説明

ワイパブレード用リフィル及びその組立方法

【課題】廃材が生じないようにすると共に反りの取り除き作業が不要な低コストのワイパブレード用リフィルを提供する。
【解決手段】ブレードラバーに2本のバーテブラ6が取り付けられたワイパブレード用リフィルにおいて、丸線材を圧延加工してその長手方向の一部に切欠12を形成した長尺偏平形状の金属板材としてバーテブラ6を形成した。そして、2本のバーテブラ6を、クリップ7に形成した挿入溝部14に挿入し把持部15で保持し、またバーテブラ6に形成した切欠12に突部16をそれぞれ係合させて長手方向の位置決めをする。更に、2本のバーテブラ6を、クリップ7に形成した間隔保持部17を間に介在させてブレードラバーの首部の幅と同一寸法の間隔でこれらバーテブラ6を平行に保持した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車などのフロントウインドシールド、リアウインドシールドなどの窓に付着した雨水やゴミを払拭するワイパブレード用リフィル及びその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ワイパーを作動しているときに拭き残しや大きなスジがガラス面に発生するワイパブレードの払拭不良や、ブレードラバーが滑らかに動かなかったり音を立てて振動したりする作動不良を起こした場合、ワイパブレード用リフィルを交換する必要が生じる。
【0003】
交換可能なワイパブレード用リフィルの一例として、例えば特許文献1に記載された構造のものがある。特許文献1に記載されたワイパブレード用リフィルは、ブレードラバーの保持部を挿入させる細長いスリットとそのスリットに連設する幅広の開口部とを形成した矩形状をなす金属平板として形成されたバーテブラを有している。バーテブラは、バネ用ステンレスの薄板を外形とスリット及び開口部とを打ち抜き加工した後、打ち抜きにより生じた反り(バリ)を取り除くことで形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3637037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のバーテブラでは、フープ材と呼ばれる長尺のバネ用ステンレス板を打ち抜き加工するために、製品以外の部位が廃材として生じる。ステンレスバネ鋼材は、高価であるため、廃材部分を極力少なくしないとコスト低下を図ることができない。
【0006】
また、打ち抜き加工で生じた反りは、鋭利であり危険を伴うため、化学的に研磨して取り除いている。この反りの取り除き作業に工数が掛かり、やはりリフィルを製造する上でコスト増が避けられない。
【0007】
そこで、本発明は、廃材が生じないようにすると共に反りの取り除き作業が不要な低コストのワイパブレード用リフィル及びその組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、ブレードラバーに2本のバーテブラが取り付けられたワイパブレード用リフィルにおいて、前記バーテブラは、丸線材を圧延加工してその長手方向の一部に切欠を形成した長尺偏平形状の金属板材からなり、前記切欠にそれぞれ係合して長手方向の位置決めをし、且つ、前記ブレードラバーの首部の幅と同一寸法の間隔で2本のバーテブラを平行に保持するクリップで固定されたことを特徴としている。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記クリップには、前記バーテブラの長手方向の端部寄りの位置に2本のバーテブラに渡って覆う本体部と、前記各バーテブラを挿入させて把持する挿入溝部及び挿入溝部の上方を覆う把持部と、前記切欠に入り込んでバーテブラの長手方向の位置決めをする突部と、2本のバーテブラ間に設けられて前記首部の幅と同一寸法の間隔で2本のバーテブラを平行に保持する間隔保持部と、が形成されていることを特徴としている。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、前記把持部には、前記挿入溝部へ前記バーテブラを挿入容易とする傾斜面が形成されていることを特徴としている。
【0011】
第4の発明は、第1から第3の何れか1つに記載の発明において、前記クリップは、前記ブレードラバーに形成した切欠部に嵌め込まれて取り付けられていることを特徴としている。
【0012】
第5の発明は、第2から第4の何れか1つに記載のワイパブレード用リフィルの組立方法であって、2本の前記バーテブラを、前記クリップに形成した前記各挿入溝部にそれぞれ挿入して前記把持部で保持させ、前記各突部に前記切欠を入り込ませると共に前記間隔保持部を間に挟んでバーテブラを平行に保持させた後、前記クリップで固定された各バーテブラをブレードラバーに組み付けることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によれば、丸線材を圧延加工した金属板材をバーテブラとして使用しているので、側面端部を丸く成形できることから、プレスによる打ち抜き加工時に発生する反り(バリ)が生じず、しかも打ち抜き加工で発生する廃材の発生を無くすことができる。したがって、本発明によれば、プレスによる打ち抜き加工で使用する金型が不要になり、また材料も無駄にならず安価にバーテブラを製造することができる。更には、反りも無いことから反りを除去するための化学処理も行わなくて済む。また、2本のバーテブラは、クリップで平行な状態に保持されるので、取り扱い性もよい。
【0014】
第2の発明によれば、2本のバーテブラは、クリップに設けられた挿入溝部に挿入されて把持部にて把持されると共に、該バーテブラに形成された切欠にクリップの突部が入り込み係合することで長手方向の位置が決められる。また、2本のバーテブラは、クリップに形成された間隔保持部を挟んで配置されることで、ブレードラバーの首部の幅と同一寸法の間隔で平行に保持されることになる。
【0015】
第3の発明によれば、クリップの把持部に傾斜面を形成したので、該クリップの挿入溝部にバーテブラを挿入する際に、この傾斜面がバーテブラの挿入を容易にする。
【0016】
第4の発明によれば、ブレードラバーに形成された切欠部にクリップが嵌め込まれるので、クリップが邪魔にならない。
【0017】
第5の発明によれば、2本のバーテブラをクリップに形成した各挿入溝部にそれぞれ挿入して把持部で保持すると、該クリップでバーテブラがばらけることなく保持されることになる。また、クリップの各突部にバーテブラの切欠を入り込ませることで、該バーテブラの長手方向が位置決めされる。また、クリップに形成した間隔保持部を挟んでバーテブラを配置すると、2本のバーテブラを平行に保持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本実施形態のワイパブレード用リフィルをブレードレバーに取り付けたワイパブレードの一例を示す正面図である。
【図2】図2は図1に示すワイパブレードのうちクリップが設けられた部位の要部拡大正面図である。
【図3】図3(a)はワイパブレード用リフィルの正面図、図3(b)はその側面図である。
【図4】図4(a)は2本のバーテブラをクリップで保持させた状態の平面図、図4(b)はその側面図、図4(c)は図4(b)のA−A断面図である。
【図5】図5(a)は図4(a)のクリップが設けられる部位の要部拡大平面図、図5(b)は図5(a)の側面図、図5(c)は図5(a)の底面図である。
【図6】図6は図5(a)のB−B断面図である。
【図7】図7(a)はバーテブラに形成した切欠部分の要部拡大平面図、図7(b)は図7(a)のC−C断面図である。
【図8】図8(a)はクリップの底面図、図8(b)は図8(a)のD−D断面図、図8(c)は図8(a)のE−E断面図である。
【図9】図9(a)はブレードラバーを必要な長さにカットする前の状態を示す正面図、図9(b)はブレードラバーを必要な長さにカット後の状態を示す正面図、図9(c)はクリップを嵌め込ませるための切欠部を形成したブレードラバーの正面図である。
【図10】図10は他の実施形態を示し、図10(a)は図5(a)に相当するF−F断面図、図10(b)はその底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は本実施形態のワイパブレード用リフィルをブレードレバーに取り付けたワイパブレードの一例を示す正面図、図2は図1に示すワイパブレードのうちクリップが設けられた部位の要部拡大正面図である。
【0021】
ワイパブレード1は、プライマリレバー2と、そのプライマリレバー2の長手方向両端部に可動自在に取り付けられるセカンダリレバー3と、セカンダリレバー3に取り付けられるワイパブレード用リフィル4とから構成されている。
【0022】
ワイパブレード1は、フロントウインドシールドの下縁付近に設置されたピボット軸に取り付けられたワイパアーム先端に装着され、該ピボット軸を中心に所定の角度範囲で往復移動することにより、フロントウインドシールドの表面を払拭する。
【0023】
ワイパブレード用リフィル4は、ブレードラバー5と、2本のバーテブラ6及びこの2本のバーテブラ6を所定間隔を隔てて平行に保持するクリップ7とで構成されている。
【0024】
ブレードラバー5は、図3に示すように、セカンダリレバー3の爪部8に係止されて保持される保持部5aと、自動車のフロントウインドシールドなどの払拭面を払拭する払拭部5bと、払拭部5bが払拭面に追従しやすいようにするくびれ部5cと、バーテブラ6を挿入させる溝部9とを有している。ブレードラバー5は、フロントウインドシールドなどの窓に付着した雨水やゴミを払拭するのに適したゴムからなり、一端から基端まで一様の断面形状となっている。
【0025】
保持部5aとくびれ部5cの間には、最も幅広い鍔部10が設けられている。この鍔部10と保持部5aの空間部11に、セカンダリレバー3の爪部8が入り込んでブレードラバー5が保持される。
【0026】
バーテブラ6は、図4に示すように、耐食性に優れると共に可撓性にも優れるバネ用ステンレスからなる丸線材を圧延加工して長尺偏平形状として形成されている。かかるバーテブラ6は、ステンレス板を金型により打ち抜き加工することなく圧延加工にて形成されるため、両側面端部6a、6bを丸く成形することができる。このため、バーテブラ6の両側面端部6a、6bに反り(バリ)が生じない。また、本実施形態のバーテブラ6は、打ち抜き加工で形成しないため、廃材が生じることがない。
【0027】
また、バーテブラ6には、図7に示すように、その長手方向の一部に切欠12が形成されている。切欠12は、両側面端部6a、6bのうち一方の側面端部6aにのみ形成されており、平面視コ字状の切欠とされている。この切欠12は、バーテブラ6の長手方向端部寄りの位置に形成されており、後述するクリップ7に形成された突部が入り込み係合することでバーテブラ6の長手方向の位置決めをする。2本のバーテブラ6は、払拭するガラス面への圧をコントロールするために、一方をその長手方向において上方に湾曲する反りと他方を下方に湾曲する反りを与えて用いる。このため、2本のバーテブラ6は、側面から見ると湾曲の方向が違うが、平面から見ると平面視同一長さである。なお、切欠12は、バーテブラ6の長手方向の一端側にのみ形成してあるが、他端側にも形成されていてもよい。つまり、バーテブラ6の長手方向両端側部に切欠12を形成してもよい。
【0028】
クリップ7は、図5に示すように、2本のバーテブラ6を保持し、ブレードラバー5に組み付けるために使用される。バーテブラ6を単体で使用することも可能であるが、ばらばらになることからブレードラバー5への組み付け作業が面倒になる。このため、2本のバーテブラ6をブレードラバー5の首部5e(2つの溝部9、9で挟まれる部位)の幅W1(図3(b)参照)とほぼ同一寸法の間隔W1bで平行に保持するためにクリップ7を使用する。かかるクリップ7は、樹脂などの弾性を有する材料を成形して形成される。
【0029】
クリップ7には、図6及び図8に示すように、バーテブラ6の長手方向の端部寄りの位置に2本のバーテブラ6に渡ってその一面側を覆う本体部13と、各バーテブラ6を挿入させて把持する挿入溝部14及び挿入溝部14の上方を覆う把持部15と、切欠12に入り込んでバーテブラ6の長手方向の位置決めをする突部16と、2本のバーテブラ6間に設けられて首部5eの幅W1とほぼ同一寸法の間隔W1bで2本のバーテブラ6を平行に保持する間隔保持部17とが形成されている。
【0030】
本体部13は、2本のバーテブラ6、6に跨るようにその一面側を覆う大きさとされた矩形状とされている。挿入溝部14は、バーテブラ6をその長手方向に向けて隙間なく挿入させる。この挿入溝部14の溝幅W2kは、バーテブラ6の幅W2とほぼ同じ寸法とされている。また、挿入溝部14の溝高さT1kは、バーテブラ6の厚みT1とほぼ同じ寸法とされている。要するに、挿入溝部14は、バーテブラ6をほぼ隙間なく挿入し得る程度の溝幅W2k及び溝高さT1kとなっている。
【0031】
把持部15は、挿入溝部14に挿入されたバーテブラ6を覆うことで、該バーテブラ6を本体部13に保持させる。この把持部15は、本体部13の短辺から立ち上がりその先端が直角に折れ曲がって略L字形状とされている。把持部15は、バーテブラ6の幅全体を覆って保持するのではなく、その幅の約半分程度を覆うようになっている。また、把持部15には、挿入溝部14へバーテブラ6を挿入容易とするための傾斜面18が形成されている。傾斜面18は、挿入溝部14と対向する把持部15の先端部における一部を傾斜させて形成されている。
【0032】
間隔保持部17は、2つの挿入溝部14、14の間に細長い矩形状の突条をなす突起として形成されている。この間隔保持部17は、2本のバーテブラ6間に設けられて首部5eの幅W1とほぼ同一寸法の間隔W1bで2本のバーテブラ6を平行に保持する役目をする。そのため、間隔保持部17の幅W1kは、首部5eの幅W1とほぼ同じ寸法とされている。また、間隔保持部17の高さT1kは、バーテブラ6の厚みT1とほぼ同じ寸法とされている。
【0033】
突部16は、間隔保持部17と直交してその両側に突出する突起として形成されている。この突部16は、バーテブラ6に形成された切欠12に入り込み係合することで、該バーテブラ6の長手方向の位置決めをする。突部16の幅W3kは、切欠12の幅W3とほぼ同じか或いは若干狭い寸法とされている。この突部16と間隔保持部17は、クリップ7の下面側から見ると、十文字の形とされている。
【0034】
2本のバーテブラ6は、それぞれの挿入溝部14に挿入され把持部15で抱え込まれることで保持されると共に、切欠12に突部16が入り込み係合することでその長手方向が位置決めされる。また、2本のバーテブラ6は、それらの間に間隔保持部17が介在することで、ブレードラバー5の首部5eの幅W1とほぼ同一寸法の間隔で平行に固定されることになる。
【0035】
クリップ7で固定した2本のバーテブラ6は、ブレードラバー5に取り付けられることでワイパブレード用リフィル4として構成される。ワイパブレード用リフィル4を交換するには、取り付ける車種によってブレードラバー5の長さが異なる場合もあるため、図9(a)の状態から図9(b)のように全長を必要長さにカットして使用する。また、クリップ7を取り付ける部位には、図9(c)に示すようにクリップ7を嵌め込ませるための切欠部19が保持部5aに形成されている。
【0036】
次に、ワイパブレード用リフィル4の組立方法について説明する。先ず、2本のバーテブラ6をクリップ7に固定する。クリップ7に形成された挿入溝部14のそれぞれにバーテブラ6を挿入する。バーテブラ6を挿入溝部14に挿入するに際しては、挿入口側である把持部15の先端側に傾斜面18が形成されているので、この傾斜面18に案内されてバーテブラ6が挿入溝部14にスムーズに入り込むことになる。
【0037】
そして、バーテブラ6を挿入溝部14に押し込むと、切欠12に突部16が嵌ると共に2本のバーテブラ6間に間隔保持部17が嵌り込む。そして、各バーテブラ6は、それぞれの把持部15で抱きかかえられるようにしてクリップ7に取り付けられる。その結果、2本のバーテブラ6は、ブレードラバー5の首部5eの幅W1とほぼ同一寸法の間隔W1bで平行に保持された状態で固定されることになる。その結果、2本のバーテブラ6がばらけることがなくなる。
【0038】
次に、クリップ7で固定された各バーティブラ6をブレードラバー5に組みつける。先ず、クリップ7から遠い方のバーティブラ先端を、ブレードラバー5の切欠部19より、該切欠部19から遠い方のブレードラバー5の端部に向かって溝部9に挿入して行く。そして、切欠部19近傍にクリップ7が来たら、ブレードラバー5の他端部を持ってブレードラバー5を伸長させ、バーティブラ6の他端部を先端から被せる様にブレードラバー5の他端部の溝部9に挿入させる。これで、クリップ7が切欠部19に嵌め込まれてなるワイパブレード用リフィル4が組立られる。
【0039】
本実施形態のワイパブレード用リフィル4によれば、丸線材を圧延加工した金属板材をバーテブラ6として使用しているので、側面端部6a、6bを丸く成形できることから、プレスによる打ち抜き加工時に発生する反り(バリ)が生じず、しかも打ち抜き加工で発生する廃材の発生を無くすことができる。したがって、本発明によれば、プレスによる打ち抜き加工で使用する金型が不要になり、また材料も無駄にならず安価にバーテブラ6を製造することができる。更には、反りも無いことから反りを除去するための化学処理も行わなくて済み、低コスト化が望める。また、2本のバーテブラ6は、クリップ7で平行な状態に保持されるので、取り扱い性もよい。
【0040】
また、本実施形態のワイパブレード用リフィル4によれば、2本のバーテブラ6は、クリップ7に設けられた挿入溝部14に挿入されて把持部15にて把持されると共に、該バーテブラ6に形成された切欠12にクリップ7の突部16が入り込み係合することで長手方向の位置が決められる。また、2本のバーテブラ6は、クリップ7に形成された間隔保持部17を挟んで配置されることで、ブレードラバー5の首部5eの幅W1とほぼ同一寸法の間隔で平行に保持されることになる。
【0041】
また、本実施形態のワイパブレード用リフィル4によれば、クリップ7の把持部15に傾斜面18を形成したので、該クリップ7の挿入溝部14にバーテブラ6を挿入する際に、この傾斜面18がバーテブラ6の挿入を容易にする。これにより、バーテブラ6のクリップ7への取り付け作業をスムーズに行うことができる。
【0042】
また、本実施形態のワイパブレード用リフィル4によれば、ブレードラバー5に形成された切欠部19にクリップ7が嵌め込まれるので、クリップ7が邪魔にならない。
【0043】
また、本実施形態のワイパブレード用リフィル4によれば、2本のバーテブラ6を、クリップ7に形成した各挿入溝部14にそれぞれ挿入して把持部15で保持させ、各突部16に切欠12を入り込ませると共に間隔保持部17を間に挟んでバーテブラ6を平行に保持させているので、該バーテブラ6の取り扱い性がよい。
【0044】
本実施形態のワイパブレード用リフィル4の組立方法によれば、2本のバーテブラ6をクリップ7に形成した各挿入溝部14にそれぞれ挿入して把持部15で保持すると、該クリップ7でバーテブラ6がばらけることなく保持されることになる。また、クリップ7の各突部16にバーテブラ6の切欠12を入り込ませることで、該バーテブラ6の長手方向が位置決めされる。また、クリップ7に形成した間隔保持部17を挟んでバーテブラ6を配置すると、2本のバーテブラ6を平行に保持させることができる。
【0045】
「その他の実施形態」
図10は他の実施形態を示し、図10(a)は図5(a)に相当するF−F断面図、図10(b)はその底面図である。この実施形態では、バーテブラ6に形成した切欠12の向きを互いに対向させずに反対側に向けるようにして2本のバーテブラ6を、クリップ7に取り付けている。そのため、クリップ7には、切欠12に嵌め込まれる突部16を、間隔保持部17に形成するのではなく把持部15の裏側に形成している。
【0046】
このように構成されたクリップ7で固定された2本のバーテブラ6は、先の実施形態と同様、ブレードラバー5の首部5eの幅W1とほぼ同一寸法の間隔で平行に保持される。その他の効果は、先の実施形態と同様であるので、ここでは割愛する。
【0047】
以上、本発明を適用した具体的な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、自動車などのフロントウインドシールド、リアウインドシールドなどの窓に付着した雨水やゴミを払拭するワイパブレード用リフィルに利用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 ワイパブレード
4 ワイパブレード用リフィル
5 ブレードラバー
5e 首部
6 バーテブラ
7 クリップ
12 切欠
13 本体部
14 挿入溝部
15 把持部
16 突部
17 間隔保持部
18 傾斜面
19 切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレードラバーに2本のバーテブラが取り付けられたワイパブレード用リフィルにおいて、
前記バーテブラは、丸線材を圧延加工してその長手方向の一部に切欠を形成した長尺偏平形状の金属板材からなり、前記切欠にそれぞれ係合して長手方向の位置決めをし、且つ、前記ブレードラバーの首部の幅と同一寸法の間隔で2本のバーテブラを平行に保持するクリップで固定された
ことを特徴とするワイパブレード用リフィル。
【請求項2】
請求項1に記載のワイパブレード用リフィルであって、
前記クリップには、前記バーテブラの長手方向の端部寄りの位置に2本のバーテブラに渡って覆う本体部と、前記各バーテブラを挿入させて把持する挿入溝部及び挿入溝部の上方を覆う把持部と、前記切欠に入り込んでバーテブラの長手方向の位置決めをする突部と、2本のバーテブラ間に設けられて前記首部の幅と同一寸法の間隔で2本のバーテブラを平行に保持する間隔保持部と、が形成されている
ことを特徴とするワイパブレード用リフィル。
【請求項3】
請求項2に記載のワイパブレード用リフィルであって、
前記把持部には、前記挿入溝部へ前記バーテブラを挿入容易とする傾斜面が形成されている
ことを特徴とするワイパブレード用リフィル。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1つに記載のワイパブレード用リフィルであって、
前記クリップは、前記ブレードラバーに形成した切欠部に嵌め込まれて取り付けられている
ことを特徴とするワイパブレード用リフィル。
【請求項5】
請求項2から請求項4の何れか1つに記載されたワイパブレード用リフィルの組立方法であって、
2本の前記バーテブラを、前記クリップに形成した前記各挿入溝部にそれぞれ挿入して前記把持部で保持させ、前記各突部に前記切欠を入り込ませると共に前記間隔保持部を間に挟んでバーテブラを平行に保持させた後、前記クリップで固定された各バーテブラをブレードラバーに組み付ける
ことを特徴とするワイパブレード用リフィルの組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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