。
【0035】
実施例は、ヘッドレールの前後両面にスクリーンを備えるローマンシェードであるが、本発明は、ヘッドレールの片面にのみにスクリーンを備えるローマンシェードにも適用可能である。この場合、ケースの本体に収容するストッパ、昇降コードを案内するガイドロールとケースのコード孔はそれぞれ1つとなるが、その他の構成及び効果は、同じである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明第1実施例ローマンシェードの部分切り欠き要部正面図、
【図2】図1のローマンシェードの要部側面図、
【図3】図1のケースの正面図、
【図4】図1のケースの縦断面図、
【図5】第2実施例ローマンシェードの部分切り欠き要部正面図、
【図6】第3実施例ローマンシェードの部分切り欠き要部正面図、
【符号の説明】
【0037】
1:ヘッドレール
2、2a、2b:ケース
3、3a:カバー
41:第1昇降コード、42:第2昇降コード
51:第1ストッパ、52:第2ストッパ
61:第1スクリーン、62:第2スクリーン
7:セパレータ
8:ガイド
9:つまみ
10:操作コード
11、12:ガイドロール
13:スクリーンコード孔
14:コード溝
15:止めねじ
16:水平板部
17:上枠部
18:下枠部
19:コード孔
20:カバー止め
21:ノブ
22:ストッパケース
23:歯形テーパ面
24:ベース
25:ロール
26:アーム
27:水平板部
28:上板部
29:下板部
30:ガイドロール
31:上枠体
32:下枠体
33:開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドレールの片面に上縁部が取り付けられて昇降可能に垂下するスクリーンと、一端部が前記スクリーンの下縁部に係止され、他端部が前記ヘッドレールの一端部から垂下する昇降コードと、前記ヘッドレールに取り付けられて内部を貫通する前記昇降コードを操作してロックするストッパとを備えたローマンシェードにおいて、前記ストッパは、前記ヘッドレールに固定されるケースに下から脱着可能に内装されることを特徴とするローマンシェード。
【請求項2】
ケースは、ヘッドレールに端面から挿入する本体と、前記本体に軸着されて下方に開くカバーとからなることを特徴とする請求項1に記載のローマンシェード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−21270(P2007−21270A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−301025(P2006−301025)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【分割の表示】特願2003−52637(P2003−52637)の分割
【原出願日】平成15年2月28日(2003.2.28)
【出願人】(000109923)トーソー株式会社 (84)
【Fターム(参考)】